JP5959177B2 - 電磁超音波探触子および電磁超音波探傷装置 - Google Patents
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また、この発明に係る電磁超音波探触子は、静磁界を形成する磁界発生手段と、被検体に渦電流を発生させるコイルとを備え、静磁界および渦電流の相互作用で発生するローレンツ力による超音波の送受信を行う超音波探触子において、コイルは、磁界発生手段と被検体との間に配置された、少なくとも2以上の複数のコイルを並列に接続した並列コイルであり、並列コイルを構成する各コイルは、磁界発生手段の中央部を中心として同心状に接続され、各コイルに流れる電流量は、同心状の中心から最外周に向けて大きくなるように構成する。
また、この発明に係る電磁超音波探触子は、静磁界を形成する磁界発生手段と、被検体に渦電流を発生させるコイルとを備え、静磁界および渦電流の相互作用で発生するローレンツ力による超音波の送受信を行う超音波探触子において、コイルは、磁界発生手段と被検体との間に配置された、少なくとも2以上の複数のコイルを並列に接続した並列コイルであり、並列コイルを構成する各コイルは、磁界発生手段の中央部を中心として同心状に接続され、同心状に接続された各コイルは、それぞれ異なる線径の導線で構成され、該導線の線径は同心状の中心から最外周に向けて大きくなるように構成する。
また、この発明に係る電磁超音波探触子は、静磁界を形成する磁界発生手段と、被検体に渦電流を発生させるコイルとを備え、静磁界および渦電流の相互作用で発生するローレンツ力による超音波の送受信を行う超音波探触子において、コイルは、磁界発生手段と被検体との間に配置された、少なくとも2以上の複数のコイルを並列に接続した並列コイルであり、並列コイルを構成する各コイルは、磁界発生手段の中央部を中心として同心状に接続され、同心状に接続された各コイルは、それぞれ異なる抵抗率の導線で構成され、該導線の抵抗は同心状の中心から最外周に向けて小さくなるように構成する。
図1はこの発明の実施の形態1による電磁超音波探触子の構成を示す図であり、図1(a)は電磁超音波探触子を上方から見た図、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。
電磁超音波探触子(以下、EMATと記す)10は、コイル1および磁石2で構成されている。コイル1は、少なくとも2個以上の複数のコイルが並列接続されて構成されている。図1(b)に示した例では、コイル1の中心から外側に向けてコイル1a,1b,1c,1d,1e,1fが同心状に接続されている。なお、磁石2の中心は、コイル1の同心状の中心と一致している。各コイル1a,1b,1c,1d,1e,1fは銅などの導線を中心部から渦巻状に巻いたものであり、各コイル1a,1b,1c,1d,1e,1fはそれぞれ線径の異なる導線で構成されている。図1(b)に示した例では、コイル1の中心から外側に向かって導線の線径が大きく(線径:1a<1b<1c<1d<1e<1f)なるように構成している。磁石2は、永久磁石や電磁石あるいは電磁石などの静磁界を発生させる手段である。
図2に示すように、コイル1に交流電流が流れると、導電性材料からなる被検体3の表層部には、コイル1に流れる電流量に対応した逆極性の渦電流4が生じる。また、磁石2により静磁界5が形成される。これらの渦電流4と静磁界5との相互作用により、被検体3にはローレンツ力6が発生する。ここで、コイル1には交流電流が流れているため、当該コイル1に流れる電流の極性に合せて渦電流4の極性が周期的に変化し、ローレンツ力6の極性も変化する。ローレンツ力6の極性の変化により被検体3が振動し、この振動により超音波が励振され、被検体3中に超音波が伝搬する。
一方、コイル1に交流電流を印加することにより被検体3に生じる渦電流4の電流量は、被検体3の場所によりそれぞれ異なる。これは、図1(b)で示したように各コイル1a,1b,1c,1d,1e,1fの導線の線径に変化を設けているためである。コイル1の中心から外側に向かって導線の線径が大きくなるように構成することにより、コイル1の導線の線径に対応して渦電流4の電流量が被検体3の中心から外側に向けて大きくなる。
図3(a)は、図4で示した被検体3のコイル1側の表層面で発生した渦電流の分布を示し、図3(b)は図3(a)における被検体3の中心部から右側部分の渦電流の分布を拡大して示している。図3(a),(b)において、横軸は被検体3の位置を示し、被検体3の中心部を原点としている。一方縦軸は、渦電流密度を示している。なお、図3(a),(b)では比較のため、従来のEMAT、すなわちコイルの導線の線径を同一とした構造を有するEMATを用いた場合のシミュレーション結果も合せて示している。実施の形態1のEMAT10によるシミュレーション結果は実線で示し、従来のEMATによるシミュレーション結果は点線で示している。
図5(a)は被検体3全体のローレンツ力6の分布を示し、図5(b)は図5(a)における被検体3の中心部から右側部分のローレンツ力6の分布を拡大して示している。図5(a),(b)において、横軸は被検体3の位置を示し、被検体3の中心部を原点としている。一方縦軸は、ローレンツ力の大きさを示している。なお、図5(a),(b)においても、比較のため従来のEMATを用いた場合のシミュレーション結果も合せて示している。実施の形態1のEMAT10によるシミュレーション結果は実線で示し、従来のEMATによるシミュレーション結果は点線で示している。
図6は、この発明の実施の形態2による電磁超音波探触子の構成を示す図であり、図6(a)は電磁超音波探触子を上方から見た図、図6(b)は図6(a)のB−B線断面図である。
実施の形態2のEMAT20は、コイル1および磁石2から構成されている。コイル1は、銅などの導線からなる複数のコイルが並列されて構成され、磁石2は永久磁石あるいは電磁石などの静磁界を発生させる手段である点は実施の形態1のEMAT10と同様であるが、コイル1の中心から外側に向けて並列に接続されたコイル1g,1h,1i,1j,1kの導線の線径を同一とし、導線の抵抗率をそれぞれ異なる値に設定した点で実施の形態1と異なっている。
EMAT20のコイル1は、抵抗率rの異なるコイル1g,1h,1i,1j,1kが並列に接続されている。コイル1g,1h,1i,1j,1kの抵抗率rはrg>rh>ri>rj>rkとの条件を満たすように設定されている。被検体3に発生する渦電流4の電流量は、コイル1の導線の抵抗率rに対応してコイル1の中央から外側に向けて大きくなる。
一方、磁石2により発生する静磁界5は実施の形態1と同様に、磁石2の外側に向かって小さくなっていく。よって、静磁界5と渦電流4との積が一定となるように各コイル1g,1h,1i,1j,1kを構成する導線の抵抗率rを決定することにより、静磁界5と渦電流4の相互作用であるローレンツ力6の大きさが磁石2の中心部である磁界発生部からの距離によらず一定の値をとる。
図7は、この発明の実施の形態3による電磁超音波探触子の構成を示す図であり、図7(a)は電磁超音波探触子を上方から見た図、図7(b)は図7(a)のC−C線断面図である。
実施の形態3のEMAT30は、コイル1および磁石2から構成されている。コイル1は、銅などの導線からなる複数のコイルが並列されて構成され、磁石2は永久磁石あるいは電磁石などの静磁界を発生させる手段である点は実施の形態1のEMAT10と同様であるが、コイル1の中心から外側に向けて並列に接続されたコイル1l,1m,1n,1o,1pの導線の線径は同一を同一とし、導線の巻き数をそれぞれ異なる値に設定した点で実施の形態1と異なっている。
EMAT30のコイル1は、導線の巻き数が異なるコイル1l,1m,1n,1o,1pが並列に接続されている。導線の巻き数は、1l<1m<1n<1o<1pとの条件を満たすように設定されている。被検体3に発生する渦電流4の電流量は、コイル1の導線の巻き数に対応してコイル1の中心から外側に向けて大きくなる。
一方、磁石2により発生する静磁界5は実施の形態1と同様に、磁石2の外側に向かって小さい。よって、静磁界5と渦電流4との積が一定となるように各コイル1l,1m,1n,1o,1pを構成する導線の巻き数を決定することにより、静磁界5と渦電流4の相互作用であるローレンツ力6の大きさが磁石2の中心部である磁界発生部からの距離によらず一定の値をとる。
図8は、この発明の実施の形態4による電磁超音波探触子の構成を示す図であり、図8(a)は電磁超音波探触子を上方から見た図、図8(b)は図8(a)のD−D線断面図である。
実施の形態4のEMAT40は、コイル1および磁石2から構成されている。コイル1は、銅などの導線からなる複数のコイルが並列されて構成され、磁石2は永久磁石あるいは電磁石などの静磁界を発生させる手段である点は実施の形態1のEMAT10と同様であるが、コイル1の中心から外側に向けて並列に接続されたコイル1q,1r,1s,1t,1uにそれぞれ異なる抵抗値の抵抗7a,7b,7c,7d,7e(以下、総称する場合、抵抗7と記す)が接続されている点で異なっている。
EMAT40のコイル1は、抵抗値が異なる抵抗7a,7b,7c,7d,7eが接続されたコイル1q,1r,1s,1t,1uが並列に接続されている。抵抗値は、7a>7b>7c>7d>7eとの条件を満たすように設定されている。被検体3に発生する渦電流4の電流量は、コイル1に接続された抵抗7の抵抗値に対応してコイル1の中心から外側に向けて大きくなる。
一方、磁石2により発生する静磁界5は実施の形態1と同様に、磁石2の外側に向かって小さい。よって、静磁界5と渦電流4の積が一定となるように、抵抗7a,7b,7c,7d,7eの各抵抗値を決定することにより、静磁界5と渦電流4の相互作用であるローレンツ力6の大きさが磁石2の中心部である次回発生部からの距離によらず一定の値をとる。
Claims (7)
- 静磁界を形成する磁界発生手段と、被検体に渦電流を発生させるコイルとを備え、前記静磁界および前記渦電流の相互作用で発生するローレンツ力による超音波の送受信を行う超音波探触子において、
前記コイルは、前記磁界発生手段と前記被検体との間に配置された、少なくとも2以上の複数のコイルを並列に接続した並列コイルであり、該並列コイルを構成する各コイルが被検体に発生させる渦電流の電流量と前記静磁界との積が一定であることを特徴とする電磁超音波探触子。 - 静磁界を形成する磁界発生手段と、被検体に渦電流を発生させるコイルとを備え、前記静磁界および前記渦電流の相互作用で発生するローレンツ力による超音波の送受信を行う超音波探触子において、
前記コイルは、前記磁界発生手段と前記被検体との間に配置された、少なくとも2以上の複数のコイルを並列に接続した並列コイルであり、前記並列コイルを構成する各コイルは、前記磁界発生手段の中央部を中心として同心状に接続され、前記各コイルに流れる電流量は、同心状の中心から最外周に向けて大きくなることを特徴とする電磁超音波探触子。 - 静磁界を形成する磁界発生手段と、被検体に渦電流を発生させるコイルとを備え、前記静磁界および前記渦電流の相互作用で発生するローレンツ力による超音波の送受信を行う超音波探触子において、
前記コイルは、前記磁界発生手段と前記被検体との間に配置された、少なくとも2以上の複数のコイルを並列に接続した並列コイルであり、前記並列コイルを構成する各コイルは、前記磁界発生手段の中央部を中心として同心状に接続され、前記同心状に接続された各コイルは、それぞれ異なる線径の導線で構成され、該導線の線径は同心状の中心から最外周に向けて大きくなることを特徴とする電磁超音波探触子。 - 静磁界を形成する磁界発生手段と、被検体に渦電流を発生させるコイルとを備え、前記静磁界および前記渦電流の相互作用で発生するローレンツ力による超音波の送受信を行う超音波探触子において、
前記コイルは、前記磁界発生手段と前記被検体との間に配置された、少なくとも2以上の複数のコイルを並列に接続した並列コイルであり、前記並列コイルを構成する各コイルは、前記磁界発生手段の中央部を中心として同心状に接続され、前記同心状に接続された各コイルは、それぞれ異なる抵抗率の導線で構成され、該導線の抵抗は同心状の中心から最外周に向けて小さくなることを特徴とする電磁超音波探触子。 - 前記同心状に接続された各コイルは、それぞれ異なる巻き数の導線で構成され、該導線の単位面積あたりの巻き数は同心状の中心から最外周に向けて大きくなることを特徴とする請求項2記載の電磁超音波探触子。
- 前記同心状に接続された各コイルにはそれぞれ異なる抵抗値を有する抵抗素子が接続され、当該抵抗素子の抵抗値は同心状の中心から最外周に向けて小さくなることを特徴とする請求項2記載の電磁超音波探触子。
- 請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の電磁超音波探触子を用いて前記被検体に超音波を発生させ、発生した超音波のうち前記被検体の欠陥部において散乱された超音波を受信して前記被検体の探傷を行う電磁超音波探傷装置。
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