JP6275031B2 - 電磁超音波センサ - Google Patents

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Description

本発明は、鋼材の欠陥検査などを非接触で行なうための電磁超音波センサに関するものであって、特に、被検査体の内部を斜めに伝播する斜角超音波を発生することができる電磁超音波センサに関する。
鋼材などの被検査体の表面や内部に存在する欠陥の検査方法の一つとして、超音波探傷方法が挙げられる。
超音波探傷に関し、従来の圧電素子による方法では、センサ内で発生した超音波を水や油などの接触媒質を介して被検査体に伝達させていた。これに対して、被検査体に非接触で超音波探傷ができる電磁超音波探触子(EMAT:Electro Magnetic Acoustic Transducer)が知られている。この電磁超音波探触子は、電磁気的な作用を利用して接触媒質を介することなく、直接、被検査体内に超音波を発生させ伝播させることができる。
図1A〜図1Cに、一般的な横波発生用の電磁超音波センサ101(レーストラック型EMAT)の概略図を示す。レーストラック型EMATは、電流を流す導線を渦巻き状(平面視で矩形の形状)に配備したコイル104を有している。レーストラック型EMATの原理は、永久磁石102により発生する静磁場と、コイル104にパルス電流を流すことにより発生する渦電流との相互作用によりローレンツ力を発生させて、それによって被検査体内に超音波を発生させる。このようなEMATにおいては、被検査体と非接触で超音波を伝達させることができるが、受信感度が圧電素子に比べて2桁低くまた電磁気的な作用で超音波の送受信を行なっているため電磁気的なノイズが大きくなるという課題がある。
一方、被検査体内を斜め方向に進む超音波(斜角超音波)を用いて、欠陥の検査を行うこともある。図2A〜図2Cに、一般的なメアンダ型EMAT(斜角超音波を発生するEMAT)の構成図を示す。このようなメアンダ型EMATとしては、特許文献1に開示されたものがある。
図2Bに示す如く、メアンダ型EMATを構成するメアンダコイル106は、コイルを構成する導線を櫛形に配置したものであり、櫛型配置であるため隣り合う導線には逆向きの電流が流れることになる。
図2Cには、メアンダ型EMATから斜角の超音波発生が発生する原理が示されている。メアンダコイル106の隣り合う導線毎の路程差が超音波の半波長と一致(一本飛ばした同じ向きの導線では路程差が波長と一致)するように周波数、入射角を決めることで斜角に超音波が発生する。なお、メアンダコイル106の特徴としては導線が対向している向きに並んでいるため、対象に発生する渦電流が互いに打ち消しあうことになるため、発生する超音波の強度が低いという課題がある。
特許第3956053号公報
前述したメアンダ型EMATの課題である「対象に発生する渦電流が互いに打ち消しあうことになるため、発生する超音波の強度が低い」に対して、特許文献1では、コイルが導線としてプリントされた基板を多層に重ねることで、コイルの巻き数を大きくして信号強度の向上を図ろうとしている。
しかしながら、基板を多層に重ね合わせているとはいえ実質は数巻き程度しか巻き数を向上させることができず、超音波の強度向上は僅かなものとなる。また、一般的には欠陥の検出限界サイズは波長の1/2〜1/5程度とされており、探傷において求める検出サイズによって超音波の波長(周波数)を決めることになる。このメアンダコイル106による超音波の発生原理においては線間と周波数が決まれば入射角が一意に決まり、また線間と入
射角が決まれば周波数が決まってしまうため、異なる入射角度で一定の周波数にすることは不可能である(同じ周波数にしようとすると、線間距離を変えたメアンダコイル106が複数必要である)。
以上述べたように、レーストラック型EMATやメアンダ型EMATには、電磁気的なノイズが大きくなる、発生する超音波の強度が低い等の課題があり、その課題を解決して良好な欠陥探傷を可能とする技術は開発されるに至っていなかった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、同じ周波数で異なる入射角に対応可能な超音波を強い信号高強で発生することが可能な電磁超音波センサを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の電磁超音波センサは、強磁性体材料の被検査体に対向する面に磁極を有していて且つ当該被検査体に磁場を印加する磁石と、前記磁石により磁場が印加された被検査体に渦電流を発生させて当該被検査体内に電磁超音波を生じさせるコイル体とを有する電磁超音波センサにおいて、前記コイル体は、複数のコイルを前記磁石の磁化方向に垂直となる方向に配備されてなり、前記複数のコイルは、レーストラック状に巻回されたコイルからなり、水平面内において、中心部から外向きに巻き回された一のコイルと、前記一のコイルの外側において、当該一のコイルを取り囲むように配備された他のコイルを有し、前記複数のコイルのうち、前記他のコイルにパルス電流を印加し、その後、所定の時間間隔Δtだけ遅らせ、前記一のコイルにパルス電流を印加することで斜角超音波を発生するように構成されていることを特徴とする。
本発明の電磁超音波センサによれば、同じ周波数で異なる入射角に対応可能な超音波を強い信号高強で発生することができる。
電磁超音波センサ(レーストラック型EMAT)の構成を模式的に示した正面図である(図1B中の破線で囲んだ部分の断面図、従来法)。 電磁超音波センサ(レーストラック型EMAT)の構成を模式的に示した平面図である(従来法)。 レーストラック型EMATを構成するコイルを模式的に示した平面図である(従来法)。 メアンダ型EMATを構成するコイルを模式的に示した平面図である(従来法)。 電磁超音波センサ(メアンダ型EMAT)の構成を模式的に示した正面図である(従来法)。 メアンダ型EMATにより、超音波が発生する様子を模式的に示した平面図である(従来法)。 第1実施形態にかかる電磁超音波センサの構成を模式的に示した正面図である(図3B中の破線で囲んだ部分の断面図)。 第1実施形態にかかる電磁超音波センサの構成を模式的に示した平面図である。 第2実施形態にかかる電磁超音波センサの構成を模式的に示した正面図である(図4B中の破線で囲んだ部分の断面図)。。 第2実施形態にかかる電磁超音波センサの構成を模式的に示した平面図である。 斜角超音波が発生する様子を模式的に示した図である。 シミュレーションに用いた電磁超音波センサにおけるコイルの寸法を示した図である。 斜角超音波の発生をシミュレーションした結果である。 第3実施形態にかかる電磁超音波センサの構成を模式的に示した正面図である。 第4実施形態にかかる電磁超音波センサの構成を模式的に示した正面図である。 第5実施形態にかかる電磁超音波センサの構成を模式的に示した平面図である。 第5実施形態の変形例にかかる電磁超音波センサの構成を模式的に示した平面図である。
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る電磁超音波センサについて説明する。
本実施形態の電磁超音波センサ1は、ソレノイド型電磁超音波センサ1であり、横波発生用センサである。
図3Aに示すように、電磁超音波センサ1は、静磁場発生用の磁石2と、被検査体Wの表面内部に渦電流を発生するためのコイル体3(送信コイル)とから構成される。コイル体3は被検査体Wの上方空間に配置されている。静磁場発生用の磁石2は、永久磁石乃至は電磁石から構成されており、一方の磁極(S極)が被検査対象に対面し、他方の磁極(N極)が被検査対象とは反対側の位置になるように配備されている。すなわち、磁石2は、その磁極が上方と下方を向くように配備され、磁化方向が被検査体Wの表面に垂直となっている。
この磁石2の外周面に沿って、縦回り(左右方向を向く軸心回り)に配線が巻回され、コイル体3(ソレノイド型のコイル体)が構成されている。
図3Bに示すように、コイル体3は磁石2の水平方向に沿って複数群、本実施形態の場合は、3群(第1のコイル4a〜第3のコイル4c)が横に並ぶように配備されている。第1のコイル4aは、磁石2の一方側(図3Aでの左側)から磁石2の幅方向の1/3程度の位置まで巻き回されるようになっている。第3のコイル4cは、磁石2の他方側(図3Aでの右側)から磁石2の幅方向の1/3程度の位置まで巻き回されるようになっている。第1のコイル4aと第3のコイル4cとに挟まれるように、第2のコイル4bが磁石2の幅方向の1/3程度の幅で巻き回されている。第1のコイル4a〜第3のコイル4cの構造、例えば、巻数などは同じとされている。すなわち、複数のソレノイドコイル4a〜4cが連なるように配置され、コイル体3が形成される。
上記した構成の電磁超音波センサ1を、被検査体W表面上に配備し、磁石2に巻回されたコイル4にパルス電流を流す。これにより、被検査体W内に誘起される渦電流と磁界との相互作用により発生するローレンツ力が音源となって被検査体W内に超音波を発生させる。発生した超音波は被検査体W内を進み、疵等の内部欠陥により反射され反射波となり、電磁超音波センサ1側へ戻ってくる。なお、図3Aの丸印の中に点を備えた印は、紙面裏側から紙面表側への電流の流れを示す記号である。丸印の中に×を備えた印は、紙面表側から紙面裏側への電流の流れを示す記号である。
より詳細には、図5に示す如く、各コイル4に流す電流に異なるディレイをかける。すなわち、第1のコイル4aに電流を印加する時刻に対して、第2のコイル4bに電流を印加する時刻を所定時間Δtだけ遅らせるようにする。更に、第2のコイル4bに電流を印加する時刻に対して、第3のコイル4cに電流を印加する時刻を所定時間Δtだけ遅らせるようにする。
すると、まず第1のコイル4aから超音波が発生し、所定時間Δtだけ遅れて、第2のコイル4bから超音波が発生する。その後に、所定時間Δtだけ遅れて、第3のコイル4cから超音波が発生する。図5に示す如く、所定時間毎に遅れた形で発生した超音波の波形は互いに干渉するため、ディレイに応じて発生した超音波の波面が角度を持ち、斜角超音波が生じることとなる。
図6A、図6Bには、上記した電磁超音波センサ1から超音波が発射される様子をシミュレーションした結果が示されている。被検査体Wは鋼材で、印加するパルス電流の周波
数は3MHz、第1のコイル4a〜第3のコイル4cの各コイルの幅は2mm、各コイル間の隙間を1.5mmとしている。本来なら電磁超音波の原理では対象内部で超音波が発生するが、ディレイによって超音波の角度を変化させることが可能であることを検証することが目的であるため、シミュレーションでは、対象の上部から圧電素子を介して超音波を入射させている。
第1のコイル4a〜第3のコイル4cの3個のコイル4で、ディレイがない場合(同時刻にパルス電流を印加する場合)では、垂直に超音波が伝播する(図6Bの上段の図)。一方で、Δt=0.3μsecだけ遅れて、第1のコイル4a、第2のコイル4b、第3のコイル4cの順にパルス電流を印加した場合、斜角超音波が発生していることがわかる(図6Bの下段の図)。所定時間Δtの値を可変とすることで、斜角超音波の進行角度を様々に変化させることが可能である。またコイル4の幅やピッチ、巻数を変化させることで発生する超音波の強度や集束の状態を変えることも可能である。定性的には巻数が多くピッチが小さいほうが超音波の波面を制御しやすく所望の波形を得やすいことを、本願出願人は知見している。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る電磁超音波センサについて説明する。第2実施形態に関しては、コイルの構成が第1実施形態と大きく異なっている。
すなわち、図4Aに示すように、電磁超音波センサ1は、静磁場発生用の磁石2と、被検査体Wの表面内部に渦電流を発生するためのコイル体3(送信コイル)とから構成される。具体的には、磁石2は、一方の磁極(S極)が被検査対象に対面し、他方の磁極(N極)が被検査対象とは反対側の位置になるように配備されている。
この磁石2の下面側であって被検査体Wの上方に、レーストラック状に巻回されたコイル4が磁石2の水平方向に沿って複数群、本実施形態の場合は、3群(第1のコイル4a〜第3のコイル4c)配備されている。
第1のコイル4a〜第3のコイル4cのそれぞれのコイルに関しては、図4Bに示されるように、水平面内で矩形の渦巻き状に巻かれたレーストラック型のコイルとなっている。その上で、第1のコイル4a〜第3のコイル4cが上下方向に一部重なるように、水平方向にズラした形で配備されている。例えば、第1のコイル4aに対して、コイル4幅の1/5程度水平方向(図例では右側)にズラした形で第2のコイル4bが重ねられて配備され、第2のコイル4bに対して、コイル4幅の1/5程度水平方向にズラした形で第3のコイル4cが重ねられて配備されている。第1のコイル4a〜第3のコイル4cの構造、例えば、巻数などは同じとされている。
上記した構成の電磁超音波センサ1においても、各コイルに流す電流に異なるディレイをかける。すなわち、第1のコイル4aに電流を印加する時刻に対して、第2のコイル4bに電流を印加する時刻を所定時間Δtだけ遅らせるようにする。更に、第2のコイル4bに電流を印加する時刻に対して、第3のコイル4cに電流を印加する時刻を所定時間Δtだけ遅らせるようにする。
すると、まず第1のコイル4aから超音波が発生し、所定時間Δtだけ遅れて、第2のコイル4bから超音波が発生する。その後に、所定時間Δtだけ遅れて、第3のコイル4cから超音波が発生する。図5に示す如く、所定時間毎に遅れた形で発生した超音波の波形は互いに干渉するため、ディレイに応じて発生した超音波の波面が角度を持ち、斜角超音波が生じることとなる。
このように、レーストラック型コイル4を横方向に並列に並べるだけでも、コイル4を複数枚重ねることになるのでリフトオフが大きくなるという難点は存在するものの、斜角超音波を発生することが可能となる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る電磁超音波センサについて説明する。第3実施形態に関しては、コイルの構成が第1実施形態と大きく異なっている。
すなわち、図7に示すように、電磁超音波センサ1は、静磁場発生用の磁石2と、被検査体Wの表面内部に渦電流を発生するためのコイル体3(送信コイル)とから構成される
。具体的には、磁石2は、一方の磁極(S極)が被検査対象に対面し、他方の磁極(N極)が被検査対象とは反対側の位置になるように配備されている。
この磁石2の下面側であって被検査体Wの上方に、ボビン5に導線が巻回された構造(ソレノイド構造)のコイル体3が配備されている。
ボビン5は長尺の円筒体であり、非磁性体から構成されている。このボビン5は、その軸心が水平方向を向くように、磁石2の下面側であって被検査体Wの上方に配備されている。
このボビン5の長手方向に沿って、複数群、本実施形態の場合は、3群(第1のコイル4a〜第3のコイル4c)配備されている。
第1のコイル4aは、ボビン5の一方側(図7での左側)からボビン5の長手方向の1/3程度の位置まで巻き回されるようになっている。第3のコイル4cは、ボビン5の他方側(図7での右側)からボビン5の長手方向の1/3程度の位置まで巻き回されるようになっている。第1のコイル4aと第3のコイル4cとに挟まれるように、第2のコイル4bがボビン5の長手方向の1/3程度の幅で巻き回されている。第1のコイル4a〜第3のコイル4cの構造、例えば、巻数などは同じとされている。
上記した構成の電磁超音波センサ1においても、各コイル4に流す電流に異なるディレイをかける。すなわち、第1のコイル4aに電流を印加する時刻に対して、第2のコイル4bに電流を印加する時刻を所定時間Δtだけ遅らせるようにする。更に、第2のコイル4bに電流を印加する時刻に対して、第3のコイル4cに電流を印加する時刻を所定時間Δtだけ遅らせるようにする。
すると、まず第1のコイル4aから超音波が発生し、所定時間Δtだけ遅れて、第2のコイル4bから超音波が発生する。その後に、所定時間Δtだけ遅れて、第3のコイル4cから超音波が発生する。図5に示す如く、所定時間毎に遅れた形で発生した超音波の波形は互いに干渉するため、ディレイに応じて発生した超音波の波面が角度を持ち、斜角超音波が生じることとなる。
このように、導線を磁石2ではなくボビン5のようなものに立体的に巻くことでコイル体3を形成し、磁石2と分離することも可能である。この場合、磁石2が対象から遠ざかるため信号強度は小さくなるものの、確実に斜角超音波を送出可能である。
また、コイル4a〜4cはソレノイド型であるため、第2実施形態のレーストラック型のコイルに比べ多層巻きが可能であり、その結果、発生する信号強度を大きなものとすることが可能となる。信号強度を高くすることができるため、リフトオフを大きなものとすることが可能となる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る電磁超音波センサについて説明する。第4実施形態に関しては、磁石2の配置及びコイル4の配置が第3実施形態と大きく異なっている。
すなわち、図8に示すように、本実施形態の電磁超音波センサ1は、静磁場発生用の磁石2を2つ備えており、水平方向においてこの磁石2に挟まれるように、渦電流を発生するためのコイル体3(送信コイル)が配備されている。
具体的には、2つの磁石2のうち、第1の磁石2は、一方の磁極(S極)が被検査対象に対面し、他方の磁極(N極)が被検査対象とは反対側の位置になるように配備されている。第2の磁石2は、N極が被検査対象に対面し、S極が被検査対象とは反対側の位置になるように配備されている。
第2の磁石2は、第1の磁石2から水平方向に所定の間隔を空けて配備される。第2の磁石2は第1の磁石2と同じ高さに位置しており、被検査対象からの上下高さは、両磁石2で同じものとされている。
第1の磁石2と第2の磁石2との間には、第3実施形態と同じ構成のコイル4が配備されている。すなわち、コイルは、ボビン5に導線が巻回された構造(ソレノイド構造)とされている。ボビン5は長尺の円筒体であり、非磁性体から構成されている。このボビン5は、その軸心が水平方向を向くように、磁石2の下面側であって被検査体Wの上方に配備されている。
このボビン5の長手方向に沿って、複数群、本実施形態の場合は、3群(第1のコイル4a〜第3のコイル4c)配備されている。
第1のコイル4aは、ボビン5の一方側(図8での左側)からボビン5の長手方向の1/3程度の位置まで巻き回されるようになっている。第3のコイル4cは、ボビン5の他方側(図8での右側)からボビン5の長手方向の1/3程度の位置まで巻き回されるようになっている。第1のコイル4aと第3のコイル4cとに挟まれるように、第2のコイル4bがボビン5の長手方向の1/3程度の幅で巻き回されている。第1のコイル4a〜第3のコイル4cの構造、例えば、巻数などは同じとされている。
上記した構成の電磁超音波センサ1においても、各コイル4に流す電流に異なるディレイをかける。すなわち、第1のコイル4aに電流を印加する時刻に対して、第2のコイル4bに電流を印加する時刻を所定時間Δtだけ遅らせるようにする。更に、第2のコイル4bに電流を印加する時刻に対して、第3のコイル4cに電流を印加する時刻を所定時間Δtだけ遅らせるようにする。
すると、まず第1のコイル4aから超音波が発生し、所定時間Δtだけ遅れて、第2のコイル4bから超音波が発生する。その後に、所定時間Δtだけ遅れて、第3のコイル4cから超音波が発生する。図5に示す如く、所定時間毎に遅れた形で発生した超音波の波形は互いに干渉するため、ディレイに応じて発生した超音波の波面が角度を持ち、斜角超音波が生じることとなる。なお、コイル体3を挟み込むように磁石2が配備されているため、第1のコイル4a〜第3のコイル4cで発生する超音波は、縦波となる。この点が第1実施形態〜第3実施形態とは異なっている。
このように、図8のように磁石2とコイル体3を配置し、水平方向に配備された2つの磁石2を用いることで縦波の発生も可能である。第1のコイル4a〜第3のコイル4cに対し、パルス電流を時間差をもって印加することで縦波の斜角超音波を発生させることが可能となる。
以上述べたように、本発明の電磁超音波センサ1によれば、同じ周波数で異なる入射角に対応可能な超音波を強い信号高強で発生することができる。すなわち、複数のコイル4a〜4cに印加するパルス電流を、所定時刻Δtずつ遅らせることで、斜角超音波の進行角度を可変とすることが可能である。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る電磁超音波センサについて説明する。
本実施形態の電磁超音波センサ1は、静磁場発生用の磁石2と、被検査体Wの表面内部に渦電流を発生するためのコイル体3(送信コイル)とから構成される。具体的には、磁石2は、一方の磁極(S極)が被検査対象に対面し、他方の磁極(N極)が被検査対象とは反対側の位置になるように配備されている。すなわち、磁石2は、その磁極が上方と下方を向くように配備されている。
この磁石2の下面側であって被検査体Wの上方に、レーストラック状に巻回されたコイルが配備されている。
図9Aに示すように、本実施形態のコイル体3は、水平面内において、平面視で矩形形状に巻かれたレーストラック型のコイルであり、中心部から外向きに巻き回された第1のコイル4aを有している。この第1のコイル4aの外側には、水平面内において、第1のコイル4aを取り囲むように平面視で矩形形状に巻かれた第2のコイル4b(レーストラック型のコイル4)が配備されている。
図9Aの破線で囲まれた部位(図9Aにおいてコイル体3の左辺の配線)を考えるに、第2実施形態と同様に、複数のコイル4が磁石2の磁化方向に垂直となる方向に配備されるものとなっている。したがって、第2のコイル4b(外側のコイル4)にパルス電流を印加し、その後、所定の時間間隔Δtだけ遅らせ、第1のコイル4a(内側のコイル4)に電流を印加することで、巻回の中心に向かった方向に斜角超音波が発生することとなる。
このような状況は、図9Aにおけるコイル体3の右辺の配線、コイル4の上辺の配線、コイル4の下辺の配線でも同様となり、全ての辺で、巻回の中心に向かった方向に斜角超
音波が発生することとなる。
本実施形態のコイル4は、第1のコイル4aと第2のコイル4bとが同一平面上に配備されているため、コイルを複数枚重ねることによるリフトオフの変化が無く、均等に斜角超音波を発生することが可能となる。
図9Bは、図9Aの変形例である。すなわち、図9Bのコイル体3は、水平面内において、平面視で円形渦巻き状に巻かれたコイルであり、中心部から外向きに巻き回された第1のコイル4aを有している。この第1のコイル4aの外側には、水平面内において、第1のコイル4aを取り囲むように平面視で円形(渦巻き状)に巻かれた第2のコイル4bが配備されている。
このようなコイル体3であっても、図9Aと同様な理論により、巻回の中心に向かった方向に斜角超音波が発生することとなる。特に、巻回の中心から、コイルを形成する配線までの距離が略同じであるため、巻回中心に向かった斜角超音波を均一に発生することが可能となる。
以上まとめれば、本発明の電磁超音波センサ1によれば、複数のコイル4a〜4cのうち、一方端に配備されているコイル4aから他方端に配備されているコイル4cに向けて順番に電流を印加するとともに、隣り合うコイルに電流を印加するタイミングを所定の時間間隔Δtだけ遅らせる構成とすることで、時間間隔Δtを調節することのみで、斜角超音波の進行角度を変化させることが可能となる。この際、斜角超音波の周波数は一定である。加えて、コイル体3を形成する複数のコイル4a〜4cは、レーストラック型(渦巻き型)やソレノイド型であるため、従来のメアンダコイルに比べ多層巻きが可能であり、発生する信号強度を高強度とすることが可能である。信号強度が強いため、リフトオフも従来型のメアンダコイルに比べ大きくすることが可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 電磁超音波センサ
2 磁石
3 コイル体
4a 第1のコイル
4b 第2のコイル
4c 第3のコイル
5 ボビン

Claims (1)

  1. 強磁性体材料の被検査体に対向する面に磁極を有していて且つ当該被検査体に磁場を印加する磁石と、前記磁石により磁場が印加された被検査体に渦電流を発生させて当該被検査体内に電磁超音波を生じさせるコイル体とを有する電磁超音波センサにおいて、
    前記コイル体は、複数のコイルを前記磁石の磁化方向に垂直となる方向に配備されてなり、
    前記複数のコイルは、レーストラック状に巻回されたコイルからなり、水平面内において、中心部から外向きに巻き回された一のコイルと、前記一のコイルの外側において、当該一のコイルを取り囲むように配備された他のコイルを有し、
    前記複数のコイルのうち、前記他のコイルにパルス電流を印加し、その後、所定の時間間隔Δtだけ遅らせ、前記一のコイルにパルス電流を印加することで斜角超音波を発生するように構成されている
    ことを特徴とする電磁超音波センサ。
JP2014262567A 2014-12-25 2014-12-25 電磁超音波センサ Active JP6275031B2 (ja)

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