JP2008190984A - 非接触探傷装置 - Google Patents

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光詞 井幡
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Abstract

【課題】電磁超音波探触子を移動させることなく、被検体中に存在する欠陥を高い精度で探傷することができる非接触探傷装置を得る。
【解決手段】被検体7に渦電流を発生させるコイル2、及び渦電流が発生する領域に静磁界を印加させる磁石3a、3bを有し、前記被検体7の表面に配置され、前記渦電流及び前記静磁界の相互作用で発生するローレンツ力により超音波を前記被検体中に送信するとともに、前記被検体中の音響的不連続部9により反射された超音波を受信する電磁超音波探触子1と、前記電磁超音波探触子1を複数の駆動周波数で動作させるとともに、前記電磁超音波探触子1で受信した前記複数の駆動周波数に対応する複数の超音波の波形を比較して前記音響的不連続部9の位置を検出する駆動制御/受信処理部100とを設けた。
【選択図】図3

Description

この発明は、電磁超音波探触子(EMAT:Electromagnetic Acoustic Transducer)を用いた非接触探傷装置に関し、特に、被検体の深さ方向の欠陥や、材料変化領域の位置を高精度で計測することができる非接触探傷装置に関するものである。
金属の板や管等の被検体に非接触で超音波の発生や検出を行う方法の一つとして、EMATを利用した方法が知られている。一般に、EMATは、高周波電流を流すコイルと、静磁界を与える磁石とから構成されている。EMATは、コイルを流れる電流の高周波振動により、被検体表面近傍に生じる渦電流と、磁石によって被検体中に作られる静磁界との相互作用によりローレンツ力を発生させ、このローレンツ力で被検体表面近傍を振動させることにより、被検体中に超音波を発生させるものである。また、逆の物理現象により被検体中の超音波を検出することができる。このため、接触媒質を必要とせず、非接触で超音波の送受信を行うことができ。また、磁石やコイルの構成により種々のモードの超音波を発生、検出することができる。このEMATを利用して、金属に対する探傷や、音速測定、厚み測定、材質測定等を調べる技術として、例えば電磁超音波探傷装置などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭60−108749号公報
しかしながら、上述した従来の電磁超音波探傷装置では、非接触で超音波を発生、検出できるというメリットがあるものの、被検体中に存在する欠陥を探傷する場合、送受信器を移動させて探傷しなくてはならず、検査方法が複雑であるという問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、電磁超音波探触子を用いた探傷において、電磁超音波探触子を移動させることなく、被検体中に存在する欠陥を高い精度で探傷することができる非接触探傷装置を得るものである。
この発明に係る非接触探傷装置は、被検体に渦電流を発生させるコイル、及び渦電流が発生する領域に静磁界を印加させる磁石を有し、前記被検体の表面に配置され、前記渦電流及び前記静磁界の相互作用で発生するローレンツ力により超音波を前記被検体中に送信するとともに、前記被検体中の音響的不連続部により反射された超音波を受信する電磁超音波探触子と、前記電磁超音波探触子を複数の駆動周波数で動作させるとともに、前記電磁超音波探触子で受信した前記複数の駆動周波数に対応する複数の超音波の波形を比較して前記音響的不連続部の位置を検出する駆動制御/受信処理部とを設けたものである。
この発明に係る非接触探傷装置は、電磁超音波探触子を用いた探傷において、電磁超音波探触子を移動させることなく、被検体中に存在する欠陥を高い精度で探傷することができるという効果を奏する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る非接触探傷装置について図1から図5までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る非接触探傷装置の電磁超音波探触子(EMAT)の概略構造を示す図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は断面図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1において、この実施の形態1に係る非接触探傷装置のEMAT1は、コイル2と、2つの磁石3(3a、3b)とから構成されている。コイル2は、銅等の導線を円形、楕円形、または矩形の渦巻き状に中心部から数周から数十周巻いたもの、メアンダ状にしたもの、または、プリント基板上に同様の渦巻き状やメアンダ状のパターンを作成したものである。磁石3は、永久磁石あるいは電磁石等であり、静磁界を発生させる手段である。また、磁石3は、静磁界がコイル2により生じる渦電流に作用するように配置されている。
ここで、EMAT1による超音波の発生原理について図2を用いて説明する。図2は、EMAT1による超音波の発生原理を説明するための図である。EMAT1による超音波の駆動力としては、ローレンツ力を用いる。図2(a)に示すように、被検体(図示せず)に対して、Y軸の負方向に静磁界4を与えるとともに、Z軸の正方向に渦電流5を与えて、X軸の負方向に発生するローレンツ力6が、渦電流5の高周波振動に従って周期的に変動することにより、被検体を振動させ、超音波を発生させる。
同様に、図2(b)に示すように、被検体(図示せず)に対して、Y軸の負方向に静磁界4を与えるとともに、Z軸の負方向に渦電流5を与えて、X軸の正方向に発生するローレンツ力6が、渦電流5の高周波振動に従って周期的に変動することにより、被検体を振動させ、超音波を発生させる。
さらに、EMAT1の送受信の原理について図3を用いて説明する。図3は、この発明の実施の形態1に係る非接触探傷装置の動作を説明するための図である。図3に示すように、上記構造のEMAT1を、導電性材料からなる被検体7に配置する。磁石3は、被検体7の深さ方向に静磁界4を形成している。この状態で、駆動制御/受信処理部100からの交流電流をコイル2に流すと、被検体7の表層部に交流電流と逆向きの渦電流5が発生する。この渦電流5と静磁界4の相互作用により、被検体7にローレンツ力6が働き、被検体7が静磁界4の方向と渦電流5の方向に垂直な運動をすることにより、超音波8を発生させる。
被検体7に欠陥や材質変化領域等の音響的不連続部9(以下、欠陥9と記す)が存在する場合、超音波8は、欠陥9により反射され、再びEMAT1の方向へ伝搬していく。超音波8がEMAT1の近傍へ達すると、超音波8の変位によって、静磁界4が存在する領域の磁界が時間的に変化する。この磁界変化を妨げようとする方向に渦電流5が生じる。この渦電流5を再びコイル2により検出することで、駆動制御/受信処理部100は、被検体7中に存在する欠陥9からの反射波を受信することができる。
上述のように、EMAT1から送信された超音波8が、欠陥9で反射され、再びEMAT1で受信されるまでの時間を計測することで、駆動制御/受信処理部100は、欠陥9の位置を計測することができる。なお、超音波8の伝搬方向は、ローレンツ力6の振動方向により決定できるため、コイル2の配置方法や、磁石3の配置方法により任意に設定することができる。
次に、渦電流5について説明する。コイル2を流れる交流電流により被検体7に生じる渦電流5は、表皮効果の影響を受ける。ここで、表皮効果とは、信号の周波数が高くなればなるほど、被検体7の表面に電流が集中する現象のことである。また、その電流の流れる深さを表皮深さと呼び、表皮深さをδ、信号の角周波数をω、導体の透磁率をμ、導体の導電率をσとすると、次の式(1)の関係がある。
δ=√(2/ωμσ) 式(1)
このため、コイル2を流れる交流電流の周波数、すなわち駆動制御/受信処理部100によるEMAT1の駆動周波数が高周波の場合には、コイル2により生じる渦電流5の存在範囲は、被検体7の表面近傍となる。一方、EMAT1の駆動周波数が低周波数の場合には、コイル2によって生じる渦電流の存在範囲が、被検体7の表面からより深い部分へと広がる。
したがって、上述のように、EMAT1の駆動周波数により、被検体4に生じる渦電流5の存在範囲が変化するため、磁石3による静磁界4との相互作用であるローレンツ力6が生じる範囲も変化する。すなわち、EMAT1の駆動周波数を変化させることにより、超音波8の発生源の存在範囲を変化させることができ、EMAT1の駆動周波数が高周波数の場合、超音波8は被検体7の表面近傍に集中し、駆動周波数が低周波数の場合、被検体7の深さ方向の広い範囲に集中することになる。
次に、超音波8の発生源と被検体7中の欠陥9の位置の関係について図4を参照しながら説明する。図4は、超音波8の発生源10と被検体7中の欠陥9の位置の関係を説明するための図であり、図4(a)は、超音波8の発生源10が被検体7の表面近傍に集中する場合であり、図4(b)は、超音波8の発生源10が被検体7の深さ方向の広い範囲に集中している場合である。図4のように被検体7中に存在する欠陥9の探傷を行う場合、図4(a)の場合、超音波8は欠陥9で反射されず、被検体7の端面でのみ反射される。一方、図4(b)の場合、超音波8は欠陥9で反射される波と、さらに被検体7の端面でも反射される波が存在する。
図5は、図4のように探傷した場合の受信波形を示すものであり、図5(a)及び(b)はそれぞれ図4(a)及び(b)に対応している。図4(a)のように、超音波8の発生源10が被検体7の表面近傍に集中している場合は、被検体7の端面で反射された超音波のみが強く検出される。一方、図4(b)のように、超音波8の発生源10が被検体7の深さ方向の広い範囲に集中している場合は、欠陥9で反射された超音波と、被検体7の端面で反射された超音波が強く検出される。駆動制御/受信処理部100は、この両者の受信波形を比較することで欠陥9の有無を判定することができる。さらに、周波数間隔を小さくして、EMAT1の駆動周波数を変化させ、複数の周波数で探傷を行い、それぞれの周波数における受信波形を比較することにより、欠陥9からの反射波が検出される周波数を識別することができる。上記の識別した周波数より算出される超音波8の発生源10の位置が欠陥9の被検体7の深さ方向の位置と等しくなるため、駆動制御/受信処理部100は、欠陥9の深さ方向の位置を計測することができる。よって、EMAT1を走査することなく、被検体7中に存在する欠陥9を検出することが可能となる。
なお、図1では、コイル2は、1層の渦巻き状コイルを形成しているが、これに限るものではなく、多層の渦巻き状として形成することで、欠陥9を高精度に検出することが可能である。
また、図1では、コイル2は、空芯コイルとして示しているが、これに限るものではなく、コアを用いたコイルとすることで、欠陥9を高精度に検出することが可能である。
さらに、図1では、2つの磁石3a、3bはそれぞれ独立したものとして示しているが、これに限るものではなく、継鉄等を用いて磁石3a、3b同士を接続することで、欠陥9を高精度に検出することが可能である。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る非接触探傷装置について図6から図8までを参照しながら説明する。図6は、この発明の実施の形態2に係る非接触探傷装置を説明するための図である。
図6において、駆動制御部100Aに接続された送信用EMAT1aと、受信処理部100Bに接続された受信用EMAT1bは、被検体7上に一定の間隔を隔てて配置されている。送信用EMAT1aによって発生する超音波8が、被検体7中を伝搬し、受信用EMAT1bで受信されることにより、被検体7中に存在する欠陥9の探傷を行う。
次に、図6に示したEMATの動作について説明する。EMAT1の構成及び動作原理は、上記の実施の形態1と同様なので、ここでは省略する。図6において、送信用EMAT1aによって発生する超音波8の発生源10の範囲は、送信用EMAT1aの駆動周波数により変化する。すなわち、送信用EMAT1aの駆動周波数が高周波数の場合、超音波8の発生源10は、被検体7の表面近傍に集中し、送信用EMAT1aの駆動周波数が低周波数の場合、超音波8の発生源10は、被検体7の深さ方向の広い範囲に集中する。
よって、駆動制御部100Aにより、送信用EMAT1aの駆動周波数を変えながら、受信処理部100Bにより、送信用EMAT1aと受信用EMAT1b間の通過特性を測定すると、周波数により、超音波8の伝搬経路に欠陥9が存在する場合と、欠陥9が存在しない場合とに分けられ、受信用EMAT1bでの受信信号が異なる。
図7を用いてさらに説明する。図7(a)は、超音波8の伝搬経路に欠陥9が存在しない場合であり、図7(b)は、超音波8の伝搬経路に欠陥9が存在する場合を示す図である。図7(a)において、送信用EMAT1aにより送信された超音波8は、受信用EMAT1bの方向へ伝搬していく。送信用EMAT1aにより送信された超音波8は、受信用EMAT1bの方向へ伝搬していく伝搬経路において、欠陥9が存在しないため、受信用EMAT1bで受信される信号強度は強くなる。
一方、図7(b)では、超音波8の伝搬経路に欠陥9が存在するので、超音波8の一部もしくは全てが、欠陥9で反射、散乱され、受信用EMAT1bで受信される信号強度は弱くなってしまう。
図8は、受信用EMAT1bでの受信強度を示す図である。図8のように、ある周波数から、受信強度は低下する。この周波数から超音波8の発生源10の位置を算出することで、超音波8の発生源10と同じ深さに存在する欠陥9の位置を計測することができる。よって、EMAT1a及びEMAT1bを走査することなく被検体7中に存在する欠陥9を検出することが可能となる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る非接触探傷装置について図9から図16までを参照しながら説明する。図9は、この発明の実施の形態3に係る非接触探傷装置の電磁超音波探触子(EMAT)の概略構造を示す図であり、図9(a)は上面図、図9(b)は断面図である。
図9において、EMAT1は、被検体の表面に対して導線が形成する面が平行となるように配置された1つのコイル2aと、被検体の表面に対して導線が形成する面が垂直となるように配置された2つのコイル2bと、静磁界を与える手段である2つの磁石3(3a、3b)とから構成されている。
コイル2a、2bは、銅等の導線を円形、楕円形、または矩形の渦巻き状に中心部から数周から数十周巻いたもの、メアンダ状にしたもの、または、プリント基板上に同様の渦巻き状やメアンダ状のパターンを作成したものである。また、導線が形成する面とは、導線を渦巻き状に巻くことにより形成される面のことである。磁石3は、永久磁石あるいは電磁石等であり、静磁界を発生させる手段である。上記構造のEMAT1は、導電性材料からなる被検体7に配置され、駆動制御/受信処理部100(図13参照)によって、コイル2aあるいはコイル2bに交流電流を流すことにより、被検体7に渦電流を発生させる。磁石3は、渦電流に静磁界が作用するように配置されている。EMAT1の動作原理については、上記の実施の形態1と同様なので、ここでは省略する。
ここで、コイル2a、2bについて説明する。図10は、コイル2aの配置方法を説明するための図である。また、図11は、コイル2bの配置方法を説明するための図である。図10(a)は、被検体7の表面に平行に配置したコイル2aを示す上面図であり、図10(b)は、側面図である。図11(a)は、被検体7の表面に垂直に配置したコイル2bを示す上面図であり、図11(b)は、側面図である。
コイル2a、2bに交流電流を流すことにより被検体7に生じる渦電流の分布の様子は、コイル2a、2bの配置方法によって変化する。この現象をシミュレーションにより明らかにした。シミュレーションでは、被検体7は、80×50×1mm(長さ、幅、厚さ)のアルミニウム板を想定し、コイル2a、2bは、直径0.28mmの銅線を楕円状に15巻きしたものを想定した。被検体7の中央にコイル2a、2bを配置し、被検体7の表面からコイル2a、2bまでの距離を1mmとし、コイル2a、2bに流れる交流電流の周波数を4KHzとした場合の被検体7における渦電流分布について、図10及び図11に示す2つの配置方法で計算した。
図12は、図10で示したコイル2aを被検体7に平行に配置した場合と、図11で示したコイル2bを被検体7に垂直に配置した場合の計算結果(表)を示す図である。図12に示した計算結果は、図10及び図11中に示す点Oと点Aにおける渦電流密度であり、被検体7の表面と裏面について求めたものである。
計算結果を比較すると、コイル2a、2bの配置により渦電流密度が異なり、被検体7における渦電流分布が異なることがわかる。また、被検体7の裏面の渦電流密度を比較すると、被検体7に対して平行に配置したコイル2aの方が渦電流密度は大きくなっており、被検体7の深さ方向に、より多くの渦電流が発生している。
この発明の実施の形態3の非接触探傷装置は、上述の現象を利用するものであり、配置方法の異なる少なくとも2つ以上のコイルのうち、駆動制御/受信処理部100により、駆動するコイルを変えることにより、被検体7中で、EMAT1によって発生させる超音波の集中する領域を変化させることが可能となる。
なお、図9〜図11では、コイル2a及びコイル2bは、1層の渦巻き状コイルを形成しているが、これに限るものではなく、多層の渦巻き状として形成することで、欠陥9を高精度に検出することが可能である。
また、図9〜図11では、コイル2a及びコイル2bは、空芯コイルとして示しているが、これに限るものではなく、コアを用いたコイルとすることで、欠陥9を高精度に検出することが可能である。
また、図9では、2つの磁石3a、3bはそれぞれ独立したものとして示しているが、これに限るものではなく、継鉄等を用いて磁石3a、3b同士を接続することで、欠陥9を高精度に検出することが可能である。
さらに、図13に示すように、2つのコイル2bの代わりとして、1つのソレノイドコイルを用いても同様の効果を得ることが可能である。
図14は、この発明の実施の形態3に係る非接触探傷装置を説明するための図である。図14において、EMAT1の構造は、上述したように、被検体7の表面に対して平行となるように配置されたコイル2aと、被検体7の表面に対して垂直となるように配置された2つのコイル2bと、静磁界を与える手段である2つの磁石3a、3bとから構成されている。EMAT1は、被検体7上に配置されており、EMAT1によって発生する超音波8が、被検体7中を伝搬することにより、被検体7中に存在する欠陥9の探傷を行う。なお、非接触探傷装置は、EMAT1と、駆動制御/受信処理部100とから構成されている。
超音波8の発生源10と被検体7中の欠陥9の位置の関係について図15を参照しながら説明する。図15は、超音波8の発生源10と被検体7中の欠陥9の位置の関係を説明するための図であり、図15(a)は、被検体7の表面に対して平行となるように配置されたコイル2aを駆動制御/受信処理部100により駆動させた場合であり、図15(b)は、被検体7の表面に対して垂直となるように配置されたコイル2bを駆動制御/受信処理部100により駆動させた場合である。
図15(a)のコイル2aを駆動させた場合では、上述したように、コイル2aは、被検体7のより深い部分まで渦電流を発生させるため、超音波8の発生源10は被検体7の深い位置まで広がるため、超音波8が集中する領域は広くなる。このとき、図15(a)のように、被検体7中に存在する欠陥9の探傷を行う場合、超音波8は、欠陥9で反射される波と、被検体7の端面で反射する波が存在する。
一方、図15(b)のコイル2bを駆動させた場合では、上述したように、コイル2bは、被検体7の表面近傍に集中して渦電流を発生させるため、超音波8の発生源10も被検体7の表面近傍に集中し、超音波8の集中する領域は狭くなる。このとき、図15(b)のように、被検体7中に存在する欠陥9の探傷を行う場合、超音波8は、欠陥9では反射されず、被検体7の端面でのみ反射される。
図16は、図15のように探傷した場合の受信波形を示すものであり、図16(a)及び(b)は、それぞれ図15(b)及び(a)に対応している。図15(a)及び図16(b)に示すように、超音波8の発生源10が被検体7の深い部分まで広がっている場合は、欠陥9で反射された超音波と、被検体7の端面で反射された超音波が強く検出される。なお、コイル2aを駆動させた場合、コイル2a、コイル2bのいずれかで反射波を受信する。同様に、コイル2bを駆動させた場合、コイル2a、コイル2bのいずれかで反射波を受信する。
したがって、駆動制御/受信処理部100は、駆動コイルを変えて探傷を行い、両者の受信波形を比較することにより、EMAT1を走査させることなく、被検体7中に存在する欠陥9を検出することができる。さらに、あらかじめ、駆動コイルの配置による超音波8の発生源10の位置情報を得ていれば、受信強度が低下する駆動コイルによる超音波8の発生源10の位置情報から、欠陥9の深さ方向の位置を計測することができる。したがって、駆動コイルを変え、探傷を行い、両者の受信波形を比較することにより、EMAT1を走査させることなく、被検体7中に存在する欠陥9を検出することができる。
また、EMAT1の駆動周波数を変化させ、さらに駆動コイルを変化させ探傷を行うことで、被検体7中の欠陥9に対する情報が増えるため、欠陥9の検出精度を向上させることができる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る非接触探傷装置について図17から図19までを参照しながら説明する。図17は、この発明の実施の形態4に係る非接触探傷装置を説明するための図である。
図17において、駆動制御部100Aに接続された送信用EMAT1aと、受信処理部100Bに接続された受信用EMAT1bの構造は、上記の実施の形態3と同様であり、被検体7の表面に対して平行となるように配置されたコイル2aと、被検体7の表面に対して垂直となるように配置された2つのコイル2bと、静磁界を与える手段である2つの磁石3とから構成されている。送信用EMAT1aと受信用EMAT1bは、被検体7上に一定の間隔を隔てて配置されている。送信用EMAT1aによって発生する超音波8が、被検体7中を伝搬し、受信用EMAT1bで受信されることにより、被検体7中に存在する欠陥9の探傷を行う。
次に、図17に示したEMAT1の動作について説明する。図17において、送信用EMAT1aによって発生する超音波8の発生源10の範囲は、送信用EMAT1aの駆動コイルを変えることにより変化する。すなわち、送信用EMAT1aの駆動コイルが被検体7に対して平行に配置されたコイル2aである場合、超音波8の発生源10は、被検体7の深い部分まで広がり、送信用EMAT1aの駆動コイルが被検体7に対して垂直に配置されたコイル2bである場合、超音波8の発生源10は、被検体7の表面近傍に集中する。
よって、送信用EMAT1aの駆動コイルを変えて、送信用EMAT1aと受信用EMAT1b間の通過特性を測定すると、駆動コイルにより、超音波8の伝搬経路に欠陥9が存在する場合と、欠陥9が存在しない場合とに分けられ、受信用EMAT1bでの受信信号が異なる。
図18を用いてさらに詳細に説明する。図18(a)は、送信用EMAT1aの駆動コイルを被検体7に平行に配置したコイル2aとした場合で、超音波8の発生源10が被検体7の深い部分にまで広がり、超音波8の伝搬経路に欠陥9が存在する場合である。図18(b)は、送信用EMAT1aの駆動コイルを被検体7に垂直に配置したコイル2bとした場合で、超音波8の発生源10が被検体7の表面近傍に集中し、超音波8の伝搬経路に欠陥9が存在しない場合を示す図である。なお、送信用EMAT1aのコイル2aを駆動させた場合、受信用EMAT1bのコイル2a、コイル2bのいずれかで反射波を受信する。同様に、送信用EMAT1aのコイル2bを駆動させた場合、受信用EMAT1bのコイル2a、コイル2bのいずれかで反射波を受信する。
図18(a)において、送信用EMAT1aにより送信された超音波8は、受信用EMAT1bの方向へ伝搬していく。超音波8の伝搬経路に欠陥9が存在すると、超音波8は、その一部または全てが欠陥9で反射、散乱し、受信用EMAT1bで受信される信号強度は弱くなってしまう。
一方、図18(b)では、送信用EMAT1aにより送信された超音波8は、受信用EMAT1bの方向へ伝搬していく伝搬経路において、欠陥9が存在しないため、受信用EMAT1bで受信される信号強度は強くなる。
図19は、受信用EMAT1bでの受信強度を示す図である。図19のように、駆動コイルにより、受信強度が異なる。よって、受信強度を比較することで、被検体7中の欠陥9を検出することができる。さらに、あらかじめ、駆動コイルの配置による超音波8の発生源10の位置情報を得ていれば、受信強度が低下する駆動コイルによる超音波8の発生源10の位置情報から、欠陥9の深さ方向の位置を計測することができる。したがって、駆動コイルを変え、探傷を行い、両者の受信波形を比較することにより、EMAT1を走査させることなく、被検体7中に存在する欠陥9を検出することができる。
また、EMAT1aの駆動周波数を変化させ、さらに駆動コイルを変化させ探傷を行うことで、被検体7中の欠陥9に対する情報が増えるため、欠陥9の検出精度を向上させることができる。
この発明の実施の形態1に係る非接触探傷装置の電磁超音波探触子(EMAT)の概略構造を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る非接触探傷装置のEMATによる超音波の発生原理を説明するための図である。 この発明の実施の形態1に係る非接触探傷装置の動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態1に係る非接触探傷装置による超音波の発生源と被検体中の欠陥の位置の関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態1に係る非接触探傷装置のEMATの受信波形を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る非接触探傷装置を説明するための図である。 この発明の実施の形態2に係る非接触探傷装置の動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態2に係る非接触探傷装置の受信用EMATの受信強度を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る非接触探傷装置の電磁超音波探触子(EMAT)の概略構造を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る非接触探傷装置のEMATの平行コイルの配置方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態3に係る非接触探傷装置のEMATの垂直コイルの配置方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態3に係る非接触探傷装置のEMATの平行コイルと垂直コイルによる渦電流密度の比較表を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る非接触探傷装置のEMATの別の構造を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る非接触探傷装置を説明するための図である。 この発明の実施の形態3に係る非接触探傷装置による超音波の発生源と被検体中の欠陥の位置の関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態3に係る非接触探傷装置のEMATの受信波形を示すものである。 この発明の実施の形態4に係る非接触探傷装置を説明するための図である。 この発明の実施の形態4に係る非接触探傷装置の動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態4に係る非接触探傷装置の受信用EMATの受信強度を示す図である。
符号の説明
1 電磁超音波探触子(EMAT)、1a 送信用電磁超音波探触子(EMAT)、1b 受信用電磁超音波探触子(EMAT)、2、2a、2b コイル、3、3a、3b 磁石、7 被検体、9 音響的不連続部(欠陥)、100 駆動制御/受信処理部、100A 駆動制御部、100B 受信処理部。

Claims (4)

  1. 被検体に渦電流を発生させるコイル、及び渦電流が発生する領域に静磁界を印加させる磁石を有し、前記被検体の表面に配置され、前記渦電流及び前記静磁界の相互作用で発生するローレンツ力により超音波を前記被検体中に送信するとともに、前記被検体中の音響的不連続部により反射された超音波を受信する電磁超音波探触子と、
    前記電磁超音波探触子を複数の駆動周波数で動作させるとともに、前記電磁超音波探触子で受信した前記複数の駆動周波数に対応する複数の超音波の波形を比較して前記音響的不連続部の位置を検出する駆動制御/受信処理部と
    を備えたことを特徴とする非接触探傷装置。
  2. 前記コイルは、
    前記被検体の表面に対して、渦巻き状の導線が形成する面が平行となるよう配置された平行コイルと、
    前記被検体の表面に対して、渦巻き状の導線が形成する面が垂直となるよう配置された垂直コイルとを含み、
    前記駆動制御/受信処理部は、
    前記平行コイルを第1の駆動周波数で動作させ、前記垂直コイルを第2の駆動周波数で動作させて、前記平行コイル、前記垂直コイルを切り替えて動作させる
    ことを特徴とする請求項1記載の非接触探傷装置。
  3. 被検体に渦電流を発生させる第1のコイル、及び渦電流が発生する領域に静磁界を印加させる第1の磁石を有し、前記被検体の表面に配置され、前記渦電流及び前記静磁界の相互作用で発生するローレンツ力により超音波を前記被検体中に送信する送信用電磁超音波探触子と、
    前記被検体に渦電流を発生させる第2のコイル、及び渦電流が発生する領域に静磁界を印加させる第2の磁石を有し、前記被検体の表面の前記送信用電磁超音波探触子から一定の間隔を隔てて配置され、前記被検体中の音響的不連続部により散乱された超音波を受信する受信用電磁超音波探触子と、
    前記送信用電磁超音波探触子を複数の駆動周波数で動作させる駆動制御部と、
    前記受信用電磁超音波探触子で受信した前記複数の駆動周波数に対応する複数の超音波の波形を比較して前記音響的不連続部の位置を検出する受信処理部と
    を備えたことを特徴とする非接触探傷装置。
  4. 前記第1のコイルは、
    前記被検体の表面に対して、渦巻き状の導線が形成する面が平行となるよう配置された第1の平行コイルと、
    前記被検体の表面に対して、渦巻き状の導線が形成する面が垂直となるよう配置された第1の垂直コイルとを含み、
    前記第2のコイルは、
    前記被検体の表面に対して、渦巻き状の導線が形成する面が平行となるよう配置された第2の平行コイルと、
    前記被検体の表面に対して、渦巻き状の導線が形成する面が垂直となるよう配置された第2の垂直コイルとを含み、
    前記駆動制御部は、
    前記第1の平行コイルを第1の駆動周波数で動作させ、前記第1の垂直コイルを第2の駆動周波数で動作させて、前記第1の平行コイル、前記第1の垂直コイルを切り替えて動作させる
    ことを特徴とする請求項3記載の非接触探傷装置。
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