JP2001013118A - 電磁超音波探触子 - Google Patents

電磁超音波探触子

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JP2001013118A
JP2001013118A JP11184892A JP18489299A JP2001013118A JP 2001013118 A JP2001013118 A JP 2001013118A JP 11184892 A JP11184892 A JP 11184892A JP 18489299 A JP18489299 A JP 18489299A JP 2001013118 A JP2001013118 A JP 2001013118A
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wave
metal plate
plate
magnet
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JP11184892A
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English (en)
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Riichi Murayama
理一 村山
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 欠陥の深さ情報や欠陥の種類を弁別すること
ができると共に、検出能力の向上が図れ、かつ金属板表
面上の広い範囲で検査を行うことができる電磁超音波探
触子を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の電磁超音波探触子1は、磁場を
発生させる磁石2と、渦電流を発生させるセンサコイル
3とからなり、被検査材料に超音波を発生させ、被検査
材料の欠陥などで反射した超音波の反射波を受信するも
のであり、磁石2を被検査材料の表裏面を挟むように配
置し、この磁石2の磁極面Nと磁極面Sの各々にセンサ
コイル3U,3Dをそれぞれ設け、さらに、周波数を可
変とされたトーンバースト型送信信号を同時に、同位相
あるいは異なった位相でそれぞれのセンサコイル3U,
3Dに出力する超音波発生器(超音波発生部)4BU,
4BDを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、欠陥の深さ情報や
欠陥の種類を弁別することができると共に、検出能力の
向上が図れ、かつ金属板表面上の広い範囲で検査を行う
ことができる電磁超音波探触子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼板、ステンレス鋼板等に代表される金
属板の製造ラインで金属板表面及び内部の欠陥を検査す
る際には、従来、板波探傷法を用いた超音波オンライン
探傷が実施されてきた。板波探傷法は、圧延鋼板、冷延
鋼板等の板厚が比較的薄い金属板に対して用いられてお
り、オンライン探傷を実施する際には、主としてタイヤ
探触子が用いられている。
【0003】図8(a)は、タイヤ探触子の縦断面図を
示しており、タイヤ探触子51は、長手方向に搬送され
る金属板Pの幅方向に設けた固定軸52の外側にベアリ
ング53を介して回転可能なゴムタイヤ54を取付け、
該ゴムタイヤ54内に接触媒質55を充填し、金属板P
の幅方向へ所定の入射角で超音波が入射されるよう固定
軸52に圧電振動子56を金属板Pの表面に対して傾斜
させて取付けた構造とされている。
【0004】このタイヤ探触子51において圧電振動子
56と金属板Pとは、ゴムタイヤ54内の接触媒質5
5、ゴムタイヤ54の表面及び金属板P上に塗布してあ
る接触媒質を介して音響的な接触がなされている。
【0005】超音波探傷法では、上記したタイヤ探触子
51を金属板Pのエッジ部に転接させ、金属板Pの搬送
方向と直交する方向に板波超音波を伝播させる。すなわ
ち、圧電振動子56から送信された超音波は、図8
(b)に示すように金属板Pに所定の入射角で入射した
後、金属板Pの板厚及び超音波周波数に応じた振動モー
ドの板波超音波に変換され、金属板P中を伝播する。
【0006】金属板Pの表面及び内部に欠陥があれば、
図8(c)に示すようにその欠陥によって板波超音波が
反射するため、欠陥によって反射した板波超音波を、圧
電振動子56にて受信することで欠陥が検出される。
【0007】上記した板波探傷法において、ゴムタイヤ
54内の圧電振動子56から送信された超音波は金属板
Pに入射した後、金属板P内を板波超音波として伝播す
るが、同時にゴムタイヤ54内の接触媒質55とゴムタ
イヤ54との界面、もしくはゴムタイヤ54と金属板P
との界面にてその一部が反射し、ゴムタイヤ54内で乱
反射を起こす。
【0008】また、金属板Pを伝播する板波は、伝播速
度の異なる複数の振動モードの板波が重合した波である
ため、各振動モードの板波毎に金属板Pのエッジからの
反射波がゴムタイヤ54内の板波探触子に受信されるま
でに要する時間が異なる。このため、金属板Pのエッジ
部からの反射信号が幅広いものとなる。
【0009】図8(b)(c)は、板波探傷法における
受信信号の典型例を示しており、ゴムタイヤ54内の乱
反射信号は、金属板Pのエッジ部からの反射信号、及び
欠陥があった場合の反射信号から構成されている。
【0010】通常、板波探傷では、乱反射信号と、金属
板Pのエッジ部からの反射信号との間に、欠陥監視領域
となるゲートを設定し、予め設定したしきい値以上の信
号が、ゲート内に出現した際に、その信号を欠陥信号と
して金属板Pの欠陥検出を行う。
【0011】欠陥の大きさは、反射信号の強度から評価
される。また板幅方向の欠陥存在位置は、板波探触子よ
り超音波が送信されてから欠陥による反射信号が板波探
触子に受信されるまでの時間差の1/2と、予め求めら
れている板波超音波の伝播速度との積から算出される。
【0012】また、鋼板、ステンレス鋼板等に代表され
る金属板の製造ラインで金属板表面及び内部の欠陥を検
査する方法として、電磁気力によって金属板内に直接、
板波を発生させる図9に示す構成の電磁超音波探触子を
用いた探傷方法も実施されている。
【0013】電磁超音波探触子61は、図9(a)に示
すように、磁石62とコイル63とから構成され、コイ
ル63に流した電流により、金属板P表面に誘導渦電流
を生じさせ、これにバイアス磁場を重畳させ、ローレン
ツ力を発生させて板波を誘起するタイプと、図9(b)
に示すように、コイル63に流した電流により金属板P
表面に誘導磁場を生じさせ、これにバイアス磁場を重畳
させることで、バイアス磁場強度を変動させ、その変動
に起因して変動する磁わい変化により板波を誘起するタ
イプとがある。
【0014】また、上記した電磁超音波探触子において
は、S/N比が低くゲインが大きくとれないといった問
題や、円筒状の被検査材料の表面や内部の疵、欠陥、結
晶粒界、組織変化などを計測できないといった問題があ
り、これらを解決するために、例えば特開平9−166
584号公報には、蛇行状に配置したコイルを電磁超音
波を発生する送信用と検知作用を有する受信用に分けて
設けた電磁超音波探触子が示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たタイヤ探触子及び電磁超音波探触子は、いずれも被検
査材料の一表面から同位相の超音波を発生させていたの
で、欠陥の有無及び金属板上の平面位置の情報を得るこ
とはできるが、欠陥の深さの情報や欠陥の種類を弁別す
ることができないといった問題や、金属板の表面下の欠
陥で品質に影響がある小さい欠陥を検出することができ
ないといった問題があった。
【0016】また、タイヤ探触子と電磁超音波探触子と
を個別に見ると、タイヤ探触子は、タイヤ近傍では寄生
反射のために検査を行うことができないといった問題が
あり、一方、電磁超音波探触子では、タイヤ探触子に較
べて検出感度が低いといった問題がある。さらに、上記
した特開平9−166584号公報では、被検査材料の
内面の疵の有無は検出することができるが、疵の深さ情
報を得るには至らないといった問題がある。
【0017】本発明は、上記の問題を解決するものであ
り、欠陥の深さ情報や欠陥の種類を弁別することができ
ると共に、検出能力の向上が図れ、かつ金属板表面上の
広い範囲で検査を行うことができる電磁超音波探触子を
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電磁超音波探触子は、磁石を被検査材料
の表裏面を挟むように配置し、この磁石の磁極面の各々
にセンサコイルを設け、さらに、周波数を可変とされた
トーンバースト型送信信号を同時に、同位相あるいは異
なった位相でそれぞれのセンサコイルに出力する超音波
発生部を備えたものであり、また、上記構成において、
磁石の磁極面を、超音波伝播方向に平行で左右にセンサ
コイルを挟むように配置したのである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明者は、駆動周波数1MHz
で板厚3mmの被検査材料である金属板の表裏面に同時
に、同位相でトーンバースト型送信信号を出力したと
き、後述する実施例で参照する図2に示すように、非対
称モードA0の板波で高い信号が発生することを、また
逆位相でトーンバースト型送信信号を出力した場合は、
同じく図2に示すように、対称モードS0の板波で高い
信号が発生することを知見した。
【0020】また、本発明者は、同一の探傷条件で上記
した対称モードS0と非対称モードA0の2つのモード
が混在するとき、後述する実施例で参照する図5に示す
B領域において、混合モードで駆動させた場合と、対称
モードS0で駆動させた場合とを比較して次のことを知
見した。
【0021】すなわち混合モードの場合、2つのモード
の板波が同時に発生して反射源から反射するので波数が
増えるのに対し、対称モードS0単独で駆動させた場合
はそうではないので、対称モードS0単独で駆動させた
場合の方が混合モードで駆動させた場合に較べ、S/N
比の向上だけでなく図6に示すように、従来の混合モー
ドと比較して、信号強度や位置分解能を1.2〜1.5
倍ほど向上させることができる。
【0022】さらに、図7に示すように、対称モードS
0は、厚さ方向に対して信号強度が比較的一様で、若干
表面側の振幅が減少し、非対称モードA0は、板厚中央
部で振幅が増大する、といった各々の特徴を知見した。
【0023】従って、本発明は、磁石を被検査材料の表
裏面を挟むように配置し、この磁石の磁極面の各々にセ
ンサコイルを設け、さらに、周波数を可変とされたトー
ンバースト型送信信号を同時に、同位相あるいは異なっ
た位相でそれぞれのセンサコイルに出力する超音波発生
部を備えた構成としたのである。
【0024】つまり、板波はモードによって板厚方向の
位置で振動強度のピークの発生が異なるため、例えば、
板厚表面に振動ピークがあるモードと、板厚中央に振動
ピークがあるモードとを使えば、欠陥の板厚方向の位置
により、受信信号強度が変わり、この変化によって板厚
情報の位置を特定することができるのである。
【0025】また、板波はモードによって横波振動成分
と縦波振動成分の構成比が異なっているので、欠陥によ
っては縦波に反射されやすい場合や横波に反射されやす
い場合が存在し、従って、複数モードの板波を同時に、
同位相あるいは異なった位相で出力すれば、板厚情報と
欠陥種類情報とを得ることができるのである。
【0026】すなわち、例えば板厚方向の欠陥の深さ情
報は、対称モードS0では比較的振幅が小さく、非対称
モードA0では振幅が大きくなることから、板厚方向の
欠陥であることから、受信信号強度によって、欠陥の深
さ情報を得ることができる。
【0027】ちなみに、例えば表面に欠陥がある場合、
対称モードS0では振幅が大きく、非対称モードA0で
は振幅が比較的小さくなることから、表面に欠陥がある
ことが判定できる。また、受信信号強度によって、欠陥
の大きさの情報を得ることができる。
【0028】このように、本発明の構成とすることで、
本発明者の知見事項に基づく特性が欠陥探傷に反映され
ると共に再現可能となり、よって、欠陥の板厚方向にお
ける深さ情報や欠陥の種類を弁別することができると共
に、検出能力の向上が図れ、かつ金属板表面上の広い範
囲で検査を行うことができるのである。
【0029】また、本発明は、磁石の磁極面を、超音波
伝播方向に平行で左右にセンサコイルを挟むように配置
したものであり、このようにすることで、欠陥の深さ情
報や欠陥の種類を、上記より顕著に同様に得ることがで
きる。
【0030】
【実施例】以下に本発明の電磁超音波探触子の実施例に
ついて、図1乃至図5を参照して説明する。図1は電磁
超音波探触子の構成を示す。図2は上下センサコイルの
位相差と受信信号強度との関係を示す。図3は欠陥の種
別と各モードとの関係を示す。図4は欠陥番号と受信信
号強度との関係を示す。図5は板厚×周波数と音速との
関係を示す。
【0031】本発明の電磁超音波探触子1は、以下のよ
うに構成されている。2は、磁極面Nと磁極面Sとを互
いに対向させたコ字状の鉄芯2aにコイル2bを巻き付
け、励磁電源2cから電力を供給することで磁場を発生
させる磁石である。
【0032】3は、金属板Pに対して超音波を送信した
り、金属板Pからの反射波を受信するためのセンサコイ
ルであり、このセンサコイル3は、磁石2の磁極面Nと
磁極面Sとの間で、磁極面Nの近傍に例えば金属板Pの
上側に位置するセンサコイル3Uが、磁極面Sの近傍に
例えば金属板Pの下側に位置するセンサコイル3Dが、
それぞれ金属板Pの表裏を挟むように設けられている。
【0033】4は、超音波の送受信を行う送受信部であ
り、この送受信部4は、以下のように構成されている。
4Aは、超音波及び反射波信号の送受制御と受信信号の
処理、金属板Pにおける欠陥の有無、及び欠陥の情報を
解析する制御装置である。
【0034】4BU,4BDは、センサコイル3U側及
びセンサコイル3D側に各々対応して制御装置4Aに接
続され、トーンバースト型の正弦波信号を位相可変で出
力する超音波発生器である。4CU,4CDは、超音波
発生器4BU及び超音波発生器4BDに各々接続され、
該超音波発生器4Bからの超音波を増幅するパワーアン
プである。
【0035】4DU,4DDは、センサコイル3U側及
びセンサコイル3D側に各々対応して制御装置4Aに接
続され、センサコイル3U側及びセンサコイル3D側で
受信した反射波を増幅する増幅器である。
【0036】次に、上記構成の電磁超音波探触子1を用
いた金属板Pの欠陥探傷の手順について説明する。探傷
指令を制御装置4Aに出力すると、制御装置4Aは、探
傷指令を受信したときに、予め入力した板厚の情報か
ら、発生しうる板波が図5に示すA領域かB領域かを判
定する。
【0037】板波の領域判定は、電磁超音波探触子1の
制作時に、発生させるラム波の波長が固定されているの
で、これに対して板厚情報を与えることで、基準駆動周
波数が決定し、この基準駆動周波数から板厚×周波数の
うちの周波数を求め、この周波数における対称モードS
0、非対称モードA0での板波速度と音速との違いが1
0%以内であればA領域、それ以上違っていればB領域
とする(図5参照)。
【0038】発生し得る板波がA領域であれば、上側の
センサコイル3Uと下側のセンサコイル3Dに対して同
位相のトーンバースト型送信信号を、超音波発生器4B
U,4BDから駆動基準周波数で出力する。超音波発生
器4BU,4BDからトーンバースト型送信信号が出力
されると、上記した構成では金属板Pにローレンツ力が
発生して非対称ラム波が発生し、それを起点として非対
称ラム波が金属板Pの板幅方向に伝播する。
【0039】このとき、電流が同位相なので、ローレン
ツ力で発生する力は上面が上なら、下面も上となり、発
生する板波は図2に示すように非対称モードA0とな
る。
【0040】金属板Pの板幅方向に伝播する非対称ラム
波は、金属板Pにおいて欠陥があればその位置で、ま
た、欠陥がなければ板幅方向の反対側エッジで反射し
て、センサコイル3U,3Dに戻り、センサコイル3
D,3Uに電磁誘導現象によって電流が流れ、増幅器4
DU,4DDで増幅されて、制御装置4Aに入力され
る。
【0041】続いて、超音波発生器4BU,4BDから
180°逆位相のトーンバースト型送信信号をセンサコ
イル3U,3Dに対して駆動基準周波数で出力する。超
音波発生器4BU,4BDからトーンバースト型送信信
号が出力されると、上記した構成では金属板Pにローレ
ンツ力が発生して対称ラム波が発生し、それを起点とし
て対称ラム波が金属板Pの板幅方向に伝播する。
【0042】このとき、電流が逆位相なので、ローレン
ツ力で発生する力は上面が上なら、下面が下となり、発
生する板波は図2に示すように対称モードS0となる。
【0043】金属板Pの板幅方向に伝播する対称ラム波
は、金属板Pにおいて欠陥があればその位置で、また、
欠陥がなければ板幅方向の反対側エッジで反射して、セ
ンサコイル3U,3Dに戻り、センサコイル3D,3U
に電磁誘導現象によって電流が流れ、増幅器4DU,4
DDで増幅されて、制御装置4Aに入力される。
【0044】以上の動作を繰り返すことで、図3に示す
ように、対称モードS0と非対称モードA0とを用いた
場合、その反射比率を見ることで、欠陥の種別を判別す
ることができると共に、受信信号強度から深さ情報を得
ることができる。なお、図3において、左側は表面に欠
陥がある場合、右側が板厚方向に欠陥がある場合を示
す。また、図4に示すように、本発明によれば、従来の
混合モードに較べて検出能が向上し、従来見落とされて
いた微少な欠陥をも検出することができる。
【0045】一方、発生しうる板波がB領域である場合
には、上側のセンサコイル3Uと下側のセンサコイル3
Dに対して同位相のトーンバースト型送信信号を、超音
波発生器4BU,4BDから駆動基準周波数で出力す
る。超音波発生器4BU,4BDからトーンバースト型
送信信号が出力されると、上記した構成では金属板Pに
ローレンツ力が発生して非対称ラム波が発生し、それを
起点として非対称ラム波が金属板Pの板幅方向に伝播す
る。
【0046】このとき、電流が同位相なので、ローレン
ツ力で発生する力は上面が上なら、下面も上となり、発
生する板波は図2に示すように非対称モードA0とな
る。
【0047】金属板Pの板幅方向に伝播した非対称ラム
波は、金属板Pにおいて欠陥があればその位置で、ま
た、欠陥がなければ板幅方向の反対側エッジで反射し
て、センサコイル3U,3Dに戻り、センサコイル3
D,3Uに電磁誘導現象によって電流が流れ、増幅器4
DU,4DDで増幅されて、制御装置4Aに入力され
る。
【0048】続いて、超音波発生器4BU,4BDから
180°逆位相のトーンバースト型送信信号を所定周波
数だけ変更して出力する。この周波数の変更の仕方は、
板波モード表の原点から、基準周波数での非対称モード
A0での駆動点までを結び、それを対称モードS0の線
まで延長することで求められる。
【0049】超音波発生器4BU,4BDから180°
逆位相で所定周波数だけ変更したトーンバースト型送信
信号が出力されると、上記した構成では金属板Pにロー
レンツ力が発生して対称ラム波が発生し、それを起点と
して対称ラム波が金属板Pの板幅方向に伝播する。
【0050】このとき、電流が逆位相なので、ローレン
ツ力で発生する力は上面が上なら、下面が下となり、発
生する板波は図2に示すように対称モードS0となる。
【0051】金属板Pの板幅方向に伝播した対称ラム波
は、金属板Pにおいて欠陥が有ればその位置で、また、
欠陥がなければ板幅方向の反対側エッジで反射して、セ
ンサコイル3U,3Dに戻り、センサコイル3D,3U
に電磁誘導現象によって電流が流れ、増幅器4DU,4
DDで増幅されて、制御装置4Aに入力される。
【0052】以上の動作を繰り返すことで、図3に示す
ように、対称モードS0と非対称モードA0とを用いた
場合、その反射比率を見ることで、欠陥の種別を判別す
ることができると共に、信号強度から深さ情報を得るこ
とができる。なお、図3において、左側は表面に欠陥が
ある場合、右側が板厚方向に欠陥がある場合を示す。ま
た、図4に示すように、従来の混合モードに較べて検出
能が向上し、従来見落とされていた微少な欠陥をも検出
することができる。
【0053】すなわち、本発明の電磁超音波探触子1を
用いて上記のように探傷を行うことで、図3に示すよう
に、対称モードS0と非対称モードA0モードのラム波
の、欠陥からの反射信号の比から、表面疵か内面疵かの
相関関係が導かれるので欠陥の弁別が可能になった。ま
た、図4のように、従来例として示す混合モードと較べ
受信信号強度が高くなるので欠陥の検出能も向上する。
【0054】また、本発明は、電磁超音波探触子1の構
成について、例えば磁石2の磁極面Nを、超音波伝播方
向に平行で左右にセンサコイル3Uを挟むように、磁極
面Sを、超音波伝播方向に平行で左右にセンサコイル3
Uを挟むように配置してもよい。
【0055】このように構成すると、上側のセンサコイ
ル3Uと下側のセンサコイル3Dに対してトーンバース
ト型送信信号を超音波発生器4BU,4BDから出力す
ると、上記した構成では金属板Pに磁わい力が発生す
る。この磁わい力は、上記したローレンツ力によって発
生したラム波より大きなラム波を発生させる。従って、
金属板Pの板幅方向に伝播し、センサコイル3U,3D
に戻ってきたラム波が大きいので、上記に較べより顕著
な作用効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明の電磁超音波探触
子は、磁石を被検査材料の表裏面を挟むように配置し、
この磁石の磁極面の各々にセンサコイルを設け、さら
に、周波数を可変とされたトーンバースト型送信信号を
同時に、同位相あるいは異なった位相でそれぞれのセン
サコイルに出力する超音波発生部を備えたので、又は、
上記構成において磁石の磁極面を、超音波伝播方向に平
行で左右にセンサコイルを挟むように配置したので、欠
陥の深さ情報や欠陥の種類を弁別することができると共
に、検出能力の向上が図れ、かつ金属板表面上の広い範
囲で検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁超音波探触子の構成を示す図であ
る。
【図2】本発明の電磁超音波探触子における上下のセン
サコイルの位相差と受信信号強度との関係を示す図であ
る。
【図3】本発明の電磁超音波探触子を用いた欠陥探傷の
結果を示し、欠陥の種別と各モードとの関係を示す図で
ある。
【図4】本発明の電磁超音波探触子を用いた欠陥探傷の
結果を示し、欠陥番号と受信信号強度との関係を示す図
である。
【図5】本発明の電磁超音波探触子を用いた欠陥探傷で
参照する板厚×周波数と音速との関係を示す図である。
【図6】本発明の電磁超音波探触子を用いた欠陥探傷に
おいて図5のB領域での信号強度及び分解能と向上率と
の関係を示す図である。
【図7】本発明の電磁超音波探触子を用いた欠陥探傷に
おいて厚さ方向と信号強度との関係を示す図である。
【図8】従来のタイヤ探触子の構成を示し、(a)はタ
イヤ探触子の構成を部分的に示す図、(b)はタイヤ探
触子による信号状況を示す図である。
【図9】従来の電磁超音波探触子の構成を示し、(a)
はローレンツ力を発生させて板波を誘起するタイプの構
成を示す図、(b)はバイアス磁場強度を変動させ、そ
の変動に起因して変動する磁わい変化により板波を誘起
するタイプの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 電磁超音波探触子 2 磁石 3U (金属板の上側に位置する)センサコイル 3D (金属板の下側に位置する)センサコイル 4 送受信部 4A 制御装置 4BU (金属板の上側に対応する)超音波発生器 4BD (金属板の下側に対応する)超音波発生器 P 金属板(被検査材料)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場を発生させる磁石と、渦電流を発生
    させるセンサコイルとからなり、被検査材料に超音波を
    発生させ、被検査材料の欠陥などで反射した前記超音波
    の反射波を受信する電磁超音波探触子において、前記磁
    石を被検査材料の表裏面を挟むように配置し、この磁石
    の磁極面の各々に前記センサコイルを設け、さらに、周
    波数を可変とされたトーンバースト型送信信号を同時
    に、同位相あるいは異なった位相でそれぞれのセンサコ
    イルに出力する超音波発生部を備えたことを特徴とする
    電磁超音波探触子。
  2. 【請求項2】 磁石の磁極面を、超音波伝播方向に平行
    で左右にセンサコイルを挟むように配置したことを特徴
    とする請求項1記載の電磁超音波探触子。
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