本発明による直線駆動装置の第一の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において、各図面の矢印の、Fを前、Bを後ろ、Rを右、Lを左、Uを上、Dを下、とする。
直線駆動装置10は、図1〜3に示すように、レール部20と、レール部20の軸線方向に相対移動可能な本体部30と、を備えている。
レール部20は、図1、3〜6に示すように、金属製で長尺な直方体状に形成され、左面20aに、左面20aから右面20bに向かう断面円弧状の有底溝として形成されたガイド溝21が形成され、右面20bに、右面20bから左面20aに向かう断面円弧状の有底溝として形成されたガイド溝22が形成されている。ガイド溝21、22は、左右方向からみて、互いに同一の位置、形状となるサイクロイド曲線状にそれぞれ形成されている。
本体部30は、図1〜6に示すように、左右のそれぞれに配される、揺動プレート40と、ローラ部材50と、内カバープレート60と、外カバープレート70と、上下のそれぞれに配される回動軸80と、を有している。
揺動プレート40(区別するときは、左側の揺動プレート40を揺動プレート401、右側の揺動プレート40を揺動プレート402とする)は、四隅部分が切り取られた矩形形状の板材が用いられ、上下方向の中央部に前後方向に沿って、ローラ部材50を取り付け可能な取付孔40aがそれぞれ三つ設けられている。各取付孔40aは、レール部20側が大径に、レール部20から離れる側が小径に形成された左右方向に貫通する段付き孔とされている。
詳説すると、揺動プレート401の取付孔40aは、右側が大径に、左側が小径に形成された段付き孔として形成され、揺動プレート402の取付孔40aは、左側が大径に、右側が小径に形成された段付き孔とされている。
揺動プレート40の上部と下部中央付近には、回動軸80を挿通可能な上軸受孔40b、下軸受孔40cが設けられている。
上軸受孔40b、下軸受孔40cは、レール部20から離れる側が大径に、レール部20側が小径に形成され、左右方向に貫通する段付き孔とされている。
詳説すると、揺動プレート401の上軸受孔40b、下軸受孔40cは、左側が大径に、右側が小径に形成された段付き孔として形成された段付き孔とされ、揺動プレート402の上軸受孔40b、下軸受孔40cは、右側が大径に、左側が小径に形成された段付き孔とされている。
上軸受孔40b、下軸受孔40c内には、軸受41がそれぞれ左右方向に沿って二つ嵌め込まれている。
軸受41の内側には、偏心金具42(特許請求の範囲の芯金部材に相当する)が嵌め込まれている。
偏心金具42は、円盤状に形成され、揺動プレート40に取り付けられた状態において、回動軸80が挿通される挿通孔42aが設けられている。挿通孔42aは、図2(a)、(b)に示すように、上軸受孔40b、下軸受孔40cの中心C1から偏心した位置に、中心C2が位置するように設けられている。
偏心金具42の挿通孔42aの内周面には、キー溝42bが設けられている。
ローラ部材50は、球状のボール51(区別するときは、左側のボール51をボール511、右側のボール51をボール512とする)と、ボール51を内部に収納するケース52と、ケース52から延設されるボルト53と、を有し、ボール51が回転自在にガイド溝21、22内にそれぞれ配置されている。
図1に示すように、ボール51が、各揺動プレート40の取付孔40a内に、レール部20側となるように挿入され、ボルト53が、レール部20から離れる側でナット54により締結され、ローラ部材50は、揺動プレート40に取り付けられている。
ボール511は、揺動プレート401の右面側に右面から突出するように、前後方向に沿って三か所配置されている。ボール512は、揺動プレート402の左面側に左面から突出するように、前後方向に沿って三か所配置されている。
ボルト53の締め付け量を調整することにより、ボール51のレール部20への与圧を調整することができる。ボール51の与圧を高くすることにより、バックラッシが小さくなり、直線駆動装置10の高精度化を容易に行なうことが可能となる。
内カバープレート60(区別するときは、左側の内カバープレート60を内カバープレート601、右側の内カバープレート60を内カバープレート602とする)は、矩形平板状に形成されている。
内カバープレート60の中央部には、左右方向に貫通してローラ部材50のボルト53に螺合されたナット54と干渉しないように形成された逃がし孔60aが設けられている。
内カバープレート60の上部と下部中央付近には、回動軸80を挿通可能な上挿通孔60b、下挿通孔60cが設けられている。
外カバープレート70(区別するときは、左側の外カバープレート70を外カバープレート701、右側の外カバープレート70を外カバープレート702とする)は、矩形平板状に形成されている。
外カバープレート70の上部と下部中央付近には、回動軸80を挿通可能な上軸受孔70a、下軸受孔70bがそれぞれ設けられている。
上軸受孔70a、下軸受孔70bは、レール部20から離れる側が大径に、レール部20側が小径に形成され、左右方向に貫通する段付き孔とされている。
つまり、外カバープレート701の上軸受孔70a、下軸受孔70bは、左側が大径に、右側が小径に形成された段付き孔として形成された段付き孔とされ、外カバープレート702の上軸受孔70a、下軸受孔70bは、右側が大径に、左側が小径に形成された段付き孔とされている。
上軸受孔70a、下軸受孔70bには、軸受71がそれぞれ嵌め込まれている。
外カバープレート70の四隅部分には、外カバープレート701、702どうしを連結する支柱72を挿通可能とする、挿通孔70cがそれぞれ設けられている。
本体部30には、レール部20の軸線方向に直交する方向を軸として図示しない駆動装置によって駆動する二本の回動軸80が上下に配設されている。
回動軸80は(区別するときは、上側の回動軸80を回動軸801、下側の回動軸80を回動軸802とする)、長尺な円柱状に形成され、揺動プレート401、402が配置される部分に左右方向に沿ってキー溝80aが設けられている。
回動軸801、802の中央部には、軸受82が左右方向に沿ってそれぞれ二つ嵌められている。
次に、直線駆動装置10の各構成の配置、組み付け状態を説明する。回動軸801、802の左右方向における中央部に取り付けられた各軸受82が、レール部20を上下方向で挟み込むように配置され、各軸受82の外周面がレール部20の上面及び下面を走行可能として、レール部20と本体部30の相対運動を円滑なものとしている。
偏心金具42の挿通孔42aに回動軸801、802がそれぞれ嵌められている。つまり、回動軸801、802の軸心C2が、挿通孔42aの中心C2と一致するように嵌められている。
回動軸80のキー溝80aと偏心金具42のキー溝42bとで形成される空間部分にキー部材81が配置され、回動軸80と偏心金具42が一体化され、回動軸80の回動にともない、偏心金具42が回動可能とされている。
揺動プレート401、402は、レール部20を左右方向において挟んで配置されている。ガイド溝21、22内で、ボール511、512が、それぞれ転動可能に配置されている。
揺動プレート401、402の外側には、内カバープレート601、602が、上挿通孔60b、下挿通孔60cに回動軸801、802それぞれ挿通させて、配置されている。内カバープレート601、602は、軸受41を外側から押え可能とするため、揺動プレート40の外側、かつ、外カバープレート70の内側に配置されている。揺動プレート401、402は、内カバープレート601、602に対してそれぞれ摺動可能に形成されている。
内カバープレート601、602の外側には、スペーサー61が配置され、上軸受孔70a、下軸受孔70bに嵌められた軸受71の内側に、回動軸801、802がそれぞれ嵌め込まれて外カバープレート701、702が配置されている。
外カバープレート701、702の四隅部分にそれぞれ形成された挿通孔70cどうしを、支柱72連結して、外カバープレート701、702は、互いに位置を変えないように形成されている。
外カバープレート701、702に取り付けられた押え部材83により、回動軸801、802が左右方向に移動しないように、軸受71が外側に移動するのを防止している。回動軸801には、図示しない駆動装置が接続されている。
揺動プレート401と揺動プレート402とは、図1、3、4に示すように、上下左右方向に位置をずらして配置され、ボール511、512が、図3、4に示すようにガイド溝21、22において所定の位相差をもって配置されている。本実施形態では、サイクロイド曲線における0°と180°の位置となるように配置されている。
上記構成により、ボール511、512が、ガイド溝21、22内をそれぞれ転動可能とされている。
直線駆動装置10の動作について説明する。図4〜6は、図1における右方向からみたもので、動作の説明のため、ボール51及び回動軸80は、実線で示す。また、図4の位置において、回動軸801、802の回転角度を0°とする。
揺動プレート402に装着された三つのボール512は、図4の状態において、ガイド溝22の最下部22aに位置して位相0°の位置にある。
揺動プレート401に装着された三つのボール511は、位相180°の位置にある。つまり、図4の状態において、ガイド溝21の最上部21bに位置するとともに、対応するボール512よりそれぞれ後側の位置している。
駆動装置の駆動により、回動軸801、802が回動すると、揺動プレート402が揺動して、左右方向からみて、ボール512が円運動することになる。それにともない、次第にガイド溝22を斜め前上方に移動する。
このとき、揺動プレート401に装着された三つのボール511も、ボール512同様に、左右方向からみて、円運動してガイド溝21の最上部21bから斜め前下方に移動する。
回動軸801、802の回転角度が90°のとき、図5に示すように、揺動プレート402に装着された三つのボール512は、ガイド溝22の最上部22bと最下部22aとの略中間点に位置し、揺動プレート401に装着された三つのボール511は、ガイド溝21の最上部21bと最下部21aとの略中間点に位置している。
回動軸801、802の回転角度が180°のとき、図6に示すように、揺動プレート402に装着された三つのボール512は、ガイド溝22の最上部22bに位置し、揺動プレート401に装着された三つのボール511は、ガイド溝21の最下部21aに位置している。
例えば、図4に示す、ガイド溝22の最下部22aにボール512が位置したときに、ボール512が逆方向に転動する可能性がある。
しかし、ボール512とは、180°位相差を持たせてボール511を配置しているので、ボール511は、ガイド溝21の最下部21a以外の位置で転動して、一方の揺動プレート402に配設されたボール512の転動を補完することになり、本体部30の全体の移動が促進される。このため、ガイド溝21、22の最下部21a、22aでボール511、512がそれぞれ止まってしまうことを抑制する。
以上の動作により、本体部30は、レール部20の軸線方向に相対移動可能となる。
上記構成の直線駆動装置10は、レール部20と、レール部20の軸線方向に相対移動可能な本体部30と、を備えた直線駆動装置であって、レール部20には、サイクロイド曲線状に形成されたガイド溝21、22が配設され、本体部30には、レール部20のガイド溝21、22が配設された左面20a、右面20bと対向して配置され、ガイド溝21、22内を転動可能なボール511、512が配設された揺動プレート401、402と、レール部20の軸線方向に直交する方向を軸として駆動装置によって駆動する回動軸801、802と、が配設され、揺動プレート401、402は、ボール511、512がガイド溝21、22内を転動するように回動軸801、802に取り付けられている。
これによれば、レール部20にガイド溝21、22を形成し、揺動プレート401、402にボール511、512を配設するという簡易な構成で、ガイド溝21、22内をボール511、512が転動して、回動軸801、802の回転運動を、レール部20の軸線方向への直線運動に変換することが可能となり、製造工数を少なくして低コストで製造できる直線駆動装置10を提供することができる。
また、揺動プレート401、402には、回動軸801、802を挿通可能な円形の上軸受孔40b、下軸受孔40cが配設され、上軸受孔40b、下軸受孔40c内には、円盤状の偏心金具42が揺動プレート401、402に対して回動可能に取り付けられている。上軸受孔40b、下軸受孔40cの中心C1から偏心した位置に回動軸801、802の軸心C2があるように回動軸801、802が、偏心金具42に取り付けられている。
このような構成によれば、上軸受孔40b、下軸受孔40cの中心C1から偏心した位置に回動軸801、802の軸心C2があるので、回動軸801、802の回動により、上軸受孔40b、下軸受孔40cの中心C1は回動軸801、802の軸心C2に対して回転する。つまり、回動軸801、802の軸心C2に対して揺動プレート401、402に取り付けられたボール511、512が回転することになる。よって、ガイド溝21、22内をボール511、512が転動して、回動軸801、802の回転運動を、レール部20の軸線方向への直線運動に変換することが可能となる。
また、レール部20は、長尺な直方体状に形成して、板状に形成された揺動プレート401、402を、レール部20の短手方向においてレール部20を挟んで両側に配設して、一方の揺動プレート401に配設されたボール511を、他方の揺動プレート402に配設されたボール512に対して、ガイド溝21、22において所定の位相差をもって配置している。
これによれば、一方の揺動プレート401に配設されたボール511が、例えば、ガイド溝21の最下部21aで逆方向に転動してしまうことが考えられるが、所定の位相差をもって配置した他方の揺動プレート402に配設されたボール512が、ガイド溝22の最下部22a以外の位置で転動して、一方の揺動プレート401に配設されたボール512の転動を補完することになるので、揺動プレート401、402の回転運動を、レール部20の軸線方向への直線運動に変換することを確実なものとすることができる。
本発明における直線駆動装置の第二の実施形態について説明する。以下の説明において、上述した実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し説明の全部又は一部を省略する。
直線駆動装置10Aは、直線駆動装置10と比べると、レール部201(20)の左側に配置されるレール部202と、レール部202の左側に配される揺動プレート403と、レール部202の右側に配される揺動プレート404と、揺動プレート403の左側に配される内カバープレート603と、揺動プレート404の右側に配される内カバープレート604と、上側に位置する回動軸803、したがわに位置する回動軸804と、回動軸803、804にそれぞれ取り付けられる第一の平歯車90、90と、第二の平歯車91と、第二の回動軸92と、第二外カバープレート94と、が追加されている。
回動軸803、804は、回動軸801、802より左右方向において長く形成されている。揺動プレート403、404が配置される位置に、キー溝80aがそれぞれ設けられ、キー部材81により、回動軸803、804と偏心金具42が一体化されている。
第一の平歯車90、90は、回動軸803、804の右端部にそれぞれ装着されている。
第二の平歯車91は、正面視において、第一の平歯車90、90の間に、第一の平歯車90、90と咬合可能に配置されている。第二の平歯車91は、第二の回動軸92と連結され、左右方向を軸として回動可能とされている。
第二の回動軸92は、駆動装置としてのモータ93に接続されている。
第二外カバープレート94は、外カバープレート702より前後方向の幅が狭く形成された矩形平板状に形成され、四隅部分から第二支柱95を左側に延設して、外カバープレート702と第一の平歯車90、90及び第二の平歯車91を配置可能な間隔を設けて、第二支柱95により外カバープレート702にたいして固定されている。第二外カバープレート94には、第二の回動軸92を挿通可能な挿通孔94aが設けられている。挿通孔92aには、軸受96が左右方向に沿って二つ配置されている。軸受96の内側に第二の回動軸92が嵌められている。
直線駆動装置10Aでは、揺動プレート402に取り付けられたボール512、揺動プレート404に取り付けられた514、揺動プレート401に取り付けられた511、揺動プレート403に取り付けられた513が、ガイド溝21、22を構成するサイクロイド曲線の0°、90°、180°、270°の位置となる位相差をもつようにそれぞれ配置されている。
直線駆動装置10Aの動作について説明する。図8〜10は、図7における右方向からみたもので、動作の説明のため、ガイド溝21、ガイド溝22、ボール51及び回動軸80は、実線で示す。
直線駆動装置10Aの動作について説明する。図8〜10は、図7における右方向からみたもので、動作の説明のため、ボール51及び回動軸80は、実線で示す。また、図8の位置において、回動軸801、802、803、804の回転角度を0°とする。
ボール511、512については、図4〜6におけるものと同じであるので説明を省略する。
ボール514は、位相90°の位置にあり、ガイド溝22の最上部22bと最下部22aとの略中間点に位置し、対応するボール512とボール511との中間位置に位置している。ボール513は、位相270°の位置にある。揺動プレート401に装着された三つのボール511は、ガイド溝21の最上部21bと最下部21aとの略中間点に位置している。対応するボール512よりそれぞれ前側の位置している。
回動軸801、802の回転角度が90°のとき、図9に示すように、揺動プレート404に装着された三つのボール514は、ガイド溝22の最上部22bに位置し、揺動プレート403に装着された三つのボール513は、ガイド溝21の最下部21aに位置している。
回動軸801、802の回転角度が180°のとき、図10に示すように、揺動プレート404に装着された三つのボール514は、レール部202のガイド溝22の最上部22bと最下部22aとの略中間点に位置し、揺動プレート403に装着された三つのボール513は、レール部202のガイド溝21の最上部21bと最下部21aとの略中間点に位置している。
いずれかのボール51が、ガイド溝21、22の最下部21a、22aに位置していていても、他の三つのボール51が、ガイド溝21、22の最下部21a、22a以外の位置で転動して、最下部21a、22aに位置するボール51の転動を補完することになる。
直線駆動装置10Aは、駆動させるワークの重量が重く、レール部20が複数必要な場合に、特に有効である。
本発明における直線駆動装置の第三の実施形態について説明する。以下の説明において、上述した実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し説明の全部又は一部を省略する。
直線駆動装置10Bにおいては、レール部20は、図11〜16に示すように、金属製で長尺な直方体状に形成され、左面20aに、左面20aから右面20bに向かう断面円弧状の有底溝として形成されたガイド溝23が形成され、右面20bに、右面20bから左面20aに向かう断面円弧状の有底溝として形成されたガイド溝24が形成されている。ガイド溝23、24は、左右方向からみて、互いに同一の位置、形状となるトコロイド曲線状にそれぞれ形成されている。
揺動プレート40(区別するときは、左側の揺動プレート40を揺動プレート405、右側の揺動プレート40を揺動プレート406とする)は、取付孔40aが省略され、ボール55、55(区別するときは、左側のボール55をボール551、右側のボール55をボール552とする)を配設可能で、左右方向からみて、円環状に形成された転動溝43、44がそれぞれ三つ設けられている。
前後方向からみて、転動溝43は揺動プレート405の右面に、右面から左面に向かう断面円弧状の有底溝として形成され、転動溝44は、揺動プレート406の左面に、左面から右面に向かう断面円弧状の有底溝として形成されている。
揺動プレート405、406を、レール部20を左右方向において挟んで配置したときに、ガイド溝23と転動溝43、ガイド溝24と転動溝44、で形成される隙間Sにそれぞれボール551、552が配置され、転動可能とされている。
直線駆動装置10Bの動作について説明する。図13〜17は、図11における右方向からみたもので、動作の説明のため、ボール552及び回動軸80は、実線で示す。また、図13の位置において、回動軸801、802の回転角度を0°とする。
揺動プレート406に装着された三つのボール552は、図13の状態において、転動溝44の下端に位置するとともに、ガイド溝24の最下部24aに位置して位相0°の位置にある。
駆動装置の駆動により、回動軸801、802が時計周りに回動すると、揺動プレート406が揺動して、左右方向からみて、ボール552が転動溝44内を反時計回りに円運動するとともに、ガイド溝24内を斜後ろ側に移動する。つまり、ボール552(551)が、ガイド溝24内での移動に対応して、転動溝44(43)内で円運動することで、回動軸801、802の回転運動を、レール部20の軸線方向への直線運動に変換を円滑なものとしている。
回動軸801、802の回転角度が90°のとき、図14に示すように、揺動プレート406に装着された三つのボール552は、転動溝44内を反時計回りに円運動して転動溝44の後端に位置するとともに、ガイド溝24を斜め後上方に移動し、ガイド溝24の最上部24bと最下部24aとの略中間点に位置している。
回動軸801、802の回転角度が180°のとき、図15に示すように、揺動プレート406に装着された三つのボール552は、転動溝44内を反時計回りに円運動して転動溝44の上端に位置するとともに、ガイド溝24を斜め後上方に移動し、ガイド溝24の最上部24bに位置している。
回動軸801、802の回転角度が270°のとき、図16に示すように、揺動プレート406に装着された三つのボール552は、転動溝44内を反時計回りに円運動して転動溝44の左端に位置するとともに、ガイド溝24を斜め後下方に移動し、ガイド溝24の最上部24bと最下部24aとの略中間点に位置している。
回動軸801、802の回転角度が360°(0°)のとき、図16に示すように、揺動プレート406に装着された三つのボール552は、転動溝44内を反時計回りに円運動して転動溝44の左端に位置するとともに、ガイド溝24を斜め後下方に移動し、回動軸801、802の回転角度が180°のときより一つ後の、ガイド溝24の最上部24bに位置している。
以上の動作によっても、本体部30は、レール部20の軸線方向に相対移動可能となる。また、ガイド溝24と、揺動プレート405のボール551との関係においても同様の機能作用を奏する。
上記構成によっても、回動軸801、802の回転運動を、レール部20の軸線方向への直線運動に変換することが可能となる。
本発明の直線駆動装置は当該構成に限定されるものではない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない限り各種の設計変更等が可能である。
ガイド溝21、22を構成するサイクロイド曲線の0°、90°、180°、270°等の位置となる位相差をもつように配置されているが、例えば、30°、60°間隔等に適宜変更させることもできる。
また、回動軸80(回動軸801、802、803、804)は、キー部材81を介して別部材の偏心金具42と一体化されているが、回動軸80と偏心金具42とを同一部材で一体成形したものを用いることもできる。
また、ボール51は、揺動プレート40(揺動プレート401、402、403、404)に三つ配設されているが、少なくとも一つ配設すれば、動作は可能である。さらに、揺動プレート40に三つ以上ボール51を配設すれば、荷重の分散効果が高まるので、直線駆動装置10、10Aの強度を高めることができる。
また、ボルト53をバネ等の弾性体に置き換えることにより、バックラッシを防止することも可能である。
また、転動溝43、44を含む部分を、ローラ部材50のよう形状とし別体で構成して、各揺動プレート40の取付孔40a内に、ボール55をレール部20側となるように挿入して、揺動プレート40に取り付けることも可能である。
また、直線駆動装置10Bにおいて、ボール551とボール552とで、位相差を設けてもよいし、設けなくてもよい。