JPH04224350A - 直進運動機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転運動を直線運動に
変換して直進する直進運動機構に関し、詳しくはボール
を利用する揺動型ラックによってその変換を行うように
した直進運動機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、工作機械の送り機構等には、回転
運動を直線運動に変換する直進運動機構が設けられてお
り、この直進運動機構には、機械全体の小型化の要求に
応えるべく構成の簡素なものが用いられている。この種
の直進運動機構としては、例えば図６に示すラックピニ
オン機構が知られている。この機構では、ピニオン１の
回転によりこのピニオン１に噛み合うラック２を軸方向
に移動させる。また、図７に示すピンラック機構も知ら
れており、この機構では、ラック３とこのラック３に噛
み合うピン歯車４との間で運動方向の変換がなされるよ
うになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の直進運動機構にあっては、入力側部材、例え
ばピニオン１やピン歯車４の回転を別設の減速機によっ
て減速する構成となっていたため、その設置スペース確
保のために直進運動機構が大型化していた。更に、ピニ
オン１とラック２の噛み合い歯数、あるいは、ラック３
とピン歯車４の噛み合い歯数が１又は２程度と少ないた
め、所定のラック推力を発揮させるためには、それぞれ
の歯幅を大きくして一定の歯面圧に耐え得るようにしな
ければならないことからも直進運動機構の大型化を招い
ていた。

【０００４】そこで、本発明は、小型で推力の大きい直
進運動機構を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明は、一対の対向歯面からなる波形の歯溝を側面側に
有する受動ラックと、該ラックの歯溝に係合する複数の
ボールと、複数のボールのそれぞれに係合する凹部が所
定間隔に形成され、これらのボールを介して受動ラック
の歯溝と噛み合うよう受動ラックの側面側に配置された
能動ラックと、能動ラックを支持するとともに、能動ラ
ックを揺動クランク運動させる複数のクランク軸と、複
数のクランク軸を軸支するケースと、を備えたことを特
徴とするものである。

【０００６】

【作用】本発明では、受動ラックの側面側に配置された
能動ラックが、複数のボールを受動ラックの歯溝に係合
させた状態で複数のクランク軸に支持され、該クランク
軸の回転により揺動クランク運動する。したがって、ク
ランク軸の回転中、少なくとも何れかの１つの揺動ラッ
クが受動ラックを一定方向に押動するよう複数のボール
を介して歯溝の対向歯面の一方及び他方の波形の歯面を
交互に押圧し、受動ラックがその方向にゆっくりと直進
する。この結果、従来のように減速機を別設する必要が
なくなり、しかも１つの揺動ラックで２つの歯面を押動
することができ、直進運動機構の小型化が可能になる。 また、受動ラックと能動ラックが多数のボールを介して
噛み合っているから、受動ラックの歯面圧があまり高く
ならず、小型でも推力の大きな直進運動機構が実現可能
となる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
１〜図４は本発明の一実施例を示す図であり、本発明を
一般産業用シリンダに適用した例を示している。まず、
構成を説明する。

【０００８】図１、図２において、１１は受動ラックで
あり、受動ラック１１はその左右両側面にほぼ同一形状
且つ同一位相の波形の歯溝１２Ｌ、１２Ｒを有している
。ここで、波形とは、例えば図３に示すようなトロコイ
ド曲線又はサイクロイド曲線等の形状をいい、所定のピ
ッチＰを有する。歯溝１２Ｌ、１２Ｒはそれぞれ所定角
度で交差する一対の波形の対向歯面１３、１４によって
一定の溝幅に形成されている。両歯溝１２Ｌ、１２Ｒに
は複数のボール１５Ｌ、１５Ｒが係合しており、ボール
１５Ｌとボール１５Ｒの間における受動ラック１１の長
手方向の距離は、例えば図２において間隔Ａは間隔Ｂよ
り僅かに大きく、かつ両者の和が前記ピッチＰになるよ
うにしている。また、受動ラック１１の左右両側には一
対の能動ラック１６Ｌ、１６Ｒが配置されており、両能
動ラック１６Ｌ、１６Ｒには複数のボール１５Ｌ、１５
Ｒに係合するよう複数の凹部１７Ｌ、１７Ｒが形成され
ている。これら一対の能動ラック１６Ｌ、１６Ｒは、凹
部１７Ｌ、１７Ｒに係合した複数のボール１５Ｌ、１５
Ｒを介して受動ラック１１の歯溝１２Ｌ、１２Ｒと噛み
合っている。

【０００９】１８はクランク軸であり、クランク軸１８
は一定偏心量で逆位相（所定の位相差１８０゜）に形成
された一対の偏心カム部１８ａ、１８ｂを有している。 これら偏心カム部１８ａ、１８ｂは軸受１９Ａ、１９Ｂ
を介し一対の能動ラック１６Ｌ、１６Ｒの穴部１６ａと
回転自在に結合しており、両能動ラック１６Ｌ、１６Ｒ
はクランク軸１８と図示しない少なくとももう１つのク
ランク軸とにより支持されている。これら複数のクラン
ク軸はそれぞれ軸受２１、２２を介し両端部でケース２
０に軸支されており、両クランク軸の回動によって一対
の能動ラック１６Ｌ、１６Ｒが所定の位相差（１８０゜
）で揺動クランク運動するようになっている。また、ク
ランク軸１８はその一端部がケース２０の外方に突出し
、この一端部で回転駆動されるようになっており、さら
に、その一端部で前記もう１つのクランク軸も同期駆動
され、クランク軸１８の駆動により一対の能動ラック１
６Ｌ、１６Ｒが所定偏心量で円運動する。なお、図２に
おいて、１６ｂは能動ラック１６Ｌ、１６Ｒが前記もう
１つのクランク軸と結合する穴部である。

【００１０】一方、歯溝１２Ｌ、１２Ｒを形成する各一
対の対向歯面１３、１４は所定角度で交差しており、歯
溝１２Ｌ、１２ＲはほぼＶ字形断面の溝となっている。 そして、受動ラック１１は、一対の能動ラック１６Ｌ、
１６Ｒにより、複数のボール１５Ｌ、１５Ｒを介して挟
持されている。具体的には、能動ラック１６Ｌ、１６Ｒ
はスラスト軸受２３、２４を介して例えばアンギュラ玉
軸受である軸受２１、２２の内輪２１ａ、２２ａに衝合
しており、ケース２０にねじ結合した予圧調整部材２５
を適宜締め付けることによって能動ラック１６Ｌ、１６
Ｒから受動ラック１１に加わる予圧を調整し、これによ
ってボール１５Ｌ、１５Ｒのがた調整を行なうことがで
きる。なお、図１において、２６はケース２０からクラ
ンク軸１８が突出する部位に設けられたオイルシールで
ある。

【００１１】次に、作用を説明する。外部からの動力に
よってクランク軸１８が駆動されると、受動ラック１１
の左右両側で複数の能動ラック１６Ｌ、１６Ｒが所定の
位相差を保って揺動クランク運動する。　　このとき、
能動ラック１６Ｌ、１６Ｒが偏心揺動して、図４（ａ）
〜（ｄ）に示すように、例えば複数のボール１５Ｒが対
向歯面１３、１４の複数の歯の一斜面側（Ｘ方向後方側
）を押圧する。このように、能動ラック１６Ｌ、１６Ｒ
は所定の位相差（１８０゜）を保って揺動クランク運動
するとともに、歯溝１２Ｌ、１２Ｒの各対向歯面１３、
１４を交互にボール１５Ｌ、１５Ｒで押圧し、クランク
軸１８が一回転する間に歯溝１２Ｌ、１２Ｒの１ピッチ
分だけ受動ラック１１がＸ方向に直進する。 一方、クランク軸１８への回転入力を逆向きにすると、
能動ラック１６Ｌ、１６Ｒが逆方向に偏心揺動し、受動
ラック１１は矢印Ｘ方向とは反対の方向へ移動する。

【００１２】ここで、受動ラック１１の移動中における
受動ラック１１と能動ラック１６Ｌ、１６Ｒとの噛み合
いについて考察すると、受動ラック１１に推力を与える
両能動ラック１６Ｌ、１６Ｒは、受動ラック１１に沿っ
て適宜数設けられた複数のボール１５Ｌ、１５Ｒで受動
ラック１１を押圧するため、対向歯面１３、１４に加わ
る圧力は小さくて済む。また、クランク軸１８の一回転
に対して歯溝１２Ｌ、１２Ｒの１ピッチ分の減速出力が
得られるから、必ずしも減速機を別設する必要がない。

【００１３】さらに、受動ラック１１を挟んで対向する
よう複数のボール１５Ｌ、１５Ｒ及び複数の能動ラック
１６Ｌ、１６Ｒが配置され、予圧調整部材２５の締め付
け量に応じた予圧で受動ラック１１が挟持されるので、
負荷変動に対しても受動ラック１１を高精度に位置決め
して振動を防止することができるとともに、受動ラック
１１を別設のガイド部材によってガイドする必要がない
。あるいは、受動ラック１１のガイド部材を設けたとし
ても非常に負荷容量の小さいものでよい。

【００１４】また、能動ラック１６Ｌ、１６Ｒのそれぞ
れが２つの歯面を押動するから、一対の能動ラック１６
Ｌ、１６Ｒだけで受動ラック１１の安定した直進運動を
得ることができる。したがって、非常に小型で、しかも
推力が大きく負荷変動に強い直進運動機構を実現できる
。なお、本実施例においては受動ラック１１を直進させ
る一般産業用シリンダへの適用例として説明したが、受
動ラック１１を固定すれば位置決めテーブルや搬送用パ
レット等に適用できるのは勿論である。

【００１５】図５は本発明に係る直進運動機構の他の実
施例を示すその断面図である。同図に示すように、この
実施例においては、一対の能動ラック３６Ｌ、３６Ｒが
、軸受３９Ａ、３９Ｂ（例えばテーパローラ軸受）を介
してクランク軸３８及び図示しない同様な軸受に回転自
在に結合されるとともに、これらの軸受３９Ａ、３９Ｂ
及びスナップリング４１Ａ、４１Ｂを介して受動ラック
１１から離隔する方向の移動を規制されている。

【００１６】なお、図において、４２はクランク軸３８
を軸受４３、４４を介して軸支するケース、４５はクラ
ンク軸３８の一端側の軸穴をシールするオイルシール、
４６はクランク軸３８の他端側の軸穴を閉塞するカバー
である。このようにすれば上述例のスラスト軸受２３、
２４をなくしてより小型化を図ることができる。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、クランク軸の回転中に
複数のボールを介して受動ラックの側面側において歯溝
の対向歯面の一方及び他方の波形の歯面を交互に押圧し
、受動ラックを一定方向に押動するようにしているので
、減速機を別設しなくてもゆっくりとした直進出力を得
ることができるとともに、受動ラックの歯面圧を小さく
することができる。この結果、小型で推力の大きい直進
運動機構を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る直進運動機構の一実施例の要部断
面図である。

【図２】一実施例の一部分解斜視図である。

【図３】一実施例の受動ラックの歯面形状の説明図であ
る。

【図４】一実施例の作用説明図である。

【図５】本発明に係る直進運動機構の他の実施例の要部
断面図である。

【図６】従来のラックピニオン機構の構成図である。

【図７】従来のピンラック機構の構成図である。

【符号の説明】

１１　　　　受動ラック １２　　　　歯溝 １３、１４　　　　対向歯面 １５　　　　ボール １６Ｌ、１６Ｒ、３６Ｌ、３６Ｒ　　能動ラック１７Ｌ
、１７Ｒ　　　　凹部 １８、３８　　　　クランク軸 ２０、４２　　　　ケース

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一対の対向歯面からなる波形の歯溝を側面
   に有する受動ラックと、該ラックの歯溝に係合する複数
   のボールと、複数のボールのそれぞれに係合する凹部が
   所定間隔に形成され、これらのボールを介して受動ラッ
   クの歯溝と噛み合うよう受動ラックの側面側に配置され
   た能動ラックと、能動ラックを支持するとともに、能動
   ラックを揺動クランク運動させる複数のクランク軸と、
   複数のクランク軸を軸支するケースと、を備えたことを
   特徴とする直進運動機構。