JP6540184B2 - アクチュエータ - Google Patents

アクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP6540184B2
JP6540184B2 JP2015084243A JP2015084243A JP6540184B2 JP 6540184 B2 JP6540184 B2 JP 6540184B2 JP 2015084243 A JP2015084243 A JP 2015084243A JP 2015084243 A JP2015084243 A JP 2015084243A JP 6540184 B2 JP6540184 B2 JP 6540184B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
groove
rolling
internal gear
actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015084243A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016035325A (ja
Inventor
杉田 澄雄
澄雄 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2015084243A priority Critical patent/JP6540184B2/ja
Publication of JP2016035325A publication Critical patent/JP2016035325A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6540184B2 publication Critical patent/JP6540184B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、駆動対象の直線的な駆動を行うアクチュエータに関する。
ボールねじやリニアガイドはともに直動機械要素であり、これらを組み合わせたリニアアクチュエータが産業機械やロボットなどに広く用いられている。ボールねじは、ねじ軸と、駆動対象に固着されるナットと、ねじ軸とナットとの間に介装された多数のボールとから構成されている。ボールねじは、例えば、電気モータによってねじ軸を回転させることにより、ナットがねじ軸の軸方向に沿って移動する(特許文献1参照)。
また、リニアガイドは、機械テーブルなどに固定されるレールと、レールを跨ぐように配置され駆動対象を支持するスライダと、スライダとレールに形成された転動面を転動する多数の転動体とから構成されている。リニアガイドは、例えば、ボールねじと共に用いられ、ボールねじからの力が駆動対象に加わると、スライダが高い位置精度をもってレール上を移動し、駆動対象を案内する(特許文献2参照)。
一方、自動車では、積荷の軽重による姿勢変化を抑制するため、実効スプリングレート調整式のサスペンションが開発されている。ここで、実効スプリングレートとは、サスペンションスプリングの付勢力に抗して車高を単位高さ低くするのに必要な荷重を意味するものとする。この種のサスペンションとしては、空気圧を用いたエアサスペンションが一般的であるが、サスペンションスプリングの位置を変化させることで実効スプリングレートを増減させるものも公知となっている(特許文献3の図6参照)。
特許文献3の図6に開示されたサスペンションは、車体とサスペンションアームとの間にサスペンションスプリングを平面視で旋回可能に保持するとともに、サスペンションスプリングを旋回駆動する電動のクランク式アクチュエータを備え、サスペンションアームの基端側に近づくようにサスペンションスプリングを旋回させることで実効スプリングレートを低下させ、車輪側に近づくようにサスペンションスプリングを旋回させることで実効スプリングレートを上昇させる構造を採っている。
特開2001−193815号公報 特開2001−182745号公報 米国特許第7392978B2号公報
ボールねじとリニアガイドとからなるリニアアクチュエータは、比較的大きな駆動力を要する駆動対象に適用することができるものの、構成部品点数が多くなることから、これを組み込んだ機械装置の製造コストや保守コストが高くなることが避けられない。したがって、この種のリニアアクチュエータは、工作機械やロボットなどに用いることはできても、自動車に代表される比較的安価な機械に採用することが難しい。
一方、特許文献3のクランク式アクチュエータを備えたサスペンションでは、サスペンションスプリングを水平方向に旋回させることに起因して、以下に述べるような問題が生じる。すなわち、旋回するサスペンションスプリングとの干渉を避けるべく、サスペンションアームの上側に大きなスペースを確保する必要があり、ブレーキやダンパなどの周辺装置のレイアウトが難しくなる問題があった。また、サスペンションスプリングが意図しない方向(アームのピボット回転半径方向に対し直角方向)にも大きく変位するため、狙い以外の剛性の変化も生じ、サスペンションアームが意図しない方向にねじれるといった問題があった。
このような問題に鑑みて、本発明は、コストを抑えながら、比較的大きな駆動力を要する駆動対象を直線的に運動させることができるアクチュエータを提供することを目的とする。
また、上記課題を解決するために本発明では、
基部と、
前記基部に固定された内歯歯車と、
前記内歯歯車と中心軸線を共通にして前記基部に固定された第1の軸受と、
前記第1の軸受に回転可能に取り付けられた回転軸部と、前記内歯歯車の径方向内側に配置され、前記回転軸部の回転により旋回する旋回部とを備えた軸部材と、
前記旋回部に固定された第2の軸受と、
前記第2の軸受と中心軸線を共通にして前記第2の軸受に回転可能に取り付けられ、前記内歯歯車に噛み合う外歯歯車と、
前記回転軸部を回転させる駆動機構と、を有し、
前記内歯歯車に対する前記外歯歯車の歯数比が1/2よりも大きく、
前記駆動機構は前記外歯歯車の少なくとも一部分が直線的に移動する回転角の範囲内において回転することを特徴とするアクチュエータを提供する。
好ましくは、前記第1の軸受は、すべり軸受、4点接触玉軸受、複列アンギュラ玉軸受、深溝玉軸受および複列テーパローラベアリングのいずれかである。
また、好ましくは、前記第2の軸受は、すべり軸受、4点接触玉軸受、複列アンギュラ玉軸受、深溝玉軸受および複列テーパローラベアリングのいずれかである。
また、上記課題を解決するために本発明では、
第1の面を有する基部と、
第1の軸受を介し、前記基部に相対回転可能に取り付けられた回転軸部と、前記回転軸部の回転により旋回する旋回部とを備えた軸部材と、
第2の軸受を介して前記旋回部に相対回転可能に取り付けられ、前記第1の面と略平行に配置された第2の面を有する可動部材と、
前記回転軸部を回転させる駆動機構と、を有し、
前記第1の面と前記第2の面のいずれか一方に、内サイクロイド曲線状の第1の転動溝が形成されており、前記第1の面と前記第2の面のもう一方に、前記第1の転動溝の内サイクロイド曲線よりも山数が2つ少ない外サイクロイド曲線状の第2の転動溝が形成され、
前記第1の転動溝と前記第2の転動溝の間に、複数の転動体が配置されており、
前記複数の転動体の位置関係を保つ保持器を有し、
前記駆動機構は、前記可動部材の少なくとも一部分が直線的に移動する回転角の範囲内において前記回転軸部を回転させることを特徴とするアクチュエータを提供する。
好ましくは、前記第1の転動溝は、第1の内溝と、前記第1の内溝を囲う第1の外溝からなり、
前記第2の転動溝は、第2の内溝と、前記第2の内溝を囲う第2の外溝からなる。
本発明によれば、コストを抑えながら、比較的大きな駆動力を要する駆動対象を直線的に運動させることができるアクチュエータを提供することができる。
本願の第1実施形態に係るアクチュエータの斜視図である。 本願の第1実施形態に係るアクチュエータの縦断面図である。 本願の第1実施形態に係るアクチュエータの要部分解斜視図である。 本願の第1実施形態に係るアクチュエータの作動説明図である。 本願の第2実施形態に係るアクチュエータの斜視図である。(a)と(b)において異なる角度から見た状態を示している。 本願の第2実施形態に係るアクチュエータの軸方向に沿って切断した断面を示す断面図である。 本願の第2実施形態に係るアクチュエータの分解斜視図である。 本願の第2実施形態に係るアクチュエータの別の角度から見た分解斜視図である。 本願の第2実施形態に係るアクチュエータの作動説明図である。
(第1実施形態)
以下、本願の第1実施形態に係るアクチュエータである内接歯車式アクチュエータについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態の説明にあたっては、図1〜図3中に前後・上下を矢印で示し、各部材の位置や方向をこれに沿って説明する。
(第1実施形態の構成)
図1〜図3に示すように、本実施形態の内接歯車式アクチュエータ1(以下、単に「アクチュエータ1」と記す。)は、機械本体8に固定される基部2と、基部2の中心に回転自在に支持された軸部材であるクランクシャフト3(図2参照)と、基部2の前面に固着されたリング状の内歯歯車4と、可動部材としてクランクシャフト3に回転自在に支持された外歯歯車5と、駆動部として外歯歯車5の前面に締結されたピンプレート6と、クランクシャフト3を回転させる駆動機構としての電動モータ75とを主要構成要素としている。
基部2は略円板形状を呈しており、内歯歯車4が前面に接合される環状凸部11が前方に突設されるとともに、図2に示す通り、その中心部に第1の軸受としての転がり軸受(以下、単に軸受と記す)21が圧入される軸受保持穴部12が設けられている。また、基部2には、図3に示すように、環状凸部11の外側に固定ボルト9(図1参照)が挿通される4つのボルト穴13が穿設されている。本実施形態の基部2と内歯歯車4とは溶接によって接合されているが、ボルトによって締結されていてもよいし、鋳造などによる一体品であってもよい。
クランクシャフト3は、回転軸部として軸受21の内輪に保持されたクランクジャーナル31と、クランクジャーナル31の前端に連なる円板状のクランクアーム32と、クランクアーム32の前面から前方に突設し、第2の軸受としての軸受22の内輪に内嵌したクランクピン(旋回部)33とを有している。図2に示す通り、クランクジャーナル31とクランクピン33とは径方向に所定のオフセット量Sをもってオフセットしており、クランクシャフト3が回転するとクランクピン33がオフセット量Sを半径として旋回する。
クランクジャーナル31の後方には、連続して、アクチュエータ側プーリ41(図2参照)が外嵌するプーリ保持部34と、プーリ固定ナット42が螺合するねじ軸35とが形成されている。一方、クランクピン33の前方には、連続して、歯車固定ナット43が螺合するねじ軸36が形成されている。クランクジャーナル31およびクランクピン33の基部には、軸受21、22の内輪の端面に接する円形の軸受座37、38が各々設けられている。
外歯歯車5は、軸受22の外輪が圧入される軸受保持穴部51を軸心に有しており、軸受22を介してクランクピン33に回転自在に支持されている。外歯歯車5は、ねじ軸36に歯車固定ナット43を螺合させて締め付けることにより、クランクピン33に保持される。外歯歯車5は、その外歯5aが内歯歯車4の内歯4aと常時噛み合うように構成されており、クランクピン33の旋回に伴って旋回(公転)しながら回転(自転)する。本実施形態では、内歯歯車4に対する外歯歯車5の歯数比が1/2よりも大きい値(4/5程度)に設定されている。
ピンプレート6は、外歯歯車5の前端面に締結されるプレートベース61と、プレートベース61に圧入などによって一体化された駆動ピン62とからなっている。駆動ピン62は、大径の基端部の前方に小径の先端部が形成された段付ピンであり、先端部が駆動対象71(図2参照)に係合する。図1に示すように、ピンプレート6は、駆動ピン62が外歯歯車5の外周より径方向外側に位置するように、外歯歯車5から径方向外側へ張り出している。プレートベース61の後面には内歯歯車4との干渉を避けるための逃げ部61aが設けられている。
軸受21、22は公知の4点接触玉軸受であり、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に介装される多数のボールと、隣り合うボールの周方向の間隔を維持する保持器とから構成されており、モーメント荷重、アキシャル荷重、及び、ラジアル荷重の複合荷重を負担することができる。
図2に示すように、機械本体8の後面には電動モータ75が取り付けられており、この電動モータ75のシャフト75aの先端にモータ側プーリ45が固着されている。モータ側プーリ45と前述したアクチュエータ側プーリ41との間にはベルト76が掛け渡されており、電動モータ75によってクランクシャフト3が回転され、外歯歯車5が駆動する。
(第1実施形態の作用)
図4は、駆動ピン62が可動範囲の上端から下端まで移動する過程を示している。図4(a)〜(e)に示すように、電動モータ75に駆動されてクランクシャフト3が左回転すると、クランクピン33に支持された外歯歯車5は、左方向に旋回すると同時に、内歯歯車4に噛み合い右回転する。これにより、駆動対象71(図2参照)が係合した駆動ピン62は、図4(a)に示す上端位置から直線的な軌跡Lを描いて図4(e)に示す下端位置に移動する。駆動ピン62の軌跡Lは、内歯歯車4に対する外歯歯車5の歯数比によって変化するトロコイド曲線の一部となる。このように、内歯歯車4と外歯歯車5と軸受22は、クランクピン33の旋回運動を駆動ピン62の直線的な運動に変換する変換機構を構成している。
クランクシャフト3をさらに回転させると、駆動ピン62の軌跡Lは略四角形を描くが、本実施形態においては、往復アクチュエータとして利用するため、電動モータ75に設けた制御部によって、図4の範囲で往復運動するように電動モータ75の回転角を制御する。
図2において駆動対象71を下方に移動させる場合、駆動ピン62には図2中にFで示す上方への反力が作用するが、クランクシャフト3は、モーメント荷重、アキシャル荷重、及びラジアル荷重の複合荷重を負担可能な軸受21、22によって支持されているため、反力がある程度大きなものであったとしても、作動中に傾いたりすることがない。荷重下の作用線が軸受21、22の中心からオフセットし、大きなモーメント荷重が負荷されるので、その荷重に耐える軸受で支持される。また、駆動ピン62が駆動対象71から図2の左右方向の荷重を受けることもできる。ただし、荷重が大きくなれば、外歯歯車5は内歯歯車4に対して多少変位するため、内歯歯車4と外歯歯車5の干渉が起きないように、用途等に応じて、歯車のバックラッシュと軸受21、22の剛性との関係を設定することが好ましい。
以上に説明した実施形態に係る内接歯車式アクチュエータによれば、比較的簡素かつ安価な構成を採りながら、比較的大きな駆動力を要する駆動対象を直線的に運動させることができる。
本第1実施形態のアクチュエータは、自動車用サスペンションに用いることもできる。例えば、特許文献3の図6の旋回式アクチュエータの代替として用いることで、サスペンションスプリングを直線移動させることが可能となる。さらに、サスペンションの剛性が変化すると、意図しないサスペンションアームのねじれを防止する効果があり高価なリニアガイドを使用せずとも良い。
以上で第1実施形態の説明を終えるが、本願発明は上記第1実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、内歯歯車に対する外歯歯車の歯車比を4/5程度とし、トロコイド曲線の一部となる軌跡を描くように駆動ピンを移動させるようにしたが、歯車比はこれに限らない。例えば、内歯歯車に対する外歯歯車の歯数比を1/2に近づければ駆動ピンをより直線的に駆動することが可能となる。また、内歯歯車に対する外歯歯車の歯数比を1/2とし、外歯歯車のピッチ円上に駆動ピンを配置すれば、駆動ピンに直線運動をさせることができる。
また、本第1実施形態の内接歯車式アクチュエータは、自動車用サスペンションに限らず、ブレーキの倍力装置やステアリング装置など、直線的な駆動が必要な箇所に利用することができる。
また、上記実施形態では軸受として4点接触玉軸受を用いたが、すべり軸受、複列アンギュラ玉軸受、深溝玉軸受および複列テーパローラベアリングなど、アキシャル方向の荷重を負担可能な転がり軸受であればどのような転がり軸受でも採用可能であり、その場合にも上記実施形態と同様の作用が得られる。
その他、内接歯車式アクチュエータの具体的構造や各部材に具体的形状などについても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
(第2実施形態)
以下、本願の第2実施形態に係るアクチュエータについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第2実施形態の構成)
図5に示すように、本実施形態のアクチュエータ201は、機械本体等に固定される基部として設けられた円盤状の固定板202と、固定板202に対して相対回転可能に取り付けられた軸部材203と、軸部材203に対して相対回転可能に取り付けられ、軸部材203の回転に伴って旋回(公転)する可動部材としての可動板204とを有する。可動板204は、円盤状をして、駆動部205が形成されており、電動モータなどの駆動機構によって軸部材203を回転させると、駆動部205が直線的に動くように構成されている。
図6は本願の第2実施形態に係るアクチュエータ201を軸部材203の軸線方向に切断した断面を示す断面図である。固定板202の中心には貫通孔202aが形成されており、その貫通孔aに軸部材203の回転軸部203aが通されている。貫通孔202aと回転軸部203aとの隙間には、第1の軸受206が介在し、軸部材203が固定板202に対して相対回転可能に取り付けられている。また、可動板204の中心にも貫通孔204aが形成されており、その貫通孔204aには軸部材203の旋回部203bが挿入されている。貫通孔204aと旋回部203bとの隙間には、第2の軸受207が介在し、可動板204が軸部材203に対して相対回転可能に取り付けられている。なお、第1の軸受206と第2の軸受207は、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受にすることで、アキシャル荷重とラジアル荷重の両方の荷重を受けることができる。
軸部材203は、回転軸部203aと旋回部203bとを一体に有する。旋回部203bには、その端部から軸方向に雌ネジ部203cが形成されており、雌ネジ部203cにはネジ208が締め付けられている。ネジ208は、座金209を介して第2の軸受207を可動板204に押圧している。旋回部203bとは反対側の回転軸部203aの端部には、軸部材203を回転させる駆動機構212が設けられている。駆動機構212としては、例えば、ベルト、歯車、モータといったように、軸部材203を回転させるあらゆる手段を用いることができる。
可動板204に対向する固定板202の面(第1の面)には、第1の転動溝として、断面が円弧状もしくはゴシックアーチ状をした固定側外溝202bと固定側内溝202cが形成されている。また、固定板202に対向する可動板204の面(第2の面)にも、第2の転動溝として、断面が円弧状もしくはゴシックアーチ状をした可動側外溝204bと可動側内溝204cが形成されている。固定側外溝202bと可動側外溝204bの間には、複数の転動体210が収容されている。また、固定側内溝202cと可動側内溝204cとの間にも複数の転動体210が収容されている。また、固定板202と可動板204との間には、円盤状をして、転動体210を保持する貫通孔を複数形成した保持器211が配置されている。
図7は、本実施形態に係るアクチュエータ201の分解斜視図である。保持器211は、可動側外溝204b及び固定側外溝202bに対応する位置で円周方向に等間隔に形成された5つの貫通孔部を有し、その貫通孔部内にそれぞれ転動体210が収容されている。また、保持器211は、可動側内溝204c及び固定側内溝202cに対応する位置で円周方向に等間隔に形成された5つの貫通孔部を有し、その貫通孔部内にそれぞれ転動体210が収容されている。
可動側外溝204bと可動側内溝204cは、外サイクロイド曲線状に形成されている。具体的には、可動側外溝204bは、可動板204の面内に収まる大きさで、半径A/N(Aは正の数、Nは自然数)の円が、軸部材203の旋回部203bの中心軸線を中心とする半径Aの定円の外側を外接しながら滑らずに転がるときに半径A/N(本実施形態はN=4)の円の円周付近のある定点が描く軌跡を中心として転動体210を収容する溝幅を持たせた平面形状をしている。一方、可動側内溝204cは、可動側外溝204bの内側に収まる大きさで、半径B/N(Bは正の数)の円が、軸部材203の旋回部203bの中心軸線を中心とする半径Bの定円の外側を外接しながら滑らずに転がるときに半径B/Nの円の円周上の定点が描く軌跡を中心として転動体210を収容する溝幅を持たせた平面形状をしており、軸部材203の旋回部203bの中心軸線を中心として可動側外溝204bに対して180°÷N異なる向きに配置されている。これにより、本実施形態(N=4)は駆動部が直線的に動く距離を長くすることが可能となる。
図8は、本実施形態に係るアクチュエータ201の、別の角度から見た分解斜視図である。固定側外溝202bと固定側内溝202cは、可動側外溝204bと可動側内溝204cよりも山数(円弧状の部分の数)が2つ多い内サイクロイド曲線状に形成されている。具体的には、固定側外溝202bは、入力板202の面内に収まる大きさで、半径C/6(C=A×(1+(2/N)))の円が、軸部材203の回転軸部203aの中心軸線を中心とする半径Cの定円の内側を内接しながら滑らずに転がるときに半径C/6の円の円周付近のある定点が描く軌跡を中心として転動体210を収容する溝幅を持たせた平面形状をしている。一方、固定側内溝202cは、固定側外溝202bの内側に収まる大きさで、半径D/6(D=B×(1+(2/N)))の円が、軸部材203の回転軸部203aの中心軸線を中心とする半径Dの定円の内側を内接しながら滑らずに転がるときに半径D/6の円の円周上の定点が描く軌跡を中心として転動体210を収容する溝幅を持たせた平面形状をしており、軸部材203の回転軸部203aの中心軸線を中心として固定側外溝202bに対して180°/(N+2)異なる向きに配置されている。
(第2実施形態の作用)
図9は本実施形態に係るアクチュエータ201の作動説明図である。図9は可動板204側から見た平面を示しており、(a)から(e)にかけて、軸部材203を反時計回りに回した様子を示している。
固定板202が固定された状態で軸部材203の回転軸部203aが反時計回りに回されると、回転軸部203aに対して偏心した旋回部203bが、回転軸部203aを中心として反時計回りに旋回(公転)し、これに伴い可動板204も旋回(公転)する。可動板204は、第2の軸受207を介し、旋回部203bに対して相対回転可能に取り付けられているため、固定板202と可動板204との間に配置された転動体210から掛かる負荷よって回転(自転)する。即ち、可動板204は、上述のように、転動体210を収容した溝の特徴的な形状により、上記公転の角速度よりも遅い角速度で、時計回りに回転(自転)する。この自転と上記公転との合成によって、駆動部205は、図9に示すように、直線的に変位する。このように、可動板204、第2の軸受207、転動体210、固定側外溝202b及び固定側内溝202cは、旋回部203bの旋回運動を駆動部205の直接的な運動に変換する変換機構を構成している。
その後も回転軸部203aを回転し続けると、駆動部205が略三角形の軌跡を描く。したがって、対象物を直線的にのみ動かす場合には、駆動機構212に設けた制御部によって、上述のように駆動部205が直線的に動く範囲内で回転軸部203aが回転するように駆動機構212の回転角を制御する。
以上に説明した本第2実施形態によれば、駆動部205に、固定板202側に向かう大きなアキシャル荷重がかかったとしても、固定板202及び可動板204に形成されたサイクロイド溝と転動体210とによって荷重を受けることができる。また、サイクロイド溝と転動体210は、可動板204の公転に対する可動板204の自転の角速度の比率を決める減速機構の役割も果たす。これにより、リニアガイドなどの直動支持要素や歯車などの減速機構を用いずに、非常にコンパクトかつ軽量で、大きなアキシャル荷重を受けながら、対象物を直線的に動かすことのできるアクチュエータを実現することができる。
本第2実施形態のアクチュエータは、自動車用サスペンションに用いることもできる。例えば、特許文献3の図6の旋回式アクチュエータの代替として用いることで、サスペンションスプリングを直線移動させることが可能となる。サスペンションの剛性の変化に伴う意図しないサスペンションアームのねじれを防止する効果があり、高価なリニアガイドを使用せずとも良い。また、本第2実施形態のアクチュエータは、自動車用サスペンションに限らず、ブレーキの倍力装置やステアリング装置等、直線的な駆動が必要な箇所に利用することができる。
以上で第2実施形態の説明を終えるが、本願発明は第2実施形態に限られるものではない。
例えば、固定板202に形成されたサイクロイド溝と、そのサイクロイド溝可動板204に形成されたサイクロイド溝は、必ずしも上記第2実施形態のように内側と外側に設ける必要はない。しかし、可動側と固定側で対応する一対のサイクロイド溝の間に挿入可能な転動体210の数は、サイクロイド溝の山数の平均値である。例えば、可動側のサイクロイド溝の山数が4で、固定側のサイクロイド溝の山数が6の上記第2実施形態においては、5個の転動体210の配置が可能である。したがって、内側と外側にサイクロイド溝を設け、転動体210の数を10個にすることで、転動体210の一個当たりにかかる荷重を半減することができる。これにより、球径を小さくし、アクチュエータの小型化、薄型化に寄与することができる。
また、固定板202と可動板204は、必ずしも円盤状をしている必要はなく、例えば、直方体状をしていても良いが、円盤状とすることで、コンパクトなものとすることができる。
さらに、上記第2実施形態においては、固定側に山数が6の内サイクロイド曲線状をした転動溝を形成し、可動側に山数が4の外サイクロイド曲線状をした転動溝を形成しているが、転動溝の構成はこれに限らない。
例えば、固定側に山数が4の外サイクロイド曲線状をした転動溝を形成し、可動側に山数が6の内サイクロイド曲線状をした転動溝を形成しても良い。この場合、上記第2実施形態に比べて駆動部の動きが直線的でなくなるが、軸部材の回転角に対する駆動部の移動量が小さくなり、小さなトルクで大きな駆動力を発揮することが可能となる。
また、固定側に山数が8の内サイクロイド曲線状をした転動溝を形成し、可動側に山数が6の外サイクロイド曲線状をした転動溝を形成しても良い。この場合、上記第2実施形態に比べて駆動部が直線的に動く範囲が狭くなるか、駆動部の動きが直線的になりにくくなる。しかし、転動体をより多く(7個)介在させることができるため、負荷容量を上げることができる。
すなわち、転動溝は、固定側に外サイクロイド曲線状の転動溝を形成して可動側に内サイクロイド曲線状の転動溝を形成するか、固定側に内サイクロイド曲線状の転動溝を形成して可動側に外サイクロイド曲線状の転動溝を形成し、かつ、外サイクロイド曲線状の転動溝の山数が内サイクロイド曲線状の転動溝の山数よりも2つ多い構成であれば良い。
1 内接歯車式アクチュエータ
2 基部
3 クランクシャフト
4 内歯歯車
5 外歯歯車
6 ピンプレート
8 機械本体
9 固定ボルト
11 環状凸部
13 ボルト穴
21〜23 軸受
31 クランクジャーナル
32 クランクアーム
33 クランクピン
34 プーリ保持部
35、36 ねじ軸
37、38 軸受座
41 アクチュエータ側プーリ
42 プーリ固定ナット
43 歯車固定ナット
45 モータ側プーリ
51 軸受保持穴部
62 駆動ピン
71 駆動対象
75 電動モータ
75a シャフト
201 アクチュエータ
202 固定板
202a 貫通孔
202b 固定側外溝
202c 固定側内溝
203 軸部材
203a 回転軸部
203b 旋回部
203c 雌ネジ部
204 可動板
204a 貫通孔
204b 可動側外溝
204c 可動側内溝
205 駆動部
206 第1の軸受
207 第2の軸受
208 ネジ
209 座金
210 転動体
211 保持器
212 駆動機構

Claims (5)

  1. 基部と、
    前記基部に固定された内歯歯車と、
    前記内歯歯車と中心軸線を共通にして前記基部に固定された第1の軸受と、
    前記第1の軸受に回転可能に取り付けられた回転軸部と、前記内歯歯車の径方向内側に配置され、前記回転軸部の回転により旋回する旋回部とを備えた軸部材と、
    前記旋回部に固定された第2の軸受と、
    前記第2の軸受と中心軸線を共通にして前記第2の軸受に回転可能に取り付けられ、前記内歯歯車に噛み合う外歯歯車と、
    前記回転軸部を回転させる駆動機構と、を有し、
    前記内歯歯車に対する前記外歯歯車の歯数比が1/2よりも大きく、
    前記駆動機構は前記外歯歯車の少なくとも一部分が直線的に移動する回転角の範囲内において回転することを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記第1の軸受は、すべり軸受、4点接触玉軸受、複列アンギュラ玉軸受、深溝玉軸受および複列テーパローラベアリングのいずれかであることを特徴とする請求項に記載の内接歯車式アクチュエータ。
  3. 前記第2の軸受は、すべり軸受、4点接触玉軸受、複列アンギュラ玉軸受、深溝玉軸受および複列テーパローラベアリングのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
  4. 第1の面を有する基部と、
    第1の軸受を介し、前記基部に相対回転可能に取り付けられた回転軸部と、前記回転軸部の回転により旋回する旋回部とを備えた軸部材と、
    第2の軸受を介して前記旋回部に相対回転可能に取り付けられ、前記第1の面と略平行に配置された第2の面を有する可動部材と、
    前記回転軸部を回転させる駆動機構と、を有し、
    前記第1の面と前記第2の面のいずれか一方に、内サイクロイド曲線状の第1の転動溝が形成されており、前記第1の面と前記第2の面のもう一方に、前記第1の転動溝の内サイクロイド曲線よりも山数が2つ少ない外サイクロイド曲線状の第2の転動溝が形成され、
    前記第1の転動溝と前記第2の転動溝の間に、複数の転動体が配置されており、
    前記複数の転動体の位置関係を保つ保持器を有し、
    前記駆動機構は、前記可動部材の少なくとも一部分が直線的に移動する回転角の範囲内において前記回転軸部を回転させることを特徴とするアクチュエータ。
  5. 前記第1の転動溝は、第1の内溝と、前記第1の内溝を囲う第1の外溝からなり、
    前記第2の転動溝は、第2の内溝と、前記第2の内溝を囲う第2の外溝からなることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ。
JP2015084243A 2014-07-31 2015-04-16 アクチュエータ Active JP6540184B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015084243A JP6540184B2 (ja) 2014-07-31 2015-04-16 アクチュエータ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014156456 2014-07-31
JP2014156456 2014-07-31
JP2015084243A JP6540184B2 (ja) 2014-07-31 2015-04-16 アクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016035325A JP2016035325A (ja) 2016-03-17
JP6540184B2 true JP6540184B2 (ja) 2019-07-10

Family

ID=55523284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015084243A Active JP6540184B2 (ja) 2014-07-31 2015-04-16 アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6540184B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022215883A1 (en) * 2021-04-06 2022-10-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Systems and methods for implementing miniaturized cycloidal gears

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017180557A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 武蔵精密工業株式会社 伝動装置
JP6981739B2 (ja) * 2016-08-03 2021-12-17 Ntn株式会社 減速装置
JP2018095113A (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 トヨタ紡織株式会社 駆動装置
JP2018100046A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 トヨタ紡織株式会社 駆動装置
DE102018218147B3 (de) * 2018-10-23 2020-01-02 Physik Instrumente (Pi) Gmbh & Co. Kg Positionierungseinrichtung und Lichtbearbeitungsvorrichtung mit einer solchen Positionierungseinrichtung

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10331940A (ja) * 1997-05-30 1998-12-15 Aisin Kiko Kk クランク装置
JP2003172419A (ja) * 2001-12-10 2003-06-20 Nsk Ltd ボール式変速装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022215883A1 (en) * 2021-04-06 2022-10-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Systems and methods for implementing miniaturized cycloidal gears
US11554480B2 (en) 2021-04-06 2023-01-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Systems and methods for implementing miniaturized cycloidal gears

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016035325A (ja) 2016-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6540184B2 (ja) アクチュエータ
US9440673B2 (en) Steering device
JP5156961B2 (ja) 減速装置
US10787195B2 (en) Electric power steering system
US9427866B2 (en) Gear mechanism, speed reducer, and robot arm
JPH01229160A (ja) 複合運動案内装置
JP2013103696A (ja) 電動パワーステアリング装置
US9145919B2 (en) Speed-reduction transmission bearing
KR20100081921A (ko) 감속장치
JP2018511765A (ja) 出力ベアリングとこれに支承可能な波動伝動装置を有する伝動システム
WO2012144371A1 (ja) 直動案内機構
JP2020133693A (ja) 動作変換機構、および、それを備えた電動ブレーキアクチュエータ
WO2017110739A1 (ja) リンク作動装置
CN105936295A (zh) 电动助力转向设备
JP2015000594A (ja) ステアリング装置
JP2012067899A (ja) 増減速機
JP2014081001A (ja) 減速機
JP4799127B2 (ja) 位置決め装置
JP2007292140A (ja) 無段変速装置
JP2011127722A (ja) 歯車装置およびこれを含む電動パワーステアリング装置
JP5168195B2 (ja) 直動駆動装置
JP6506115B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6491832B2 (ja) 有限減速機
JPS60121350A (ja) 遊星歯車減速機
JP7444551B2 (ja) 回転機器の軸受組付け部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180115

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20180115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6540184

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150