JP5958571B1 - 軟磁性金属圧粉コア - Google Patents

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Abstract

【課題】軟磁性金属圧粉コアにおいて、直流重畳特性に優れ、かつコアロスの小さいことを両立させることを課題とする。【解決手段】軟磁性金属粉末および絶縁物が含まれることを特徴とする軟磁性金属圧粉コアであり、前記軟磁性金属粉末の粒度分布において、小さい方から個数を累積して10%の個数となる粒径をd10%とし、16%となる粒径をd16%とし、50%となる粒径をd50%とした場合、d50%が15〜65μmであり、(d16%−d10%)/d16%=0.10〜0.20であり、前記軟磁性金属粉末を構成する80%以上の粒子の断面の円形度が0.75〜1.0とすることで、直流重畳特性を改善しつつ、コアロスの小さい軟磁性金属圧粉コアとすることができる。【選択図】 図2

Description

本発明は電源回路などに用いられるリアクトルやインダクタに関し、特に軟磁性金属圧粉コアのインダクタンスの直流重畳特性の改善に関する。
大電流を印加する用途で使用されるリアクトルやインダクタ用の磁心材料として、フェライトコア、積層電磁鋼板、軟磁性金属圧粉コア(金型成形、射出成形、シート成形などで作られたコア)などが用いられる。積層電磁鋼板は飽和磁束密度が高いものの、電源回路の駆動周波数が数十kHzを超えるとコアロスが大きくなり、効率の低下を招くという問題があった。一方、フェライトコアは高周波損失の小さい磁心材料であるが、飽和磁束密度が低いことから、形状が大型化するという問題があった。それに対し、軟磁性金属圧粉コアは高周波のコアロスが積層電磁鋼板よりも小さく、飽和磁束密度がフェライトよりも大きいことから、広く用いられるようになっている。とはいえ、軟磁性金属圧粉コアのコアロスは十分に小さいとはいえず、低損失な軟磁性金属圧粉コアが求められている。
リアクトルやインダクタに印加される電流波形は直流成分に交流成分が重畳した波形となっており、直流成分が大きくなるとリアクトルやインダクタのインダクタンスが低下するのが一般的である。リアクトルやインダクタに要求される特性として、直流重畳下でもインダクタンスの低下が小さいことが求められており、それに用いる磁心材料に対しても直流重畳特性が良好なこと、すなわち、直流電流重畳下でもインダクタンスの低下、ひいては透磁率の低下が小さいことが求められる。
特許文献1では軟磁性金属圧粉コアの直流重畳特性を改善する技術として、軟磁性金属粒子の平均粒径を1〜70μm、粒度分布の変動係数を0.40以下、円形度を0.8〜1.01とすることを開示している。
特許文献2では軟磁性金属圧粉コアを高密度にする技術として、平均粒径の比が1/8〜1/3となる2種の平均粒径を有する粒子を10/90〜25/75で混合することを開示している。
特開2009−70885号公報 特開2011−192729号公報
特許文献1の技術では軟磁性金属粉末の平均粒径を1〜70μm、円形度を0.8〜1.0、粒度分布の変動係数(Cv)を0.40以下とすることで、直流重畳特性を改善できるとしている。しかし、変動係数をこの範囲にしようとする場合、粒度分布を非常に鋭くする必要があるため、軟磁性金属圧粉コアを成形する場合、充填密度が必然的に低下するという問題がある。結果として、得られる軟磁性金属圧粉コアの密度が低下してしまうため、直流重畳特性が悪化するばかりでなく、コアロスも大きくなってしまう。
特許文献2の技術では粒径の異なる2種以上の軟磁性金属粉末を混合することで、軟磁性金属圧粉コアを成形する場合の充填密度を高めている。軟磁性金属圧粉コアの密度を高めることはできるものの、粒度分布が広いため、直流重畳特性は不十分なものしか得られないという問題があった。
このように従来の技術では、軟磁性金属粉末の粒度分布を鋭くすると軟磁性金属圧粉コアの密度が高められず、コアロスが大きくなるという問題があり、軟磁性金属粉末の粒度分布を広げると良好な直流重畳特性が得られないという問題があった。したがって、直流重畳特性に優れ、かつコアロスの小さいことを両立するような軟磁性金属圧粉コアが求められている。
本発明では、上記の問題を解決するために案出されたものであって、軟磁性金属圧粉コアにおいて、直流重畳特性に優れ、かつコアロスの小さいことを両立させることを課題とする。
本発明の軟磁性金属圧粉コアは、軟磁性金属粉末および絶縁物が含まれることを特徴とする軟磁性金属圧粉コアであり、前記軟磁性金属粉末の粒度分布において、小さい方から個数を累積して10%の個数となる粒径をd10%とし、16%となる粒径をd16%とし、50%となる粒径をd50%とした場合、d50%が15〜65μmであり、(d16%−d10%)/d16%=0.10〜0.20であり、前記軟磁性金属粉末を構成する80%以上の粒子の断面の円形度が0.75〜1.0であることを特徴とする。このようにすることで、直流重畳特性を改善しつつ、コアロスの小さい軟磁性金属圧粉コアとすることができる。
また、本発明の軟磁性金属圧粉コアは、請求項1に記載の軟磁性圧粉コアであって、前記軟磁性金属圧粉コアの断面を研磨して観察した場合に、前記軟磁性金属圧粉コアの断面の面積に対する前記軟磁性金属粉末が占有する面積の割合が90%〜95%であることを特徴とする。このようにすることで、コアロスをさらに低減することができる。
本発明によれば、軟磁性金属コアにおいて、コアロスが小さく、かつインダクタンスの直流重畳特性を改善することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る軟磁性金属圧粉コアの構造を示す断面の模式図である。 図2は、実施例1−9と比較例1−3の軟磁性金属粉末の粒度分布を示したものである。 図3は、実施例1−1の軟磁性金属圧粉コアの断面を観察した結果を示したものである。 図4は、比較例1−3の軟磁性金属圧粉コアの断面を観察した結果を示したものである。
本発明は、軟磁性金属粉末および絶縁物が含まれることを特徴とする軟磁性金属圧粉コアであり、前記軟磁性金属粉末の平均粒径が15〜65μmであり、前記軟磁性金属粉末の粒度分布で(d16%−d10%)/d16%=0.10〜0.20であり、前記軟磁性金属粉末を構成する80%以上の粒子の断面の円形度が0.75〜1.0であることを特徴とすることで、コアロスを小さくしながら、直流電流重畳下でのインダクタンスを向上させることを可能にしたものである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は、軟磁性金属圧粉コア10の構造を示す図である。軟磁性金属圧粉コア10は軟磁性金属粉末11と、それを構成する大部分の粒子表面を被覆する絶縁層12で構成される。軟磁性金属粉末11は鉄を主成分とする軟磁性金属であり、純鉄、Fe−Si合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Al合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Ni合金などを用いることができる。良好な直流重畳特性を得るためには飽和磁化が高い軟磁性金属粉末を用いることが好ましいことから、純鉄、Fe−Si合金、Fe−Ni合金を用いることが好ましい。
軟磁性金属粉末11の粒度分布を測定し、小さい方から個数を累積して10%の個数となる粒径をd10%、16%となる粒径をd16%、50%となる粒径をd50%とした場合、平均粒径d50%の範囲は15〜65μmであり、(d16%−d10%)/d16%=0.10〜0.20である。平均粒径d50%が15μmよりも小さい場合には初透磁率が小さくなりすぎるため、直流重畳下の透磁率も小さいものしか得られない。平均粒径d50%が65μmよりも大きい場合には渦電流損失が大きくなるため、コアロスが大きくなる。特に、良好な直流重畳特性を得られることから、d50%は30〜55μmとするのがより好ましい。
軟磁性金属粉末11の粒度分布は、レーザー回折式粒度分布計などの粒度分布計で測定するのが簡便であるが、軟磁性金属粉末11の外観を走査型電子顕微鏡などで観察し、各粒子の外接円直径から粒度分布を算出する、あるいは軟磁性金属圧粉コア10の断面を研磨、観察し、各粒子の外接円直径から粒度分布を算出こともできる。
(d16%−d10%)/d16%は粒度分布の微粉側の裾の広がりを表しており、これが大きいほど微粉側に広い粒度分布を持つことを表す。軟磁性金属圧粉コアを成形する際、小さい粒子は大きい粒子の空隙に入り込んで充填密度を高め、成形体密度を高める効果があるとされている。しかし、小さい粒子は曲率が大きいことから応力が集中するため、大きい粒子の表面に食い込むように変形する。そのため、小さい粒子が多く含まれる場合には、塑性変形量が大きい部分とそうでない部分とが生じるため、磁化過程が不均一となり、結果として直流重畳特性が悪化する。すなわち、(d16%−d10%)/d16%が0.2よりも大きい場合には微粉の量が過多となり、直流重畳特性が悪化する。一方、(d16%−d10%)/d16%は小さいほど好ましいが製造上の容易性の観点から、下限は0.1程度である。したがって、(d16%−d10%)/d16%は0.10〜0.20とする。特に、良好な直流重畳特性を得られることから、(d16%−d10%)/d16%は0.10〜0.16とするのがより好ましい。
また、軟磁性金属圧粉コア10の断面を観察し、軟磁性金属粉末11の円形度を測定した場合、軟磁性金属粉末11を構成する粒子のうち、80%以上の粒子の円形度が0.75〜1.0である。円形度の一例としてはWadellの円形度を用いることができ、粒子断面に外接する円の直径に対する粒子断面の投影面積に等しい円の直径の比で定義される。真円の場合にはWadellの円形度は1となり、1に近いほど真円度が高い。観察には光学顕微鏡やSEMを用い、円形度の算出には画像解析を用いることができる。
円形度が低い粒子は、粒子表面の曲率が一定ではないことから、成形時の応力のかかり方が不均一になる。したがって、円形度が低い粒子が多く含まれる場合には、塑性変形量が大きい部分とそうでない部分が生じるため、磁化過程が不均一となり、結果として直流重畳特性が悪化する。すなわち、80%以上の粒子の円形度が0.75〜1.0とすることにより、良好な直流重畳特性を得ることができる。
軟磁性金属粉末11はその表面の大部分が絶縁層12で覆われている。絶縁層12は導電性の小さな無機物、有機物のいずれを用いてもよく、それらの複合物であってもよい。絶縁層12にはシリコン化合物が含まれることが好ましい。シリコン化合物は均一な絶縁層を形成することができるため、高密度にしても渦電流の発生を抑制し、コアロスを低減することができる。
軟磁性金属粉末11の原料粉末は水アトマイズ法やガスアトマイズ法などで作製することができる。一般にガスアトマイズ法を用いる方が、円形度の高い粒子が得られやすいが、水アトマイズ法を用いる場合であっても、噴霧条件などを適度に調整することによって円形度の高い粒子を得ることができる。
この原料粉末を分級することにより上述のd10%、d16%、d50%、円形度を有する軟磁性金属粉末11を得ることができる。分級には振動篩や風力分級器などを用いることができ、特に微粉を除去することによって粒度分布を所望の粒度分布に調整することができる。
軟磁性金属圧粉コア10の断面を研磨して観察した場合に、軟磁性金属圧粉コアの断面の面積に対する軟磁性金属粉末11が占有する面積の割合が90%〜95%であることが好ましい。軟磁性金属粉末11が占有する面積の割合が高いほど、非磁性物が占める部分が少なくなるため、ヒステリシス損失が低減し、低いコアロスが得られやすい。一方で、軟磁性金属粉末11が占有する面積の割合が95%を超えるようにするためには、極度に高い成形圧が必要となるため、製造上の困難が生じる。
軟磁性金属粉末11を用いて軟磁性金属圧粉コア10を作製する方法は一般的な軟磁性金属圧粉コア10の作製方法に則ればよいが、一例を以下に示す。
軟磁性金属粉末に対して、絶縁物を被覆し、顆粒状の造粒物を得る。絶縁物としてはシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの樹脂を用いることができ、成形時の保形性と電気的な絶縁性を有するもので、軟磁性金属粉末表面に均一に塗布できるものが好ましい。これらの溶液を所定の量だけ軟磁性金属粉末11に添加し、ニーダーなどで混練したのち、乾燥して得られた凝集物を解砕して、顆粒を得ることができる。
得られた顆粒を所望の形状の金型に充填し、加圧成形して成形体を得る。成形圧力は軟磁性金属粉末の組成や所望の成形密度により適宜選択することができるが、概ね600〜1600MPaの範囲である。必要に応じて潤滑剤を用いてもよい。得られた成形体は、熱硬化させて軟磁性金属圧粉コアとする。あるいは成形時の歪を除去するために熱処理を行って、軟磁性金属圧粉コアとする。熱処理の温度は500〜800℃で、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気などの非酸化性雰囲気中で行うことが望ましい。絶縁物としてシリコーン樹脂を用いた場合には、熱処理後にシリコン化合物を含む絶縁物を形成することができるので、より渦電流損失が抑制できるため好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
原料粉末として、ガスアトマイズ法および水アトマイズ法にてFe−4.5Si合金粉末を作製した。これらを分級して粒度分布を調整し、軟磁性金属粉末を準備した。軟磁性金属粉末の粒度分布はレーザー回折式粒度分布測定装置(HELOSシステム、Sympatec社製)により測定し、d10%、d16%から(d16%−d10%)/d16%を計算した。表1に粒度分布における各累積径(d10%、d16%、d50%、d84%)および原料粉末の製法を示した。
表1の軟磁性金属粉末が100質量%に対し、シリコーン樹脂が1.5質量%となるようにキシレンにて希釈して添加し、ニーダーで混練し、乾燥して得られた凝集物を355μm以下となるように整粒して、顆粒を得た。これを外径17.5mm、内径11.0mmのトロイダル形状の金型に充填し、成形圧1180MPaで加圧し成形体を得た。コア重量は5gとした。得られた成形体をベルト炉にて750℃で30min、窒素雰囲気中で熱処理して軟磁性金属圧粉コアとした(実施例1−1〜1−、比較例1−1〜1−6、参考例1〜参考例3)。同様に成形圧1570MPaで加圧成形したもの(実施例1−)、成形圧780MPaで加圧成形したもの(参考例4)も準備した。
これらの軟磁性金属圧粉コアを冷間埋め込み樹脂で固定し、断面を切り出し、鏡面研磨を行った。粒子の断面をランダムに50個観察し、各粒子のWadellの円形度を測定し、円形度が0.75以上である粒子の割合を算出した。結果を表1に示した。
同様に、これらの軟磁性金属圧粉コアを冷間埋め込み樹脂で固定し、断面を切り出し、鏡面研磨を行った。電子顕微鏡で断面を観察し、組成像を撮影した。画像のコントラストから視野面積に対する金属相の面積の割合を求め、結果を表1に示した。
LCRメータ(アジレント・テクノロジー社製4284A)と直流バイアス電源(アジレント・テクノロジー社製42841A)を用いて、軟磁性圧粉コアのインダクタンスを測定し、インダクタンスから軟磁性圧粉コアの透磁率を算出した。直流重畳磁界が0A/mの場合と8000A/mの場合について測定し、それぞれの透磁率をμ0、μ(8kA/m)として表1に示した。
BHアナライザ(岩通計測社製SY−8258)を用いて、軟磁性圧粉コアのコアロスを測定した。コアロスは周波数20kHz,測定磁束密度50mTの条件で測定した。結果を表1に示した。
Figure 0005958571
表1より、実施例1−1〜実施例1−は、いずれもμ(8kA/m)が40以上の良好な直流重畳特性を示すとともに、コアロスが60kW/m3以下となっていることがわかる。したがって、軟磁性金属粉末のd50%が15〜65μmの範囲とし、(d16−d10%)/d16%を0.10〜0.20の範囲とし、円形度0.75以上の粒子の割合が80%以上とすることによって、良好な直流重畳特性と低いコアロスを両立させた、優れた軟磁性金属圧粉コアとすることができることが確認できる。
比較例1−5はd50%が13.5μm、比較例1−6はd50%が69.5μmである。比較例1−5は粒径が小さすぎるためμ0が過小となり、結果としてμ(8kA/m)が40に満たない小さなものしか得られない。また、比較例1−6は粒径が大きすぎるために渦電流損失が大きくなり、コアロスが60kW/m3を超える大きなものしか得られない。一方、実施例1−1、参考例1〜参考例3はd50%が15〜65μmの範囲にあるため、μ(8kA/m)が40以上で、コアロスが60kW/m以下となっており、d50%を適切な範囲にする必要があることがわかる。
比較例1−1、比較例1−2、比較例1−7は(d16%−d10%)/d16%が0.20よりも大きい。比較例1−1と比較例1−7は微粉が多すぎるためμ0が大きくなりすぎてしまい、結果としてμ(8kA/m)が40に満たない小さなものしか得られない。また、比較例1−2は粒度分布を鋭くすることにより、直流重畳特性の改善を試みたものであるが、微粉量が多すぎるためにμ(8kA/m)が40に満たないばかりか、密度が低下してしまうため、コアロスが60kW/m3を超える大きなものしか得られない。それに対して、実施例1−1〜1−は(d16%−d10%)/d16%が0.10〜0.20の範囲にあることから、μ(8kA/m)が40以上で、コアロスが60kW/m3以下となっており、(d16%−d10%)/d16%を適切な範囲にする必要があることがわかる。また、実施例1−3、参考例1参考例2は、(d16%−d10%)/d16%が0.10〜0.16の範囲にあることから、特にμ(8kA/m)が大きくなることがわかる
比較例1−3、比較例1−4は円形度0.75以上の粒子の割合が80%に満たない。比較例1−4は円形度が低い粒子が多すぎるため、μ0が大きくなりすぎてしまい、結果としてμ(8kA/m)が40に満たない小さなものしか得られない。さらに比較例1−3は円形度が低い粒子が多く含まれ、さらに(d16%−d10%)/d16%が0.20よりも大きいことから、特にμ0が大きくなってしまい、結果としてμ(8kA/m)が40に満たない小さなものしか得られない。それに対し、実施例1−1〜1−参考例1、参考例2は円形度0.75以上の粒子の割合が80%以上であることから、良好な直流重畳特性が得られている。
実施例1−3、実施例1−11、実施例1−12は同じ軟磁性金属粉末を用い、成形圧を変えて作製した軟磁性圧粉コアである。実施例1−3と実施例1−11のコアロスは50kW/m3と、実施例1−12に比べてさらに低いコアロスが得られていることがわかる。実施例1−3と実施例1−11は成形圧が高いため、密度が高くなっており、断面を研磨して観察すると、観察面の面積に対し、軟磁性金属粉末の占める面積の割合が90%以上となっている。一方、実施例1−12は密度が低く、軟磁性金属粉末の占める面積の割合が90%に満たない。なお、さらに高圧で成形する場合には金型が破損する懸念があるため、軟磁性金属粉末の占める面積の割合が95%を超えるものを得るのは困難である。よって、軟磁性金属圧粉コアの断面を研磨して観察した場合に、軟磁性金属圧粉コアの断面の面積に対する軟磁性金属粉末が占有する面積の割合が90%〜95%とするのがより好ましい。
図2には実施例1−と比較例1−3の軟磁性金属粉末の粒度分布を示した。図2の粒度分布から明らかなように、実施例1−は比較例1−3に対して粒度分布の全体の広がりは同程度であるが、微粉側の裾の広がりがより小さくなっていることがわかる。表1からわかるように実施例1−の方が比較例1−3よりも大きなμ(8kA/m)が得られており、粒度分布での微粉側の裾の広がりを小さくする、すなわち(d16%−d10%)/d16%を0.10〜0.20の範囲にすることが直流重畳特性の改善に有効であることがわかる。

図3には実施例1−1の軟磁性金属圧粉コアの断面の形状を示した。図4には比較例1−3の軟磁性金属圧粉コアの断面の形状を示した。図3と図4から明らかなように、実施例1−1は円形度が高いのに対し、比較例1−3は円形度が低い粒子となっている。表1からわかるように、実施例1−1の方が比較例1−3よりも大きなμ(8kA/m)が得られており、軟磁性金属粉末を構成する円形度を高くする、すなわち粒子断面の円形度が0.75〜1.0となる粒子が80%以上とすることが直流重畳特性の改善に有効であることがわかる。
以上説明した通り、本発明の軟磁性金属圧粉コアは、損失を低減するとともに直流電流重畳下でも高いインダクタンスを有することから、高効率化および小型化を実現できるので、電源回路などのインダクタやリアクトルなどの電気・磁気デバイスに広く且つ有効に利用可能である。
10:軟磁性金属圧粉コア
11:軟磁性金属粉末
12:絶縁物

Claims (1)

  1. 軟磁性金属粉末および絶縁物が含まれることを特徴とする軟磁性金属圧粉コアであり、前記軟磁性金属粉末の粒度分布において、小さい方から個数を累積して10%の個数となる粒径をd10%とし、16%となる粒径をd16%とし、50%となる粒径をd50%とした場合、d50%が15〜50μmであり、d16%以下の粒子径に対する粒子の頻度分布が単調増加しており、(d16%−d10%)/d16%=0.10〜0.20であり、前記軟磁性金属粉末を構成する80%以上の粒子の断面の円形度が0.75〜1.0であり、前記軟磁性金属圧粉コアの断面を研磨して観察した場合に、前記軟磁性金属圧粉コアの断面の面積に対する前記軟磁性金属粉末が占有する面積の割合が90%〜95%であることを特徴とする軟磁性金属圧粉コア。
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