JP5958009B2 - ボイラシステム - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気集合部の内部の蒸気圧が制御範囲に収まるように、制御対象のボイラの燃焼量を制御する台数制御手段を備えるボイラシステムに関する。
複数台のボイラからなり負荷機器に蒸気を供給するボイラ群と、ボイラ群において生成された蒸気を集合させる蒸気集合部(蒸気ヘッダ)と、蒸気集合部の内部の蒸気圧を測定する蒸気圧測定手段と、蒸気圧測定手段により測定される蒸気圧(以下「測定蒸気圧」ともいう)が所定の蒸気圧制御範囲に収まるようにボイラ群のうち制御対象のボイラ(以下「制御対象ボイラ」ともいう)の燃焼量を制御する台数制御手段と、を備えるボイラシステム(以下「台数制御ボイラシステム」ともいう)が知られている。
台数制御ボイラシステムにおいては、一部のボイラが保守や故障などによって使用できない場合に、制御ボイラ総蒸発量(制御対象ボイラによって生成可能な蒸気の総蒸発量)が不足しないように、制御対象ではないボイラ(以下「予備ボイラ」ともいう)を設けることが一般的である。そして、制御対象ボイラが使用できなくなった場合に、予備ボイラを制御対象に追加して(制御対象ボイラに変更して)、制御ボイラ総蒸発量を増加させる(確保する)。
なお、制御対象ボイラと予備ボイラとの区別は、固定されているものではなく、適宜変更することができる。
また、台数制御ボイラシステムにおいては、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲の下限閾値を下回る場合は、負荷機器からの要求負荷に応じた目標蒸発量の蒸気を生成できていない状態である。このような状態は好ましくなく、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲の下限閾値を上回るように、制御対象ボイラによって生成する蒸気を増加させる必要がある。制御対象ボイラの台数を増加することなく、制御対象ボイラによって生成する蒸気を増加させようとした場合、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲の下限閾値を上回る状態になるのに要する時間が長くなり、場合によっては、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲の下限閾値を上回る状態になることがボイラシステムの能力上、不可能な場合もある。
このような不都合に対して、制御対象ボイラの台数を予め多めに設定しておくことが考えられる。しかし、その場合、蒸気圧制御範囲の区分数が過大となり、蒸気圧制御範囲を区分した蒸気圧帯の幅が小さくなる。そのため、測定蒸気圧の変動に過敏に反応して、ボイラの発停(燃焼の開始及び停止)やハンチングが発生しやすくなる。
また、別の技術として、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲の下限閾値を下回る場合に、予備ボイラを制御対象に追加して(制御対象ボイラに変更して)、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲の下限閾値を上回る状態になるのに要する時間を短縮させるようにした技術が開示されている(例えば、下記特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術によれば、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲の下限閾値を下回る場合に、予備ボイラを制御対象に追加するため、制御ボイラ総蒸発量を増加させることができ、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲の下限閾値を上回る状態になるのに要する時間を短縮させることができる。
特開2005−043001号公報
しかし、特許文献1に記載の技術において、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲の下限閾値を下回ると直ちに、予備ボイラを制御対象に追加している。そのため、予備ボイラを制御対象に追加する動作が、必要以上に実行される弊害がある。
本発明は、ボイラ群において生成された蒸気を集合させる蒸気集合部の内部で測定された蒸気圧が所定の蒸気圧制御範囲の下限閾値を下回った場合に、制御対象ではないボイラを制御対象に追加する動作が必要以上に実行されることを抑制することができるボイラシステムを提供することを目的とする。
本発明は、複数台のボイラからなり、負荷機器に蒸気を供給するボイラ群と、前記ボイラ群において生成された蒸気を集合させる蒸気集合部と、前記蒸気集合部の内部の蒸気圧を測定する蒸気圧測定手段と、前記蒸気圧測定手段によって測定された蒸気圧に基づいて、当該蒸気圧が所定の蒸気圧制御範囲に収まるように、前記ボイラ群のうち制御対象の前記ボイラの燃焼量を制御する台数制御手段と、を備え、前記ボイラ群のうち制御対象ではない前記ボイラが複数台存在し且つ前記蒸気圧測定手段により測定される蒸気圧が前記蒸気圧制御範囲の下限閾値を下回る場合において、前記台数制御手段は、当該蒸気圧が前記蒸気圧制御範囲の下限閾値を下回る状態が所定時間継続したとき、又は、当該蒸気圧が前記蒸気圧制御範囲の下限閾値よりも更に低い限界下限閾値を下回ったときに、前記ボイラ群のうち制御対象の前記ボイラによって生成可能な蒸気の総蒸発量である制御ボイラ総蒸発量が、負荷機器からの要求負荷に応じた目標蒸発量になるまで、制御対象ではない1台又は複数台の前記ボイラを1台又は複数台ずつ制御対象に一時的に追加するボイラシステムに関する。
また、前記複数台のボイラには、それぞれ優先順位が設定されており、前記台数制御手段は、制御対象ではない前記ボイラを制御対象に一時的に追加する場合に、優先順位の高い当該ボイラから順に制御対象に追加することが好ましい。
また、前記蒸気圧制御範囲は、複数の蒸気圧帯に区分されており、前記台数制御手段は、制御対象ではない1台又は複数台の前記ボイラを制御対象に一時的に追加する場合に、前記蒸気圧制御範囲の上限閾値及び下限閾値を変更することなく、制御対象に追加した前記ボイラの台数分、前記蒸気圧帯の区分数を増加させることが好ましい。
また、所定の追加解除条件が満たされた場合には、前記台数制御手段は、制御対象に一時的に追加した前記ボイラを制御対象から外すことが好ましい。
また、前記蒸気圧制御範囲は、複数の蒸気圧帯に区分されており、前記追加解除条件は、前記蒸気圧測定手段によって測定された蒸気圧が、前記ボイラの燃焼を1台のみ停止させる前記蒸気圧帯に入ったときであることが好ましい。
また、前記台数制御手段は、制御対象ではない複数台の前記ボイラを制御対象に一時的に追加した場合において前記追加解除条件が満たされたときには、制御対象に一時的に追加した複数台の前記ボイラを全台同時に又は1台ずつ徐々に制御対象から外すことが好ましい。
本発明によれば、ボイラ群において生成された蒸気を集合させる蒸気集合部の内部で測定された蒸気圧が所定の蒸気圧制御範囲の下限閾値を下回った場合に、制御対象ではないボイラを制御対象に追加する動作が必要以上に実行されることを抑制することができるボイラシステムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るボイラシステム1の概略を示す図である。 予備ボイラを制御対象に追加する前の燃焼パターン及び優先順位と蒸気圧制御範囲の蒸気圧帯との関係を示すグラフである。 予備ボイラを制御対象に追加した後の燃焼パターン及び優先順位と蒸気圧制御範囲の蒸気圧帯との関係を示すグラフである。 本実施形態に係るボイラシステム1において予備ボイラを制御対象に追加する制御を示すフローチャートである。 本実施形態に係るボイラシステム1において、制御対象に追加した予備ボイラを制御対象ボイラから外す制御を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るボイラシステム1について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るボイラシステム1の概略を示す図である。
図1に示すように、本実施形態のボイラシステム1は、複数(5台)のボイラ20を含むボイラ群2と、ボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気集合部としての蒸気ヘッダ6と、蒸気圧測定手段としての蒸気圧センサ7と、台数制御手段としての台数制御装置3と、報知部15と、を備える。
ボイラ群2は、負荷機器としての蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
蒸気ヘッダ6の上流側は、蒸気管11を介してボイラ群2(各ボイラ20)に接続されている。蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で発生させた蒸気を集合させて貯留することにより各ボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給するようになっている。
蒸気圧センサ7は、信号線13を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。蒸気圧センサ7は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(ボイラ群2で発生した蒸気の圧力)を測定し、測定した蒸気圧に係る信号(蒸気圧信号)を、信号線13を介して台数制御装置3に送信する。
本実施形態のボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気ヘッダ6を介して、蒸気によって運転される蒸気使用設備18に供給可能とされている。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御時においては、この蒸気消費量に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量を制御する。
蒸気使用設備18の需要の増大により要求負荷が増加し、供給蒸気量が不足すれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が減少することになる。一方、蒸気使用設備18の需要の低下により要求負荷が減少し、供給蒸気量が過剰になれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が増加することになる。このため、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号により要求負荷の変動をモニターすることができる。ボイラシステム1は、この蒸気圧に基づいて蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)に応じた目標蒸発量を算出するようになっている。
報知部15は、所定の報知を行う。報知部15は、信号線14を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。報知は、例えば、表示、発音(発声)、発光などのうちの一つ以上である。つまり、報知部15は、表示部、スピーカー、発光部などのうちの一つ以上から構成される。
ボイラ20は、複数の段階的な燃焼位置を有する段階値制御ボイラから構成されている。段階値制御ボイラとは、燃焼を選択的にオン/オフしたり、炎の大きさを調整すること等により燃焼量を制御して、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。
各燃焼位置における燃焼量は、制御対象とされる蒸気ヘッダ6における蒸気圧の圧力差に対応する量の蒸気を発生するように、設定されている。段階値制御ボイラからなる5台のボイラ20においては、それぞれ、各燃焼位置における燃焼量及び燃焼能力(高燃焼状態における燃焼量)は、等しく設定されていてもよく、あるいは、異なって設定されていてもよい。
本実施形態におけるボイラ20は、
1)燃焼停止状態(燃焼停止位置:0%)
2)低燃焼状態(低燃焼位置:50%)
3)高燃焼状態(高燃焼位置:100%)
の3段階の燃焼状態(燃焼位置、負荷率)に制御可能とされるいわゆる3位置制御とされている。この場合、高燃焼状態の燃焼量を1.0と捉えれば、各ボイラ20の燃焼量は0.5刻みで変更することができることになる。
なお、N位置制御とは、段階値制御ボイラの燃焼量を、燃焼停止状態を含めてN位置に段階的に制御可能なことを表す。燃焼位置の個数は、2位置(つまり、オン/オフのみ)、4位置(燃焼停止位置、低燃焼位置、中燃焼位置及び高燃焼位置)、又は5位置以上でもよい。
ボイラ群2は、各ボイラ20とその各燃焼位置との組み合わせからなる燃焼パターンを有する。ボイラ群2においては、この燃焼パターンに基づいて、各ボイラ20の燃焼が行われる。燃焼パターンは、台数制御装置3の記憶部5(後述)にテーブル等の形で予め記憶されていてもよく、あるいは、燃焼を行う都度、台数制御装置3の制御部4(後述)により演算されて算出されてもよい。
図1に示すように、台数制御装置3は、制御部4と記憶部5とを備える。
台数制御装置3の制御部4は、信号線16を介して、各ボイラ20に電気的に接続されている。台数制御装置3の制御部4は、燃焼指示信号を出力して、各ボイラ20の台数制御を行う。なお、各ボイラ20にローカル制御(後述)が行われる場合には、台数制御装置3による台数制御は行われない。
台数制御装置3の制御部4は、蒸気使用設備18からの要求負荷に応じた目標蒸発量の蒸気を生成するために、蒸気圧センサ7により測定される蒸気圧(以下「測定蒸気圧」ともいう)に係る設定条件として、図2及び図3に示すように、所定の上限閾値Ku及び下限閾値Kdを有する蒸気圧制御範囲Kwと、制御ボイラ総蒸発量と、を設定する。図2は、予備ボイラを制御対象に追加する前の燃焼パターン及び優先順位と蒸気圧制御範囲の蒸気圧帯との関係を示すグラフである。図3は、予備ボイラを制御対象に追加した後の燃焼パターン及び優先順位と蒸気圧制御範囲の蒸気圧帯との関係を示すグラフである。
そして、台数制御装置3の制御部4は、測定蒸気圧に基づいて当該蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kwに収まるように、ボイラ群2のうち制御対象のボイラ20の燃焼量を制御する(燃焼パターンを選択する)。
なお、ボイラ群2の燃焼制御に関する設定条件(蒸気圧制御範囲Kw、制御ボイラ総蒸発量、ボイラの優先順位(後述)など)は、変更することができる。
また、上限閾値Ku、下限閾値Kd、蒸気圧制御範囲Kw、蒸気圧帯Kr(後述)等の符号には、説明の便宜上、添字「1」、「2」を付すこともある。
台数制御装置3の制御部4は、要求負荷の変動により燃焼量が不足している場合には、燃焼停止位置から低燃焼位置、又は低燃焼位置から高燃焼位置に燃焼位置を引き上げる指示を、ボイラ20に行う。制御部4は、要求負荷の変動により燃焼量が過剰になっている場合には、高燃焼位置から低燃焼位置、低燃焼位置から燃焼停止位置、又は高燃焼位置から燃焼停止位置に燃焼位置を引き下げる指示を、ボイラ20に行う。
ボイラ群2を構成するボイラ20は、制御対象のボイラ20(「制御対象ボイラ20A」ともいう。)と、制御対象ではないボイラ(「予備ボイラ20B」ともいう。)と、に区別される。なお、制御対象ボイラ20Aと予備ボイラ20Bとの区別は、固定されているものではなく、適宜変更することができる。
予備ボイラ20Bは、後で詳述するように、制御対象に一時的に追加される(制御対象ボイラ20Aに一時的に変更される)ことができる。予備ボイラ20Bから一時的に変更された制御対象ボイラ20Aを、(当初から制御対象であるボイラ20と区別して、)「追加ボイラ20C」ともいう。
本実施形態においては、図2及び図3に示すように、燃焼パターンについて、ボイラを高燃焼状態とする場合を「H」、低燃焼状態とする場合を「L」、燃焼停止状態とする場合を「−」として示す。具体的には、図2は、ボイラ20の1号機〜3号機が制御対象ボイラ20Aで、4号機〜5号機が予備ボイラ20Bである例を示す。図3は、ボイラ20の1号機〜3号機が制御対象ボイラ20Aで、4号機が追加ボイラ20Cで、5号機が予備ボイラ20Bである例を示す。
燃焼パターンは、測定蒸気圧が高くなるほど燃焼量が小さいパターンが選択され、蒸気圧が低下するほど燃焼量が大きいパターンが選択される。
図2に示すように、ボイラ20の1号機〜3号機が制御対象ボイラ20Aである場合には、上限閾値Ku1及び下限閾値Kd1を有する蒸気圧制御範囲Kw1を7つの蒸気圧帯Kr1に等分して区分し、蒸気圧帯Kr1ごとに、対応する燃焼パターンを設定しておき、言い換えると燃焼状態(燃焼位置)を設定しておき、蒸気圧がどの蒸気圧帯Kr1に対応するかによって燃焼量を決定する。燃焼パターンは、7つの蒸気圧帯Kr1に対応して、7つ設定される。
図3に示すように、ボイラ20の1号機〜4号機が制御対象ボイラ20A(追加ボイラ20Cを含む)である場合には、図2の場合に比べて、蒸気圧帯Kr2の区分数が2つ増加するが、上限閾値Ku1及び下限閾値Kd1は変更されない。つまり、図3に示す蒸気圧帯Kr2の幅は、図2に示す蒸気圧帯Kr1の幅よりも狭くなる。
図3に示す例では、上限閾値Ku1及び下限閾値Kd1を有する蒸気圧制御範囲Kw1を9つの蒸気圧帯Kr2に等分して区分し、蒸気圧帯Kr2ごとに、対応する燃焼パターンを設定しておき、言い換えると燃焼状態(燃焼位置)を設定しておき、蒸気圧がどの蒸気圧帯Kr2に対応するかによって燃焼量を決定する。燃焼パターンは、9つの蒸気圧帯Kr2に対応して、9つ設定される。
複数台のボイラ20には、それぞれ優先順位が設定されている。優先順位は、燃焼指示や燃焼停止指示を行うボイラを選択するために用いられる。優先順位は、例えば整数値を用いて、数値が小さいほど優先順位が高くなるよう設定することができる。図2及び図3に示すように、ボイラ20の1号機〜5号機のそれぞれに「1」〜「5」の優先順位が割り当てられている場合、1号機の優先順位が最も高く、5号機の優先順位が最も低い。
図2及び図3に示すように、最上位の蒸気圧帯においては、全てのボイラ20が燃焼停止状態「−」であり、最下位の蒸気圧帯においては、全てのボイラ20が高燃焼状態「H」である。最上位の蒸気圧帯から最下位の蒸気圧帯に向けて、1号機から3号機の順で(図2に示す例の場合)、又は、1号機から4号機の順で(図2に示す例の場合)、「−」→「L」→「H」に燃焼状態が変更される。
本実施形態においては、優先順位が高いボイラが低燃焼状態「L」から高燃焼状態「H」に変更された後に、次に順位が高いボイラが燃焼停止状態「−」から低燃焼状態「L」に変更される。なお、優先順位が高いボイラが燃焼停止状態「−」から低燃焼状態「L」に変更された後で且つ高燃焼状態「H」に変更される前に、次に順位が高いボイラが燃焼停止状態「−」から低燃焼状態「L」に変更されてもよい。
ボイラシステム1においては、複数台のボイラ20のうち一部のみを制御対象(制御対象ボイラ20A)とすることができる。具体的には、一部のボイラ20が保守や故障などによって使用できない場合に、制御ボイラ総蒸発量(制御対象ボイラ20Aによって生成可能な蒸気の総蒸発量)が不足しないように、予備ボイラ20Bを設けることができる。そして、制御対象ボイラ20Aが使用不能になった場合に、予備ボイラ20Bを制御対象に追加して(制御対象ボイラ20A(追加ボイラ20C)に変更して)、制御ボイラ総蒸発量を増加させる(確保する)。
個々のボイラ20について詳述する。ボイラ20は、燃焼が行われるボイラ本体21と、各ボイラ20の燃焼位置(燃焼状態)を制御するローカル制御部25と、各ボイラ20の内部の蒸気圧を測定するローカル蒸気圧測定部27と、を有する。
ローカル制御部25は、各ボイラ20(ボイラ本体21)を制御し、要求負荷に応じて燃焼位置(燃焼状態)を変更させることが可能とされている。ローカル制御部25は、台数制御時には、台数制御装置3による台数制御信号に基づいて各ボイラ20を制御し、一方、ローカル制御時には、ボイラ20を直接、制御する。
ローカル蒸気圧測定部27は、例えば、蒸気圧センサ及び蒸気圧スイッチから、又は蒸気圧スイッチのみから構成され、各ボイラ20の内部の蒸気圧を測定する。ローカル蒸気圧測定部27は、各ボイラ20のローカル制御を行う際に用いられる蒸気圧を測定する。
各ボイラ20は、信号線16を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。ローカル制御部25は、台数制御時において台数制御装置3で用いられる信号を、信号線16を介して台数制御装置3に送信する。台数制御装置3で用いられる信号としては、例えば、ボイラ20に要求される負荷などの信号、ボイラ20の実際の燃焼状態、その他のデータが挙げられる。また、ローカル制御部25は、制御対象のボイラ20が運転可能であるときには、運転可能であることを示す信号(運転可能信号)を、信号線16を介して台数制御装置3に送信する。
台数制御が行われる場合には、台数制御装置3の制御部4は、蒸気圧センサ7により測定される蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が高くなったときには燃焼位置を低い方に移行させて(燃焼停止位置への移行を含む)、蒸発量を減少させ、一方、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が低くなったときには燃焼位置を高い方に移行させて、蒸発量を増加させるように、各ボイラ20の燃焼位置を制御する。
ローカル制御が行われる場合には、ローカル制御部25は、ローカル蒸気圧測定部27により測定されるボイラ20の内部の蒸気圧が高くなったときには燃焼位置を低い方に移行させて(燃焼停止位置への移行を含む)、蒸発量を減少させ、一方、ボイラ20の内部の蒸気圧が低くなったときには燃焼位置を高い方に移行させて、蒸発量を増加させるように、各ボイラ20の燃焼位置を制御する。
台数制御装置3の制御部4は、信号線13を介して、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号を受信する。台数制御装置3の制御部4は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20のローカル制御部25に台数制御信号を送信する。
このように、台数制御装置3の制御部4は、各ボイラ20の燃焼量を制御し、ボイラ群2の台数制御を行うようになっている。
制御部4は、各ボイラ20のローカル制御部25と信号線16を介して接続されている。制御部4は、信号線16を介して各ボイラ20のローカル制御部25に各種の指示を行ったり、ローカル制御部25から各種のデータを受信したりして、5台のボイラ20に対して上述の制御を行う。各ボイラ20のローカル制御部25は、台数制御装置3から燃焼位置の変更指示の信号を受けると、その指示に従って当該ボイラ20を制御する。複数のボイラを備えたボイラシステムの負荷量から定めた必要燃焼量に対して、実際の燃焼量が不足していれば、ボイラ20に燃焼指示を行い、実際の燃焼量が過剰であれば、ボイラ20に燃焼停止指示を行う。
記憶部5は、台数制御装置3(制御部4)の制御により各ボイラ20に対して行われた指示や、各ボイラ20から受信した燃焼状態(燃焼位置)などの情報、各ボイラ20の間の優先順位の設定の情報などを、ボイラ20ごとに格納する。
次に、本実施形態のボイラシステム1における特徴的な制御に係る構成について詳述する。
台数制御装置3の制御部4は、予備ボイラ20Bが存在するか否かについて及びその台数について、判定できる。制御部4は、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kw1の下限閾値Kd1以下であるか否かについて判定できる。制御部4は計時をすることができる。制御部4は、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kw1の下限閾値Kd1以下の状態が所定時間継続しているか否かについて判定できる。制御部4は、測定蒸気圧が、蒸気圧制御範囲Kw1の下限閾値Kd1よりも更に低い限界下限閾値Kt1以下であるか否かについて判定できる。制御部4は、追加する予備ボイラ20Bを決定できる。制御部4は、決定した予備ボイラ20Bを1台、制御対象に追加できる。
そして、予備ボイラ20Bが存在し且つ測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kw1の下限閾値Kd1を下回る場合において、台数制御装置3の制御部4は、当該蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kw1の下限閾値Kd1を下回る状態(図2に★で示す状態)が所定時間継続したとき、又は、当該蒸気圧が限界下限閾値Kt1を下回ったとき(図2に☆で示す状態)に、1台又は複数台の予備ボイラ20Bを制御対象に一時的に追加する(制御対象ボイラ20A(追加ボイラ20C)に変更する)。
所定時間は、適宜設定されるが、例えば1〜600秒である。
限界下限閾値Kt1は、適宜設定されるが、例えば、下限閾値Kd1よりも0〜1MPa低い値である。
制御対象に追加する予備ボイラ20Bの台数は、1台ずつでもよく、複数台ずつでもよく、全台でもよい。本実施形態においては、後述するように、予備ボイラ20Bを1台ずつ制御対象に追加する。
台数制御装置3の制御部4は、蒸気使用設備18からの要求負荷に応じた目標蒸発量が制御ボイラ総蒸発量(制御対象ボイラ20Aによって生成可能な蒸気の総蒸発量)未満であるか否かについて判定できる。
なお、制御ボイラ総蒸発量には、制御対象ではないボイラ20の蒸発量は含まれない。全てのボイラ20の蒸発量が同一である場合には、制御ボイラ総蒸発量は、制御対象のボイラ20の台数に比例する。ここでいう制御対象のボイラ20は、仮想ボイラ(後述)であってもよい。
そして、予備ボイラ20Bが複数台存在する場合において、台数制御装置3の制御部4は、制御ボイラ総蒸発量が目標蒸発量になるまで、予備ボイラ20Bを1台又は複数台ずつ制御対象に一時的に追加する(制御対象ボイラ20A(追加ボイラ20C)に一次的に変更する)。例えば、予備ボイラ20Bが2台(4号機、5号機)存在する場合には、台数制御装置3の制御部4は、図4に示すように、制御ボイラ総蒸発量が目標蒸発量になるまで、予備ボイラ20Bを1台ずつ制御対象に一時的に追加する。
台数制御装置3の制御部4は、予備ボイラ20Bを制御対象に一時的に追加する場合に、優先順位の高いボイラ20から順に制御対象に追加する。例えば、予備ボイラ20Bである4号機及び5号機においては、優先順位が高いのは4号機である。従って、台数制御装置3の制御部4は、4号機、5号機の順で制御対象に追加する。
台数制御装置3の制御部4は、1台又は複数台の予備ボイラ20Bを制御対象に一時的に追加する場合に、蒸気圧制御範囲Kw1の上限閾値Ku1及び下限閾値Kd1を変更することなく、制御対象に追加した予備ボイラ20B(追加ボイラ20C)の台数分、蒸気圧帯Kr1の区分数を増加させる。例えば、4号機を制御対象に一時的に追加する場合に、蒸気圧制御範囲Kw1の上限閾値Ku1及び下限閾値Kd1を変更することなく、4号機の台数分(1台分)、蒸気圧帯Kr1の区分数を増加させる。ボイラ20は3位置制御のボイラなので、蒸気圧帯Kr1の区分数を2つ増加させる。
台数制御装置3の制御部4は、所定の追加解除条件が満たされた場合について、例えば、測定蒸気圧が、1台目の制御対象ボイラ20A(追加ボイラ20Cを含む)の燃焼停止圧力以上であるか否かについて、判定できる。制御部4は、追加した予備ボイラ20B(追加ボイラ20C)が存在するか否かについて判定できる。制御部4は、追加を解除する追加ボイラ20Cを決定できる。制御部4は、決定した追加ボイラ20Cを制御対象から外す(予備ボイラ20Bに戻す)ことができる。
追加解除条件は、測定蒸気圧がボイラ20の燃焼を1台のみ停止させる蒸気圧帯に入ったときである。本実施形態においては、測定蒸気圧がボイラ20の燃焼を1台のみ停止させる蒸気圧帯は、下から3番目の蒸気圧帯Kr2(図3において▽で示す蒸気圧帯)である。測定蒸気圧がボイラ20の燃焼を1台のみ停止させる蒸気圧帯が、最も下の蒸気圧帯Kr2(図3において▼で示す蒸気圧帯)でない理由は、ディファレンシャルを設定しているためである。
そして、所定の追加解除条件が満たされた場合には、台数制御装置3の制御部4は、追加ボイラ20Cを制御対象から外す(予備ボイラ20Bに戻す)。詳細には、台数制御装置3の制御部4は、複数台の予備ボイラ20Bを制御対象に一時的に追加した場合において追加解除条件が満たされたときには、複数台の追加ボイラ20Cを全台同時に又は1台ずつ徐々に制御対象から外す。
制御対象から外す追加ボイラ20Cの台数は、1台ずつでもよく、複数台ずつでもよく、全台でもよい。本実施形態においては、後述するように、追加ボイラ20Cを1台ずつ制御対象から外す。
なお、追加解除条件は、測定蒸気圧がボイラ20の燃焼を1台のみ停止させる蒸気圧帯Kr2(図3において▽で示す蒸気圧帯)に入ったときに制限されず、例えば、もっと上の蒸気圧帯Kr2に測定蒸気圧が入ったときや、測定蒸気圧が最も下の蒸気圧帯Kr2(図3において▼で示す蒸気圧帯)に入ったときでもよい。
台数制御装置3の制御部4は、蒸気圧制御範囲Kw1の上限閾値Ku1及び下限閾値Kd1を変更することなく、蒸気圧帯Kr1の区分数を減少させることができる。
台数制御装置3の制御部4は、予備ボイラ20Bが制御対象に一時的に追加された場合に、制御対象ボイラ20A(追加ボイラ20C)が一時的に追加されたことの報知を行うように、報知部15を制御する。
また、台数制御装置3の制御部4は、1台又は複数台の予備ボイラ20Bを制御対象に一時的に追加する処理(制御対象ボイラ20A(追加ボイラ20C)に変更する処理)が所定回数繰り返された場合には、当該1台又は複数台の予備ボイラ20Bを制御対象に永続的に追加することを推奨する報知を行うように、報知部15を制御する。所定回数は、適宜設定されるが、例えば1〜10回である。
ボイラ20の燃焼又はその停止は、仮想ボイラ単位で扱うこともできる。仮想ボイラとは、ボイラ群又は1台のボイラにおける一の燃焼位置の燃焼量から一つ下の燃焼位置の燃焼量を引いた燃焼量を発生する2位置ボイラ(燃焼停止状態と一の燃焼状態から構成されたON−OFF制御により1段階の燃焼量を発生可能とされるボイラ)に相当する。
例えば、仮想ボイラにより、燃焼停止状態、低燃焼状態、高燃焼状態で制御される3位置ボイラを表すと、低燃焼状態の燃焼量を発生させる第1の仮想ボイラと、低燃焼状態から高燃焼状態に移行する際に増加する燃焼量(=高燃焼状態の燃焼量−低燃焼状態の燃焼量)を発生させる第2の仮想ボイラとから構成されることとなり、第1の仮想ボイラを燃焼させると低燃焼状態の燃焼量が発生し、第2の仮想ボイラを燃焼させると第1の仮想ボイラと第2の仮想ボイラの燃焼量とを合計した上記3位置ボイラの高燃焼状態の燃焼量が発生することになる。
次に、本実施形態のボイラシステム1において、予備ボイラ20Bを制御対象に追加する制御について、図4を参照しながら説明する。ここでは、予備ボイラ20Bを制御対象に追加しない通常台数制御が実施されていると共に、予備ボイラ20Bが複数台(2台:4号機、5号機)存在しているものとする。図4は、本実施形態に係るボイラシステム1において予備ボイラを制御対象に追加する制御を示すフローチャートである。
ステップST1において、台数制御装置3の制御部4は、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kw1の下限閾値Kd1以下であるか否かについて判定する。測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kw1の下限閾値Kd1以下である場合(YES)には、処理はステップST2へ進む。測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kw1の下限閾値Kd1以下ではない場合(NO)には、測定蒸気圧が十分に高いため、予備ボイラ20Bを制御対象ボイラ20Aに一時的に追加する追加台数制御を行う必要性が無く、予備ボイラ20Bを追加しない通常台数制御を行う。
ステップST2において、台数制御装置3の制御部4は、計時を開始する。なお、後述するように、ステップST4においてNO判定がされた場合には、計時を開始した後、ステップST2が再度、実行されることになるが、その場合には、計時は、リセットされずに、継続する。
ステップST3において、台数制御装置3の制御部4は、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kw1の下限閾値Kd1以下の状態が所定時間継続しているか否かについて判定する。所定時間継続している場合(YES)には、処理はステップST5へ進む。所定時間継続していない場合(NO)には、処理はステップST4へ進む。
ステップST4において、台数制御装置3の制御部4は、測定蒸気圧が限界下限閾値Kt1以下であるか否かについて判定する。測定蒸気圧が限界下限閾値Kt1以下である場合(YES)には、処理はステップST5へ進む。測定蒸気圧が限界下限閾値Kt1以下ではない場合(NO)には、処理はステップST1へ戻る。
処理をステップST1へ戻す理由は、ステップST2〜ステップST4を実行している間に測定蒸気圧が増加し、ステップST1においてNO判定(追加台数制御を行う必要性が無いと判定)がされる場合があるためである。
ステップST5において、予備ボイラ20Bの追加条件が成立していることになる。
ステップST6において、台数制御装置3の制御部4は、目標蒸発量が制御ボイラ総蒸発量未満であるか否かについて判定する。目標蒸発量が制御ボイラ総蒸発量未満である場合(YES)には、処理はステップST21へ進む。目標蒸発量が制御ボイラ総蒸発量未満ではない場合(NO)には、処理はステップST11へ進む。
ステップST11において、制御ボイラ総蒸発量が目標蒸発量に対して不足していることになる。
ステップST12において、台数制御装置3の制御部4は、予備ボイラ20Bが存在するか否かについて判定する。予備ボイラ20Bが存在する場合(YES)には、処理はステップST13へ進む。予備ボイラ20Bが存在しない場合(NO)には、予備ボイラ20Bを追加することができないため、処理はステップST22へ進む。
ステップST13において、台数制御装置3の制御部4は、追加する予備ボイラ20Bを決定する。例えば予備ボイラ20Bとして4号機及び5号機が存在する場合には、台数制御装置3の制御部4は、優先順位が高い4号機を、追加する予備ボイラ20Bに決定する。
ステップST14において、台数制御装置3の制御部4は、ステップST13において決定した予備ボイラ20Bを1台(例えば4号機)、制御対象に追加する。
ステップST15において、台数制御装置3の制御部4は、蒸気圧制御範囲Kw1の上限閾値Ku1及び下限閾値Kd1を変更することなく、蒸気圧帯Kr1の区分数(例えば2つ)を増加させる。
ステップST15の後、処理はステップST6へ戻り、ステップST6においてYES判定が得られるまで、ステップST11〜ステップST15を繰り返す。例えば、ステップST14において、4号機の予備ボイラ20Bを制御対象に追加しても、ステップST6においてNO判定となる場合には、ステップST11〜ステップST15が繰り返される。その場合、ステップST13において、台数制御装置3の制御部4は、5号機を、追加する予備ボイラ20Bに決定する。
また、ステップST14において、5号機の予備ボイラ20Bを制御対象に追加しても、ステップST6においてNO判定となる場合には、ステップST11〜ステップST15が繰り返される。その場合、ステップST12において、台数制御装置3の制御部4は、「予備ボイラ20Bが存在しない」(NO)と判定し、処理はステップST22へ進む。
ステップST6においてYES判定が得られた後、ステップST21において、制御ボイラ総蒸発量が目標蒸発量を充足することになる。
ステップST21の後、又はステップST12においてNO判定が得られた後、ステップST22において、予備ボイラ20Bの追加が完了することになる。
ステップST22の後、予備ボイラ20Bを制御対象ボイラ20Aに一時的に追加した追加台数制御に移行する。
次に、本実施形態のボイラシステム1において、予備ボイラ20Bを制御対象から外す制御について、図5を参照しながら説明する。ここでは、予備ボイラ20Bを制御対象に追加した追加台数制御が実施されていると共に、制御対象に追加した予備ボイラ20B(追加ボイラ20C)が複数台(2台:4号機、5号機)存在しているものとする。図5は、本実施形態に係るボイラシステム1において、制御対象に追加した予備ボイラを制御対象ボイラから外す制御を示すフローチャートである。
ステップST101において、台数制御装置3の制御部4は、測定蒸気圧が、1台目の制御対象ボイラ20A(追加ボイラ20Cを含む)の燃焼停止圧力以上であるか否かについて判定する。本実施形態においては、燃焼停止圧力は、下から3番目の蒸気圧帯Kr2(図3において▽で示す蒸気圧帯)の下限値である。測定蒸気圧が1台目の制御対象ボイラ20Aの燃焼停止圧力以上である場合(YES)には、処理はステップST102へ進む。測定蒸気圧が1台目の制御対象ボイラ20Aの燃焼停止圧力以上ではない場合(NO)には、処理は終了する。
ステップST102において、追加ボイラ20C(予備ボイラ20Bを一時的に追加した制御対象ボイラ20A)の追加解除条件が成立していることになる。
ステップST103において、台数制御装置3の制御部4は、追加した予備ボイラ20B(追加ボイラ20C)が存在するか否かについて判定する。追加した予備ボイラ20B(追加ボイラ20C)が存在する場合(YES)には、処理はステップST104へ進む。追加した予備ボイラ20B(追加ボイラ20C)が存在しない場合(NO)には、追加ボイラ20Cの追加を解除することができないため、処理は終了する。
ステップST104において、台数制御装置3の制御部4は、追加を解除する予備ボイラ20B(追加ボイラ20C)を決定する。例えば追加ボイラ20Cとして4号機及び5号機が存在する場合には、台数制御装置3の制御部4は、優先順位が低い5号機を、追加を解除する追加ボイラ20Cに決定する。
ステップST105において、台数制御装置3の制御部4は、ステップST104において決定した追加ボイラ20Cを1台(例えば5号機)、制御対象から外す(予備ボイラ20Bに戻す)。
ステップST106において、台数制御装置3の制御部4は、蒸気圧制御範囲Kw1の上限閾値Ku1及び下限閾値Kd1を変更することなく、蒸気圧帯Kr1の区分数(例えば2つ)を減少させる。
ステップST106の後、処理はステップST101へ戻り、ステップST101においてNO判定が得られるまで、ステップST101〜ステップST106を繰り返す。例えば、ステップST105において、5号機の追加ボイラ20Cを制御対象から外しても、ステップST101においてYES判定となる場合には、ステップST101〜ステップST106が繰り返される。その場合、ステップST104において、台数制御装置3の制御部4は、4号機を、追加を解除する追加ボイラ20Cに決定する。
また、ステップST104において、4号機の追加ボイラ20Cを制御対象から外しても、ステップST101においてYES判定となる場合には、ステップST101〜ステップST106が繰り返される。その場合、ステップST103において、台数制御装置3の制御部4は、「追加した予備ボイラ20B(追加ボイラ20C)が存在しない」(NO)と判定し、処理は終了する。
本実施形態のボイラシステム1によれば、例えば、次の効果が奏される。
本実施形態のボイラシステム1においては、予備ボイラ20Bが存在し且つ測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kwの下限閾値Kdを下回る場合において、台数制御装置3は、当該蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kwの下限閾値Kdを下回る状態が所定時間継続したとき、又は、当該蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kwの下限閾値Kdよりも更に低い限界下限閾値Ktを下回ったときに、制御対象ではない1台又は複数台のボイラ20を制御対象に一時的に追加する。
そのため、本実施形態によれば、測定蒸気圧が蒸気圧制御範囲Kwの下限閾値Kdを下回っても直ちに、予備ボイラ20Bは制御対象に追加されない。そのため、予備ボイラ20Bを制御対象に追加する動作は、必要最小限となり、当該動作が必要以上に実行されることを抑制することができる。
本実施形態のボイラシステム1においては、台数制御装置3は、制御対象ではないボイラ20を制御対象に一時的に追加する場合に、優先順位の高いボイラ20から順に制御対象に追加する。そのため、本実施形態によれば、予備ボイラ20Bを制御対象に追加する制御を、優先順位に基づいて実行することができる。
本実施形態のボイラシステム1においては、所定の追加解除条件が満たされた場合には、台数制御装置3は、制御対象に一時的に追加したボイラ20を制御対象から外す。そのため、本実施形態によれば、追加したボイラ20が不要となった場合に、制御対象のボイラ20の台数を減少させることができる。
本実施形態のボイラシステム1においては、台数制御装置3は、予備ボイラ20Bが制御対象に一時的に追加された場合に、制御対象ボイラ20A(追加ボイラ20C)が一時的に追加されたことの報知を行うように、報知部15を制御する。そのため、本実施形態によれば、ボイラシステム1の管理者などは、予備ボイラ20Bが減った状態であることを把握することができ、例えば、ボイラシステム1の保守に配慮することができる。
本実施形態のボイラシステム1においては、台数制御装置3の制御部4は、1台又は複数台の予備ボイラ20Bを制御対象に一時的に追加する処理(制御対象ボイラ20A(追加ボイラ20C)に変更する処理)が所定回数繰り返された場合には、当該1台又は複数台の予備ボイラ20Bを制御対象に永続的に追加することを推奨する報知を行うように、報知部15を制御する。そのため、本実施形態によれば、当該報知を参考にして、ボイラシステム1の管理者などは、制御対象ボイラ20Aの台数の初期設定値を増加させる等、ボイラシステム1の設定条件を適切に設定しやすくなる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、台数制御装置3は、制御対象ではないボイラ20を制御対象に一時的に追加する場合に、蒸気圧制御範囲Kwの上限閾値Ku及び下限閾値Kdを変更することなく、制御対象に追加したボイラ20の台数分、蒸気圧帯Krの区分数を増加させているが、これに制限されない。台数制御装置3は、制御対象ではないボイラ20を制御対象に一時的に追加する場合に、蒸気圧制御範囲Kwの上限閾値Ku及び/又は下限閾値Kdを変更して、制御対象に追加したボイラ20の台数分、蒸気圧帯Krの区分数を増加させてもよい。
前記実施形態においては、台数制御装置3は、制御対象に追加したボイラ20を制御対象から外す場合に、蒸気圧制御範囲Kwの上限閾値Ku及び下限閾値Kdを変更することなく、制御対象から外したボイラ20の台数分、蒸気圧帯Krの区分数を減少させているが、これに制限されない。台数制御装置3は、制御対象に追加したボイラ20を制御対象から外す場合に、蒸気圧制御範囲Kwの上限閾値Ku及び/又は下限閾値Kdを変更して、制御対象に追加したボイラ20の台数分、蒸気圧帯Krの区分数を減少させてもよい。
蒸気集合部は、集合させた蒸気を貯留する蒸気ヘッダ6に制限されず、例えば、単に蒸気を集合させるだけの蒸気集合管でもよい。
1 ボイラシステム
2 ボイラ群
3 台数制御装置(台数制御手段)
6 蒸気ヘッダ(蒸気集合部)
7 蒸気圧センサ(蒸気圧測定手段)
18 蒸気使用設備(負荷機器)
20 ボイラ

Claims (6)

  1. 複数台のボイラからなり、負荷機器に蒸気を供給するボイラ群と、
    前記ボイラ群において生成された蒸気を集合させる蒸気集合部と、
    前記蒸気集合部の内部の蒸気圧を測定する蒸気圧測定手段と、
    前記蒸気圧測定手段によって測定された蒸気圧に基づいて、当該蒸気圧が所定の蒸気圧制御範囲に収まるように、前記ボイラ群のうち制御対象の前記ボイラの燃焼量を制御する台数制御手段と、
    を備え、
    前記ボイラ群のうち制御対象ではない前記ボイラが複数台存在し且つ前記蒸気圧測定手段により測定される蒸気圧が前記蒸気圧制御範囲の下限閾値を下回る場合において、前記台数制御手段は、当該蒸気圧が前記蒸気圧制御範囲の下限閾値を下回る状態が所定時間継続したとき、又は、当該蒸気圧が前記蒸気圧制御範囲の下限閾値よりも更に低い限界下限閾値を下回ったときに、前記ボイラ群のうち制御対象の前記ボイラによって生成可能な蒸気の総蒸発量である制御ボイラ総蒸発量が、負荷機器からの要求負荷に応じた目標蒸発量になるまで、制御対象ではない1台又は複数台の前記ボイラを1台又は複数台ずつ制御対象に一時的に追加する
    ボイラシステム。
  2. 前記複数台のボイラには、それぞれ優先順位が設定されており、
    前記台数制御手段は、制御対象ではない前記ボイラを制御対象に一時的に追加する場合に、優先順位の高い当該ボイラから順に制御対象に追加する
    請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記蒸気圧制御範囲は、複数の蒸気圧帯に区分されており、
    前記台数制御手段は、制御対象ではない1台又は複数台の前記ボイラを制御対象に一時的に追加する場合に、前記蒸気圧制御範囲の上限閾値及び下限閾値を変更することなく、制御対象に追加した前記ボイラの台数分、前記蒸気圧帯の区分数を増加させる
    請求項1又は2に記載のボイラシステム。
  4. 所定の追加解除条件が満たされた場合には、前記台数制御手段は、制御対象に一時的に追加した前記ボイラを制御対象から外す
    請求項1〜のいずれかに記載のボイラシステム。
  5. 前記蒸気圧制御範囲は、複数の蒸気圧帯に区分されており、
    前記追加解除条件は、前記蒸気圧測定手段によって測定された蒸気圧が、前記ボイラの燃焼を1台のみ停止させる前記蒸気圧帯に入ったときである
    請求項に記載のボイラシステム。
  6. 前記台数制御手段は、制御対象ではない複数台の前記ボイラを制御対象に一時的に追加した場合において前記追加解除条件が満たされたときには、制御対象に一時的に追加した複数台の前記ボイラを全台同時に又は1台ずつ徐々に制御対象から外す
    請求項又はに記載のボイラシステム。
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