JP5956514B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、電極に貴金属チップを備えるスパークプラグに関するものである。
従来、スパークプラグにおいて、中心電極と接地電極とに貴金属チップを備えるものが存在する(特許文献1)。スパークプラグがそれら貴金属チップを備えた電極間に火花放電を繰り返し行うと、中心電極の貴金属チップと接地電極の貴金属チップのそれぞれの放電面が損耗する。すると、中心電極と接地電極の間のギャップが拡大し、スパークプラグは、安定して火花を生じさせることができなくなる。
そこで、接地電極の貴金属チップの直径を大きくすることにより、放電面を大きくして、接地電極の貴金属チップの損耗を抑制する技術が存在する(特許文献2)。
ドイツ公開102011077279号公報 特開2002−313524号公報
電極の貴金属チップは、電極母材の上に配され、あらかじめ抵抗溶接で仮止めされた後、貴金属チップの底部周辺をレーザ溶接されることにより、電極母材に対して接合される。より具体的には、貴金属チップの底部は、外周に照射されるレーザによって溶融され、同じくそのレーザによって溶融される電極母材の素材とともに、溶融部を構成する。なお、電極母材は、たとえば、ニッケルを主成分として構成される。貴金属チップは、たとえば、プラチナの合金やイリジウムの合金などで構成される。
しかし、上記の従来技術のように、貴金属チップの径を大きくすると、貴金属チップの底部の外周近傍は溶融されるものの、貴金属チップの底部の中心付近は、レーザによって溶融されないこととなる。その結果、貴金属チップの底部の中心付近は、電極母材と抵抗溶接で仮止めされたままの状態となる。
そのような状態で、スパークプラグが、エンジンの燃焼室における燃焼に繰り返しさらされると、貴金属チップの素材の熱膨張率と、電極母材の素材の熱膨張率との差により、仮止めされている貴金属チップの底部と、電極母材との間にクラックが生じる。そして、熱膨張率の差に起因する歪みは、仮止めされていた貴金属チップの底部と電極母材との界面の外周において最大となる。その結果、仮止めされていた貴金属チップの底部と電極母材との界面の外周に接している、貴金属チップと溶融部との界面にクラックが生じる。エンジンの燃焼室の燃焼の繰り返しにより、そのクラックは、貴金属チップと溶融部との界面に沿って成長する。そして、クラックが貴金属チップおよび溶融部の外周面に達すると、貴金属チップが電極から脱落してしまう可能性が大きくなる。このため、上記の従来技術のように、貴金属チップの径を大きくすると、今度は、クラックによる貴金属チップの脱落のために、スパークプラグの長寿命を確保することが難しくなる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、スパークプラグが提供される。このスパークプラグは、一端側が直径0.8〜1.2mmの円柱状であって貴金属を主成分とするチップと、電極母材とを有し、前記チップと前記電極母材とが溶け合った溶融部を介して、前記チップの他端側の一部が前記電極母材に接合された接地電極を備える。そして、このスパークプラグは、前記チップの前記他端側の面と前記電極母材とが接しており前記溶融部に囲まれているチップ−母材界面を有する。前記円柱の中心軸を通る断面において、前記中心軸に対して一方の側にある前記チップ−母材界面の端点と、前記中心軸に対して前記一方の側にある前記チップと前記溶融部の界面の端点であって外部に露出している端点と、の距離は、前記直径の0.7倍以上である。
このような態様とすれば、チップ−母材界面の端点と、チップと溶融部の界面の端点と、の距離がチップの直径の0.7倍未満である態様に比べて、チップ−母材界面の端点から生じたクラックが、チップと溶融部の界面に沿って進展し、外部に達するまでの距離を、長くすることができる。このため、先端部分が直径0.8〜1.2mmのチップを備えるスパークプラグにおいて、火花によるチップの損耗を抑制しつつ、クラックによるチップの脱落までの時間を確保して、スパークプラグの長寿命化を図ることができる。
(2)上記形態のスパークプラグにおいて、前記断面において、前記チップ−母材界面の両端の端点間の距離は、0.35mm以下である態様とすることができる。
このような態様においては、チップ−母材界面の両端の端点間の距離が0.35mmよりも大きい態様に比べて、チップ−母材界面の両端における熱膨張差に起因する歪みを、小さくすることができる。その結果、上記態様に比べて、チップ−母材界面の端点におけるクラックの発生を抑制することができる。
(3)上記形態のスパークプラグにおいて、前記断面において、前記中心軸に対して前記一方の側にある前記電極母材と前記溶融部の界面の端点であって外部に露出している端点と、前記チップの前記円柱部分の外側面との、前記中心軸と直交する方向についての距離は、0.35mm以下である、態様とすることができる。
このような態様においては、電極母材と溶融部の界面の端点と、チップの先端部分の外側面との距離が0.35mmより大きい態様に比べて、チップから遠い電極母材の部分に、溶融部が及ばない。すなわち、溶接において溶融部が形成される際に溶融される電極母材を少なくすることができる。その結果、溶融部の素材の構成を、チップの素材の構成に近いものとすることができる。このため、溶融部の素材の熱膨張率と、チップの素材の熱膨張率との差を小さくすることができる。よって、溶融部とチップの界面における熱膨張率の差に起因するクラックの発生および成長を、抑制することができる。
(4)上記形態のスパークプラグにおいて、前記貴金属は、Pt、Rh、Ir、Ruで構成される群の中から選択される、態様とすることができる。
本発明は、スパークプラグ以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、接地電極、接地電極の溶接方法、接地電極の製造方法、スパークプラグの製造方法、等の形態で実現することができる。
スパークプラグ10の部分断面を示す説明図である。 スパークプラグ10の接地電極400に設けられた電極チップ450の近傍の構成を示す断面図および平面図である。 スパークプラグ10の接地電極400に設けられた電極チップ450の近傍の他の構成を示す断面図である。 スパークプラグ10の接地電極400に設けられた電極チップ450の近傍の他の構成を示す断面図である。 スパークプラグ10の接地電極400に設けられた電極チップ450の近傍の他の構成を示す断面図である。 中心電極の電極チップの直径と接地電極の電極チップの直径が等しいスパークプラグを自然吸気エンジンに取りつけた場合の電極チップの摩耗量を示すグラフである。 図6の試験に使用したものと同じ仕様のスパークプラグを過給エンジンに取りつけた場合の電極チップの摩耗量を示すグラフである。 接地電極の電極チップの直径が中心電極の電極チップの直径よりも大きいスパークプラグをエンジンに取りつけた場合の電極チップの摩耗量を示すグラフである。 接地電極の電極チップの直径Aを様々な値に設定したサンプルを使用して行った電極チップ450の着火性評価試験の結果を示すグラフである。 接地電極の電極チップの直径Aを様々な値に設定したサンプルを使用して行った電極チップ450の消耗量を評価する試験の結果を示すグラフである。 剥離性試験の評価を行った際の基準となる断面RPを示す図である。 剥離性試験の評価を行った際の基準となる断面RPを示す図である。 耐剥離性試験開始前の試験品の一つの断面RPにおける断面図である。 耐剥離性試験開始前の試験品の一つの平面図である。 接地電極の電極チップの直径Aが1.0mmのスパークプラグを使用して行った耐剥離性試験の結果を示すグラフである。 接地電極の電極チップの直径Aが0.7mmのスパークプラグを使用して行った耐剥離性試験の結果を示すグラフである。 接地電極の電極チップの直径Aが1.0mmのスパークプラグを使用して行った耐剥離性試験の結果を示すグラフである。 接地電極の電極チップの直径Aが0.7mmのスパークプラグを使用して行った耐剥離性試験の結果を示すグラフである。
A.実施形態:
A1.スパークプラグの全体構成:
図1は、スパークプラグ10の部分断面を示す説明図である。図1には、スパークプラグ10の軸心である軸線CAを境界として、軸線CAより紙面左側にスパークプラグ10の外観形状が図示され、軸線CAより紙面右側にスパークプラグ10の断面形状が図示されている。本実施形態の説明では、スパークプラグ10における図1の紙面下側を「先端側」といい、図1の紙面上側を「後端側」という。
スパークプラグ10は、中心電極100と、絶縁体200と、主体金具300と、接地電極400とを備える。本実施形態では、スパークプラグ10の軸線CAは、中心電極100、絶縁体200および主体金具300の各部材における軸心でもある。
スパークプラグ10は、中心電極100と接地電極400との間に形成された間隙SGを先端側に有する。スパークプラグ10の間隙SGは、「火花ギャップ」とも呼ばれる。スパークプラグ10は、間隙SGが形成された先端側を燃焼室920の内壁910から突出させた状態で内燃機関90に取り付け可能に構成されている。スパークプラグ10を内燃機関90に取り付けた状態で高電圧(例えば、1万〜5万ボルト)を中心電極100に印加した場合、間隙SGに火花放電が発生する。間隙SGに発生した火花放電は、燃焼室920における混合気に対する着火を実現する。
図1には、相互に直交するXYZ軸を図示した。図1のXYZ軸は、後述する他の図におけるXYZ軸に対応する。
図1のXYZ軸のうち、X軸は、Y軸およびZ軸に直交する軸である。X軸に沿ったX軸方向のうち、+X軸方向は、図1の紙面奥から紙面手前に向かう方向であり、−X軸方向は、+X軸方向の逆方向である。
図1のXYZ軸のうち、Y軸は、X軸およびZ軸に直交する軸である。Y軸に沿ったY軸方向のうち、+Y軸方向は、図1の紙面右から紙面左に向かう方向であり、−Y軸方向は、+Y軸方向の逆方向である。
図1のXYZ軸のうち、Z軸は、軸線CAに沿った軸である。Z軸に沿ったZ軸方向(軸線方向)のうち、+Z軸方向は、スパークプラグ10の後端側から先端側に向かう方向であり、−Z軸方向は、+Z軸方向の逆方向である。
スパークプラグ10の中心電極100は、導電性を有する電極である。中心電極100は、軸線CAを中心に延びた棒状の形状を有する。本実施形態では、中心電極100は、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金(例えば、インコネル600(「INCONEL」は登録商標))からなる。本明細書の説明において、「主成分」とは、当該構成に含まれる各成分を質量%で比較した場合に、最も多く含まれている成分を意味する。中心電極100の外側面は、絶縁体200によって外部から電気的に絶縁されている。中心電極100の先端側は、絶縁体200の先端側から突出している。中心電極100の後端側は、絶縁体200の後端側に位置する構成と電気的に接続される。本実施形態では、中心電極100の後端側は、端子金具190を介して絶縁体200の後端側に位置する構成と電気的に接続される。
スパークプラグ10の絶縁体200は、電気絶縁性を有する碍子である。絶縁体200は、軸線CAを中心に延びた筒状の形状を有する。本実施形態では、絶縁体200は、絶縁性セラミックス材料(例えば、アルミナ)を焼成することによって作製される。絶縁体200は、軸線CAを中心に延びた貫通孔である軸孔290を有する。絶縁体200の軸孔290には、中心電極100を絶縁体200の先端側から突出させた状態で、中心電極100が軸線CA上に保持されている。
スパークプラグ10の主体金具300は、導電性を有する金属体である。主体金具300は、軸線CAを中心に延びた筒状の形状を有する。本実施形態では、主体金具300は、筒状に成形された低炭素鋼にニッケルめっきを施した部材である。他の実施形態では、主体金具300は、亜鉛めっきを施した部材であっても良いし、めっきを施していない部材(無めっき)であっても良い。主体金具300は、中心電極100から電気的に絶縁された状態で絶縁体200の外側面にカシメによって固定されている。主体金具300の先端側には、端面310が形成されている。端面310の中央からは、中心電極100と共に絶縁体200が+Z軸方向に向けて突出している。端面310には、接地電極400が接合されている。
スパークプラグ10の接地電極400は、導電性を有する電極である。接地電極400は、電極母材410と、電極チップ450とを有する。電極母材410は、主体金具300の端面310から+Z軸方向に延びた後に軸線CAに向けて屈曲した形状を有する。電極母材410の後端側は、主体金具300に接合されている。電極母材410の先端側には、電極チップ450が接合されている。電極チップ450は、中心電極100との間に間隙SGを形成する。
本実施形態では、電極母材410の材質は、中心電極100と同様に、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金である。本実施形態では、電極チップ450の材質は、白金(Pt)を主成分とし20質量%のロジウム(Rh)を含有する合金である。他の実施形態では、電極チップ450の材質は、電極母材410より耐久性に優れた材質であればよく、純粋な貴金属(例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)など)であってもよいし、これらの貴金属を主成分とする他の合金(たとえば、これらの貴金属を主成分とし、Niを含有する合金)であってもよい。
A2.接地電極の電極チップ近傍の構成:
図2は、スパークプラグ10の接地電極400に設けられた電極チップ450の近傍の構成を示す断面図および平面図である。電極チップ450は、略円柱状の形状を有する。電極チップ450は、スパークプラグ10の軸線CAと電極チップ450の円柱の中心軸が一致するように、接地電極400に配される。
電極チップ450を接地電極400に設ける際には、以下のような処理が行われる。まず、略円柱状の電極チップ450が、電極母材410上の所定位置に配される。そして、電極チップ450と電極母材410とが抵抗溶接される。その結果、電極チップ450と電極母材410とが仮止めされる。その後、電極チップ450と電極母材410とが接触している部位に対して、電極チップ450の周りからレーザ光が照射され、電極チップ450と電極母材410とがレーザ溶接される。なお、レーザ溶接には、気体レーザ、固体レーザ、半導体レーザなど、任意のレーザを使用することができる。
レーザ溶接の際には、レーザ光は、電極チップ450の外周から電極チップ450の軸線CAに向かう向きであって、電極チップ450側から電極母材410側に向かう向きに、照射される。レーザ光の照射は、電極チップ450の周りから、電極チップ450および電極母材410に向かって、軸線CAを中心として互いに略均等な角度位置にある15〜25箇所について、行われる。
その結果、電極チップ450の一部と電極母材410の一部とが溶融され、それらが溶け合って、溶融部455が形成される。溶融部455が冷却され固化されると、電極チップ450のうち、軸線方向について、露出している側の端面453とは逆の側の端部454と、電極母材410とが、溶融部455を介して接合される。溶融しなかった電極チップ450のうち、電極母材410とは逆の側(端面453側)の端部450pは円柱状の形状を有する。なお、図2上段の断面図は、軸線CAを通り、接地電極400が軸線CAに向かって伸びる方向を含むB−B断面RPにおける断面図である(図2下段参照)。
なお、本明細書においては、溶融部455が形成された後の状態を記述する場合は、最初に電極母材410とともに用意された電極チップ450のうち、溶融しなかった部分を「電極チップ450」と呼ぶ。また、溶融部455が形成された後の状態を記述する場合は、最初に電極チップ450とともに用意された電極母材410のうち、溶融しなかった部分を「電極母材410」と呼ぶ。
レーザ溶接の結果、形成された溶融部455は、軸線CAを通る断面において、以下で説明するような形状を有する。電極チップ450の各部位を表す符号を以下のように定める。
451:軸線CAに対して一方の側(図2において右側)にある電極チップ450の円柱状部分450pの外側面。
452:軸線CAに対して他方の側(図2において左側)にある電極チップ450の円柱状部分450pの外側面。
453:軸線方向について電極母材410が位置する側とは逆の側の電極チップ450の端面。
溶融部455の各部位を表す符号を以下のように定める。
Pa1:軸線CAに対して一方の側(図2において右側)にある溶融部455のうち、軸線方向について端面453から最も遠い点。
Pa2:軸線CAに対して他方の側(図2において左側)にある溶融部455のうち、軸線方向について端面453から最も遠い点。
Pa3:軸線CAに対して一方の側にある電極母材410と溶融部455の界面IS3の端点であって外部に露出している端点。
Pa4:軸線CAに対して他方の側にある電極母材410と溶融部455の界面IS4の端点であって外部に露出している端点。
Pa5:軸線CAに対して一方の側にある溶融部455のうち、電極チップ450と溶融部455の界面IS1の端点であって外部に露出している端点。
Pa6:軸線CAに対して他方の側にある溶融部455のうち、電極チップ450と溶融部455の界面IS2の端点であって外部に露出している端点。
Pa7:電極チップ450と電極母材410との界面IS0の端点であって、軸線CAに対して一方の側にある端点。
Pa8:電極チップ450と電極母材410との界面IS0の端点であって、軸線CAに対して他方の側にある端点。
RL:点Pa3と点Pa4とを通る直線である基準線。
電極チップ450および溶融部455の寸法を表す符号を以下のように定める。
A:軸線方向について電極母材410が位置する側とは逆の側の端における電極チップ450の幅(本実施形態において、円柱状部分450pの円柱の直径)。
C:界面IS0の端点Pa7と端点Pa8の距離。
L1:軸線CAに対して一方の側における界面IS0の端点Pa7と界面IS1の端点Pa5の距離。
L2:軸線CAに対して他方の側における界面IS0の端点Pa8と界面IS2の端点Pa6の距離。
G1:電極チップ450の円柱状部分450pの外側面451と端点Pa3との軸線に垂直な方向についての距離。
G2:電極チップ450の円柱状部分450pの外側面452と端点Pa4との軸線に垂直な方向についての距離。
H:軸線CAと基準線RLとの交点から、軸線CAと端面453の交点までの距離。
なお、L1は、大まかには、界面IS1の長さとして把握することもできる。L2は、大まかには、界面IS2の長さとして把握することもできる。Hは、大まかには、電極チップ450の高さとして把握することもできる。
本実施形態においては、溶融部455は、軸線CAを通る断面において、以下の条件を満たす形状を有する。
L1≧0.7×A ・・・ (1)
かつ、
L2≧0.7×A ・・・ (2)
上記式(1)、(2)を満たす本実施形態においては、上記式(1)、(2)を満たさない態様に比べて、界面IS0の端点Pa7と界面IS1の端点Pa5の距離L1、および界面IS0の端点Pa8と界面IS2の端点Pa6の距離L2が、長い。このような態様とすることにより、以下のような効果が得られる。すなわち、上記式(1)、(2)を満たさない態様に比べて、電極チップ450と電極母材410との界面IS0から、電極チップ450と溶融部455の界面IS1,IS2に沿ってクラックが進展する場合に、クラックが界面IS1,IS2の外部側の端(図2において端点Pa5,Pa6)に達するまでの距離を長くすることができる。よって、スパークプラグ10がエンジンに取りつけられ、エンジンが運転されて燃焼サイクルが実行される際に、溶融部455と電極チップ450との熱膨張率(線膨張率)の差に起因して溶融部455と電極チップ450との界面IS1,IS2にクラックが発生し、電極チップ450が溶融部455から脱落してしまうまでの期間を長くすることができる。また、あらかじめ定められた十分短い期間でスパークプラグ10が交換される場合にも、上記式(1)、(2)を満たさない態様に比べて、スパークプラグ10が交換される前に電極チップ450が溶融部455から脱落する可能性をより低くすることができる。
なお、上記式(1)、(2)は、軸線CAをとおる任意の断面において満たされることが好ましい。しかし、通常、スパークプラグにおける接地電極のチップは、理想的には、回転対称に設けられる。このため、所定の断面において、上記式(1)、(2)が満たされれば、本実施形態の上述の効果は奏されると考えてよい。このため、上記式(1)、(2)が満たされるか否かは、電極チップ450の軸線を通り、かつ、接地電極400が伸びる方向を含む平面RP(図2の下段参照)において判断される。以下、溶融部455の断面形状について判断する際には、この断面RPを基準とする。
また、本実施形態においては、溶融部455は、軸線CAを通る断面RPにおいて、さらに、以下の条件を満たす形状を有する。
C≦0.35mm ・・・ (3)
上記式(3)を満たすということは、上記式(3)を満たさない態様に比べて、界面IS0が小さいということである。このような態様とすることにより、以下のような効果が得られる。
電極チップ450の素材(例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)など)の熱膨張係数は、電極チップ450の素材であるニッケル合金の熱膨張係数よりも小さい。このため、両者が接する界面IS0においては、温度が高くなると、言い換えれば、温度が接合時の温度からずれると、歪みが生じることになる。これに対して、他の界面IS1〜IS4は、電極母材410の素材と電極チップ450の素材の混合物であり、両者の中間の熱膨張係数を有する溶融部455が、電極母材410の素材または電極チップ450の素材と接している界面である。このため、他の界面IS1〜IS4においては、界面IS0に比べて、熱膨張差による歪みが小さい。このため、界面IS0においては、エンジンの熱サイクルによる温度変化の繰り返しのために、他の界面IS1〜IS4よりも早い段階でクラックが生じる。
さらに、界面IS0において、最も歪みによる応力が大きくなるのは、外周部、すなわち、図2の断面においては端点Pa7,Pa8である。界面IS0の大きさを小さくすることにより、熱膨張による界面IS0の外周部における電極チップ450と電極母材410との寸法差を小さくすることができる。その結果、界面IS0の外周部にかかる熱応力を小さくすることができる。よって、界面IS0の外周部からクラックが発生して、溶融部455と電極チップ450との界面IS1,IS2に進展し、電極チップ450の電極母材410からの脱落に至る可能性を、低減することができる。
また、本実施形態においては、溶融部455は、軸線CAを通る断面において、さらに、以下の条件を満たす形状を有する。
G1≧0.35mm ・・・ (4)
かつ、
G2≧0.35mm ・・・ (5)
式(4)、(5)を満たす形状を有する溶融部455を備えたスパークプラグにおいては、電極チップ450と電極母材410とがレーザ溶接される際に、上記式(4)、(5)を満たさない態様に比べて、電極チップ450から遠い位置にある電極母材410が溶融されていない。このため、式(4)、(5)を満たす形状を有する溶融部455を備えたスパークプラグは、上記式(4)、(5)を満たさない態様に比べて、溶融部455の素材中に占める電極チップ450の素材の割合を多くすることができる。その結果、溶融部455の熱膨張率を電極チップ450の熱膨張率に近い値とすることができる。よって、エンジンが運転されて燃焼サイクルが実行される際に、溶融部455と電極チップ450との界面IS1,IS2に沿ってクラックが発生し進展する可能性をさらに低減することができる。
A3.接地電極の電極チップ近傍の他の構成:
図3は、スパークプラグ10の接地電極400に設けられた電極チップ450の近傍の他の構成を示す断面図である。図2の態様においては、溶融部455は、軸線CAに対して一方の側にある電極チップ450の外側面451から、軸線CA近傍を経て、軸線CAに対して他方の側にある電極チップ450の外側面452に至っている。そして、軸線CAに対して一方の側にある溶融部455のうち端面453から最も遠い点Pa1と、軸線CAに対して他方の側にある溶融部455のうち端面453から最も遠い点Pa2は、軸線CA上にある同じ点である。一方、図3に示す態様においては、断面RP内において、溶融部455は、軸線CA近傍には分布していない。その結果、溶融部455と電極母材410との界面IS3,IS4は、図2の態様に比べて複雑な曲面を有している。他の点は、図3の溶融部455の形状は図2の溶融部455の形状と同じである。
図3の態様の溶融部455は、たとえば、図2の態様の溶融部455の生成に比べて、レーザ光の出力を低くする、レーザ光の照射対象位置を軸線方向についてより電極チップ450の端面453から遠い位置にする、レーザ光の照射対象位置を軸線からより遠い位置にする、などの方法により、生成することができる。図3の態様においても、上記式(1)〜(5)の条件を満たしうる。
図3の態様においては、溶融部455と電極母材410との界面IS3,IS4を表す境界は、複雑な曲線を描いている。このため、溶融部455と電極母材410との界面IS3,IS4においてクラックが生じても、そのクラックが界面IS3,IS4に沿って屈曲点を超えて進展しにくい。
また、溶融部455と電極母材410とは、互いに噛み合ったような態様で配されている。より具体的には、溶融部455と電極チップ450の端部454で構成された凹部に電極母材410の一部が勘合したような態様で、溶融部455と電極母材410とが配されている。このため、溶融部455と電極母材410との界面IS3,IS4においてクラックが生じても、溶融部455が電極母材410から脱落しにくい。
図4は、スパークプラグ10の接地電極400に設けられた電極チップ450の近傍の他の構成を示す断面図である。図2の態様においては、断面RP内において、電極チップ450の外側面451に照射されたレーザ光によって形成される溶融部455は、軸線CAを超えて逆側に突出してはいない。また、電極チップ450の外側面452に照射されたレーザ光によって形成される溶融部455も、軸線CAを超えて逆側に突出してはいない。これに対して、図4の態様においては、電極チップ450の外側面451に照射されたレーザ光によって形成される溶融部455は、軸線CAを挟んで逆の側にまで達して突出している。電極チップ450の外側面452に照射されたレーザ光によって形成される溶融部455も、軸線CAを挟んで逆の側にまで達して突出している。その結果、溶融部455と電極母材410との界面IS3,IS4は、図2の態様に比べて複雑な曲面を有している。他の点は、図4の溶融部455の形状は図2の溶融部455の形状と同じである。
図4の態様の溶融部455は、たとえば、図2の態様の溶融部455の生成に比べて、レーザ光の出力を高くする、などの方法により、生成することができる。図4の態様においても、上記式(1)〜(5)の条件を満たしうる。
図4の態様においても、溶融部455と電極母材410との界面IS3,IS4を表す境界は、急な角度で折れ曲がる複雑な曲線を描いている。このため、溶融部455と電極母材410との界面IS3,IS4においてクラックが生じても、そのクラックが界面IS3,IS4に沿って屈曲点を超えて進展しにくい。
また、溶融部455と電極母材410とは、互いに噛み合ったような態様で配されている。言い換えれば、溶融部455の凹部に電極母材410の凸部が勘合し、電極母材410の凹部に溶融部455の凸部が勘合したような態様で、溶融部455と電極母材410とが配されている。このため、溶融部455と電極母材410との界面IS3,IS4においてクラックが生じても、溶融部455が電極母材410から脱落しにくい。
図5は、スパークプラグ10の接地電極400に設けられた電極チップ450の近傍の他の構成を示す断面図である。図5に示す態様においては、断面RP内において、溶融部455のうち電極チップ450の端面453から最も遠い部分は、略平面である。図5の態様においても、上記式(1)〜(5)の条件を満たしうる。
図5の態様においては、溶融部455と電極母材410との界面IS3,IS4を表す境界は、角部を有している(図5のPa1,Pa2の近傍参照)。このため、溶融部455と電極母材410との界面IS3,IS4においてクラックが生じても、そのクラックが角部を超えて界面IS3,IS4に沿って進展しにくい。
なお、本実施形態における電極チップ450が「課題を解決するための手段」における「チップ」に相当する。軸線CAが「中心軸」に相当する。断面RPが「円柱の中心軸を通る断面」に相当する。界面IS0が「チップ−母材界面」に相当する。
端点Pa7が「中心軸に対して一方の側にあるチップ−母材界面の端点」に相当し、端点Pa5が「中心軸に対して一方の側にあるチップと溶融部の界面の端点であって外部に露出している端点」に相当する。点Pa3が、「中心軸に対して一方の側にある電極母材と溶融部の界面の端点であって外部に露出している端点」に相当し、外側面451が「チップの円柱部分の外側面」に相当する。
また、端点Pa8が「中心軸に対して一方の側にあるチップ−母材界面の端点」に相当し、端点Pa6が「中心軸に対して一方の側にあるチップと溶融部の界面の端点であって外部に露出している端点」に相当する。点Pa4が、「中心軸に対して一方の側にある電極母材と溶融部の界面の端点であって外部に露出している端点」に相当し、外側面452が「チップの円柱部分の外側面」に相当する。
B.実施例:
B1.中心電極および接地電極の電極チップの摩耗量と接地電極の大きさの関係:
まず、接地電極400の電極チップ450の円柱状部分450pの直径を大きくすることによる中心電極および接地電極の電極チップの摩耗量削減の効果の検証を行った。
図6は、中心電極の電極チップ(図1において図示せず)の直径と、接地電極の電極チップの直径A(図2参照)が等しいスパークプラグを自然吸気エンジンに取りつけた場合の、中心電極の電極チップと接地電極の電極チップの摩耗量を示すグラフである。中心電極の電極チップの直径と、接地電極の電極チップの直径Aは、いずれも0.7mmであり、それぞれの放電面積は0.38mmである。
図6の横軸は、各スパークプラグが取りつけられたエンジンの燃焼室内における燃焼の回数を、自動車の走行距離に換算した値を示す。縦軸は、中心電極の電極チップと接地電極の電極チップの摩耗量を示す。グラフGc1が、中心電極の電極チップの摩耗量を示し、グラフGo1が、接地電極の電極チップの摩耗量を示す。図6より、接地電極の電極チップの直径が等しいスパークプラグを自然吸気エンジンに取りつけた場合には、接地電極の電極チップの摩耗量(Go1)の方が、中心電極の電極チップの摩耗量(Gc1)よりも少ないことが分かる。
図7は、図6の試験に使用したものと同じ仕様のスパークプラグを過給エンジンに取りつけた場合の、中心電極の電極チップと接地電極の電極チップの摩耗量を示すグラフである。図7の試験に使用したエンジンは、図6の試験に使用したエンジンに対して、圧縮率が高く、さらに、過給が行われるエンジンである。図7の試験に使用したエンジンの他の点は、図6の試験に使用したエンジンと略同様である。
図7の横軸も、各スパークプラグが取りつけられたエンジンの燃焼室内における燃焼の回数を、自動車の走行距離に換算した値を示す。縦軸は、中心電極の電極チップと接地電極の電極チップの摩耗量を示す。グラフGc2が、中心電極の電極チップの摩耗量を示し、グラフGo2が、接地電極の電極チップの摩耗量を示す。接地電極の電極チップの直径が等しいスパークプラグを高圧縮の過給エンジンに取りつけた場合には、圧縮率の低い自然吸気エンジンに取りつけた場合に比べて、同じ耐久距離における接地電極の電極チップの摩耗量が大きいことが分かる(図6のGo1と図7のGo2参照)。一方、中心電極の電極チップの摩耗量は、接地電極の電極チップの摩耗量ほどには増大していない(図6のGc1と図7のGc2参照)。その結果、接地電極の電極チップの摩耗量(Go2)の方が、中心電極の電極チップの摩耗量(Gc2)よりも多くなっている。
図8は、接地電極の電極チップの直径が中心電極の電極チップの直径よりも大きいスパークプラグを、図7の試験に使用したエンジンに取りつけた場合の、中心電極の電極チップと接地電極の電極チップの摩耗量を示すグラフである。図8の試験に使用したスパークプラグにおいて、接地電極の電極チップの端面の面積は、中心電極の電極チップの端面の面積の2倍である。具体的には、接地電極の電極チップの直径Aは、1.0mmであり、放電面積は0.78mmである。図8の試験に使用したスパークプラグの他の点は、中心電極の電極チップの端面の面積を含めて、図6および図7の試験に使用したスパークプラグと同じである。
図8の横軸も、各スパークプラグが取りつけられたエンジンの燃焼室内における燃焼の回数を、自動車の走行距離に換算した値を示す。縦軸は、中心電極の電極チップと接地電極の電極チップの摩耗量を示す。グラフGc3が、中心電極の電極チップの摩耗量を示し、グラフGo3が、接地電極の電極チップの摩耗量を示す。接地電極の電極チップの直径が中心電極の電極チップの直径よりも大きいスパークプラグを高圧縮の過給エンジンに取りつけた場合には、接地電極の電極チップの直径が中心電極の電極チップの直径と等しいスパークプラグに比べて、接地電極の電極チップの摩耗量が少ないことが分かる(図7のGo2と図8のGo3参照)。その結果、中心電極の電極チップと接地電極の電極チップの摩耗量は、いずれも自然吸気エンジンの場合から大きく増大していないことが分かる(図6のGc1,Go1と図8のGc3,Go3参照)。
以上の結果から、高圧縮率の過給エンジンに使用される場合など、スパークプラグが高負荷に曝される場合には、接地電極の電極チップの直径A(図2参照)を大きくすれば、耐久距離、すなわちスパークプラグの長寿命を確保できることが分かる。
B2.着火性試験:
中心電極の電極チップの径を一定値0.7mmとし、接地電極の電極チップの直径A(図2参照)を様々な値に設定して生成したサンプルを使用して、電極チップ450の着火性を評価する試験を行った。試験に用いたスパークプラグの接地電極は、以下の構成を有する。
電極母材の材質:インコネル600
電極チップの材質:白金(Pt)を主成分としロジウム(Rh)20質量%を含有する合金。
A:0.7〜1.5mm
G1,G2:0.3mm
L1,L2:0.8mm
H:0.8mm
排気量1.5Lの4気筒エンジンの一つのシリンダに試験品のスパークプラグを取りつけ、他のシリンダについては、全実験について同じプラグを取りつけて、試験を行った。
各試験品について、空燃比(A/F)を徐々に増大させて燃料を薄くし、全飛火数の1%が失火する値を各試験品についての失火限界値とした。A=1.0mmの試験品の失火限界値に対して、2%以上、失火限界値が低下した試験品については、着火性の評価をX(悪)とした。失火限界値がA=1.0mmの試験品の失火限界値より高いか、または、失火限界値の低下量が2%未満の試験品については、着火性の評価を丸(良)とした。試験結果を図9に示す。
図9は、接地電極の電極チップの直径Aを様々な値に設定したサンプルを使用して行った電極チップ450の着火性評価試験の結果を示すグラフである。図9の試験結果より、接地電極の電極チップの直径Aが0.7〜1.2mmの場合に、着火性が良いことが分かる。
B3.耐久性試験:
接地電極の電極チップの直径A(図2参照)を様々な値に設定して生成したサンプルを使用して、電極チップ450の消耗量を評価する試験を行った。試験に用いたスパークプラグの他の点は、上記の着火性試験のときと同じである。
排気量1.5Lの4気筒エンジンの一つのシリンダに試験品のスパークプラグを取りつけ、他のシリンダについては、全実験について同じプラグを取りつけて、試験を行った。試験は、スロットル全開(エンジン回転数:5000rpm)で一定時間運転することにより行った。
各試験品について、試験前後における軸線方向についてもっとも中心電極100に近い地点の軸線方向の位置の差を、摩耗量として測定した。A=1.0mmの試験品の摩耗量に対して、5%以上、摩耗量が大きい試験品については、耐久性の評価をX(悪)とした。摩耗量がA=1.0mmの試験品より少ないか、または、摩耗量の増分が5%未満の試験品については、耐久性の評価を丸(良)とした。試験結果を図10に示す。
図10は、接地電極の電極チップの直径Aを様々な値に設定したサンプルを使用して行った電極チップ450の消耗量を評価する試験の結果を示すグラフである。図10の試験結果より、接地電極の電極チップの直径Aが0.8〜1.5mmの場合に、耐久性が良いことが分かる。
また、図9の着火性評価試験の結果と、図10の耐久性試験の結果とを考慮すると、接地電極の電極チップの直径Aは、0.8〜1.2mmとすることが好ましい。
B4.剥離性試験1:
接地電極の電極チップと電極母材との界面の幅C(図2参照)を0.1〜0.4mmの様々な値に設定し、電極チップと溶融部の界面の長さL1,L2を0.1〜0.8mmの様々な値に設定して生成したサンプルを使用して、電極チップ450の剥離性を評価する試験を行った。なお、試験にあたっては、接地電極の電極チップの直径A(図2参照)が0.7mmのスパークプラグと1.0mmのスパークプラグとを用意した。また、試験に用いたスパークプラグにおいては、L1=L2であった。試験に用いたスパークプラグの他の点は、上記の着火性試験のときと同じである。
電極チップと溶融部の界面の長さL1,L2の変更は、レーザ溶接の際のレーザ光の照射位置と、軸線CAとの距離を変更することにより、行った。本試験に用いた試験品において、L1とL2の値は等しい。以下、L1とL2をまとめて表記する際には、「L」と表記する。
排気量1.5Lの4気筒エンジンの一つのシリンダに試験品のスパークプラグを取りつけ、他のシリンダについては、全実験について同じプラグを取りつけて、試験を行った。試験は、スロットル全開(エンジン回転数:5000rpm)で1分間運転し、その後1分間、運転を停止する処理を、100時間繰り返すことにより行った。
図11および図12は、剥離性試験の評価を行った際の基準となる断面RPを示す図である。図11および図12においては、技術の理解を容易にするため、溶融部455が形成される前の状態の電極チップ450および電極母材410を示している。剥離性試験の評価は、スパークプラグの軸線CAを通り、接地電極400が軸線CAに向かって伸びる方向を含む断面RPにおいて、電極チップと溶融部との界面IS1,IS2におけるクラックの大きさを測定することにより行った。より具体的には、軸線方向に投影したときの軸線CAに垂直な方向(図2、図11および図12においてY軸方向)についての電極チップと溶融部の界面IS1と界面IS2の長さの合計値に対するクラックの長さの合計値の割合Ra(%)に基づいて、耐剥離性を評価した。なお、本実施形態において、断面RPは、レーザ溶接の際に最後に照射されたレーザ光によって溶融した部分WPL(図2の下段参照)を含まない面である。
図13は、耐剥離性試験開始前の試験品の一つの断面RPにおける断面図である。図14は、耐剥離性試験開始前の試験品の一つの平面図である。耐剥離性試験開始前の試験品においては、電極チップ450と溶融部455の界面IS1,IS2には、クラックは入っていない。
図15は、接地電極の電極チップの直径Aが1.0mmのスパークプラグを使用して行った耐剥離性試験の結果を示すグラフである。横軸は、電極チップと溶融部の界面の長さLを示す。縦軸は、軸線方向に投影したときのクラックの長さの合計値の電極チップ450の直径Aに対する割合Raを示す。Raが97%以下であれば、電極チップ450が溶融部455から脱落する可能性は低い。図15において、Ra=97%の位置を実線で示す。
図15より、電極チップの直径Aが1.0mmのスパークプラグにおいては、L≧0.7mmの範囲において、界面IS0の大きさCによらず、Ra<97%を達成できていることが分かる。このことから、電極チップ450の直径Aに対する電極チップと溶融部の界面の長さLの割合が0.7以上であれば、耐剥離性が良好であることが分かる。
また、図15のグラフにおいては、C≦0.35mm以下の試験品においては、L≧0.7mmであれば、Ra≦88%を達成できている。これに対して、C=0.4mmの試験品においては、L≧0.7mmであっても、Ra=96%である。このことから、電極チップ450の直径Aに対する電極チップと溶融部の界面の長さLの割合が0.7以上であり、さらに、界面IS0の両端の端点Pa7,Pa8間の距離が、0.35mm以下であれば、耐剥離性がさらに良好であることが分かる。
図16は、接地電極の電極チップの直径Aが0.7mmのスパークプラグを使用して行った耐剥離性試験の結果を示すグラフである。横軸は、電極チップと溶融部の界面の長さLを示す。縦軸は、軸線方向に投影したときのクラックの長さの合計値の電極チップ450の直径Aに対する割合Raを示す。図15と同様に、図16においても、Ra=97%の位置を実線で示す。
図16より、電極チップの直径Aが0.7mmのスパークプラグにおいては、電極チップと溶融部の界面の長さLおよび界面IS0の大きさCによらず、Ra<97%を達成できていることが分かる。電極チップの直径Aが0.7mmのスパークプラグにおいては、電極チップ450の径が十分小さいため、溶け残り部分である電極チップ450と電極母材410との界面IS0(図2〜図5参照)が形成されず、クラックが形成されにくいためであると考えられる。
B5.剥離性試験2:
接地電極の電極チップの外側面と溶融部455の端との距離G1,G2を0.1〜0.4mmの様々な値に設定し、電極チップと溶融部の界面の長さL1,L2を0.1〜0.8mmの様々な値に設定して生成したサンプルを使用して、電極チップ450の剥離性を評価する試験を行った。なお、試験にあたっては、接地電極の電極チップの直径A(図2参照)が0.7mmのスパークプラグと1.0mmのスパークプラグとを用意した。また、試験に用いたスパークプラグにおいては、G1=G2であった。試験に用いたスパークプラグの他の点は、上記の剥離性試験1のときと同じである。また、耐久性試験に用いたエンジンの仕様および運転方法も、上記の剥離性試験1のときと同じである。
接地電極の電極チップの外側面と溶融部455の端との距離G1,G2の変更は、レーザ溶接の際のレーザ光の径を変更することにより、行った。本試験に用いた試験品において、G1とG2の値は等しい。以下、G1とG2をまとめて表記する際には、「G」と表記する。
図17は、接地電極の電極チップの直径Aが1.0mmのスパークプラグを使用して行った耐剥離性試験の結果を示すグラフである。横軸は、電極チップと溶融部の界面の長さLを示す。縦軸は、軸線方向に投影したときのクラックの長さの合計値の電極チップ450の直径Aに対する割合Raを示す。図17においても、Ra=97%の位置を実線で示す。
図17より、電極チップの直径Aが1.0mmのスパークプラグにおいては、L≧0.7mmの範囲において、電極チップの外側面と溶融部の端との距離Gによらず、Ra<97%を達成できていることが分かる。このことから、電極チップ450の直径Aに対する電極チップと溶融部の界面の長さLの割合が0.7以上であれば、耐剥離性が良好であることが分かる。
また、図17のグラフにおいては、G≦0.35mm以下の試験品においては、L≧0.7mmであれば、Ra≦86%を達成できている。これに対して、C=0.4mmの試験品においては、L≧0.7mmであっても、Ra=96%である。このことから、電極チップ450の直径Aに対する電極チップと溶融部の界面の長さLの割合が0.7以上であり、さらに、電極チップの外側面451,452と溶融部の端点Pa3,Pa4との距離が、0.35mm以下であれば、耐剥離性がさらに良好であることが分かる。
図18は、接地電極の電極チップの直径Aが0.7mmのスパークプラグを使用して行った耐剥離性試験の結果を示すグラフである。横軸は、電極チップと溶融部の界面の長さLを示す。縦軸は、軸線方向に投影したときのクラックの長さの合計値の電極チップ450の直径Aに対する割合Raを示す。図18においても、Ra=97%の位置を実線で示す。
図18より、電極チップの直径Aが0.7mmのスパークプラグにおいては、電極チップと溶融部の界面の長さLおよび電極チップの外側面と溶融部の端との距離Gによらず、Ra<97%を達成できていることが分かる。電極チップの直径Aが0.7mmのスパークプラグにおいては、電極チップ450の径が十分小さいため、溶け残り部分である電極チップ450と電極母材410との界面IS0が形成されず、クラックが形成されにくいためであると考えられる。
C.変形例:
C1.変形例1:
図2〜図5に示した実施形態においては、上記実施形態においては、電極母材410の表面は平面であったため、点Pa3,Pa4で定められる基準線RLは、断面RPにおける電極母材410の表面と一致した。しかし、電極母材410の表面は平面でなくともよい。
C2.変形例2:
上記実施例においては、電極チップの直径Aが1.0mmのものについて、試験を行った。しかし、電極チップの直径Aが他の大きさであっても、上記式(1)、(2)を満たす限り、上記式(1)、(2)を満たさない態様に比べて、界面IS1,IS2の長さを長くすることができる。このため、界面IS1,IS2にクラックが発生し、電極チップ450が溶融部455から脱落してしまうまでの期間を長くすることができる。ただし、電極チップの直径Aは、0.8〜1.2mmとすることが好ましい(図9および図10参照)。
C3.変形例3:
上記実施形態においては、電極チップ450は、白金(Pt)を主成分とし20質量%のロジウム(Rh)を含有する合金である。しかし、電極チップは、Pt、Rh、Ir、Ruなどを含んでもよく、さらに、W、Reなど他の元素を含んでもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…スパークプラグ
90…内燃機関
100…中心電極
190…端子金具
200…絶縁体
290…軸孔
300…主体金具
310…端面
400…接地電極
410…電極母材
450…電極チップ
450p…円柱状部分
451,452…電極チップの外側面
453…電極チップの端面
454…電極チップの端部
455…溶融部
910…内壁
920…燃焼室
CA…軸線
G1…電極チップ450の外側面451と端点Pa3との距離
G2…電極チップ450の外側面452と端点Pa4との距離
L1…界面IS0の端点Pa7と界面IS1の端点Pa5の距離
L2…界面IS0の端点Pa8と界面IS2の端点Pa6の距離
SG…間隙(火花ギャップ)
RL…基準線
RP…断面
IS0…電極チップ450と電極母材410との界面
IS1…電極チップ450と溶融部455の界面
IS2…電極チップ450と溶融部455の界面
IS3…電極母材410と溶融部455の界面
IS4…電極母材410と溶融部455の界面
Pa1…軸線CAに対し一方の側にある溶融部455のうち端面453から最も遠い点
Pa2…軸線CAに対し他方の側にある溶融部455のうち端面453から最も遠い点
Pa3…軸線CAに対して一方の側にあり外部に露出している界面IS3の端点
Pa4…軸線CAに対して他方の側にあり外部に露出している界面IS4の端点
Pa5…軸線CAに対して一方の側にある外部に露出している界面IS1の端点
Pa6…軸線CAに対して他方の側にある外部に露出している界面IS2の端点
Pa7…界面IS0の端点であって、軸線CAに対して一方の側にある端点
Pa8…界面IS0の端点であって、軸線CAに対して他方の側にある端点
WPL…電極チップと電極母材の溶接の際に最後に溶接された部分

Claims (4)

  1. 一端側が直径0.8〜1.2mmの円柱状であって貴金属を主成分とするチップと、電極母材とを有し、前記チップと前記電極母材とが溶け合った溶融部を介して、前記チップの他端側の一部が前記電極母材に接合された接地電極を備え、
    前記チップの前記他端側の面と前記電極母材とが接しており前記溶融部に囲まれているチップ−母材界面を有する、スパークプラグであって、
    前記円柱の中心軸を通る断面において、前記中心軸に対して一方の側にある前記チップ−母材界面の端点と、前記中心軸に対して前記一方の側にある前記チップと前記溶融部の界面の端点であって外部に露出している端点と、の距離は、前記直径の0.7倍以上である、スパークプラグ。
  2. 請求項1記載のスパークプラグであって、
    前記断面において、前記チップ−母材界面の両端の端点間の距離は、0.35mm以下である、スパークプラグ。
  3. 請求項1または2記載のスパークプラグであって、
    前記断面において、前記中心軸に対して前記一方の側にある前記電極母材と前記溶融部の界面の端点であって外部に露出している端点と、前記チップの前記円柱部分の外側面との、前記中心軸と直交する方向についての距離は、0.35mm以下である、スパークプラグ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記貴金属は、Pt、Rh、Ir、Ruで構成される群の中から選択される、スパークプラグ。
JP2014134331A 2014-06-30 2014-06-30 スパークプラグ Active JP5956514B2 (ja)

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