JP2023069392A - スパークプラグの接地電極、スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグの接地電極、スパークプラグ Download PDF

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Abstract

【課題】放電部の消耗を抑制することが可能なスパークプラグの接地電極を提供する。【解決手段】スパークプラグ10の接地電極14は、中心電極13に対向するように設けられる接地電極本体40と、接地電極本体40に接合され、中心電極13との間に火花放電を形成する放電部41と、を備える。放電部41は、Ptを主成分とするPt-Rh-Ni合金により形成される。Pt-Rh-Ni合金は、2[wt%]~20[wt%]のRhを含み、且つ2.5[wt%]~12[wt%]のNiを含んでいる。【選択図】図1

Description

本開示は、スパークプラグの接地電極、及びスパークプラグに関する。
従来、下記の特許文献1に記載のスパークプラグがある。このスパークプラグは、絶縁碍子と、主体金具と、中心電極と、接地電極とを備えている。接地電極は、接地電極本体と、接地電極本体の先端面に接合される放電部とを備えている。接地電極本体から放電部の先端面までの突出長が0.4[mm]以上、且つ1.6[mm]以下に設定されている。放電部は、Ptを主成分とするPt合金により構成されている。Pt合金は、1100[℃]の大気雰囲気下で50時間加熱した後の平均粒径が68[μm]以下となるように構成されている。この構成によれば、高温環境下における粒界強度の低下を防止することができるため、放電部の欠落を防止することができる。
特許第5341752号公報
近年の環境対応エンジンでは、より確実に混合気を点火させること等を目的として、スパークプラグに供給されるエネルギを高める、いわゆる高エネルギ点火システムの適用が検討されている。高エネルギ点火システムでは、放電部の表面がより高温の環境下におかれやすくなる。このような極高温の環境下では、特許文献1に記載のスパークプラグのように放電部のPt合金の平均粒径を68[μm]以下に設定したとしても、粒界強度が低下する現象が発生することが発明者らにより確認されている。放電部の粒界強度が低下すると、粒界に亀裂が発生するとともに、その亀裂の拡大により結晶粒が脱落する可能性が高くなる。そのため、放電部が消耗し易くなる。
また、極高温の環境下に放電部がおかれた場合、放電部の表面の粒界を起点とした溶解及び再凝固により、粒状の発汗粒が生成されることがある。この発汗粒は、結晶粒界で放電部の内部の結晶粒と結合している。発汗粒の粒径は10[μm]から70[μm]の範囲であり、特許文献1に記載のスパークプラグの放電部の平均粒径と略同等である。そのため、上述した粒界の亀裂の進展が発汗粒の脱落を誘発し易くなるため、放電部が更に消耗し易くなる。
本開示は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、放電部の消耗を抑制することが可能なスパークプラグの接地電極及びスパークプラグを提供することにある。
上記課題を解決するスパークプラグの接地電極は、中心電極(13)に対向するように設けられる接地電極本体(40)と、接地電極本体に接合され、中心電極との間に火花放電を形成する放電部(41)と、を備える。放電部は、Ptを主成分とするPt-Rh-Ni合金により形成される。Pt-Rh-Ni合金は、2[wt%]~20[wt%]のRhを含み、且つ2.5[wt%]~12[wt%]のNiを含んでいる。
上記課題を解決するスパークプラグは、接地電極(14)と中心電極(13)との間に火花放電を形成するスパークプラグであって、接地電極として、上記の接地電極が用いられている。
これらの構成のように、Pt-Rh合金にNiが添加されていれば、製造時の加工硬化による再結晶温度を低下させることができるため、極高温環境下におかれた時に放電部に形成される結晶粒径を特許文献1の放電部の結晶粒径よりも大きくすることができる。放電部の結晶粒径が大きくなることにより、発汗粒の生成の起点となる粒界が減少するため、発汗粒が生成され難くなる。結果的に、発汗粒の脱落に起因する放電部の消耗が発生し難くなるため、放電部の消耗を抑制することができる。
なお、上記手段、特許請求の範囲に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本開示のスパークプラグの接地電極及びスパークプラグによれば、放電部の消耗を抑制することが可能である。
図1は、実施形態のスパークプラグの部分断面構造を示す断面図である。 図2は、実施形態の接地電極における放電部の先端部の構造を模式的に示す図である。 図3(A),(B)は、Pt-Rh-Ni合金の消耗量とRhの質量パーセントaRhとの関係を示すグラフ、及びPt-Rh合金の融点とRhの質量パーセントaRhとの関係を示すグラフである。 図4(A)~(C)は、接地電極の放電部の消耗態様を模式的に示す図である。 図5は、Pt-Rh-Ni合金の再結晶温度とNiの質量パーセントaNiとの関係を示すグラフである。 図6は、複数のサンプルの評価結果を示す図表である。 図7は、図6の評価結果をプロットしたグラフである。 図8は、Pt-Rh-Ni合金の引張強度とNiの質量パーセントaNiとの関係を示すグラフである。 図9は、Pt-Rh-Ni合金の引張強度と粒界亀裂の発生数との関係を示すグラフである。
以下、スパークプラグ、及びその接地電極の一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
はじめに、図1に示される本実施形態のスパークプラグ10の概略構成について説明する。このスパークプラグ10は例えばエンジンヘッドに設けられる。スパークプラグ10は、電圧の印加に基づき火花放電を形成することによりエンジンの気筒内の混合気を着火する。スパークプラグ10は、ハウジング11と、絶縁碍子12と、中心電極13と、接地電極14とを備えている。
ハウジング11はスパークプラグ10の中心軸m10を中心に円筒状に形成されている。ハウジング11は例えば炭素鋼等の金属材料により形成されている。ハウジング11の内部には絶縁碍子12の下端部が同軸上に挿入されている。
絶縁碍子12は中心軸m10を中心に円筒状に形成されている。絶縁碍子12はアルミナ等の絶縁材料により形成されている。本実施形態では、絶縁碍子12が絶縁体に相当する。絶縁碍子12の外周部分にはハウジング11が一体的に組み付けられている。絶縁碍子12の内部には軸孔120が形成されている。軸孔120は中心軸m10に沿って絶縁碍子12の先端部から基端部まで貫通するように形成されている。軸孔120には、その先端部の側から中心電極13、第1シール体15、抵抗体16、第2シール体17、及び端子金具18が順に収容されている。
中心電極13は中心電極本体30と電極チップ31とを有している。中心電極本体30は中心軸m10を中心に円柱状に形成されている。中心電極本体30は、耐熱性に優れるNi(ニッケル)合金等により形成されている。電極チップ31は中心電極本体30の先端部に接合されている。電極チップ31は中心軸m10を中心に円柱状に形成されている。電極チップ31はIr(イリジウム)合金等により形成されている。
端子金具18は中心軸m10を中心に略円柱状に形成されている。端子金具18は鋼材等により形成されている。端子金具18の基端部には端子部180が形成されている。端子金具18は、その端子部180が絶縁碍子12の基端部から突出するように軸孔120に挿入されている。
接地電極14は接地電極本体40と放電部41とを有している。接地電極本体40はNi合金等により形成されている。接地電極本体40は、ハウジング11の下端面に固定されるとともに、その下端面から中心電極13の電極チップ31に対向する位置まで延びるように形成されており、中心電極13に対向するように設けられている。放電部41は接地電極本体40の先端部400に接合されている。放電部41は、Pt(白金)を主成分とするPt-Rh(ロジウム)-Ni合金により形成される、いわゆる貴金属チップである。放電部41は、所定の隙間19を有して中心電極13の電極チップ31に対向するように配置されている。以下では、中心電極13の電極チップ31と接地電極14の放電部41との間に形成される隙間19を「火花放電ギャップ19」と称する。
このスパークプラグ10では、高電圧を印加する外部回路が端子金具18の端子部180に接続される。外部回路により端子金具18の端子部180に高電圧が印加されると、中心電極13の電極チップ31と接地電極14の放電部41との間に火花放電が形成される。この火花放電によりエンジンの気筒内の混合気が着火して火炎が形成されることにより混合気が燃焼する。
ところで、このようなスパークプラグ10では、接地電極14の放電部41が極高温の環境下におかれる場合、図2に示されるように、放電部41の表面410の粒界GBの強度が低下することにより粒界GBに亀裂が発生して、結晶粒CGが脱落する可能性が高くなる。また、中心電極13の電極チップ31と接地電極14の放電部41との間に火花放電Sが形成された際に、放電部表面410の粒界GBを起点とした溶解及び再凝固により、粒状の発汗粒SBが生成される。このような発汗粒SBが生成されると、粒界GBの亀裂の進展が発汗粒SBの脱落をも誘発するため、放電部41が更に消耗し易くなる。以下では、粒界GBに亀裂が発生することにより結晶粒CGや発汗粒SBが脱落する現象を「粒界脱落」とも称する。発明者らの実験によると、放電部41における粒界脱落のモードや放電部41の消耗量は結晶粒CGの大きさに応じて異なることが確認されている。
次に、発明者らにより行われた実験の結果について具体的に説明する。
まず、発明者らは、Pt-Rh-Ni合金におけるRhの質量パーセントaRhを変化させつつ、放電部41の消耗量CAを実験的に計測した。図3(A)は、その実験結果を示したものである。また、図3(B)では、Pt-Rh-Ni合金におけるRhの質量パーセントaRhとPt-Rh-Ni合金の結晶粒CGの粒径dとの関係が実線で示され、Rhの質量パーセントaRhとPt-Rh合金の融点Tmpとの関係が二点鎖線で示されている。なお、結晶粒CGの粒径dは、1100[℃]の大気雰囲気下で50時間加熱した後の結晶粒CGの平均粒径である。
図3(B)に実線で示されるように、Rhの質量パーセントaRhが大きくなるほど、Pt-Rh-Ni合金の結晶粒CGの粒径dは小さくなる。また、図3(B)に二点鎖線で示されるように、Rhの質量パーセントaRhが大きくなるほど、Pt-Rh合金の融点Tmpは高くなる。
図3(A)には、発明者らの実験により得られた放電部41の消耗量CAの計測値がCA1~CA6で示されている。なお、計測値CA1~CA6に関しては、所定量α以下のものには「○」が付され、所定量αよりも大きいものには「×」が付されている。
図3(A)と図3(B)とを比較して明らかなように、Rhの質量パーセントaRhが「2[wt%]≦aRh≦20[wt%]」の範囲を満たしている場合、換言すれば結晶粒CGの粒径dが「100[μm]≦d≦400[μm]」を満たしている場合には、放電部41の消耗量CAを所定量α以下に抑制できる。一方、Rhの質量パーセントaRhが「aRh<2[wt%]」を満たしている場合、換言すれば結晶粒CGの粒径dが「400[μm]<d」を満たしている場合には、放電部41の消耗量CAが所定量αよりも大きくなる。また、Rhの質量パーセントaRhが「20[wt%]<aRh」を満たしている場合、換言すれば結晶粒CGの粒径dが「d<100[μm]」を満たしている場合にも、同様に放電部41の消耗量CAが所定量αよりも大きくなる。
このように、結晶粒CGの粒径dが「100[μm]≦d≦400[μm]」を満たしている場合に放電部41の消耗量CAを抑制できる理由は下記の通りであると考えられる。
結晶粒CGの粒径dが「400[μm]<d」を満たしている場合、図3(B)に示されるように高融点材料のRhの質量パーセントaRhが小さいため、Pt-Rh合金の融点が低くなる。そのため、図4(A)に示されるように、中心電極13の電極チップ31と接地電極14の放電部41との間に火花放電が繰り返し形成された際に、放電部表面410に発汗粒SBが生成され易くなる。この発汗粒SBは内部の結晶粒CGと結合しているため、発汗粒SBを起点として火花放電が繰り返し形成されることにより結晶粒CGの周囲の粒界GBに亀裂が発生すると、より大きな結晶粒CGが発汗粒SBと共に放電部41から脱落し易くなる。結果的に、より大きく放電部41が消耗することになる。
一方、結晶粒CGの粒径dが「d<100[μm]」を満たしている場合には、図4(C)に示されるように粒界GBが増加する。これは、発汗粒SBの生成数を増加させる要因となる。また、発汗粒SBの粒径と結晶粒CGの粒径とが略同等になるため、粒界GBの亀裂の拡大が発汗粒SBの脱落を誘発し易くなる。結果的に、放電部41が消耗し易くなる。
これに対して、結晶粒CGの粒径dが「100[μm]≦d≦400[μm]」を満たしている場合には、図4(B)に示されるように粒界GB及び発汗粒SBが形成される。すなわち、図4(C)に示される場合と比較すると、粒界GBが減少するため、発汗粒SBの生成数が減少する。これにより、発汗粒SBの脱落に起因する放電部41の消耗が抑制される。また、図4(A)に示される場合と比較すると、図4(B)に示される場合の方が高融点材料のRhの質量パーセントaRhが大きいため、Pt-Rh合金の融点が高くなる。そのため、粒界GBの強度が高くなり、粒界GBに亀裂が発生し難くなる。しかも、結晶粒CGの粒径が小さいため、仮に粒界GBに亀裂が発生することにより結晶粒CGが脱落した場合であっても、放電部41の消耗量が相対的に少なくなる。
さらに、結晶粒CGの粒径dが「100[μm]≦d≦400[μm]」を満たしている場合、放電部表面410に形成される発汗粒SBの形状が扁平状になることも確認されている。発汗粒SBの形状が扁平状になることにより、発汗粒SBの形状が球状である場合と比較すると、発汗粒SBの脱落量を低減することができる。
このように、Pt-Rh-Ni合金の結晶粒CGの粒径dが「100[μm]≦d≦400[μm]」であれば、換言すればPt-Rh-Ni合金におけるRhの質量パーセントaRhが「2[wt%]≦aRh≦20[wt%]」であれば、放電部41の消耗を抑制することが可能である。
一方、Pt-Rh-Ni合金に含まれるNiの質量パーセントaNiとPt-Rh-Ni合金の再結晶温度との間には図5に示されるような関係が存在する。図5に示されるように、Pt-Rh合金に対するNiの添加量を増加させるほど、Pt-Rh-Ni合金の製造時の加工硬化により再結晶温度を低下させることができる。Pt-Rh-Ni合金の再結晶温度が低下するほど、接地電極14の放電部41が極高温環境下におかれたときに形成される結晶粒の粒径が大きくなる。具体的には、接地電極14の放電部41が極高温環境下におかれたときに形成される結晶粒の粒径を、上記の特許文献1に記載のスパークプラグよりも大きく、具体的には100[μm]以上にすることが可能となる。
発明者らは、Pt-Rh-Ni合金におけるRhの質量パーセントaRhを「2[wt%]≦aRh≦25[wt%]」の範囲に設定した上で、Niの質量パーセントaNiを変化させたときの放電部41の高温特性とエンジン耐久特性とを実験的に求めた。図6は、その実験結果を示したものである。
なお、図6に示されるように、高温特性に関しては高温強度及び結晶粒径を評価した。高温強度に関しては、1000℃におけるPt-Rh-Ni合金の引張強度が140[MPa]以上であれば良好(○)と判定し、140[MPa]未満であれば不良(×)と判定した。また、結晶粒径に関しては、1100℃の大気雰囲気下で50時間加熱した後のPt-Rh-Ni合金の結晶粒CGの平均粒径が100[μm]以上であれば良好(○)と判定し、100[μm]未満であれば不良(×)であると判定した。
また、エンジン耐久特性に関しては、2000ccの4気筒DOCHエンジンにスパークプラグ10を組み付けて全負荷状態でエンジンを180時間運転させた後に発汗粒生成、粒界亀裂、及び耐消耗性を評価した。発汗粒生成に関しては、発汗粒SBが生成されていなければ良好(○)と判定し、発汗粒SBが生成されていれば不良(×)と判定した。粒界亀裂に関しては、粒界GBに亀裂が発生していなければ良好(○)と判定し、粒界GBに亀裂が発生していれば不良(×)と判定した。耐消耗性に関しては、火花放電ギャップ19の拡大量が0.2[mm]以下であれば良好(○)と判定し、0.2[mm]を超えていれば不良(×)と判定した。
図6に示されるように、Niの質量パーセントaNiが2.5[wt%]未満であるサンプル1~3に関しては粒界亀裂の評価結果が全て不良(×)であった。これらのサンプル1~3では、粒界亀裂の拡大により粒界脱落が発生するため、不良であると判定した。
Niの質量パーセントaNiが2.5[wt%]以上であり、且つ14[wt%]以下であるサンプル4~22に関しては高温強度の評価結果が全て良好(○)であった。したがって、これらのサンプル4~22では、粒界亀裂の発生が抑制されて、粒界脱落による放電部41の消耗が抑制されることを確認した。
Niの質量パーセントaNiが12[wt%]を超えるサンプル20~22に関しては粒界亀裂の評価結果が全て不良(×)となり、且つ耐消耗性の評価結果も全て不良(×)であった。これは、粒界GBの近傍にNi酸化物が生成されることにより粒界GBの強度が低下することが要因であると考えられる。
Niの質量パーセントaNiが2.5[wt%]以上であり、且つ12[wt%]以下であるサンプル4~19のうち、Rhの質量パーセントaRhが2.0[wt%]未満であるサンプル4,10,16に関しては、発汗粒生成の評価結果が全て不良(×)となり、且つ耐消耗性の評価結果も全て不良(×)であった。これは、図4(A)に示されるような結晶粒CGが放電部41に形成されていることが要因であると考えられる。すなわち、高融点材料のRhの含有量が少ない影響によりPt-Rh-Ni合金が低融点化するため、火花放電の形成による発汗粒SBの生成が増加する。その結果、図4(A)に示されるような発汗粒SBの生成に起因する放電部41の消耗が発生する。
図6に示されるように、Niの質量パーセントaNiが2.5[wt%]以上であり、且つ12[wt%]以下であるサンプル4~19のうち、Rhの質量パーセントaRhが25[wt%]であるサンプル7,13,19に関しては、結晶粒径、発汗粒生成、及び耐消耗性のそれぞれの評価結果が全て不良(×)であった。これは、図4(C)に示されるような結晶粒CGが放電部41に形成されていることが要因であると考えられる。すなわち、結晶粒CGの粒径dが「d<100[μm]」を満たす、換言すれば結晶粒CGの粒径dが発汗粒SBの粒径と略同等であるため、発汗粒SBの脱落に起因する放電部41の消耗が発生する。
図6に示されるように、Niの質量パーセントaNiが2.5[wt%]以上であり、且つ12[wt%]以下であるサンプル4~19のうち、Rhの質量パーセントaRhが2.0[wt%]以上であって、且つ20[wt%]以下であるサンプル5,6,8,9,11,12,14,15,17,18に関しては全ての評価結果が良好(○)であった。これは、図4(B)に示されるような結晶粒CGが放電部41に形成されていることが要因であると考えられる。すなわち、結晶粒CGの粒径dが「100[μm]≦d≦400[μm]」を満たし、且つ粒界強度も高いため、発汗粒の粒界脱落に起因する放電部41の消耗が大幅に抑制されている。
図7は、Niの質量パーセントaNiを横軸に、Rhの質量パーセントaRhを縦軸にとって、図7に示されるサンプル1~22の評価結果をプロットしたものである。図7では、図6の表に示される5つの評価項目(高温強度、結晶粒径、発汗粒生成、粒界亀裂、耐消耗性)の全てが良好(○)であるサンプルには「○」がプロットされ、5つの評価項目のうちのいずれか一つが不良(×)であるサンプルには「×」がプロットされている。
図7に示されるように、全ての評価項目が「○」となるのは、Rhの質量パーセントaRhが「2[wt%]≦aRh≦20[wt%]」を満たし、且つNiの質量パーセントaNiが「2.5[wt%]≦aNi≦12[wt%]」を満たす領域である。すなわち、Pt-Rh-Ni合金におけるRhの質量パーセントaRh及びNiの質量パーセントaNiを図7に点ハッチングで示される領域の値に設定すれば、高温強度、結晶粒径、発汗粒生成、粒界亀裂、及び耐消耗性が良好となる。
図8は、Pt-Rh-Ni合金の引張強度とNiの質量パーセントaNiとの関係を示したものである。また、図9は、Pt-Rh-Ni合金の引張強度と粒界亀裂の発生数との関係を示したものである。なお、粒界亀裂の発生数は、2000ccの4気筒DOCHエンジンにスパークプラグ10を組み付けて全負荷状態でエンジンを180時間運転させた後に直径0.7[mm]の放電部表面410に形成された粒界亀裂の数である。
なお、図9には、発明者らの実験により得られた粒界亀裂の発生数CBがCB11~CB18で示されている。なお、発生数CB11~CB18に関しては、発生数が「0」であるものには「○」が付されて、発生するが「1」以上であるものには「×」が付されている。
図9に示されるように、引張強度が140[MPa]以上であれば粒界亀裂の発生数が「0」となる。また、図8に示されるように、Niの質量パーセントaNiが「2.5[wt%]≦aNi」を満たせば、引張強度が140[MPa]以上となる。したがって、Niの質量パーセントaNiが「2.5[wt%]≦aNi」を満たせば、粒界亀裂が発生し難くなるため、放電部41の消耗を抑制することが可能である。
以上説明した本実施形態のスパークプラグ10及びその接地電極14によれば、以下の(1)~(3)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)接地電極14の放電部41は、Ptを主成分とするPt-Rh-Ni合金により形成されている。Pt-Rh-Ni合金は、2[wt%]~20[wt%]のRhを含み、且つ2.5[wt%]~12[wt%]のNiを含んでいる。この構成のようにPt-Ph合金にNiが添加されていれば、製造時の加工硬化による再結晶温度を低下させることができるため、結果として放電部41が極高温環境下におかれたときの結晶粒径を、上記の特許文献1に記載の放電部の結晶粒径よりも大きくすることができる。放電部41の結晶粒径が大きくなることにより、発汗粒SBの生成の起点となる粒界GBが減少するため、発汗粒SBが生成され難くなる。したがって、発汗粒SBの脱落に起因する放電部41の消耗が発生し難くなるため、放電部41の消耗を抑制することができる。また、発汗粒SBの形状が扁平状になることにより、発汗粒SBの形状が球状である場合よりも、発汗粒SBの脱落量を低減することができる。さらに、再結晶粒の粒界GBの強度が増加するため、結晶粒CG自体が粒界GBで脱落することを抑制できる。
(2)Pt-Rh-Ni合金は、1100[℃]の大気雰囲気下で50時間加熱した後の平均粒径が100[μm]以上であり、且つ400[μm]以下の構成を有している。この構成によれば、図7(A)に示されるように、放電部41の消耗量CAを所定量αよりも小さくすることが可能である。
(3)Pt-Rh-Ni合金は、1000[℃]で50時間以上暴露されたときの引張強度が140[MPa]以上となる特性を有している。この構成によれば、図8及び図9に示されるように粒界亀裂が発生し難くなるため、放電部41の消耗を抑制することができる。
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・スパークプラグ10の構造は適宜変更可能である。
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10:スパークプラグ
13:中心電極
14:接地電極
40:接地電極本体
41:放電部

Claims (4)

  1. 中心電極(13)に対向するように設けられる接地電極本体(40)と、
    前記接地電極本体に接合され、前記中心電極との間に火花放電を形成する放電部(41)と、を備え、
    前記放電部は、Ptを主成分とするPt-Rh-Ni合金により形成され、
    前記Pt-Rh-Ni合金は、2[wt%]~20[wt%]のRhを含み、且つ2.5[wt%]~12[wt%]のNiを含んでいる
    スパークプラグの接地電極。
  2. 前記Pt-Rh-Ni合金は、1100[℃]の大気雰囲気下で50時間加熱した後の平均粒径が100[μm]以上であり、且つ400[μm]以下の構成を有している
    請求項1に記載のスパークプラグの接地電極。
  3. 前記Pt-Rh-Ni合金は、1000[℃]で50時間以上暴露されたときの引張強度が140[MPa]以上となる特性を有している
    請求項1又は2に記載のスパークプラグの接地電極。
  4. 接地電極(14)と中心電極(13)との間に火花放電を形成するスパークプラグであって、
    前記接地電極として、請求項1~3のいずれか一項に記載の接地電極が用いられている
    スパークプラグ。
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