JP5955188B2 - 食品用の高油脂ペーストの押出造粒方法 - Google Patents
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Description
(1)固形分100質量部に対して、水分を5〜20質量部、食用油脂を10〜30質量部含む混合物であって、且つ該混合物の固形分100質量部中に、嵩密度が0.1〜0.45g/cm3のセルロースを1〜15質量部含む混合物を押出造粒し、乾燥することを特徴とする顆粒の製造方法。
(2)セルロースが結晶セルロースである(1)に記載の顆粒の製造方法。
(3)水分が請求項1に記載の範囲になる量の生味噌及び、食用油脂としてラードを使用した(1)又は(2)のいずれかに記載の顆粒の製造方法。
押出時の組成物の水分は、固形分100質量部に対して、5〜20質量部が良い。5質量部未満の場合、押出物がパサパサの状態で、造粒が不十分になることがある。逆に水分が20質量%を超えると、押出物のベタツキが強く押出後に付着を起こしてしまう場合がある。好ましくは10〜18質量部である。水分を上記範囲にするために水そのものを添加する方法もあるが、例えば生味噌などの水分含有量の高いもので、上記範囲にすることも出来る。特に生味噌は、水分が多く、べたつきやすいため、一般的には造粒が難しいが、本発明では生味噌を多く含んだ混合物も押出造粒することが可能である。
押出時に含む食用油脂は、固形分100質量部に対して、10〜30質量部が良い。10質量部未満では、一般的に押出造粒が可能な領域であり、油脂を多く含んでも効率的に押出造粒できて、しかも油の浸みだしが少ないという本発明の効果は不明瞭になる。食用油脂が30質量部を超える場合、油の浸みだしを十分に防止することは困難となる。好ましくは15〜25質量部である。用いる食用油脂に特に制限はなく、動物性油脂、植物性油脂、あるいはそれらの水素添加油脂であっても良い。ラードや牛脂は常温で液体上でないため、顆粒を長期保存しても浸みだしにくく、好ましい食用油脂である。
本発明で言うセルロースとは草木類や微生物などから得られる粒径が0.1〜200μmのセルロースのことであり、最も一般的なものとしては木材パルプを機械的若しくは化学的に処理して得られる粉末セルロースや結晶性セルロースなどが挙げられる。例えば、KC−フロック W−50,KC−フロック W−100(G)、KCフロック W−200(G)、KCフロック W−250、KCフロック W−300G,KCフロック W−400G(いずれも製品名、日本製紙ケミカル株式会社)が挙げられる。
本発明のセルロースの嵩密度は0.1〜0.45g/cm3のものが良い。0.1g/cm3未満では、粉舞が激しく、作業性が著しく低下する場合がある。0.45g/cm3を超えると、油脂の浸みだしを十分に抑制できない場合がある。好ましくは0.12〜0.30/cm3である。
本発明でいう押出造粒とは、可塑性を持った原材料を、押出機構部によって、多数の孔を有するダイ、スクリーン面に押し付けて孔より押出して成型する造粒方法のことである。造粒径は特に制限はないが、本発明の顆粒は、スープのもとやふりかけ等の食品での使用が代表的な目的であるため、食感や分散性などの観点からは1〜5mmが好ましい。用いる押出造粒機の種類に特に制限はなく、例えば、スクリュー型押出造粒機、ロール型押出造粒機、ブレード型押出造粒機、自己成型型押出造粒機、ラム型押出造粒機を使用することが出来る。操作の簡便性からは、バケット式のブレード型押出造粒機が好ましい。
本発明の押出後の乾燥方法に関しては、特に制限はなく一般的な乾燥方法で良い。例えば、棚段乾燥機、流動層乾燥機、振動式乾燥機などを用いて乾燥できる。乾燥条件等は一般的な条件で十分である。
本発明の混合物には、食品に使用可能なものであれば、水分、食用油脂、セルロース以外に含まれるものに特に制限はない。必要に応じて香料、増粘剤、澱粉類などの1種類又は2種類以上を含んでいても構わない。
本発明で製造された顆粒は、乳化していない油脂を多く含み風味が良好なため、粉末調味料、粉末飲料、粉末スープ、ふりかけなどの食品として最も好適に利用できる。
25cm3の金属容器を使用し、粉体試料を定量フィーダーを用いて2〜3分かけて当該容器に粗充填し、粉体層上面をへらのような硬い板で水平になるようにならし、その重量を読み取り、これを容積で割った値である。
■押出時の長さ
混合物を押出造粒した際の、スクリーン孔から出てきた押出物の長さを
下記の基準で評価した。
○(良) :押出物が3mm未満の長さで切れる。
△(可) :3mm以上、5mm未満の長さで切れる。
×(不可):5mmを超える押出物が存在する。
■押出時のベタツキ
○(良) :押出しされたもの同士の付着はほとんどない。
△(可) :一部、押出されたもの同士の付着があるが、すぐに解れる。
×(不可):押出されたもの同士で付着し、解れにくい。
■乾燥時の油の浸みだし
棚段乾燥機に布を敷き、そこに顆粒を広げて乾燥した。乾燥時の布への
油染みを観察した。
○(良) :油の浸みだしはマダラである。
×(不可) :布の一面に油が浸みだしている。
■乾燥後の硬さ
○(良) :乾燥することにより、固い顆粒となる。
×(不可):乾燥しても柔らかく、手で軽く触るだけで変形する。
表1の組成に従って、実施例1,2および比較例1〜3の試作を行った。ラード、生味噌以外の粉末原料をあらかじめ粉混ぜし、それを2軸の混合器に仕込んだ。そこにあらかじめ60℃で加熱溶解したラードを加えて、2分間混合した。そこに生味噌を加えて、さらに3分間混合した。得られた混合物をバケット式のブレード型押出造粒機に仕込み、スクリーン径2mmφ、ブレード回転数100rpmで押出造粒した。得られた造粒物を棚式乾燥にて60℃で4時間乾燥した。実施例1の乾燥後の顆粒の見かけ比重は0.43g/cm3、実施例2では0.55g/cm3、比較例1は0.54g/cm3、比較例2では0.55g/cm3、比較例3では0.58g/cm3であった。乾燥後の顆粒の水分は、実施例1が1.9%、実施例2は2.6%、比較例1が2.4%、比較例2は2.9%、比較例3は3.0%であった。
Claims (3)
- 固形分100質量部に対して、水分を5〜20質量部、食用油脂を10〜30質量部含む混合物であって、且つ該混合物の固形分100質量部中に、嵩密度が0.1〜0.45g/cm3のセルロースを1〜15質量部含む混合物を押出造粒し、乾燥することを特徴とする顆粒の製造方法。
- セルロースが結晶セルロースである請求項1に記載の顆粒の製造方法。
- 水分が請求項1に記載の範囲になる量の生味噌及び、食用油脂としてラードを使用した請求項1又は請求項2のいずれかに記載の顆粒の製造方法。
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