JP5016405B2 - 油脂含有顆粒からの油脂の染み出しの制御方法 - Google Patents

油脂含有顆粒からの油脂の染み出しの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は油脂を含有した顆粒の製造法に関する。本発明の顆粒は、食品の油脂原料として有用である。
油脂を固形化する技術としては、従来から基材に浸漬する方法、乳化後噴霧乾燥する方法などが示されてきたが、いずれも加工上、及び食品原料としての使い勝手は良くなく、限られた用途でしか使われていなかった。そのため近年には種々の検討が行われてきた。
例えば、特許文献1は、DE(ブドウ糖当量)18以下の澱粉加水分解物の粘度0〜800c.p.(30℃)の水溶液を、内圧3〜6kg/cm2(温度140〜170℃)の条件下にドラム・ドライヤーで乾燥粉末化し、得られる粉末を粉末化基剤として、これと油脂類とを混合することを特徴とする粉体流動性に優れた紛状含油組成物の製造方法を開示する。また、特許文献2は、油脂、油脂包含用基材およびポリオールとを含んでなる油脂含有組成物であって、その水分含量が15重量%以下であり、粒子径が最大10mm以下で、かつ平均粒子径が5mm以下、安息角が70゜以下であることを特徴とする粉状または粒状油脂を、特許文献3は、油脂、油脂包含用基材、およびポリオールを含有し、水分含有量が15重量%以下であると共に、最大粒径が10mm以下、平均粒径が5mm以下であり、さらに、安息角が70°以下であることを特徴とする粉状または粒状油脂であって、好ましくは固め見掛け比重が0.55〜0.85g/cm3であることを特徴とする粉状または粒状油脂を開示する。
そのほか、表面および/または内部に、0.5〜25重量%の結晶セルロ−ス、5〜60重量%の塩類、合計量で1〜60重量%の膨張剤および酸性剤、または5〜20重量%の糖類のいずれかまたはこれら2種以上の組合せを含有する顆粒状油脂を所望の形状に成型せしめた油脂含有成型品(特許文献4)、水酸化カルシウムまたは水酸化カルシウムに誘導される化合物、油脂、油脂包含用基材およびポリオールを含有することを特徴とする加工食品用品質改良剤(特許文献5)、DE5〜15の澱粉分解物の水溶液に、可溶性澱粉及び/又はポリオールを添加し、ドラムドライヤーにて乾燥し、32〜145メッシュの区分が全体の50重量%以上を占めることを特徴とする粉末化基材(特許文献6)等が検討されてきている。
特開昭50-160303号公報(特公昭60-12399号公報) 特開平1-27430号公報(特許2601300号) 特開2004-35700号公報 特開平5-38254号公報 特開平7-213259号公報 特開平8-143603号公報
上記のような種々の製造方法が検討されてきているものの、実際には油脂含量が固形物当たり30重量%を超えると、得られた固形物からの油脂の染み出しが生じる等の、使い勝手がよくない場合が見られた。食品原料としての使い勝手などを考えた場合には、これまでのように単に基材に包含させるのみではなく、油脂分を封じ込める更なる技術の開発が望まれていた。
これまで、油脂を粉末化・顆粒化するための基材としては、ゼラチン、カゼイン等の親水性タンパク質、澱粉、デキストリン、加工澱粉等の澱粉系のもの、ガム類等の親水性多糖類、核酸、アミノ酸、糖等の低分子のものが知られてきた。しかしながら、その役割や適性については精査されておらず、単に水への溶解性や油脂の吸収性等の観点から選択されてきた。
そこで、基材の組み合わせを検討したところ、油脂を吸収し、包含する機能が高いものと、油脂を包含した基材を顆粒化するための機能が高いものとを併用することにより、高い比率で油脂を含量し、しかも油脂の染み出しの少ない顆粒が製造できることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は以下のものを提供する。
1)30〜50重量%の油脂、油脂吸収性基材、顆粒化基材、及びポリオールを含有する、顆粒状食品組成物。
2)油脂吸収性基材が、緩め見かけ比重が50以下であるデキストリン、及び/又は結晶セルロースである、上記1)記載の顆粒状食品組成物。
3)顆粒化基材が、緩め見かけ比重が30以上のデキストリンである、上記1)又は2)に記載の顆粒状食品組成物。
4)油脂;緩め見かけ比重が50以下のデキストリン、及び/又は結晶セルロースである油脂吸収性基材;緩め見かけ比重が30以上のデキストリンである顆粒化基材;及びポリオールを含有し、油脂吸収性基材及び顆粒化基材の総量が、油脂1重量部に対して0.84〜1.43(好ましくは0.89〜1.36、より好ましくは0.94〜1.30)であり;ポリオールが、油脂1重量部に対して0.050〜0.099(好ましくは0.055〜0.080、より好ましくは0.060〜0.075)
である顆粒状食品組成物。
5)30〜50重量%の油脂、緩め見かけ比重が30以上であり、かつ45以下である油脂吸収性顆粒化基材、及びポリオールを含有する、顆粒状食品組成物。
6)油脂;緩め見かけ比重が30以上であり、かつ45以下のデキストリン、及び/又は結晶セルロースである油脂吸収性顆粒化基材;及びポリオール
を含有し、油脂吸収性顆粒化基材が、油脂1重量部に対して0.84〜1.43(好ましくは0.89〜1.36、より好ましくは0.94〜1.30)である、顆粒状食品組成物。
7)30〜50重量%の油脂、デキストリン及び/又は結晶セルロース、並びにポリオールを含み、油脂の染み出しが、油脂総量の35%以下(好ましくは25%以下、より好ましくは15%以下)である、顆粒状食品組成物。
8)油脂、油脂吸収性基材、顆粒化基材及びポリオール;又は油脂、緩め見かけ比重が30以上であり、かつ45以下である油脂吸収性顆粒化基材、及びポリオールを均一に混合し;混合物を加圧してシート化し;そしてシート化物を解砕することにより顆粒化する工程を含む、上記1)〜7)のいずれかに記載の顆粒状食品組成物の製造方法。
9)油脂吸収性基材、顆粒化基材を用いる、油脂を30〜50重量%含む顆粒状食品組成物からの油脂の染み出しの制御方法。
10)緩め見かけ比重が30以上であり、かつ45以下である油脂吸収性顆粒化基材を用いる、油脂を30〜50重量%含む顆粒状食品組成物からの油脂の染み出しの制御方法。
[顆粒状食品組成物の構成成分]
本明細書の顆粒状食品組成物の構成成分の割合に関し、「重量%」というとき(例えば、「30〜50重量%の油脂」というとき)は、特別な場合を除き、顆粒状食品組成物全重量に対する割合(%)を指す。
油脂:
本明細書で植物油、動物油、または固型脂、半固型脂、液状油およびこれら2種以上の混合物のいずれも含む。本発明においては、食品に用いられるものならいずれの油脂でも使用することができる。油脂の原料は特に限定されず、植物油脂、動物油脂、加工油脂のいずれも用いることができる。例えば、大豆油、なたね油、パーム油、ヤシ油、コーン油、綿実油、ゴマ油、米油、オリーブ油、紅花油、落花生油、グレープシード油、しそ油、亜麻仁油、椿油、月見草油、ハーブ油、豚脂、牛脂、魚油、マーガリン、ショートニング、中鎖脂肪酸含有油、モノグリセリド、ジグリセリド等が挙げられる。油脂の種類も特に限定されず、サラダ油、炒め油、天ぷら油等のいずれも用いることができる。特にごま油、動植物の抽出油などは、本発明により、強い力価を持ったまま粉末化することができ、加工食品などに広く利用することを可能にする。
油脂吸収性基材及び顆粒化基材:
本明細書で「油脂吸収性基材」というときは、特別な場合を除き、その形態は粉状である。油脂吸収性基材は、水に容易に分散することが好ましい。本発明においては、油脂吸収性基材として、デキストリン及び/又は結晶セルロースを用いることができる。
デキストリンとはでん粉を酵素などにより加水分解したものであり、通常重合度(DE)が20以下の澱粉加水分解物のことをいう。油脂吸収性基材として、本発明に用いることができるデキストリンは、原料は特に限定されないが、緩め見かけ比重(ABD)が小さいものほどよい。油脂分を30%以上含有させるためにはABDが、好ましくは70以下であり、より好ましくは60以下、さらに好ましくは50以下である。
ここで、本明細書で「緩め見かけ比重(ABD)」(「ゆるみ見掛け比重(密度)」又は「かさ比重(密度)」ということもある。)というときは、特別な場合を除き、粉状試料のタッピングしない状態の単位体積たりの質量値(g/cm3)をいい、一定容量のカップに粉状試料を加え、粉体の表面を擦り切って秤量し、この時の粉体試料の重さをカップの内容量で除した数値をいう。具体的には、静置した内容積200ccのカップに対象物を入れ、カップの上の余分なものをブレードですりきったときの被測定物の質量(g) を200で除した値として得ることができる。必要に応じ、数回の測定から得られた平均値を、その試料の緩め見かけ比重とする。
油脂吸収性基材として、本発明に用いることができる結晶セルロースとしては、セオラス、セルフィア(いずれも旭化成ケミカルズ株式会社)等がある。
本明細書で「顆粒化基材」というときは、特別な場合を除き、その形態は粉状である。顆粒化基材は、水に容易に分散することが好ましい。
一般に、油脂を吸収した粉状基材は流動性、吸着性等をもつことが多く、顆粒化を悪くする方向に作用する。したがって、本発明においては、油脂を吸着するための油脂吸着性基材とともに、その顆粒化を可能にするために、顆粒化基材を用いる。本発明における顆粒化基材としては、デキストリン及び/又は澱粉を用いることができる。
デキストリンを用いる場合には、緩め見かけ比重(ABD)は20以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましい。それ以下のものでは顆粒化が困難となる。
本発明において、デキストリンの特性を表す因子を探求したところ、緩め見かけ比重(ABD)、固め見かけ比重(PBD)及びこの割合である圧縮度などの特性値のうち、ABDが油脂吸着性基材及び/又は顆粒化基材としてのデキストリンの選択の際に重要であることを見出した。すなわち、ABDが小さいほうが油の吸収能力が大きいが、逆にABDが一定以上大きいものは顆粒化基材としての能力に優れていることを見いだした。
具体的には、油脂分を30%以上含有させるとの観点からは、ABDが50以下であることが好ましく、45以下であることがより好ましい一方で、顆粒化するとの観点からは、ABDは30以上であることが好ましい。そしてデキストリン1種で、油脂高含有の顆粒状組成物を製造するためには、油脂吸収性基材及び顆粒化基材それぞれに必要な特性を併せもつ基材(本明細書では、このような基材を「油脂吸収性顆粒化基材」ということもある。)、例えばABDが、30以上であり、かつ45以下であるデキストリンを用いることが好ましい。このようなデキストリンの例として、パインデックス#100を挙げることができる。
さらに、油脂吸収性顆粒化基材の使用は、結果として、油脂吸収性基材として機能可能な基材を多く配合できることになるので、油脂の含有量を上げるのみではなく、溶解性が高い高濃度油脂含有顆粒を製造することが可能になる。
本発明においては、油脂吸収性基材、顆粒化基材及び/又は油脂吸収性顆粒化基材の一部を、エキスパウダー、アミノ酸、食塩、糖類、香辛料等の粉末調味料と置き換えることができる。
ポリオール:
本発明に用いることのできるポリオールとしては、グリセリン、プロピレングリコール等の無毒性グリコール及び糖類又は糖アルコール類が挙げられる。中でも常温で液体のポリオールが好ましく、グリセリンがさらに好ましい。
本発明では、油脂を吸着したデキストリン、セルロース等の油脂吸収性基材と顆粒化する際の固形性を保つための顆粒化基材を混合した基礎となる基材をポリオールを介して凝集することにより、油を包含した顆粒を形成していると推測される。
本発明では、デキストリン、セルロース等の油脂吸収性基材の中に油脂を包含した粉状物を、顆粒化基材がポリオールを介して凝着させることにより、油を包含した顆粒が製造可能になるものと思われる。
本発明におけるポリオールの使用量は、当業者であれば、適宜決定することができるが、例えば、油脂1重量部に対して0.050〜0.100、好ましくは0.055〜0.080、より好ましくは0.060〜0.075用いることができる。
他の成分:
本発明の顆粒においては、各種エキスパウダー、タンパク質分解物、アミノ酸、塩類、糖類、香辛料、香料、酸味料、安定剤(カゼインナトリウム、キサンタンガム)、乳化剤、酸化防止剤等の固形成分を配合することができる。このような成分が、油脂吸収性基材、顆粒化基材として働く場合もある。
[顆粒状食品組成物]
本発明の顆粒状食品組成物は、30〜50重量%の油脂、デキストリン及び/又は結晶セルロース、並びにポリオールを含んでおり、油脂の染み出しが、油脂総量の35%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは15%以下である。なお、本明細書で油の染み出しに関し、総油脂量に対する割合をいうときは、特別な場合を除き、重量を基準とした値(%)をいう。油の染み出しは、ろ紙の上に試料0.8gを置き、60分放置後、試料を捨て、ろ紙の重さを測定し、測定前のろ紙の重さとの差を求めることにより、測定することができる
[顆粒状食品組成物の製造方法]
本発明の顆粒は、油脂、油脂吸収性基材、顆粒化基材及びポリオール、又は油脂、基材、及びポリオール類を均一に練合し、必要により加圧によりシート化したものを、解砕することにより、製造することができる。
練合のためには、従来の食品製造工程上用いる混合機、混練機または造粒機等が使用できる。具体的には、リボンブレンダー、スクリューミキサー、ドゥミキサー、擂潰機、各種ニーダー、および混合造粒機、流動層造粒機、押出し造粒機等が挙げられる。当業者であれば、スクリュー等の回転速度及び混合時間等は、スケールや配合比に応じて、適宜設定することができる。混合の際には加温してもよい。温度も当業者であれば、適宜設定することができ、30〜50℃、例えば40℃とすることができる。
混合物は、次いで、シート化される。シート化は、混合物をローラーコンパクター等で、必要に応じ加圧しつつ、実施される。加圧は、例えば1〜100kg/cm2、好ましくは10〜50kg/cm2、より好ましくは30kg/cm2で行うことができる。シート化物は、一定時間放置し、硬化させる。
シート化物は、次いで解砕し、顆粒化する。
[顆粒状食品組成物の用途]
本発明の顆粒状食品組成物は、調味料、スープの素等の用途に適している。特に油脂として香味成分(脂溶性フレーバー等)を溶解した油脂を用いた場合、油脂を乳化することなく顆粒内部に保持しているため、香味が引き立つ。本発明の顆粒状食品組成物は、食品への風味付け、コク出しに適する。
本発明の顆粒状食品組成物は、インスタント食品、総菜、製菓、畜肉加工品、水産加工品、漬け物、調味料等に用いることができる。具体的な用途としては、麺、スープ、カレー、シチュー、たれ、ソース等が挙げられる。
また、通常の固形油脂の場合には、白濁した、小さな油滴しかできないのに対し、本発明の顆粒状食品組成物は透明感のある、大きな油滴を作ることが可能である。
以上のような方法により高油脂含有でかつ染み出しの少ない顆粒状食品組成物が製造可能になった。
また、一方で実質的には不可能であった油脂含量、35%以上の顆粒を実現することにより、単に製造原価の低下のみならず、不要な基材を減らすことにより、油脂の持つ呈味をより直接的に、強く発現することを可能にした。
[実施例]
以下の実施例で使用したデキストリンの特性を下表に示した。
Figure 0005016405
各特性値は以下のように測定した
ABD(緩め)・・・緩め見かけ比重。上から粉体を一定の容器に自由落下させ、容積と重量を測定して算出した。
PBD(固め)・・・固め見掛け比重。一定の容器に粉体を入れ、一定時間タッピングして固めてから容積と重量を測定して算出した。
なお、ABD及びPBDの実測値は、パウダーテスター(HOSOKAWA MICROMERITICS LABORATORY社製)を使って測定した。また、圧縮度は以下の計算式で求めた。
Figure 0005016405
油脂含有顆粒の製造:
下表の割合で油(日清サラダ油)とデキストリン粉末と乳糖とグリセリンとを5Lの二軸ニーダーで均一になるまで混合した後に、得られた混合物をローラーコンパクターTF-mini(フロイント産業株式会社製)により圧縮後、シート化し、一定時間加熱することにより油をなじませた後に、冷却した。その後、7meshのSUS製織り網で押し出すことにより解砕、整粒することにより粒状油脂を得た。
油の染み出し:
ろ紙の上にサンプル0.8gを置き、油のろ紙への染み出しを目視により観察した。
Figure 0005016405
マックス1000のみを用いた場合、油脂含量30%の顆粒までは製造できるが、それを超えた場合には、シート化する際に油脂分が粉体と分離して、以降の工程にはかけられなかった。
一方、パインフローを加えることにより油脂分は粉体中に保持され、染み出しは防ぐことができた。しかし、パインフローの割合を増やし、マックス1000の割合を減らしていくと(No.1、2、6及び7のサンプル)、油の染み出しは少なくなっていくものの、もろく、シートにはならなかった。No.3の処方により40%の濃度の油脂含有顆粒の製造が可能であるが、油の染み出しは完全には防がれてはいなかった。
パインフローにかえて、パインデックス#100を用いた場合には(サンプルNo.5)についてはシート化特性、油の染み出しとも良好であった。
次に、パインデックス#100を用いた試験を実施した。
油脂含有顆粒の製造:
下表の割合で油(日清サラダ油)とデキストリン粉末と乳糖とグリセリンとを500Lの二軸ニーダー(不二パウダル株式会社製)で均一になるまで混合した後に、得られた混合物をローラーコンパクターRC-3012 (フロイント産業株式会社製の乾式造粒機)により圧縮後、シート化し、一定時間加熱することにより油脂をなじませた後に、冷却した。その後、7meshのSUS製織り網で押し出すことにより解砕、整粒することにより粒状油脂を得た。
染み出し量の測定:
ろ紙の上にサンプル各0.8gを置き、10分、20分、30分、40分、50分、及び60分放置した(6種類)。所定の時間経過後、サンプルを捨て、ろ紙の重さを測定し、測定前のろ紙の重さとの差を求めることにより油の量を測定した。
また、各ろ紙について油が染み出た部分を切りとり、6種類をまとめてエーテルに浸し、エーテルを蒸発させた後の残留物の重量を測定し、実測値とした。
Figure 0005016405
パインデックス#100についてはサラダ油40%まで、特に問題なく製造することができた。油の染み出しも低いレベルに抑えることが出来た。また、油脂配合比50%の場合には、顆粒化することは出来るものの、油の染み出しはし易い傾向が見られた。また、油脂配合比が50%を超える場合は、そもそも顆粒化ができず、この配合においては、油脂配合比は50%が上限値と推測された。
以上のようにサンプルNo.8-10については良好に油脂含量顆粒を製造できた。
セルロース系食物繊維素材を用い、実施例2と同様に、油脂含有顆粒を製造した。顆粒からの油の染み出しは、実施例1と同様に観察した。
Figure 0005016405
セオラス(セルロース系食物繊維素材)を加えたところ、油脂は吸うものの、ぽろぽろしてシートになりにくかったが、油脂配合比を35%以上にすること、マックス1000等、顆粒化特性が高い素材と組み合わせることによって顆粒化が可能になった。
また、他の食物繊維素材では、油脂の保持はできず、セルロース系特有の現象であることが示唆された。
以上のように、サンプルNo.13,14,15によって油脂含有顆粒を製造できた。
顆粒化特性の高い澱粉の配合比を増やし、実施例2と同様に、油脂含有顆粒を製造した。顆粒からの油の染み出しは、実施例1と同様に観察した。
Figure 0005016405
油脂の吸収能があるセオラスと、顆粒化特性が高い澱粉を併用することによって、顆粒化が可能になった。
下表の配合比で実施例2と同様に、油脂含有顆粒を製造し、また顆粒からの油の染み出し量を実施例2と同様に測定した。
Figure 0005016405
セオラスを使った場合は、油の染み出し量はデキストリンを使った場合よりは多いものの、新しい食物繊維の使用方法を提案することができた。

Claims (1)

  1. デキストリン及び/又は結晶セルロースである油脂吸収性基材、デキストリン及び/又は澱粉である顆粒化基材を用い、それらと油脂とを混合し、シート化する工程を経ることを特徴とする、油脂を40〜50重量%含む顆粒からの油脂の染み出しの制御方法であって、このとき
    油脂吸収性基材及び顆粒化基材の総量が、油脂1重量部に対して0.94〜1.3重量部であり、かつポリオールの量が油脂1重量部に対して0.060〜0.075重量部であるように用いる、方法。
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