JP5951559B2 - シートバック構造 - Google Patents
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Description
このため、下記特許文献1に示されるように、従来から、シートバックにおける着座者の背面を支持する支持板部材が着座背面方向(シートバックの幅方向)に回動可能とされた構成のシートバック構造が提案されている。これにより着座者の着座姿勢等の変化に対応して支持板部材を幅方向に回動変化させて支持することができ、着座状態における疲労の蓄積の低減を図っている。
本発明は、着座者の背部を支持する支持板部材がシートバックの幅方向に面して配設され、該支持板部材はシートバックの骨格を形成するフレーム部材の相対的に上方位置で幅方向に延在して配設される部材に幅方向に回動可能に軸支されて配設されるシートバック構造であって、シートバックの前後方向における前記支持板部材と前記フレーム部材との間には、該フレーム部材に対して前記軸支により幅方向に回動可能とされる支持板部材の回動軌跡を変更する回動軌跡変更手段が装備されていることを特徴とする。
先ず、前記回動軌跡変更手段は、前記支持板部材のフレーム部材に対する軸支位置が相対的に上下方向に移動可能に構成されていると共に、前記支持板部材の回動移動は前記フレーム部材側に配設される変形可能な回動案内板部材により画定される案内軌跡に沿って行なわれる構成とからなり、前記回動案内板部材を変形させることにより前記支持板部材の回動軌跡が変更される構成であるのが好ましい。
このように回動軌跡変更手段を構成するときには、比較的簡単なメカ機構により確実に作動させることができる。
このように回動案内板部材がバネ鋼で形成されていることにより、ピン部材の幅方向への近接又は離間移動により容易に変形させることができる。また、ローラ部材により支持板部材を抵抗少なく回動させることができる。
シートバック12は、フレーム部材14によって骨格が形成される。フレーム部材14は、アッパフレーム14Aと、サイドフレーム14Bと、ロアパネル14Cとから成っている。アッパフレーム14Aはパイプが折り曲げられて逆U字形に形成されて、上部位置に配設されている。サイドフレーム14Bはフランジ付の板状で形成されており、逆U字形のアッパフレーム14Aの両側下部位置に溶接等により接続連結されている。ロアパネル14Cは左右両側に配設されるサイドフレーム14B、14Bの下部位置間を橋架する状態として配設されている。これによりフレーム部材14は全体形状が枠形状として構成され、シートバック12の骨格を形成する。なお、図1で見てロアパネル14Cと並行に配設されているのは連結ロッド16であり、ロアパネル14Cと同様に両側のサイドフレーム14B、14Bの下部位置間に配設されている。このため連結ロッド16もフレーム部材14の役割をなすと共に、シートバック12がリクライニング機構を備える場合には、回動軸としても機能する。なお、連結ロッド16はロアパネル14Cの前方位置に配設されている。
支持板部材18の上部中央位置に配設される回動軸支点構成20は、支持板部材18の上部中央位置に縦方向の長孔22が形成されており、この長孔22に段付ボルト24Aとナット24Bで形成された回動軸24が嵌合して構成されている。この嵌合は長孔22に形成されていることから、長孔22と回動軸24とは相対的に上下方向に移動可能として嵌合されている。回動軸24の段付ボルト24Aは、フレーム部材14のアッパフレーム14Aに溶接等により固着されたアッパブラケット26の取付け孔26aに嵌合してナット24Bにより締着されている。したがって、本実施形態における回動軸支点構成20が本発明の軸支に相当し、アッパフレーム14Aが本発明で言う「フレーム部材の相対的に上方位置で幅方向に延在して配設される部材」に相当する。
なお、回動案内板部材34が基板32に固定される位置は略中央部位置のみであり、その両側は、図1及び図2で見て上下方向に撓み変形可能とされている。本実施形態では、具体的には回動案内板部材34の両側は上方向に円弧状に撓み変形されるようになっている。そして、この回動案内板部材34の撓み変形位置により該回動案内板部材34による案内軌跡が画定され、支持板部材18の回動軌跡が決定されるようになっている。
なお、操作軸ネジ棒40の一端には操作部位42が形成されており、本実施形態ではこの操作部位42を手動で回転操作することにより、回動案内板部材34を撓み変形させて回動軌跡を変更させることができるようになっている。また、他端には当該操作軸ネジ棒40が基板32への取付け状態から外れないようにナット44が螺合されている。
なお、ローラ部材46はベアリング部材で構成することもできる。いずれにしても揺動時における揺動抵抗を小さくするために回転させて支持するようにするのが良い。
上述した支持板部材18を揺動させる回動軌跡は、発明者らの実験に基づく解析によれば、着座者の体格差に応じて変化させるのが好ましいことが判明した。自動車等乗物用シートにおけるシートバックの左右旋回時における揺動は、相対的に体格の小さい着座者に対しては相対的に曲率の小さい円弧状軌跡の揺動とするのが好ましく、逆に、相対的に体格の大きい着座者に対しては相対的に曲率の大きい円弧状軌跡の揺動とするのが好ましい。
これを回動軸24の位置で見ると、相対的に体格の大きい着座者の場合は相対的に上方位置とするのが好ましく、相対的に体格の小さい着座者の場合は相対的に下方位置とするのが好ましいとされる。このように自動車の旋回時における着座者の支持板部材18による揺動支持を、着座者の体格差に応じて調整して支持することにより、着座者の体格差に応じた姿勢保持を支援することが可能となり、着座者の疲労の低減を図ることができる。
本実施形態では、相対的に体格の大きい着座者の場合には、例えば、操作軸ネジ棒40の操作部位42を時計廻り回転方向に回動操作して、左右のピン部材38A、38Bを相対的に離間する方向に移動させて、バネ鋼で形成された回動案内板部材34を相対的に大きな曲率の円弧形状に変形させる(図3に実線で示す回動案内板部材34)。これにより支持板部材18はローラ部材46により案内されて相対的に大きい曲率の円弧形状での揺動回転が可能となる。したがって、相対的に体格の大きい着座者の旋回時の着座状態の着座姿勢の変化に応じて曲率の大きい円弧軌跡の好ましい揺動をすることができる。また、この場合の回動軸24の相対的位置は回動案内板部材34の曲率が大きいことから相対的に下方位置の回動中心となって揺動回転する。
次に、相対的に体格の小さい着座者の場合には、例えば、操作軸ネジ棒40の操作部位42を反時計廻り回転方向に回動操作して、左右のピン部材38A、38Bを相対的に近接する方向に移動させて、バネ鋼で形成された回動案内板部材34を相対的に小さな曲率の円弧形状に変形させる(図3に破線状態で示す回動案内板部材34)。これにより支持板部材18はローラ部材46により案内されて相対的に小さい曲率の円弧形状での揺動回転が可能となる。したがって、相対的に体格の小さい着座者の旋回時の着座状態の着座姿勢の変化に応じて曲率の小さい円弧軌跡の好ましい揺動をすることができる。また、この場合の回動軸24の相対的位置は回動案内板部材34の曲率が小さいことから相対的に下方位置の回動中心となって揺動回転する。
以上のように、本実施形態によれば、着座者の体格差に応じて旋回時等における好ましいシートバックの支持構成とすることができて、血流の促進、ストレッチによるリラックス効果を増大させることができて、着座時の疲労の低減をより図ることができる。
例えば、回動軸支点20の構成は、アッパブラケット側に長孔を形成し、支持板部材に段付ボルトの回動軸を相対不可に取付けて、両者を相対的に縦方向に移動可能に構成しても良い。
また、上記の実施形態では、回動軌跡の変化は操作軸ネジ棒40の一端の操作部位42を手動で操作することにより行うものであったが、この操作軸ネジ棒40を自動的に回動させる自動装置とすることもできる。
12 シートバック
14 フレーム部材
14A アッパフレーム
14B サイドフレーム
14C ロアパネル
16 連結ロッド
18 支持板部材
20 回動軸支点構成
22 長孔
24 回動軸
24A 段付ボルト
24B ナット
26 アッパブラケット
28 固定ビス
30 回動軌跡案内構成
31 軸体
32 基板
34 回動案内板部材
36 固定部材
38 ピン部材
38A 右ピン部材
38B 左ピン部材
40 操作軸ネジ棒
42 操作部位
44 ナット
46 ローラ部材
Claims (3)
- 着座者の背部を支持する支持板部材がシートバックの幅方向に面して配設され、該支持板部材はシートバックの骨格を形成するフレーム部材の相対的に上方位置で幅方向に延在して配設される部材に幅方向に回動可能に軸支されて配設されるシートバック構造であって、
シートバックの前後方向における前記支持板部材と前記フレーム部材との間には、該フレーム部材に対して前記軸支により幅方向に回動可能とされる支持板部材の回動軌跡を変更する回動軌跡変更手段が装備されていることを特徴とするシートバック構造。 - 請求項1に記載のシートバック構造であって、
前記回動軌跡変更手段は、前記支持板部材のフレーム部材に対する軸支位置が相対的に上下方向に移動可能に構成されていると共に、前記支持板部材の回動移動は前記フレーム部材側に配設される変形可能な回動案内板部材により画定される案内軌跡に沿って行なわれる構成とからなり、前記回動案内板部材を変形させることにより前記支持板部材の回動軌跡が変更される構成であることを特徴とするシートバック構造。 - 請求項2に記載のシートバック構造であって、
前記回動案内板部材はバネ鋼で形成されており、シートバックの幅方向に延びて配設され、かつ、その厚み方向は上下方向として配設されており、更に、該バネ鋼の回動案内板部材は、該回動案内板部材に接して該回動案内板部材を変形可能に配設される2個のピン部材の近接又は離間方向の移動により変形させられて案内軌跡が画定され、該2個のピン部材はシートバックの幅方向に並列に配置されて幅方向に近接又は離間移動するものであり、前記により案内軌跡が画定された回動案内板部材を、支持板部材に取付けられその上下面に当接して配設された上下ローラ部材が転動していくことにより支持板部材が回動することを特徴とするシートバック構造。
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