JP5950921B2 - 極細繊維シート - Google Patents

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Description

関連出願
本願は、日本国で2011年9月28日に出願した特願2011−212471の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本出願の一部をなすものとして引用する。
本発明は、平均繊維径500nm以下の極細繊維からなる極細繊維集合体を備えるシートに関する。
繊維径がミクロンサイズからナノメートルサイズの極細繊維で構成される、不織布等に代表される繊維集合体からなるシートは、リチウム二次電池のセパレータ或いは電解質膜、燃料電池のセパレータ、フィルタ、医療用分野などの幅広い用途にて使用されている。
繊維径がナノメートルサイズの極細繊維からなる繊維集合体を作製する方法として、静電紡糸法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、高分子溶液あるいは高分子融液を紡糸ノズルから押出す際に、紡糸ノズルと対向電極間に高電圧を印加し、ノズル内の誘電体に電荷を蓄積させることにより、静電気的な反発力で極細繊維を製造するというものである。特許文献1では、溶媒として高揮発性の溶媒を用いたり、高分子溶液の温度を高めることによって、高分子の濃度を大幅に落とさない範囲で高分子溶液の粘度を低下させて繊維が太くなるのを抑制している。
また、特許文献2には、プロトン伝導性ポリマーに繊維形成性の有機高分子を添加して紡糸原液を調製し静電紡糸することで不織布状の繊維集合体からなるシートを得ることが検討されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−249966号公報 特開2006−233355号公報
しかしながら、特許文献1に代表されるような静電紡糸法では、高分子の濃度をある程度高く保つ必要があるため、ウェブを構成する繊維の繊度を小さくすることはできず、たとえ、数nm〜数千nmの間の直径を有すると記載されていても、この文献では、ウェブにおける平均繊維径を小さくすることはできない。
また、特許文献2では、プロトン伝導性ポリマーという特殊なポリマーを利用することが必須であるためか、繊維の細繊度化の可否が不明である。また、この文献では、不織布を構成する繊維の平均繊維径が3μm以下であると規定しているものの、実施例からもあきらかなように、実際に製造される繊維構造体を構成する繊維の平均繊維径は1μm前後であり、さらなる細繊度化を達成することができない。
本発明の目的は、従来にない細繊度化を達成でき、平均繊維径500nm以下の極細繊維で構成される繊維集合体からなる極細繊維シートを提供することにある。
本発明の別の目的は、繊維形成性の低いポリマーを用いた場合であっても、細繊度化を達成できる極細繊維シートを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、液体の吸液性に優れるとともに、剥離耐性にも優れた極細繊維シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、極細繊維シートを構成する極細繊維のストレート性に優れた極細繊維シートを提供することにある。
本発明者等は上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、静電紡糸を行なう際に用いられる高分子の分子量に着目し、(i)更なる細繊度化を達成するためには、紡糸原液を構成する高分子の分子量を低分子量化することが必要であること、(ii)しかしながら、重量平均分子量が10万以下の低分子量のポリマーを用いた場合においては、静電紡糸を行う場合に、「ビーズ」と呼ばれるポリマー状の塊が生成しやすくなり、ナノメートルサイズの極細繊維が製造困難であることを課題として見出し、さらにこの課題を解決するために、(iii)このような低分子量のポリマーに対して、特定の分子量の関係を有する高分子量ポリマーを副成分として組合わせて静電紡糸を行うと、従来にない極細繊維で形成された極細繊維シートを形成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、主成分としての重量平均分子量が5000〜10万の溶剤紡糸性ポリマー(A)と、副成分としての、ポリマー(A)よりも10倍以上の重量平均分子量を有するポリマー(B)とで構成され、構成繊維の平均繊維径が10〜500nmである極細繊維集合体を備える極細繊維シートである。
前記極細繊維シートにおいて、ポリマー(A)は、低伝導性または非伝導性ポリマーであり、および/またはポリマー(B)は、増粘性ポリマーであってもよい。また、ポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率が(A):(B)=10:1〜10000:1程度であってもよい。
好ましくは、ポリマー(A)は、(i)エチレンービニルアルコール共重合体、または(ii)ジアミン単位として、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を含むポリアミドであってもよい。より詳細には、前記ポリアミドは、ジカルボン酸単位とジアミン単位よりなるポリアミドであって、ジカルボン酸単位の60モル%以上がテレフタル酸単位であり、ジアミン単位の60モル%以上が1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位で構成されるポリアミドであってもよい。
一方、好ましくは、ポリマー(B)は、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、あるいはポリアクリルアミドのいずれかであってもよい。特に、ポリマー(B)の重量平均分子量が50万以上であるのが好ましい。
前記極細繊維集合体は、構成繊維のストレート性に優れており、例えば、倍率5000倍で撮影した極細繊維集合体の断面において、100μmあたりのビーズ発生数が、5以下であってもよい。
また、このような極細繊維集合体は、静電紡糸法によって得ることができる。
なお、請求の範囲および/または明細書に開示された少なくとも2つの構成要素のどのような組み合わせも、本発明に含まれる。特に、請求の範囲に記載された請求項の2つ以上のどのような組み合わせも本発明に含まれる。
本発明によれば、分子量の低いポリマーであっても、該ポリマーに対して特定の分子量の関係を有するポリマーを添加することで平均繊維径が500nm以下の極細繊維からなるシートを得ることが可能となる。
本発明の一実施態様では、たとえ繊維形成性の低いポリマーを用いた場合であっても、細繊度化を達成できる極細繊維シートを得ることができる。
本発明の別の実施態様では、液体を速やかに吸収できるだけでなく、剥離耐性にも優れた極細繊維シートを得ることができる。
本発明のさらに別の実施態様は、極細繊維シートを構成する極細繊維におけるビーズ状の塊の発生を抑制し、ストレートな構成繊維で構成された極細繊維シートを得ることができる。
この発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきでない。この発明の範囲は添付のクレームによって定まる。
実施例1で得られた極細繊維シートの走査型電子顕微鏡写真(倍率5000倍)である。 比較例2で得られた極細繊維シートの走査型電子顕微鏡写真(倍率5000倍)である。
[極細繊維シート]
本発明に係る極細繊維シートは、主成分としての重量平均分子量が5000〜10万の溶剤紡糸性ポリマー(A)と、副成分としての、ポリマー(A)よりも10倍以上の重量平均分子量を有するポリマー(B)とで構成され、構成繊維の平均繊維径が10〜500nmである極細繊維集合体を備える。
極細繊維集合体は、一態様として、ビーズの発生を抑制したストレートな繊維で構成されながらも、従来にない細繊度が可能であるため、平均繊維径が好ましくは400nm以下であってもよく、より好ましくは300nm以下であってもよく、特に好ましくは250nm以下であってもよい。
なお、本明細書において、ビーズとは、エレクトロスピニング特有のビーズと呼ばれる未繊維化の粒子状物であって、平均繊維径の5倍以上の太さをもつ塊状の部位を意味している。
本発明にかかる極細繊維集合体では、走査型電子顕微鏡により倍率5000倍で撮影した繊維集合体の断面において、100μmあたりのビーズ発生数を、例えば5以下に、好ましくは4以下に、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下、特に好ましくは1以下に抑制することが可能である。
また、本発明にかかる極細繊維集合体は、細繊度でストレートな形状を有する極細繊維で構成されているため、液体を速やかに繊維内へと吸収することができる。例えば、極細繊維シートは、極細繊維集合体側において、3cm角のシート中心に純水を1滴(0.02mL)落とした場合、700秒以下、好ましくは600秒以下で液体を内部へと吸収してもよい。
[ポリマー(A)]
本発明において、ポリマー(A)は、重量平均分子量が10万以下の低分子ポリマーであり、例えば、重量平均分子量は5000〜10万であってもよく、好ましくは8000〜9万であってもよく、または1万〜10万であってもよく、好ましくは1万〜8万であってもよい。
本発明においては、ポリマー(A)が低分子量ポリマーであるため、低伝導性または非伝導性ポリマーであっても、静電紡糸方法において細繊度の極細繊維からなるシートを形成することができる。
このようなポリマー(A)は、上述の平均繊維径を有する極細繊維シートを形成できる限り特に限定されないが、エチレンービニルアルコール共重合体やジカルボン酸単位とジアミン単位よりなるポリアミドなどが好ましい。
本発明のポリマー(A)に用いられるエチレンービニルアルコール共重合体はエチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物を成分とする。該共重合体に含有されるエチレンの量は水中における形態安定性の点から、25〜70モル%のものが用いられる。エチレンの含有量が25モル%よりも低い場合、得られる繊維は水に溶解しやすい性質を有するため、繊維間同士で膠着が発生するといった問題点がある。一方、エチレンの含有量が70モル%よりも高い場合は、融点が120℃以下の低融点の繊維となるため、耐熱性が劣るといった問題点がある。好ましくは30〜50モル%である。
また本発明のポリマー(A)に用いられるエチレンービニルアルコール共重合体において、ケン化度は80モル%以上であることが好ましく、さらに好ましくは98モル%以上である。ケン化度が80モル%未満ではエチレンービニルアルコール共重合体の結晶化度が低下するので、極細繊維の強度的性質にとって好ましくない。
次に本発明のポリマー(A)に用いられるポリアミドとしては、ジカルボン酸単位とジアミン単位よりなるポリアミドであって、ジカルボン酸単位の60モル%以上がテレフタル酸単位であり、ジアミン単位の60モル%以上が1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位で構成されるポリアミドであることが好ましい。
ポリアミドが、テレフタル酸単位と共に他のジカルボン酸単位を有する場合は、他のジカルボン酸単位として、例えば、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4'−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4'−ジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸の1種または2種以上に由来するジカルボン酸単位を有することができる。
また、本発明のポリマー(A)に用いられるポリアミドは、必要に応じて、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸に由来する構造単位を、上記したポリアミド極細繊維の形成が可能な範囲で有していてもよい。
そのうちでも、ポリアミドを構成する全ジカルボン酸単位に対して、芳香族ジカルボン酸単位の割合が、75モル%以上、特に100モル%であることが好ましい。
ポリアミドが、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位と共に他のジアミン単位を有する場合は、他のジアミン単位として、1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミン以外の炭素数が6〜12のアルキレンジアミン、具体例としては、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン;前記した炭素数6〜12のアルキレンジアミン以外のジアミン、具体例としては、エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルジアミン、トリシクロデカンジメチルジアミンなどの脂環式ジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、キシレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンの1種または2種以上に由来するジアミン単位を有していることができる。
本発明のポリマー(A)に用いられるポリアミドでは、ポリアミドを構成する全ジアミン単位に対して、炭素数6〜12のアルキレンジアミン単位の割合が、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位をも含めて、75モル%以上、特に90モル%以上であることが好ましい。
また、本発明のポリマー(A)に用いられるポリアミドでは、当該ポリアミド分子鎖におけるアミド結合(−CONH−)とメチレン基(−CH2−)のモル比[(−CONH−)/(−CH2−)]が、1/2〜1/8、特に1/3〜1/5であることが好ましい。
本発明のポリマー(A)の重量平均分子量は通常10万以下であり、特に8000〜20000のものが好適に使用される。
上記した本発明のポリマー(A)を溶媒に溶解して紡糸原液を調製し、この紡糸原液から極細繊維を製造することができる。エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶媒に溶解する場合には、ジメチルスルホキシド(DMSO)や、メチルアルコールやエチルアルコール、1−プロパノールといった低級アルコールと水との混合物を溶媒として、エチレン−ビニルアルコール共重合体溶液を作製し、これを紡糸原液として用いることができる。
一方、本発明のポリアミドを有機溶媒に溶解して調製した溶液を紡糸原液として用いる場合は、有機溶媒としては、ポリアミドを溶解し得る有機溶媒のいずれもが使用でき、具体例としては、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、フェノール、クレゾール、濃硫酸、蟻酸などのプロトン性極性溶媒、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)などの非プロトン性極性溶媒などを挙げることができる。そのうちでも、有機溶媒としては、ヘキサフルオロイソプロパノール、蟻酸が紡糸原液の安定性の点から好ましく用いられる。
しかしながら、本発明のエチレンービニルアルコール共重合体やポリアミドは上記したような重量平均分子量が10万以下の低分子量ポリマーであるため、溶媒に溶解して調製した紡糸原液から平均繊維径500nm以下の繊維からなるシートを製造する場合、「ビーズ」の発生が著しくなり、シートの外観などの品位を著しく損なう傾向がある。
そこで、本発明者等は鋭意検討した結果、上記ポリマー(A)よりも10倍以上重量平均分子量を有するポリマー(B)を紡糸原液中に少量添加することで、平均繊維径500nm以下の繊維で構成されたシートが得られることを見出した。
[ポリマー(B)]
本発明に用いられるポリマー(B)は、ポリマー(A)の極細繊維の形成能を向上させるために、ポリマー(A)よりも10倍以上の重量平均分子量を有している。好ましいポリマー(B)としては、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミドなどの増粘性合成高分子;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘性セルロース誘導体などの増粘性ポリマーが挙げられる。これらの中でもエチレンービニルアルコール共重合体やポリアミドと混和、相溶させるという点からポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、あるいはポリアクリルアミドのいずれかであることが特に好ましい。
ポリマー(B)の重量平均分子量がポリマー(A)の重量平均分子量に対し10倍未満であると、ポリマー(B)を少量添加しただけでは混和させても十分な曳糸性が得られず「ビーズ」発生の問題が解消しない。好ましくは30倍以上(例えば、30倍〜500倍程度)、より好ましくは50倍(例えば、30倍〜300倍程度)以上である。
さらに本発明の極細繊維シートにおいては、上記した重量平均分子量が10万以下のポリマー(A)とポリマー(A)よりも10倍以上の重量平均分子量をもつポリマー(B)との構成比率(重量固形分比)が(A):(B)=10:1〜10000:1であることが好ましい。ポリマー(A)の構成比率が少なすぎるとエチレンービニルアルコール共重合体の物性に対し、ポリエチレンオキシドまたはポリエチレングリコールなどのポリマーBの物性が反映され、溶解性や、融点が変化してしまうという点から好ましくない。一方、ポリマー(A)の構成比率が多すぎるとポリマー(B)の添加量が低すぎて十分な曳糸性が得られずビーズが解消しないという点で好ましくない。より好ましくは10:1〜9000:1、さらに好ましくは10:1〜8000:1である。なお、吸液性や剥離耐性を高める観点から、ポリマー(B)の割合が高いほうが好ましい。
また本発明において、ポリマー(B)を構成するポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコールあるいはポリアクリルアミドの重量平均分子量はポリマー(A)の物性を変化させない少量の添加で十分な曳糸性を得るという点から50万以上(例えば、80万〜600万程度)であることが好ましく、より好ましくは100万以上(例えば、100万〜500万程度)である。
上記条件により調製された紡糸原液をノズルから吐出し、静電紡糸法により繊維を形成することにより本発明の極細繊維を得ることができる。
[極細繊維シートの製造方法]
本発明の極細繊維シートの製造方法は、主成分としての重量平均分子量が1万〜10万の溶剤紡糸性ポリマー(A)と、副成分としての、ポリマー(A)よりも10倍以上の重量平均分子量を有するポリマー(B)とが溶媒に混和した紡糸原液を調製する紡糸原液調製工程と、
前記紡糸原液を、静電紡糸法により紡糸して、極細繊維シートを形成するシート形成工程とで構成されてもよい。このような製造方法により、極細繊維シートを効率よく製造することができる。
より詳細には、シート形成工程では、紡糸原液を供給する導電性部材に高電圧を印加することで、ノズルから吐出された紡糸原液が帯電分裂され、ついで電場により液滴の一点から繊維状物が連続的に引き出され、分割された繊維状物が連続した状態で多数拡散し、接地した対極側に堆積して、シート状の極細繊維層を集積することができる。これにより、溶液中におけるポリマーの濃度が10%以下であっても、溶媒は繊維形成と細化の段階で蒸発しやすく、ノズルより数cm〜数十cm離れて設置された捕集ベルトあるいは基材上に堆積する。堆積しながら、溶媒を含む極細繊維は相互に微膠着し、繊維間の移動を防止し、新たな微細繊維が逐次堆積し、連続繊維により形成された緻密なシートを得ることができる。集積面上に基材である不織布または織布を置いて、この上に極細繊維を堆積し、積層体とすることもできる。極細単繊維の平均繊維径はポリマーの原液濃度、ノズルとシート集積面との間の距離(極間距離)、ノズルに印加される電圧等の条件により所定の平均繊維径に制御することができる。
上述のように、極細繊維層は捕集ベルトに直接堆積させてもよいが、極細繊維層の強度を高める観点から、基材の上に堆積させてもよい。基材の上に堆積させる場合、極細繊維シートは、前記の極細繊維層とともに、基材層を備えている。本発明の繊維シートを構成することが可能な基材としては、単繊維の平均繊維径が1μm以上の不織布または織布が用いられる。単繊維の平均繊維径が1μmよりも小さいと、シートの引張強力が低くなり、加工する際の加工性が悪くなるばかりか、シートとしての耐久性も悪くなる。基材を構成する繊維の単繊維平均繊維径は、上記のように1μm以上が必要であるが、好ましくは、5μm以上、さらに好ましくは、7μm以上であり、上限としては、200μm以下が好ましく、さらに好ましくは、100μm以下である。
基材を構成する不織布としては、スパンボンド法、メルトブローン法、スパンレース法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、エアレイド法、ニードルパンチ法などの乾式不織布や湿式不織布のいずれの不織布も用いることができる。なかでも、スパンボンド法、メルトブローン法などの紡糸とシート形成とが直結した製法で得られる不織布が、強度があり、コスト面からは有利であるが、湿式不織布が、強度、緻密性、均一性の点から優れているので、とくに、本発明におけるナノファイバー層を支持する基材としては、湿式不織布が好ましく用いられる。
基材を構成する織布としては、フィラメント糸、あるいは紡績糸などから、平織、綾織、朱子織などの織構成にした織物が用いられ、織布の形態としてはとくに限定されない。
本発明において、基材の不織布または織布を構成する繊維は特に制限はないが、極細繊維層との密着性の点から、親水性繊維であることが好ましい。親水性繊維を形成するポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール系、再生セルロース、セルロースアセテートなどのセルロース系ポリマー、ポリエチレンビニルアルコール系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー等が挙げられる。また、通常の疎水性繊維でも、複合紡糸等により、表面層にポリビニルアルコール等の親水性ポリマーの被覆層を形成したものは、本発明における親水性繊維に含まれる。また、基材層の不織布または織布は、親水性繊維単独で構成されていなくともよく、親水性繊維を、例えば10質量%以上(対全繊維)、好ましくは、20質量%以上含むことにより、不織布または織布が親水性となればよい。
上記ポリマーのなかでも、ポリビニルアルコール系ポリマーから得られた繊維が、強度的性質が優れていることから、基材の不織布または織布を構成する繊維として好ましい。とくに、ポリビニルアルコール系ポリマー繊維から湿式法により得られた不織布は、強度、緻密性、均一性の点で、極細繊維層の支持層として好ましい。この場合、得られる不織布を構成するポリビニルアルコール系繊維の単繊維平均繊維径は、1〜500μmの範囲、好ましくは1〜300μmの範囲、さらに好ましくは3〜100μmの範囲にある。
極細繊維層と基材との積層は、予め別々に形成した極細繊維層と基材とを積層してもよく、また、予め形成した基材層上に極細繊維層を集積してもよく、基材層としての不織布をスパンボンド法、メルトブロー法で形成し、集積した不織布を、巻き取ることなく、不織布製造工程と連続して、静電紡糸法で極細繊維を形成しながら、該不織布上に集積・積層してもよい。上記のようにして積層された極細繊維層/基材からなる積層体にさらに、極細繊維層上に基材層を重ねて、基材層/極細繊維層/基材層の3層構造とすることができる。極細繊維層と基材とからなる積層体の構成としては、上記の3層構成だけでなく、基材層/極細繊維層/基材層/ナノファイバー層/基材層からなる5層構成、さらに7層構成などの構成が挙げられる。
また、積層体の厚みは、必要に応じて熱プレスまたは冷間プレスによって目的とする厚さに調整することも可能である。ついで、上記の積層体を、エンボスやカレンダーによるサーマルボンドにより接着させてもよく、この場合、ナノファイバー層と基材との間にホットメルト接着剤、エマルジョン系接着剤などを散布しながらケミカルボンド等により接着させてもよい。
本発明の目的や効果を損なわない範囲で、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤、着色剤等を、ポリマー(A)として好適に用いられるエチレンービニルアルコール共重合体などや基材原料のポリマーに加えてもよく、また上記の添加剤液で、極細繊維表面または基材繊維表面を処理してもよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。なお以下の実施例において、各物性値は以下の方法により測定したものである。なお、実施例中の部及び%はことわりのない限り質量に関するものである。
[重量平均分子量]
カラム(東ソー(株)製「TSKgelGMHHR−M」および「TSKgelG2000HHR」)および示差屈折率計(東ソー(株)製「RI−8020」)を備えたゲル浸透クロマトグラフ(東ソー(株)製)により、40℃にてエチレンービニルアルコール共重合体はDMSO溶媒中で、ポリアミドはギ酸溶媒中で重合体の重量平均分子量(Mw)をポリスチレン換算で求めた。
[平均繊維径 nm]
顕微鏡(走査型電子顕微鏡;日立製作所社製「S−510」)により倍率5000倍で撮影した不織布構成繊維の断面の拡大写真から、無作為に20本の繊維を選び、それらの繊維径を測定し、その平均値を平均繊維径とした。
[ビーズ発生数 個/100μm
走査型電子顕微鏡(日立製作所社製「S−510」)により倍率5000倍で撮影した不織布構成繊維の断面の拡大写真から、無作為に10μm×10μmの面積を選択し、その面積中において見られるビーズの数をビーズ発生数とした。なお、平均繊維径の5倍以上の太さをもつ塊状の部位をビーズとみなした。
[液滴吸込み時間 (秒)]
得られた3cm角のシート中心に純水を1滴(0.02mL)落とし、その液滴がシートにより吸い込まれ目視により確認できなくなった時点を、液滴吸込み時間として記録した。
[剥離耐性]
アルミホイル上にマスキングテープを貼り付け、その上にナノファイバー層を形成する。
マスキングテープを剥離した時にテープ上のナノファイバー層と一緒にアルミホイル上のナノファイバーが剥離しなければ、剥離耐性が良好(○)であり、剥離すれば不良(×)であると評価した。
[実施例1]
(1)ポリマー(A)としてエチレン含有量48モル%、ケン化度99.9%、重量平均分子量10000のエチレンービニルアルコール共重合体、ポリマー(B)として重量平均分子量が1000000のポリエチレンオキシドをそれぞれポリマー濃度が18%、0.0025%となるように、DMSO溶液中に25℃で攪拌溶解し、紡糸原液を調製した。この場合のポリマー(B)の重量平均分子量はポリマー(A)の重量平均分子量の100倍であり、かつポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率は7200:1であった。(2)上記(1)で得られた紡糸原液を用いて静電紡糸を行った。口金として内径が0.9mmのニードルを使用し、口金と形成シート引取り装置との間の距離は8cmとした。また、形成シート引取り装置に基材層としてポリビニルアルコール繊維の湿式不織布を巻き付けて、この不織布上に、集積コンベアの速度0.1m/分、紡糸原液を所定の供給量で口金から押し出し、口金に20kV印加電圧を与えて、極細繊維層を積層させた。結果を表1、2に示す。
(3)得られた繊維シートは「ビーズ」がなく、全て繊維状物で構成されており、平均繊維径は180nmであった。得られた繊維シートの電子顕微鏡写真を図1に示す。得られたシートは、吸液性に優れていた。
(4)また、基材層としてポリビニルアルコール不織布に代えて、マスキングテープを一部に貼り付けたアルミホイルを用い、その上にナノファイバー層を堆積させて得られた極細繊維シートでは、剥離耐性が良好であった。
[実施例2]
(1)ポリマー(A)とポリマー(B)の紡糸原液中の濃度をそれぞれ14%、0.02%に変更し、ポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率を700:1とする以外は実施例1と同様に紡糸原液を調製し、次いで静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。
(2)得られた繊維シートは「ビーズ」がなく、全て繊維状物で構成されており、平均繊維径は60nmであった。得られたシートは、吸液性に優れていた。
(3)また、基材層としてポリビニルアルコール不織布に代えて、マスキングテープを一部に貼り付けたアルミホイルを用い、その上にナノファイバー層を堆積させて得られた極細繊維シートでは、剥離耐性が良好であった。
[実施例3]
(1)ポリマー(A)とポリマー(B)の紡糸原液中の濃度をそれぞれ10%、0.1%に変更し、ポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率を100:1とする以外は実施例1と同様に紡糸原液を調製し、次いで静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。
(2)得られた繊維シートは「ビーズ」がなく、全て繊維状物で構成されており、平均繊維径は80nmであった。得られたシートは、吸液性に優れていた。
(3)また、基材層としてポリビニルアルコール不織布に代えて、マスキングテープを一部に貼り付けたアルミホイルを用い、その上にナノファイバー層を堆積させて得られた極細繊維シートでは、剥離耐性が良好であった。
[実施例4]
(1)ポリマー(A)とポリマー(B)の紡糸原液中の濃度をそれぞれ5%、0.5%に変更し、ポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率を10:1とする以外は実施例1と同様に紡糸原液を調製し、次いで静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。
(2)得られた繊維シートは「ビーズ」がなく、全て繊維状物で構成されており、平均繊維径は190nmであった。得られたシートは、吸液性に優れていた。
(3)また、基材層としてポリビニルアルコール不織布に代えて、マスキングテープを一部に貼り付けたアルミホイルを用い、その上にナノファイバー層を堆積させて得られた極細繊維シートでは、剥離耐性が良好であった。
[実施例5]
(1)ポリマー(B)の重量平均分子量を500000に変更し、ポリマー(A)とポリマー(B)の紡糸原液中の濃度をそれぞれ14%、0.04%に変更し、ポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率を350:1とする以外は実施例1と同様に紡糸原液を調製し、次いで静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。
(2)得られた繊維シートは「ビーズ」がなく、全て繊維状物で構成されており、平均繊維径は180nmであった。得られたシートは、吸液性に優れていた。
(3)また、基材層としてポリビニルアルコール不織布に代えて、マスキングテープを一部に貼り付けたアルミホイルを用い、その上にナノファイバー層を堆積させて得られた極細繊維シートでは、剥離耐性が良好であった。
[実施例6]
(1)ポリマー(B)の重量平均分子量を2000000に変更し、ポリマー(A)とポリマー(B)の紡糸原液中の濃度をそれぞれ14%、0.01%に変更し、ポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率を1400:1とする以外は実施例1と同様に紡糸原液を調製し、次いで静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。
(2)得られた繊維シートは「ビーズ」がなく、全て繊維状物で構成されており、平均繊維径は60nmであった。得られたシートは、吸液性に優れていた。
(3)また、基材層としてポリビニルアルコール不織布に代えて、マスキングテープを一部に貼り付けたアルミホイルを用い、その上にナノファイバー層を堆積させて得られた極細繊維シートでは、剥離耐性が良好であった。
[実施例7]
(1)ポリマー(A)としてジカルボン酸単位の100モル%がテレフタル酸単位からなり、ジアミン単位の50モル%が1,9−ノナンジアミン単位および50モル%が2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位からなる重量平均分子量20000のポリアミド、ポリマー(B)として重量平均分子量が1000000のポリエチレンオキシドをそれぞれポリマー濃度が16%、0.0025%となるように、ギ酸溶液中に25℃で攪拌溶解し、紡糸原液を調製した。この場合のポリマー(B)の重量平均分子量はポリマー(A)の重量平均分子量の50倍であり、かつポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率は7200:1であった。
(2)上記(1)で得られた紡糸原液を用いて静電紡糸を行った。口金として内径が0.9mmのニードルを使用し、口金と形成シート引取り装置との間の距離は8cmとした。また、形成シート引取り装置にポリビニルアルコール繊維の湿式不織布を巻き付けて、この不織布上に、集積コンベアの速度0.1m/分、紡糸原液を所定の供給量で口金から押し出し、口金に20kV印加電圧を与えて、極細繊維層を積層させた。結果を表1、2に示す。
(3)得られた繊維シートは「ビーズ」がなく、全て繊維状物で構成されており、平均繊維径は180nmであった。また、得られたシートは、吸液性に優れていた。
(4)基材層としてポリビニルアルコール不織布に代えて、マスキングテープを一部に貼り付けたアルミホイルを用い、その上にナノファイバー層を堆積させて得られた極細繊維シートでは、剥離耐性が良好であった。
[実施例8]
(1)ポリマー(A)は実施例7と同じポリマーを用い、ポリマー(A)とポリマー(B)の紡糸原液中の濃度をそれぞれ12%、0.02%に変更し、ポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率を700:1とする以外は実施例7と同様に紡糸原液を調製し、次いで静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。
(2)得られた繊維シートは「ビーズ」がなく、全て繊維状物で構成されており、平均繊維径は50nmであった。得られたシートは、吸液性に優れていた。
(3)また、基材層としてポリビニルアルコール不織布に代えて、マスキングテープを一部に貼り付けたアルミホイルを用い、その上にナノファイバー層を堆積させて得られた極細繊維シートでは、剥離耐性が良好であった。
[比較例1]
(1)実施例1と同じポリマー(A)のみを用い、ポリマー濃度が25%となるように紡糸原液を調製し、実施例1と同じ条件にて静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。(2)得られた繊維シートは平均繊維径550nmであり、これ以上繊維径を細くすることは困難であった。得られたシートは、充分な吸液性を示していなかった。
(3)また、基材層としてポリビニルアルコール不織布に代えて、マスキングテープを一部に貼り付けたアルミホイルを用い、その上にナノファイバー層を堆積させて得られた極細繊維シートでは、剥離耐性が不良であった。
[比較例2]
(1)比較例1と同様、ポリマー(A)のみを用い、ポリマー濃度が18%となるように紡糸原液を調製し、実施例1と同じ条件にて静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。(2)得られたシートは「ビーズ」が少なくとも6個/100μm以上存在し、ビーズと繊維状物が混在している状態であった。得られた繊維シートの電子顕微鏡写真を図2に示す。
[比較例3]
(1)比較例1、2と同様、実施例1と同じポリマー(A)のみを用い、ポリマー濃度が5%となるように紡糸原液を調製し、実施例1と同じ条件にて静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。
(2)得られたシートは繊維状物がなく、全て粒子状物のみからなる状態であった。
[比較例4]
(1)ポリマー(A)とポリマー(B)の紡糸原液中の濃度をそれぞれ18%、0.0015%に変更する以外は実施例1と同様に紡糸原液を調製し、次いで静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。
(2)ポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率は12000:1であり、ポリマー(A)の構成比率が高すぎるため、得られたシートは「ビーズ」が少なくとも6個/100μm以上存在し、ビーズと繊維状物が混在している状態であった。
[比較例5]
(1)ポリマー(A)とポリマー(B)の紡糸原液中の濃度をそれぞれ5%、0.6%に変更する以外は実施例1と同様に紡糸原液を調製し、次いで静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。
(2)ポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率は8.3:1であり、ポリマー(A)の構成比率が低すぎるため、得られたシートは「ビーズ」が少なくとも6個/100μm以上存在し、ビーズと繊維状物が混在している状態であった。
[比較例6]
(1)ポリマー(B)の重量平均分子量を50000に変更し、ポリマー(A)とポリマー(B)の紡糸原液中の濃度をそれぞれ18%、0.0025%に変更する以外は実施例1と同様に紡糸原液を調製し、次いで静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。
(2)ポリマー(B)の重量平均分子量はとポリマー(A)の重量平均分子量の5倍しかないため、得られたシートは「ビーズ」が少なくとも6個/100μm以上存在し、ビーズと繊維状物が混在している状態であった。
[比較例7]
(1)比較例6と同じポリマー(B)のみを用い、ポリマー濃度が0.0025%となるように紡糸原液を調製し、実施例1と同じ条件にて静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。(2)得られた繊維シートは「ビーズ」が少なくとも6個/100μm以上存在し、ビーズと繊維状物が混在している状態であった。
[比較例8]
(1)ジカルボン酸単位の100モル%がテレフタル酸単位からなり、ジアミン単位の50モル%が1,9−ノナンジアミン単位および50モル%が2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位からなる重量平均分子量10000のポリアミドのみを用い、ポリマー濃度が23%となるように紡糸原液を調製し、実施例1と同じ条件にて静電紡糸を行った。結果を表1、2に示す。
(2)得られた繊維シートは平均繊維径520nmであり、これ以上繊維径を細くすることは困難であった。また、得られたシートは、充分な吸液性を示していなかった。
(3)また、基材層としてポリビニルアルコール不織布に代えて、マスキングテープを一部に貼り付けたアルミホイルを用い、その上にナノファイバー層を堆積させて得られた極細繊維シートでは、剥離耐性が不良であった。
Figure 0005950921
Figure 0005950921
本発明の極細繊維シートは、平均繊維径が500nm以下の超極細繊維で構成されるので、非常に緻密な構造となる。
このような本発明の極細繊維シートは電池材料のセパレーター、フィルター、センサー、メディカル用人工血管、カテーテル、細胞培養培地などの用途に有用である。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。

Claims (9)

  1. 主成分としての重量平均分子量が5000〜10万の溶剤紡糸性ポリマー(A)と;副成分としての、ポリマー(A)よりも10倍以上の重量平均分子量を有するポリマー(B)とで構成され;ポリマー(A)が(i)エチレン−ビニルアルコール共重合体、または(ii)ジカルボン酸単位とジアミン単位よりなるポリアミドであり;構成繊維の平均繊維径が10〜500nmである極細繊維集合体を備える極細繊維シート。
  2. ポリマー(A)が低伝導性または非伝導性ポリマーであり、および/またはポリマー(B)が増粘性ポリマーである請求項1記載の極細繊維シート。
  3. ポリマー(A)とポリマー(B)の構成比率が(A):(B)=10:1〜10000:1である請求項1または2に記載の極細繊維シート。
  4. ポリマー(A)が(i)エチレンービニルアルコール共重合体、または(ii)ジアミン単位として、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を含むポリアミドである請求項1から3のいずれか一項に記載の極細繊維シート。
  5. 前記ポリアミドが、ジカルボン酸単位とジアミン単位よりなるポリアミドであって、ジカルボン酸単位の60モル%以上がテレフタル酸単位であり、ジアミン単位の60モル%以上が1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位で構成されるポリアミドである請求項4記載の極細繊維シート。
  6. ポリマー(B)がポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、あるいはポリアクリルアミドのいずれかである請求項1〜5のいずれか一項に記載の極細繊維シート。
  7. ポリマー(B)の重量平均分子量が50万以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の極細繊維シート。
  8. 倍率5000倍で撮影した極細繊維集合体の断面において、100μmあたりのビーズ発生数が、5以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載の極細繊維シート。
  9. 極細繊維集合体が、静電紡糸法によって得られる請求項1〜8のいずれか一項に記載の極細繊維シート。
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