JP5948911B2 - 車両用ルーフの開閉装置 - Google Patents
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Description
特に、上述の中間ルーフ部の後縁部を、デッキ部と略類似の形状に形成し、該中間ルーフ部に格納部を上方から覆うリッド機能をもたせたので、特別なリッド部(または、リッド部材)を必要とすることなく、軽量化を図ることができる。
しかも、格納時には、中間ルーフ部の後縁部が上記デッキ部に沿って配置されるので、見栄えの向上を図ることができる。
上記構成によれば、ルーフの格納時においても、中間ルーフ部の後縁部に備えたハイマウントストップランプを、停止信号燈として利用することができる。
このように、ルーフの格納時に、上記サイドカバー部で中間ルーフ部と、該中間ルーフ部の車幅方向の車体との間の開口部を覆うことができるので、ルーフ格納時の見栄えをさらに向上させることができる。
図面はオープンカーの車両用ルーフの開閉装置を示し、側面図で示す図1において、このオープンカーは、車幅方向に延びて車室1前部のフロントウインド(図示せず)の上辺を支持する強度部材であるフロントヘッダ2と、このフロントヘッダ2の後方に連なって車室1を上方から覆うルーフROとが設けられており、ルーフROは前側ルーフ部としてのフロントルーフ3と、中間ルーフ部としてのミドルルーフ4と、バックウインド5を有する後側ルーフ部としてのリヤルーフ6とに3分割されている。
上述の各ルーフ3,4,6は車体に対して移動可能に支持されているが、その具体的構成については後述する。
また、上述のリヤフロア9の前後方向中間部には、車室1の後端を仕切るリヤバルクヘッド14を取付けている。このリヤバルクヘッド14は上下方向に延びるように設けられており、該リヤバルクヘッド14の前側を、ルーフROを格納する格納部としてのルーフ格納空間15に設定している。
上述のトランクルーム17の上部は、トランクリッド18により開閉可能に覆われるもので、該トランクリッド18はその裏面(下面)にレインフォースメント19を備えている。
また上述のリヤバルクヘッド14の上端部には、トランクリッド18の前部と連なるように、デッキ部としてのリヤデッキメンバ20を接合固定している。
この乗員用シート16は、乗員の着座面を形成するシートクッション16Cと、乗員の背もたれ面を形成するシートバック16Bと、シートバック16Bに一体的に形成されて乗員の頭部を保持するヘッドレスト部16Hとを備えている。なお、この車両は、ドライバーズシートとパッセンジャーズシートとを備えた2人乗り用に構成されている。
さらに、スペアタイヤパン10の直前部におけるリヤフロア9の下面には、車幅方向に延びるリヤクロスメンバ25を取付け、リヤフロア9とリヤクロスメンバ25との間には、車幅方向に延びる閉断面26を形成して、下部車体剛性の向上を図り、また、該リヤクロスメンバ25の下部に図示しないサブフレーム(サスペンションクロスメンバと同意)を取付けるように構成している。
図1〜4で示すように、ルーフROを閉成して、車室1を上方から覆った時には、フロントルーフ3がフロントヘッダ2に対して着脱可能に係合されるように最も前側に位置し、ミドルルーフ4はその前端部をフロントルーフ3の後端部とオーバラップさせて中間位置に位置し、リヤルーフ6はミドルルーフ4の後端下部とリヤデッキメンバ20との間に位置するように構成されている。
つまり、上述のリヤデッキメンバ20の前縁部20aは、図2に示すように、平面視において車幅方向の中央部が車両後方に窪む滑らかな凹形状に形成されており、リヤルーフ6の後縁部6aはこれと対応すべく、平面視において車幅方向の中央部が車両後方に突出する滑らかな凸形状に形成されており、ミドルルーフ4の後縁部4aもリヤデッキメンバ20の前縁部20aと対応すべく、平面視において車幅方向の中央部が車両後方に突出する滑らかな凸形状に形成されている。
さらに、この実施例では、図1〜図5に示すように、少なくともリヤルーフ6の車幅方向の両側部と接続可能なサイドカバー部としてのサイドカバー28,28が設けられている。
図3に側面図で示すように、該サイドカバー28は側面視において細長い横長の三角形状に形成されている。
しかも、ルーフROの格納時に、図4に示す状態から、図11,図12に示す状態を経て、図13に示すように、リヤルーフ6とフロントルーフ3とを移動させて格納部としてのルーフ格納空間15に重ねて格納し、図14に平面図で示すように、リヤルーフ6の上方にミドルルーフ4の後縁部4aをリヤデッキメンバ20の前縁部20aに沿わせて配置してルーフ格納空間15を覆うように各ルーフ3,4,6を車体に対して移動可能に支持する支持機構30を設けている。
アウタリンク35とインナリンク36とを有し、フロントルーフ3の後側下部とミドルルーフ4の前後方向中間部との間に張架した第2平行リンク37と(図6,図7参照)、
リヤデッキメンバ20下部における車体に設けられた支軸38とリヤルーフ6の後側下部との間に張架されたアーム39(リヤルーフ支持アーム)と、
車体とリヤルーフ6における前後方向中間下部との間に張架されたステーダンパ40と、
下部アーム31の後端とリヤルーフ6における前端部との間に張架された帯状のテンションバンド41(但し、図面では図示の便宜上、その作用を表わすスプリングとして示している)と、
上記第1平行リンク34の回動支点となる回転軸42を可逆駆動するモータ43(電動モータ)および減速ギヤユニット44(図5参照)と、
上記第2平行リンク37の回動支点となる回転軸45を可逆駆動するモータ46(電動モータ)および減速ギヤユニット47(図6,図7参照)と、
を備えている。
また、図6,図7に示すようにフロントルーフ3の後部車幅方向外端側には、上述のモータ46および減速ギヤユニット47を配置し、これら両者46,47をカバー49で囲繞すると共に、減速ギヤユニット47の出力軸としての上記回転軸45をカバー49から車幅方向外方に突出し、この突出部にアウタリンク35の基部を嵌合している。
図6に示すように、インナリンク36の基部はピン50を介してフロントルーフ3側に枢支する一方、アウタリンク35およびインナリンク36のそれぞれの遊端部はピン51,52を介してミドルルーフ4に枢支している。
図7に平面図で示すように、モータ46および減速ギヤユニット47が配置されるフロントルーフ3の後端部車幅方向外部は凹設されており、この凹設部に対応するようにミドルルーフ4の前端部車幅方向外部が凸設されていて、ルーフROの閉成時にフロントルーフ3とミドルルーフ4とが干渉しないように構成している。
上述の如く構成された支持機構30は、ルーフROの車幅方向左側と車幅方向右側とにそれぞれ設けられており、左右の各モータ43,43、モータ46,46は同期駆動するように構成されている。
この揺動機構60は、ルーフROの格納時(図13,図14参照)に、サイドカバー28をミドルルーフ4の車幅方向の両側部と接触して覆うように揺動可能に支持する機構である。
この揺動機構60は、図8に示すように、車両のベルトラインBLに沿って該ベルトラインBL下方に車両の前後方向に向けて設けられた回転軸61と、この回転軸61の前後両端部を軸支する軸受62,62と、上述の回転軸61を可逆回転させるためのモータ63(電動モータ)および減速機ユニット64と、基部65aが回転軸61に嵌合されたスワン形状の一対のアーム65,65とを備え、これら一対のアーム65,65の遊端側に一体形成された取付け部65bを、サイドカバー28の車幅方向内側の面に結合固定している。
なお、図中、71はホイールアーチを示す。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
図4に示すルーフROの全閉状態下においては、ミドルルーフ4の前端部4bは、フロントルーフ3の後端段下げ部3aの上に位置しており、フロントルーフ3とミドルルーフ4との各上面が滑らかに連続している。
また、ルーフ全閉状態下において、ステーダンパ40のモーメントは上方向に作用しており、リヤルーフ6の前端部をミドルルーフ4の後端下面に押付けている。
モータ43が駆動されると、第1平行リンク34が後方に回動され、フロントルーフ3は上方かつ後方に移動する。またモータ46が駆動されると、第2平行リンク37が前方に回動され、ミドルルーフ4は上方に移動する。さらに、第1平行リンク34の回動により下部アーム31の後端が下方に変位するので、リヤフレーム6はテンションバンド41で下方に引張られ、支軸38を支点として若干下方に移動し図11に示す状態となる。
しかも、図4,図11,図12,図13から明らかなように、ルーフROの格納時には、リヤルーフ6とフロントルーフ3とミドルルーフ4との全てのルーフを表裏反転させない同じ向きでルーフ格納空間15に上下方向に重ねて格納することができると共に、ルーフROの格納時には、図13に示すように、ハイマウントストップランプ27が後方から目視可能となる位置で、ミドルルーフ4の格納が完了する。
なお、ルーフROを図13,図14に示す格納状態から上述とは逆の作用により、図12,図11の状態を経て図2,図4に示すルーフ全閉状態と成すことができる。
特に、上述の中間ルーフ部(ミドルルーフ4)の後縁部4aを、デッキ部(リヤデッキメンバ20)と略類似の形状に形成し、該中間ルーフ部(ミドルルーフ4)に格納部(ルーフ格納空間15)を上方から覆うリッド機能をもたせたので、特別なリッド部(または、リッド部材)を必要とすることなく、軽量化を図ることができる。
しかも、格納時には、中間ルーフ部(ミドルルーフ4)の後縁部4aが上記デッキ部(リヤデッキメンバ20)に沿って配置されので、見栄えの向上を図ることができる。
また、上記ルーフROの格納時に、後側ルーフ部(リヤルーフ6)と前側ルーフ部(フロントルーフ3)とを表裏反転させない同じ向きで格納部(ルーフ格納空間15)に重ねて格納するものである(図13参照)。
つまり、リヤルーフ6の前部を下方へ下動させて格納するだけのスペースがあればよいので、ルーフ格納空間15を可及的小スペースに形成することができ、この分、ルーフ格納空間15の後側に位置するトランクルーム17のスペース拡大を図ることができる。
さらに、上記中間ルーフ部(ミドルルーフ4)の後縁部4aに、ルーフROの格納時に表示可能なハイマウントストップランプ27を備えたものである(図13参照)。
加えて、上記後側ルーフ部(リヤルーフ6)の車幅方向の両側部と接続可能なサイドカバー部(サイドカバー28参照)を備え、上記ルーフROの格納時にサイドカバー28を中間ルーフ部(ミドルルーフ4)の車幅方向の両側部と接触して覆うように揺動可能に支持する揺動機構60を備えたものである(図8,図13,図14参照)。
このように、ルーフROの格納時に、上記サイドカバー28で中間ルーフ部(ミドルルーフ4)と、該中間ルーフ部(ミドルルーフ4)の車幅方向の車体との間の開口部を覆うことができるので、ルーフ格納時の見栄えをさらに向上させることができる。
この発明の前側ルーフ部は、実施例のフロントルーフ3に対応し、
以下同様に、
中間ルーフ部は、ミドルルーフ4に対応し、
後側ルーフ部は、リヤルーフ6に対応し、
格納部は、ルーフ格納空間15に対応し、
デッキ部は、リヤデッキメンバ20に対応し、
サイドカバー部は、サイドカバー28に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
また、各モータ43,46,63としては可逆回転が可能な電動モータを例示したが、これはロータリアクチュエータなどの他のアクチュエータにより構成してもよい。
1…車室
3…フロントルーフ(前側ルーフ部)
4…ミドルルーフ(中間ルーフ部)
5…バックウインド
6…リヤルーフ(後側ルーフ部)
15…ルーフ格納空間(格納部)
16…シート
20…リヤデッキメンバ(デッキ部)
27…ハイマウントストップランプ
28…サイドカバー(サイドカバー部)
30…支持機構
60…揺動機構
Claims (3)
- 車室を上方から覆うルーフを、車体に対して移動可能に支持して開閉する車両用ルーフの開閉装置であって、
上記ルーフを前側ルーフ部と中間ルーフ部とバックウインドを有する後側ルーフ部とで構成し、
上記中間ルーフ部の後縁部は、後側ルーフ部の後縁部に沿うデッキ部と略類似の形状に形成され、
シート後方にルーフを格納する格納部を設け、
上記ルーフの格納時に、後側ルーフ部と前側ルーフ部の両ルーフ部を反転させることなく移動させて同じ向きで格納部に重ねて格納し、
中間ルーフ部を反転させることなく移動させ、該中間ルーフ部の後縁部をデッキ部に沿わせて配置し、かつ後側ルーフ部の上方において格納部を覆うように各ルーフ部を車体に対して移動可能に支持する支持機構を設けた
車両用ルーフの開閉装置。 - 上記中間ルーフ部の後縁部に、ルーフの格納時に表示可能なハイマウントストップランプを備えた
請求項1に記載の車両用ルーフの開閉装置。 - 上記後側ルーフ部の車幅方向の両側部と接続可能なサイドカバー部を備え、
上記ルーフの格納時にサイドカバー部を中間ルーフ部の車幅方向の両側部と接触して覆うように揺動可能に支持する揺動機構を備えた
請求項1または2に記載の車両用ルーフの開閉装置。
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