JP5948035B2 - 分布型光ファイバ音波検出装置 - Google Patents

分布型光ファイバ音波検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバをセンサとして用い、その長手方向の各領域に到達した音波を高感度かつ高精度で検出し得る分布型光ファイバ音波検出装置に関する。
従来、光ファイバにプローブ光を入射させることにより生じるレイリー後方散乱光(以下、単に「レイリー散乱光」と称する。)を利用して当該光ファイバの線路特性(光ファイバの損失や破断点の位置等)や当該光ファイバの長手方向についての歪みの分布測定を行う光ファイバセンシング技術として、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)とよばれる方法がある。
このODTRにおいて、例えば、線路特性を測定する方法としては、特許文献1に記載の方法が知られている。この方法では、光ファイバ内にプローブ光が入力(入射)され、これによって光ファイバ内において生じたレイリー散乱光に基づいて線路特性が測定される。
具体的には、光ファイバの一方の端部(入力端)から光パルスがプローブ光として入力(入射)される。この光パルスの入力によって光ファイバの長手方向の各領域において発生し、入力端に戻ってきたレイリー散乱光が測定される。このように測定されたレイリー散乱光の強度と当該レイリー散乱光の生じた位置とから、光ファイバの線路特性が測定される。ここで、レイリー散乱が生じた光ファイバの長手方向における位置は、入力端から入力された光パルスが光ファイバ中で散乱して入力端に戻ってくるまでの往復時間に基づいて特定される。
また、OTDRにおいて、例えば、光ファイバの長手方向についての歪みの分布測定を行う方法としては、光ファイバに歪みが生じたときにこの歪みが発生した領域において生じるレイリー散乱光の周波数シフトを利用した方法が知られている。
この方法では、光ファイバの入力端から光パルスが入力(入射)される。そして、この光パルスの入力によって光ファイバの長手方向の各領域において発生し、入力端に戻ってきたレイリー散乱光がそれぞれ測定される。この測定されたレイリー散乱光は、光ファイバに圧力が加わって当該光ファイバ内に歪が生じると、当該歪みの発生した領域において生じたレイリー散乱光の周波数がシフトしているため、初期状態(前記圧力が加わっていない状態)の光ファイバ内で生じるレイリー散乱光に比べて位相が変化している。この位相変化から、光ファイバに加わる圧力を検出することができる。このとき、光パルスの入力を多数回行って前記各領域でのレイリー散乱光の平均を求めることにより、前記位相変化が精度よく得られる。
このように、上記のOTDRでは、光ファイバの長手方向の各領域におけるレイリー散乱光の位相変化を検出し、この位相変化に基づくことによって、光ファイバの長手方向の各領域における歪み(光ファイバに加わる圧力)を高感度且つ高精度に検出することができる。
特開平9−236513号公報
上記のレイリー散乱光の位相変化を利用する方法によれば、光ファイバの長手方向の各領域に生じた歪みを高感度且つ高精度に検出することができるため、当該方法を利用して光ファイバの前記各領域に衝突(到達)した音波を検出することが考えられた。
具体的には、或る音波が気体や液体、固体等の媒質中を伝播して光ファイバに到達、即ち、衝突すると、光ファイバに極僅かな歪みが生じる。この歪みは、光ファイバに衝突した音波の周波数や振幅等に依存する。そこで、光ファイバの前記各領域に生じたこの歪みを上記の位相変化を利用する方法によって検出し、これを解析することによって、前記音波(周波数や振幅等)の検出や、前記音波の発信源の位置の特定等を行うことが可能となる。
上記の方法では、光ファイバに入力されるプローブ光(光パルス)のパルス幅によって、光ファイバの長手方向の各領域において音波を検出する場合の当該長手方向における分解能(長手方向分解能)が決まる。例えば、光ファイバの長手方向に間隔をおいた二点に衝突した音波をそれぞれ検出する場合、前記間隔がプローブ光のパルス幅よりも小さいと、導出したレイリー散乱光の位相変化が前記二点のうちのいずれの点に衝突した音波によって生じたかの区別ができない。このため、高い長手方向分解能を実現するには、パルス幅を小さくする必要がある。
しかし、プローブ光のパルス幅を小さくすると各光パルスのエネルギーが減少し、これにより、光ファイバの各領域で散乱されて入力端に戻ってくる散乱光の信号強度が低下する。
しかも、上記の位相変化を利用する方法では、短い時間では変動しない歪み(光ファイバの歪み)を検出しているため、光ファイバの各領域で生じたレイリー散乱光をそれぞれ多数回測定し、その平均を利用して前記各領域におけるレイリー散乱光の位相変化を精度よく求めているが、音波の衝突による光ファイバの歪みは極短時間で変動するため、前記各領域で生じたレイリー散乱光を多数回測定してその平均を利用する方法を用いることができない。
このように、上記の位相変化を利用する方法では、音波を精度よく検出することが極めて困難であった。
本発明の目的は、音波を高感度且つ高精度に検出すると共に高い分解能を実現することが可能な分布型光ファイバ音波検出装置を提供することである。
そこで、上記課題を解消すべく、本発明は、光ファイバをセンサとして用いる分布型光ファイバ音波検出装置であって、光パルスを前記光ファイバの一端から当該光ファイバ内に入射させる光パルス射出部と、前記光パルスの入射によって前記光ファイバ内に生じるレイリー散乱光を受信するレイリー散乱光受信部と、を備え、前記光パルス射出部は、前記光ファイバの長さ寸法に基づく所定長さを有し、且つ、前記光パルスが所定の幅の複数のセルに分割されるような符号系列を用いて変調された前記光パルスを出力し、前記レイリー散乱光受信部は、前記光パルス射出部における変調に対応する復調を前記レイリー散乱光に行い、この復調の行われた前記レイリー散乱光からその位相変化を求める位相変化導出部と、前記位相変化導出部により求められた位相変化から前記光ファイバに衝突した音波を求める音波検出部と、を有する分布型光ファイバ音波検出装置において、前記光パルス射出部は、所定の周波数の光パルスを出力する光源部と、前記光源部から出力される光パルスを前記符号系列によって位相変調する変調部と、を有し、前記光源部は、第1の光パルスと第2の光パルスとを出力し、前記変調部は、自己相関関数の和がδ関数となるような第1の符号系列及び第2の符号系列からなる一対の符号系列を用い、前記第1の符号系列によって前記第1の光パルスを位相変調すると共に前記第2の符号系列によって前記第2の光パルスを位相変調する位相変調部と、前記位相変調部においてそれぞれ位相変調された第1の光パルスと第2の光パルスとを一つの光パルスに合成する合成部と、を有し、前記位相変化導出部は、前記レイリー散乱光を前記第1の光パルスに対応する第1のレイリー散乱光と前記第2の光パルスに対応する第2のレイリー散乱光とに分離する分離部と、この分離部によって分離された第1のレイリー散乱光に対して前記第1の符号系列に対応する復調を行うと共に、前記分離された第2のレイリー散乱光に対して前記第2の符号系列に対応する復調を行う復調部と、これら復調された第1及び第2のレイリー散乱光から前記位相変化を求める導出部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、所定の符号系列を用いて変調が行われた光パルス(プローブ光)を光ファイバに入射させると共に、この光パルスによって光ファイバ内に生じたレイリー散乱光に前記変調に対応する復調を行う(即ち、所定の符号系列を用いたパルス圧縮を行う)ことにより、小さなパルス幅(セルの幅に相当するパルス幅)で且つ強い信号強度を持った光パルスを用いて音波の検出を行ったのと同等の効果が得られる。これにより、長尺な光ファイバの長手方向の各領域に衝突した音波を高感度かつ高精度に検出することができると共に、前記長手方向における高い分解能(以下、単に「長手方向分解能」とも称する。)を実現することができる。
具体的には、所定長さ(光ファイバの長さ寸法に基づく所定長さ)の符号系列を用いて光パルスを変調することにより、光ファイバに入射した光パルスにおいて、音波を検出するための十分なエネルギーを確保することができる。詳しくは、以下の通りである。
長い符号系列によって変調される光パルスのパルス幅は、この符号系列の長さに応じて大きく、そのため、長い符号系列によって変調される光パルスほど大きなエネルギーを有する。そこで、光ファイバの入力端(光パルスを入射させる端部)と反対側の端部近傍で生じたレイリー散乱光を受信したときに、音波の検出に必要な信号強度が十分確保される長さの符号系列によって変調された光パルスを音波の検出に用いる。これにより、長尺な光ファイバの長手方向のいずれの位置で生じたレイリー散乱光を受信しても、このレイリー散乱光が音波の検出に必要な(十分な)信号強度を有しているため、長尺な光ファイバの長手方向の各領域に衝突した音波を高感度かつ高精度に検出することができる。
しかも、変調によって光パルスが複数のセルに分割されていると、当該光パルスによって光ファイバ内にレイリー散乱光が生じたときに、このレイリー散乱光の各セルが当該レイリー散乱の生じた部位の歪み情報をそれぞれ含む(有する)こととなり、その結果、一つの光パルスによる測定で多くの歪み情報が得られる。即ち、受信したレイリー散乱光を復調することによって各セルに含まれる歪み情報が集約されるため、多数(セルの数に相当する数)の光パルスを用いて前記レイリー散乱が生じた部位の歪みを測定したのと同程度の歪み情報を得ることができる。このように、所定の符号系列を用いたパルス圧縮を行うことによって、一つの光パルスによって生じたレイリー散乱光から当該レイリー散乱光の生じた光ファイバの部位における十分な量の歪み情報が得られる。その結果、音波が衝突することによって光ファイバに生じ、極短時間で変化する歪みであっても、これを精度よく検出することが可能となる。
さらに、変調によって光パルスが所定の幅の複数のセルに分割されることにより、前記セルの幅と同じパルス幅の光パルスを用いて測定した場合と同じ長手方向分解能を得ることも可能となる。即ち、光パルスを上記のような所定長さの符号系列に対応する数のセルに分割することにより、当該光パルスの有するエネルギーを十分に確保して光ファイバにおける入力端から離れた位置に衝突した音波の検出を可能にしつつ、セル幅に応じた高い長手方向分解能を実現することが可能となる。
具体的には、光ファイバの長手方向に間隔をおいた二点においてそれぞれ音波を検出する場合、複数のセルに分割されていない光パルス(シングルパルス)では、この二点間の間隔よりもパルス幅を短くしなければ、各点において生じたレイリー散乱光を受信したときに何れの点で生じたレイリー散乱光かを区別することができない。ここで、光パルスが所定の符号系列を用いた変調によって複数のセルに分割されると、上記のように各セルがパルス幅の小さな光パルスと同じ働きをする。このため、光パルスを、符号系列を用いた変調によって幅の小さな複数のセルに分割することによって、前記各点において生じたレイリー散乱光を区別することが可能となり、これにより、これら各点において生じたレイリー散乱光の位相変化をそれぞれ検出することが可能となる。その結果、前記各点に衝突した音波をそれぞれ検出することができる、即ち、高い長手方向分解能を実現することができる。
また、上記のように光パルスを幅の小さな複数のセルに分割することによって、周波数の高い音波の検出も可能となる。
高い周波数の音波を検出するためには、シングルパルスの場合、この高い周波数の音波が一周期で進む距離よりも短いパルス幅の光パルスを用いて測定しなければならない。ここで、光パルスが所定の符号系列を用いた変調によって複数のセルに分割されると、上記のように各セルがパルス幅の小さな光パルスと同じ働きをする。このため、光パルスを、符号系列を用いた変調によって幅の小さな複数のセルに分割することによって、各セルの幅に対応する高い周波数の音波の検出が可能となる。
尚、前記分布型光ファイバ音波検出装置の光パルス射出部における前記変調は、位相変調でもよく、また、強度変調でもよい。即ち、前記光パルス射出部は、前記符号系列を用いて位相変調されることによって前記複数のセルに分割された光パルスを出力してもよく、また、前記光パルス射出部は、前記符号系列を用いて強度変調されることによって前記複数のセルに分割された光パルスを出力してもよい。いずれの変調であっても、光パルスが複数のセルに分割され、これにより、高感度且つ高精度な音波の検出が可能になると共に、光ファイバでの音波の検出における高い長手方向分解能が実現される。
前記分布型光ファイバ音波検出装置では、前記セルの幅は、前記音波の検出における前記光ファイバの長手方向の分解能に基づいて設定され、この設定された幅のセルが形成されるような符号系列によって光パルスが変調される。
上記のような符号系列を用いたパルス圧縮を行う場合、光ファイバにおけるレイリー散乱光が生じた部位の十分な量の歪み情報が一つの光パルスによって得られるため、光ファイバに入射させる光パルスの周波数をスイープ(掃引)して測定する必要がない。そのため、前記分布型光ファイバ音波検出装置において、前記光パルス射出部が、所定の周波数の光パルスを出力する光源部と、前記光源部から出力される光パルスを前記符号系列によって位相変調する変調部と、を有するように構成されてもよい。即ち、光パルス射出部において、出力する光パルスの周波数が可変な光源部に比べて簡素な構成の光源部を用いても、長尺な光ファイバの長手方向の各領域に衝突した音波を高感度かつ高精度に検出することができると共に、高い長手方向分解能を実現することができる。
また、上記のパルス圧縮を行う場合、前記光源部は、第1の光パルスと第2の光パルスとを出力し、前記変調部は、自己相関関数の和がδ関数となるような第1の符号系列及び第2の符号系列からなる一対の符号系列を用い、前記第1の符号系列によって前記第1の光パルスを位相変調すると共に前記第2の符号系列によって前記第2の光パルスを位相変調する位相変調部と、前記位相変調部においてそれぞれ位相変調された第1の光パルスと第2の光パルスとを一つの光パルスに合成する合成部と、を有し、前記位相変化導出部は、前記レイリー散乱光を前記第1の光パルスに対応する第1のレイリー散乱光と前記第2の光パルスに対応する第2のレイリー散乱光とに分離する分離部と、この分離部によって分離された第1のレイリー散乱光に対して前記第1の符号系列に対応する復調を行うと共に、前記分離された第2のレイリー散乱光に対して前記第2の符号系列に対応する復調を行う復調部と、これら復調された第1及び第2のレイリー散乱光から前記位相変化を求める導出部と、を有することが好ましい。
このように自己相関関数の和がδ関数となるような一対の符号系列を用いたパルス圧縮を行うことにより、分離部において分離された一対のレイリー散乱光(第1のレイリー散乱光及び第2のレイリー散乱光)から位相変化を求めるときに、この一対のレイリー散乱光以外のレイリー散乱光の影響を排除することができる。これにより、音波の高感度かつ高精度な検出をより確実に行うことができる。
この場合、前記光源部は、直線偏光の光パルスを出力する光源と、前記光源から出力される光パルスを、直線偏光を維持したままで前記第1の光パルスと前記第2の光パルスとに分光して出力する分光部と、を有し、前記合成部は、偏光方向が互いに直交した状態で前記第1の光パルスと前記第2の光パルスとを合成するように構成されてもよく、また、前記光源部は、前記第1の光パルスを出力する第1光源と、前記第2の光パルスを出力する第2光源と、を有し、前記第1の光パルスと前記第2の光パルスとは互いに波長が異なるように構成されてもよい。いずれの構成でも、受信したレイリー散乱光を第1のレイリー散乱光と第2のレイリー散乱光とに容易且つ確実に分離することができるため、音波の高感度かつ高精度な検出を確実に行うことができる。但し、光源が出力した光パルスを分光部によって第1の光パルスと第2の光パルスとに分光する構成の方が、光源の数を抑えることができる。
尚、光源部が光源と分光部とを有する場合には、前記光パルスの位相を測定して当該光パルスにおける前記光源に起因する位相の変化を検出する位相測定部を備え、前記復調部は、前記位相測定部により検出された位相の変化に基づいてそれぞれ補正された前記第1のレイリー散乱光及び前記第2のレイリー散乱光の復調を行うことが好ましく、また、光源部が第1光源と第2光源とを有する場合には、前記第1の光パルスの位相を測定して当該第1の光パルスにおける前記第1の光源に起因する位相の変化を検出する第1の位相測定部と、前記第2の光パルスを測定して当該第2の光パルスにおける前記第2の光源に起因する位相の変化を検出する第2の位相測定部と、を備え、前記復調部は、前記第1の位相測定部により検出された位相の変化に基づいて補正された前記第1のレイリー散乱光と、前記第2の位相測定部により検出された位相の変化に基づいて補正された前記第2のレイリー散乱光と、の復調をそれぞれ行うことが好ましい。
これらの構成によれば、光パルスにおける光源に起因する位相の変化を検出し、変調部での変調に応じた復調が復調部において行われる前に、受信したレイリー散乱光に前記測定結果に基づく補正を行うことにより、復調後のレイリー散乱光における前記光源に起因する位相の変化の影響を抑えることができる。その結果、音波の検出をより精度よく行うことができる。詳しくは、以下の通りである。
光源の種類によって、出力する光線(光パルス)の位相が時刻の経過と共に変化するものがあり、この位相の変化(位相の時間変化)には規則性がない。そのため、分布型光ファイバ音波検出装置に前記位相が変化する光源が用いられた場合、受信したレイリー散乱光をそのまま復調すると、復調後のレイリー散乱光が前記光源に起因する位相の変化の影響(位相ノイズ)を含んだ状態となる。そこで、上記のいずれかの構成のように、光パルスの前記光源に起因する位相の変化を測定し、この測定結果に基づく補正を復調前のレイリー散乱光に対して行うことによって位相ノイズが取り除かれ、復調後のレイリー散乱光における位相ノイズの影響を抑えることができる。これにより、出力する光線の位相が時刻の経過と共に変化する光源を用いても、音波を精度よく検出することができる。
また、本発明にかかる分布型光ファイバ音波検出装置では、前記光源部は、前記光ファイバによって検出する音波の周波数に基づく第1の時間間隔で前記光パルスを出力し、前記変調部は、前記光源部から出力される光パルス毎に異なる符号系列によって位相変調することが好ましい。
かかる構成によれば、長尺な光ファイバをセンサとして用い、この光ファイバの長手方向の各領域に衝突した周波数の高い音波(即ち、1周期が短い音波)を当該光ファイバに沿った音波の分布として検出することが可能となる。詳しくは、以下の通りである。
ナイキストのサンプリング定理により、サンプリング周波数は、検出(計測)したい音波の最大周波数の2倍以上にする必要がある。即ち、サンプリング周期(=1/サンプリング周波数)は、検出対象とする音波の最大周波数の周期の半分以下にする必要がある。ここで、1つの光パルスで検出(走査)可能な音波の分布(光ファイバの長手方向の各領域に衝突した音波の分布)は、前記光パルスが光ファイバ内を前記サンプリング周期の時間で往復できる範囲内のものである。そして、周波数の高い音波(例えば、超音波)は、1周期の時間が短いため、この半分の時間(前記周波数の高い音波の半周期の時間)に光パルスが光ファイバ内を往復できる距離は短い。よって、1つの光パルスによって前記周波数の高い音波を光ファイバに沿った分布として検出できる範囲は狭い(短い)。このため、前記検出する音波の半周期内に光パルスが往復できる範囲よりもセンサとして用いられる光ファイバが長尺である場合、サンプリング周期を光パルスの往復時間以上に設定すると、音波のスペクトルにエイリアシングが生じ、検出した音波に乱れが生じる。また、サンプリング周期を光パルスの往復時間以下に設定すると、当該光ファイバの長手方向の複数の領域からのレイリー散乱光を同時に受信することになり、音波の分布全体を検出することができない。
そこで、検出対象とする音波(検出対象とする音波の周波数帯域が広い場合には前記周波数帯域における最も高い周波数の音波)の半周期よりも短い時間間隔(第1の時間間隔)で光パルスを出力することにより、光ファイバ上において所定の間隔(前記第1の時間間隔に対応する間隔)で複数の光パルスを進ませ、これにより、これら複数の光パルスによって前記半周期内で光ファイバの長手方向の全領域を走査できるようにすると共に、前記長手方向の各領域からのレイリー散乱光を順に受信できるようにした。一方、間隔をおいて出力される各光パルスは互いに異なる(互いに独立した)符号系列によって位相変調されているため、受信したレイリー散乱光を復調することにより、当該レイリー散乱光がどの光パルスによって生じたかを判別することができる。
従って、長尺な光ファイバをセンサとして用いて高い周波数の(1周期が短い)音波を検出する場合でも、第1の時間間隔で光パルスを出力することにより、当該光ファイバに沿った音波の分布を精度よく検出することができる。
この第1の時間間隔で光パルスを出力する構成の場合には、さらに、前記光パルス射出部は、前記光源部と前記変調部とを有する複数のパルスユニットを備え、各パルスユニットから出力される前記光パルスは、互いに異なる周波数であり、これら複数のパルスユニットは、各パルスユニットが前記光パルスを前記第1の時間間隔で出力しつつ、各パルスユニット間の光パルスの出力タイミングが前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔だけずれるように順に光パルスを出力してもよい。
かかる構成によれば、周波数の高い音波の光ファイバに沿った分布(即ち、光ファイバの長手方向の各領域に対して同時に衝突した前記音波の分布)を短い時間間隔(第2の時間間隔)毎に検出することができる。即ち、周波数の高い音波の光ファイバに沿った分布を第2の時間間隔に対応する高いサンプリングレート(時間分解能)で検出することが可能となる。
以上より、本発明によれば、音波を高感度且つ高精度に検出すると共に高い分解能を実現することが可能な分布型光ファイバ音波検出装置を提供することができる。
第1本実施形態に係る分布型光ファイバ音波検出装置の構成を示す機能ブロック図である。 前記分布型光ファイバ音波検出装置の光パルス射出部から出力される位相変調後の光パルスを説明するための図である。 前記分布型光ファイバ音波検出装置の位相測定部を説明するための図である。 前記分布型光ファイバ音波検出装置のデジタル信号処理部の回路を示す図である。 変調後の光パルスと、この光パルスを復調するためのパルス圧縮復元フィルタと、を説明するための概念図である。 検出用光ファイバの長手方向に沿った、レイリー散乱光の位相変化の分布データを示す図である。 音波の検出の際のフローを示す図である。 第2実施形態に係る分布型光ファイバ音波検出装置の構成を示す機能ブロック図である。 第3実施形態に係る分布型光ファイバ音波検出装置の構成を示す機能ブロック図である。 複数のパルスユニットから出力される光パルスを説明するための図である。
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図6を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る分布型光ファイバ音波検出装置10は、光ファイバ(検出用光ファイバ)12をセンサとして用い、その長手方向の各領域に衝突した音波をそれぞれ高感度かつ高精度に検出すると共に、前記長手方向における高い分解能(以下、単に「長手方向分解能」とも称する。)を実現する。尚、本実施形態に係る分布型光ファイバ音波検出装置10は、検出用光ファイバ12の長手方向(z軸方向)における特定の位置(部位)に衝突した音波だけでなく、長手方向の各領域に同時に衝突した音波の分布を検出することもできる。
この分布型光ファイバ音波検出装置10では、マイクロフォンの代わりに検出用光ファイバ12を用い、音の録音を行うことができる。また、例えば、油井等に検出用光ファイバ12を挿入して地中を伝播する音波(例えば、1kHz程度の音波)を当該検出用光ファイバ12によって検出することにより、油井の状態や地中内部の様子を観察することが可能となる。また、医療分野において、例えば、人体の内部を伝播する音波(例えば、周波数が3MHz〜30MHzの超音波)を検出用光ファイバ12によって検出することにより、人体内部の観察等を行うことが可能となる。
この分布型光ファイバ音波検出装置10は、図1に示されるように、装置本体11と、検出用光ファイバ12と、を備える。装置本体11は、光パルス射出部20と、位相測定部50と、光サーキュレータ14と、レイリー散乱光受信部30と、制御処理部16と、出力部40と、を備える。
尚、分布型光ファイバ音波検出装置10では、光パルス射出部20と光サーキュレータ14との間にエルビウム添加光ファイバ(EDFA)等の光増幅器が配置されてもよい。
また、分布型光ファイバ音波検出装置10では、光パルス射出部20と光サーキュレータ14との間に、光パルス射出部20から出力される光パルスの消光比を確保するためのLNスイッチが配置されてもよい。この場合、分布型光ファイバ音波検出装置10において、光パルス射出部20から出力される光パルスの消光比が数十dB以上となることが好ましい。
検出用光ファイバ12は、当該光ファイバ12に衝突した音波を検出するためのセンサとして用いられる。この検出用光ファイバ12は、第1端部(一端)12aと、この第1端部12aと反対側の端部である第2端部12bとを有する長尺な光ファイバである。例えば、具体的に、検出用光ファイバ12の長さ寸法(全長)Lは、当該分布型光ファイバ音波検出装置10が上記の油井での音波検出に用いられる場合には30km程度であり、上記の医療分野での音波(超音波)検出に用いられる場合には100m程度である。
この検出用光ファイバ12の第1端部12aから、当該光ファイバ12内に光パルス(プローブ光)が入射させられると共にこの光パルスに起因して当該検出用光ファイバ12内において生じたレイリー散乱現象にかかる光(レイリー後方散乱光)を外部に射出する。
光パルス射出部20は、所定の周波数の光パルスを出力する光源部22と、光源部22の出力する光パルスを変調(本実施形態では位相変調)する変調部24と、を備え、光パルスを検出用光ファイバ12の第1端部12aから当該検出用光ファイバ12内に入射させる。
光源部22は、光源220と、第1分光部222と、第2分光部(分光部)224と、を有し、第1の光パルスと第2の光パルスとを出力する。
光源220は、所定の周波数の光パルスを出力(射出)することができる。具体的に、光源220は、図2に示されるように、所定のパルス幅Dを有する光パルスP、P、P、…Pを第1の時間間隔Tで出力することにより、パルス光を生成する。また、光源220は、直線偏光の光パルスP(パルス光)を出力する。この光源220は、制御処理部16によって制御され、この制御処理部16により温度や駆動電流が変更されることにより、発振波長(発振周波数)を変更する。また、光源220は、制御処理部16によって、光パルスPの出力間隔も制御される。本実施形態の光源220は、レーザーダイオード(LD)である。
各光パルスPのパルス幅Dは、検出用光ファイバ12の長さ寸法Lに基づいて設定される。詳しくは、パルス幅Dが大きいほど光パルスPの有するエネルギーが大きくなる。そこで、検出用光ファイバ12の第1端部12aから入射した光パルスPによって第2端部12b近傍に生じたレイリー散乱光をレイリー散乱光受信部30が受信したときに、当該検出用光ファイバ12の第2端部12b近傍に衝突した音波を検出するのに必要な信号強度(レイリー散乱光の強度)が前記受信したレイリー散乱光において十分に確保されるような大きさにパルス幅Dが設定される。一般に、検出用光ファイバ12の長さ寸法Lが大きいほど、パルス幅Dも大きくなる。
また、各光パルスP間の時間間隔Tは、当該分布型光ファイバ音波検出装置10の検出対象とする音波の周波数に基づいて設定される。詳しくは、以下の通りである。
ナイキストのサンプリング定理により、検出対象とする音波は、当該音波の1周期内で少なくとも2回サンプリングされなければならない。そのため、各光パルスP間の時間間隔Tは、検出対象とする音波の1周期の半分以下でなければならない。即ち、1つの光パルスPで検出(走査)可能な音波の分布(長手方向の各領域に衝突した音波の分布)は、前記光パルスPが検出用光ファイバ12内を前記サンプリング周期の時間で往復できる範囲内のものである。そして、周波数の高い音波は、1周期が短いために必要なサンプリング周期が短く、これにより、このサンプリング周期内に光パルスPが検出用光ファイバ12内を往復できる範囲は短い。よって、1つの光パルスPによって周波数の高い音波を検出用光ファイバ12に沿った分布として検出できる範囲は狭い(短い)。このため、前記検出する音波の周期によって規定されるサンプリング周期の時間で光パルスPが往復できる範囲よりもセンサとして用いられる検出用光ファイバ12が長尺である場合、サンプリング周期を光パルスの往復時間以上に設定すると、音波のスペクトルにエイリアシングが生じ、検出した音波に乱れが生じる。また、サンプリング周期を光パルスの往復時間以下に設定すると、当該検出用光ファイバ12の長手方向の複数の領域からのレイリー散乱光を同時に受信することになり、音波の分布全体を検出することができない。
そこで、当該分布型光ファイバ音波検出装置10では、光パルスP間の間隔が、検出対象とする音波(検出対象とする音波の周波数帯域が広い場合には前記周波数帯域における最も高い周波数の音波)の1周期の半分よりも短い時間間隔(第1の時間間隔)Tとなるようにし、検出用光ファイバ12において所定の間隔(前記第1の時間間隔Tに対応する間隔)で複数の光パルスP、P、P、…Pを進行させ、これにより、これら複数の光パルスP、P、P、…Pによって前記サンプリング周期内で検出用光ファイバ12の長手方向の全領域を走査できるようにすると共に、前記長手方向の各領域からのレイリー散乱光がそれぞれ重複しないように前記長手方向の各領域からのレイリー散乱光を順に受信できるようにした。
尚、本実施形態における第1の時間間隔Tは、検出対象とする音波により規定されるサンプリング周期(前記音波の半周期以下の時間)内の特定の時間間隔である。
一方、第1の時間間隔Tで出力される各光パルスPは、変調部24において互いに異なる(互いに独立した)符号系列によって位相変調されているため、受信したレイリー散乱光を復調することにより、当該レイリー散乱光がどの光パルスPによって生じたかを判別することができる。
従って、分布型光ファイバ音波検出装置10では、長尺な検出用光ファイバ12をセンサとして用い、高い周波数の(例えば、超音波のような1周期が短い)音波を検出する場合でも、第1の時間間隔Tで光パルスPを出力することにより、当該検出用光ファイバ12に沿った音波の分布を精度よく検出することができる。
図1に戻り、第1分光部222は、光源220から出力される光パルスPを、直線偏光を維持したまま分光(分岐)し、この分光した光パルスPを第2分光部224とレイリー散乱光受信部30(詳しくは、デジタルコヒーレント受信部320)とにそれぞれ出力する。
第2分光部224は、第1分光部222からの光パルスPを、直線偏光を維持したまま第1の光パルスと第2の光パルスとに分光し、これら第1の光パルス及び第2の光パルス(一対の光パルス)を変調部24へ出力する。この第2分光部224は、入力された光パルスを1/2の比率(50:50)で分岐して出力する。本実施形態の第2分光部224は、3dB分光器(3dBスプリッター)である。
変調部24は、位相変調部240と、合成部242と、を有し、光源部22(詳しくは、第2分光部224)が出力する第1の光パルスと第2の光パルスとをそれぞれ位相変調し、これら位相変調された第1の光パルスと第2の光パルスとを合成する。
位相変調部240は、第1の光パルスの位相変調を行う第1位相変調器240aと、第2の光パルスの位相変調を行う第2位相変調器240bと、第1の符号系列Aと第2の符号系列Bとからなる一対の符号系列(ペアコード:図2参照)を作成するコード生成部244と、を有する。
第1位相変調器240aは、コード生成部244から入力された第1の符号系列Aに基づいて第1の光パルスの位相変調を行う。
第2位相変調器240bは、コード生成部244から入力された第2の符号系列Bに基づいて第2の光パルスの位相変調を行う。
コード生成部244は、前記のように第1の符号系列A及び第2の符号系列Bからなるペアコードを生成し、第1の符号系列Aを第1位相変調器240aに出力すると共に第2の符号系列Bを第2位相変調器240bに出力する。このコード生成部244が生成するペアコード(第1の符号系列A及び第2の符号系列B)は、検出用光ファイバ12の長さ寸法Lに基づく所定長さ(所定の系列長さ)をそれぞれ有し、当該ペアコードによって第1及び第2の光パルスがそれぞれ位相変調されることにより、各光パルスが所定の幅dの複数のセルに分割される(図5(A)及び図5(B)参照)。即ち、各光パルスが変調速度dでそれぞれ位相変調される。
各セルの幅dは、音波の検出における検出用光ファイバ12の長手方向分解能に基づいて設定される。詳しくは、以下の通りである。
例えば、検出用光ファイバ12における当該光ファイバ12の長手方向に間隔をおいた二点に衝突した音波をそれぞれ検出する場合に、各点に衝突した音波を独立して検出するためには、シングルパルス(複数のセルに分割されていない光パルス)を用いる場合、この二点間の間隔よりもパルス幅を短くする必要がある。ここで、光パルスPが所定の符号系列を用いた位相変調によって複数のセルに分割されると、これら各セルがパルス幅の小さな光パルスと同じ働きをすることができる。そこで、各セルの幅(セル幅)dは、目標とする長手方向分解能よりも短く設定される。
また、このように各光パルスが幅dの複数のセルに分割されることによって、周波数の高い音波の検出も可能となる。具体的に、高い周波数の音波を検出するためには、シングルパルスを用いる場合、この高い周波数の音波が一周期で進む距離よりも短いパルス幅の光パルスを用いて測定しなければならない。ここで、光パルスが幅dの複数のセルに分割されると、上記のように各セルがパルス幅の小さな光パルスと同じ働きをすることができることから、パルス幅dの光パルスによって検出可能な高さの周波数(各セルの幅dに対応する高い周波数)の音波の検出が可能となる。
本実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10では、このように設定された幅dのセルが形成されるような符号系列(ペアコード)によって第1及び第2の光パルスがそれぞれ位相変調される。
本実施形態のコード生成部244は、Golay符号系列を出力する。尚、コード生成部244が出力する符号系列は、Golay符号系列に限定されない。即ち、コード生成部が出力する符号系列は、自己相関関数の和がδ関数となるペアコード、あるいは自己相関関数が単独でδ関数となる符号であればよく、例えば、M系列等の擬似乱数による符号系列でもよい。
また、コード生成部244は、光源部22から出力される光パルスP毎に異なる(独立した)ペアコードを生成する。これにより、検出用光ファイバ12から戻ってきたレイリー散乱光がどの光パルスPによって生じたものかを判別することが可能となる。
合成部242は、位相変調部240においてそれぞれ位相変調された第1の光パルスと第2の光パルスとを一つの光パルスPに合成して出力する。
本実施形態の合成部242は、一対の入力端子(第1入力端子242a及び第2入力端子242b)を有し、これら一対の入力端子242a、242bは、入力される光の偏光(偏波)方向が互いに直交する方向となるようにそれぞれ指定されている。即ち、本実施形態の合成部242は、偏光方向が互いに直交した状態で第1の光パルスと第2の光パルスとを合成して出力する。以下では、第1入力端子242aに入力される第1の光パルスをP偏波パルスとも称し、第2入力端子242bに入力される第2の光パルスをS偏波パルスとも称する。
光源220から合成部242までの各構成を接続する光路は、偏波保持光ファイバ(PMファイバ)や偏波状態が維持される導波路によって構成されている。これにより、光源220から直線偏光として出力された光パルスPは、第2分光部224における分光後もその偏光状態を保っている。そのため、第2分光部224と第1入力端子242aとを接続する偏波保持光ファイバ等と、第2分光部224と第2入力端子242bとを接続する偏波保持光ファイバ等とが、その偏光方向が互いに直交するように合成部242の入力端子242a、242bに接続されることにより、合成部242に入力される一対の光パルス(第1及び第2の光パルス)は、偏光方向が互いに直交する状態となる。
位相測定部50は、光源220が出力する光パルスPの位相を測定して、当該光パルスにおける光源220に起因する位相の変化(位相の時間変化)を検出する。この位相測定部50は、光源220から延びる光ファイバ(導波路)と、復調部324と、に接続され、測定結果に応じた位相信号を復調部324へ向けて出力する。復調部324がこの位相信号に基づいた補正を行うことにより、光源220に起因する位相の変化の影響を復調後の信号から取り除くことができる。
具体的に、位相測定部50は、図3にも示されるように、I/Q分離部52と、位相変化導出部54と、を備える。
I/Q分離部52は、光源220から延びる光ファイバ(導波路)から分岐する2つの導光路521,522と、光カプラ523と、90°位相シフタ524と、を有し、光源220から出力される光(光パルス)をI/Q分離する。
導光路521、522は、光源220から延びる光ファイバ(導波路)中を進行する光の一部を分岐させ、これを光カプラ523まで案内する。これら各導光路521、522の光路長は互いに異なる。具体的には、導光路521の光路長Eが導光路522の光路長Eよりもτ(詳しくは、時間τの間に光パルスが進む距離)だけ長い。
光カプラ523は、各導光路521、522によって案内された光同士を干渉させて出力する。このとき、導光路521と導光路522との光路長が互いに異なるため、導光路521によって案内される光が、導光路522によって案内される光よりも時間τだけ遅れて光カプラ523に到達する。光カプラ523は、この干渉後の光を2つに分岐して位相変化導出部54に向けて出力する。
90°位相シフタ524は、光カプラ523によって分岐された光の一方の位相を90°シフトする。
以上のようなI/Q分離部52からは、以下に示すI,Q信号が出力される。
Figure 0005948035
位相変化導出部54は、I/Q分離部52からのI,Q信号をA/D変換して合成し、光源220から出力される光の位相φ(t)を求める。具体的に、位相変化導出部54は、以下の式(2)によって前記光の位相φ(t)を求める。
Figure 0005948035
また、位相変化導出部54は、上記の式(2)により求めた位相φ(t)を時間で微分する(dφ(t)/dt)ことによって、各時刻における位相の変化率を求めることもできる。
位相変化導出部54は、このようにして求めた光源220から出力される光の位相の変化(光パルスにおける光源220に起因する位相の変化)φ(t)を位相信号として出力する。
尚、位相測定部50の具体的な構成は、上記構成に限定されない。即ち、位相測定部50は、光パルスPにおける光源220に起因する位相の変化を検出することができれば他の構成であってもよい。
また、位相測定部50内において、光源220から延びる光ファイバ等から位相変化導出部54までの各光路(導光路521、522等)を構成する光ファイバや導波路等も、偏波保持特性を有する。即ち、光源220から延びる光ファイバ等から分岐された光は、位相変化導出部54まで、その偏光方向が維持される。
光サーキュレータ14は、入射光と射出光とがその端子番号に循環関係を有する非可逆性の光部品である。即ち、第1端子14aに入射した光は、第2端子14bから射出されるとともに、第3端子14cからは射出されず、第2端子14bに入射した光は、第3端子14cから射出されるとともに、第1端子14aからは射出されず、第3端子14cに入射した光は、第1端子14aから射出されるとともに、第2端子14bからは射出されない。この光サーキュレータ14の第1端子14aは、光パルス射出部20に接続され、第2端子14bは、検出用光ファイバ12の第1端部12aに接続され、第3端子14cは、レイリー散乱光受信部30に接続される。
レイリー散乱光受信部30は、位相変化導出部32と、音波検出部34と、を有し、光パルス(P偏光パルスとS偏光パルスとが合成された光パルス)Pの入射によって検出用光ファイバ12内に生じるレイリー散乱光を受信する。
位相変化導出部32は、デジタルコヒーレント受信部(分離・検波部)320と、デジタル信号処理部322と、復調部324と、導出部36と、を有し、光パルス射出部20における位相変調に対応する復調が行われたレイリー散乱光からその位相変化を求める。
デジタルコヒーレント受信部320は、検出用光ファイバ12(詳しくは、光サーキュレータ14の第3端子14c)と光源部22(詳しくは、第1分光部224)とにそれぞれ接続され、検出用光ファイバ12からのレイリー散乱光の、直交する偏波成分(本実施形態では、P/S偏波)と直交する位相成分(I/Qチャンネル)との分離をそれぞれ行い、電気信号として出力する。
このデジタルコヒーレント受信部320は、偏波分離器320aと、分岐器320bと、第1の光90°ハイブリッド321aと、第2の光90°ハイブリッド321bと、を有する。
偏波分離器320aは、レイリー散乱光受信部30が検出用光ファイバ12から受信したレイリー散乱光を、所定の偏光方向の第1のレイリー散乱光(以下、単に「P偏波散乱光」とも称する。)と、この第1のレイリー散乱光と直交する偏光方向の第2のレイリー散乱光(以下、単に「S偏波散乱光」とも称する。)と、に分離(偏波分離)する。
分岐器320bは、第1分光部222からの光パルスPを2つ(光パルスPi1、Pi2)に分岐する。
第1の光90°ハイブリッド321aは、分岐器320bによって分けられた光パルスPi1を局発光(局部発振光)として偏波分離器320aからのP偏波散乱光と干渉させることによってI成分とQ成分とに分離し、これをI,Q信号(アナログ信号)に変換して出力する。
第2の光90°ハイブリッド321bは、分岐器320bによって分けられた光パルスPi2を局発光(局部発振光)として偏波分離器320aからのS偏波散乱光と干渉させることによってI成分とQ成分とに分離し、これをI,Q信号(アナログ信号)に変換して出力する。
デジタル信号処理部322は、デジタルコヒーレント受信部320から出力される各偏波散乱光(P偏波散乱光及びS偏波散乱光)のI,Q信号(アナログ信号)をそれぞれA/D変換した後に、図4に示される回路を通過させて、第1の光パルスに対応するP偏波散乱光のI,Q信号(以下、単に「P偏波デジタル信号」とも称する。)と、第2の光パルスに対応するS偏波散乱光のI,Q信号(以下、単に「S偏波デジタル信号」とも称する。)と、を出力する。具体的に、デジタル信号処理部322は、図4の回路においてその下側に示すマトリクスを決定し、このマトリクスを用いることにより、光パルス射出部20から出力された光パルス(位相変調後の第1の光パルス及び第2の光パルスを合成させた光パルス)Pによって検出用光ファイバ12内において生じたレイリー散乱光を前記第1の光パルスに対応するP偏波デジタル信号と前記第2の光パルスに対応するS偏波デジタル信号とに分離して出力する。
本実施形態では、デジタルコヒーレント受信部320及びデジタル信号処理部322としてDP−QPSK(Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keying)受信モジュールが用いられる。
本実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10においては、40Gbit/s以上の高速光伝送が行われているため、デジタル信号処理部322におけるA/D変換の分解能が6bitしかない。しかし、当該分布型光ファイバ音波検出装置10では、Golay符号系列による位相変調によって光パルスPが分割されて212個のセルが形成され、これが復調されるときに一つの光パルスPに集約されることにより、18bit(=6+12)の分解能がある場合と同じ精度が得られる。即ち、検出用光ファイバ12のレイリー散乱光が生じた部位の歪み情報を当該レイリー散乱光の各セルがそれぞれ含む(有している)ため、これが復調によって集約されることにより前記精度が得られる。このように、デジタル信号処理部322におけるA/D変換の分解能が低くても、当該分布型光ファイバ音波検出装置10のように符号系列を用いたパルス圧縮を行うことにより、高精度な音波の検出が実現される。
復調部324は、デジタルコヒーレント受信部320及びデジタル信号処理部322によって偏波分離されたP偏波デジタル信号とS偏波デジタル信号とに対し、位相測定部50からの位相信号に基づく補正をそれぞれ行った後に、変調部24における位相変調に対応する復調を行う。
この復調部324は、第1復調部324aと第2復調部324bとを有し、これら第1復調部324a及び第2復調部324bは、コード生成部244に接続される。
第1復調部324aは、デジタル信号処理部322から出力されるP偏波デジタル信号に対し、位相測定部50からの位相信号に基づく補正を行う。この位相信号は、補正対象のP偏波デジタル信号に対応する光パルスPにおける光源に起因する位相の変化を測定することにより得られた信号である。
詳しくは、P偏波デジタル信号(第1の符号系列Aによって位相変調された第1の光パルスにより検出用光ファイバ12内で生じたP偏波散乱光に対応するデジタル信号)をA’とした場合に、第1復調部324aは、以下の式(3)に示す補正を行う。
Figure 0005948035
即ち、第1復調部324aは、式(3)におけるeの右肩に示す−iφ(t)の「φ(t)」に、位相測定部50において求められたφ(t)を代入することにより、P偏波デジタル信号を補正する。これにより、P偏波デジタル信号から光源220に起因する位相の変化の影響が取り除かれる。
同様に、第2復調部324bは、デジタル信号処理部322から出力されるS偏波デジタル信号B’に対し、位相測定部50からの位相信号(上記の第1復調部324aにおけるP偏波デジタル信号の補正に用いられた位相信号)に基づく補正(下記の式(4)に示す補正)を行う。
Figure 0005948035
そして、第1復調部324aは、補正後のP偏波デジタル信号に対し、第1の光パルスが変調部24において位相変調されたときのコード(第1の符号系列A)に基づいた復調を行う。また、第2復調部324bは、補正後のS偏波デジタル信号に対し、第2の光パルスが変調部24において位相変調されたときのコード(第2の符号系列B)に基づいた復調を行う。
例えば、符号系列の長さが16で、第1の符号系列Aと第2の符号系列Bとがそれぞれ
=(1,1,1,-1,1,1,-1,1,1,1,1,-1,-1,-1,1,-1)
=(1,1,1,-1,1,1,-1,1,-1,-1,-1,1,1,1,-1,1)
と表される場合(図5(A)及び図5(B)参照)、第1の光パルスは、第1位相変調器240aにおいて上記の第1の符号系列Aに基づいて位相変調され、第2の光パルスは、第2位相変調器240bにおいて上記の第2の符号系列Bに基づいて位相変調される。ここで、符号の1,-1は、位相変調の0,πに対応させるものとする。
この場合、第1復調部324aにおいて、この第1の光パルスに対応するP偏波デジタル信号の復調が、第1の符合系列Aに対応するコード(パルス圧縮復元整合フィルタ)A によって行われる。具体的に、第1復調部324aでは、A’・A の演算によって復調される。また、第2復調部324bにおいて、第2の光パルスに対応するP偏波デジタル信号の復調が、第2の符合系列Bに対応するコード(パルス圧縮復元整合フィルタ)B によって行われる。具体的に、第2復調部324bでは、B’・B の演算によって復調される。ここで、A とB とは、AとBとの符号の並びを反対にしたものであり、
=(-1,1,-1,-1,-1,1,1,1,1,-1,1,1,-1,1,1,1)
=(1,-1,1,1,1,-1,-1,-1,1,-1,1,1,-1,1,1,1)
で表される(図5(C)及び図5(D)参照)。
導出部36は、ペア合成部360と、位相導出部362と、位相変化導出部364と、を備え、復調されたレイリー散乱光の位相変化ΔΦを求める。
ペア合成部360は、復調部324においてそれぞれ復調されたP偏波散乱光とS偏波散乱光との和をとって(合成して)復調信号を求める。具体的には、ペア合成部360は、第1復調部324aにおいて復調されたP偏波デジタル信号(I,Q信号:P偏波散乱光に対応する信号)と、第2復調部324bにおいて復調されたS偏波デジタル信号(I,Q信号:S偏波散乱光に対応する信号)と、を合成する。より具体的には、ペア合成部360では、第1復調部324aにおいて復調されたP偏波デジタル信号と第2復調部324bにおいて復調されたP偏波デジタル信号との合成が、各信号のI成分(信号)同士の和と、Q成分(信号)同士の和と、を取ることによって復調信号(I,Q信号)が生成される。
このように、復調する、即ち、P偏波散乱光とS偏波散乱光との復調後の信号の和をとることにより、それぞれ複数のセルに分割されていたP偏波散乱光とS偏波散乱光とが1つの光パルス(シングルパルス)に戻る。このとき、各セル(P偏波散乱光の各セル及びS偏波散乱光の各セル)が有していた、検出用光ファイバ12におけるレイリー散乱光(前記P偏波散乱光及び前記S偏波散乱光)が生じた部位の歪み情報が、セル1つ分のパルス幅のシングルパルス(複数のセルに分割されていない光パルス)に集約される。即ち、本実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10では、光パルスPによって検出用光ファイバ12内に生じたレイリー散乱光に復調を行う(即ち、所定の符号系列を用いたパルス圧縮を行う)ことにより、小さなパルス幅(セル幅dに相当するパルス幅)で且つ強い信号強度を持った光パルスを用いて音波の検出を行ったのと同等の効果が得られる。
位相導出部362は、ペア合成部360において求められた復調信号から、レイリー散乱光受信部30が受信したレイリー散乱光の位相Φを求める。具体的に、位相導出部362は、ペア合成部360により求められた復調信号(I,Q信号)から、以下の式(5)により、前記レイリー散乱光の位相Φを求める。
Figure 0005948035
位相導出部362は、このようにして求めたレイリー散乱光の位相Φを位相変化導出部364に出力すると共に、制御処理部16の記憶部16aに格納する。
位相変化導出部364は、位相導出部362において直近に求められたレイリー散乱光の位相と、前回求められたレイリー散乱光の位相との差(位相変化)ΔΦを求める。例えば、分布型光ファイバ音波検出装置10により時刻t、t、t、…tにおいて音波の検出を行った場合、位相変化導出部364は、時刻tのときに求められたレイリー散乱光の位相Φと、時刻ti−1のときに求められたレイリー散乱光の位相Φi−1との差を位相変化ΔΦとして求める。具体的には、位相変化導出部364は、位相導出部362からレイリー散乱光の位相Φを受け取ると共に、位相導出部362により記憶部16aに格納された前回求められたレイリー散乱光の位相Φi―1を引き出し、これらから、前回求められたレイリー散乱光と次に求められたレイリー散乱光との位相変化ΔΦ(=Φ−Φi−1)を求める。
音波検出部34は、位相変化導出部364から出力されるレイリー散乱光の位相変化ΔΦの大きさから、図6に示されるような各時刻t、t、t、…、t毎のz軸方向(検出用光ファイバ12の長手方向)の各位置における位相変化ΔΦの大きさのデータ(z軸に沿った位相変化ΔΦの分布データ)を作成し、この位相変化ΔΦの分布データを記憶部16aに格納する。尚、本実施形態では、各時刻t、t、t、…の間隔TD2をサンプリングレートとも称する。
音波検出部34は、光パルス射出部20から光パルスPが出力されてから、この光パルスPによって生じたレイリー散乱光がレイリー散乱光受信部30に受信されるまで、の時間によって、位相変化ΔΦが生じたレイリー散乱光の発生した長手方向の位置を特定する。この長手方向の各位置におけるレイリー散乱光の位相変化ΔΦの大きさが、検出用光ファイバ12の当該位置に外部から衝突した音波を表す。
制御処理部16は、分布型光ファイバ音波検出装置10の各構成を制御するための部位であり、例えば、マイクロプロセッサ、ワーキングメモリ、及び、必要なデータを記憶するメモリー等の記憶部16aを備えている。
また、制御処理部16は、音波検出部34により求められて記憶部16aに格納された各種データ(位相変化ΔΦの分布等)の演算処理を行い、検出用光ファイバ12に衝突した音波についての各種情報を求める。例えば、制御処理部16は、長手方向に沿った位相変化ΔΦの分布から音波の発信源の位置の特定を行うことができる。また、制御処理部16は、長手方向に沿った位相変化ΔΦの分布の時間変化から、時刻の経過(t、t、t、…、t)に伴う音波の発信源の位置の移動等も検出することができる。
出力部40は、表示部42及びスピーカー部44を有し、音波検出部34が記憶部16aに格納した位相変化ΔΦの分布に基づいて長手方向の各位置において検出した音波の各種情報を外部に出力する。具体的に、出力部40は、表示部42によって、例えば、検出用光ファイバ12の長手方向の距離を表す軸(z軸)、経過時間を表す軸、検出した音波の強度を表す軸、の3つの軸を有するグラフ等や、制御処理部16が求めた音波の発信源の位置等を表示する。また、出力部40は、スピーカー部44によって、検出用光ファイバ12の長手方向における任意の位置において検出した音波を出力(再生)する。
検出した音波を再生する場合、出力部40は、記憶部16aに格納された位相変化ΔΦの分布データにおけるz軸上の所定位置に再生windowを設定し(図6参照)、この再生window内の位相変化ΔΦの時刻(t、t、t、…、t)の経過に伴う変化を音(≒電圧)の変化として再生する。
再生windowは、通常、図6において単点の再生windowとして示すように、各時刻t、t、t、…のz軸(検出用光ファイバ12の長手方向)の特定位置を繋ぐ直線上に設定される。このような再生windowが設定されることにより、前記特定位置に衝突した音が時刻t、t、t、…の経過順に再生される。尚、再生windowは、前記直線上に設定されたものに限定されず、例えば、z軸方向に所定の幅を有する再生indow(図6において単点の再生windowの左側に示す再生window)が設定されてもよい。この場合、各時刻t、t、t、…において複数の周波数の音が混ざった状態で再生される。
以上の分布型光ファイバ音波検出装置10では、図7に示すようにして音波の検出が行われる。詳しくは、以下で説明する。
先ず、検出用光ファイバ12が配置される。この検出用光ファイバ12は、空気中に架設されてもよく、地中や建物等の壁内や、飛行機等の乗り物又は壁等の構造物の表面等に配置されてもよい。また、検出用光ファイバ12は、人体に巻き付けるように配置されてもよい。
空気中に架設された場合は、空気中を伝播して検出用光ファイバ12に到達した音波を検出することができる。また、地中や建物等の壁内、乗り物や構造物の表面等に配置された場合は、地中や壁、乗り物や構造物を構成する各部材を伝播して検出用光ファイバ12に到達した音波を検出することが可能となる。さらに、建物内において通信用に既に配設されている光ファイバを検出用光ファイバ12として用いてもよい。この場合、室内で生じた音波(音)が室内の空気、壁等を順に伝播して検出用光ファイバ(通信用に既に配設されている光ファイバ)12に到達することにより、この音波を検出することができる。また、人体に巻き付けた場合は、人の体の中を伝播して検出用光ファイバ12に到達した音波(例えば、超音波等)を検出することが可能となる。
検出用光ファイバ12が配置されると、制御処理部16は、光パルス射出部20から、位相変調された光パルスPを第1の時間間隔Tで出力し、光サーキュレータ14を介して検出用光ファイバ12内に入力させる。詳しくは、以下の通りである。
光源部22が所定のパルス幅Dを有し且つ直線偏光の光パルスPを出力する(ステップS1)。この光パルスPは、検出対象とする音(所定の周波数帯域を有する場合は、最も周波数の高い音)の周期に基づいて設定された第1の時間間隔Tで次々に出力される。
この光パルスPは、第2分光部224によって一対の光パルス(第1の光パルス及び第2の光パルス)に分光されて変調部24に供給される。変調部24では、各位相変調器240a、240bが、コード生成部244によって生成されたペアコード(第1の符号系列A及び第2の符号系列B)を用いて、対応する一対の光パルス(第2分光部224において分光された一対の光パルス)に対して位相変調をそれぞれ行う(ステップS2)。即ち、第1位相変調器240aが第1の符号系列Aを用いて第1の光パルスを位相変調すると共に、第2位相変調器240bが第2の符号系列Bを用いて第2の光パルスを位相変調する。これにより各光パルスが複数のセルに分割される。
各位相変調器240a、240bにおいて位相変調された一対の光パルスは、合成部242において偏光方向が互いに直交した状態で合成され、この合成された光パルスPが光パルス射出部20から第1の時間間隔Tで出力される(ステップS3)。この光パルスPは、光サーキュレータ14を介して第1端部12aから検出用光ファイバ12内に入力される。これにより、検出用光ファイバ12内を複数の光パルスP、P、P、…、Pが第2端部12bに向けて第1の時間間隔Tに対応する間隔で進む(図2参照)。
このとき、例えば、固体中を伝播する音波の検出を行う場合に、固体中の音波の速度が5000m/s、検出対象の音波の周波数が20kHzであれば、音波の1周期が50μsであり、サンプリング周期は、例えば25μs(サンプリング周期はこの値以下であればよい。)となる。このサンプリング周期の時間で光ファイバ中を光パルスPが進む距離は5kmである。従って、第1の時間間隔Tは、25μs(この値以下であればよい。)に設定される。この場合、検出用光ファイバ12の全長Lが10kmであれば、光パルスPが往復する距離は20kmであるため、当該光ファイバ12内を4パルス(4個)の光パルスが第1の時間間隔T(25μs間隔または5km間隔)で往復する。
また、例えば、検出対象の音波の周波数が10MHzであれば、音波の1周期が0.1μs(=100ns)であり、サンプリング周波数は、例えば50ns(サンプリング周期はこの値以下であればよい。)になる。このサンプリング周期の時間で光ファイバ中を光パルスPが進む距離は10mである。従って、第1の時間間隔Tは、50ns(この値以下であればよい。)に設定される。この場合、検出用光ファイバ12の全長Lが100mであれば、光パルスPが往復する距離は200mであるため、当該光ファイバ12内を20パルス(20個)の光パルスが第1の時間間隔T(50ns間隔または10m間隔)で往復する。
以上のように検出用光ファイバ12内に光パルスPが入力されると、次に、制御処理部16は、レイリー散乱光受信部30により受信したレイリー散乱光から検出用光フィアバ12に衝突した音波の検出を行う。詳しくは、以下の通りである。
音波が検出用光ファイバ12に到達(衝突)すると当該光ファイバ12にこの音波の衝突による歪みが生じる。この歪みは、検出用光ファイバ12の長手方向(音波が衝突した位置における検出用光ファイバ12の中心軸(接線)方向)の歪みである。この歪みが生じた位置でレイリー散乱光が生じると、このレイリー散乱光では、前記歪みが生じていなかったときに同じ位置で生じるレイリー散乱光と比べて位相が変化している。この位相変化ΔΦの大きさは、検出用光ファイバ12に衝突した音波の大きさや周波数等に対応している。そこで、レイリー散乱光受信部30は、検出用光ファイバ12の第1端部12aに戻ってきたレイリー散乱光から、当該検出用光ファイバ12への音波の衝突に起因するレイリー散乱光の位相変化ΔΦ(歪みの情報)を検出し、この位相変化ΔΦから検出用光ファイバ12に衝突した音波の検出を行う。即ち、検出用光ファイバ12内に入射した光パルスPによって生じたレイリー散乱光を受信し、このレイリー散乱光から、音波の衝突によって検出用光ファイバ12に生じた歪みの情報を取得する。
より詳しくは、先ず、デジタルコヒーレント受信部320が、受信したレイリー散乱光の、直交する偏波成分(P/S偏波)と、直交する位相成分(I/Qチャンネル)と、の分離を行い、デジタル信号処理部322がA/D変換した後、図4に示される回路によって第1の光パルスに対応するP偏波デジタル信号と、第2の光パルスに対応するS偏波デジタル信号と、を生成して出力する。そして、第1復調部324a(第2復調部324b)が、P偏波デジタル信号(S偏波デジタル信号)に対して第1位相変調器240a(第2位相変調器240b)での位相変調に対応する復調(A’・A 、及びB’・B )を行う(ステップS4)。
P偏波デジタル信号とS偏波デジタル信号とがそれぞれ復調されると、ペア合成部360は、この復調により求められたP偏波散乱光(P偏波散乱光に対応する信号)とS偏波散乱光(S偏波散乱光に対応する信号)との和をとって復調信号とする。これにより、位相変調によって複数のセルに分割されていたレイリー散乱光(光パルス)に相当する信号がセル1つ分のパルス幅のシングルパルス(複数のセルに分割されていない光パルス)に相当する信号となる。ここで、検出用光ファイバ12に入力された光パルスPが屈折率の揺らぎによって反射されレイリー散乱光が生じたときに、光パルスPを構成する全てのセルが前記揺らぎによって反射されているため、各セルが当該反射された位置の歪み情報をそれぞれ含むことになる。そのため、復調によってシングルパルス(シングルパルスに相当する信号)となることで各セルに含まれていた歪み情報が集約され、これにより、一つの光パルス(レイリー散乱光)に相当する信号から前記セルの数と同じ数の光パルスを検出用光ファイバ12に出力した場合に得られる情報量と同程度の歪み情報を得ることが可能となる。
復調されたP偏波デジタル信号とS偏波デジタル信号とがペア合成部360において合成されて復調信号が生成されると、位相導出部362がこの復調信号からこの復調信号に対応するレイリー散乱光の位相を求める。そして、位相変化導出部364が、このレイリー散乱光の位相と、位相導出部362において前回求められたレイリー散乱光の位相と、からレイリー散乱光の位相変化(即ち、音波の衝突により検出用光ファイバ12に生じた歪みに起因するレイリー散乱光の位相変化)ΔΦを求める(ステップS5)。本実施形態では、音波の衝突による検出用光ファイバ12の歪みは極めて短時間で変化するため、導出部36は、前回の測定時(例えば、図6における時刻t)のレイリー散乱光と、次の測定時(例えば、図6における時刻t)のレイリー散乱光との位相差から位相変化ΔΦを求める。
このように位相変化ΔΦが求まると、音波検出部34は、各時刻t、t、t、…、t毎のz軸方向(長手方向)の位相変化ΔΦの分布データをそれぞれ形成して、記憶部16aに格納する(ステップS6)。このz軸方向(長手方向)の位相変化ΔΦの分布が、z軸方向の各位置に衝突した音波の分布である。
このとき、一つの光パルスPで検出(走査)可能なz軸方向(長手方向)の音波の分布は、光パルスPが検出用光ファイバ12内を音波(検出対象の音波)のサンプリング周期、即ち、検出対象とする音波の最大周波数の周期の半分の時間で往復することができる範囲内のものであるが、複数の光パルスP、P、P、…、Pが光パルス射出部20から第1の時間間隔Tで出力されることにより、これら複数の光パルスP、P、P、…、Pによって前記サンプリング周期内で検出用光ファイバ12のz軸方向(長手方向)の全領域を走査することができる。
以上のようにz軸方向(長手方向)の位相変化ΔΦの分布(音波のz軸方向の分布)が検出されると、次に、出力部40は、z軸方向(長手方向)の特定位置(再生windowを設定したz軸上の位置)での時刻の経過(t、t、t、…、t)に伴う位相変化ΔΦの変化を電圧の変化に変換し、これにより、検出用光ファイバ12の前記特定位置に衝突した音波の再生を行う(ステップS7)。
また、制御処理部16が音波検出部34によって記憶部16aに格納されたz軸方向(長手方向)の位相変化ΔΦの分布から音波の発信源の位置を特定し、出力部40が表示部42によってこれを表示する。
尚、制御処理部16に、z軸方向の位相変化ΔΦの分布から地中や構造物内部の様子を再現するためのプログラムが組み込まれると、地中や構造物内で伝播した音波が検出用光ファイバ12によって検出されて前記プログラムが実行されることにより、得られたz軸方向(長手方向)の位相変化ΔΦの分布から制御処理部16が地中の様子や油井の状態、構造物内部の様子が再現され、出力部40がこれらの各種情報を表示することが可能となる。また、制御処理部16にz軸方向(長手方向)の位相変化ΔΦの分布から人体の内部の様子を再現するためのプログラムが組み込まれると、人体内を伝播した音波が検出用光ファイバ12によって検出されて前記プログラムが実行されることにより、得られたz軸方向(長手方向)の位相変化ΔΦの分布から制御処理部16が人体の内部の様子を検出し、出力部40がこれを画像として表示することが可能となる。
以上の分布型光ファイバ音波検出装置10によれば、所定の符号系列による位相変調が行われた光パルスPを検出用光ファイバ12に入射させると共に、この光パルスPによって検出用光ファイバ12内に生じたレイリー散乱光に前記位相変調に対応する復調を行う(即ち、所定の符号系列を用いたパルス圧縮を行う)ことにより、小さなパルス幅(セルの幅dに相当するパルス幅)で且つ強い信号強度を持った光パルスを用いて音波の検出を行ったのと同等の効果が得られる。これにより、長尺な検出用光ファイバ12の長手方向(z軸方向)の各領域に衝突した音波を高感度かつ高精度に検出することができると共に、高い長手方向分解能を実現することができる。
具体的には、所定長さ(検出用光ファイバ12の長さ寸法Lに基づく長さ)の符号系列(本実施形態では、Golay符号系列)を用いて光パルスPを位相変調することにより、検出用光ファイバ12に入射した光パルスPにおいて音波を検出するのに十分なエネルギーを確保することができる。詳しくは、以下の通りである。
長い符号系列によって位相変調される光パルスPのパルス幅Dは、この符号系列の長さに応じて大きく、そのため、長い符号系列によって位相変調される光パルスPほど大きなエネルギーを有する。そこで、検出用光ファイバ12における第2端部12b近傍で生じたレイリー散乱光を受信したときに、音波の検出に必要な信号強度が十分確保される長さの符号系列によって位相変調された光パルスPを音波の検出に用いる。これにより、長尺な検出用光ファイバ12の長手方向のいずれの位置で生じたレイリー散乱光を受信しても、このレイリー散乱光が音波の検出に必要な十分な信号強度を有している。このため、長尺な検出用光ファイバ12の長手方向の各領域に衝突した音波を高感度且つ高精度に検出することができる。
しかも、位相変調によって光パルスPが複数のセルに分割されていると、当該光パルスPによって検出用光ファイバ12内にレイリー散乱光が生じたときに、このレイリー散乱光の各セルが当該レイリー散乱の生じた部位の歪み情報をそれぞれ含む(有する)こととなる。これにより、一つの光パルスPによる測定で多くの歪み情報が得られる。即ち、受信したレイリー散乱光を復調することによって各セルに含まれる歪み情報が集約されるため、多数(セルの数に相当する数)の光パルスを用いて前記レイリー散乱が生じた部位の歪みを測定したのと同程度の歪み情報を得ることができる。このように、所定の符号系列を用いたパルス圧縮を行うことによって、一つの光パルスPによって生じたレイリー散乱光から当該レイリー散乱光の生じた検出用光ファイバ12の部位における十分な量の歪み情報が得られる。その結果、音波が衝突することによって検出用光ファイバ12に生じて極短時間で変化する歪みであっても、これを精度よく検出することが可能となる。
さらに、位相変調によって光パルスPが所定の幅dの複数のセルに分割されることにより、前記セルの幅dと同じパルス幅の光パルスを用いて測定した場合と同じ長手方向分解能を得ることも可能となる。即ち、光パルスPを上記のような所定長さの符号系列に対応する数のセルに分割することにより、当該光パルスPの有するエネルギーを十分に確保して検出用光ファイバ12の第1端部12aから離れた位置に衝突した音波の検出を可能にしつつ、セル幅に応じた高い長手方向分解能を実現することが可能となる。
本実施形態のような符号系列を用いたパルス圧縮を行う場合、一つの光パルスPによって検出用光ファイバ12におけるレイリー散乱光が生じた部位の十分な量の歪み情報が得られるため、検出用光ファイバ12に入射させる光パルスPの周波数をスイープ(掃引)して測定する必要がない。そのため、当該分布型光ファイバ音波検出装置10によれば、光パルス射出部20において、出力する光パルスの周波数が可変な光源部に比べて簡素な構成の光源部22を用いても、長尺な検出用光ファイバ12の長手方向の各領域に衝突した音波を高感度かつ高精度に検出することができると共に、高い長手方向分解能を実現することができる。
また、本実施形態のように自己相関関数の和がδ関数となるような一対の符号系列(例えばGolay符号系列)を用いたパルス圧縮を行うことにより、デジタルコヒーレント受信部320及びデジタル信号処理部322、復調部324において分離・復調された一対のレイリー散乱光(P偏波散乱光及びS偏波散乱光)から位相変化を求めるときに、この一対のレイリー散乱光以外のレイリー散乱光の影響を排除することができる。これにより、音波の高感度かつ高精度な検出をより確実に行うことができる。
即ち、Golay符号系列を用いることで、図2において、
*A+B*B=2Mδ
*A+B*B=0
がそれぞれ成り立つ。ここで、*は、相関演算を表し、Mは符号列の長さを表す。
これにより、前記一対のレイリー散乱光の一方(例えば、P偏波散乱光)と他のレイリー散乱光との自己相関関数の和が0となるため、前記一対のレイリー散乱光以外のレイリー散乱光の影響を測定結果から排除することができる。
また、本実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10のように、位相測定部50によって光パルスPにおける光源220に起因する位相変化を検出し、変調部24での位相変調に応じた復調が復調部324において行われる前に、受信したレイリー散乱光に位相測定部50による測定結果に基づく補正を行うことにより、復調後のレイリー散乱光における光源220に起因する位相変化の影響を抑えることができる。その結果、本実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10では、音波の検出を精度よく行うことができる。具体的には、以下の通りである。
光源の種類によって、出力する光線(光パルス)の位相が時刻の経過と共に変化するものがあり、この位相変化には規則性がない。そのため、分布型光ファイバ音波検出装置10に前記位相が変化する光源220が用いられた場合、受信したレイリー散乱光をそのまま復調すると、復調後のレイリー散乱光が光源220に起因する位相変化の影響(位相ノイズ)を含んだ状態となる。そこで、本実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10のように、光パルスPの光源220に起因する位相変化を測定し、この測定結果に基づく補正を復調前のレイリー散乱光に対して行うことにより位相ノイズが取り除かれ、復調後のレイリー散乱光における前記位相ノイズの影響が抑えられる。これにより、出力する光線の位相が時刻の経過と共に変化する光源220を用いても、音波を精度よく検出することが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について図8を参照しつつ説明するが、上記第1実施形態と同様の構成には同一符号を用いると共に詳細な説明を省略し、異なる構成ついてのみ詳細に説明する。
この分布型光ファイバ音波検出装置10Aは、装置本体11と、検出用光ファイバ12と、を備える。そして、装置本体11は、光パルス射出部20Aと、位相測定部50A、50Bと、光サーキュレータ14と、レイリー散乱光受信部30Aと、制御処理部16と、出力部40と、を備える。
尚、本実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10Aにおいても、第1実施形態同様、光パルス射出部20Aと光サーキュレータ14との間にエルビウム添加光ファイバ(EDFA)等の光増幅器が配置されてもよい。
光パルス射出部20Aは、所定の周波数の光パルスを出力する光源部22Aと、光源部22Aの出力する光パルスPを位相変調する変調部24Aと、強度変調部26と、を備え、光パルスを検出用光ファイバ12の第1端部12aから当該検出用光ファイバ12内に入射させる。
光源部22Aは、第1光源220Aと、第2光源220Bと、第3分光部225と、第4分光部226と、を有する。
第1光源220Aは、特定の波長λの第1の光パルスを出力する。また、第2光源220Bは、波長λと異なる波長λの第2の光パルスを出力する。即ち、第1の光パルスと第2の光パルスとは、互いに波長λが異なる。
第3分光部225は、第1光源220Aから出力される第1の光パルスを分光(分岐)し、この分光した第1の光パルスを変調部24Aとレイリー散乱光受信部30A(詳しくは、分離・検波部312の第1ミキサ312a)とにそれぞれ出力する。
第4分光部226は、第2光源220Bから出力される第2の光パルスを分光(分岐)し、この分光した第2の光パルスを変調部24Aとレイリー散乱光受信部30A(詳しくは、分離・検波部312の第2ミキサ312b)とにそれぞれ出力する。
変調部24Aは、位相変調部240Aと、合成部242Aと、を有し、光源部22A(詳しくは、第1光源220A及び第2光源220B)が出力する第1の光パルスと第2の光パルスとをそれぞれ位相変調して合成する。
位相変調部240Aは、第1位相変調器240aと、第2位相変調器240bと、第1の符号系列Aと第2の符号系列Bとからなる一対の符号系列(ペアコード:図2参照)を作成するパルス発生器(Pulse Generator)28と、を有する。
パルス発生器28は、第1の光パルス及び第2の光パルスの位相変調に用いられるペアコードを生成するコード生成部244と、合成後の光パルスPの強度変調用の信号(強度信号)を生成する強度変調信号生成部245と、を有する。
強度変調信号生成部245は、強度変調部26に接続され、コード生成部244において生成されるペアコードに対応するパルス幅D及びパルス間隔(第1の時間間隔)Tで、強度変調用の信号を出力する(図2参照)。
合成部242Aは、位相変調部240Aにおいてそれぞれ位相変調された第1の光パルスと第2の光パルスとを一つの光パルスPに合成して出力する。本実施形態の合成部242Aは、波長分割多重(WDM: Wavelength Division Multiplex)技術によって、第1の光パルスと第2の光パルスとを一つの光パルスPに合成して出力する。
強度変調部26は、パルス発生器28の強度変調信号生成部245からの強度変調用信号に基づいて、合成部242Aから出力される光パルスPの強度変調を行う。
以上の光パルス射出部20Aからは、第1実施形態同様、幅がdの複数のセルに分割され且つパルス幅Dの光パルスPが第1の時間間隔Tで出力される。
位相測定部(第1の位相測定部)50Aは、第1光源220Aが出力する第1の光パルスの位相を測定して、当該第1の光パルスにおける第1光源220Aに起因する位相の変化(位相の時間変化)を検出し、この測定結果に応じた位相信号を第1復調部324aへ向けて出力する。
位相測定部(第2の位相測定部)50Bは、第2光源220Bが出力する第2の光パルスの位相を測定して、当該第2の光パルスにおける第2光源220Bに起因する位相の変化(位相の時間変化)を検出し、この測定結果に応じた位相信号を第2復調部324bへ向けて出力する。
レイリー散乱光受信部30Aは、位相変化導出部32Aと、音波検出部34と、を有し、光パルス(互いに波長が異なる第1の光パルスと第2の光パルスとが合成された光パルス)Pの入射によって検出用光ファイバ12内に生じるレイリー散乱光を受信する。
位相変化導出部32Aは、分光部310と、分離・検波部312と、復調部324と、導出部36と、を有する。
分光部310は、検出用光ファイバ12からのレイリー散乱光を1/2の比率(50:50)で分岐して、分離・検波部312(詳しくは、第1ミキサ312aと第2ミキサ312bと)に出力する。本実施形態の分光部310は、3dB分光器(3dBスプリッター)である。
分離・検波部312は、第1ミキサ312aと、第2ミキサ312bと、第1のA/D変換部312cと、第2のA/D変換部312dと、を有し、検出用光ファイバ12からのレイリー散乱光から、第1の光パルスに対応する成分である第1のレイリー散乱光と、第2の光パルスに対応する成分である第2のレイリー散乱光とを、それぞれ抽出する。
第1ミキサ312aは、第3分光部225からの第1の光パルスを局発光として検出用光ファイバ12からのレイリー散乱光の検波を行って当該レイリー散乱光から第1の光パルスに対応する第1のレイリー散乱光を抽出し、そのI,Q信号(アナログ信号)を出力する。
第2ミキサ312bは、第4分光部226からの第2の光パルスを局発光として検出用光ファイバ12からのレイリー散乱光の検波を行って当該レイリー散乱光から第2の光パルスに対応する第2のレイリー散乱光を抽出し、そのI,Q信号(アナログ信号)を出力する。
第1のA/D変換部312cは、第1ミキサ312aから出力される第1のレイリー散乱光のI,Q信号をそれぞれA/D変換してデジタル信号とし、復調部324(詳しくは、第1復調部324a)に出力する。また、第2のA/D変換部312dは、第2ミキサ312bから出力される第2のレイリー散乱光のI,Q信号をそれぞれA/D変換し、デジタル信号として復調部324(詳しくは、第2復調部324b)に出力する。
これら各A/D変換部312c、312dでは、第1実施形態同様、A/D変換の分解能が6bitしかないが、本実施形態においてもGolay符号系列による位相変調によって光パルスが分割されて212個のセルが形成されるため、これが復調されるときに一つの光パルスに集約されることで、18bit(=6+12)の分解能がある場合と同じ精度が得られる。
復調部324は、第1復調部324aと第2復調部324bとを有し、各位相測定部50A、50Bにより検出された位相の変化に基づいて補正された第1のレイリー散乱光と第2のレイリー散乱光との復調をそれぞれ行う。
具体的には、第1復調部324aは、位相測定部50Aにより検出された位相の変化に基づいて第1のレイリー散乱光を補正した後、この補正後の第1のレイリー散乱光に対して第1位相変調器240aにおける位相変調に対応する復調を行う。また、第2復調部324bは、位相測定部50Bにより検出された位相の変化に基づいて第2のレイリー散乱光を補正した後、この補正後の第2のレイリー散乱光に対して第2位相変調器240bにおける位相変調に対応する復調を行う。
本実施形態に係る分布型光ファイバ音波検出装置10Aによっても、所定の符号系列を用いたパルス圧縮を行うことにより、小さなパルス幅(セルの幅dに相当するパルス幅)で且つ強い信号強度を持った光パルスを用いて音波の検出を行ったのと同等の効果が得られる。これにより、長尺な検出用光ファイバ12の長手方向の各領域に衝突した音波を高感度かつ高精度に検出することができると共に、高い長手方向分解能を実現することができる。
また、本実施形態のように、互いに波長の異なる第1の光パルスと第2の光パルスとを合成(WDM)した光パルスPを用いても、受信したレイリー散乱光を第1のレイリー散乱光と第2のレイリー散乱光とに容易且つ確実に分離することが可能であるため、第1実施形態同様、音波の高感度かつ高精度な検出をより確実に行うことができる。但し、第1実施形態のように、光源220が出力した光パルスを分光部(第2分光部224)によって第1の光パルスと第2の光パルスとに分光する構成の方が、光源の数を抑えることができる。
次に、本発明の第3実施形態について図9を参照しつつ説明するが、上記第1及び第2実施形態と同様の構成には同一符号を用いると共に詳細な説明を省略し、異なる構成ついてのみ詳細に説明する。
この分布型光ファイバ音波検出装置10Bは、装置本体11と、検出用光ファイバ12と、を備える。そして、装置本体11は、光パルス射出部20Bと、光サーキュレータ14と、レイリー散乱光受信部30Bと、制御処理部16と、出力部40と、を備える。この分布型光ファイバ音波検出装置10Bは、光パルスを複数のセルに分割する際に、第1及び第2実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10、10Aのように位相変調によって分割するのではなく、強度変調によって分割する。
光パルス射出部20Bは、所定の周波数の光パルスを出力する光源部22Bと、光源部22Bの出力する光パルスを強度変調する変調部24Bと、パルス強度変調部26と、を備え、光パルスを検出用光ファイバ12の第1端部12aから当該光ファイバ12内に入射させる。
光源部22Bは、第1光源220Cと、第2光源220Dと、第3光源220Eと、第4光源220Fと、分光部230、231、232、233と、を有する。
第1光源220Cは、特定の波長λの第1の光パルスを出力する。また、第2光源220Dは、波長λの第2の光パルスを出力する。また、第3光源220Eは、波長λの第3の光パルスを出力する。また、第4光源220Fは、波長λの第4の光パルスを出力する。ここで、波長λ、波長λ、波長λ、及び波長λは、互いに異なる。即ち、第1光源220C、第2光源220D、第3光源220E、及び第4光源220Fは、それぞれ異なる波長λの光パルスを出力する。
各分光部230、231、232、233は、対応する光源220C、220D、220E、220Fから出力される光パルスを分光(分岐)し、この分光した光パルスを変調部24Bとレイリー散乱光受信部30Bの受信部313Bとにそれぞれ出力する。
変調部24Bは、強度変調部250と、合成部242Aと、を有し、光源部22B(詳しくは、第1光源220C、第2光源220D、第3光源220E、及び第4光源220F)が出力する第1の光パルスと第2の光パルスと第3の光パルスと第4の光パルスとをそれぞれ強度変調して合成する。
強度変調部250は、第1の符号系列Aと第2の符号系列Bとからなる一対の符号系列(ペアコード)を用いて強度変調に用いる符号系列(コード)を作成するパルス発生器28Bと、第1強度変調器251と、第2強度変調器252と、第3強度変調器253と、第4強度変調器254と、を有する。
パルス発生器28Bは、各光パルス(第1の光パルス、第2の光パルス、第3の光パルス、及び第4の光パルス)の強度変調に用いられる一組みのコードを生成するコード生成部244Bと、合成後の光パルスPの強度変調用の信号(強度信号)を生成する強度変調信号生成部245と、を有する。
コード生成部244Bは、第1及び第2実施形態と同様の第1の符号系列A及び第2の符号系列Bからなるペアコードを利用して、第1−1の符号系列A1、第1−2の符号系列A2、第2−1の符号系列B1、及び第2−2の符号系列B2からなる一組のコードを生成する。コード生成部244Bは、これら生成した各符号系列(コード)を各強度変調器251、252、253、254に出力する。詳しくは、コード生成部244Bは、第1−1の符合系列A1を第1強度変調器251に出力し、第1−2の符合系列A2を第2強度変調器252に出力し、第2−1の符号系列B1を第3強度変調器253に出力し、第2−2の符号系列B2を第4強度変調器254に出力する。
具体的に、第1−1の符号系列A1は、(1−A)/2であり、第1−2の符号系列A2は、(1+A)/2であり、第2−1の符号系列B1は、(1−B)/2であり、第2−2の符号系列B2は、(1+B)/2である。これは、第1及び第2実施形態のように光パルスを位相変調する場合には変調後の値がマイナスとなることが可能であるが、光パルスを強度変調する場合には、変調後の値がマイナスとなることができないため、第1及び第2実施形態におけるペアコードの代わりに、上記のような一組(4つ)のコードが用いられる。従って、本実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10Bのように、強度変調によって光パルスを複数のセルに分割する構成においては、少なくとも4つの光源220C、220D、220E、220Fが必要となる。
第1強度変調器251は、パルス発生器28B(コード生成部244B)から入力された第1−1の符号系列A1を用いて第1光パルスの強度変調を行う。また、第2強度変調器252は、パルス発生器28B(コード生成部244B)から入力された第1−2の符号系列A2を用いて第2光パルスの強度変調を行う。また、第3強度変調器253は、パルス発生器28B(コード生成部244B)から入力された第2−1の符号系列B1を用いて第3光パルスの強度変調を行う。また、第4強度変調器254は、パルス発生器28B(コード生成部244B)から入力された第2−2の符号系列B2を用いて第4光パルスの強度変調を行う。
このように、各強度変調器251、252、253、254において第1〜第4の光パルスがそれぞれ強度変調されることにより、第1及び第2実施形態同様、各光パルスが所定の幅dの複数のセルに分割される。
レイリー散乱光受信部30Bは、位相変化導出部32Bと、音波検出部34と、を有し、光パルス(互いに波長が異なる第1の光パルスと第2の光パルスと第3の光パルスと第4の光パルスとが合成された光パルス)Pの入射によって検出用光ファイバ12内に生じるレイリー散乱光を受信する。
位相変化導出部32Bは、散乱光分光部310Bと、受信部313Bと、光電変換部315Bと、復調部324Bと、導出部36Bと、を有する。
散乱光分光部310Bは、検出用光ファイバ12からのレイリー散乱光を1/4の比率(25:25:25:25)で4分岐して、受信部313Bに出力する。本実施形態の散乱光分光部310Bは、6dB分光器(6dBスプリッター)である。
受信部313Bは、第1〜第4受信器313a、313b、313c、313dを有し、検出用光ファイバ12からのレイリー散乱光から、第1の光パルスに対応する成分である第1のレイリー散乱光と、第2の光パルスに対応する成分である第2のレイリー散乱光と、第3の光パルスに対応する成分である第3のレイリー散乱光と、第4の光パルスに対応する成分である第4のレイリー散乱光とを、それぞれ抽出する。
第1受信器313aは、散乱光分光部310Bに接続され、分光部230からの第1の光パルスを局発光として検出用光ファイバ12からのレイリー散乱光に干渉させ、当該レイリー散乱光から第1の光パルスに対応する第1のレイリー散乱光を抽出する。そして、第1受信器313aは、抽出した第1のレイリー散乱光のP偏波とS偏波とを分離して出力する。また、第2受信器313bは、散乱光分光部310Bに接続され、分光部231からの第2の光パルスを局発光として検出用光ファイバ12からのレイリー散乱光に干渉させ、当該レイリー散乱光から第2の光パルスに対応する第2のレイリー散乱光を抽出する。そして、第2受信器313bは、抽出した第2のレイリー散乱光のP偏波とS偏波とを分離して出力する。また、第3受信器313cは、散乱光分光部310Bに接続され、分光部232からの第3の光パルスを局発光として検出用光ファイバ12からのレイリー散乱光に干渉させ、当該レイリー散乱光から第3の光パルスに対応する第3のレイリー散乱光を抽出する。そして、第3受信器313cは、抽出した第3のレイリー散乱光のP偏波とS偏波とを分離して出力する。また、第4受信器313dは、散乱光分光部310Bに接続され、分光部233からの第4の光パルスを局発光として検出用光ファイバ12からのレイリー散乱光に干渉させ、当該レイリー散乱光から第4の光パルスに対応する第4のレイリー散乱光を抽出する。そして、第4受信器313dは、抽出した第4のレイリー散乱光のP偏波とS偏波とを分離して出力する。
光電変換部315Bは、第1〜第4デジタルコヒーレント受信器315a、315b、315c、315dを有し、受信部313Bの各受信器313a、313b、313c、313dのからの光信号(レイリー散乱光)をデジタル信号に変換する。
第1デジタルコヒーレント受信器315aは、第1受信器314aからの第1レイリー散乱光のP偏波とS偏波とをA/D変換すると共に合成してデジタル信号SA1を出力する。また、第2デジタルコヒーレント受信器315bは、第2受信器314bからの第2レイリー散乱光のP偏波とS偏波とをA/D変換すると共に合成してデジタル信号SA2を出力する。また、第3デジタルコヒーレント受信器315cは、第3受信器314cからの第3レイリー散乱光のP偏波とS偏波とをA/D変換すると共に合成してデジタル信号SB1を出力する。また、第4デジタルコヒーレント受信器315dは、第4受信器314dからの第4レイリー散乱光のP偏波とS偏波とをA/D変換すると共に合成してデジタル信号SB2を出力する。
復調部324Bは、第1〜第4復調部324e、324f、324g、324hを有し、光電変換部315Bの各デジタルコヒーレント受信器315a、315b、315c、315dからのデジタル信号SA1、SA2、SB1、SB2に対し、当該デジタル信号(第1〜第4のレイリー散乱光)に対応する光パルス(第1〜第4の光パルス)の強度変調部250における強度変調に応じて復調する。
第1復調部324eは、第1デジタルコヒーレント受信器315aから出力されるデジタル信号(第1のレイリー散乱光に対応する信号)SA1に対し、第1の光パルスが変調部24Bにおいて強度変調されたときのコード(第1−1の符号系列A1)に基づいた復調(具体的には、SA1・A)を行う。また、第2復調部324fは、第2デジタルコヒーレント受信器315bから出力されるデジタル信号(第2のレイリー散乱光に対応する信号)SA2に対し、第2の光パルスが変調部24Bにおいて強度変調されたときのコード(第1−2の符号系列A2)に基づいた復調(具体的には、SA2・A)を行う。また、第3復調部324gは、第3デジタルコヒーレント受信器315cから出力されるデジタル信号(第3のレイリー散乱光に対応する信号)SB1に対し、第3の光パルスが変調部24Bにおいて強度変調されたときのコード(第2−1の符号系列B1)に基づいた復調(具体的には、SB1・B)を行う。また、第4復調部324hは、第4デジタルコヒーレント受信器315dから出力されるデジタル信号(第4のレイリー散乱光に対応する信号)SB2に対し、第4の光パルスが変調部24Bにおいて強度変調されたときのコード(第2−2の符号系列B2)に基づいた復調(具体的には、SB2・B)を行う。
導出部36Bは、合成部330と、位相変化導出部364と、を備え、復調されたレイリー散乱光の位相変化ΔΦを求める。
合成部330は、各復調部324e、324f、324g、324hにおいて復調された第1〜第4のレイリー散乱光に対応するデジタル信号を合成して、受信したレイリー散乱光の位相Φを求める。具体的に、合成部330は、第1復調部324eにより復調された信号SA1・Aと、第2復調部324fにより復調された信号SA2・Aと、から、信号(SA1−SA2)・Aを求めると共に、第3復調部324gにより復調された信号SB1・Bと、第4復調部324hにより復調された信号SB2・Bと、から、信号(SB1−SB2)・Bを求める。そして、合成部330は、これら信号(SA1−SA2)・Aと信号(SB1−SB2)・Bとから、レイリー散乱光の位相Φに相当する信号S=(S・A+S・B)を求める。ここで、S=SA1−SA2であり、S=SB1−SB2である。
位相変化導出部364は、合成部330において直近に求められたレイリー散乱光の位相Φと、前回求められたレイリー散乱光の位相Φとの差(位相変化)ΔΦを求める。
本実施形態に係る分布型光ファイバ音波検出装置10Bのように強度変調によって光パルスを複数のセルに分割する場合であっても、所定の符号系列を用いたパルス圧縮を行うことにより、小さなパルス幅(セルの幅dに相当するパルス幅)で且つ強い信号強度を持った光パルスを用いて音波の検出を行ったのと同等の効果が得られる。これにより、長尺な検出用光ファイバ12の長手方向の各領域に衝突した音波を高感度かつ高精度に検出することができると共に、高い長手方向分解能を実現することができる。
尚、本発明の分布型光ファイバ音波検出装置は、上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記第1〜第3実施形態の光パルス射出部20、20A、20Bは、光源部22、22A、22B及び変調部24、24A、24Bを有するユニット(パルスユニット)を1つ備えているが、これに限定されない。即ち、光パルス射出部は、複数のパルスユニットを備えていてもよい。
この場合、各パルスユニットから出力される光パルスは互いに異なる周波数であり、図10に示されるように、各パルスユニットが光パルスを第1の時間間隔Tで出力しつつ、各パルスユニット間の光パルスの出力タイミングが第1の時間間隔Tよりも短い第2の時間間隔TD2だけずれるように順に光パルスを出力するように、制御処理部16によって制御される。尚、各パルスユニットが出力する光パルスは、同一の検出用光ファイバ12内に出力される。
これにより、音波の検出用光ファイバ12に沿った分布(即ち、検出用光ファイバ12の長手方向の各領域に対して同時に衝突した前記音波の分布)を短い時間間隔(第2の時間間隔TD2)毎に検出することができる。即ち、音波の検出用光ファイバ12に沿った分布を高いサンプリングレート(第2の時間間隔TD2)で検出することが可能となる。
また、上記第1〜第3実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10、10A、10Bでは、検出用光ファイバ12内を同時に複数の光パルスが第1の時間間隔Tで進行(走査)するが、これに限定されない。光パルス射出部20、20A、20Bから一つの光パルスPが出力され、検出用光ファイバ12の第2端部12bにおいて前記光パルスPによって生じて第1端部12aまで戻ってきたレイリー散乱光をレイリー散乱光受信部30、30A、30Bが受信した後に、次の光パルスPが出力されるように構成されてもよい。即ち、分布型光ファイバ音波検出装置では、検出用光ファイバ12内を一つの光パルスのみが進行(走査)するように構成されてもよい。
上記第1〜第3実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10、10A、10Bでは、自己相関関数がδ関数となるペアコード(例えば、Golay符号系列)を用いて光パルスを変調しているが、これに限定されない。即ち、光パルスの変調に用いられる符号系列は、自己相関関数が単独でδ関数となるものでもよく、例えば、M系列等であってもよい。
上記第3実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10Bには、第1及び第2実施形態と同様の位相測定部が設けられてもよい。上記第3実施形態の分布型光ファイバ音波検出装置10Bに位相測定部が設けられる場合、当該位相測定部は、光源(第1〜第4光源220C、220D、220E、220F)毎に設けられる。即ち、出力する光において時刻の経過に伴う位相の変化の小さい光源(例えば、狭線幅レーザ光源(10kHz未満)等)を用いた分布型光ファイバ音波検出装置であれば、位相測定部がなくても音波の検出において精度を確保可能であるが、通常の光通信に用いられる光源(1〜3MHz)が用いられる場合は、前記位相の変化が大きいため、位相測定部を設けてこの光源に起因する位相の変化の影響(位相ノイズ)をレイリー散乱光から取り除くことにより、音波の検出精度を確保することができる。
光源に起因する位相の変化の測定において、光の位相は温度変化や振動による影響を受け易いため、位相測定部は、分布型光ファイバ音波検出装置の装置本体内における温度変化や振動の少ない場所に設けられることが好ましい。例えば、位相測定部50は、図1に示されるような、光源220と第1分光部222との間や、第2分光部224と第1位相変調器240a(又は第2位相変調器240b)との間、光サーキュレータ14と検出用光ファイバ12の第1端部12aとの間、等が好ましい。
10、10A、10B 分布型光ファイバ音波検出装置
12 検出用光ファイバ(光ファイバ)
20、20A、20B 光パルス射出部
22、22A、22B 光源部
24、24A、24B 変調部
240、240A 位相変調部
240B 強度変調部
244、244B コード生成部
30、30A、30B レイリー散乱光受信部
32、32A、32B 位相変化導出部
34 音波検出部
、B 符号系列(ペアコード)
D パルス幅
d セルの幅(又は変調速度)
L 検出用光ファイバの長さ寸法(全長)
光パルス
第1の時間間隔
D2 サンプリングレート(第2の時間間隔)
Φ レイリー散乱光の位相
ΔΦ レイリー散乱光の位相変化

Claims (8)

  1. 光ファイバをセンサとして用いる分布型光ファイバ音波検出装置であって、
    光パルスを前記光ファイバの一端から当該光ファイバ内に入射させる光パルス射出部と、
    前記光パルスの入射によって前記光ファイバ内に生じるレイリー散乱光を受信するレイリー散乱光受信部と、を備え、
    前記光パルス射出部は、前記光ファイバの長さ寸法に基づく所定長さを有し、且つ、前記光パルスが所定の幅の複数のセルに分割されるような符号系列を用いて変調された前記光パルスを出力し、
    前記レイリー散乱光受信部は、前記光パルス射出部における変調に対応する復調を前記レイリー散乱光に行い、この復調の行われた前記レイリー散乱光からその位相変化を求める位相変化導出部と、前記位相変化導出部により求められた位相変化から前記光ファイバに衝突した音波を求める音波検出部と、を有する分布型光ファイバ音波検出装置において、
    前記光パルス射出部は、所定の周波数の光パルスを出力する光源部と、前記光源部から出力される光パルスを前記符号系列によって位相変調する変調部と、を有し、
    前記光源部は、第1の光パルスと第2の光パルスとを出力し、
    前記変調部は、自己相関関数の和がδ関数となるような第1の符号系列及び第2の符号系列からなる一対の符号系列を用い、前記第1の符号系列によって前記第1の光パルスを位相変調すると共に前記第2の符号系列によって前記第2の光パルスを位相変調する位相変調部と、前記位相変調部においてそれぞれ位相変調された第1の光パルスと第2の光パルスとを一つの光パルスに合成する合成部と、を有し、
    前記位相変化導出部は、前記レイリー散乱光を前記第1の光パルスに対応する第1のレイリー散乱光と前記第2の光パルスに対応する第2のレイリー散乱光とに分離する分離部と、この分離部によって分離された第1のレイリー散乱光に対して前記第1の符号系列に対応する復調を行うと共に、前記分離された第2のレイリー散乱光に対して前記第2の符号系列に対応する復調を行う復調部と、これら復調された第1及び第2のレイリー散乱光から前記位相変化を求める導出部と、を有することを特徴とする分布型光ファイバ音波検出装置。
  2. 前記セルの幅は、前記音波の検出における前記光ファイバの長手方向の分解能に基づいている、請求項1に記載の分布型光ファイバ音波検出装置。
  3. 前記光源部は、直線偏光の光パルスを出力する光源と、前記光源から出力される光パルスを、直線偏光を維持したままで前記第1の光パルスと前記第2の光パルスとに分光して出力する分光部と、を有し、
    前記合成部は、偏光方向が互いに直交した状態で前記第1の光パルスと前記第2の光パルスとを合成する、請求項1に記載の分布型光ファイバ音波検出装置。
  4. 前記光パルスの位相を測定して当該光パルスにおける前記光源に起因する位相の変化を検出する位相測定部を備え、
    前記復調部は、前記位相測定部により検出された位相の変化に基づいてそれぞれ補正された前記第1のレイリー散乱光及び前記第2のレイリー散乱光の復調を行う、請求項3に記載の分布型光ファイバ音波検出装置。
  5. 前記光源部は、前記第1の光パルスを出力する第1光源と、前記第2の光パルスを出力する第2光源と、を有し、
    前記第1の光パルスと前記第2の光パルスとは互いに波長が異なる、請求項1に記載の分布型光ファイバ音波検出装置。
  6. 前記第1の光パルスの位相を測定して当該第1の光パルスにおける前記第1の光源に起因する位相変化を検出する第1の位相測定部と、前記第2の光パルスを測定して当該第2の光パルスにおける前記第2の光源に起因する位相変化を検出する第2の位相測定部と、を備え、
    前記復調部は、前記第1の位相測定部により検出された位相変化に基づいて補正された前記第1のレイリー散乱光と、前記第2の位相測定部により検出された位相変化に基づいて補正された前記第2のレイリー散乱光と、の復調をそれぞれ行う、請求項5に記載の分布型光ファイバ音波検出装置。
  7. 前記光源部は、前記光ファイバによって検出する音波の周波数に基づく第1の時間間隔で前記光パルスを出力し、
    前記変調部は、前記光源部から出力される光パルス毎に異なる符号系列によって位相変調する、請求項1に記載の分布型光ファイバ音波検出装置。
  8. 前記光パルス射出部は、前記光源部と前記変調部とを有する複数のパルスユニットを備え、
    各パルスユニットから出力される前記光パルスは、互いに異なる周波数であり、
    これら複数のパルスユニットは、各パルスユニットが前記光パルスを前記第1の時間間隔で出力しつつ、各パルスユニット間の光パルスの出力タイミングが前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔だけずれるように順に光パルスを出力する、請求項7に記載の分布型光ファイバ音波検出装置。
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