JP5947047B2 - Ppar活性化剤 - Google Patents

Ppar活性化剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5947047B2
JP5947047B2 JP2012022836A JP2012022836A JP5947047B2 JP 5947047 B2 JP5947047 B2 JP 5947047B2 JP 2012022836 A JP2012022836 A JP 2012022836A JP 2012022836 A JP2012022836 A JP 2012022836A JP 5947047 B2 JP5947047 B2 JP 5947047B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
barley malt
treatment
organic solvent
solvent extract
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012022836A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013159579A (ja
Inventor
幸一 三澤
幸一 三澤
玲 下豊留
玲 下豊留
岩崎 正規
正規 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2012022836A priority Critical patent/JP5947047B2/ja
Publication of JP2013159579A publication Critical patent/JP2013159579A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5947047B2 publication Critical patent/JP5947047B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Description

本発明は、脂肪酸代謝活性化、体脂肪燃焼促進、脂肪細胞分化促進、肥満予防・改善、インスリン抵抗性予防・改善、糖尿病予防・改善、脂質異常症予防・改善、脂肪肝予防・改善、動脈硬化予防・改善、持久力向上、心肥大の予防・改善、虚血性心疾患の予防・改善等に有効なペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(Peroxisome Proliferator Activated Receptor、PPARと記載する)活性化剤に関する。
ステロイド、甲状腺ホルモン、レチノイドなどの低分子脂溶性リガンドはリガンド特異的な核内受容体を介して、個体発生における形態形成、細胞の増殖、分化、生体の恒常性の維持など多様な生理機能の調節に関与している。PPARは核内受容体の1種であり、1990年に脂肪分解に関与する細胞内小器官であるペルオキシソームを増加させる作用を仲介する蛋白質として同定され、ペルオキシソーム増殖剤により活性化を受けるレセプターという意味でPeroxisome Proliferator Activated Receptor α(ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体:PPARα)と名付けられた。その後α型と構造上類似したアイソフォーム遺伝子としてδ型及びγ型が同定され、合計3つのサブタイプを有することが知られている。
PPARの各サブタイプはリガンド依存的に活性化され、9−シスレチノイン酸をリガンドとするRXR(Retinoid X Receptor)とヘテロ2量体を形成することで、プロモーター領域にPPAR応答配列(PPAR responsive element;PPRE)を有する種々の遺伝子の発現を制御している(非特許文献1及び2)。
例えば、脂肪酸β酸化の鍵酵素として知られるACO(Acyl-CoA oxidase)のPPREを用いたレポーターアッセイがなされており、それによると、PPARリガンドとして知られるリノール酸は、PPARα、δ、γのそれぞれを介してACO転写活性を亢進することが報告されている(非特許文献3)。
以下で述べるように、近年、PPARは非常に多くの生理、病理現象に関わっていることが明らかになってきた。
具体的には、PPARαの機能は脂肪酸の合成・輸送・分泌、脂肪消費臓器におけるATP産生等幅広く生体のエネルギー代謝や恒常性の維持に関わるものと考えられている。特に脂肪酸代謝に重要なβ酸化関連酵素(ACO,HMG-CoA synthase,Acyl-CoA synthase,Medium chain acyl-CoA dehydrogenase,Fatty acid binding protein,Lipoprotein lipase等)の遺伝子発現はPPARαの活性化に強く依存していることが明らかになっている。PPARαは肝臓、心臓、腎臓等での発現が高く、PPARα活性化剤はこれらの臓器の脂質代謝の活性化に有効であると広く認識されている。
PPARαの活性化に伴う脂肪酸代謝の活性化は、肝臓脂肪の分解、脂肪肝の改善、内臓脂肪や皮下脂肪等の体脂肪の分解・燃焼の促進、肥満の抑制につながると考えられる。PPARα活性化剤として知られるフィブラート系の薬剤は、脂肪酸燃焼の促進作用、HDLコレステロール増加作用、そして最近ではアディポネクチン受容体発現増加作用等を持つことが明らかとなってきており、インスリン非依存性糖尿病の高血糖症、脂質異常症、高血糖症、アテローム性動脈硬化症等の治療薬として広く用いられている(非特許文献4、特許文献1及び2)。また、PPARα活性化剤が心肥大や虚血性心疾患に効果があることが報告されている(非特許文献5、6)。
従って、PPARα活性化剤は、脂肪酸代謝の活性化、体脂肪の燃焼促進、肥満の予防・改善、脂質異常症の予防・改善、脂肪肝の予防・改善、インスリン抵抗性や糖尿病の予防・改善、動脈硬化の予防・改善、心肥大や虚血性心疾患の予防・改善等に広く有効であると考えられており、近年、PPARα活性化剤の探索、開発も盛んに行われている(特許文献3〜5)。
PPARδ(別名:PPARβ、NUC1、FAAR)は1992年にクローニングされて以来、長らく機能が明らかにされていなかったが、近年、遺伝子改変動物を用いた研究やPPARδ選択的な作動薬の開発などにより様々な生理機能を持つことが明らかになってきた。PPARδを過剰発現させたマウスを用いた検討では、高脂肪食負荷による体重増加の抑制、脂肪重量の減少、血中中性脂肪の減少、脂肪肝の抑制が認められている(非特許文献7)。PPARδ選択的な作動薬であるGW501516を肥満アカゲザルに投与した実験では、HDLコレステロールを上昇させ、中性脂肪、LDLコレステロールを低下させた(非特許文献8)。
また、GW501516を骨格筋由来細胞に作用させ、細胞の遺伝子発現への影響を検討した結果では、脂肪酸の取り込みや輸送、ミトコンドリアのβ酸化系酵素、脱共役タンパク質等の脂肪酸代謝関連遺伝子の発現を誘導することが示されている。さらにGW501516を投与したマウスにおいては、脂肪組織特異的PPARδ過剰発現マウスと同様に高脂肪食負荷による体重増加の抑制、脂肪重量の減少が認められ、インスリン抵抗性改善効果を示すことも明らかにされている。このマウスの骨格筋においては脂肪酸代謝関連遺伝子および脂肪酸β酸化の誘導が確認されていることから、PPARδの活性化によって、骨格筋のエネルギー消費が増大することにより末梢組織中の脂肪蓄積が抑制され、それによりインスリン抵抗性が改善されるのではないかと考えられている(非特許文献9)。また、遺伝的肥満マウスにGW501516を投与することにより、膵島の肥大が抑制されたことから、膵島の保護作用があると考えられている(非特許文献9)。
また、骨格筋特異的にPPARδを過剰発現することにより、肥満やインスリン抵抗性が抑制されることが報告されている。さらに驚くことに、このマウスの骨格筋では一般的に赤筋と呼ばれるミトコンドリアを多く含む持久性の高い筋繊維の割合が非常に高くなっており、その結果、このマウスは、コントロールマウスの約2倍の距離を走ることができるという大変優れた持久力を持つマウスであることが示されている(非特許文献10)。従って、PPARδの活性化は、運動持久力の向上に有効であると考えられるようになった。
また最近では、肝臓においてPPARδがインスリン感受性を制御しているという報告もなされており、そのメカニズムとして、PPARδの活性化が肝臓の解糖系およびペントースリン酸回路の活性化を介して肝臓からのグルコースの供給を減少させ、インスリン感受性を増加することが示唆されている(非特許文献11)。
このように、PPARδの活性化は、HDLコレステロールの上昇、LDLコレステロールの低下、肥満の抑制、インスリン抵抗性の改善/インスリン感受性の向上、脂肪酸代謝の活性化、体脂肪の燃焼促進、血中中性脂肪の減少、脂肪肝の抑制、持久力の向上等につながることから、PPARδの活性化剤は、動脈硬化の予防・改善剤、肥満の予防・改善剤、インスリン抵抗性の予防・改善剤、脂肪酸酸化活性化剤、体脂肪燃焼促進剤、脂質異常症予防・改善剤、脂肪肝予防・改善剤、持久力向上剤として有効であると考えられている。
そのため、このような目的でPPARδ活性化剤の探索、開発も盛んに行われ、これまでにフラボン類、フェノキシ酢酸誘導体等が報告されている(特許文献6及び7)。
PPARγは栄養が十分にある状態でエネルギー貯蔵に作用し、いわゆる倹約遺伝子として働く分子である。特にPPARγ2は脂肪細胞に比較的強い特異性を持って発現しており、脂肪細胞分化の中心的役割を果たしていることが明らかになっている。PPARγのリガンドとして知られるチアゾリジン誘導体は脂肪細胞分化を強力に誘導することにより、脂肪細胞を小型化してインスリン感受性を高めることが知られており、インスリン抵抗性改善剤、糖尿病治療薬として広く使用されている(非特許文献12)。
このように、PPAR活性化剤は、脂肪酸代謝の活性化、体脂肪の燃焼促進、肥満の予防・改善、脂質異常症の予防・改善、脂肪肝の予防・改善、持久力向上、インスリン抵抗性や糖尿病の予防・改善、動脈硬化の予防・改善、心肥大や虚血性心疾患の予防・改善などに広く有効であり、いわゆる生活習慣病や内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)の予防・改善にも有効であると考えられる。
麦芽は大麦、小麦などの種子を発芽させたものであり、特に大麦麦芽は、酒類や糖類の原料として広く使用されている。乾燥黒小麦麦芽を高温水又は水蒸気抽出して得られる、血圧降下作用、腎機能活性化作用、肝機能改善作用、肥満防止作用、アルコール代謝促進作用又は消臭作用を有する飲料(特許文献8)や、麦芽糖化物濾過残渣の水又は親水性溶媒抽出液から低分子画分を除去して得られた抽出物がHSP60ファミリーに属する熱ショックタンパク質の合成抑制作用を有し、I型糖尿病や慢性関節リューマチ等の自己免疫疾患の治療に有効であること(特許文献9)が知られている。
しかしながら、麦芽やそれに特定の処理を施して得られた調製物がPPAR活性化に関与し、PPARが関与する上記の様々な疾患の治療に有効であることは知られていなかった。
特表2002-502869号公報 特表2002-533410号公報 特開2001-354558号公報 特開2002-80362号公報 特開2003-34636号公報 特開2007-119429号公報 特表2007-536343号公報 特開2002-95443号公報 特開平9-216829号公報
細胞:31(6)218-234, 1999 J Lipid Res. 37, 907-925, 1996 J Biol Chem. 274, 23368-23377, 1999 Curr Opin Lipidol. 10, 151-159, 1999 Endcrinology 144, 4187-4194, 2003 Circulation 108, 2393-2399, 2003 Cell. 113, 159-170, 2003 Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 98, 5306-5311, 2001 Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 100, 15924-15929, 2003 PloS Biol. 2, e294, 2004 Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 103, 3444-3449, 2006 Diabetes. 49, 759-767, 2000
本発明は、優れたPPAR活性化作用を有し、且つ安全性の高い食品、医薬品又は医薬部外品を提供することに関する。
本発明者らは、食経験が豊富な天然物素材の中から、麦芽、麦芽の水処理物、若しくは麦芽の水処理物の濾過残渣、又はそれらから得られた有機溶媒抽出物に、PPARα、PPARδ、及びPPARγに対する活性化作用があり、脂肪酸代謝活性化、体脂肪燃焼促進、脂肪細胞分化促進、肥満予防・改善、インスリン抵抗性予防・改善、糖尿病予防・改善、脂質異常症予防・改善、脂肪肝予防・改善、動脈硬化予防・改善、持久力向上、心肥大の予防・改善、虚血性心疾患の予防・改善等の効果を発揮する食品、医薬品又は医薬部外品の有効成分として配合する素材として有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、麦芽を有効成分とするPPAR活性化剤を提供する。
一実施形態において、当該PPAR活性化剤は、麦芽の水処理物を有効成分とする。
別の実施形態において、当該PPAR活性化剤は、麦芽の水処理物の濾過残渣を有効成分とする。
別の実施形態において、当該PPAR活性化剤は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする脂肪酸代謝活性化剤を提供する。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする体脂肪燃焼促進剤を提供する。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする脂肪細胞分化促進剤を提供する。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする肥満予防・改善剤を提供する。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とするインスリン抵抗性予防・改善剤を提供する。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする糖尿病予防・改善剤を提供する。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする脂質異常症予防・改善剤を提供する。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする脂肪肝予防・改善剤を提供する。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする動脈硬化予防・改善剤を提供する。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする持久力向上剤を提供する。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする心肥大の予防・改善剤を提供する。
また本発明は、上記麦芽の水処理物の濾過残渣から又は上記麦芽から得られた有機溶媒抽出物を有効成分とする虚血性心疾患の予防・改善剤を提供する。
さらに本発明は、麦芽から有機溶媒抽出物を調製することによるPPAR活性化剤の製造方法を提供する。
一実施形態において、当該製造方法においては、麦芽の水処理物から有機溶媒抽出物を調製する。
別の実施形態において、当該製造方法においては、麦芽を水処理後濾過し、得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製する。
本発明のPPAR活性化剤は、優れたPPAR活性化作用を有し、かつ長期間摂取しても安全性も高いことから、脂肪酸代謝活性化、体脂肪燃焼促進、脂肪細胞分化促進、肥満予防・改善、インスリン抵抗性予防・改善、糖尿病予防・改善、脂質異常症予防・改善、脂肪肝予防・改善、動脈硬化予防・改善、持久力向上、心肥大の予防・改善、虚血性心疾患の予防・改善等の効果を発揮する飲食品、医薬品又は医薬部外品に有効成分として配合する素材として有用である。
PPARα活性化能を示したグラフ。A:Control(エタノール)、B:麦芽の水処理物の濾液凍結乾燥物0.01%、C:麦芽の有機溶媒抽出物0.01%、D1〜D3:麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物、それぞれ0.002%、0.005%及び0.01%、Wy:Wy14643 10μM。エラーバー=±SE(n=3)、*はControlに対する有意差P<0.05を示す。 PPARδ活性化能を示したグラフ。A:Control(エタノール)、B:麦芽の水処理物の濾液凍結乾燥物0.01%、C:麦芽の有機溶媒抽出物0.01%、D1〜D3:麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物、それぞれ0.002%、0.005%及び0.01%、GW:GW501516 1nM。エラーバー=±SE(n=3)、*はControlに対する有意差P<0.05を示す。 PPARγ活性化能を示したグラフ。A:Control(エタノール)、B:麦芽の水処理物の濾液凍結乾燥物0.01%、C:麦芽の有機溶媒抽出物0.01%、D1〜D3:麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物、それぞれ0.002%、0.005%及び0.01%、Pio:ピオグリタゾン 10μM。エラーバー=±SE(n=3)、*はControlに対する有意差P<0.05を示す。
本発明のPPAR活性化剤等の有効成分としては、麦芽、麦芽の水処理物、若しくは麦芽の水処理物の濾過残渣、又はそれらの有機溶媒抽出物を用いることができる。
本発明において、麦芽(malt)とは、例えば、大麦、小麦、ライ麦、エン麦、ハダカ麦、トウモロコシ等のイネ科穀類の発芽種子である。このうち、大麦麦芽が好適に使用され得る。麦芽は、穀皮(籾)がついた状態で発芽させるのが好ましい。発芽条件は特に限定されないが、発芽した葉芽がまだ殻皮から伸び出ていないものが好ましい。また、発根した根は除去するのが好ましい。
上記麦芽は、そのまま本発明に用いられてもよいが、予め乾燥、焙燥、粉砕、乾燥若しくは焙燥及び粉砕されてから用いられてもよい。乾燥条件としては、32〜65℃で麦芽中の水分含量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるまで乾燥させるのが、麦芽の保存性の向上のために好ましい。乾燥後、焙燥処理を行うのが、さらなる保存性の向上のために好ましい。焙燥温度は、低温であるのが有効成分の分解抑制や麦芽中の酵素の失活の抑制の点から好ましく、80〜110℃であるのが好ましく、80〜90℃であるのがより好ましい。好ましくは、上記麦芽は、麦芽の水処理物として、より好ましくは麦芽の水処理物の濾過残渣として調製される。
麦芽の水処理物を調製するには、例えば、麦芽、又はそれを乾燥、焙燥若しくは粉砕したものを、水と混合することによって、水処理すればよい。該水処理の際には、必要に応じて、上記麦芽と水の混合液に澱粉や糖類をさらに添加してもよい。水処理中、上記麦芽は水に完全に浸漬している状態にあるのが好ましい。麦芽と水との質量比は、乾燥麦芽1:水2〜10、好ましくは乾燥麦芽1:水3〜9である。また水処理中、上記麦芽混合液の温度は40〜75℃が好ましく、より好ましくは40〜50℃である。処理時間は1〜6時間、好ましくは2〜4時間である。上記水処理により、麦芽が膨潤し、穀皮、種皮、胚芽等と、胚乳が麦芽由来の酵素で分解したものとを分離しやすくなる。
以上の手順で、麦芽の水処理物が得られる。あるいは、麦芽の水処理物としては、ビール等の製造過程において通常の手順で調製される麦芽糖化液を利用してもよい。得られた麦芽の水処理物を濾過して液体成分を除去し、穀皮、種皮、胚芽を含む当該水処理物の濾過残渣を得ることが、有効成分を濃縮できる点で好ましい。濾過は、肉眼で視認できる沈殿物や浮遊物を分離できる程度の濾過であればよい。残渣には麦芽の水処理物由来の液体成分が含まれていてもよい。
さらに好ましくは、斯くして得られた麦芽、麦芽の水処理物、又は麦芽の水処理物の濾過残渣を、室温若しくは加温下にて有機溶媒抽出する。有機溶媒抽出することにより、有効成分をさらに濃縮することができる。抽出のための有機溶媒としては、極性有機溶媒、非極性有機溶媒の何れも使用することができる。当該有機溶媒としては、1価、2価又は多価のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状又は環状のエーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;飽和又は不飽和の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ピリジン類;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;二酸化炭素、超臨界二酸化炭素;油脂、ワックス、その他のオイル類等が挙げられ、このうち、アルコール類及び飽和炭化水素類が好ましい。
上記アルコール類としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等の1価アルコール類;1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコール類;グリセリン等の3価以上のアルコール類等が挙げられ、このうち、1価アルコール類及び2価アルコール類が好ましく、1価アルコール類がより好ましい。
上記アルコール類としては、炭素数1〜10、より炭素数1〜4が好ましい。具体的にはメタノール、エタノール、1,3−ブチレングリコール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等が挙げられ、エタノール及び1,3−ブチレングリコールが好ましい。
また、上記飽和炭化水素類としては、直鎖、分岐鎖又は環状の飽和炭化水素が挙げられ、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の直鎖飽和炭化水素;2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタン等の分岐鎖飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の環状飽和炭化水素等が挙げられ、このうち、直鎖飽和炭化水素が好ましい。
上記飽和炭化水素類としては、炭素数1〜10、より炭素数5〜10、さらに炭素数5〜8が好ましい。具体的には、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられ、このうちn−ヘキサンが好ましい。
上記有機溶媒は、単独で又は2種以上混合して混合液として使用することができる。
本発明に用いる有機溶媒は含水のものでもよい。上記含水有機溶媒に使用される有機溶媒としては、親水性有機溶媒が好ましい。ここで、親水性有機溶媒としては、特に限定されないが、上述した、アルコール類、酢酸、ピリジン類等のプロトン性親水性有機溶媒及びケトン類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性親水性有機溶媒が挙げられ、このうちプロトン性親水性有機溶媒が好ましい。このうち、上記アルコール類、より上記1価及び2価のアルコール類、さらに炭素数1〜4のアルコール類、よりさらにエタノール及び1,3−ブチレングリコールが好ましい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上混合して混合液として使用することができる。
上記含水有機溶媒中の含水量は、特に限定されないが、例えば有機溶媒が1価又は2価アルコールの場合、含水量は30容量%若しくはそれ以下、好ましくは10容量%若しくはそれ以下、さらに好ましくは5容量%若しくはそれ以下であり得る。例えば、含水有機溶媒中の親水性有機溶媒の濃度としては、少なくとも親水性有機溶媒70容量%若しくはそれ以上、より好ましくは70〜100容量%、さらに好ましくは90〜100容量%、なお好ましくは95〜99.9容量%であり得る。
本発明における抽出の手段としては、特に限定されないが、例えば、液液抽出、固液抽出、浸漬、浸出、煎出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、遠心抽出、超臨界抽出等が挙げられ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このとき、バッチ式抽出器やソックスレー抽出器等を用いてもよい。また抽出は、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、非酸化的雰囲気下で行ってもよい。
抽出条件は、特に限定されないが、抽出温度は0〜100℃、好ましくは40〜75℃、より好ましくは40〜50℃であればよく、抽出期間は10分〜12時間、好ましくは30分〜8時間、より好ましくは1〜5時間であればよい。また、上記有機溶媒の使用量は、上記麦芽水処理物の濾過残渣に対して、1〜100質量部、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは3〜40質量部であればよい。
抽出手順の一例として、上記濾過残渣1質量部(乾燥物換算)に対して、抽出溶媒として濃度90〜95容量%の1価若しくは2価のアルコールの水溶液(好ましくはエタノール水溶液)を1〜50質量部用いた、40〜50℃で、30分〜8時間の抽出が挙げられる。
上記抽出処理の後、さらに夾雑物等を除去するため、水による液液分配を行ってもよい。具体的には、上記有機溶媒抽出物から溶媒を減圧留去し、残った油分に水を添加し、混合、撹拌、振とう、遠心分離等の物理的手段を行ったのち、油層を回収する。適宜この操作を1〜3回繰り返し行ってもよい。回収された油層を濃縮し、本発明の有効成分として用いることができる。
上記液液分配における水の使用量は、特に限定されないが、乾固物1gに対して、2〜100mLであるのが好ましい。また、抽出温度は、4〜80℃であるのが好ましく、10〜40℃、さらに10〜30℃であるのがより好ましい。
得られた麦芽水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物は、そのまま用いることもできるが、さらに希釈、濃縮若しくは凍結乾燥等し、及び/又は液状、粉末状若しくはペースト状に調製して用いることもできる。
後記実施例に示すように、麦芽、麦芽の水処理物又は麦芽の水処理物の濾過残渣を有機溶媒で抽出することにより調製された有機溶媒抽出物は、PPARα、PPARδ、及びPPARγに依存的な遺伝子の転写活性を亢進する作用を有する。前述のとおり、PPARα、PPARδ、及びPPARγは、広く生体のエネルギー代謝や恒常性の維持に関わっており、特に脂質代謝に重要なβ酸化関連酵素(ACO,HMG-CoA synthase,Acyl-CoA synthase,Medium chain acyl-CoA dehydrogenase,Fatty acid binding protein,Lipoprotein lipase等)の遺伝子発現はPPARα及び/又はPPARδの活性化に強く依存しており(非特許文献1〜11、特許文献1〜7)、またPPARγのリガンドによる脂肪細胞分化誘導によってインスリン抵抗性や糖尿病が改善できることが知られていることから(非特許文献12)、麦芽、麦芽の水処理物若しくは麦芽の水処理物の濾過残渣、又はそれらの有機溶媒抽出物は、脂肪酸代謝活性化、体脂肪燃焼促進、脂肪細胞分化促進、肥満予防・改善、インスリン抵抗性予防・改善、糖尿病(I型及び/又はII型)予防・改善、脂質異常症予防・改善、脂肪肝予防・改善、動脈硬化予防・改善、持久力向上、心肥大の予防・改善、虚血性心疾患の予防・改善等に広く有効である。
従って、麦芽、麦芽の水処理物若しくは麦芽の水処理物の濾過残渣、又はそれらの有機溶媒抽出物(以下、本発明の調製物)は、PPARα、PPARδ、及びPPARγに対する活性化作用を有するので、PPARα、PPARδ、及びPPARγのいずれか1以上に対する活性化剤、脂肪酸代謝活性化剤、体脂肪燃焼促進剤、脂肪細胞分化促進剤、肥満予防・改善剤、インスリン抵抗性予防・改善剤、糖尿病(I型及び/又はII型)予防・改善剤、脂質異常症予防・改善剤、脂肪肝予防・改善剤、動脈硬化予防・改善剤、持久力向上剤、心肥大の予防・改善剤、虚血性心疾患の予防・改善剤、等(以下、「PPAR活性化剤等」とする)として使用することができ、PPAR活性化剤等の製造のために使用することができる。
また上記本発明の調製物は、PPARα、PPARδ若しくはPPARγ活性化、脂肪酸代謝活性化、体脂肪燃焼促進、脂肪細胞分化促進、肥満予防・改善、インスリン抵抗性予防・改善、糖尿病(I型及び/又はII型)予防・改善、脂質異常症予防・改善、脂肪肝予防・改善、動脈硬化予防・改善、持久力向上、心肥大の予防・改善、虚血性心疾患の予防・改善等の各効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の飲食品、医薬品、医薬部外品又は化粧品の有効成分として使用可能である。
また上記本発明の調製物は、PPARα、PPARδ若しくはPPARγ活性化、脂肪酸代謝活性化、体脂肪燃焼促進、脂肪細胞分化促進、肥満予防・改善、インスリン抵抗性予防・改善、糖尿病(I型及び/又はII型)予防・改善、脂質異常症予防・改善、脂肪肝予防・改善、動脈硬化予防・改善、持久力向上、心肥大の予防・改善、虚血性心疾患の予防・改善等の作用を企図し、必要に応じてその旨を表示した飲食品、例えば機能性食品、病者用食品、特定保健用食品等に応用できる。
さらに本発明によれば、麦芽若しくは麦芽の水処理物から有機溶媒抽出物を調製するか、又は麦芽を水処理後濾過し、得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによるPPAR活性化剤の製造方法が提供される。好ましくは、当該PPAR活性化剤は、PPARα、PPARδ、及びPPARγのいずれか1以上に対する活性化剤である。
さらにまた本発明によれば、麦芽若しくは麦芽の水処理物から有機溶媒抽出物を調製するか、又は麦芽を水処理後濾過し、得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによる、脂肪酸代謝活性化剤、体脂肪燃焼促進剤、脂肪細胞分化促進剤、肥満予防・改善剤、インスリン抵抗性予防・改善剤、糖尿病(I型及び/又はII型)予防・改善剤、脂質異常症予防・改善剤、脂肪肝予防・改善剤、動脈硬化予防・改善剤、持久力向上剤、心肥大の予防・改善剤、虚血性心疾患の予防・改善剤等の製造方法が提供される。
麦芽の水処理、濾過、溶媒抽出等の条件は、上述のとおりである。
上記本発明の調製物を有効成分として用いた医薬品、医薬部外品の投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は注射剤、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、外用剤等による非経口投与が挙げられる。
また、このような種々の剤型の製剤を調製するには、上記本発明の調製物を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
また、これらの投与形態のうち、好ましい形態は経口投与であり、例えば経口用液体製剤を調製する場合は、嬌味剤、緩衝剤、安定化剤等を加えて常法により製造することができる。
上記本発明の調製物を有効成分として用いた化粧品は、皮膚外用剤、洗浄剤、入浴剤、又はメイクアップ化粧料等とすることができ、使用方法に応じて、これらを、美容液、化粧水、マッサージ剤、ローション、乳液、ゲル、クリーム、軟膏剤、粉末剤、パック、パップ剤、顆粒剤、ファンデーション、口紅、シャンプー、コンディショナー、ヘアトニック、錠剤、カプセル、シート状製品等の種々の剤型で提供することができる。このような種々の剤型の化粧品を調製するには、上記本発明の調製物を単独で、又は化粧料に配合される、外用基材、油又は油状物質、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬効成分、香料、樹脂、防菌防黴剤、アルコール類、キレート類、無機酸、有機酸、ビタミン類、水溶性高分子、界面活性剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
上記本発明の調製物を有効成分として用いた飲食品の形態としては、パン類、ケーキ類、麺類、菓子類、ゼリー類、冷凍食品、アイスクリーム類、乳製品、飲料、スープ類等の各種食品の他、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)、飲料、食用油等が挙げられる。
また、このような種々の形態の飲食品を調製するには、上記本発明の調製物を単独で、又は他の飲食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて、公知の飲食品の製造法により調製すればよい。得られた飲食品は、PPARα、PPARδ若しくはPPARγの活性化用飲食品、脂肪酸代謝活性化用飲食品、体脂肪燃焼促進用飲食品、脂肪細胞分化促進用飲食品、肥満予防・改善用飲食品、インスリン抵抗性予防・改善用飲食品、糖尿病予防・改善用飲食品、脂質異常症予防・改善用飲食品、脂肪肝予防・改善用飲食品、動脈硬化予防・改善用飲食品、持久力向上用飲食品、心肥大の予防・改善用飲食品、虚血性心疾患の予防・改善用飲食品、ペットフード等として用いることが可能である。
上記飲食品に対する上記本発明の調製物の配合量は、その使用形態により異なるが、全組成中、当該抽出物の乾燥物換算で通常0.0001〜10質量%、さらに0.001〜5質量%、さらになお0.002〜2質量%とするのが好ましい。
上記以外の医薬品、例えば錠剤、顆粒剤、カプセル剤等の経口用固形製剤、内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤の場合には、全組成中、上記本発明の調製物の乾燥物換算で通常0.01〜95質量%、さらに5〜90質量%、さらになお10〜50質量%とするのが好ましい。
上記飲食品、医薬品、医薬部外品、化粧品等の投与量(有効摂取量)は、上記本発明の調製物の乾燥物換算で、一日あたり1〜5000mg/60kg体重とするのが好ましい。さらに好ましくは5〜3000mg/60kg体重であり、なお好ましくは10〜2000mg/60kg体重であり、100〜1000mg/60kg体重とするのがさらになお好ましい。
上記本発明の調製物を投与又は摂取することによりPPARα、PPARδ、及び/又はPPARγを活性化し、脂肪酸代謝活性化、体脂肪燃焼促進、脂肪細胞分化促進、肥満予防・改善、インスリン抵抗性予防・改善、糖尿病予防・改善、脂質異常症予防・改善、脂肪肝予防・改善、動脈硬化予防・改善、持久力向上、心肥大の予防・改善、虚血性心疾患の予防・改善等を促すことができる。従って、そのための方法に本発明の調製物を使用することができる。投与又は摂取対象としては、PPAR活性化やそれに関連する状態や機能の改善(例えば、上述の疾患若しくは状態の予防若しくは改善、又は上述の機能向上)を必要としているヒト又は動物であれば特に限定されないが、例えば、対象として、肥満、脂質異常症、脂肪肝、インスリン抵抗性、糖尿病(I型及び/又はII型)、動脈硬化、心肥大や虚血性心疾患の患者やその予備軍、持久力の低下した者やより向上させたい者などが挙げられる。
(分析方法)
(i)抽出物の蛋白質含量
抽出物の蛋白質含量は、ケルダール法により測定されたサンプルの窒素含量から、窒素・蛋白質換算係数に6.25を用いて計算して求めた。
(ii)抽出物の脂質含量
抽出物の脂質含量は、抽出溶媒にジエチルエーテルを用いたソックスレー抽出法によってサンプルから抽出された脂質の重量を測定することにより求めた。
(iii)抽出物の灰分含量
抽出物の灰分含量は、直接灰化法により測定した。具体的には、サンプルを550℃で灰化し、灰化前後のサンプル重量の差を測定することにより求めた。
(iv)抽出物の水分含量
抽出物の水分含量は、減圧加熱乾燥法により測定した。具体的には、サンプルを70℃で5時間減圧加熱乾燥し、乾燥前後のサンプル重量の差を測定することにより求めた。
(製造例1)麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物の調製
発芽させた大麦を乾燥後、低温焙燥して調製したビール用麦芽(ピルスナーモルト、800g)を、40〜50℃の温水5.2kgに投入し、温度を維持しながら2〜3時間反応させての水処理物を調製した。この水処理物から濾過により液体成分(麦汁)を除いた残渣に95%エタノールを4.4kg添加し、40〜50℃で2〜3時間抽出した。得られた抽出液を濾過して残渣を除去し、濾液からエタノールを減圧留去して油層部を得た(収量約19g)。得られた油層部を、麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物として、エタノールに0.2%(D1)、0.5%(D2)又は1%(D3)(w/v)となるように溶解し、下記実施例の被験物質として用いた。
なお、麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物は、蛋白質2.4%(w/w)、脂質40.7%(w/w)、灰分1.1%(w/w)、水分41.9%(w/w)であった。
(製造例2)麦芽の有機溶媒抽出物の調製
発芽させた大麦を乾燥後、低温焙燥して調製したビール用麦芽(ピルスナーモルト、50g)に95%エタノール150g、水150gを添加し、45℃で3時間抽出した。得られた抽出液を濾過して残渣を除去し、濾液からエタノールを減圧留去し、麦芽の有機溶媒抽出物を得た(収量約3g)。得られた油層部を、麦芽の有機溶媒抽出物として、エタノールに1%(w/v)となるように溶解し、下記実施例の被験物質Cとして用いた。
(製造例3)麦芽の水処理物の濾液凍結乾燥物の調製
製造例1における麦芽の水処理物の濾過の際に生じた濾液を凍結乾燥し、50%エタノールに1%(w/v)となるように溶解し、下記実施例の被験物質Bとして用いた。
実施例1:PPARα活性化試験
Human colon total RNA(Clontech)を用い、PCRを行ってPPARαリガンド結合部位(NCBI RefSeq NM_001001928, nt183-1586、配列番号1)を増幅した。PCR増幅産物をpCR Blunt(Invitrogen)にクローニングし、制限酵素(MluI、KpnI;Takara)処理によりDNA断片を調製した。調製したDNA断片をpBIND vector(Promega)のマルチクローニングサイト(MluI/KpnI)に挿入し、pBIND−PPARα LBDを得た。本ベクターは細胞に導入するとPPARαリガンド結合部位とGAL4のDNA結合部位の融合蛋白質を発現し、当該融合蛋白質はPPARαリガンドと結合することによりGAL4結合配列に結合し、その下流の遺伝子の転写を活性化するものである。また本ベクターには別途ウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子が組み込まれており、ベクターの導入効率を求めることができる。
アフリカミドリザル腎細胞株CV-1を24穴プレートにまき、DMEM(5% チャコール処理ウシ胎児血清)中で1日培養した。ホタルルシフェラーゼ遺伝子の上流にGAL4結合配列を含むレポータープラスミド(pG5−Luc;Promega)、およびpBIND−PPARα LBDを同時に各々0.2μg/wellとなるようトランスフェクション試薬(Superfect transfection reagent;QIAGEN)を用いて導入した。その後、培養液を、製造例1〜3で調製した被験物質を1/100量含むDMEM(−FBS)培地に交換し、さらに1日培養した。対照(Control)として同量のエタノールを用いた。陽性対照として、Wy14643(BIOMOL(Plymouth Meeting DA)より入手したもの)10μMを用いた。
PBSにて洗浄後、デュアルルシフェラーゼアッセイシステム(Promega)を用いて細胞を溶解、溶解液にルシフェリンを含む基質溶液を加え、ルミノメーターにてホタル及びウミシイタケルシフェラーゼ活性を各々測定した。
本実験系でPPARα依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性:Luc活性)を測定することにより、PPARα活性化物質の探索を行った。尚、PPARα依存的な遺伝子の転写活性(Luc活性)は以下のように定義した。
PPARα依存的な遺伝子の転写活性(Luc活性)
=(pG5−LucによるホタルLuc活性)/(pBIND−PPARα LBDによるウミシイタケLuc活性)
各被験物質によるPPARα活性化能を図1に示す。図1より、麦芽の有機溶媒抽出物、又は麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物(製造例1及び2、図1中のC及びD1〜D3)にPPARα活性化能があることがわかる。
実施例2:PPARδ活性化試験
実施例1と同様にして、PPARδ活性化試験を行なった。
Rat IEC−6 total RNAを用い、PCRを行ってPPARδリガンド結合部位(NCBI RefSeq NM_011145, nt690-1595、配列番号2)を増幅した。PCR増幅産物をpCR Blunt(Invitrogen)にクローニングし、制限酵素(MluI、KpnI;Takara)処理によりDNA断片を調製した。調製したDNA断片をpBIND vector(Promega)のマルチクローニングサイト(MluI/KpnI)に挿入し、pBIND−PPARδ LBDを得た。
実施例1と同様の手順で上記ベクター導入した細胞を被験物質とともに培養し、ルシフェラーゼ活性を測定し、PPARδ活性化物質の探索を行った。陽性対照としては、GW501516(ALEXIS BIOCHEMICALS)1nMを用いた。PPARδ依存的な遺伝子の転写活性(Luc活性)は以下のように定義した。
PPARδ依存的な遺伝子の転写活性(Luc活性)
=(pG5−LucによるホタルLuc活性)/(pBIND−PPARδ LBDによるウミシイタケLuc活性)
各被験物質によるPPARδ活性化能を図2に示す。図2より、麦芽の有機溶媒抽出物、又は麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物(製造例1及び2、図2中のC及びD1〜D3)にPPARδ活性化能があることがわかる。
実施例3:PPARγ活性化試験
実施例1と同様にして、PPARγ活性化試験を行なった。
Human colon total RNA(Clontech)を用い、PCRを行ってPPARγ2リガンド結合部位(NCBI RefSeq NM_015869, nt703-1606、配列番号3)を増幅した。PCR増幅産物をpCR Blunt(Invitrogen)にクローニングし、制限酵素(MluI、KpnI;Takara)処理によりDNA断片を調製した。調製したDNA断片をpBIND vector(Promega)のマルチクローニングサイト(MluI/KpnI)に挿入し、pBIND−PPARγ LBDを得た。
実施例1と同様の手順で上記ベクター導入した細胞を被験物質とともに培養し、ルシフェラーゼ活性を測定し、PPARγ活性化物質の探索を行った。陽性対照としては、ピオグリタゾン(CAYMAN)10μMを用いた。PPARγ依存的な遺伝子の転写活性(Luc活性)は以下のように定義した。
PPARγ依存的な遺伝子の転写活性(Luc活性)
=(pG5−LucによるホタルLuc活性)/(pBIND−PPARγ LBDによるウミシイタケLuc活性)
各被験物質によるPPARγ活性化能を図3に示す。図3より、麦芽の有機溶媒抽出物、又は麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物(製造例1及び2、図3中のC及びD1〜D3)にPPARγ活性化能があることがわかる。
以上のように、麦芽、又は麦芽の水処理物の濾過残渣から得られた有機溶媒抽出物は、PPARα、PPARδ、及びPPARγに対する活性化作用を有することがわかる。すなわち、PPARα、PPARδ、及びPPARγのいずれか1以上に対する活性化剤として用いることができる。
さらに、麦芽、又は麦芽の水処理物の濾過残渣から得られた有機溶媒抽出物は、PPARα、PPARδ、又はPPARγ活性化作用を有するので、前述のとおり、脂肪酸代謝の活性化、体脂肪の燃焼促進、脂肪細胞分化促進、脂質異常症の予防・改善、肥満の予防・改善、脂肪肝の予防・改善、持久力向上、インスリン抵抗性や糖尿病(I型及び/又はII型)の予防・改善、動脈硬化の予防・改善、心肥大の予防・改善、虚血性心疾患の予防・改善等に有効であると考えられる。

Claims (31)

  1. 大麦麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物、は大麦麦芽有機溶媒抽出物を有効成分とするPPAR活性化剤。
  2. PPARがPPARα、PPARδ及びPPARγのいずれか1以上である請求項記載のPPAR活性化剤。
  3. 大麦麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物、は大麦麦芽有機溶媒抽出物を有効成分とする脂肪酸代謝活性化剤。
  4. 大麦麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物、は大麦麦芽有機溶媒抽出物を有効成分とする体脂肪燃焼促進剤。
  5. 大麦麦芽の水処理物の濾過残渣有機溶媒抽出物を有効成分とする脂肪細胞分化促進剤。
  6. 大麦麦芽の水処理物の濾過残渣有機溶媒抽出物を有効成分とする肥満予防・改善剤。
  7. 大麦麦芽の水処理物の濾過残渣有機溶媒抽出物を有効成分とするインスリン抵抗性予防・改善剤。
  8. 大麦麦芽の水処理物の濾過残渣有機溶媒抽出物を有効成分とする脂質異常症予防・改善剤。
  9. 大麦麦芽の水処理物の濾過残渣有機溶媒抽出物を有効成分とする脂肪肝予防・改善剤。
  10. 大麦麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物、は大麦麦芽有機溶媒抽出物を有効成分とする持久力向上剤(ただし該有機溶媒抽出物をオルニチン又はその塩と併用する場合を除く)
  11. 大麦麦芽の水処理物の濾過残渣の有機溶媒抽出物、は大麦麦芽有機溶媒抽出物を有効成分とする心肥大の予防・改善剤。
  12. 大麦麦芽、又は大麦麦芽を水処理後濾過して得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによるPPAR活性化剤の製造方法。
  13. 前記水処理が、前記大麦麦芽を40〜75℃の水に浸漬させる処理であるか、及び/又は前記大麦麦芽を水に1〜6時間浸漬させる処理である、請求項12記載の方法。
  14. 大麦麦芽、又は大麦麦芽を水処理後濾過して得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによる脂肪酸代謝活性化剤の製造方法。
  15. 前記水処理が、前記大麦麦芽を40〜75℃の水に浸漬させる処理であるか、及び/又は前記大麦麦芽を水に1〜6時間浸漬させる処理である、請求項14記載の方法。
  16. 大麦麦芽、又は大麦麦芽を水処理後濾過して得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによる体脂肪燃焼促進剤の製造方法。
  17. 前記水処理が、前記大麦麦芽を40〜75℃の水に浸漬させる処理であるか、及び/又は前記大麦麦芽を水に1〜6時間浸漬させる処理である、請求項16記載の方法。
  18. 大麦麦芽を水処理後濾過して得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによる脂肪細胞分化促進剤の製造方法。
  19. 前記水処理が、前記大麦麦芽を40〜75℃の水に浸漬させる処理であるか、及び/又は前記大麦麦芽を水に1〜6時間浸漬させる処理である、請求項18記載の方法。
  20. 大麦麦芽を水処理後濾過して得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによる肥満予防・改善剤の製造方法。
  21. 前記水処理が、前記大麦麦芽を40〜75℃の水に浸漬させる処理であるか、及び/又は前記大麦麦芽を水に1〜6時間浸漬させる処理である、請求項20記載の方法。
  22. 大麦麦芽を水処理後濾過して得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによるインスリン抵抗性予防・改善剤の製造方法。
  23. 前記水処理が、前記大麦麦芽を40〜75℃の水に浸漬させる処理であるか、及び/又は前記大麦麦芽を水に1〜6時間浸漬させる処理である、請求項22記載の方法。
  24. 大麦麦芽を水処理後濾過して得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによる脂質異常症予防・改善剤の製造方法。
  25. 前記水処理が、前記大麦麦芽を40〜75℃の水に浸漬させる処理であるか、及び/又は前記大麦麦芽を水に1〜6時間浸漬させる処理である、請求項24記載の方法。
  26. 大麦麦芽を水処理後濾過して得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによる脂肪肝予防・改善剤の製造方法。
  27. 前記水処理が、前記大麦麦芽を40〜75℃の水に浸漬させる処理であるか、及び/又は前記大麦麦芽を水に1〜6時間浸漬させる処理である、請求項26記載の方法。
  28. 大麦麦芽、又は大麦麦芽を水処理後濾過して得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによる持久力向上剤(ただし該有機溶媒抽出物をオルニチン又はその塩と併用する場合を除く)の製造方法。
  29. 前記水処理が、前記大麦麦芽を40〜75℃の水に浸漬させる処理であるか、及び/又は前記大麦麦芽を水に1〜6時間浸漬させる処理である、請求項28記載の方法。
  30. 大麦麦芽、又は大麦麦芽を水処理後濾過して得られた濾過残渣から有機溶媒抽出物を調製することによる心肥大の予防・改善剤の製造方法。
  31. 前記水処理が、前記大麦麦芽を40〜75℃の水に浸漬させる処理であるか、及び/又は前記大麦麦芽を水に1〜6時間浸漬させる処理である、請求項30記載の方法。
JP2012022836A 2012-02-06 2012-02-06 Ppar活性化剤 Active JP5947047B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012022836A JP5947047B2 (ja) 2012-02-06 2012-02-06 Ppar活性化剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012022836A JP5947047B2 (ja) 2012-02-06 2012-02-06 Ppar活性化剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013159579A JP2013159579A (ja) 2013-08-19
JP5947047B2 true JP5947047B2 (ja) 2016-07-06

Family

ID=49172132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012022836A Active JP5947047B2 (ja) 2012-02-06 2012-02-06 Ppar活性化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5947047B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012171911A (ja) 2011-02-22 2012-09-10 Kao Corp Ppar活性化剤
JP2015086168A (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 株式会社ブルーム・クラシック リパーゼ阻害剤および皮脂コントロール用皮膚化粧料
JP7445689B2 (ja) * 2022-02-17 2024-03-07 エムジーファーマ株式会社 脂肪分解促進剤

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0720988B2 (ja) * 1989-06-28 1995-03-08 呉羽化学工業株式会社 麦芽由来の生理活性物質、その製造法、該生理活性物質を含有せしめた機能性飲食品及び医薬
JPH09216829A (ja) * 1996-02-08 1997-08-19 Kureha Chem Ind Co Ltd Hsp60ファミリーに属するタンパク質の麦芽抽出物含有合成抑制剤
JP2002095443A (ja) * 2000-09-21 2002-04-02 Okumoto Seifun Kk 健康食品
JP2004161656A (ja) * 2002-11-12 2004-06-10 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リガンド剤
WO2004112817A1 (ja) * 2003-06-20 2004-12-29 Takara Bio Inc. セリ科植物由来抽出物およびその製造方法
JP5053667B2 (ja) * 2006-12-28 2012-10-17 日清ファルマ株式会社 新規乳酸菌および脂肪細胞分化促進用乳酸菌発酵産物
EP2353404A4 (en) * 2008-11-17 2012-05-23 San Ei Gen Ffi Inc MALT EXTRACT AND MANUFACTURING METHOD THEREOF
JP2010150185A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Sapporo Breweries Ltd メタボリックシンドローム改善又は予防剤
JP2010263835A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Yaegaki Hakko Giken Kk 組成物および同組成物を含有する飲食品
KR20110001407A (ko) * 2009-06-30 2011-01-06 (주)아모레퍼시픽 지황, 감초, 의이인, 맥아, 모과, 오가피, 또는 갈근 추출물을 함유하는 지방 세포 분화 촉진 조성물
JP2011132174A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Kirin Holdings Co Ltd 持久力向上剤
JP2011153093A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Shiseido Co Ltd 脂肪前駆細胞分化促進剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013159579A (ja) 2013-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4179765B2 (ja) 脂質代謝改善剤
JP5054499B2 (ja) 脂質代謝改善剤
JP4590491B2 (ja) 過酸化脂質生成抑制のための医薬
JP3905913B2 (ja) 高血糖改善のための医薬及び飲食品
JPWO2007043305A1 (ja) インスリン抵抗性改善剤
JP4165658B2 (ja) インスリン抵抗性改善剤
JP5054594B2 (ja) 脂質代謝改善剤
JP5947047B2 (ja) Ppar活性化剤
JP2013237657A (ja) PPARγ活性抑制剤
JP2008163014A (ja) 11βHSD1阻害剤及びその用途
JP2012171911A (ja) Ppar活性化剤
JP2012171924A (ja) Ppar活性化剤
JP2008266156A (ja) 植物抽出物を含有するヘパリン結合性上皮増殖因子様増殖因子遺伝子発現促進剤
JP5923381B2 (ja) PPARγ活性抑制剤
WO2013129334A1 (ja) 運動効果模倣作用剤並びにAMPK及びPPARδ共活性化剤
JP5346623B2 (ja) Ppar活性化剤
JP2012171923A (ja) Ppar活性化剤
JP5770449B2 (ja) PPARα活性化剤
JP5385572B2 (ja) Ppar結合作用剤
US20130045289A1 (en) Composition for promoting the activity of peroxisome proliferator-activated receptor-delta
JP2014019648A (ja) PPARδ活性化剤
JP5346624B2 (ja) Ppar活性化剤
JP6692638B2 (ja) PPARδ活性化剤
JP6306634B2 (ja) 食品用組成物
JP2004161644A (ja) 膵リパーゼ阻害剤及び該阻害剤を含有する食品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160602

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5947047

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250