JP6692638B2 - PPARδ活性化剤 - Google Patents

PPARδ活性化剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6692638B2
JP6692638B2 JP2015247509A JP2015247509A JP6692638B2 JP 6692638 B2 JP6692638 B2 JP 6692638B2 JP 2015247509 A JP2015247509 A JP 2015247509A JP 2015247509 A JP2015247509 A JP 2015247509A JP 6692638 B2 JP6692638 B2 JP 6692638B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
pparδ
organic solvent
mass
ethanol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015247509A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017109971A (ja
JP2017109971A5 (ja
Inventor
幸一 三澤
幸一 三澤
浩二郎 橋爪
浩二郎 橋爪
玲 下豊留
玲 下豊留
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2015247509A priority Critical patent/JP6692638B2/ja
Publication of JP2017109971A publication Critical patent/JP2017109971A/ja
Publication of JP2017109971A5 publication Critical patent/JP2017109971A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6692638B2 publication Critical patent/JP6692638B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Description

本発明は、PPARδ活性化剤に関する。
ステロイド、甲状腺ホルモン、レチノイドなどの低分子脂溶性リガンドはリガンド特異的な核内受容体を介して、個体発生における形態形成、細胞の増殖、分化、生体の恒常性の維持など多様な生理機能の調節に関与している。
ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(Peroxisome Proliferator Activated Receptor、本明細書において「PPAR」という)は核内受容体の1種である。PPARは、脂肪分解に関与する細胞内小器官であるペルオキシソームを増加させる作用を仲介するタンパク質として同定されている。そして、ペルオキシソーム増殖剤により活性化を受けるレセプターという意味で、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体α(PPARα)と名付けられた。その後、PPARαと構造上類似したアイソフォーム遺伝子として、δ型PPAR(PPARδ)及びγ型PPAR(PPARγ)が同定された。現在PPARは、合計3つのサブタイプを有することが知られている。
PPARの各サブタイプは、リガンド依存的に活性化される。PPARは、9-シスレチノイン酸をリガンドとするレチノイドX受容体(Retinoid X Receptor)とヘテロ2量体を形成することで、プロモーター領域にPPAR応答配列(PPAR responsive element、以下「PPRE」ともいう)を有する種々の遺伝子の発現を制御している(非特許文献1、2)。
例えば、PPARの各サブタイプは、脂肪酸のβ酸化の鍵酵素として知られるアシル-CoAオキシダーゼ(Acyl-CoA oxidase)のPPREを用いたレポーターアッセイがなされている。PPARリガンドとして知られるリノール酸は、PPARα、PPARδ、PPARγのそれぞれを介して、アシル-CoAオキシダーゼの転写活性を亢進することが報告されている(非特許文献3)。
これまでに、PPARは非常に多くの生理現象、病理現象に関わっていることが明らかになっている。
PPARδ(別名:PPARβ、NUC1、FAAR)は、1992年にクローニングされて以来、長らく機能が明らかにされていなかった。しかし近年、遺伝子改変動物を用いた研究やPPARδ選択的な作動薬の開発などにより様々な生理機能を持つことが明らかになってきた。
PPARδを過剰発現させたマウスを用いた検討では、高脂肪食負荷による体重増加の抑制、脂肪重量の減少、血中中性脂肪の減少、脂肪肝の抑制が認められている(非特許文献4)。PPARδ選択的な作動薬であるGW501516を肥満アカゲザルに投与した実験では、HDLコレステロールを上昇させ、中性脂肪、LDLコレステロールを低下させた(非特許文献5)。
また、GW501516を骨格筋由来細胞に作用させ、細胞の遺伝子発現への影響を検討した結果では、脂肪酸の取り込みや輸送、ミトコンドリアのβ酸化系酵素、脱共役タンパク質等の脂肪酸代謝関連遺伝子の発現を誘導することが示されている。さらにGW501516を投与したマウスでは、脂肪組織特異的PPARδ過剰発現マウスと同様に高脂肪食負荷による体重増加の抑制、脂肪重量の減少が認められる。また、インスリン抵抗性改善効果を示すことも明らかにされている。さらに、マウスの骨格筋においては脂肪酸代謝関連遺伝子および脂肪酸β酸化の誘導が確認されていることから、PPARδの活性化によって、骨格筋のエネルギー消費が増大することにより末梢組織中の脂肪蓄積が抑制され、それによりインスリン抵抗性が改善されるのではないかと考えられている。遺伝的肥満マウスにGW501516を投与すると、膵島の肥大が抑制されたことから、膵島の保護作用があると考えられている(非特許文献6)。
骨格筋特異的にPPARδを過剰発現することにより、肥満やインスリン抵抗性が抑制されることが報告されている。さらにPPARδを過剰発現するマウスの骨格筋では、一般的に遅筋と呼ばれるミトコンドリアを多く含む持久性の高い筋繊維の割合が非常に高くなっている。その結果、PPARδを過剰発現するマウスは、コントロールマウスの約2倍の距離を走ることができるという大変優れた持久力を持つマウスであることが示されている(非特許文献7)。
従って、PPARδの活性化は、運動持久力の向上や骨格筋の遅筋化に有効であると考えられるようになった。
最近では、肝臓においてPPARδがインスリン感受性を制御しているという報告もなされている。そのメカニズムとして、PPARδの活性化が肝臓の解糖系及びペントースリン酸回路の活性化を介して肝臓からのグルコースの供給を減少させ、インスリン感受性を増加することが示唆されている(非特許文献8)。
また、GW501516をヒトに12週間投与すると、心疾患の発症頻度を引き上げる要因の一つである小型高密度LDLの血中濃度が低下することや、心血管保護作用を有するapoA2の血中濃度が上昇することが認められている。よって、PPARδの活性化は心血管保護に有効であると報告されている(非特許文献9)。
さらに最近では、マウスにGW501516を1週間投与することにより、海馬の神経新生が促進されて空間記憶能力が改善すること(非特許文献10)、GW501516と同じくPPARδの選択的アゴニストであるGW0742をパーキンソン病モデルラットに予め投与すると、神経保護作用により認知機能障害を軽減できること(非特許文献11)が報告されている。
このように、PPARδの活性化は、血中HDLコレステロールの上昇、血中LDLコレステロールの低下、肥満の抑制、インスリン抵抗性の改善/インスリン感受性の向上、脂肪酸代謝の活性化、体脂肪の燃焼促進、血中中性脂肪の減少、脂肪肝の抑制、持久力の向上、骨格筋の遅筋化、心血管の保護、認知機能の改善等につながる。よってPPARδの活性化剤は、動脈硬化の予防又は改善剤、肥満の予防又は改善剤、インスリン抵抗性の予防又は改善剤、脂肪酸酸化活性化剤、体脂肪燃焼促進剤、脂質異常症予防又は改善剤、脂肪肝予防又は改善剤、持久力向上剤、骨格筋遅筋化剤、心血管保護剤、認知機能改善剤として有効であると考えられている。
そのため、このような目的でPPARδ活性化剤の探索、開発も盛んに行われている。しかしながら、キビ(Panicum miliaceum L.)抽出物、アラメ(Eisenia bicyclis Setchell)抽出物、ヒジキ(Hizikia fusiformisHarvey)Okamura)抽出物、及びルイボス(Aspalathus linearis L.)抽出物と、PPARδ活性化との関係については知られていなかった。
細胞,1999,vol.31(6),p.218-234 J.Lipid Res.,1996,vol.37,p.907-925 J.Biol.Chem.,1999,vol.274,p.23368-23377 Cell,2003,vol.113,p.159-170 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2001,vol.98,p.5306-5311 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2003,vol.100,p.15924-15929 PloS Biol.,2004,vol.2,p.e294 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2006,vol.103,p.3444-3449 Arterioscler Thromb.Vasc.Biol.,2012,vol.32,p.2289-2294 Learn Mem.,2011,vol.18,p.103-107 Curr.Neurovasc Res.,2014,vol.11,p.114-124
本発明は、優れたPPARδ活性化作用を有する、PPARδ活性化剤の提供を課題とする。
また本発明は、前記PPARδ活性化剤の効能を生かした、その投与の手段としての持久力向上剤及び骨格筋遅筋化剤の提供を課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み、PPARδを活性化する新たな素材について鋭意検討を行った。その結果、キビ、アラメ、ヒジキ及びルイボスの有機溶媒抽出物がそれぞれ、PPARδに対する活性化作用を有することを見出した。
本発明はこの知見に基づいて完成されたものである。
本発明は、キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物を有効成分とする、PPARδ活性化剤に関する。
また本発明は、キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物を有効成分とする、持久力向上剤に関する。
さらに本発明は、キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物を有効成分とする、骨格筋遅筋化剤に関する。
本発明のPPARδ活性化剤は、優れたPPARδ活性化作用を有する。
また本発明のPPARδ活性化剤で有効成分とする各抽出物は、長期間摂取しても安全性が高く、持久力向上効果や骨格筋遅筋化効果等を発揮し得る医薬品、医薬部外品、化粧料及び食品として、あるいはこれらへ配合するための素材又は製剤として有用である。
キビ抽出物を用いたPPARδ活性化試験の結果を示すグラフである。 アラメ抽出物を用いたPPARδ活性化試験の結果を示すグラフである。 ヒジキ抽出物を用いたPPARδ活性化試験の結果を示すグラフである。 ルイボス抽出物を用いたPPARδ活性化試験の結果を示すグラフである。
本明細書において「予防」とは、個体における疾患若しくは症状の発症の防止若しくは遅延、又は個体の疾患若しくは症状の発症の危険性を低下させることをいう。
また、本明細書において「改善」とは、疾患、症状若しくは状態の好転若しくは緩和、疾患、症状若しくは状態の悪化の防止若しくは遅延、又は疾患、症状若しくは状態の進行の逆転、防止若しくは遅延をいう。
さらに本明細書において「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処置行為を含まないことを意味する。
本発明のPPARδ活性化剤、持久力向上剤及び骨格筋遅筋化剤は、キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物を有効成分とする。
本発明で用いるキビは、イネ(Poaceae)科キビ(Panicum)属の一年草である。
本発明で用いるアラメは、コンブ(Laminariaceae)科アラメ(Eisenia)属の褐藻である。
本発明で用いるヒジキは、ホンダワラ(Sargassaceae)科ホンダワラ(Sargassum)属の褐藻である。
本発明で用いるルイボスは、マメ(Fabaceae)科アスパラトゥス(Aspalathus)属の植物である。
本発明で有効成分として用いる前記植物の抽出物の製造には、前記植物の任意の部分が使用可能である。例えば、根、塊根、根茎、幹、枝、茎、葉(葉身、葉柄等)、樹皮、樹液、樹脂、花(花弁、子房等)、果実(成熟果実、未熟果実等)、果皮、種子、全草等を用いることができる。また、これらの部位を複数組み合わせて用いてもよい。
なかでも、本発明に用いるキビの抽出物は、キビの種子の抽出物であることが好ましい。
また、本発明に用いるアラメの抽出物は、アラメの全草の抽出物であることが好ましい。
また、本発明に用いるヒジキ抽出物は、ヒジキの全草の抽出物であることが好ましい。
また、本発明に用いるルイボス抽出物は、ルイボスの葉の抽出物であることが好ましい。
なお、本発明で用いる前記植物はいずれかも天然成分由来であり、一般食用に用いられているため安全性も高い。よって前記抽出物はいずれも安全性が高い。
本発明に用いる抽出物は、植物の抽出に用いられる通常の抽出方法により得ることができる。抽出方法は適宜設定することができ、上記植物を常温又は加温下にて、浸漬により抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得ることが好ましい。
抽出物の調製には、植物をそのまま又は乾燥粉砕して用いることができる。また、抽出物として、植物の水蒸気蒸留物又は圧搾物を用いることもできる。さらに、植物の抽出物として、市販品を利用することもできる。植物、又はその水蒸気蒸留物若しくは圧搾物は、いずれかを単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
植物の抽出物の調製に用いる抽出溶媒は、この種の抽出に通常用いられる有機溶媒から適宜選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状又は環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ピリジン類;超臨界二酸化炭素;ナタネ油、大豆油等の食用油;モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール(DAG)、トリアシルグリセロール(TAG)等のグリセリンの脂肪酸エステル;炭素数8のカプリル酸、炭素数10のカプリン酸等の炭素数が5〜12の中鎖脂肪酸(MCT);スクワラン、スクワレン等の油脂、ワックス、その他オイル等が挙げられる。なかでも、アルコール類、鎖状若しくは環状エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、超臨界二酸化炭素、食用油、グリセリンの脂肪酸エステル、又は中鎖脂肪酸が好ましく、アルコール類又は炭化水素類が好ましく、非プロトン性有機溶媒である炭化水素類がよりさらに好ましく、ヘキサンがよりさらに好ましい。これらの有機溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上の有機溶媒を組み合わせて用いてもよい。
また、抽出に際して酸やアルカリなどを添加し、抽出溶媒のpHを調整してもよい。
なお、本発明で前記植物の抽出に用いる有機溶媒は、実質的に水を含まないことが好ましい。ここで、「実質的に水を含まない」とは、有機溶媒に対する水の含有率が30%(v/v)以下、好ましくは10%(v/v)以下、より好ましくは5%(v/v)以下、さらに好ましくは1%(v/v)以下、よりさらに好ましくは0.5%(v/v)以下であることを意味する。
抽出条件も通常の条件を適用でき、例えば植物を0℃以上、好ましくは20℃以上、また、100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは40℃以下、で1分以上、好ましくは1時間以上、より好ましくは1日以上、さらに好ましくは7日以上、また、50日以下、好ましくは30日以下、で浸漬又は加熱還流すればよい。抽出効率を上げる為、併せて攪拌を行ったり、溶媒中でホモジナイズ処理を行ってもよい。用いる抽出溶媒の量は、植物重量(乾燥物換算)に対して1倍量以上、好ましくは5倍量以上、より好ましくは8倍以上、また、100倍量以下、好ましくは50倍量以下、より好ましくは40倍量以下、である。
本発明において、抽出物をそのまま用いてもよいし、さらに適当な分離手段、例えばゲル濾過、クロマトグラフィー、精密蒸留等により活性の高い画分を分画して用いることもできる。また、得られた抽出物を希釈、濃縮又は凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製して用いることもできる。また、前記方法により得られた抽出物を、前記抽出溶媒とは異なる溶媒で転溶して用いることもできる。
本発明において抽出物とは、前記のような抽出方法で得られた各種溶剤抽出液、その希釈液、その濃縮液、その精製画分、その乾燥末又はその転溶液を含むものである。
本発明においては、前記有効成分のいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上の植物の有機溶媒抽出物を組み合わせて用いてもよい。
後述の実施例で実証するように、前述の抽出物は、PPARδに依存的な遺伝子の転写活性を亢進する活性化剤としての作用を有する。前述のとおり、PPARδは広く生体のエネルギー代謝や、恒常性、心血管機能、認知機能の維持に関わっている。よって前述の抽出物は、PPARδを活性化することが有用と考えられる各種症状の予防、改善又は治療に有効であると考えられる。
具体的には、キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物は、持久力向上、骨格筋遅筋化、認知機能の改善、心血管保護機能の改善、脂肪肝の予防若しくは改善、動脈硬化の予防若しくは改善、エネルギー代謝の活性化、脂肪燃焼の促進、骨格筋脂肪酸代謝の亢進、脂質異常症の予防若しくは改善剤、血中HDLコレステロール濃度の亢進、及び血中LDLコレステロール濃度の低減等に広く有効であると考えられる。よって、キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物のPPARδ活性化作用を生かし、前記有機溶媒抽出物を、持久力向上剤、骨格筋遅筋化剤、認知機能改善剤、心血管保護剤、脂肪肝予防若しくは改善剤、抗動脈硬化剤、エネルギー代謝活性化剤、脂肪燃焼促進剤、骨格筋脂肪酸代謝亢進剤、脂質異常症予防若しくは改善剤、血中HDLコレステロール濃度亢進剤、又は血中LDLコレステロール濃度低減剤の有効成分とすることができる。
前述の有効成分は、PPARδ活性化剤、又はその投与の手段としての前述の剤として使用することができる。また、前述の有効成分をPPARδ活性化剤、又はその投与の手段としての前述の剤の製造のために使用することができる。
本発明のPPARδ活性化剤、及びその投与の手段としての前述の剤の形態は適宜選択することができる。例えば、前記有効成分単体を本発明のPPARδ活性化剤、又はその投与の手段としての前述の剤として用いてもよい。あるいは、前記有効成分と、薬学的に許容される担体とを含む、本発明のPPARδ活性化剤又はその投与の手段としての前述の剤を医薬組成物として使用してもよい。あるいは、本発明のPPARδ活性化剤又はその投与の手段としての前述の剤を化粧料組成物又は食品組成物に含有させてもよい。
ここで、本発明のPPARδ活性化剤及びその投与の手段としての前述の剤は、前記抽出物単体を有効成分とする態様と、前記抽出物を有効成分として含有し、薬学的に許容される担体や各種添加剤を含有する組成物の態様の、いずれをも包含する。
以下、前記抽出物を有効成分として含有し、薬学的に許容される担体や各種添加剤を含有する組成物の態様について説明する。
本発明のPPARδ活性化剤及びその投与の手段としての前述の剤として医薬組成物を調製する場合は、通常、前記有効成分と好ましくは薬学的に許容される担体を含む製剤として調製する。薬学的に許容される担体とは、一般的に、前記有効成分とは反応しない、不活性の、無毒の、固体若しくは液体の、増量剤、希釈剤又はカプセル化材料等をいい、例えば、水、エタノール、ポリオール類、適切なそれらの混合物、植物性油などの溶媒又は分散媒体などが挙げられる。
医薬組成物は、経口により、非経口により、例えば、口腔内に、皮膚に、皮下に、粘膜に、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、腹腔内に、又は鼻腔内に投与される。経口投与製剤としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、チュアブル剤、ペレット剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤及び吸入剤などが挙げられる。非経口投与製剤としては、坐剤、保持型浣腸剤、点滴剤、点鼻剤、注射剤、並びに軟膏、クリーム剤、ローション、ゲル剤、制御放出パッチ剤及び貼付剤などの皮膚外用剤などが挙げられる。医薬組成物は、徐放性皮下インプラントの形態で、又は標的送達系の形態で、非経口で投与してもよい。
医薬組成物はさらに医薬分野において慣用の添加剤を含んでいてもよい。そのような添加剤には、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、抗酸化剤、着色剤、矯味剤などがあり、必要に応じて使用できる。長時間作用できるように徐放化するためには、既知の遅延剤等でコーティングすることもできる。必要に応じてその他の添加剤や薬剤、例えば制酸剤、胃粘膜保護剤を加えてもよい。
本発明のPPARδ活性化剤及びその投与の手段としての前述の剤として化粧料組成物を調製する場合、その形態は適宜選択することができ、溶液、乳液、粉末、水−油二層系、水−油−粉末三層系、ゲル、タブレット等の固形、エアゾール、ミスト、カプセル及びシート等任意の形態とすることができる。また、化粧料組成物の製品形態も任意であり、例えば、化粧水、美容液、パック、乳液、クリーム及びサンスクリーン等のスキンケア化粧料、メイクアップ化粧料、毛髪化粧料、ボディ洗浄料、口腔化粧料等の芳香化粧料等が挙げられる。また、この化粧料は、日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律上、化粧品及び医薬部外品のどちらに属しても良い。
化粧料組成物は、化粧品、医薬部外品及び医薬品等に慣用される他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて配合し、常法により製造することができる。
その他の化粧料組成物に配合可能な成分としては、例えば、防腐剤、消炎剤、美白剤、賦活剤、血行促進剤、抗脂漏剤、抗炎症剤及び殺菌剤等が挙げられる。
前記医薬組成物及び化粧料組成物は、口腔用組成物、外用組成物、内服組成物などの形態で適用することができる。
また前記医薬組成物及び化粧料組成物を治療的に使用してもよいし、非治療的に使用してもよい。
本発明のPPARδ活性化剤、及びその投与の手段としての前述の剤は、食料、飲料、飼料、ペットフードに添加又はこれらと混合して使用することができる。あるいは、PPARδの活性化により治療、予防又は改善しうる疾患又は状態の治療、予防又は改善等をコンセプトとしてその旨を表示した飲食品、すなわち、健康食品、機能性表示食品、病者用食品及び特定保健用食品などに添加又は配合して使用することができる。前記の、健康食品、機能性表示食品、病者用食品、特定保健用食品は、具体的には、細粒剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、流動食等の各種製剤形態として使用することができる。製剤形態の食品は、医薬製剤と同様に製造することができ、前記有効成分と、食品として許容できる担体、例えば適当な賦形剤等とを混合した後、慣用の手段を用いて製造することができる。さらに、スープ類、ジュース類、果汁飲料、牛乳、乳飲料、乳清飲料、乳酸菌飲料、茶飲料、アルコール飲料、コーヒー飲料、炭酸飲料、清涼飲料水、水飲料、ココア飲料、ゼリー状飲料、スポーツ飲料、ダイエット飲料などの液状食品組成物、プリン、ヨーグルトなどの半固形食品組成物、パン類、麺類、菓子類、スプレッド類等に、本発明のPPARδ活性化剤又はその投与の手段としての前述の剤を添加又はこれらと混合して、食品組成物を製造することができる。
食品組成物には、種々の食品添加物、例えば、酸化防止剤、色素、香料、調味料、甘味料、酸味料、pH調整剤、品質安定剤、保存剤等、通常の食品又は飲料の原料として使用されている添加剤を単独あるいは併用して配合してもよい。
本発明のPPARδ活性化剤及びその投与の手段としての前述の剤における前記有効成分の含有量は適宜決定できる。
例えば、本発明のPPARδ活性化剤又はその投与の手段としての前述の剤の形態が医薬組成物の場合、剤の総量中、前記有効成分の含有量は乾燥物換算で0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、その上限値は100質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。さらに、前記有効成分の含有量の数値範囲は、0.01〜100質量%が好ましく、0.1〜80質量%がより好ましく、1〜50質量%がさらに好ましい。
化粧料組成物の場合、剤の総量中、前記有効成分の含有量は乾燥物換算で0.00001質量%以上が好ましく、0.0001質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上がさらに好ましい。また、その上限値は10質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい。さらに、前記有効成分の含有量の数値範囲は、0.00001〜10質量%が好ましく、0.0001〜1質量%がより好ましく、0.001〜0.1質量%がさらに好ましい。
食品組成物の場合、剤の総量中、前記有効成分の含有量は乾燥物換算で0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい。また、その上限値は10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。さらに、前記有効成分の含有量の数値範囲は、0.0001〜10質量%が好ましく、0.001〜5質量%がより好ましく、0.01〜1質量%がさらに好ましい。
本発明のPPARδ活性化剤及びその投与の手段としての前述の剤の投与又は摂取対象は、好ましくは哺乳動物である。哺乳動物としては、ヒト、並びに非ヒト哺乳動物(例えば、サル;ウシ、ブタ、ニワトリ、ヒツジ、ウマ等の家畜;ウサギ、ラット、マウス等の小動物;マグロ、ウナギ、タイ、ハマチ等の魚介類;イヌ、ネコ、小鳥、リス等の愛玩動物)が挙げられる。本発明のPPARδ活性化剤及びその投与の手段としての前述の剤は、ヒトへの投与に好適である。
本発明のPPARδ活性化剤及びその投与の手段としての前述の剤は、PPARδの活性化を所望する対象者に好ましく適用することができる。あるいは、持久力向上効果、骨格筋遅筋化効果、認知機能改善効果、心血管保護効果、脂肪肝予防若しくは改善効果、動脈硬化の予防若しくは改善効果、エネルギー代謝活性化効果、脂肪燃焼促進効果、骨格筋脂肪酸代謝亢進効果、脂質異常症予防若しくは改善効果、HDLコレステロール濃度亢進効果、又はLDLコレステロール濃度低減効果を所望する対象者にも好ましく適用することができる。
また、本発明のPPARδ活性化剤及びその投与の手段としての前述の剤は、PPARδが活性化されていない条件下で好ましく適用することができる。さらに、本発明のPPARδ活性化剤及びその投与の手段としての前述の剤は、経口投与するのが好ましい。
本発明のPPARδ活性化剤をヒト又は非ヒト動物に投与又は摂取させることで、PPARδを活性化することができる。
本発明のPPARδ活性化剤を用いた、PPARδの活性化方法において、投与又は摂取することで適用する前記有効成分量は、個体の状態、体重、性別、年齢、素材の活性、投与又は摂取経路、投与又は摂取スケジュール、製剤形態又はその他の要因により適宜決定することができる。例えば、前記有効成分の投与又は摂取量は、乾燥物換算で、0.01mg/kg体重/日以上が好ましく、0.1mg/kg体重/日以上がより好ましい。また、その上限値は、100mg/kg体重/日以下が好ましく、10mg/kg体重/日以下がより好ましい。さらに、前記有効成分の投与又は摂取量の数値範囲は、0.01〜100mg/kg体重/日が好ましく、0.1〜10mg/kg体重/日がより好ましい。
なお前記有効成分は、1日1回〜数回に分け、又は任意の期間及び間隔で摂取・投与され得る。また、前記有効成分の投与又は摂取は、全身への投与又は摂取でもよいし、局所への投与又は摂取でもよい。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに下記のPPARδ活性化剤、持久力向上剤、骨格筋遅筋化剤、抽出物又はそれらの使用方法とそれらを含む剤、並びに製造方法についてさらに詳細に説明する。
<1>キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物を有効成分とする、PPARδ活性化剤、持久力向上剤、又は骨格筋遅筋化剤。
<2>キビの有機溶媒抽出物を有効成分とする、認知機能改善剤、心血管保護剤、又は脂肪肝予防若しくは改善剤。
<3>アラメの有機溶媒抽出物を有効成分とする、抗動脈硬化剤。
<4>ヒジキの有機溶媒抽出物を有効成分とする、心血管保護剤。
<5>ルイボスの有機溶媒抽出物を有効成分とする、エネルギー代謝活性化剤、脂肪燃焼促進剤、骨格筋脂肪酸代謝亢進剤、脂質異常症予防若しくは改善剤、血中HDLコレステロール濃度亢進剤、血中LDLコレステロール濃度低減剤、又は心血管保護剤。
<6>前記有機溶媒が、アルコール類、鎖状若しくは環状エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、超臨界二酸化炭素、食用油、グリセリンの脂肪酸エステル、又は中鎖脂肪酸、好ましくはアルコール類又は炭化水素類、より好ましくはエタノール又はヘキサン、よりさらに好ましくはヘキサン、である、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の剤。
<7>前記有機溶媒が実質的に水を含まない、前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の剤。
<8>前記有機溶媒に対する水の含有率が30%(v/v)以下、好ましくは10%(v/v)以下、より好ましくは5%(v/v)以下、さらに好ましくは1%(v/v)以下、よりさらに好ましくは0.5%(v/v)以下、である、前記<7>項に記載の剤。
<9>前記キビの有機溶媒抽出物が、キビの種子の有機溶媒抽出物、好ましくはキビの種子のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の剤。
<10>前記アラメの有機溶媒抽出物が、アラメの全草の有機溶媒抽出物、好ましくはアラメの全草のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の剤。
<11>前記ヒジキの有機溶媒抽出物が、ヒジキの全草の有機溶媒抽出物、好ましくはヒジキの全草のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の剤。
<12>前記ルイボスの有機溶媒抽出物が、ルイボスの葉の有機溶媒抽出物、好ましくはルイボスの葉のエタノール又はヘキサン抽出物、より好ましくはルイボスの葉のヘキサン抽出物、である、前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の剤。
<13>前記剤の総量中、前記有効成分の含有量が、乾燥物換算で、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、であり、100質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、である、前記<1>〜<12>のいずれか1項に記載の剤。
<14>前記剤の総量中、前記有効成分の含有量が、乾燥物換算で、0.00001質量%以上、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、である、前記<1>〜<12>のいずれか1項に記載の剤。
<15>前記剤の総量中、前記有効成分の含有量が、乾燥物換算で、0.0001質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、である、前記<1>〜<12>のいずれか1項に記載の剤。
<16>PPARδ活性化剤、持久力向上剤、骨格筋遅筋化剤、認知機能改善剤、心血管保護剤、脂肪肝予防若しくは改善剤、抗動脈硬化剤、エネルギー代謝活性化剤、脂肪燃焼促進剤、骨格筋脂肪酸代謝亢進剤、脂質異常症予防若しくは改善剤、血中HDLコレステロール濃度亢進剤、又は血中LDLコレステロール濃度低減剤としての、キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物の使用。
<17>PPARδ活性化剤、持久力向上剤、骨格筋遅筋化剤、認知機能改善剤、心血管保護剤、脂肪肝予防若しくは改善剤、抗動脈硬化剤、エネルギー代謝活性化剤、脂肪燃焼促進剤、骨格筋脂肪酸代謝亢進剤、脂質異常症予防若しくは改善剤、血中HDLコレステロール濃度亢進剤、又は血中LDLコレステロール濃度低減剤の製造のための、キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物の使用。
<18>キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物を、PPARδ活性化剤、持久力向上剤、骨格筋遅筋化剤、認知機能改善剤、心血管保護剤、脂肪肝予防若しくは改善剤、抗動脈硬化剤、エネルギー代謝活性化剤、脂肪燃焼促進剤、骨格筋脂肪酸代謝亢進剤、脂質異常症予防若しくは改善剤、血中HDLコレステロール濃度亢進剤、又は血中LDLコレステロール濃度低減剤として使用する方法。
<19>キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物を適用する、PPARδの活性化方法、持久力向上方法、骨格筋遅筋化方法、認知機能改善方法、心血管保護方法、脂肪肝予防若しくは改善方法、動脈硬化の予防若しくは改善方法、エネルギー代謝活性化方法、脂肪燃焼促進方法、骨格筋脂肪酸代謝亢進方法、脂質異常症予防若しくは改善方法、血中HDLコレステロール濃度亢進方法、又は血中LDLコレステロール濃度低減方法。
<20>前記有機溶媒が、アルコール類、鎖状若しくは環状エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、超臨界二酸化炭素、食用油、グリセリンの脂肪酸エステル、又は中鎖脂肪酸、好ましくはアルコール類又は炭化水素類、より好ましくはエタノール又はヘキサン、よりさらに好ましくはヘキサン、である、前記<16>〜<19>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<21>前記有機溶媒が実質的に水を含まない、前記<16>〜<20>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<22>前記有機溶媒に対する水の含有率が30%(v/v)以下、好ましくは10%(v/v)以下、より好ましくは5%(v/v)以下、さらに好ましくは1%(v/v)以下、よりさらに好ましくは0.5%(v/v)以下、である、前記<21>項に記載の剤。
<23>前記キビの有機溶媒抽出物が、キビの種子の有機溶媒抽出物、好ましくはキビの種子のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<16>〜<22>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<24>前記アラメの有機溶媒抽出物が、アラメの全草の有機溶媒抽出物、好ましくはアラメの全草のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<16>〜<22>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<25>前記ヒジキの有機溶媒抽出物が、ヒジキの全草の有機溶媒抽出物、好ましくはヒジキの全草のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<16>〜<22>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<26>前記ルイボスの有機溶媒抽出物が、ルイボスの葉の有機溶媒抽出物、好ましくはルイボスの葉のエタノール又はヘキサン抽出物、より好ましくはルイボスの葉のヘキサン抽出物、である、前記<16>〜<22>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<27>前記抽出物を、PPARδ活性化効果、持久力向上効果、骨格筋遅筋化効果、認知機能改善効果、心血管保護効果、脂肪肝予防若しくは改善効果、動脈硬化の予防若しくは改善効果、エネルギー代謝活性化効果、脂肪燃焼促進効果、骨格筋脂肪酸代謝亢進効果、脂質異常症予防若しくは改善効果、血中HDLコレステロール濃度亢進効果、又は血中LDLコレステロール濃度低減効果を所望する対象者に適用する、前記<18>〜<26>のいずれか1項に記載の方法。
<28>PPARδが活性化されていない条件下で適用する、前記<16>〜<27>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<29>前記剤の総量中、前記抽出物の含有量が、乾燥物換算で、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、であり、100質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、である、前記<16>〜<28>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<30>前記剤の総量中、前記有効成分の含有量が、乾燥物換算で、0.00001質量%以上、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、である、前記<16>〜<28>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<31>前記剤の総量中、前記有効成分の含有量が、乾燥物換算で、0.0001質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、である、前記<16>〜<28>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<32>前記抽出物の投与又は摂取量が、乾燥物換算で、0.01mg/kg体重/日以上、好ましくは0.1mg/kg体重/日以上、であり、100mg/kg体重/日以下、好ましくは10mg/kg体重/日以下、である、前記<16>〜<31>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<33>PPARδの活性化方法、持久力向上方法、骨格筋遅筋化方法、認知機能改善方法、心血管保護方法、脂肪肝予防若しくは改善方法、動脈硬化の予防若しくは改善方法、エネルギー代謝活性化方法、脂肪燃焼促進方法、骨格筋脂肪酸代謝亢進方法、脂質異常症予防若しくは改善方法、血中HDLコレステロール濃度亢進方法、又は血中LDLコレステロール濃度低減方法のために用いる、キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物。
<34>PPARδ活性化薬、持久力向上薬、骨格筋遅筋化薬、認知機能改善薬、心血管保護薬、脂肪肝予防若しくは改善薬、抗動脈硬化薬、エネルギー代謝活性化薬、脂肪燃焼促進薬、骨格筋脂肪酸代謝亢進薬、脂質異常症予防若しくは改善薬、血中HDLコレステロール濃度亢進薬、又は血中LDLコレステロール濃度低減薬の製造のための、キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物の使用。
<35>PPARδの活性化、持久力向上、骨格筋遅筋化、認知機能改善、心血管保護、脂肪肝予防若しくは改善、動脈硬化の予防若しくは改善、エネルギー代謝活性化、脂肪燃焼促進、骨格筋脂肪酸代謝亢進、脂質異常症予防若しくは改善、血中HDLコレステロール濃度亢進、又は血中LDLコレステロール濃度低減の非治療的な処置方法のために用いる、キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物の使用。
<36>前記有機溶媒が、アルコール類、鎖状若しくは環状エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、超臨界二酸化炭素、食用油、グリセリンの脂肪酸エステル、又は中鎖脂肪酸、好ましくはアルコール類又は炭化水素類、より好ましくはエタノール又はヘキサン、よりさらに好ましくはヘキサン、である、前記<33>〜<35>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<37>前記有機溶媒が実質的に水を含まない、前記<33>〜<36>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<38>前記有機溶媒に対する水の含有率が30%(v/v)以下、好ましくは10%(v/v)以下、より好ましくは5%(v/v)以下、さらに好ましくは1%(v/v)以下、よりさらに好ましくは0.5%(v/v)以下、である、前記<37>項に記載の抽出物又は使用。
<39>前記キビの有機溶媒抽出物が、キビの種子の有機溶媒抽出物、好ましくはキビの種子のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<33>〜<38>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<40>前記アラメの有機溶媒抽出物が、アラメの全草の有機溶媒抽出物、好ましくはアラメの全草のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<33>〜<38>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<41>前記ヒジキの有機溶媒抽出物が、ヒジキの全草の有機溶媒抽出物、好ましくはヒジキの全草のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<33>〜<38>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<42>前記ルイボスの有機溶媒抽出物が、ルイボスの葉の有機溶媒抽出物、好ましくはルイボスの葉のエタノール又はヘキサン抽出物、より好ましくはルイボスの葉のヘキサン抽出物、である、前記<33>〜<38>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<43>前記抽出物を、PPARδ活性化効果、持久力向上効果、骨格筋遅筋化効果、認知機能改善効果、心血管保護効果、脂肪肝予防若しくは改善効果、動脈硬化の予防若しくは改善効果、エネルギー代謝活性化効果、脂肪燃焼促進効果、骨格筋脂肪酸代謝亢進効果、脂質異常症予防若しくは改善効果、HDLコレステロール濃度亢進効果、又はLDLコレステロール濃度低減効果を所望する対象者に適用する、前記<33>〜<42>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<44>PPARδが活性化されていない条件下で適用する、前記<33>〜<43>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<45>前記抽出物を医薬組成物の形態で適用する、前記<33>〜<44>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<46>前記医薬組成物の総量に対する前記抽出物の含有量が、乾燥物換算で、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、であり、100質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、である、前記<45>項に記載の抽出物又は使用。
<47>前記抽出物を化粧料組成物の形態で適用する、前記<33>〜<44>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<48>前記化粧料組成物の総量に対する前記抽出物の含有量が、乾燥物換算で、0.00001質量%以上、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、である、前記<47>項に記載の抽出物又は使用。
<49>前記抽出物を食品組成物の形態で適用する、前記<33>〜<44>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<50>前記食品組成物の総量に対する前記抽出物の含有量が、乾燥物換算で、0.0001質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、である、前記<49>項に記載の抽出物又は使用。
<51>前記抽出物の投与又は摂取量が、乾燥物換算で、0.01mg/kg体重/日以上、好ましくは0.1mg/kg体重/日以上、であり、100mg/kg体重/日以下、好ましくは10mg/kg体重/日以下、である、前記<33>〜<50>のいずれか1項に記載の抽出物又は使用。
<52>キビ、アラメ、ヒジキ、及びルイボスからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物の有機溶媒抽出物を適用する、非治療的なPPARδの活性化方法、非治療的な持久力向上方法、非治療的な骨格筋遅筋化方法、非治療的な認知機能改善方法、非治療的な心血管保護方法、非治療的な脂肪肝予防若しくは改善方法、非治療的な動脈硬化の予防若しくは改善方法、非治療的なエネルギー代謝活性化方法、非治療的な脂肪燃焼促進方法、非治療的な骨格筋脂肪酸代謝亢進方法、非治療的な脂質異常症予防若しくは改善方法、非治療的な血中HDLコレステロール濃度亢進方法、又は非治療的な血中LDLコレステロール濃度低減方法。
<53>前記有機溶媒が、アルコール類、鎖状若しくは環状エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、超臨界二酸化炭素、食用油、グリセリンの脂肪酸エステル、又は中鎖脂肪酸、好ましくはアルコール類又は炭化水素類、より好ましくはエタノール又はヘキサン、よりさらに好ましくはヘキサン、である、前記<52>項に記載の方法。
<54>前記有機溶媒が実質的に水を含まない、前記<52>又は<53>項に記載の方法。
<55>前記有機溶媒に対する水の含有率が30%(v/v)以下、好ましくは10%(v/v)以下、より好ましくは5%(v/v)以下、さらに好ましくは1%(v/v)以下、よりさらに好ましくは0.5%(v/v)以下、である、前記<54>項に記載の方法。
<56>前記キビの有機溶媒抽出物が、キビの種子の有機溶媒抽出物、好ましくはキビの種子のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<52>〜<55>のいずれか1項に記載の方法。
<57>前記アラメの有機溶媒抽出物が、アラメの全草の有機溶媒抽出物、好ましくはアラメの全草のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<52>〜<55>のいずれか1項に記載の方法。
<58>前記ヒジキの有機溶媒抽出物が、ヒジキの全草の有機溶媒抽出物、好ましくはヒジキの全草のエタノール又はヘキサン抽出物、である、前記<52>〜<55>のいずれか1項に記載の方法。
<59>前記ルイボスの有機溶媒抽出物が、ルイボスの葉の有機溶媒抽出物、好ましくはルイボスの葉のエタノール又はヘキサン抽出物、より好ましくはルイボスの葉のヘキサン抽出物、である、前記<52>〜<55>のいずれか1項に記載の方法。
<60>前記抽出物を、PPARδ活性化効果、持久力向上効果、骨格筋遅筋化効果、認知機能改善効果、心血管保護効果、脂肪肝予防若しくは改善効果、動脈硬化の予防若しくは改善効果、エネルギー代謝活性化効果、脂肪燃焼促進効果、骨格筋脂肪酸代謝亢進効果、脂質異常症予防若しくは改善効果、血中HDLコレステロール濃度亢進効果、又は血中LDLコレステロール濃度低減効果を所望する対象者に適用する、前記<52>〜<59>のいずれか1項に記載の方法。
<61>PPARδが活性化されていない条件下で適用する、前記<52>〜<60>のいずれか1項に記載の方法。
<62>前記抽出物の投与又は摂取量が、乾燥物換算で、0.01mg/kg体重/日以上、好ましくは0.1mg/kg体重/日以上、であり、100mg/kg体重/日以下、好ましくは10mg/kg体重/日以下、である、前記<52>〜<61>のいずれか1項に記載の方法。
<63>前記<1>〜<15>のいずれか1項に記載の剤を含んでなる食品組成物であって、前記食品組成物の総量に対する前記抽出物の含有量が、乾燥物換算で、0.0001質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、である、食品組成物。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
調製例1−1 キビの熱水抽出物の調製
キビの種子(オーストラリア産、半鐘屋より入手)10gに、イオン交換水120mLを加え、95〜100℃に加熱しながら、60分間撹拌抽出した。抽出液をろ過した後凍結乾燥を行い、キビの熱水抽出物を得た(収量:2134.8mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた熱水抽出物を10%(v/v)エタノール水に再溶解し、試験サンプルとした。
調製例1−2 キビの50%エタノール抽出物の調製
キビの種子(オーストラリア産、半鐘屋より入手)10gに、50%(v/v)エタノール水100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、キビの50%エタノール抽出物を得た(収量:294.8mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた50%エタノール抽出物を50%(v/v)エタノール水に再溶解し、試験サンプルとした。
調製例1−3 キビの99.5%エタノール抽出物の調製
キビの種子(オーストラリア産、半鐘屋より入手)10gに、99.5%(v/v)エタノール100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、キビの99.5%エタノール抽出物を得た(収量:340.5mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた99.5%エタノール抽出物を99.5%(v/v)エタノールに再溶解し、試験サンプルとした。
調製例1−4 キビのヘキサン抽出物の調製
キビの種子(オーストラリア産、半鐘屋より入手)10gに、ヘキサン100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、キビのヘキサン抽出物を得た(収量:226.6mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られたヘキサン抽出物を99.5%(v/v)エタノールに再溶解し、試験サンプルとした。
実施例1 キビ抽出物を用いたPPARδ活性化試験
Rat IEC-6細胞(DSファーマバイオメディカル社製)を10%ウシ胎児血清(FBS)を含むDulbecco's modified Eagle's medium(DMEM)を用いて37℃、5%CO2条件下で培養した。RNeasy mini kit(キアゲン社製)を用いて、添付プロトコルに従い総RNAを調製した。得られた総RNAを用い、PCRを行ってPPARδリガンド結合部位(NCBI RefSeq NM_011145,nt690-1595、配列番号1)を増幅した。PCR増幅産物をpCR Blunt(Invitrogen社製)にクローニングし、制限酵素(MluI、KpnI;Takara社製)処理によりDNA断片を調製した。調製したDNA断片をpBIND vector(Promega社製)のマルチクローニングサイト(MluI/KpnI)に挿入し、pBIND-PPARδ LBDを得た。
なお、本ベクターpBIND-PPARδ LBDは、細胞に導入するとPPARδリガンド結合部位とGAL4のDNA結合部位の融合タンパク質を発現する。当該融合タンパク質はPPARδリガンドと結合することによりGAL4結合配列に結合し、その下流の遺伝子の転写を活性化する。また本ベクターpBIND-PPARδ LBDには、別途ウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子が組み込まれており、ベクターの導入効率を求めることができる。
次に、アフリカミドリザル腎細胞株CV-1を24穴プレートに播き、DMEM(5%チャコール処理ウシ胎児血清)中で1日培養した。ホタルルシフェラーゼ遺伝子の上流にGAL4結合配列を含むレポータープラスミド(pG5-Luc、Promega社製)、及びpBIND-PPARδ LBDを同時に各々0.2μg/wellとなるようトランスフェクション試薬(Superfect transfection reagent;QIAGEN社製)を用いて導入した。
その後、培養液を、調製例1−1〜1−4で調製したキビ抽出物を0.001〜0.003%(w/v)で含むDMEM(-FBS)培地に交換し、さらに1日培養した。対照(Control)として同量の99.5%エタノールを用いた。陽性対照としては、GW501516(ALEXIS BIOCHEMICALS社製)1nMを用いた。
PBSにて洗浄後、デュアルルシフェラーゼアッセイシステム(Promega社製)を用いて細胞を溶解し、溶解液にルシフェリンを含む基質溶液を加え、ルミノメーターにてホタルルシフェラーゼ活性及びウミシイタケルシフェラーゼ活性を各々測定した。本実験系でPPARδ依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性:Luc活性)を測定することにより、PPARδ活性化物質の探索を行った。
なおPPARδ依存的な遺伝子の転写活性(Luc活性)は以下のように定義し、これを「相対的PPARδ活性」とした。

(Luc活性)=
(pG5-LucによるホタルLuc活性)/(pBIND-PPARδ LBDによるウミシイタケLuc活性)
その結果を図1に示す。なお「対照」は99.5%エタノールを、「GW」はGW501516 1nMを示す。また、エラーバーは±SE(n=3)を、「*」は対照に対する有意差P<0.05を示す。
図1に示すように、キビの99.5%エタノール抽出物及びキビのヘキサン抽出物に、濃度依存的なPPARδ活性化作用が認められた。これに対して、キビの熱水抽出物とキビの50%エタノール抽出物には、PPARδ活性化作用は認められなかった。
調製例2−1 アラメの熱水抽出物の調製
アラメの全草乾燥物(三重県産、大忠食品より入手)10gに、イオン交換水120mLを加え、95〜100℃に加熱しながら、60分間撹拌抽出した。抽出液をろ過した後凍結乾燥を行い、アラメの熱水抽出物を得た(収量:2859.1mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた熱水抽出物を10%(v/v)エタノール水に再溶解し、試験サンプルとした。
調製例2−2 アラメの50%エタノール抽出物の調製
アラメの全草乾燥物(三重県産、大忠食品より入手)10gに、50%(v/v)エタノール水100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、アラメの50%エタノール抽出物を得た(収量:1782.5mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた50%エタノール抽出物を50%(v/v)エタノール水に再溶解し、試験サンプルとした。
調製例2−3 アラメの99.5%エタノール抽出物の調製
アラメの全草乾燥物(三重県産、大忠食品より入手)10gに、99.5%(v/v)エタノール100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、アラメの99.5%エタノール抽出物を得た(収量:12.9mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた99.5%エタノール抽出物を99.5%(v/v)エタノールに再溶解し、試験サンプルとした。
調製例2−4 アラメのヘキサン抽出物の調製
アラメの全草乾燥物(三重県産、大忠食品より入手)10gに、ヘキサン100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、アラメのヘキサン抽出物を得た(収量:6.2mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られたヘキサン抽出物を99.5%(v/v)エタノールに再溶解し、試験サンプルとした。
実施例2 アラメ抽出物を用いたPPARδ活性化試験
キビ抽出物に代えて、調製例2−1〜2−4で調製したアラメ抽出物を用いた以外は、実施例1と同様にPPARδ活性化試験を行った。
その結果を図2に示す。図2に示すように、アラメの99.5%エタノール抽出物及びアラメのヘキサン抽出物に、濃度依存的なPPARδ活性化作用が認められた。これに対して、アラメの熱水抽出物とアラメの50%エタノール抽出物には、PPARδ活性化作用は認められなかった。
調製例3−1 ヒジキの熱水抽出物の調製
ヒジキの全草乾燥物(韓国産、大忠食品より入手)10gに、イオン交換水120mLを加え、95〜100℃に加熱しながら、60分間撹拌抽出した。抽出液をろ過した後凍結乾燥を行い、ヒジキの熱水抽出物を得た(収量:1541.6mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた熱水抽出物を10%(v/v)エタノール水に再溶解し、試験サンプルとした。
調製例3−2 ヒジキの50%エタノール抽出物の調製
ヒジキの全草乾燥物(韓国産、大忠食品より入手)10gに、50%(v/v)エタノール水100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、ヒジキの50%エタノール抽出物を得た(収量:770.0mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた50%エタノール抽出物を50%(v/v)エタノール水に再溶解し、試験サンプルとした。
調製例3−3 ヒジキの99.5%エタノール抽出物の調製
ヒジキの全草乾燥物(韓国産、大忠食品より入手)10gに、99.5%(v/v)エタノール100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、ヒジキの99.5%エタノール抽出物を得た(収量:10.2mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた99.5%エタノール抽出物を99.5%(v/v)エタノールに再溶解し、試験サンプルとした。
調製例3−4 ヒジキのヘキサン抽出物の調製
ヒジキの全草乾燥物(韓国産、大忠食品より入手)10gに、ヘキサン100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、ヒジキのヘキサン抽出物を得た(収量:7.2mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られたヘキサン抽出物を99.5%(v/v)エタノールに再溶解し、試験サンプルとした。
実施例3 ヒジキ抽出物を用いたPPARδ活性化試験
キビ抽出物に代えて、調製例3−1〜3−4で調製したヒジキ抽出物を用いた以外は、実施例1と同様にPPARδ活性化試験を行った。
その結果を図3に示す。図3に示すように、ヒジキの99.5%エタノール抽出物及びヒジキのヘキサン抽出物に、濃度依存的なPPARδ活性化作用が認められた。これに対して、ヒジキの熱水抽出物とヒジキの50%エタノール抽出物には、PPARδ活性化作用は認められなかった。
調製例4−1 ルイボスの熱水抽出物の調製
ルイボスの葉乾燥物(南アフリカ産、茶卸総本舗より入手)10gに、イオン交換水120mLを加え、95〜100℃に加熱しながら、60分間撹拌抽出した。抽出液をろ過した後凍結乾燥を行い、ルイボスの熱水抽出物を得た(収量:1243.8mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた熱水抽出物を10%(v/v)エタノール水に再溶解し、試験サンプルとした。
調製例4−2 ルイボスの50%エタノール抽出物の調製
ルイボスの葉乾燥物(南アフリカ産、茶卸総本舗より入手)10gに、50%(v/v)エタノール水100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、ルイボスの50%エタノール抽出物を得た(収量:852.8mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた50%エタノール抽出物を50%(v/v)エタノール水に再溶解し、試験サンプルとした。
調製例4−3 ルイボスの99.5%エタノール抽出物の調製
ルイボスの葉乾燥物(南アフリカ産、茶卸総本舗より入手)10gに、99.5%(v/v)エタノール100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、ルイボスの99.5%エタノール抽出物を得た(収量:97.7mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られた99.5%エタノール抽出物を99.5%(v/v)エタノールに再溶解し、試験サンプルとした。
調製例4−4 ルイボスのヘキサン抽出物の調製
ルイボスの葉乾燥物(南アフリカ産、茶卸総本舗より入手)10gに、ヘキサン100mLを加え、室温・静置条件下で、7〜30日間浸漬した。抽出液をろ過し、減圧濃縮及び凍結乾燥を行い、ルイボスのヘキサン抽出物を得た(収量:26.6mg)。そして、濃度が1%(w/v)となるよう、得られたヘキサン抽出物を99.5%(v/v)エタノールに再溶解し、試験サンプルとした。
実施例4 ルイボス抽出物を用いたPPARδ活性化試験
キビ抽出物に代えて、調製例4−1〜4−4で調製したルイボス抽出物を用いた以外は、実施例1と同様にPPARδ活性化試験を行った。
その結果を図4に示す。図4に示すように、ルイボスのヘキサン抽出物に、PPARδ活性化作用が認められた。また、ルイボスの99.5%エタノール抽出物については、抽出物の濃度が0.003%の場合にPPARδ活性化作用が認められた。これに対して、ルイボスの熱水抽出物とルイボスの50%エタノール抽出物には、PPARδ活性化作用は認められなかった。
以上のように、キビ、アラメ、ヒジキ及びルイボスそれぞれを有機溶媒で抽出してえられた抽出物の作用により、PPARδが有意に活性化される。

Claims (5)

  1. ルイボス(Aspalathus linearis L.)の葉の有機溶媒抽出物を有効成分とする、PPARδ活性化剤であって、前記有機溶媒が、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及び石油エーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素類である、PPARδ活性化剤
  2. ルイボス(Aspalathus linearis L.)の葉の有機溶媒抽出物を有効成分とする、持久力向上剤であって、前記有機溶媒が、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及び石油エーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素類である、持久力向上剤
  3. ルイボス(Aspalathus linearis L.)の葉の有機溶媒抽出物を有効成分とする、骨格筋遅筋化剤であって、前記有機溶媒が、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及び石油エーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素類である、骨格筋遅筋化剤
  4. 前記有機溶媒がヘキサンである、請求項1〜3のいずれか1項記載のPPARδ活性化剤、持久力向上剤又は骨格筋遅筋化剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のPPARδ活性化剤、持久力向上剤又は骨格筋遅筋化剤を含んでなる食品組成物であって、前記食品組成物の総量に対する前記抽出物の含有量が、乾燥物換算で0.0001質量%以上10質量%以下である、食品組成物。
JP2015247509A 2015-12-18 2015-12-18 PPARδ活性化剤 Active JP6692638B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015247509A JP6692638B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 PPARδ活性化剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015247509A JP6692638B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 PPARδ活性化剤

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017109971A JP2017109971A (ja) 2017-06-22
JP2017109971A5 JP2017109971A5 (ja) 2018-11-01
JP6692638B2 true JP6692638B2 (ja) 2020-05-13

Family

ID=59079139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015247509A Active JP6692638B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 PPARδ活性化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6692638B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102146463B1 (ko) * 2018-10-18 2020-08-21 한명석 대황 추출물 또는 이의 분획물을 유효성분으로 함유하는 근육질 개선용 조성물

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040043929A1 (en) * 2000-12-20 2004-03-04 Anderson David W. Novel proteins and nucleic acids encoding same
JP5124152B2 (ja) * 2007-03-05 2013-01-23 タマ生化学株式会社 すい臓β細胞インスリン分泌能促進剤および体内組織細胞グルコース取り込み能促進剤
WO2009018492A2 (en) * 2007-07-31 2009-02-05 The Board Of Regents Of The University Of Texas System Micro-rnas that control myosin expression and myofiber identity
JP2014185154A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Kyushu Univ 天然物由来PPARδ活性化剤とそれを用いた遅筋増加剤
JP6245867B2 (ja) * 2013-07-05 2017-12-13 ソマール株式会社 PPARγ活性向上剤及びそれを用いた経口組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017109971A (ja) 2017-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6745250B2 (ja) モリンガエキス
AU2020200225B2 (en) Composition for improvement of muscle function containing 3,5-dicaffeoylquinic acid or chrysanthemum extract
TW200934505A (en) Ligand agent for peroxisome proliferator-activated receptor (ppar)
Chen et al. Polyphenol-rich extracts from Oiltea camellia prevent weight gain in obese mice fed a high-fat diet and slowed the accumulation of triacylglycerols in 3T3-L1 adipocytes
JP2012149004A (ja) 核内受容体の賦活剤
EP2992933B1 (en) Ginsenoside f2 for prophylaxis and treatment of liver disease
JP5990058B2 (ja) エストロゲン受容体β活性化剤
JP7149548B2 (ja) ダルマギク抽出物を含む筋肉疾患の予防、改善又は治療用、又は筋機能改善用組成物
JP2008239504A (ja) カテキン誘導体の製造方法
JP2013237657A (ja) PPARγ活性抑制剤
EP3978005B1 (en) Composition for use in preventing, alleviating or treating metabolic syndrome accompanied by obesity and/or diabetes, containing, as active ingredient, complex (ib complex) of indian gooseberry extract and sprout barley extract
JP6692638B2 (ja) PPARδ活性化剤
WO2012115064A1 (ja) Ppar活性化剤
JP2013237656A (ja) PPARγ活性抑制剤
JP2012171924A (ja) Ppar活性化剤
KR101851639B1 (ko) 모과 추출물 또는 이의 분획물을 유효성분으로 함유하는 항비만용 조성물
JP7481023B2 (ja) エンテロコッカス・フェカーリスを有効成分として含有する肥満または肥満から誘導された代謝症候群の予防または治療用の組成物
JP2014185088A (ja) 経口組成物、脂肪細胞分化抑制剤および飲食品
JP2011126824A (ja) 脂肪蓄積抑制剤
JP7185990B2 (ja) アディポネクチン分泌促進剤、脂肪前駆細胞分化促進剤並びにそれらを含む医薬組成物、食品及び飼料
JP2014019648A (ja) PPARδ活性化剤
JP2014040487A (ja) 脂肪蓄積抑制剤
JP6050596B2 (ja) 核内受容体活性促進剤および核内受容体活性促進方法
KR102380291B1 (ko) 풀무치 추출물을 포함하는 비만 예방 또는 치료용 조성물
JP2012171923A (ja) Ppar活性化剤

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180920

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180920

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20180920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190813

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200414

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200415

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6692638

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250