JPH09216829A - Hsp60ファミリーに属するタンパク質の麦芽抽出物含有合成抑制剤 - Google Patents

Hsp60ファミリーに属するタンパク質の麦芽抽出物含有合成抑制剤

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JPH09216829A
JPH09216829A JP8046735A JP4673596A JPH09216829A JP H09216829 A JPH09216829 A JP H09216829A JP 8046735 A JP8046735 A JP 8046735A JP 4673596 A JP4673596 A JP 4673596A JP H09216829 A JPH09216829 A JP H09216829A
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malt extract
synthesis inhibitor
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Toshimi Shiragami
俊美 白神
Yoichi Shobu
洋一 清輔
Masayoshi Morino
眞嘉 森野
Chikao Yoshikumi
親雄 吉汲
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量57キロダルトンから68キロダルト
ンまでの間の熱ショックタンパク質(HSP60ファミ
リー)がその発症に関与する自己免疫疾患(例えば、I
型糖尿病や慢性関節リウマチなど)の患者の生理学的状
態を有効に改善させ、前記病気を効果的に治療すること
ができる、HSP60ファミリーに属するタンパク質の
合成抑制剤を提供する。 【解決手段】 麦芽抽出物を有効成分として含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、麦芽抽出物を有効
成分として含有する、分子量が57キロダルトン(k
D)から68kDまでの間の熱ショックタンパク質群
(以下、HSP60ファミリーと称する)に属するタン
パク質の合成抑制剤に関する。本発明によるHSP60
ファミリーに属するタンパク質の合成抑制剤は、特に、
HSP60ファミリーに属するタンパク質の組織内合成
を抑制することにより、HSP60ファミリーに属する
タンパク質が発症に関与するものと考えられている自己
免疫疾患、例えば、I型糖尿病や慢性関節リウマチなど
の病気の患者の生理学的状態を有効に改善させ、I型糖
尿病や慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患を効果的に
治療することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、自己免疫疾患が大きな問題となっ
ている。自己免疫疾患とは、本来ならば自己の身体を構
成する成分に対しては攻撃しないはずの免疫系が、自己
の組織と反応して破壊してしまう病気であり、例えば、
I型糖尿病や慢性関節リウマチなどが含まれる。例え
ば、近年わが国では、経済・社会・文化の発達と、生活
水準の向上や生活様式の変化に伴って、糖尿病患者は著
しく増加し、病態も重症化、複雑化してきた。糖尿病学
の進歩によって、患者の予後は改善したとはいえ、特有
な網膜症、腎症及び神経障害が多発し、加えて動脈硬化
も促進され、健康と社会活動に多大な支障をきたしてい
る。糖尿病のうち、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿
病;insulin-dependent diabetes mellitus ;IDD
M)の発生率は、多くの国でこの数十年間に数倍に増加
し、現在生きているヒトの1%は70才になるまでにI
型糖尿病に罹病するものと予想されている。
【0003】I型糖尿病は、インスリン産生細胞である
膵臓ランゲルハンス島のβ細胞だけが自己免疫的に破壊
されるためにインスリン欠乏状態となる疾患で、臓器特
異的な自己免疫疾患である(Atkinson, M. A. et al.:
"Sci. Am.", 263 : 42-49, 1990; Todd JA.: "Immunol.
Today", 11: 122-129, 1990)。I型糖尿病をおこす自
己免疫過程は、非常に厳密に膵臓だけに限られており、
しばしば大人になる前に発症してくることが多い。I型
糖尿病が臨床的に発症するときには、膵島の炎症(膵島
炎)があり、インスリンを産生しているβ細胞の大半が
特異的に失われる(Atkinson, M. A., et al.: "Sci. A
m.", 263 : 62-67, 1990)。糖尿病の臨床症状は、β細
胞の大部分(おそらく90%以上)が再生できない程度
にまで破壊された後に初めて現れ、患者の生存はインス
リンの外的供給に依存することになる。即ち、臨床診断
によって発見することができる時期には、この自己免疫
反応が既に不可逆的な損傷を与えており、しかもその多
くは顕著な自覚症状を示さない等、I型糖尿病は多くの
問題を含んでいる。
【0004】また、慢性関節リウマチは、関節滑膜を病
変の主座とする慢性炎症性疾患である。病変部位はとき
として関節滑膜のみにとどまらず、全身に及ぶこともま
れではない。関節滑膜に初発した炎症は、やがて滑膜増
殖、更に軟骨及び骨の破壊を起こし、関節組織の破壊が
引き起こされる。その結果、患者は社会的にも家庭的に
も著しく制限を受けるのみならず、経済的負担も無視で
きないものとなる。慢性関節リウマチの患者数は人口の
0.1〜0.3%とされる。これは慢性関節リウマチの
確診例であって、疑診例などや慢性関節リウマチの周辺
疾患を含めると患者数はその10倍前後にも増えるもの
と思われる。
【0005】一方、熱ショックタンパク質(heat shock
protein;HSP、ストレスタンパク質ともいう)は、
細胞を何らかのストレス、例えば、熱、重金属、薬剤、
アミノ酸類似体、又は低酸素(低濃度酸素)などで刺激
することにより、細胞に発現される一群のタンパク質で
ある。熱ショックタンパク質は、自然界に普遍的に存在
しており、細菌、酵母、植物、昆虫、及びヒトを含む高
等動物により産生される。
【0006】HSPは、その種類は多種多様であるが、
分子量の大きさからHSP90ファミリー(例えば、9
0kD又は110kDのHSPなど)、HSP70ファ
ミリー(例えば、70〜73kDのHSPなど)、HS
P60ファミリー(例えば、57〜68kDのHSPな
ど)、低分子HSPファミリー(例えば、20kD、2
5〜28kD、又は47kDのHSPなど)の4ファミ
リーに大別することができる。なお、本明細書において
は、特定分子量を有するHSPを、HSPとその直後に
記載する数字とによって示すものとし、例えば、分子量
60kDのHSPを『HSP60』と称するものとす
る。以上のように、HSPには多くの種類が存在する
が、これらは分子量だけでなく、構造、機能、又は性質
などもそれぞれ異なるものである。ストレスへの応答に
加えて、これらのタンパク質の中には構成的に合成され
るものがあり、正常な環境の下で、タンパク質のフォー
ルディング、アンフォールディング、タンパク質サブユ
ニットの会合、タンパク質の膜輸送のような、必須の生
理的な役割を演じていることが示されている。熱ショッ
クタンパク質としてのこれらの機能は、分子シャペロン
と称される。
【0007】自己免疫疾患の病因に関して注目されてい
ることのひとつに、分子相同性(molecular mimicry)が
ある。すなわち、自己抗原が微生物などの外来抗原と共
通抗原性をもっている場合、微生物感染によって生成さ
れる抗体や感作リンパ球が交叉反応によって自己の組織
を攻撃してしまう結果、自己免疫疾患が発症するものと
考えられている(Atkinson, M. A. et al.: "Sci. A
m.", 263 : 42-49, 1990;Shinha, A. A. et al.: "Scie
nce", 248 : 1380-1388, 1990)。例えば、細菌のHSP
60ファミリーに属するタンパク質は、結核、らい病、
梅毒、在郷軍人病、又はライム病などの主たる抗原であ
り(Young, R. A. et al.: "Cell", 59:5-8, 1989)、
かつ、細菌のHSP60ファミリーに属するタンパク質
は強い免疫原性を有し、及び自己の(宿主であるヒト
の)タンパク質との分子相同性を有するために、感染症
がトリガーとなった分子相同性による自己免疫疾患が発
症するものと考えられている。
【0008】例えば、糖尿病の患者やその家族の血中に
検出される64kDタンパク質と反応する抗体(64k
D自己抗体)はβ細胞特異的であるし、また糖尿病と診
断される直前によく出現しやすい。すなわち、I型糖尿
病において発症の原因と考えられている膵島細胞抗原
は、分子量64kDの糖タンパク質(Baekkeskov, S. e
t al.: "Nature", 298 : 167-169, 1982)である。64
kDタンパク質に対する抗体はヒトの糖尿病のみならず
(Atkinson, M. A. et al.: "Lancet", 335 : 1357-136
0, 1990)、BBラット(Baekkeskov, S. et al.: "Scie
nce", 224 : 1348-1350, 1984)やNODマウス(Atkins
on, M. A. et al.: "Diabetes", 37: 1587-1590, 1988)
などのように、自然にI型糖尿病を発症し、ヒトのI型
糖尿病の多くの特徴を示す、I型糖尿病のモデル動物に
おいても検出される。I型糖尿病における膵臓β細胞の
64kDタンパク質は、サイトカインや熱刺激で誘導さ
れるので、熱ショックタンパク質である可能性がある。
【0009】I型糖尿病のモデル動物であるNODマウ
スにおける膵臓ランゲルハンス島β細胞の64kDタン
パク質は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のH
SP60ファミリーに属するタンパク質に対する抗体と
免疫学的に交叉反応性を示す自己抗原であることが示さ
れている。このように、HSP60ファミリーに属する
タンパク質と64kDタンパク質自己抗原との間に免疫
学的交叉が観察されることにより、膵臓β細胞の64k
Dタンパク質がHSP60ファミリーの一員である可能
性があり、HSP60ファミリーに属するタンパク質の
エピトープと交叉する自己免疫の機序が、I型糖尿病の
発症に関与することが示唆されている。また、結核菌の
HSP60ファミリーに属するタンパク質に特異性を有
するTリンパ球のクローンを移入すると、幼若NODマ
ウスにランゲルハンス島炎と高血糖を引き起こす。ま
た、結核菌のHSP60ファミリーに属するタンパク質
を免疫原性のある投与方法、すなわちアジュバントとと
もにNODマウスに注射すると、糖尿病を早期に発症さ
せ得る(Elias, D. et al.: "Proc. Natl. Acad. Sci.
USA", 87: 1576-1580, 1990)。マイコバクテリアのHS
P60ファミリーに属するタンパク質に対する動物の免
疫反応がI型糖尿病を引き起こすというこれらの事実
は、マイコバクテリアのHSP60ファミリーに属する
タンパク質に対する抗体と交叉反応する抗原に対する免
疫系による攻撃が、β細胞に障害を与えることを示して
いる。
【0010】また、HSP60ファミリーに属するタン
パク質は、慢性関節リウマチの動物モデルであるラット
のアジュバント関節炎や、ヒトのリウマチ関節炎に関連
していることが知られている。例えば、慢性関節リウマ
チの場合、細菌の菌体タンパク質である熱ショックタン
パク質のなかでもHSP60ファミリーに属するタンパ
ク質は、関節軟骨に存在するプロテオグリカンと分子相
同性をもっていることが明らかとなっている。ラットの
アジュバント関節炎ではHSP60ファミリーに属する
タンパク質反応性Tリンパ球の関与が示されている("C
urr. Top. Microbiol. Immunol.", 145 : 27-83, 198
9)。この疾患は、放射線照射を受けた免疫学的に無防備
の(native)ラットに、結核菌のHSP60ファ
ミリーに属するタンパク質に対して反応性のTリンパ球
のクローンを移入することにより、前記ラットに移すこ
とができることが見出された("Science", 219 : 56-5
8, 1983; "Nature", 331: 171-173, 1988)。このTリ
ンパ球は同時に関節のプロテオグリカンとも交叉反応性
を示す("Proc. Natl. Acad. Sci. USA", 82: 5117-512
0, 1985)。このHSP60ファミリーに属するタンパク
質で誘導される調節性Tリンパ球は、溶連菌やプリステ
インによる関節炎でも認められている。従って、アジュ
バント関節炎は、抗HSP60ファミリーに属するタン
パク質Tリンパ球により引き起こされる自己免疫疾患の
ようである。また、ヒトの若年性関節リウマチでもHS
P60ファミリーに属するタンパク質反応性Tリンパ球
の関与が考えられている。
【0011】また、慢性関節リウマチの患者の滑液中か
らマイコバクテリア由来のHSP60ファミリーに属す
るタンパク質に対して、特異的に反応するTリンパ球が
取り出されている("Lancet", II: 478-480, 1988; "Na
ture", 339 : 226, 1989; "Annu. Rev. Immunol.", 1
1: 637, 1993)。このように、マイコバクテリアのHS
P60ファミリーに属するタンパク質と交叉反応性を示
すタンパク質が高濃度に慢性関節リウマチの軟骨/パン
ヌス接合部に認められるのに対し、正常な組織や他の疾
患による慢性の炎症を呈する組織においては認められな
い("Scand. J. Immunol.", 31: 283-288, 1990)。更
に、HSP60ファミリーに属するタンパク質に対する
抗体がヒト及びラットの慢性関節リウマチで検出される
(Kaufmann,S. H. E., et al.: "Immunol. Today", 11:
129-136, 1990)ことからも、慢性関節リウマチの病因
がマイコバクテリアのHSP60ファミリーに属するタ
ンパク質と構造の類似した自己抗原に対する自己免疫で
あるという可能性がある。従ってHSP60ファミリー
に属するタンパク質に対する免疫応答の存在はラット及
びヒトの両方の関節炎に関連している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
情に鑑み、I型糖尿病や慢性関節リウマチなどの自己免
疫疾患の患者の生理学的状態を有効に改善することがで
き、それらの自己免疫疾患を効果的に治療することので
きる方法を開発するために、HSP60ファミリーに属
するタンパク質に対して合成抑制作用を示す化合物に関
して種々検討を重ねてきた。その結果、本発明者らは、
意外にも、麦芽抽出物が、病態を示す組織の細胞におけ
るHSP60ファミリーに属するタンパク質の合成を特
異的に抑制することを見出した。すなわち、麦芽抽出物
を投与することによって、細胞内でのHSP60ファミ
リーに属するタンパク質の合成が抑制され、従って、I
型糖尿病や慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患の治療
が可能であることを見出したのである。本発明はこうし
た知見に基づくものであり、I型糖尿病や慢性関節リウ
マチなどの自己免疫疾患を効果的に治療することのでき
る、HSP60ファミリーに属するタンパク質の合成抑
制剤を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、麦芽
抽出物を有効成分として含有することを特徴とする、分
子量57キロダルトンから68キロダルトンまでの間の
熱ショックタンパク質(すなわち、HSP60ファミリ
ーに属するタンパク質)の合成抑制剤に関する。本明細
書において、「HSP60ファミリー」とは、前記のと
おり、分子量が57kD〜68kDの熱ショックタンパ
ク質群を意味する。また、HSP60ファミリーに属す
るタンパク質としては、例えば、HSP60(すなわ
ち、分子量60kDの熱ショックタンパク質)、HSP
58(すなわち、分子量58kDの熱ショックタンパク
質)、HSP65(すなわち、分子量65kDの熱ショ
ックタンパク質)、又はGroEL(すなわち、原核生
物、例えば、大腸菌などの分子量約64kDの熱ショッ
クタンパク質)などを挙げることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の合成抑制剤の有効成分として含有される
麦芽抽出物は、特に限定されず、例えば、市販の麦芽抽
出物(MALT EXTRACT)をそのまま、あるい
は好ましくは市販の麦芽抽出物(MALT EXTRA
CT)を透析等の手段により低分子画分を除去したもの
を用いることができる。
【0015】また、麦芽を糖化した後、濾別し、濾過残
渣を水若しくは親水性溶媒又はそれらの混合液で抽出
し、抽出液から低分子画分を除去して得られる麦芽抽出
物を用いることが好ましい。この場合、麦芽糖化物濾過
残渣の水若しくは親水性溶媒又はそれらの混合物による
抽出を、アルカリ条件下で実施し、得られた抽出液を中
和して沈殿する物質を除去し、得られる上清から低分子
画分を除去して得られる麦芽抽出物を用いることがより
好ましい。また、水若しくは親水性溶媒又はそれらの混
合物で抽出した後、得られた抽出液をpH3〜5に調整
し、沈殿するタンパク質を除去し、得られた上清を中和
して沈殿する物質を更に除去し、得られる上清から低分
子画分を除去して得られる麦芽抽出物を用いることが更
に好ましい。また、麦芽糖化物濾過残渣の水若しくは親
水性溶媒又はそれらの混合液による抽出を、アルカリ条
件下で実施し、得られた抽出液をpH3〜5に調整し、
沈殿するタンパク質を除去し、得られた上清を中和して
沈殿する物質を更に除去し、得られる上清から低分子画
分を除去して得られる麦芽抽出物を用いることが特に好
ましい。
【0016】特には、麦芽を糖化した後に濾過し、麦芽
糖化物濾過残渣を水若しくは親水性溶媒又はそれらの混
合液で抽出して得られる抽出液、あるいは場合により、
更に前記の中和処理又は前記の酸性化・中和処理(酸性
化処理に続く中和処理)を行って得られる抽出液から、
低分子画分を除去して得られる麦芽由来の生理活性物質
であって、(i)分子量約10000以上であり、(i
i)赤外吸収スペクトルで3600〜3200cm-1
び1700〜1600cm-1に吸収があり、(iii )プ
ロトン核磁気共鳴スペクトルで、0.5〜6.0ppm
及び6.0〜8.5ppmにピークがあり、(iv)紫外
吸収スペクトルで、200〜250nm及び250〜3
50nmに吸収があり、(v)フェノール硫酸呈色反応
が陽性であり、(vi)銅フォーリン呈色反応が陽性であ
る、麦芽由来の生理活性物質(以下、麦芽由来生理活性
物質と称する)を用いることが好ましい。
【0017】本発明では、前記の麦芽抽出物を調製する
ための麦芽(malt)として、例えば、イネ科の穀類
種子を発芽させてつくったものを用いることができ、こ
れらの種子には、例えば、大麦、小麦、ライ麦、エン
麦、ハダカ麦、トウモロコシ等がある。これらの麦芽を
そのまま、あるいは粉砕し、更に必要な場合には澱粉を
加え、温水を加え、糖化を行う。こうして得られた麦芽
糖化物を濾過する。ここで得られる麦芽糖化物濾液は、
一般に麦汁としてビール原料に利用されている。また、
もう一方の麦芽糖化物濾過残渣は、従来から家畜飼料と
して用いられていたが、本発明ではこの麦芽糖化物濾過
残渣を、麦芽抽出物の原料として用いることができる。
【0018】続いて、前記の麦芽糖化物濾過残渣を、常
温若しくは加熱された水、常温若しくは加熱されたアル
カリ水溶液、常温若しくは加熱された親水性溶媒、常温
若しくは加熱された水と親水性溶媒との混合液、又は常
温若しくは加熱されたアルカリ水溶液と親水性溶媒との
混合液で抽出し、抽出物を得ることができる。抽出用の
親水性溶媒としては、親水性有機溶媒、例えば、低級ア
ルコール(例えば、メチルアルコール若しくはエチルア
ルコール)又はケトン類(例えば、アセトン)を用いる
ことができる。抽出は、例えば、乾燥又は湿潤の麦芽糖
化物濾過残渣100重量部に対し、水、温熱アルカリ水
溶液、又は親水性溶媒10〜1,000,000重量部
を加え、数時間〜1昼夜程度実施するのが好ましい。こ
の際、攪拌処理又は超音波処理を行ったり、あるいは界
面活性剤を添加して、抽出効果を高めることができる。
【0019】また、前記の抽出をアルカリ条件下(好ま
しくはpH10〜14)で実施し、得られる抽出液を中
和(例えば、pH6.5〜7.5)して、生ずる沈殿を
除くことが好ましい。例えば、0.45〜0.55N水
酸化ナトリウム水溶液で抽出すると、麦芽糖化物濾過残
渣の品質を変えることなく、抽出効率を高め、しかも得
られる抽出物の水溶液に対する溶解性を高めることがで
きる。また、水若しくは親水性溶媒又はそれらの混合液
で抽出した後に、得られる抽出液を、無機酸(例えば、
塩酸)又は有機酸(例えば、シュウ酸)によって酸性
(例えば、pH3〜5)にしてタンパク質を沈殿させて
除去してから、得られる上清を前記と同様に中和して生
じる沈殿物を更に除去してもよい。更には、前記の抽出
をアルカリ条件下(好ましくはpH10〜14)で実施
し、得られる抽出液を、無機酸(例えば、塩酸)、又は
有機酸(例えば、シュウ酸)によって酸性(例えば、p
H3〜5)にしてタンパク質を沈殿させて除去してか
ら、得られる上清を前記と同様に中和して生じる沈殿物
を更に除去してもよい。
【0020】前記の抽出工程により、あるいは場合によ
り、更に前記の中和処理又は前記の酸性化・中和処理
(酸性化処理に続く中和処理)を行った後に、得られる
抽出物をそのまま本発明による合成抑制剤の有効成分と
して用いることもできるが、得られた抽出物から、例え
ば、透析、塩析、限外濾過、逆浸透処理、ゲル濾過、又
は有機溶媒による沈殿処理等の手段により、低分子画分
を除去して得られた生成物を用いることが好ましい。特
に、分子量10,000未満の画分を除去することが好
ましい。得られた麦芽抽出物は、そのまま使用してもよ
いし、更に濃縮して使用してもよい。また、これを凍結
乾燥、又は噴霧乾燥等粉末化して使用してもよい。
【0021】本発明の合成抑制剤は、麦芽抽出物を、そ
れ単独で、又は好ましくは製剤学的若しくは獣医学的に
許容することのできる通常の担体と共に、動物、好まし
くは哺乳動物(特にはヒト)に投与することができる。
投与剤型としては、特に限定がなく、例えば、散剤、細
粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョ
ン剤、シロップ剤、エキス剤、若しくは丸剤等の経口
剤、又は注射剤、外用液剤、軟膏剤、坐剤、局所投与の
クリーム、若しくは点眼薬などの非経口剤を挙げること
ができる。これらの経口剤は、例えば、ゼラチン、アル
ギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳
糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロー
ス、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロ
ース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タル
ク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコー
ル、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸
アルミニウムなどの賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性
剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、
香料、矯味剤、安定化剤、保湿剤、防腐剤、又は酸化防
止剤等を用いて、常法に従って製造することができる。
例えば、麦芽抽出物(特には前記の麦芽由来生理活性物
質)1重量部と乳糖99重量部とを混合して充填したカ
プセル剤などである。
【0022】非経口投与方法としては、注射(皮下、静
脈内等)、又は直腸投与等が例示される。これらのなか
で、注射剤が最も好適に用いられる。例えば、注射剤の
調製においては、有効成分としての麦芽抽出物の他に、
例えば、生理食塩水若しくはリンゲル液等の水溶性溶
剤、植物油若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、
ブドウ糖若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補
助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、又は乳化剤等を任
意に用いることができる。具体的に一例を示すと、麦芽
抽出物(特には前記の麦芽由来生理活性物質)10mg
とマンニトール50mgとを蒸留水に溶解して10ml
とし、常法で除菌した後、2mlづつを注射用小瓶に分
注し、又はそのまま凍結乾燥して注射剤とする。使用に
際して、生理食塩水で希釈して注射液とする。また、本
発明の合成抑制剤は、徐放性ポリマーなどを用いた徐放
性製剤の手法を用いて投与してもよい。例えば、本発明
の合成抑制剤をエチレンビニル酢酸ポリマーのペレット
に取り込ませて、このペレットを治療すべき組織中に外
科的に移植することができる。本発明の合成抑制剤は、
これに限定されるものではないが、麦芽抽出物(特には
前記の麦芽由来生理活性物質)を、0.01〜99重量
%、好ましくは0.1〜80重量%の量で含有すること
ができる。
【0023】本発明の合成抑制剤を用いる場合の投与量
は、病気の種類、患者の年齢、性別、体重、症状の程
度、又は投与方法などにより異なり、特に制限はない
が、麦芽抽出物(特には前記の麦芽由来生理活性物質)
量として通常成人1人当り1mg〜10g程度を、1日
1〜4回程度にわけて、経口的に又は非経口的に投与す
る。更に、用途も医薬品に限定されるものではなく、種
々の用途、例えば、機能性食品や健康食品として飲食物
の形で与えることも可能である。本発明の合成抑制剤
は、マウスを用いる経口投与法によって急性毒性試験を
行ったが、毒性は全く認められなかった。
【0024】
【作用】上記したように、本発明の合成抑制剤に含有さ
れる麦芽抽出物は、細胞内のHSP60ファミリーに属
するタンパク質の合成を特異的に抑制する作用があるの
で、前記麦芽抽出物を投与すると細胞でのHSP60フ
ァミリーに属するタンパク質の生合成が特異的に減少す
る。従って、前記麦芽抽出物は、HSP60ファミリー
に属するタンパク質がその発症に関連する自己免疫疾
患、例えば、I型糖尿病や慢性関節リウマチなどの予防
及び治療に使用することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:麦芽抽出物の調製 本発明の合成抑制剤の有効成分として含有される麦芽抽
出物は、特公平7−20988号公報の実施例1に記載
されている方法に従って調製した。すなわち、大麦10
kgを発芽させ、でんぷんを加え、糖化し、濾過後乾燥
した。得られた糖化残渣の一部100gを、0.5N水
酸化ナトリウム水溶液4リットルに入れ、沸騰水溶液中
で3時間抽出し、1N塩酸でpH4.0にし、24時間
静置した後、6,000rpmで30分間遠心分離を行
って、沈殿を除去した。得られた上清を1N水酸化ナト
リウム水溶液でpH7.0に中和し、再び6,000r
pmで30分間遠心分離を行い、得られた上清を減圧濃
縮した後、透析用セルロースチューブ(三光純薬、カタ
ログ番号UC36−32−1000)を用いて流水透析
を行ったところ、分子量10,000未満の低分子化合
物が除去されていた。得られた濃縮溶液を凍結乾燥し、
麦芽抽出物の乾燥物23gを得た。
【0026】前記の麦芽抽出物の乾燥物の、GPC−L
alls法により測定した重量平均分子量は、209,
000であった。この麦芽抽出物の乾燥物のゲルクロマ
トグラフィー〔充填剤:セルロファインGLC−200
0−Cカラム:直径2.5cm×高さ45cm、分取3
ml/1フラクション、検出方法:フェノール硫酸呈色
(490nm)、試料:30mg/3mlで注入〕の溶
出曲線(クロマトグラム)を図1に示す。このクロマト
グラムから、分子量10,000以下のものが除去され
ていることが確認された。また、KBr錠剤法により、
日本分光A202型で前記麦芽抽出物の乾燥物の赤外吸
収スペクトルを測定した結果を図2に示す。3600〜
3200cm-1及び1700〜1600cm-1に吸収が
確認された。更に、3−(トリメチルシリル)−1−プ
ロパンスルホン酸ナトリウム(DSS)を内部標準物質
として、JEOL JMN−GSX500型スペクトロ
メーターを用いて、500MHzで前記麦芽抽出物の乾
燥物のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定した結果
を、図3に示す。0.5〜6.0ppmと6.0〜8.
5ppmとにピークが確認された。更に、前記麦芽抽出
物の乾燥物の水溶液を、多目的記録用スペクトロメータ
ー(島津Multipurpose Recordin
g Spectrophotometer MPS−2
000)を用いて、紫外−可視吸収スペクトルを測定し
た結果を、図4に示す。200〜250nm及び250
〜350nmに吸収が認められた。また、前記麦芽抽出
物の乾燥物のフェノール硫酸呈色反応は、陽性であっ
て、糖の存在を示した。更に、前記麦芽抽出物の乾燥物
の銅フォーリン呈色反応も、陽性であって、タンパク質
の存在を示した。
【0027】実施例2:ヒト培養癌細胞のHSP発現量
の測定 (1)ヒト培養癌細胞の培養 ヒト腎癌細胞株ACHN(ATCC CRL 161
1)を、10%非働化ウシ胎児血清を含むMEM培地中
で、5%二酸化炭素条件下で、熱ショック処理時以外
は、37℃で培養した。
【0028】(2)麦芽抽出物処理及び熱ショック処理 播種2日後の前記ヒト腎癌細胞株ACHNの培地中に、
実施例1で得られた麦芽抽出物を、最終濃度1mg/m
lとなるように添加し、24時間培養した。その後、4
5℃にて15分間熱ショック処理をしてから、37℃に
て終夜培養した。対照試験は、実施例1で得られた麦芽
抽出物を添加しないこと以外は前記と同様に実施した。
【0029】(3)ヒト培養癌細胞でのHSP発現量の
測定 前項(2)で処理した各細胞を、以下に示す方法により
ホモジナイズし、HSP発現量をウェスタンブロット法
にて測定した。すなわち、前項(2)で処理した細胞
を、リン酸緩衝生理食塩水〔組成:KCl=0.2g/
l,KH2 PO4 =0.2g/l,NaCl=8g/
l,Na2HPO4 (無水)=1.15g/l;以下、
PBS(−)と称する〕で洗浄した後、ライシスバッフ
ァー(lysis buffer)〔1.0%NP−4
0、0.15M塩化ナトリウム、50mMトリス−HC
l(pH8.0)、5mM−EDTA、2mM−N−エ
チルマレイミド、2mMフェニルメチルスルホニルフル
オリド、2μg/mlロイペプチン及び2μg/mlペ
プスタチン〕1mlを加え、氷上で20分間静置した。
その後、4℃で12000rpmにて、20分間、遠心
を行った。遠心後の上清10μlをPBS(−)790
μlに加え、更にプロテインアッセイ染色液(Dye Reag
ent Concentrate : バイオラッド,カタログ番号500-00
06)200μlを加えた。5分間、室温にて静置した
後、595nmで吸光度を測定してタンパク質定量を行
った。
【0030】タンパク質定量を行った試料を用いて、L
aemmliのバッファー系(Laemmli, N. K., "Natur
e", 283 : pp. 249-256, 1970)にて、等量のタンパク質
を含むライセートのSDSポリアクリルアミドゲル電気
泳動を行った。電気泳動後、ブロッティング及びそれに
続くブロッキングを行った。すなわち、タンパク質転写
装置(Trans-Blot Electrophoretic Transfer Cell:バ
イオ・ラッド,カタログ番号170-3946)を用いて、室温
にて100Vにて、0.45μmニトロセルロース膜
(Schleicher & Schuell,カタログ番号401196)にゲル
を密着させ、3時間ブロッティングを行った。ブロッテ
ィングバッファーとしては、0.025Mトリス及び
0.192MグリシンよりなりpH8.5に調整された
トリスグリシンバッファー(Tris Gly Running and Blo
tting Buffer;Enprotech, 米国マサチューセッツ州,
カタログ番号 SA100034)にメチルアルコールを20%に
なるように加えて調製したバッファーを用いた。ブロッ
ティング後、ニトロセルロース膜を10%スキムミルク
(雪印乳業)−PBS(−)溶液に室温にて30分間、
インキュベートし非特異的結合をブロックした。
【0031】ブロッキング後、ニトロセルロース膜の上
で、抗ヒトHSP60マウスモノクローナル抗体(Stre
ssGen, Victoria, B.C., Canada, カタログ番号 SPA-8
06)により、1次抗体反応を行った。この抗ヒトHSP
60マウスモノクローナル抗体は、大腸菌を用いるリコ
ンビナントDNA法により作製したヒトHSP60を免
疫原として作製した抗体であり("J. Exp. Med." 175
, 1805-1810, 1992)、哺乳類HSP60(霊長類HS
P60、マウスHSP60、ラットHSP60、及びハ
ムスターHSP60)と特異的に反応する("J. Exp. M
ed." 175 , 1805-1810, 1992)。この抗ヒトHSP60
マウスモノクローナル抗体が認識するエピトープは、ヒ
トHSP60アミノ酸配列の第383番目〜第447番
目のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列中に局在する
("J. Exp. Med." 175 , 1805-1810,1992)。1次抗体
反応後、PBS(−)で5分間ずつ、溶液を取り替えて
2回の洗浄をスロー・ロッキング・シェイカーによって
行い、更にPBS(−)−0.1%Tween20(バ
イオ・ラッド,カタログ番号170-6531)溶液で15分間
ずつ、溶液を取り替えて4回の洗浄を行った。最終的
に、PBS(−)で5分間ずつ、2回の洗浄を行った。
【0032】洗浄終了後、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗
マウスIgG抗体(CAPPEL,カタログ番号55550)を、2
%スキムミルクを含むPBS(−)溶液で5000倍に
希釈して調製した抗体溶液5mlを用いて、2時間、2
次抗体反応を行った。反応終了後、ニトロセルロース膜
に関して、PBS(−)溶液で5分間ずつ溶液を変えて
2回、更にPBS(−)−0.1%Tween20溶液
で15分間ずつ溶液を変えて5回の洗浄をスロー・ロッ
キング・シェイカーにより行った。最後にPBS(−)
溶液で5分間ずつ2回の洗浄を行った。余分なPBS
(−)溶液を除去した後、ウェスタンブロッティング検
出試薬(ECL Western blotting detectionreagent;Ame
rsham,カタログ番号RPN2106)をニトロセルロース膜上
に振りかけ、1分間インキュベートした後、余分な検出
試薬を除去し、ニトロセルロース膜をラップに包み、反
応面をX線フィルム(コダック X-OMAT, AR, カタログ
番号165 1454)に密着させて露光し、現像してHSP6
0の有無の検討を行った。
【0033】対照試験、すなわち、麦芽抽出物を添加し
なかった腎癌細胞株ACHNでは、分子量約60kDの
バンドが一本検出された。なお、分子量は、前記抗ヒト
HSP60マウスモノクローナル抗体との結合、及び分
子量マーカー(卵白オバルブミン及びウシ血清アルブミ
ン)により決定した。麦芽抽出物を添加した腎癌細胞株
ACHNでは、相当するバンドが極めて薄いバンドであ
った。すなわち、麦芽抽出物は、HSP60の発現を抑
制する合成抑制剤の活性を有するものと結論することが
できる。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、麦芽抽出物は、細
胞内のHSP60ファミリーに属するタンパク質の発現
を抑制する合成抑制剤の活性を有する。従って、麦芽抽
出物を投与することにより、例えば、HSP60ファミ
リーに属するタンパク質が発症に関与する自己免疫疾患
(例えば、I型糖尿病や慢性関節リウマチなど)の患者
の生理学的状態を有効に改善させ、前記病気を効果的に
治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた麦芽抽出物の乾燥物のクロ
マトグラムを例示したものである。
【図2】実施例1で得られた麦芽抽出物の乾燥物の赤外
吸収スペクトルを例示したものである。
【図3】実施例1で得られた麦芽抽出物の乾燥物の 1
核磁気共鳴スペクトルを例示したものである。
【図4】実施例1で得られた麦芽抽出物の乾燥物の紫外
−可視吸収スペクトルを例示したものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麦芽抽出物を有効成分として含有するこ
    とを特徴とする、分子量57キロダルトンから68キロ
    ダルトンまでの間の熱ショックタンパク質の合成抑制
    剤。
  2. 【請求項2】 麦芽抽出物が、麦芽を糖化し、得られた
    麦芽糖化物を濾過し、得られた麦芽糖化物濾過残渣を水
    若しくは親水性溶媒又はそれらの混合液で抽出し、得ら
    れた抽出液から分子量10,000未満の低分子化合物
    画分を除去して得られる生成物である、請求項1に記載
    の分子量57キロダルトンから68キロダルトンまでの
    間の熱ショックタンパク質の合成抑制剤。
  3. 【請求項3】 麦芽糖化物濾過残渣の水若しくは親水性
    溶媒又はそれらの混合液による抽出を、アルカリ条件下
    で実施し、得られた抽出液を中和して沈殿する物質を除
    去し、得られた上清から分子量10,000未満の低分
    子化合物画分を除去する、請求項2に記載の分子量57
    キロダルトンから68キロダルトンまでの間の熱ショッ
    クタンパク質の合成抑制剤。
  4. 【請求項4】 水若しくは親水性溶媒又はそれらの混合
    液による抽出によって得られた抽出液をpH3〜5に調
    整し、沈殿するタンパク質を除去し、得られた上清を中
    和して沈殿する物質を更に除去し、得られた上清から分
    子量10,000未満の低分子化合物画分を除去する、
    請求項2に記載の分子量57キロダルトンから68キロ
    ダルトンまでの間の熱ショックタンパク質の合成抑制
    剤。
  5. 【請求項5】 麦芽糖化物濾過残渣の水若しくは親水性
    溶媒又はそれらの混合液による抽出を、アルカリ条件下
    で実施する、請求項2又は4に記載の分子量57キロダ
    ルトンから68キロダルトンまでの間の熱ショックタン
    パク質の合成抑制剤。
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