JPH09278668A - Hsp27ファミリーに属するタンパク質の麦芽抽出物含有合成抑制剤 - Google Patents

Hsp27ファミリーに属するタンパク質の麦芽抽出物含有合成抑制剤

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JPH09278668A
JPH09278668A JP8111317A JP11131796A JPH09278668A JP H09278668 A JPH09278668 A JP H09278668A JP 8111317 A JP8111317 A JP 8111317A JP 11131796 A JP11131796 A JP 11131796A JP H09278668 A JPH09278668 A JP H09278668A
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Masayoshi Morino
眞嘉 森野
Toshimi Shiragami
俊美 白神
Yoichi Shobu
洋一 清輔
Chikao Yoshikumi
親雄 吉汲
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量16キロダルトンから40キロダルト
ンまでの間の熱ショックタンパク質(HSP27ファミ
リー)がその悪性化や温熱療法の効果の減少に関連する
癌、又はHSP27ファミリーに属するタンパク質がそ
の発症に関連する多発性硬化症などの自己免疫疾患の患
者の生理学的状態を有効に改善させ、前記病気を効果的
に治療することができる、HSP27ファミリーに属す
るタンパク質の合成抑制剤を提供する。 【解決手段】 麦芽抽出物を有効成分として含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、麦芽抽出物を有効
成分として含有する、分子量が16キロダルトン(k
D)から40kDまでの間の熱ショックタンパク質群
(以下、HSP27ファミリーと称する)に属するタン
パク質の合成抑制剤に関する。本発明によるHSP27
ファミリーに属するタンパク質の合成抑制剤は、特に、
HSP27ファミリーに属するタンパク質の組織内合成
を抑制することによって、HSP27ファミリーに属す
るタンパク質が発症、悪性化、又は治療の障害に関与す
るものと考えられている病気、例えば、癌、又は多発性
硬化症などの患者の生理学的状態を有効に改善させ、前
記の病気を効果的に治療することができる。
【0002】
【従来の技術】近年の化学療法、外科療法、放射線療
法、及び免疫療法などの進歩にもかかわらず、依然とし
て癌による死亡原因に癌の悪性化が直接的又は間接的に
関わっており、癌の悪性化の克服が今後の癌治療の大き
な課題の一つとなっている。癌の悪性度は、癌の増殖
性、浸潤性、又は転移性などによって定められる。悪性
化の現象の一つである転移は原発癌の種類により、転移
を起こしやすい臓器が異なる。癌の転移は複合事象であ
り、原発腫瘍の増殖、癌細胞の原発巣からの離脱と周辺
組織への浸潤・増殖から始まって、腫瘍血管新生、癌細
胞の最寄りの血管内への侵入、血流による遠隔部位への
移動と血管内皮細胞への接着・着床、更に、血管外への
浸潤、遠隔部位(転移組織)での増殖の開始に続いて新
たな腫瘍血管が新生され、やがて可視的な転移巣の形成
に至るまでの複雑な反応カスケードから成り立ってい
る。一般に、癌は、高い悪性度を有するものと、比較的
に悪性度の低いものとに分けられる。しかし、悪性度の
高い癌に対しては根本的な治療法は確立しておらず、患
者は遂には死に至ることが極めて多い。
【0003】また、癌の温熱療法(ハイパーサーミア;
hyperthermia)とは、癌組織を加温することにより、腫
瘍細胞を選択的に殺し、癌を治療しようとする方法であ
り、近年注目を浴びている。温熱療法による癌治療は、
温熱の生物学的効果をみると、41〜45℃の比較的温
和な加温で細胞致死効果が得られること、また放射線や
抗癌剤などと併用することにより相乗的な効果が得られ
ることなど、有利な点が多い。温熱療法による癌の治療
法は、臨床においてはほとんどすべての各科で試みられ
ている。しかし、温熱療法の問題点の一つは、加温後一
過性に誘導される温熱耐性である。すなわち、癌細胞が
1回目の加温により一時的に温熱耐性になるために、次
の加温による殺細胞効果が減少する。温熱耐性とは、細
胞(又は組織)を一度亜致死的な加温をすることによ
り、次の加温に対してその細胞(又は組織)が一過性に
温熱抵抗性になることである。温熱耐性のため、現在ほ
とんどの施設において温熱療法を行うのは週1〜2回に
限定されているのが現状である。
【0004】また、癌の化学療法においても、化学療法
に殆ど反応しない肺癌や大腸癌などの固型癌が依然とし
て存在する一方で、化学療法剤に反応する癌でも、やが
て抗癌剤が効かなくなる耐性化が問題となっている。1
988年のアメリカの統計によれば、1年間に診断され
た癌の49%が化学療法に最初から抵抗性を示す内因性
耐性であり、47%が当初化学療法が有効で、腫瘍がい
ったん消退した後に再発した獲得性耐性とされている。
これらの事実から、癌に対する化学療法の効果を妨げる
最も重要な問題の一つは細胞毒性薬剤に対する耐性であ
ることがわかる。
【0005】また、多発性硬化症(multiple sclerosi
s,MS)は中枢神経白質を特異的に障害する炎症性脱
髄性疾患であり、その発症機序に、神経線維を包んでい
るミエリン鞘を免疫系が攻撃することが示されている自
己免疫疾患である。多発性硬化症は多くの場合、初期に
は急性憎悪・寛解を繰り返すが、その後徐々に進行性の
経過をとるようになる。急性期の症状改善を目的とした
ものとして、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)や副腎
皮質ステロイド剤が、また寛解期での再発予防や慢性進
行型の症状進展防止を目的として、アザチオプリンやサ
イクロフォスファミドなどの免疫抑制剤が用いられてき
た。しかし、現在、多発性硬化症患者に投与されている
薬剤の多くは、その効果が期待されていたほどでなく、
非特異的な療法で副作用も多くみられるなど、十分とは
いい難いのが現状である。多発性硬化症のより特異的な
治療法の開発が期待されている。
【0006】一方、熱ショックタンパク質(heat shock
protein;HSP、ストレスタンパク質ともいう)は、
細胞を何らかのストレス、例えば熱、重金属、薬剤、ア
ミノ酸類似体、又は低酸素(低濃度酸素)などで刺激す
ることにより、細胞に発現される一群のタンパク質であ
る。熱ショックタンパク質は、自然界に普遍的に存在し
ており、細菌、酵母、植物、昆虫、及びヒトを含む高等
動物により産生される。
【0007】HSPは、その種類は多種多様であるが、
分子量の大きさからHSP90ファミリー(例えば、9
0kD又は110kDのHSPなど)、HSP70ファ
ミリー(例えば、70〜73kDのHSPなど)、HS
P60ファミリー(例えば、57〜68kDのHSPな
ど)、低分子HSPファミリー(例えば、20kD、2
5〜28kD、又は47kDのHSPなど)の4ファミ
リーに大別することができる。なお、本明細書において
は、特定分子量を有するHSPを、HSPとその直後に
記載する数字とによって示すものとし、例えば、分子量
27kDのHSPを『HSP27』と称するものとす
る。以上のように、HSPには多くの種類が存在する
が、これらは分子量だけでなく、構造、機能、又は性質
などもそれぞれ異なるものである。ストレスへの応答に
加えて、これらのタンパク質の中には構成的に合成され
るものがあり、正常な環境の下で、タンパク質のフォー
ルディング、アンフォールディング、タンパク質サブユ
ニットの会合、タンパク質の膜輸送のような、必須の生
理的な役割を演じていることが示されている。熱ショッ
クタンパク質としてのこれらの機能は、分子シャペロン
と称される。
【0008】HSP27ファミリーに属するタンパク質
の発現は、ヒト乳癌において、リンパ節転移、リンパや
血管への浸潤、より短い生存率との間に顕著な相関があ
る("J. Natl. Cancer Inst." 83: 170-178, 1991)。胃
癌においてもHSP27ファミリーに属するタンパク質
はネガティブな予後因子であるとの報告がある("Br.J.
Surg.", 78: 334-336, 1991)。HSP27ファミリー
に属するタンパク質の原発癌細胞における発現レベルが
癌悪性度、特に癌の再発率と正の相関があるという報告
もあるので("Breast Cancer Res. Treat.", 12: 130,
1988; "Proc.Am. Assoc. Cancer Res.", 30: 252, 19
89)、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現
を抑制することにより、癌の悪性化を防止することが可
能である。
【0009】癌の温熱療法で問題となる温熱耐性にHS
P27ファミリーに属するタンパク質が関与するという
報告がある。ヒトHSP27遺伝子をマウス又はハムス
ター細胞に導入して発現させたところ、熱ショック後に
生き残る温熱耐性の細胞がHSP27のタンパク質の量
に依存して誘導され増加する("J. Cell. Biol.", 109
: 7-15, 1989)。また、チャイニーズハムスター細胞
で、HSP27を定常的に発現するようになった変異株
が熱耐性を獲得できるようになる("J. Cell. Physio
l.", 137 : 157, 1988)。α−Bクリスタリンは、熱シ
ョック処理で誘導され、HSP27とアミノ酸配列の相
同性が高いタンパク質であり、HSP27ファミリーに
属するタンパク質の一つであるが、α−Bクリスタリン
を過剰発現させた細胞も熱ストレスに対する耐性を獲得
する("J. Cell. Biol.", 125 : 1385-1393, 1994)。こ
のことは、HSP27ファミリーに属するタンパク質の
発現を抑制することにより、温熱耐性を抑え、癌に対す
る温熱療法の効果を増強する可能性を示している。ま
た、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現と
薬剤耐性とが相関するとの報告もあるので("Breast Ca
ncer Res. Treat.", 23:178, 1992; "Cancer Res.", 5
1: 5245-5252, 1991)、HSP27ファミリーに属する
タンパク質の発現を抑制することにより、薬剤耐性を抑
え、化学療法の効果を増強することも可能である。
【0010】多発性硬化症における免疫的に優性な抗原
が、HSP27ファミリーに属するタンパク質であるα
−Bクリスタリンであることが突き止められている("N
ature", 375 : 739-740, 1995)。α−Bクリスタリン
は、多発性硬化症患者の神経組織中での発現が、非発病
者の組織中での発現よりも強く、非常に免疫原性が高い
("Nature", 375 : 798-801, 1995)。これらの事実は、
多発性硬化症で自己抗原となっているのは、HSP27
ファミリーに属するタンパク質の1種であるα−Bクリ
スタリンであり、ミエリン鞘におけるα−Bクリスタリ
ンの発現を抑制することが多発性硬化症の根本的治療に
結び付くことを示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
情に鑑み、癌や多発性硬化症などの病気の患者の生理学
的状態を有効に改善させ、前記の病気を効果的に治療す
ることのできる方法を開発するために、HSP27ファ
ミリーに属するタンパク質に対して合成抑制作用を示す
化合物に関して、種々検討を重ねてきた。その結果、本
発明者らは、意外にも、麦芽抽出物が、病態を示す組織
の細胞におけるHSP27ファミリーに属するタンパク
質の合成を特異的に抑制することを見出した。すなわ
ち、麦芽抽出物を投与することにより、細胞内でのHS
P27ファミリーに属するタンパク質の合成が抑制さ
れ、従って、癌や多発性硬化症などの病気の治療が可能
であることを見出したのである。本発明はこうした知見
に基づくものであり、癌や多発性硬化症などの病気を効
果的に治療することのできる、HSP27ファミリーに
属するタンパク質の合成抑制剤を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、麦芽
抽出物を有効成分として含有することを特徴とする、分
子量16キロダルトンから40キロダルトンまでの間の
熱ショックタンパク質(すなわち、HSP27ファミリ
ーに属するタンパク質)の合成抑制剤に関する。本明細
書において、「HSP27ファミリー」とは、前記のと
おり、分子量が16kD〜40kDの熱ショックタンパ
ク質群を意味する。HSP27ファミリーに属するタン
パク質としては、例えば、哺乳動物のHSP27(すな
わち、分子量27kDの熱ショックタンパク質)〔若し
くはHSP28(すなわち、分子量28kDの熱ショッ
クタンパク質)〕、トリのHSP25(すなわち、分子
量25kDの熱ショックタンパク質)、又は酵母のHS
P26(すなわち、分子量26kDの熱ショックタンパ
ク質)などを挙げることができる。なお、一般的に、タ
ンパク質の分子量は、例えば、分子量測定方法又は実験
条件などの違いにより多少の差が生じるので、HSP2
7ファミリーに属するタンパク質の中には、例えば、哺
乳動物におけるHSP27とHSP28とのように、分
子量表記が異なっていても、それらがアミノ酸配列の異
なる別異のタンパク質であるのか、あるいは単に分子量
表記のみが外見上異なる同一のタンパク質であるのか
が、現在のところ明らかではないものも含まれている。
HSP27ファミリーに属するタンパク質は、前記の低
分子HSPファミリーに属する熱ショックタンパク質の
うち哺乳動物において最も主要な熱ショックタンパク質
であり、生物種を超えてよく保存された特徴を示す。し
かし、HSP27ファミリーに属するタンパク質は、他
の熱ショックタンパク質とは異なり、種ごとに異なる分
子量を有しており、分子量16kD〜40kDと、非常
に多様なタンパク質である。また、HSP27とアミノ
酸配列の相同性の高いα−Bクリスタリンも熱ショック
処理で誘導され、HSP27ファミリーに属するタンパ
ク質の一つである
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の合成抑制剤の有効成分として含有される
麦芽抽出物は、特に限定されず、例えば、市販の麦芽抽
出物(MALT EXTRACT)をそのまま、あるい
は好ましくは市販の麦芽抽出物(MALT EXTRA
CT)を透析等の手段により低分子画分を除去したもの
を用いることができる。
【0014】また、麦芽を糖化した後、濾別し、濾過残
渣を水若しくは親水性溶媒又はそれらの混合液で抽出
し、抽出液から低分子画分を除去して得られる麦芽抽出
物を用いることが好ましい。この場合、麦芽糖化物濾過
残渣の水若しくは親水性溶媒又はそれらの混合液による
抽出を、アルカリ条件下で実施し、得られた抽出液を中
和して沈殿する物質を除去し、得られる上清から低分子
画分を除去して得られる麦芽抽出物を用いることがより
好ましい。また、水若しくは親水性溶媒又はそれらの混
合液で抽出した後、得られた抽出液をpH3〜5に調整
し、沈殿するタンパク質を除去し、得られた上清を中和
して沈殿する物質を更に除去し、得られる上清から低分
子画分を除去して得られる麦芽抽出物を用いることが更
に好ましい。また、麦芽糖化物濾過残渣の水若しくは親
水性溶媒又はそれらの混合液による抽出を、アルカリ条
件下で実施し、得られた抽出液をpH3〜5に調整し、
沈殿するタンパク質を除去し、得られた上清を中和して
沈殿する物質を更に除去し、得られる上清から低分子画
分を除去して得られる麦芽抽出物を用いることが特に好
ましい。
【0015】特には、麦芽を糖化した後に濾過し、麦芽
糖化物濾過残渣を水若しくは親水性溶媒又はそれらの混
合液で抽出して得られる抽出液、あるいは場合により、
更に前記の中和処理又は前記の酸性化・中和処理(酸性
化処理に続く中和処理)を行って得られる抽出液から、
低分子画分を除去して得られる麦芽由来の生理活性物質
であって、(i)分子量約10000以上であり、(i
i)赤外吸収スペクトルで3600〜3200cm-1
び1700〜1600cm-1に吸収があり、(iii )プ
ロトン核磁気共鳴スペクトルで、0.5〜6.0ppm
及び6.0〜8.5ppmにピークがあり、(iv)紫外
吸収スペクトルで、200〜250nm及び250〜3
50nmに吸収があり、(v)フェノール硫酸呈色反応
が陽性であり、(vi)銅フォーリン呈色反応が陽性であ
る、麦芽由来の生理活性物質(以下、麦芽由来生理活性
物質と称する)を用いることが好ましい。
【0016】本発明では、前記の麦芽抽出物を調製する
ための麦芽(malt)として、例えば、イネ科の穀類
種子を発芽させてつくったものを用いることができ、こ
れらの種子には、例えば、大麦、小麦、ライ麦、エン
麦、ハダカ麦、トウモロコシ等がある。これらの麦芽を
そのまま、あるいは粉砕し、更に必要な場合には澱粉を
加え、温水を加え、糖化を行う。こうして得られた麦芽
糖化物を濾過する。ここで得られる麦芽糖化物濾液は、
一般に麦汁としてビール原料に利用されている。また、
もう一方の麦芽糖化物濾過残渣は、従来から家畜飼料と
して用いられていたが、本発明ではこの麦芽糖化物濾過
残渣を、麦芽抽出物の原料として用いることができる。
【0017】続いて、前記の麦芽糖化物濾過残渣を、常
温若しくは加熱された水、常温若しくは加熱されたアル
カリ水溶液、常温若しくは加熱された親水性溶媒、常温
若しくは加熱された水と親水性溶媒との混合液、又は常
温若しくは加熱されたアルカリ水溶液と親水性溶媒との
混合液で抽出し、抽出物を得ることができる。抽出用の
親水性溶媒としては、親水性有機溶媒、例えば、低級ア
ルコール(例えば、メチルアルコール若しくはエチルア
ルコール)又はケトン類(例えば、アセトン)を用いる
ことができる。抽出は、例えば、乾燥又は湿潤の麦芽糖
化物濾過残渣100重量部に対し、水、温熱アルカリ水
溶液、又は親水性溶媒10〜1,000,000重量部
を加え、数時間〜1昼夜程度実施するのが好ましい。こ
の際、攪拌処理又は超音波処理を行ったり、あるいは界
面活性剤を添加して、抽出効果を高めることができる。
【0018】また、前記の抽出をアルカリ条件下(好ま
しくはpH10〜14)で実施し、得られる抽出液を中
和(例えば、pH6.5〜7.5)して、生ずる沈殿を
除くことが好ましい。例えば、0.45〜0.55N水
酸化ナトリウム水溶液で抽出すると、麦芽糖化物濾過残
渣の品質を変えることなく、抽出効率を高め、しかも得
られる抽出物の水溶液に対する溶解性を高めることがで
きる。また、水若しくは親水性溶媒又はそれらの混合液
で抽出した後に、得られる抽出液を、無機酸(例えば、
塩酸)又は有機酸(例えば、シュウ酸)によって酸性
(例えば、pH3〜5)にしてタンパク質を沈殿させて
除去してから、得られる上清を前記と同様に中和して生
じる沈殿物を更に除去してもよい。更には、前記の抽出
をアルカリ条件下(好ましくはpH10〜14)で実施
し、得られる抽出液を、無機酸(例えば、塩酸)、又は
有機酸(例えば、シュウ酸)によって酸性(例えば、p
H3〜5)にしてタンパク質を沈殿させて除去してか
ら、得られる上清を前記と同様に中和して生じる沈殿物
を更に除去してもよい。
【0019】前記の抽出工程により、あるいは場合によ
り、更に前記の中和処理又は前記の酸性化・中和処理
(酸性化処理に続く中和処理)を行った後に、得られる
抽出物をそのまま本発明による合成抑制剤の有効成分と
して用いることもできるが、得られた抽出物から、例え
ば、透析、塩析、限外濾過、逆浸透処理、ゲル濾過、又
は有機溶媒による沈殿処理等の手段により、低分子画分
を除去して得られた生成物を用いることが好ましい。特
に、分子量10,000未満の画分を除去することが好
ましい。得られた麦芽抽出物は、そのまま使用してもよ
いし、更に濃縮して使用してもよい。また、これを凍結
乾燥、又は噴霧乾燥等粉末化して使用してもよい。
【0020】本発明の合成抑制剤は、麦芽抽出物を、そ
れ単独で、又は好ましくは製剤学的若しくは獣医学的に
許容することのできる通常の担体と共に、動物、好まし
くは哺乳動物(特にはヒト)に投与することができる。
投与剤型としては、特に限定がなく、例えば、散剤、細
粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョ
ン剤、シロップ剤、エキス剤、若しくは丸剤等の経口
剤、又は注射剤、外用液剤、軟膏剤、坐剤、局所投与の
クリーム、若しくは点眼薬などの非経口剤を挙げること
ができる。これらの経口剤は、例えば、ゼラチン、アル
ギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳
糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロー
ス、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロ
ース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タル
ク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコー
ル、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸
アルミニウムなどの賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性
剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、
香料、矯味剤、安定化剤、保湿剤、防腐剤、又は酸化防
止剤等を用いて、常法に従って製造することができる。
例えば、麦芽抽出物(特には前記の麦芽由来生理活性物
質)1重量部と乳糖99重量部とを混合して充填したカ
プセル剤などである。
【0021】非経口投与方法としては、注射(皮下、静
脈内等)、又は直腸投与等が例示される。これらのなか
で、注射剤が最も好適に用いられる。例えば、注射剤の
調製においては、有効成分としての麦芽抽出物の他に、
例えば、生理食塩水若しくはリンゲル液等の水溶性溶
剤、植物油若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、
ブドウ糖若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補
助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、又は乳化剤等を任
意に用いることができる。具体的に一例を示すと、麦芽
抽出物(特には前記の麦芽由来生理活性物質)10mg
とマンニトール50mgとを蒸留水に溶解して10ml
とし、常法で除菌した後、2mlづつを注射用小瓶に分
注し、又はそのまま凍結乾燥して注射剤とする。使用に
際して、生理食塩水で希釈して注射液とする。また、本
発明の合成抑制剤は、徐放性ポリマーなどを用いた徐放
性製剤の手法を用いて投与してもよい。例えば、本発明
の合成抑制剤をエチレンビニル酢酸ポリマーのペレット
に取り込ませて、このペレットを治療すべき組織中に外
科的に移植することができる。本発明の合成抑制剤は、
これに限定されるものではないが、麦芽抽出物(特には
前記の麦芽由来生理活性物質)を、0.01〜99重量
%、好ましくは0.1〜80重量%の量で含有すること
ができる。
【0022】本発明の合成抑制剤を用いる場合の投与量
は、病気の種類、患者の年齢、性別、体重、症状の程
度、又は投与方法などにより異なり、特に制限はない
が、麦芽抽出物(特には前記の麦芽由来生理活性物質)
量として通常成人1人当り1mg〜10g程度を、1日
1〜4回程度にわけて、経口的に又は非経口的に投与す
る。更に、用途も医薬品に限定されるものではなく、種
々の用途、例えば、機能性食品や健康食品として飲食物
の形で与えることも可能である。本発明の合成抑制剤
は、マウスを用いる経口投与法によって急性毒性試験を
行ったが、毒性は全く認められなかった。
【0023】
【作用】上記したように、本発明の合成抑制剤に含有さ
れる麦芽抽出物は、細胞内のHSP27ファミリーに属
するタンパク質の合成を特異的に抑制する作用があるの
で、前記麦芽抽出物を投与すると細胞でのHSP27フ
ァミリーに属するタンパク質の生合成が特異的に減少す
る。従って、前記麦芽抽出物は、例えば、HSP27フ
ァミリーに属するタンパク質がその悪性化に関連する癌
の予防及び治療、HSP27ファミリーに属するタンパ
ク質がその療法への障害となる温熱耐性に関連する癌温
熱療法の効果の増強、又はHSP27ファミリーに属す
るタンパク質がその発症に関連する多発性硬化症などの
自己免疫疾患の予防及び治療などに使用することができ
る。また、HSP27ファミリーに属するタンパク質の
発現と薬剤耐性とが相関するとの報告もあるので("Bre
ast Cancer Res. Treat.",23: 178, 1992; "Cancer Re
s.", 51: 5245-5252, 1991)、HSP27ファミリーに
属するタンパク質の発現を抑制することにより、薬剤耐
性を抑え、化学療法の効果を増強することも可能であ
る。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:麦芽抽出物の調製 本発明の合成抑制剤の有効成分として含有される麦芽抽
出物は、特公平7−20988号公報の実施例1に記載
されている方法に従って調製した。すなわち、大麦10
kgを発芽させ、でんぷんを加え、糖化し、濾過後乾燥
した。得られた糖化残渣の一部100gを、0.5N水
酸化ナトリウム水溶液4リットルに入れ、沸騰水溶液中
で3時間抽出し、1N塩酸でpH4.0にし、24時間
静置した後、6,000rpmで30分間遠心分離を行
って、沈殿を除去した。得られた上清を1N水酸化ナト
リウム水溶液でpH7.0に中和し、再び6,000r
pmで30分間遠心分離を行い、得られた上清を減圧濃
縮した後、透析用セルロースチューブ(三光純薬、カタ
ログ番号UC36−32−1000)を用いて流水透析
を行ったところ、分子量10,000未満の低分子化合
物が除去されていた。得られた濃縮溶液を凍結乾燥し、
麦芽抽出物の乾燥物23gを得た。
【0025】前記の麦芽抽出物の乾燥物の、GPC−L
alls法により測定した重量平均分子量は、209,
000であった。この麦芽抽出物の乾燥物のゲルクロマ
トグラフィー〔充填剤:セルロファインGLC−200
0−Cカラム:直径2.5cm×高さ45cm、分取3
ml/1フラクション、検出方法:フェノール硫酸呈色
(490nm)、試料:30mg/3mlで注入〕の溶
出曲線(クロマトグラム)を図1に示す。このクロマト
グラムから、分子量10,000以下のものが除去され
ていることが確認された。また、KBr錠剤法により、
日本分光A202型で前記麦芽抽出物の乾燥物の赤外吸
収スペクトルを測定した結果を図2に示す。3600〜
3200cm-1及び1700〜1600cm-1に吸収が
確認された。更に、3−(トリメチルシリル)−1−プ
ロパンスルホン酸ナトリウム(DSS)を内部標準物質
として、JEOL JMN−GSX500型スペクトロ
メーターを用いて、500MHzで前記麦芽抽出物の乾
燥物のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定した結果
を、図3に示す。0.5〜6.0ppmと6.0〜8.
5ppmとにピークが確認された。更に、前記麦芽抽出
物の乾燥物の水溶液を、多目的記録用スペクトロメータ
ー(島津Multipurpose Recordin
g Spectrophotometer MPS−2
000)を用いて、紫外−可視吸収スペクトルを測定し
た結果を、図4に示す。200〜250nm及び250
〜350nmに吸収が認められた。また、前記麦芽抽出
物の乾燥物のフェノール硫酸呈色反応は、陽性であっ
て、糖の存在を示した。更に、前記麦芽抽出物の乾燥物
の銅フォーリン呈色反応も、陽性であって、タンパク質
の存在を示した。
【0026】実施例2:ヒト培養癌細胞のHSP発現量
の測定 (1)ヒト培養癌細胞の培養 ヒト胃癌細胞株KATO III (ATCC HTB 1
03)を、10%非働化ウシ胎児血清を含むRPMI1
640培地中で、5%二酸化炭素条件下で、熱ショック
処理時以外は、37℃で培養した。
【0027】(2)麦芽抽出物処理及び熱ショック処理 播種2日後の前記ヒト胃癌細胞株KATO III の培地
中に、実施例1で得られた麦芽抽出物を、最終濃度1m
g/mlとなるように添加し、24時間培養した。その
後、45℃にて15分間熱ショック処理をしてから、3
7℃にて終夜培養した。対照試験は、実施例1で得られ
た麦芽抽出物を添加しないこと以外は前記と同様に実施
した。
【0028】(3)ヒト培養癌細胞でのHSP発現量の
測定 前項(2)で処理した各細胞を、以下に示す方法により
ホモジナイズし、HSP発現量をウェスタンブロット法
にて測定した。すなわち、前項(2)で処理した細胞
を、リン酸緩衝生理食塩水〔組成:KCl=0.2g/
l,KH2 PO4 =0.2g/l,NaCl=8g/
l,Na2HPO4 (無水)=1.15g/l;以下、
PBS(−)と称する〕で洗浄した後、ライシスバッフ
ァー(lysis buffer)〔1.0%NP−4
0、0.15M塩化ナトリウム、50mMトリス−HC
l(pH8.0)、5mM−EDTA、2mM−N−エ
チルマレイミド、2mMフェニルメチルスルホニルフル
オリド、2μg/mlロイペプチン及び2μg/mlペ
プスタチン〕1mlを加え、氷上で20分間静置した。
その後、4℃で12000rpmにて、20分間、遠心
を行った。遠心後の上清10μlをPBS(−)790
μlに加え、更にプロテインアッセイ染色液(Dye Reag
ent Concentrate : バイオラッド,カタログ番号500-00
06)200μlを加えた。5分間、室温にて静置した
後、595nmで吸光度を測定してタンパク質定量を行
った。
【0029】タンパク質定量を行った試料を用いて、L
aemmliのバッファー系(Laemmli, N. K., "Natur
e", 283 : pp. 249-256, 1970)にて、等量のタンパク質
を含むライセートのSDSポリアクリルアミドゲル電気
泳動を行った。電気泳動後、ブロッティング及びそれに
続くブロッキングを行った。すなわち、タンパク質転写
装置(Trans-Blot Electrophoretic Transfer Cell:バ
イオ・ラッド,カタログ番号170-3946)を用いて、室温
にて100Vにて、0.45μmニトロセルロース膜
(Schleicher & Schuell,カタログ番号401196)にゲル
を密着させ、3時間ブロッティングを行った。ブロッテ
ィングバッファーとしては、0.025Mトリス及び
0.192MグリシンよりなりpH8.5に調整された
トリスグリシンバッファー(Tris Gly Running and Blo
tting Buffer;Enprotech, 米国マサチューセッツ州,
カタログ番号 SA100034)にメチルアルコールを20%に
なるように加えて調製したバッファーを用いた。ブロッ
ティング後、ニトロセルロース膜を10%スキムミルク
(雪印乳業)−PBS(−)溶液に室温にて30分間、
インキュベートし非特異的結合をブロックした。
【0030】ブロッキング後、ニトロセルロース膜の上
で、抗ヒトHSP27マウスモノクローナル抗体(Stre
ssGen, Victoria, B.C., Canada, カタログ番号 SPA-8
00)により、1次抗体反応を行った。この抗ヒトHSP
27マウスモノクローナル抗体は、ヒト乳癌細胞株MC
F7(ATCC HTB 22)より単離したHSP2
4を免疫原として作製した抗体であり("Cancer Res.",
42, 4256-4258, 1982)、HSP27(ヒトHSP2
7、チンパンジーHSP27、及びヒツジHSP27)
と特異的に反応し("Cancer Res.", 42, 4256-4258, 1
982 ; "Cancer Res.", 43, 4297-4301, 1983)、HSP
24及びHSP28とも特異的に反応する。1次抗体反
応後、PBS(−)で5分間ずつ、溶液を取り替えて2
回の洗浄をスロー・ロッキング・シェイカーによって行
い、更にPBS(−)−0.1%Tween20(バイ
オ・ラッド,カタログ番号170-6531)溶液で15分間ず
つ、溶液を取り替えて4回の洗浄を行った。最終的に、
PBS(−)で5分間ずつ、2回の洗浄を行った。
【0031】洗浄終了後、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗
マウスIgG抗体(CAPPEL,カタログ番号55550)を、2
%スキムミルクを含むPBS(−)溶液で5000倍に
希釈して調製した抗体溶液5mlを用いて、2時間、2
次抗体反応を行った。反応終了後、ニトロセルロース膜
に関して、PBS(−)溶液で5分間ずつ溶液を変えて
2回、更にPBS(−)−0.1%Tween20溶液
で15分間ずつ溶液を変えて5回の洗浄をスロー・ロッ
キング・シェイカーにより行った。最後にPBS(−)
溶液で5分間ずつ2回の洗浄を行った。余分なPBS
(−)溶液を除去した後、ウェスタンブロッティング検
出試薬(ECL Western blotting detectionreagent;Ame
rsham,カタログ番号RPN2106)をニトロセルロース膜上
に振りかけ、1分間インキュベートした後、余分な検出
試薬を除去し、ニトロセルロース膜をラップに包み、反
応面をX線フィルム(コダック X-OMAT, AR, カタログ
番号165 1454)に密着させて露光し、現像してHSP2
7の有無の検討を行った。
【0032】対照試験、すなわち、麦芽抽出物を添加し
なかった胃癌細胞株KATO IIIでは、分子量約27
kDのバンドが一本検出された。なお、分子量は、前記
抗ヒトHSP27マウスモノクローナル抗体との結合、
及び分子量マーカー(ダイズトリプシンインヒビター及
びウシカーボニックアンヒドラーゼ)により決定した。
麦芽抽出物を添加した胃癌細胞株KATO III では、
相当するバンドが極めて薄いバンドであった。すなわ
ち、麦芽抽出物は、HSP27の発現を抑制する合成抑
制剤の活性を有するものと結論することができる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、麦芽抽出物は、細
胞内のHSP27ファミリーに属するタンパク質の発現
を抑制する合成抑制剤の活性を有する。従って、麦芽抽
出物を投与することにより、例えば、HSP27ファミ
リーに属するタンパク質がその悪性化や温熱療法の効果
の減少に関連する癌、その発症に関連する多発性硬化症
などの自己免疫疾患の患者の生理学的状態を有効に改善
させ、前記病気を効果的に治療することができる。ま
た、HSP27ファミリーに属するタンパク質発現と薬
剤耐性とが相関するとの報告もあるので("Breast Canc
er Res. Treat.",23: 178, 1992; "Cancer Res.", 51:
5245-5252, 1991)、HSP27ファミリーに属するタン
パク質の発現を抑制することにより、薬剤耐性を抑え、
化学療法の効果を増強することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた麦芽抽出物の乾燥物のクロ
マトグラムを例示したものである。
【図2】実施例1で得られた麦芽抽出物の乾燥物の赤外
吸収スペクトルを例示したものである。
【図3】実施例1で得られた麦芽抽出物の乾燥物の 1
核磁気共鳴スペクトルを例示したものである。
【図4】実施例1で得られた麦芽抽出物の乾燥物の紫外
−可視吸収スペクトルを例示したものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麦芽抽出物を有効成分として含有するこ
    とを特徴とする、分子量16キロダルトンから40キロ
    ダルトンまでの間の熱ショックタンパク質の合成抑制
    剤。
  2. 【請求項2】 麦芽抽出物が、麦芽を糖化し、得られた
    麦芽糖化物を濾過し、得られた麦芽糖化物濾過残渣を水
    若しくは親水性溶媒又はそれらの混合液で抽出し、得ら
    れた抽出液から分子量10,000未満の低分子化合物
    画分を除去して得られる生成物である、請求項1に記載
    の分子量16キロダルトンから40キロダルトンまでの
    間の熱ショックタンパク質の合成抑制剤。
  3. 【請求項3】 麦芽糖化物濾過残渣の水若しくは親水性
    溶媒又はそれらの混合液による抽出を、アルカリ条件下
    で実施し、得られた抽出液を中和して沈殿する物質を除
    去し、得られた上清から分子量10,000未満の低分
    子化合物画分を除去する、請求項2に記載の分子量16
    キロダルトンから40キロダルトンまでの間の熱ショッ
    クタンパク質の合成抑制剤。
  4. 【請求項4】 水若しくは親水性溶媒又はそれらの混合
    液による抽出によって得られた抽出液をpH3〜5に調
    整し、沈殿するタンパク質を除去し、得られた上清を中
    和して沈殿する物質を更に除去し、得られた上清から分
    子量10,000未満の低分子化合物画分を除去する、
    請求項2に記載の分子量16キロダルトンから40キロ
    ダルトンまでの間の熱ショックタンパク質の合成抑制
    剤。
  5. 【請求項5】 麦芽糖化物濾過残渣の水若しくは親水性
    溶媒又はそれらの混合液による抽出を、アルカリ条件下
    で実施する、請求項2又は4に記載の分子量16キロダ
    ルトンから40キロダルトンまでの間の熱ショックタン
    パク質の合成抑制剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003342187A (ja) * 2002-05-23 2003-12-03 Kirin Brewery Co Ltd 新規肝障害抑制剤
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