JPH1036387A - Hsp27ファミリーに属するタンパク質のジンセノサイド類含有合成抑制剤 - Google Patents

Hsp27ファミリーに属するタンパク質のジンセノサイド類含有合成抑制剤

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JPH1036387A
JPH1036387A JP8214311A JP21431196A JPH1036387A JP H1036387 A JPH1036387 A JP H1036387A JP 8214311 A JP8214311 A JP 8214311A JP 21431196 A JP21431196 A JP 21431196A JP H1036387 A JPH1036387 A JP H1036387A
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ginsenoside
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protein
cancer
ginsenosides
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Yoichi Shobu
洋一 清輔
Toshimi Shiragami
俊美 白神
Masayoshi Morino
眞嘉 森野
Chikao Yoshikumi
親雄 吉汲
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量16キロダルトンから40キロダルト
ンまでの間の熱ショックタンパク質(HSP27ファミ
リー)がその悪性化や温熱療法の効果の減少に関連する
癌、又はHSP27ファミリーに属するタンパク質がそ
の発症に関連する多発性硬化症などの自己免疫疾患の患
者の生理学的状態を有効に改善させ、前記病気を効果的
に治療することができる、HSP27ファミリーに属す
るタンパク質の合成抑制剤を提供する。 【解決手段】 ジンセノサイド類を有効成分として含有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジンセノサイド
類、特にジンセノサイドRg1 を有効成分として含有す
る、分子量が16キロダルトン(kD)から40kDま
での間の熱ショックタンパク質群(以下、HSP27フ
ァミリーと称する)に属するタンパク質の合成抑制剤に
関する。本発明によるHSP27ファミリーに属するタ
ンパク質の合成抑制剤は、特に、HSP27ファミリー
に属するタンパク質の組織内合成を抑制することによっ
て、HSP27ファミリーに属するタンパク質が発症、
悪性化、又は治療の障害に関与するものと考えられてい
る病気、例えば、癌、又は多発性硬化症などの患者の生
理学的状態を有効に改善させ、前記の病気を効果的に治
療することができる。
【0002】
【従来の技術】近年の化学療法、外科療法、放射線療
法、及び免疫療法などの進歩にもかかわらず、依然とし
て癌による死亡原因に癌の悪性化が直接的又は間接的に
関わっており、癌の悪性化の克服が今後の癌治療の大き
な課題の一つとなっている。癌の悪性度は、癌の増殖
性、浸潤性、又は転移性などによって定められる。悪性
化の現象の一つである転移は原発癌の種類により、転移
を起こしやすい臓器が異なる。癌の転移は複合事象であ
り、原発腫瘍の増殖、癌細胞の原発巣からの離脱と周辺
組織への浸潤・増殖から始まって、腫瘍血管新生、癌細
胞の最寄りの血管内への侵入、血流による遠隔部位への
移動と血管内皮細胞への接着・着床、更に、血管外への
浸潤、遠隔部位(転移組織)での増殖の開始に続いて新
たな腫瘍血管が新生され、やがて可視的な転移巣の形成
に至るまでの複雑な反応カスケードから成り立ってい
る。一般に、癌は、高い悪性度を有するものと、比較的
に悪性度の低いものとに分けられる。しかし、悪性度の
高い癌に対しては根本的な治療法は確立しておらず、患
者は遂には死に至ることが極めて多い。
【0003】また、癌の温熱療法(ハイパーサーミア;
hyperthermia)とは、癌組織を加温することにより、腫
瘍細胞を選択的に殺し、癌を治療しようとする方法であ
り、近年注目を浴びている。温熱療法による癌治療は、
温熱の生物学的効果をみると、41〜45℃の比較的温
和な加温で細胞致死効果が得られること、また放射線や
抗癌剤などと併用することにより相乗的な効果が得られ
ることなど、有利な点が多い。温熱療法による癌の治療
法は、臨床においてはほとんどすべての各科で試みられ
ている。しかし、温熱療法の問題点の一つは、加温後一
過性に誘導される温熱耐性である。すなわち、癌細胞が
1回目の加温により一時的に温熱耐性になるために、次
の加温による殺細胞効果が減少する。温熱耐性とは、細
胞(又は組織)を一度亜致死的な加温をすることによ
り、次の加温に対してその細胞(又は組織)が一過性に
温熱抵抗性になることである。温熱耐性のため、現在ほ
とんどの施設において温熱療法を行うのは週1〜2回に
限定されているのが現状である。
【0004】また、癌の化学療法においても、化学療法
に殆ど反応しない肺癌や大腸癌などの固型癌が依然とし
て存在する一方で、化学療法剤に反応する癌でも、やが
て抗癌剤が効かなくなる耐性化が問題となっている。1
988年のアメリカの統計によれば、1年間に診断され
た癌の49%が化学療法に最初から抵抗性を示す内因性
耐性であり、47%が当初化学療法が有効で、腫瘍がい
ったん消退した後に再発した獲得性耐性とされている。
これらの事実から、癌に対する化学療法の効果を妨げる
最も重要な問題の一つは細胞毒性薬剤に対する耐性であ
ることがわかる。
【0005】また、多発性硬化症(multiple sclerosi
s,MS)は中枢神経白質を特異的に障害する炎症性脱
髄性疾患であり、その発症機序に、神経線維を包んでい
るミエリン鞘を免疫系が攻撃することが示されている自
己免疫疾患である。多発性硬化症は多くの場合、初期に
は急性憎悪・寛解を繰り返すが、その後徐々に進行性の
経過をとるようになる。急性期の症状改善を目的とした
ものとして、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)や副腎
皮質ステロイド剤が、また寛解期での再発予防や慢性進
行型の症状進展防止を目的として、アザチオプリンやサ
イクロフォスファミドなどの免疫抑制剤が用いられてき
た。しかし、現在、多発性硬化症患者に投与されている
薬剤の多くは、その効果が期待されていたほどでなく、
非特異的な療法で副作用も多くみられるなど、十分とは
いい難いのが現状である。多発性硬化症のより特異的な
治療法の開発が期待されている。
【0006】一方、熱ショックタンパク質(heat shock
protein;HSP、ストレスタンパク質ともいう)は、
細胞を何らかのストレス、例えば熱、重金属、薬剤、ア
ミノ酸類似体、又は低酸素(低濃度酸素)などで刺激す
ることにより、細胞に発現される一群のタンパク質であ
る。熱ショックタンパク質は、自然界に普遍的に存在し
ており、細菌、酵母、植物、昆虫、及びヒトを含む高等
動物により産生される。
【0007】HSPは、その種類は多種多様であるが、
分子量の大きさからHSP90ファミリー(例えば、9
0kD又は110kDのHSPなど)、HSP70ファ
ミリー(例えば、70〜73kDのHSPなど)、HS
P60ファミリー(例えば、57〜68kDのHSPな
ど)、低分子HSPファミリー(例えば、20kD、2
5〜28kD、又は47kDのHSPなど)の4ファミ
リーに大別することができる。なお、本明細書において
は、特定分子量を有するHSPを、HSPとその直後に
記載する数字とによって示すものとし、例えば、分子量
27kDのHSPを『HSP27』と称するものとす
る。以上のように、HSPには多くの種類が存在する
が、これらは分子量だけでなく、構造、機能、又は性質
などもそれぞれ異なるものである。ストレスへの応答に
加えて、これらのタンパク質の中には構成的に合成され
るものがあり、正常な環境の下で、タンパク質のフォー
ルディング、アンフォールディング、タンパク質サブユ
ニットの会合、タンパク質の膜輸送のような、必須の生
理的な役割を演じていることが示されている。熱ショッ
クタンパク質としてのこれらの機能は、分子シャペロン
と称される。
【0008】HSP27ファミリーに属するタンパク質
の発現は、ヒト乳癌において、リンパ節転移、リンパや
血管への浸潤、より短い生存率との間に顕著な相関があ
る("J. Natl. Cancer Inst." 83: 170-178, 1991)。胃
癌においてもHSP27ファミリーに属するタンパク質
はネガティブな予後因子であるとの報告がある("Br.J.
Surg.", 78: 334-336, 1991)。HSP27ファミリー
に属するタンパク質の原発癌細胞における発現レベルが
癌悪性度、特に癌の再発率と正の相関があるという報告
もあるので("Breast Cancer Res. Treat.", 12: 130,
1988; "Proc.Am. Assoc. Cancer Res.", 30: 252, 19
89)、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現
を抑制することにより、癌の悪性化を防止することが可
能である。
【0009】癌の温熱療法で問題となる温熱耐性にHS
P27ファミリーに属するタンパク質が関与するという
報告がある。ヒトHSP27遺伝子をマウス又はハムス
ター細胞に導入して発現させたところ、熱ショック後に
生き残る温熱耐性の細胞がHSP27のタンパク質の量
に依存して誘導され増加する("J. Cell. Biol.", 109
: 7-15, 1989)。また、チャイニーズハムスター細胞
で、HSP27を定常的に発現するようになった変異株
が熱耐性を獲得できるようになる("J. Cell. Physio
l.", 137 : 157, 1988)。α−Bクリスタリンは、熱シ
ョック処理で誘導され、HSP27とアミノ酸配列の相
同性が高いタンパク質であり、HSP27ファミリーに
属するタンパク質の一つであるが、α−Bクリスタリン
を過剰発現させた細胞も熱ストレスに対する耐性を獲得
する("J. Cell. Biol.", 125 : 1385-1393, 1994)。こ
のことは、HSP27ファミリーに属するタンパク質の
発現を抑制することにより、温熱耐性を抑え、癌に対す
る温熱療法の効果を増強する可能性を示している。ま
た、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現と
薬剤耐性とが相関するとの報告もあるので("Breast Ca
ncer Res. Treat.", 23:178, 1992; "Cancer Res.", 5
1: 5245-5252, 1991)、HSP27ファミリーに属する
タンパク質の発現を抑制することにより、薬剤耐性を抑
え、化学療法の効果を増強することも可能である。
【0010】多発性硬化症における免疫的に優性な抗原
が、HSP27ファミリーに属するタンパク質であるα
−Bクリスタリンであることが突き止められている("N
ature", 375 : 739-740, 1995)。α−Bクリスタリン
は、多発性硬化症患者の神経組織中での発現が、非発病
者の組織中での発現よりも強く、非常に免疫原性が高い
("Nature", 375 : 798-801, 1995)。これらの事実は、
多発性硬化症で自己抗原となっているのは、HSP27
ファミリーに属するタンパク質の1種であるα−Bクリ
スタリンであり、ミエリン鞘におけるα−Bクリスタリ
ンの発現を抑制することが多発性硬化症の根本的治療に
結び付くことを示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
情に鑑み、癌や多発性硬化症などの病気の患者の生理学
的状態を有効に改善することができ、前記の病気を効果
的に治療することのできる方法を開発するために、HS
P27ファミリーに属するタンパク質に対して合成抑制
作用を示す化合物に関して、種々検討を重ねてきた。そ
の結果、本発明者らは、意外にも、ニンジン又はコウジ
ン等の成分であるジンセノサイド類、特にジンセノサイ
ドRg1 が、病態を示す組織の細胞におけるHSP27
ファミリーに属するタンパク質の合成を特異的に抑制す
ることを見出した。すなわち、ジンセノサイド類を投与
することにより、細胞内でのHSP27ファミリーに属
するタンパク質の合成が抑制され、従って、癌や多発性
硬化症などの病気の治療が可能であることを見出したの
である。本発明はこうした知見に基づくものであり、癌
や多発性硬化症などの病気を効果的に治療することので
きる、HSP27ファミリーに属するタンパク質の合成
抑制剤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、ジン
セノサイド類、特にジンセノサイドRg1 を有効成分と
して含有することを特徴とする、分子量16キロダルト
ンから40キロダルトンまでの間の熱ショックタンパク
質(すなわち、HSP27ファミリーに属するタンパク
質)の合成抑制剤に関する。本明細書において、「HS
P27ファミリー」とは、前記のとおり、分子量が16
kD〜40kDの熱ショックタンパク質群を意味する。
HSP27ファミリーに属するタンパク質としては、例
えば、哺乳動物のHSP27(すなわち、分子量27k
Dの熱ショックタンパク質)〔若しくはHSP28(す
なわち、分子量28kDの熱ショックタンパク質)〕、
トリのHSP25(すなわち、分子量25kDの熱ショ
ックタンパク質)、又は酵母のHSP26(すなわち、
分子量26kDの熱ショックタンパク質)などを挙げる
ことができる。なお、一般的に、タンパク質の分子量
は、例えば、分子量測定方法又は実験条件などの違いに
より多少の差が生じるので、HSP27ファミリーに属
するタンパク質の中には、例えば、哺乳動物におけるH
SP27とHSP28とのように、分子量表記が異なっ
ていても、それらがアミノ酸配列の異なる別異のタンパ
ク質であるのか、あるいは単に分子量表記のみが外見上
異なる同一のタンパク質であるのかが、現在のところ明
らかではないものも含まれている。HSP27ファミリ
ーに属するタンパク質は、前記の低分子HSPファミリ
ーに属する熱ショックタンパク質のうち哺乳動物におい
て最も主要な熱ショックタンパク質であり、生物種を超
えてよく保存された特徴を示す。しかし、HSP27フ
ァミリーに属するタンパク質は、他の熱ショックタンパ
ク質とは異なり、種ごとに異なる分子量を有しており、
分子量16kD〜40kDと、非常に多様なタンパク質
である。また、HSP27とアミノ酸配列の相同性の高
いα−Bクリスタリンも熱ショック処理で誘導され、H
SP27ファミリーに属するタンパク質の一つである
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の合成抑制剤は、有効成分としてジンセノ
サイド類を含有する。本明細書においてジンセノサイド
類(ギンセノシド類;ginsenosides)と
は、例えば、ジンセノサイドRo(ギンセノシドRo;
ginsenoside Ro;チクセツサポニンV;
chikusetsusaponinV;サポニンA;
saponin A)、ジンセノサイドRa1 (ギンセ
ノシドRa1 ;ginsenoside Ra1 )、ジ
ンセノサイドRa2 (ギンセノシドRa2 ;ginse
noside Ra2 )、ジンセノサイドRb1 (ギン
セノシドRb1 ;ginsenoside Rb1 ;サ
ポニンD;saponin D)、ジンセノサイドRb
2 (ギンセノシドRb2 ;ginsenoside R
2 )、ジンセノサイドRb3 (ギンセノシドRb3
ginsenoside Rb3 )、ジンセノサイドR
c(ギンセノシドRc;ginsenoside R
c)、ジンセノサイドRd(ギンセノシドRd;gin
senoside Rd)、ジンセノサイドRe(ギン
セノシドRe;ginsenoside Re)、ジン
セノサイドRf(ギンセノシドRf;ginsenos
ideRf)、ジンセノサイドRg1 (ギンセノシドR
1 ;ginsenoside Rg1 )、ジンセノサ
イドRg2 (ギンセノシドRg2 ;ginsenosi
de Rg2 ;チクセツサポニンI;chikuset
susaponinI)、ジンセノサイドRg3 (ギン
セノシドRg3 ;ginsenosideRg3 )、ジ
ンセノサイドRh1 (ギンセノシドRh1 ;ginse
noside Rh1 )、ジンセノサイドRh2 (ギン
セノシドRh2 ;ginsenoside Rh2 )、
20−グルコジンセノサイドRf(20−グルコギンセ
ノシドRf;20−glucoginsenoside
Rf)、マロニルジンセノサイドRb1 (マロニルギ
ンセノシドRb1 ;maronylginsenosi
de Rb1 )、マロニルジンセノサイドRb2 (マロ
ニルギンセノシドRb2 ;maronylginsen
oside Rb2 )、マロニルジンセノサイドRc
(マロニルギンセノシドRc;maronylgins
enosideRc)、マロニルジンセノサイドRd
(マロニルギンセノシドRd;maronylgins
enoside Rd)、チクセツサポニンIa(ch
ikusetsusaponin Ia)、チクセツサ
ポニンIb(chikusetsusaponin I
b)、チクセツサポニンIII (chikusetsus
aponin III )、チクセツサポニンIV(chik
usetsusaponinIV;サポニンB;sapo
nin B)、チクセツサポニンIVa (chikuse
tsusaponin IVa ;サポニンC;sapon
in C)、プロトパナキサジオール(protopa
naxadiol)、プロトパナキサトリオール(pr
otopanaxatriol)、オレアノール酸(o
leanolic acid)等、又はこれらの化合物
の立体異性体を意味する。本発明においては、それらの
ジンセノサイド類は、単独で用いることもできるし、あ
るいは、異なる複数のジンセノサイド類を組み合わせて
同時に用いることもできる。
【0014】本発明の合成抑制剤において有効成分とし
て使用することのできるジンセノサイド類としては、特
に、ジンセノサイドRg1 が最も好適である。ジンセノ
サイドRg1 (ギンセノシドRg1 ;ginsenos
ide Rg1 )は、式(I):
【化1】 (式中、Glcはβ−D−グルコピラノシル基である)
で表され、分子式C427214及び分子量801.03
の化合物であり、例えば、ニンジン又はコウジン等の生
薬に含まれている。
【0015】本発明の合成抑制剤に含有されるジンセノ
サイド類は、化学合成によって、又は天然物から抽出し
て精製することによって、調製することができる。ある
いは、市販品を用いてもよい。本発明の合成抑制剤にお
いて有効成分として用いるジンセノサイド類を、天然物
から抽出する場合には、例えば、ジンセノサイド類を含
有する植物の全体又は一部分(例えば、全草、葉、根、
根茎、茎、根皮、若しくは花)をそのまま用いて、又は
簡単に加工処理(例えば、乾燥、切断、湯通し、蒸気加
熱、若しくは粉末化)したもの(例えば、生薬)を用い
て抽出する。抽出条件は一般的に植物抽出に用いられる
条件ならば特に制限はない。ジンセノサイド類を含有す
る植物としては、これに限定するものではないが、例え
ば、ウコギ科(Araliaceae)のオタネニンジ
ン(Panax ginseng C.A.Meye
r;Panax schinseng Nees)、ト
チバニンジン〔Panaxjaponicus C.
A.Meyer;Panax schinsengNe
es var.japonicum Makino;P
anax pseudo−ginseng(Wil
l.) subsp. japonicus Har
a〕、サンシチニンジン〔Panax notogin
seng(Burkill) F.H.Chen;Pa
nax sanchi Hoo;Panaxpseud
o−ginseng Wallich var.not
oginseng(Burkill) Hoo et
Tseng〕、又はアメリカニンジン(Panax q
uinquefolium L.)等を使用することが
できる。
【0016】本発明におけるジンセノサイド類を生薬か
ら抽出する場合、これに限定するものではないが、例え
ば、ニンジン又はコウジンから抽出することが好まし
い。ニンジン(人参:Ginseng Radix)と
は、オタネニンジンの細根を除いた根又はこれを軽く湯
通ししたものを意味し、それらの部分を単独であるいは
任意に組み合わせて使用することができる。また、コウ
ジン(紅参;Red Ginseng;Ginseng
Radix Rubra)とは、オタネニンジンの根
を蒸したものを意味し、それらの部分を単独であるいは
任意に組み合わせて使用することができる。
【0017】本発明による合成抑制剤において有効成分
として用いることのできるニンジン抽出物又はコウジン
抽出物は、前記のジンセノサイド類、特にジンセノサイ
ドRg1 を含有していればよく、従って、ニンジン又は
コウジンの粗抽出物を用いることができる。本発明で用
いることのできるニンジン抽出物又はコウジン抽出物の
製造方法としては、ニンジン又はコウジンを、水(例え
ば、温水、好ましくは熱湯)によって抽出するか、又は
有機溶媒を用いて抽出することによって、得ることがで
きる。有機溶媒としては、例えば、炭素数1〜6のアル
コール(例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、若しくはブチルアルコール)、脂肪酸エステル(例
えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、若しく
は酢酸ブチル)、ケトン(例えば、アセトン若しくはメ
チルイソブチルケトン)、エーテル、石油エーテル、n
−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン、炭
化水素のハロゲン誘導体(例えば、四塩化炭素、ジクロ
ロメタン、若しくはクロロホルム)、ピリジン、グリコ
ール(例えば、プロピレングリコール、若しくはブチレ
ングリコール)、ポリエチレングリコール、又はアセト
ニトリルなどを用いることができ、これらの有機溶媒を
単独、又は適宜組み合わせ、一定の比率で混合し、更に
は無水又は含水状態で用いることができる。好ましく
は、メチルアルコール等が望ましい。水抽出又は有機溶
媒抽出の方法としては、通常の生薬抽出に用いられる方
法を用いることができ、例えば、(乾燥)ニンジン又は
コウジン1重量部に対し、水又は有機溶媒3〜300重
量部を用いて、攪拌しながら、その沸点以下の温度で加
熱還流、あるいは常温で超音波抽出することが望まし
い。抽出工程は、通常は5分〜7日間、好ましくは10
分〜24時間実施し、必要に応じて、攪拌等の補助的手
段を加えることにより、抽出時間を短縮することができ
る。
【0018】抽出工程終了後、濾過又は遠心分離等の適
当な方法により、水又は有機溶媒抽出液から、不溶物を
分離して粗抽出物を得ることができる。なお、本発明の
合成抑制剤において、天然物より抽出、分画したジンセ
ノサイド類、特にジンセノサイドRg1 を用いる場合に
は、前記の粗抽出物を特に精製することなく、そのまま
使用してもよい。常法による熱水抽出物又は有機溶媒抽
出物の他に、前記の粗抽出物を各種有機溶媒又は吸着剤
等により、更に処理した精製抽出物も、本発明の合成抑
制剤の有効成分として用いることができる。これらの粗
抽出物及び各種の精製処理を終えた精製抽出物を含むニ
ンジン抽出物又はコウジン抽出物は、抽出したままの溶
液を用いても、溶媒を濃縮したエキスを用いても良い
し、溶媒を留去し乾燥した粉末、更には結晶化して精製
したもの、あるいは粘性のある物質を用いても良く、ま
たそれらの希釈液を用いることもできる。こうして得ら
れたニンジン抽出物又はコウジン抽出物は、ニンジン又
はコウジンに含まれるジンセノサイド類を混合物として
含み、同時に原料のニンジン又はコウジンに由来する不
純物を含んでいる。
【0019】本発明の合成抑制剤は、ジンセノサイド
類、又はジンセノサイド類を含有する植物の抽出物、例
えば、ジンセノサイド類を含有する生薬の抽出物(特に
は、ニンジン抽出物又はコウジン抽出物)を、それ単独
で、又は好ましくは製剤学的若しくは獣医学的に許容す
ることのできる通常の担体と共に、動物、好ましくは哺
乳動物(特にはヒト)に投与することができる。投与剤
型としては、特に限定がなく、例えば、散剤、細粒剤、
顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン剤、
シロップ剤、エキス剤、若しくは丸剤等の経口剤、又は
注射剤、外用液剤、軟膏剤、坐剤、局所投与のクリー
ム、若しくは点眼薬などの非経口剤を挙げることができ
る。これらの経口剤は、例えば、ゼラチン、アルギン酸
ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ぶど
う糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキ
ストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、大
豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステア
リン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸
マグネシウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸アルミニウ
ムなどの賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢
剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯
味剤、安定化剤、保湿剤、防腐剤、又は酸化防止剤等を
用いて、常法に従って製造することができる。例えば、
1重量部のジンセノサイドRg1と99重量部の乳糖と
を混合して充填したカプセル剤などである。
【0020】非経口投与方法としては、注射(皮下、静
脈内等)、又は直腸投与等が例示される。これらのなか
で、注射剤が最も好適に用いられる。例えば、注射剤の
調製においては、有効成分としてのジンセノサイド類
(特にはジンセノサイドRg1 )、又はジンセノサイド
類を含有する植物の抽出物、例えば、ジンセノサイド類
を含有する生薬の抽出物(特には、ニンジン抽出物又は
コウジン抽出物)の他に、例えば、生理食塩水若しくは
リンゲル液等の水溶性溶剤、植物油若しくは脂肪酸エス
テル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖若しくは塩化ナトリウ
ム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁
化剤、又は乳化剤等を任意に用いることができる。ま
た、本発明の合成抑制剤は、徐放性ポリマーなどを用い
た徐放性製剤の手法を用いて投与してもよい。例えば、
本発明の合成抑制剤をエチレンビニル酢酸ポリマーのペ
レットに取り込ませて、このペレットを治療すべき組織
中に外科的に移植することができる。
【0021】本発明の合成抑制剤は、これに限定される
ものではないが、ジンセノサイド類を、0.01〜99
重量%、好ましくは0.1〜80重量%の量で含有する
ことができる。また、ジンセノサイド類を含有する植物
の抽出物、例えば、ジンセノサイド類を含有する生薬の
抽出物(特には、ニンジン抽出物又はコウジン抽出物)
を有効成分として含有する本発明の合成抑制剤は、その
中に含まれるジンセノサイド類(特にはジンセノサイド
Rg1 )が前記の量範囲になるように適宜調整して、調
製することができる。なお、ジンセノサイド類を含有す
る植物の抽出物、例えば、ジンセノサイド類を含有する
生薬の抽出物(特には、ニンジン抽出物又はコウジン抽
出物)を有効成分として含有する合成抑制剤を、経口投
与用製剤とする場合には、製剤学的に許容することので
きる担体を用いて、製剤化することが好ましい。
【0022】本発明の合成抑制剤を用いる場合の投与量
は、病気の種類、患者の年齢、性別、体重、症状の程
度、又は投与方法などにより異なり、特に制限はない
が、ジンセノサイドRg1 量として通常成人1人当り1
mg〜10g程度を、1日1〜4回程度にわけて、経口
的に又は非経口的に投与する。更に、用途も医薬品に限
定されるものではなく、種々の用途、例えば、機能性食
品や健康食品として飲食物の形で与えることも可能であ
る。
【0023】
【作用】上記したように、本発明の合成抑制剤に含有さ
れるジンセノサイド類、特にジンセノサイドRg1 は、
細胞内のHSP27ファミリーに属するタンパク質の合
成を特異的に抑制する作用があるので、前記ジンセノサ
イド類を投与すると細胞でのHSP27ファミリーに属
するタンパク質の生合成が特異的に減少する。従って、
前記ジンセノサイド類は、例えば、HSP27ファミリ
ーに属するタンパク質がその悪性化に関連する癌の予防
及び治療、HSP27ファミリーに属するタンパク質が
その療法への障害となる温熱耐性に関連する癌温熱療法
の効果の増強、又はHSP27ファミリーに属するタン
パク質がその発症に関連する多発性硬化症などの自己免
疫疾患の予防及び治療などに使用することができる。ま
た、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現と
薬剤耐性とが相関するとの報告もあるので("Breast Ca
ncer Res. Treat.", 23: 178, 1992; "Cancer Res.",
51: 5245-5252, 1991)、HSP27ファミリーに属する
タンパク質の発現を抑制することにより、薬剤耐性を抑
え、化学療法の効果を増強することも可能である。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:ヒト培養癌細胞のHSP発現量の測定 (1)ヒト培養癌細胞の培養 ヒト神経腫瘍細胞株(神経芽細胞腫)SK−N−MC
(ATCC HTB 10)を、非必須アミノ酸(L−
アラニン8.9mg/l、L−アスパラギン・H2 O1
5.0mg/l、L−アスパラギン酸13.3mg/
l、L−グルタミン酸14.7mg/l、グリシン7.
5mg/l、L−プロリン11.5mg/l及びL−セ
リン10.5mg/l)及び10%非働化ウシ胎児血清
を含むMEM培地中で、5%二酸化炭素条件下で、熱シ
ョック処理時以外は、37℃で培養した。
【0025】(2)ジンセノサイドRg1 処理及び熱シ
ョック処理 播種2日後の前記ヒト神経腫瘍細胞株SK−N−MCの
培地中に、最終濃度100μMになるように前記式
(I)で表されるジンセノサイドRg1 (松浦薬業)を
添加し、24時間培養した。その後、45℃にて15分
間熱ショック処理をしてから、37℃にて終夜培養し
た。対照試験は、ジンセノサイドRg1 を添加しないこ
と以外は前記と同様に実施した。
【0026】(3)ヒト培養癌細胞でのHSP発現量の
測定 前項(2)で処理した各細胞を、以下に示す方法により
ホモジナイズし、HSP発現量をウェスタンブロット法
にて測定した。すなわち、前項(2)で処理した細胞
を、リン酸緩衝生理食塩水〔組成:KCl=0.2g/
l,KH2 PO4 =0.2g/l,NaCl=8g/
l,Na2HPO4 (無水)=1.15g/l;以下、
PBS(−)と称する〕で洗浄した後、ライシスバッフ
ァー(lysis buffer)〔1.0%NP−4
0、0.15M塩化ナトリウム、50mMトリス−HC
l(pH8.0)、5mM−EDTA、2mM−N−エ
チルマレイミド、2mMフェニルメチルスルホニルフル
オリド、2μg/mlロイペプチン及び2μg/mlペ
プスタチン〕1mlを加え、氷上で20分間静置した。
その後、4℃で12000rpmにて、20分間、遠心
を行った。遠心後の上清10μlをPBS(−)790
μlに加え、更にプロテインアッセイ染色液(Dye Reag
ent Concentrate : バイオラッド,カタログ番号500-00
06)200μlを加えた。5分間、室温にて静置した
後、595nmで吸光度を測定してタンパク質定量を行
った。
【0027】タンパク質定量を行った試料を用いて、L
aemmliのバッファー系(Laemmli, N. K., "Natur
e", 283 : pp. 249-256, 1970)にて、等量のタンパク質
を含むライセートのSDSポリアクリルアミドゲル電気
泳動を行った。電気泳動後、ブロッティング及びそれに
続くブロッキングを行った。すなわち、タンパク質転写
装置(Trans-Blot Electrophoretic Transfer Cell:バ
イオ・ラッド,カタログ番号170-3946)を用いて、室温
にて100Vにて、0.45μmニトロセルロース膜
(Schleicher & Schuell,カタログ番号401196)にゲル
を密着させ、3時間ブロッティングを行った。ブロッテ
ィングバッファーとしては、0.025Mトリス及び
0.192MグリシンよりなりpH8.5に調整された
トリスグリシンバッファー(Tris Gly Running and Blo
tting Buffer;Enprotech, 米国マサチューセッツ州,
カタログ番号 SA100034)にメチルアルコールを20%に
なるように加えて調製したバッファーを用いた。ブロッ
ティング後、ニトロセルロース膜を10%スキムミルク
(雪印乳業)−PBS(−)溶液に室温にて30分間、
インキュベートし非特異的結合をブロックした。
【0028】ブロッキング後、ニトロセルロース膜の上
で、抗ヒトHSP27マウスモノクローナル抗体(Stre
ssGen, Victoria, B.C., Canada, カタログ番号 SPA-8
00)により、1次抗体反応を行った。この抗ヒトHSP
27マウスモノクローナル抗体は、ヒト乳癌細胞株MC
F7(ATCC HTB 22)より単離したHSP2
4を免疫原として作製した抗体であり("Cancer Res.",
42, 4256-4258, 1982)、HSP27(ヒトHSP2
7、チンパンジーHSP27、及びヒツジHSP27)
と特異的に反応し("Cancer Res.", 42, 4256-4258, 1
982 ; "Cancer Res.", 43, 4297-4301, 1983)、HSP
24及びHSP28とも特異的に反応する。1次抗体反
応後、PBS(−)で5分間ずつ、溶液を取り替えて2
回の洗浄をスロー・ロッキング・シェイカーによって行
い、更にPBS(−)−0.1%Tween20(バイ
オ・ラッド,カタログ番号170-6531)溶液で15分間ず
つ、溶液を取り替えて4回の洗浄を行った。最終的に、
PBS(−)で5分間ずつ、2回の洗浄を行った。
【0029】洗浄終了後、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗
マウスIgG抗体(CAPPEL,カタログ番号55550)を、2
%スキムミルクを含むPBS(−)溶液で5000倍に
希釈して調製した抗体溶液5mlを用いて、2時間、2
次抗体反応を行った。反応終了後、ニトロセルロース膜
に関して、PBS(−)溶液で5分間ずつ溶液を変えて
2回、更にPBS(−)−0.1%Tween20溶液
で15分間ずつ溶液を変えて5回の洗浄をスロー・ロッ
キング・シェイカーにより行った。最後にPBS(−)
溶液で5分間ずつ2回の洗浄を行った。余分なPBS
(−)溶液を除去した後、ウェスタンブロッティング検
出試薬(ECL Western blotting detectionreagent;Ame
rsham,カタログ番号RPN2106)をニトロセルロース膜上
に振りかけ、1分間インキュベートした後、余分な検出
試薬を除去し、ニトロセルロース膜をラップに包み、反
応面をX線フィルム(コダック X-OMAT, AR, カタログ
番号165 1454)に密着させて露光し、現像してHSP2
7の有無の検討を行った。
【0030】対照試験、すなわち、ジンセノサイドRg
1 を添加しなかった神経腫瘍細胞株SK−N−MCで
は、分子量約27kDのバンドが一本検出された。な
お、分子量は、前記抗ヒトHSP27マウスモノクロー
ナル抗体との結合、及び分子量マーカー(ダイズトリプ
シンインヒビター及びウシカーボニックアンヒドラー
ゼ)により決定した。ジンセノサイドRg1 を添加した
神経腫瘍細胞株SK−N−MCでは、相当するバンドが
極めて薄いバンドであった。すなわち、ジンセノサイド
Rg1 は、HSP27の発現を抑制する合成抑制剤の活
性を有するものと結論することができる。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、ジンセノサイド
類、特にジンセノサイドRg1 は、細胞内のHSP27
ファミリーに属するタンパク質の発現を抑制する合成抑
制剤の活性を有する。従って、ジンセノサイド類、特に
ジンセノサイドRg1 を投与することにより、例えば、
HSP27ファミリーに属するタンパク質がその悪性化
や温熱療法の効果の減少に関連する癌、その発症に関連
する多発性硬化症などの自己免疫疾患の患者の生理学的
状態を有効に改善させ、前記病気を効果的に治療するこ
とができる。また、HSP27ファミリーに属するタン
パク質発現と薬剤耐性とが相関するとの報告もあるので
("Breast Cancer Res. Treat.", 23: 178,1992; "Can
cer Res.", 51: 5245-5252, 1991)、HSP27ファミ
リーに属するタンパク質の発現を抑制することにより、
薬剤耐性を抑え、化学療法の効果を増強することも可能
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/78 AGZ A61K 35/78 AGZ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジンセノサイド類を有効成分として含有
    することを特徴とする、分子量16キロダルトンから4
    0キロダルトンまでの間の熱ショックタンパク質の合成
    抑制剤。
  2. 【請求項2】 ジンセノサイド類がジンセノサイドRg
    1 である、請求項1に記載の分子量16キロダルトンか
    ら40キロダルトンまでの間の熱ショックタンパク質の
    合成抑制剤。
  3. 【請求項3】 ジンセノサイド類を含有する植物の抽出
    物を有効成分として含有することを特徴とする、分子量
    16キロダルトンから40キロダルトンまでの間の熱シ
    ョックタンパク質の合成抑制剤。
  4. 【請求項4】 ニンジン又はコウジンの抽出物を有効成
    分として含有することを特徴とする、分子量16キロダ
    ルトンから40キロダルトンまでの間の熱ショックタン
    パク質の合成抑制剤。
JP8214311A 1996-07-25 1996-07-25 Hsp27ファミリーに属するタンパク質のジンセノサイド類含有合成抑制剤 Pending JPH1036387A (ja)

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KR101206370B1 (ko) 2010-05-04 2012-11-29 충남대학교산학협력단 진세노사이드의 자가 면역 질환의 예방 및 치료 용도

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