JP6306634B2 - 食品用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、筋肉の糖取り込み促進剤、高血糖改善剤、並びに、糖尿病および/または糖尿病合併症の予防または治療剤に関する。
血液中のグルコース濃度(血糖値)は、さまざまなホルモンの作用によって常に一定範囲内に調節されている。食事などにより血糖値が上昇すると、インスリンが膵臓から血中に分泌され、筋肉細胞や脂肪細胞に作用して血液中の糖を取り込ませることで血糖値が低下する。このような血糖降下作用を有するホルモンはインスリンだけである。そのため、インスリンの分泌や感受性に異常がある場合には、血糖値が常に高値を示す高血糖状態となり、糖尿病へと進展する。
血液中から細胞への糖取り込みは、GLUT(グルコーストランスポーター(glucose transporter):糖輸送体)が担っており、筋肉細胞や脂肪細胞は、インスリン応答性のGLUT tyep4(GLUT4)を発現している。GLUT4はインスリン非存在下ではほとんどが細胞内に局在し、糖取り込みには関与していないが、インスリン刺激が加わると、細胞内から細胞膜上に移動(トランスロケーション(translocation))し、糖取り込み活性を発揮する。筋肉や脂肪組織におけるインスリンによる糖取り込み活性の顕著な増加は、主としてGLUT4の細胞膜移行によるものと考えられている。
メタボリックシンドロームは肥満者が高血糖、高脂血症もしくは高血圧を併発した状態であり、動脈硬化発症の危険要因として知られる。また、高血糖状態より進展した糖尿病は、網膜症や神経障害、腎症などの合併症が生じ、重篤になると意識障害を来すことがある。肥満者の内臓脂肪では、インスリン感受性を低下させるTNF−αの産生が増加しており、これが筋肉細胞のインスリン感受性を低下させる(インスリン抵抗性)。インスリン抵抗性となった筋肉細胞は、インスリン刺激によるGLUT4の細胞膜移行が阻害されており、糖取り込み活性が上昇しない。その結果、血糖が筋肉細胞にうまく取り込まれず、食後に上昇した血糖値が下がりにくい状態に陥る。
糖尿病患者では、筋肉、特に骨格筋における糖の取り込み量が減少していることが明らかにされており(非特許文献1〜3)、筋肉細胞の糖取り込み促進作用を指標とした糖尿病治療薬やポリフェノールのスクリーニングも行われ(非特許文献4〜5)、筋肉細胞の糖取り込み促進作用を有する組成物が提案されている(特許文献1〜2)。
特開2009−51751号公報 特開2011−140457号公報
The Journal of clinical investigation,1985年,76巻,149-155頁 Diabetologia,2000年,43巻,821-835頁 Biochemical Society transactions,2005年,33巻,354-357頁 J. Med. Chem.,1998年11月5日,41巻,23号,4556-4566頁 Mol. Nutr. Food. Res.,2011年,55巻,3号,467-475頁 J. Agric. Food Chem., 2013年年,61巻,14号,3351-3363頁 J. Ethnopharmacol.,2012年,140巻,2号,325-332頁 Phytomedicine,2012年,19巻,3-4号,239-244頁 Am. J. Chin. Med.,2009年,37巻,3号,597-608頁 Food Chem. Toxicol.,2010年,48巻,6号,1461-1465頁 Int. J. Bio. Macromol.,2011年,49巻,3号,255-259頁
本発明は、筋肉、特に、骨格筋および心筋の糖取り込み促進剤、およびこれを含有する高血糖改善剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、特定のトリテルペン類(トリテルペノイド)に、筋肉細胞の糖取り込みを促進する活性を見出した。また、これらトリテルペノイドによる糖取り込み促進作用はGLUT4活性化に由来することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[形態1]
オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する筋肉の糖取り込み促進剤を含有する、食品用組成物。この形態の食品用組成物によれば、骨格筋あるいは心筋などの筋肉細胞の糖取り込みを促進することができる。
[形態2]
上記形態の食品用組成物において、前記化合物が、植物抽出物由来であることとしてもよい。このような構成とすれば、毒性が低く安全性に優れた筋肉の糖取り込み促進剤を含有する食品組成物を、より容易に得ることができる。
[形態3]
上記形態の食品組成物において、前記化合物が、ナツメ抽出物由来であることとしてもよい。このような構成とすれば、より高い抽出効率にて、筋肉の糖取り込み促進剤を得て、食品組成物を得ることが可能になる。
[形態4]
本発明の他の形態によれば、GLUT4活性化食品組成物が提供される。このGLUT4活性化食品組成物は、オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する。この形態のGLUT4活性化食品組成物によれば、骨格筋あるいは心筋などの筋肉細胞において、GLUT4を活性化することにより、筋肉細胞への糖取り込みを促進することができる。
その他、本発明は、以下のような形態として実現することも可能である。
(1)本発明の一形態によれば、筋肉の糖取り込み促進剤が提供される。この筋肉の糖取り込み促進剤は、オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する。この形態の筋肉の糖取り込み促進剤によれば、骨格筋あるいは心筋などの筋肉細胞の糖取り込みを促進することができる。このような筋肉細胞の糖取り込み促進作用は、上記筋肉の糖取り込み促進剤が、少なくとも、筋肉細胞内に存在するGLUT4の細胞膜上へのトランスロケーションを促進することにより得られる。
(2)上記形態の筋肉の糖取り込み促進剤において、前記化合物が、植物抽出物由来であることとしてもよい。このような構成とすれば、毒性が低く安全性に優れた筋肉の糖取り込み促進剤を、より容易に得ることができる。
(3)上記形態の筋肉の糖取り込み促進剤において、前記化合物が、ナツメ抽出物由来であることとしてもよい。このような構成とすれば、より高い抽出効率にて、筋肉の糖取り込み促進剤を得ることが可能になる。
(4)本発明の他の形態によれば、GLUT4活性化剤が提供される。このGLUT4活性化剤は、オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する。この形態のGLUT4活性化剤によれば、骨格筋あるいは心筋などの筋肉細胞において、GLUT4を活性化することにより、筋肉細胞への糖取り込みを促進することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能である。例えば、筋肉の糖取り込み促進剤を含有する高血糖改善剤の形態、あるいは、筋肉の糖取り込み促進剤を含有する、糖尿病および/または糖尿病合併症の予防または治療剤などの形態で実現することが可能である。また、糖尿病および/または糖尿病合併症の予防または治療用医薬製造のための、オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の使用の形態で実現することが可能である。また、筋肉の糖取り込み促進剤を含有する高血糖改善食品用組成物の態様、あるいは、筋肉の糖取り込み促進剤を含有する、メタボリックシンドローム、動脈硬化、糖尿病、および糖尿病合併症から選択される疾病の予防または改善のための飲食品の形態で実現することが可能である。また、筋肉の糖取り込み促進剤を患者に投与することにより、高血糖症、糖尿病、および糖尿病合併症から選択される疾病を治療する方法の形態で実現可能である。
本発明の糖取り込み促進剤および高血糖改善剤は、骨格筋および心筋の筋肉細胞において糖取り込みを促進することができる。本発明によれば、優れた糖取り込み促進作用により、高血糖症、メタボリックシンドローム、動脈硬化、糖尿病、および糖尿病合併症から選択される疾病の予防または治療剤を提供することができる。また、GLUT4活性化剤を提供することができる。
ナツメ抽出物の調製および活性成分の単離同定のスキームを示す図である。 ナツメ抽出物(酢酸エチル可溶画分)を分画して得られた画分によるL6骨格筋細胞の糖取り込み促進活性を示すグラフである(実施例1)。 ナツメ抽出物のL6骨格筋細胞に対する毒性を示すグラフである(実施例2)。 ナツメ抽出物(酢酸エチル10%および20%画分)を分画して得られた画分によるL6骨格筋細胞の糖取り込み促進活性を示すグラフである(実施例3)。 オレアノン酸、オレアノール酸、ベツロン酸、ベツリン酸、ウルソール酸、およびウルソン酸によるL6骨格筋細胞の糖取り込み促進活性を示すグラフである(実施例4)。 オレアノン酸、オレアノール酸、ベツロン酸、ベツリン酸、ウルソール酸、およびウルソン酸のL6骨格筋細胞に対する毒性を示すグラフである(実施例5)。 オレアノン酸、オレアノール酸およびフラクション9−2によるL6骨格筋細胞の糖取り込み促進活性を示すグラフである(実施例6)。 オレアノン酸、オレアノール酸、ベツロン酸、ベツリン酸、ウルソール酸、およびウルソン酸によるL6骨格筋細胞の糖取り込み促進活性に対するGLTU4阻害剤であるIndinavirの影響を調べた結果を示すグラフである(実施例7)。
(糖取り込み促進剤)
本発明の実施形態における筋肉の糖取り込み促進剤は、3位にケトン基を有するトリテルペノイド(C-3 ketone)であるオレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含む。
オレアノン酸(Oleanonic acid)は、オレアナン型トリテルペノイドの一種で、3−オキソオレアナ−12−エン−28−酸(3-oxoolean-12-en-28-oic acid)であり、下記の式(I)で表される。
Figure 0006306634
ベツロン酸(Betulonic acid)は、ルパン型トリテルペノイドの一種で、3−オキソルパ−20(29)−エン−28−酸(3-oxolupa-20(29)-en-28-oic acid)であり、下記の式(II)で表される。
Figure 0006306634
ウルソン酸(Ursonic acid)は、ウルサン型トリテルペノイドの一種で、3−オキソウルサ−12−エン−28−酸(3-oxours-12-en-28-oic acid)であり、下記の式(III)で表される。
Figure 0006306634
本発明の実施形態で用いられるオレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸から選択される化合物は、天然物由来であっても、化学合成あるいは半合成(天然物由来の化合物からの合成)により得られたものであっても良い。人体に対する毒性や安全性を考慮して、天然の植物から抽出して得られたものであることが好ましい。
本発明の実施形態において、オレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸から選択される化合物を植物から抽出する場合に、抽出に用いる植物材料としては、ナツメ(果実)を好適に用いることができる。また、オレアノン酸においてはカキ(果実)およびPistacia属植物(ナッツ、マスティックガム、樹液、樹脂、虫こぶ)、ウルソン酸においてはMyrica属植物(樹皮)も好ましく用いることができる。特に、糖取り込み促進剤の有効成分としてオレアノン酸あるいはウルソン酸を用いる場合には、抽出効率の観点から、植物材料としてナツメを用いることが望ましい。オレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸から選択される化合物は、植物から公知の方法にしたがって抽出することができる。例えば、植物またはその乾燥物もしくは粉砕物に、エタノールやメタノールなどの極性有機溶媒またはこれらと水との混合物を加え、例えば約4℃〜100℃の温度で攪拌または静置することにより抽出される。得られた抽出物は、濃縮または乾燥して用いることができる。
また、トリテルペノイドは植物中で配糖体としても存在することから、配糖体を用いてもよい。オレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸から選択される化合物の配糖体は、生体内で代謝されて糖が脱離することにより、オレアノン酸、ベツロン酸、あるいはウルソン酸としての作用を示すことが可能になる。配糖体とは、上記の化合物のカルボキシル基と、任意の糖(例えば、グルコース、フコース、ガラクトース、6−デオキシグルコース、ラムノース)の水酸基との縮合体である。
本発明の実施形態において、糖取り込み促進剤の有効成分であるオレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体から選択される化合物を、ナツメなどの植物材料から得る場合には、植物材料からの抽出物をそのまま用いても良く、抽出物からの精製物を用いても良い。精製方法としては、例えば、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、限外ろ過、および電気泳動や高速液体クロマトグラフィーなどが挙げられる。また、必要に応じてこれらの方法を組み合わせて精製を行ってもよい。
オレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸から選択される化合物を合成する方法としては、例えば、オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸を、それぞれ、3位に水酸基を有するトリテルペノイド(C-3 alcohol)であるオレアノール酸、ベツリン酸、ウルソール酸から合成する方法を挙げることができる。
オレアノール酸(Oleanolic acid)は、オレアナン型トリテルペノイドの一種で、3β−ヒドロキシオレアナ−12−エン−28−酸(3β-hydroxyolean-12-en-28-oic acid)であり、下記の式(IV)で表される。
Figure 0006306634
ベツリン酸(Betulinic acid)は、ルパン型トリテルペノイドの一種で、3β−ヒドロキシルパ−20(29)−エン−28−酸(3β-hydroxylupa-20(29)-en-28-oic acid)であり、下記の式(V)で表される。
Figure 0006306634
ウルソール酸(Ursolic acid)は、ウルサン型トリテルペノイドの一種で、3β−ヒドロキシウルサ−12−エン−28−酸(3β-hydroxyurs-12-en-28-oic acid)であり、下記の式(VI)で表される。
Figure 0006306634
オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸を合成する具体的な方法としては、例えば、上記した3位に水酸基を有するトリテルペノイドの3位水酸基を酸化する方法が挙げられる。上記3位水酸基を酸化する方法としては、例えばジョーンズ酸化が挙げられる。ジョーンズ酸化とは、無水クロム酸(酸化クロム(VI))の濃硫酸溶液であるジョーンズ試薬を酸化剤として用いて、アルコールをケトン等に酸化する周知の酸化方法である。上記酸化反応に用いる3位に水酸基を有するトリテルペノイドは、植物などの天然物から抽出したものであってもよく、化学合成したものでもよい。
本発明の実施形態における筋肉の糖取り込み促進剤は、上記したオレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含むことにより、骨格筋あるいは心筋などの筋肉細胞の糖取り込みを促進する。本願発明の実施形態の糖取り込み促進剤による糖取り込み促進作用は、少なくとも、筋肉細胞内に存在するGLUT4の細胞膜上へのトランスロケーションを上記化合物が促進することにより発現される。よって、本発明の実施形態における筋肉の糖取り込み促進剤は、オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含むGLUT4活性化剤であるということができる。
本発明の実施形態における筋肉の糖取り込み促進剤は、オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物からなる有効成分のみによって構成されていてもよく、また、さらにその他の成分を含有していてもよい。その他の成分について特に制限はなく、本願発明の効果を損なわない範囲で適宜選択可能である。
(高血糖改善剤)
本発明の実施形態の高血糖改善剤は、上記した本発明の実施形態の糖取り込み促進剤を含有し、この糖取り込み促進剤の優れた糖取り込み促進作用によって、血糖値を低下させる。したがって、高血糖症、糖尿病、糖尿病関連疾患(例えば、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、脂質代謝異常、高血圧症、脂肪肝、メタボリックシンドローム、浮腫、心不全、狭心症、心筋梗塞、動脈硬化症、高尿酸血症、痛風)、または糖尿病合併症(例えば、網膜症、腎症、神経障害、白内障、足壊疽、感染症、ケトーシス)の予防または治療剤として用いることができる。すなわち、上記各疾患の患者に投与することにより、上記各疾患の患者を治療することができる。
本発明の実施形態の高血糖改善剤の投与経路は、経口投与または非経口投与のいずれであってもよい。その剤形は、投与経路に応じて適宜選択される。例えば、注射液、輸液、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、腸溶剤、トローチ、内用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、外用液剤、湿布剤、点鼻剤、点耳剤、点眼剤、吸入剤、軟膏剤、ローション剤、坐剤、経腸栄養剤などが挙げられる。これは、症状に応じてそれぞれ単独でまたは組み合わせて用いることができる。これらの製剤には、必要に応じて、賦形剤、結合剤、防腐剤、酸化安定剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤などの医薬の製剤技術分野において通常用いられる補助剤が用いられる。
本発明の実施形態の高血糖改善剤の投与量は、投与の目的や投与対象者の状況(性別、年齢、体重など)に応じて異なる。通常、成人に対して、オレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸の合計量として、経口投与の場合、1日あたり0.01mg以上とすることができ、0.1mg以上が好ましく、1mg以上がさらに好ましい。また、経口投与の場合、一日あたり5000mg以下とすることができ、1000mg以下が好ましく、200mg以下がさらに好ましい。一方、非経口投与の場合、1日あたり0.001mg以上とすることができ、0.01mg以上が好ましく、0.1mg以上がさらに好ましい。また、非経口投与の場合、一日あたり2500mg以下とすることができ、500mg以下が好ましく、100mg以下がさらに好ましい。なお、高血糖改善剤中の有効成分として、オレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸から選択される化合物の配糖体を含む場合には、これらの配糖体を、オレアノン酸、ベツロン酸、あるいはウルソン酸に換算したときの合計値として、上記した好ましい投与量を採用することができる。
本発明の実施形態の高血糖改善剤は、上記のような医薬品としてだけでなく、医薬部外品、化粧品などとして用いることができる。医薬部外品または化粧品として用いる場合、必要に応じて、医薬部外品または化粧品などの技術分野で通常用いられている種々の補助剤とともに用いられ得る。また、溶液状、懸濁液状、シロップ状、顆粒状、クリーム状、ペースト状、ゼリー状などの所望の形状で、あるいは必要に応じて成形して使用してもよい。これらに含まれる有効成分の割合は、特に限定されず、使用目的、使用形態、および使用量に応じて適宜選択することができる。
(高血糖改善食品用組成物および飲食品)
本発明の実施形態の高血糖改善食品用組成物は、上記した本発明の実施形態の糖取り込み促進剤を含有し、上記薬理効果を備えた健康食品・健康飲料・特定保健用食品・機能性食品・栄養補助剤、その他ヒト以外の動物に対する薬剤や飼料などに用いることができる。中でも、糖類を多く含んだ飲食物素材に本発明の実施形態の高血糖改善食品組成物を添加した場合には、筋肉細胞の糖取り込み促進作用による効率的なエネルギー供給効果を奏し、また、それに伴う筋肉組織の活性化・増強・増大や肉体疲労軽減、運動能力の向上などの効果を奏することから、優れたエネルギー補助食品を提供することができる。
本発明の実施形態の高血糖改善食品用組成物を飲食品に用いる場合、必要に応じて、例えば、甘味料、香辛料、調味料、防腐剤、保存料、殺菌剤、酸化防止剤などの食品に通常用いられる添加剤とともに使用してもよい。また、溶液状、懸濁液状、シロップ状、顆粒状、クリーム状、ペースト状、ゼリー状などの所望の形状で、あるいは必要に応じて成形して使用してもよい。これらに含まれる割合は、特に限定されず、使用目的、使用形態、および使用量に応じて適宜選択することができる。
本発明の実施形態の高血糖改善食品用組成物へのオレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸から選択される化合物の配合量は、例えば、組成物を飲料などとして用いる場合は、飲料中の上記特定の化合物の合計量は、0.00001質量%以上とすることができ、0.001質量%以上とすることが好ましい。また、飲料中の上記特定の化合物の合計量は、10質量%以下とすることができ、1質量%以下とすることが好ましい。また、組成物が食品や食品素材などとして、固形状、粉末状、顆粒状、ペースト状等の形態で経口投与用として用いられる場合は、上記化合物の合計量は、0.01質量%以上とすることができ、0.1質量%以上とすることが好ましい。また、固形状等の形態で経口投与する場合の上記化合物の合計量は、80質量%以下とすることができ、20質量%以下とすることが好ましい。また、組成物を非経口投与用として用いる場合は、上記特定の化合物の合計量は、0.00001質量%以上とすることができ、0.0001質量%以上とすることが好ましい。また、非経口投与の場合の上記特定の化合物の合計量は、10質量%以下とすることができ、1質量%以下とすることが好ましい。なお、高血糖改善食品用組成物中の有効成分として、オレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸から選択される化合物の配糖体を含む場合には、これらの配糖体を、オレアノン酸、ベツロン酸、あるいはウルソン酸に換算したときの合計値として、上記した好ましい投与量を採用することができる。
以下に実施例および製造例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(調製例1:ナツメ抽出物の作製および活性成分の単離)
図1は、ナツメ抽出物の作製および活性成分の単離に係る精製スキームを示す説明図である。ナツメ乾燥果実6kgをメタノールに2週間漬けこみ、得られた抽出液を綿ろ過後、ロータリーエバポレーターで濃縮してメタノール抽出物を得た。さらに、この抽出物を酢酸エチルと水で再溶解して分液漏斗で分配し、得られた酢酸エチル可溶画分をロータリーエバポレーターで濃縮した。酢酸エチル可溶画分は、オープンカラムクロマトグラフィー(Wako−gel C−100、トルエン/酢酸エチル、ステップワイズ法)により分画した。溶出溶媒の酢酸エチル濃度を0、10、20、30、40、50、75、および100%(v/v)として溶出したのち、メタノールで溶出した。分画物はロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、糖取り込み試験(実施例1)および細胞毒性試験(実施例2)に用いた。糖取り込み促進活性を示した酢酸エチル10%および20%画分について、中圧カラムクロマトグラフィー(Wako−gel B−0、ヘキサン/酢酸エチル、ステップワイズ法)により分画した。溶出溶媒の酢酸エチル濃度を0、6、7、8、9、10、11、12、15、20、25、30、および40%(v/v)として溶出したのち、メタノールで溶出した。分画物はロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、糖取り込み試験(実施例3)に用いた。酢酸エチル15%画分を高速液体クロマトグラフィー(HPLC−PDA:Shimadzu Prominence、C18カラム:SUPELCO Discovery HS、移動相:90%(v/v)メタノール)で分取し、フラクション9−2において単一の活性化合物を得た。各種機器分析(FT−IR:Perkin Elmer System 2000、KBr法、MS:ThermoFisher Scientific Orbitrap Elite、Hおよび13C−NMR:Brukar ARX−500、CDCl)により、活性化合物はオレアノン酸であると同定した。
(調製例2:L6骨格筋細胞の作製)
L6筋芽細胞(理研バイオリソースセンター製)を2×10/mLの細胞密度になるようにMEM培地(10%(v/v)牛胎児血清含有)で調製し、96穴組織培養プレートに移し(1穴当たり200μL)、37℃の5%炭酸ガス培養器にて2日間培養した。細胞がコンフルエントになった時点で、培地をMEM培地(2%(v/v)牛胎児血清含有)に置換し、さらに細胞を37℃の5%炭酸ガス培養器にて5日間培養した(L6骨格筋細胞の作製)。次いで、培地をMEM培地(0.2%(w/v)牛血清アルブミン(BSA)含有)に置換し、さらに細胞を37℃の5%炭酸ガス培養器にて18時間培養した。このように培養したL6骨格筋細胞を、糖取り込み試験(実施例1、3、および4)、細胞毒性試験(実施例2、および5)、およびGLUT4阻害剤による糖取り込み阻害試験(実施例6)に用いた。
(調製例3:オレアノン酸、ベツロン酸およびウルソン酸の合成)
オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸は、それぞれ、オレアノール酸(Wako社製)、ベツリン酸(Extrasynthese社製)、ウルソール酸(Wako社製)の3位水酸基をジョーンズ酸化により酸化することで調製した。オレアノール酸、ベツリン酸またはウルソール酸200mgをアセトン200mLに溶解し、氷冷しながらジョーンズ試薬を反応液が緑色から赤色に変わるまで滴下した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルで分配したのち、ジエチルエーテル層をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮物は簿層クロマトグラフィーで精製し、オレアノン酸(収率78%)、ベツロン酸(収率77%)、およびウルソン酸(収率86%)を得た。
(2−デオキシグルコースの測定方法)
上記L6骨格筋細胞を用いて糖取り込みを行なわせ、L6骨格筋細胞が取り込んだ糖の量として、L6骨格筋細胞中の2−デオキシグルコース(以下、2DGと記載する)の量を測定した。2DGの測定は、次のように行った。まず、各試料(糖取り込み試験に供した後のL6骨格筋細胞を溶解させて得た混合物)を96穴プレートに1穴当たり10μL添加し、アッセイカクテル(50mM トリエタノールアミン(TEA)溶液(pH8.1)、50mM KCl、0.02%(w/v)BSA、0.1mM NADP、2μM レザズリン、2units/mL ジアホラーゼ、150units/mL グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)を1穴当たり100μL添加した。このプレートをマイクロプレートミキサーで撹拌し、37℃の5%炭酸ガス培養器にて50分間静置した。プレートの各穴について、マイクロプレートリーダー(Spectra Max M2、Molecular Probe社製)にて蛍光値(励起波長:530nm、測定波長:570nm)を測定した。2DG−6−リン酸(Santa Cruz社製)を標準物質として検量線を作成し、プレートの各穴について、2DG取り込み量を算出した。
(実施例1:ナツメ抽出物(酢酸エチル可溶画分)を分画して得られた画分のL6骨格筋細胞における糖取り込み試験)
ナツメ抽出物(酢酸エチル可溶画分)の分画物の存在下におけるL6骨格筋細胞の糖取り込みを調べた。
調製例1のオープンカラムクロマトグラフィーにより得られた酢酸エチル0〜40%画分の各々の乾固物は、10mg/mLの濃度となるようにジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、さらにMEM培地(0.2%(w/v)BSA含有)にて200倍希釈した。酢酸エチル50〜100%画分の各々の乾固物およびメタノール画分の乾固物は、10mg/mLの濃度となるようにメタノールに溶解させ、さらにMEM培地(0.2%(w/v)BSA含有)にて200倍希釈した。これにより、各々の乾固物について、各々の乾固物を50μg/mLの濃度で含有するMEM培地を調製した。0.5%(v/v)DMSOを含有するMEM培地と、0.5%(v/v)メタノールを含有するMEM培地とを陰性対照として用い、インスリンを100nM含有するMEM培地を陽性対照として用いた。
調製例2のL6骨格筋細胞の培養プレートの培地を、これらの培地に置換し(1穴当たり100μL)、さらにプレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて4時間静置した。次いで、0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液(50mM HEPES、pH7.4、137mM NaCl、4.8mM KCl、1.85mM CaCl、1.3mM MgSO)を1穴当たり100μL用いて各穴を2回洗浄した後、1mM 2DGおよび0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液を1穴当たり100μL添加し、プレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて20分間静置した。次いで、0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液を1穴当たり100μL用いて各穴を2回洗浄した後、0.1M NaOHを1穴当たり50μL添加し、プレートを60℃の乾熱滅菌器にて10分間静置した。プレートをマイクロプレートミキサーで撹拌して、細胞を溶解させた後、プレートを85℃の乾熱滅菌器にて50分間静置して乾燥させた。0.1M HClを1穴当たり50μL添加し、次いで200mM TEA溶液(pH8.1)を1穴当たり50μL添加し、プレートをマイクロプレートミキサーで撹拌した。プレートの各穴中の混合物について2DG量を測定し、陰性および陽性対照区の測定値と比較することにより、糖取り込み促進作用を評価した。
2DGの測定は、上記の各々の混合物を用いて、既述した2DGの測定方法に基づいて測定した。各穴の2DG取り込み量を算出した後、各穴の2DG取り込み量の陰性対照区(酢酸エチル0〜40%画分はDMSO処理区、酢酸エチル50〜100%画分およびメタノール画分はメタノール処理区)の2DG取り込み量に対する比を算出した。結果を図2に示す。図2および以後の説明で参照する各図において、陰性対照は用いた溶媒に応じて「DMSO」または「メタノール」と示しており、陽性対照は「インスリン」と示している。図2および以後の説明で参照する各図では、各画分あるいは各化合物について、n=6〜9として測定を行なった結果としての平均値および標準偏差を示している。図2において、「*」は、有意水準5%で陰性対照と有意差があったことを示す。
図2からわかるように、オープンカラムクロマトグラフィー分画物のうち、酢酸エチル0、10、20、30、および40%画分が高い糖取り込み促進作用を示し、酢酸エチル20%画分の糖取り込み促進作用はインスリンより強力であった。
(実施例2:ナツメ抽出物(酢酸エチル可溶画分)を分画して得られた画分の細胞毒性試験)
調製例1のオープンカラムクロマトグラフィーにより得られた酢酸エチル0〜40%画分の各々の乾固物は、10mg/mLの濃度となるようにDMSOに溶解させた。また、酢酸エチル50〜100%画分の各々の乾固物およびメタノール画分の乾固物は、10mg/mLの濃度となるようにメタノールに溶解させた。その後、各々の溶液をMEM培地(0.2%(w/v)BSA含有)にて200倍希釈し、各々の乾固物について、各々の乾固物を50μg/mLの濃度で含有するMEM培地を調製した。陰性対照として、0.5%(v/v)DMSOを含有するMEM培地と、0.5%(v/v)メタノールを含有するMEM培地とを用いた。調製例1のL6骨格筋細胞の培養プレートに、これらの培地を1穴当たり100μL添加し、プレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて24時間静置した。次いで、細胞をクリスタルバイオレット染色し、吸光度(測定波長570nm)をプレートリーダーにて測定し、陰性対照区(酢酸エチル0〜40%画分はDMSO処理区、酢酸エチル50〜100%画分およびメタノール画分はメタノール処理区)の吸光度に対する比より細胞生存率を算出した。結果を図3に示す。
図3からわかるように、いずれの分画物も、陰性対照と同等の細胞生存率を示した。すなわち、いずれの分画物も、実施例1で糖取り込み促進作用の評価に用いた濃度(50μg/mL)において細胞毒性を示さなかった。
(実施例3:ナツメ抽出物(酢酸エチル10%および20%画分)を分画して得られた画分のL6骨格筋細胞における糖取り込み試験)
実施例1において高い糖取り込み促進作用を示した酢酸エチル10%および20%画分(調製例1のオープンカラムクロマトグラフィーにより得られた酢酸エチル10%および20%画分)について、調製例1のとおり中圧カラムクロマトグラフィーにより分画した(図1参照)。得られた酢酸エチル0〜11%、15%、30%、および40%画分の各々の乾固物は、15mg/mLの濃度となるようにDMSOに溶解させた。また、酢酸エチル12%、20%、25%、およびメタノール画分の各々の乾固物は、15mg/mLの濃度となるようにメタノールに溶解させた。その後、各々の溶液をMEM培地(0.2%(w/v)BSA含有)にて200倍希釈し、各々の乾固物について、各々の乾固物を75μg/mLの濃度で含有するMEM培地を調製した。陰性対照として、0.5%(v/v)DMSOもしくは0.5%(v/v)メタノールを含有するMEM培地を用いた。陽性対照として、インスリンを100nM含有するMEM培地を用いた。
調製例2のL6骨格筋細胞の培養プレートの培地を、これらの培地に置換し(1穴当たり100μL)、さらにプレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて4時間静置した。次いで、0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液(50mM HEPES、pH7.4、137mM NaCl、4.8mM KCl、1.85mM CaCl、1.3mM MgSO)を1穴当たり100μL用いて各穴を2回洗浄した後、1mM 2DGおよび0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液を1穴当たり100μL添加し、プレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて20分間静置した。次いで、0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液を1穴当たり100μL用いて各穴を2回洗浄した後、0.1M NaOHを1穴当たり50μL添加し、プレートを60℃の乾熱滅菌器にて10分間静置した。プレートをマイクロプレートミキサーで撹拌して、細胞を溶解させた後、プレートを85℃の乾熱滅菌器にて50分間静置して乾燥させた。0.1M HClを1穴当たり50μL添加し、次いで200mM TEA溶液(pH8.1)を1穴当たり50μL添加し、プレートをマイクロプレートミキサーで撹拌した。プレートの各穴中の混合物について2DG量を測定し、陰性および陽性対照区の測定値と比較することにより、糖取り込み促進作用を評価した。
2DGの測定は、上記の各々の混合物を用いて、既述した2DGの測定方法に基づいて測定した。各穴の2DG取り込み量を算出した後、各穴の2DG取り込み量の陰性対照区(酢酸エチル0〜11%、15%、30%、および40%画分はDMSO処理区、酢酸エチル12%、20%、25%、およびメタノール画分はメタノール処理区)の2DG取り込み量に対する比を算出した。結果を図4に示す。図4において、*は、有意水準5%で陰性対照(溶媒)と有意差があったことを示す。
図4からわかるように、中圧カラムクロマトグラフィー分画物のうち、酢酸エチル10、11、12、15、20、および25%画分が高い糖取り込み促進作用を示した。
(実施例4:トリテルペノイドのL6骨格筋細胞における糖取り込み試験)
調製例3で調製したオレアノン酸、ベツロン酸およびウルソン酸と、調製例3で用いたものと同様のオレアノール酸、ベツリン酸、およびウルソール酸を用いて、L6骨格筋細胞における糖取り込み試験を行なった。オレアノール酸、ベツリン酸、ベツロン酸、ウルソール酸、およびウルソン酸の各々を、0.4mM、2mM、および10mMの3段階の濃度となるようにDMSOに溶解させ、さらにMEM培地(0.2%(w/v)BSA含有)にて200倍希釈した。また、オレアノン酸も同様の3段階の濃度となるようにメタノールに溶解させ、さらにMEM培地(0.2%(w/v)BSA含有)にて200倍希釈した。これにより、各々のトリテルペノイドについて、濃度が2μM、10μM、および50μMであるMEM培地を調製した。陰性対照として、0.5%(v/v)DMSOもしくは0.5%(v/v)メタノールを含有するMEM培地を用い、陽性対照として、インスリンを100nM含有するMEM培地を用いた。
調製例1のL6骨格筋細胞の培養プレートの培地を、これらの培地に置換し(1穴当たり100μL)、さらにプレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて4時間静置した。次いで、0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液(50mM HEPES、pH7.4、137mM NaCl、4.8mM KCl、1.85mM CaCl、1.3mM MgSO)を1穴当たり100μL用いて各穴を2回洗浄した後、1mM 2DGおよび0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液を1穴当たり100μL添加し、プレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて20分間静置した。次いで、0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液を1穴当たり100μL用いて各穴を2回洗浄した後、0.1M NaOHを1穴当たり50μL添加し、プレートを60℃の乾熱滅菌器にて10分間静置した。プレートをマイクロプレートミキサーで撹拌して、細胞を溶解させた後、プレートを85℃の乾熱滅菌器にて50分間静置して乾燥させた。0.1M HClを1穴当たり50μL添加し、次いで200mM TEA溶液(pH8.1)を1穴当たり50μL添加し、プレートをマイクロプレートミキサーで撹拌した。プレートの各穴中の混合物について2DG量を測定し、陰性および陽性対照区の測定値と比較することにより、糖取り込み促進作用を評価した。
2DGの測定は、上記の各々の混合物を用いて、既述した2DGの測定方法に基づいて測定した。各穴の2DG取り込み量を算出した後、各穴の2DG取り込み量の陰性対照区(オレアノール酸、ベツリン酸、ベツロン酸、ウルソール酸、およびウルソン酸はDMSO処理区、オレアノン酸はメタノール処理区)の2DG取り込み量に対する比を算出した。結果を図5に示す。図5において、*は、有意水準5%で陰性対照(溶媒)と有意差があったことを示す。
図5からわかるように、3位にケトン基を有するトリテルペノイドであるオレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸は、2μM〜50μMの濃度範囲にわたって濃度依存的な糖取り込み活性化作用を示した。これに対して、3位に水酸基を有するトリテルペノイドのうちのオレアノール酸およびウルソール酸の糖取り込み活性化作用は、明確な濃度依存性を示さなかった。また、オレアノン酸およびベツロン酸は10μM以上、ウルソン酸は50μMでインスリンと同等もしくはそれ以上の強い活性を示した。また、3位にケトン基を有するオレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸は、3位に水酸基を有するオレアノール酸、ベツリン酸、およびウルソール酸よりも顕著な糖取り込み活性化作用を示した。具体的には、オレアノン酸およびベツロン酸はそれぞれ、2μMから50μMの範囲のいずれの濃度においても、オレアノール酸あるいはベツリン酸よりも高い糖取り込み活性化作用を示した。また、ウルソン酸は、10μM〜50μMのいずれの濃度においても、ウルソール酸よりも高い糖取り込み活性化作用を示した。
(実施例5:トリテルペノイドの細胞毒性試験)
調製例3で調製したオレアノン酸、ベツロン酸およびウルソン酸と、調製例3で用いたものと同様のオレアノール酸、ベツリン酸、およびウルソール酸を用いて、細胞毒性試験を行なった。オレアノール酸、ベツリン酸、ベツロン酸、ウルソール酸、およびウルソン酸の各々を、10mMの濃度となるようにDMSOに溶解させ、さらにMEM培地(0.2%(w/v)BSA含有)にて200倍希釈した。また、オレアノン酸を、10mMの濃度となるようにメタノールに溶解させ、さらにMEM培地(0.2%(w/v)BSA含有)にて200倍希釈した。これにより、各々のトリテルペノイドについて、濃度が50μMであるMEM培地を調製した。陰性対照として、0.5%(v/v)DMSOもしくは0.5%(v/v)メタノールを含有するMEM培地を用いた。調製例1のL6骨格筋細胞の培養プレートに、これらの培地を1穴当たり100μL添加し、プレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて24時間静置した。次いで、細胞をクリスタルバイオレット染色し、吸光度(測定波長570nm)をプレートリーダーにて測定し、陰性対照区(オレアノール酸、ベツリン酸、ベツロン酸、ウルソール酸、およびウルソン酸はDMSO処理区、オレアノン酸はメタノール処理区)の吸光度に対する比より細胞生存率を算出した。結果を図6に示す。
図6からわかるように、オレアノン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸のいずれも、実施例4で糖取り込み促進作用の評価に用いた最高濃度(50μg/mL)において細胞毒性を示さなかった。なお、オレアノール酸およびウルソール酸は、陰性対照に比べて有為に細胞生存率が低く、50μg/mLの濃度において細胞毒性が認められた。すなわち、3位にケトン基を有するオレアノン酸およびウルソン酸は、3位に水酸基を有するオレアノール酸およびウルソール酸よりも高い安全性を示した。
(実施例6:オレアノール酸、オレアノン酸およびフラクション9−2のL6骨格筋細胞における糖取り込み試験)
実施例3において高い糖取り込み促進作用を示した酢酸エチル15%画分(調製例1の中圧カラムクロマトグラフィーにより得られた酢酸エチル15%画分)について、調製例1のとおり高速液体クロマトグラフィーにより分画した。分画して得られたフラクション9−2(オレアノン酸)と、調製例3で用いたものと同様のオレアノール酸と、調製例3で得られたオレアノン酸とを用いて、L6骨格筋細胞における糖取り込み試験を行なった。オレアノール酸は、5mg/mLの濃度となるようにDMSOに溶解させ、調製例3で得られたオレアノン酸および調製例1で得られたフラクション9−2の乾固物は、5mg/mLの濃度となるようにメタノールに溶解させ、さらにMEM培地(0.2%(w/v)BSA含有)にて200倍希釈した。これにより、各々の試料について、各々の試料を25μg/mL(55μM)の濃度で含有するMEM培地を調製した。陰性対照として、0.5%(v/v)DMSOを含有するMEM培地と、0.5%(v/v)メタノールを含有するMEM培地とを用いた。陽性対照として、インスリンを100nM含有するMEM培地を用いた。
調製例2のL6骨格筋細胞の培養プレートの培地を、これらの培地に置換し(1穴当たり100μL)、さらにプレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて4時間静置した。次いで、0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液(50mM HEPES、pH7.4、137mM NaCl、4.8mM KCl、1.85mM CaCl、1.3mM MgSO)を1穴当たり100μL用いて各穴を2回洗浄した後、1mM 2DGおよび0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液を1穴当たり100μL添加し、プレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて20分間静置した。次いで、0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液を1穴当たり100μL用いて各穴を2回洗浄した後、0.1M NaOHを1穴当たり50μL添加し、プレートを60℃の乾熱滅菌器にて10分間静置した。プレートをマイクロプレートミキサーで撹拌して、細胞を溶解させた後、プレートを85℃の乾熱滅菌器にて50分間静置して乾燥させた。0.1M HClを1穴当たり50μL添加し、次いで200mM TEA溶液(pH8.1)を1穴当たり50μL添加し、プレートをマイクロプレートミキサーで撹拌した。プレートの各穴中の混合物について2DG量を測定し、陰性および陽性対照区の測定値と比較することにより、糖取り込み促進作用を評価した。
2DGの測定は、上記の各々の混合物を用いて、既述した2DGの測定方法に基づいて測定した。各穴の2DG取り込み量を算出した後、各穴の2DG取り込み量の陰性対照区(オレアノール酸はDMSO処理区、オレアノン酸およびフラクション9−2はメタノール処理区)の2DG取り込み量に対する比を算出した。結果を図7に示す。図7において、*は、有意水準5%で陰性対照(溶媒)と有意差があったことを示す。
図7からわかるように、調製例3で合成したオレアノン酸と調製例1で得たフラクション9−2とは、同等の筋肉糖取り込み誘導活性を示した。したがって、合成物および天然物のいずれにおいても活性に差異は無いことが明らかとなった。
(実施例7:GLUT4阻害剤Indinavirによるトリテルペノイドの糖取り込み促進作用の抑制)
調製例3で調製したオレアノン酸、ベツロン酸およびウルソン酸と、調製例3で用いたものと同様のオレアノール酸、ベツリン酸、およびウルソール酸を用いて、これらのトリテルペノイドの糖取り込み促進作用に対するGLUT4阻害剤の影響を調べた。GLUT4阻害剤としては、Indinavir(Sigma−Aldrich)を用いた。Indinavirは100mMの濃度となるようにDMSOに溶解させ、1mM 2DGを含有するKRH緩衝液にて1000倍希釈した。オレアノール酸、ベツリン酸、ベツロン酸、ウルソール酸、およびウルソン酸の各々を、10mMの濃度となるようにDMSOに溶解させ、さらにMEM培地(0.2%(w/v)BSA含有)にて200倍希釈した。オレアノン酸を、10mMの濃度となるようにメタノールに溶解させ、さらにMEM培地(0.2%(w/v)BSA含有)にて200倍希釈した。これにより、各々のトリテルペノイドについて、濃度が50μMであるMEM培地を調製した。陰性対照として、0.5%(v/v)DMSOもしくは0.5%(v/v)メタノールを含有するMEM培地を用い、陽性対照としてインスリンを100nM含有するMEM培地を用いた。
調製例1のL6骨格筋細胞の培養プレートの培地を、これらの培地に置換し(1穴当たり100μL)、さらにプレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて4時間静置した。次いで、0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液(50mM HEPES、pH7.4、137mM NaCl、4.8mM KCl、1.85mM CaCl、1.3mM MgSO)を1穴当たり100μL用いて各穴を2回洗浄した後、1mM 2DG、0.1%(v/v)DMSO、および0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液、もしくは、1mM 2DG、100μM Indinavir、および0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液を1穴当たり100μL添加し、プレートを37℃の5%炭酸ガス培養器にて20分間静置した。次いで、0.1%(w/v)BSAを含有するKRH緩衝液を1穴当たり100μL用いて各穴を2回洗浄した後、0.1M NaOHを1穴当たり50μL添加し、プレートを60℃の乾熱滅菌器にて10分間静置した。プレートをマイクロプレートミキサーで撹拌して、細胞を溶解させた後、プレートを85℃の乾熱滅菌器にて50分間静置して乾燥させた。その後、0.1M HClを1穴当たり50μL添加し、次いで200mM TEA溶液(pH8.1)を1穴当たり50μL添加し、プレートをマイクロプレートミキサーで撹拌した。プレートの各穴中の混合物について2DG量を測定し、陰性および陽性対照区の測定値と比較することにより、糖取り込み促進作用を評価した。
2DGの測定は、上記の各々の混合物を用いて、既述した2DGの測定方法に基づいて測定した。なお、ここでは、陰性対照区であってIndinavirを加えないサンプルの2DG取り込み量に対する比を算出した。各穴の2DG取り込み量を算出した後、各穴の2DG取り込み量の陰性対照区(オレアノール酸、ベツリン酸、ベツロン酸、ウルソール酸、およびウルソン酸はDMSO処理区、オレアノン酸はメタノール処理区)の2DG取り込み量に対する比を算出した。結果を図8に示す。図8において、*は、有意水準5%で有意差があったことを示す。
図8からわかるように、オレアノン酸、ベツリン酸、ベツロン酸、およびウルソン酸によって促進された糖取り込み活性は、Indinavirによって顕著に阻害された。したがって、これらトリテルペノイドによる糖取り込み促進作用は、GLUT4活性化に由来することが示された。
本発明の糖取り込み促進剤および高血糖改善剤は、骨格筋および心筋の筋肉細胞において優れた糖取り込み促進作用を有する。したがって、本発明の糖取り込み促進剤および高血糖改善剤を用いることによって、高血糖症、糖尿病、および糖尿病合併症から選択される疾病の予防または治療剤、並びに、高血糖、糖尿病、および糖尿病合併症から選択される疾病を予防または改善する飲食品を提供することができる。

Claims (7)

  1. オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する筋肉の糖取り込み促進剤を含有する、食品用組成物
  2. 前記化合物が、植物抽出物由来である、請求項1に記載の食品用組成物
  3. 前記化合物が、ナツメ抽出物由来である、請求項2に記載の食品用組成物
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の、高血糖改善食品用組成物
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の食品用組成物であって、糖尿病および/または糖尿病合併症の予防または治療のための食品用組成物
  6. 糖尿病または糖尿病合併症の予防または治療用食品用組成物製造のための、オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の使用。
  7. オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸、およびそれらの配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する、GLUT4活性化食品用組成物
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