JP5944695B2 - 建築用取付具 - Google Patents

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Description

本発明は、略フラット状の建築用板からなり、その隣接する建築用板同士の連結部付近に略溝形状の部位が形成された屋根,壁等の外囲体において、極めて強固に装着することができ、太陽電池パネル等の種々の構造物を外囲体に設置することができる建築用取付具に関する。
従来、折板建築用板によって、屋根(壁も含む)の金属製外囲体が施工されている。そして、施工された外囲体には、隣接する建築用板同士の連結部付近に溝状の部位が等間隔に形成されるものが存在る。これは通称「大和葺き」と言われるもので、前記溝形状部は、その幅方向が狭いものとしている。この種の外囲体では、屋根,壁としたものでは略平坦状の面である。
また、近年では、屋根に太陽電池パネルを設置する必要が多くなっている。さらに、太陽電池パネル以外のものとして、雪止め部材,緑化屋根用装置等の設置も多くなっており、このような種々の機器を外囲体に装着するための器具が大変重要な役目をなすようになっている。特に、重要なことは、外囲体に対して極めて強固に器具が装着されると、共に極めて簡単に装着されなければならない。このような太陽電池パネル,雪止め部材,緑化屋根用装置等の装置を屋根に装着する器具は、種々存在している。
実開平2−129530号公報 実開平6−24116号公報 特開2010−196422号公報
そのほとんどのものは特許文献1乃至3に示すように、屋根,壁等の外囲体を構成する建築用板同士の接続部分によって比較的大きな凹凸部分(箇所)が構成されており、これらの凹凸部分(箇所)による突起部分を利用することで器具を固し易いものとなっている。しかし、前述したような通称「大和葺き」とした外囲体では、複数本の細い溝が存在するのみで、器具の設置が困難なものとなっている。
たとえば、特許文献1では、金具(雪止め金具)によって馳締連結部の下方に位置する垂直立上り形状の首部が挟状固着されている。また、特許文献2における金具(雪止め金具)は、単純な平馳タイプの馳締連結部を挟持固定している。
また、特許文献3では、特許文献1と同様に、金具(取付具)は、馳締連結部の垂直立上り形状の首部を挟持する構造であり、その挟持状態は特許文献1の場合と略同様である。つまり、このような器具は、馳締部を有する外囲体に対しては容易に装着することができるものであるが、フラットな屋根,壁等の外囲体には不適当である。
本発明の目的(解決しようとする技術的課題)は、略フラット状の建築用板からなり、その隣接する建築用板同士の連結部付近に略溝形状の部位が形成された屋根,壁等の外囲体において、極めて強固に装着することができ、ひいては、太陽電池パネル等の種々の構造物を外囲体を容易且つ強固に設置できる建築用取付具を提供することにある。
そこで、発明者は上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を
、主板の幅方向の一端より溝形状部が形成され、該溝形状部の幅方向外端には被嵌合部が形成され、前記主板の幅方向他端側に嵌合部が形成されてなる建築用板が複数並設されると共に前記被嵌合部と前記嵌合部とが嵌合されて複数の溝状接続部が形成された外囲体に装着される建築用取付具であって、前記溝状接続部の幅方向一端側に形成され且つ前記嵌合部と被嵌合部が嵌合されることによって形成される嵌合突起部に係止可能な係止部を有する係止材と、前記主板上面側に配置されるベース材とからなり、前記係止材と前記ベース材とは螺子部材によって、前記溝状接続部の嵌合突起部に対して挟持固定されてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1において、前記係止材は係止部と連結部とからなり、該連結部と前記ベース材とが螺子部材を介して連結され、前記係止部と前記ベース材とは前記嵌合突起部に対して上下方向に挟持固定されてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項3の発明を、請求項2において、前記係止部には折返し状の係止端片が形成され、前記係止材と前記ベース材とは前記螺子部材を介して近接される構成としてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。請求項4の発明を、請求項2又は3のいずれか1項の記載において、前記螺子部材は、前記係止材又は前記ベース材のいずれか一方に螺合される構成としてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項5の発明を、請求項2,3又は4のいずれか1項の記載において、前記係止材又は前記ベース材のいずれか一方には当接部が具備されてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。請求項6の発明を、請求項2,3,4又は5のいずれか1項の記載において、前記係止材の前記連結部には前記係止部の形成されている側とは反対側端部から下方に向かって当接片が形成されてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項7の発明を、請求項1において、前記被嵌合部は、水平状板片と被嵌合端片とからなり、前記係止材と前記ベース材とは、前記嵌合突起部の主板と前記水平状板片とを挟持してなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。請求項8の発明を、請求項7において、前記係止材は、支持底部の幅方向一端から前記係止部が形成され、該係止部の上端と、前記ベース材とで前記嵌合突起部の水平状板片と主板とを挟持すると共に、前記螺子部材の締付により前記支持底部の幅方向他端側と前記ベース材とが当接する構成としてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項9の発明を、請求項8において、前記支持底部には、山形屈曲部が形成されると共に、該山形屈曲部にはボルトとした前記螺子部材のボルト頭部が収納される構成としてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。請求項10の発明を、請求項8又は9において、前記支持底部には、前記係止部の形成側とは反対側に受け部が形成され、該受け部は前記ベース材に当接する構成としてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項11の発明を、請求項9において、前記係止材は、直立状態で支持底部の幅方向一端側から上方に突出する係止部と、支持底部の幅方向他端側から突出する受け部とからなり、横倒し状態で前記溝状接続部の底板部上を回転可能とし、直立状態で前記係止部は前記嵌合突起部の下面側に位置すると共に前記受け部は、前記溝状接続部の開放側に位置し、前記受け部と前記ベース材とが当接して前記係止材と前記ベース材とが前記螺子部材を介して連結されてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。請求項12の発明を、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11のいずれか1項の記載において、2個の係止材が1個のベース材とから構成されてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項13の発明を、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又は12のいずれか1項の記載において、前記係止材と前記ベース材を介して前記外囲体に太陽光発電ユニットが装着されてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。請求項14の発明を、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又は12のいずれか1項の記載において、前記係止材と前記ベース材を介して前記外囲体に雪止め部材が装着されてなる建築用取付具としたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明では、複数の溝状接続部が形成された略平坦状の外囲体において、前記溝状接続部の幅方向一端側に形成された嵌合突起部に、建築用取付具を極めて簡単に装着することができる。さらに、建築用取付具は、主に係止材,ベース材及び螺子部材の3部材から構成され、特に、建築用取付具を装着しにくい、平坦状の外囲体への装着に好適なものであり、極めて少数の部品数にて施工できるので、施工効率も極めて良好にできる。
請求項2の発明では、請求項1において、前記係止材と前記ベース材とは螺子部材によって、前記嵌合突起部の先端部分を上下方向に挟持する構成としたことにより、建築用取付具を外囲体の溝状接続部に強固に装着できる。また、隣接する建築用板の被嵌合部と嵌合部との嵌合突起部を、係止材とベース材と螺子部材によって締め付けるので、前記嵌合突起部をより一層強固な構造にすることができる。
請求項3の発明では、前記係止材には前記係止側部に係止する折返し状の係止端片が形成され、該係止端片と前記ベース材とが前記螺子部材を介して近接する構成としてなる構成により、係止材による嵌合突起部への係止構造を簡易なものとし、その係止力を強固なものにできる。請求項4の発明では、螺子部材は、係止側部又はベース材のいずれか一方に螺合される構成としたことにより、部品数を実質的に3個から2個とし、部品の紛失のおそれを減少させ、作業効率を向上させることができる。
請求項5の発明は、前記係止材又は前記ベース材のいずれか一方には前記溝状接続部の嵌合突起部側と反対側に当接する当接部が具備されることにより、ベース材は溝状接続部箇所の建築用板の主板と溝状接続部の内壁面によって支持される構成となり、建築用取付具の装着状態を一層、安定させることができる。請求項6の発明では、係止材に当接片が形成されているので、該当接片が溝状接続部の内壁面に当接するように建築用取付具を装着することによって、建築用取付具の装着状態を一層、安定させることができる。
請求項7の発明では、前記被嵌合部は、水平状板片と係止端片とからなり、前記係止材と前記ベース材とは、前記嵌合突起部の主板と前記水平状板片とを挟持することにより、係止材とベース材とによって、建築用板の主板と被嵌合部の水平状板片に対して面接触状態で挟持する構成にできる。よって、係止材とベース材とによる嵌合突起部への挟持面積を広くして、挟持固定する構成となり、建築用取付具を極めて強固且つ安定した状態で装着できる。
請求項8の発明では、係止材とベース材とは、螺子部材の締付により前記支持底部の幅方向他端側と前記ベース材とが当接する構成としたことにより、係止部とベース材との挟持力をより一層大きくすることができる。請求項9の発明では、支持底部には、山形屈曲部が形成されると共に、該山形屈曲部には前記螺子部のボルト頭部が収納されることで螺子部材をボルトとしてもボルト頭部が干渉することなく、整然とした状態で装着することができる。
請求項10の発明では、支持底部には、前記係止部の形成側とは反対側に受け部が形成され、該受け部は前記ベース材に当接する構成としたことにより、係止材の係止部が嵌合突起部の下面側より押圧しつつ、受け部はベース材に当接するので、係止材とベース材とが略平行状態となり、建築用取付具の外囲体の溝状接続部に対して安定した状態で装着することができる。
請求項11の発明では、係止材は、直立状態で支持底部の幅方向一端側から上方に突出する係止部と、支持底部の幅方向他端側から突出する受け部とからなり、横倒し状態で前記溝状接続部の底板部上を回転可能としたものである。このような構成によって、係止材を溝状接続部内に横滑り状態で挿入することができる。
さらに、底面上では係止材を横倒し状態で回転自在にできるようにしたので、係止材を溝状接続部の底板部上で回転させ、係止部側を嵌合突起部側に位置させ、受け部を溝状接続部の開口側に位置させて係止材を直立させるのみで、ベース材と螺子部材との組付けができる状態となる。
このように比較的狭い溝状接続部内に係止材を容易に配置することができ、且つベース材と螺子部材とで極めて強固に建築用取付具の外囲体への装着ができるものである。また、このような係止材は、金属の帯板材から形成されるものではなく、金属又は合成樹脂の塊状のもの、つまり、ブロック状に形成するタイプにすることができる。これによって、剛性のある建築用取付具にすることができる。係止材をブロック状としたことにより、建築用取付具自体を極めて強固で耐久性のあるものにできる。
請求項12の発明を、2個の係止材は1個のベース材にて連結されてなる構成により、建築用取付具の部品点数を少なくすることができる。係止材と前記ベース材を介して前記外囲体に太陽光発電ユニットを装着することで、外囲体に太陽光発電ユニットを極めて簡単に装着することができる。
さらに、ベース材を長尺材とすることで、外囲体の広い範囲で、少ない部材で建築用取付具を装着することができる。請求項13の発明では、建築用取付具によって、外囲体に太陽光発電ユニットを極めて簡単に且つ強固に装着することができる。請求項14の発明では、前記外囲体に雪止め部材を極めて簡単且つ強固に装着することができる。
(A)は本発明における第1実施形態の第1タイプの建築用取付具を装着して外囲体に太陽光発電ユニットを装着した略示図、(B)は(A)の(ア)部拡大図、(C)は第1タイプの縦断正面図、(D)は第1タイプの斜視図である。 (A)は本発明における第1実施形態の第2タイプの建築用取付具を装着して外囲体に太陽光発電ユニットを装着した略示図、(B)は(A)の(イ)部拡大図、(C)は第2タイプの分離した縦断正面図である。 (A)は本発明における第1実施形態の第3タイプの建築用取付具を装着して外囲体に太陽光発電ユニットを装着した略示図、(B)は(A)の(ウ)部拡大図、(C)は第3タイプの分離した縦断正面図である。 (A)は本発明における第1実施形態の第4タイプの建築用取付具を装着して外囲体に太陽光発電ユニットを装着した略示図、(B)は(A)の(エ)部拡大図、(C)は第4タイプの分離した縦断正面図で、(D)は第4タイプの分離した斜視図である。 (A)は本発明における第1実施形態の第5タイプの建築用取付具を装着して外囲体に太陽光発電ユニットを装着した略示図、(B)は(A)の(オ)部拡大図、(C)は第5タイプの分離した縦断正面図である。 (A)は本発明における第1実施形態の第1タイプの建築用取付具を小さい嵌合突起部を有する外囲体に装着した縦断正面図、 (B) は本発明における第1実施形態の第2タイプの建築用取付具を小さい嵌合突起部を有する外囲体に装着した縦断正面図である。 (A)は大きい被嵌合部を有する建築用板の略示側面図、 (B) は小さい被嵌合部を有する建築用板の略示側面図である。 (A)は外囲体に太陽光発電ユニットを本発明の建築用取付具にて装着した略示平面図、(B)は(A)の(カ)部拡大図である。 (A)は本発明における建築用取付具の第1実施形態を外囲体の溝状接続部に装着しようとする分解した斜視図、(B) は本発明における建築用取付具の第1実施形態を外囲体の溝状接続部に装着した状態の斜視図、(C)は本発明における建築用取付具の第1実施形態にて外囲体に雪止め部材を装着した状態の側面図、(D)は本発明における建築用取付具の第1実施形態にて外囲体に雪止め部材を装着した状態の斜視図である。 (A)は本発明における第2実施形態の第1タイプの建築用取付具を装着して外囲体に太陽光発電ユニットを装着した略示図、(B)は(A)の(キ)部拡大図、(C)は第1タイプの分離した縦断正面図、(D)は第1タイプの斜視図である。 (A)は本発明における第2実施形態の第2タイプの建築用取付具を装着して外囲体に太陽光発電ユニットを装着した拡大図、(B)は第2タイプの分離した斜視図である。 (A)は本発明における第2実施形態の第3タイプの建築用取付具を装着して外囲体に太陽光発電ユニットを装着した略示図、(B)は(A)の(ク)部拡大図、(C)は第3タイプの分離した縦断正面図、(D)は第3タイプの分離した斜視図。 (A)乃至(D)は第2実施形態の第3タイプを外囲体の溝状接続部に装着する行程を示す斜視図である。 (A)は本発明における第2実施形態の第4タイプの建築用取付具を装着して外囲体に太陽光発電ユニットを装着した拡大図、(B)は第4タイプの分離した斜視図である。 (A)は本発明における建築用取付具の第2実施形態の第1タイプを外囲体の溝状接続部に装着しようとする分解した斜視図、(B) は第1タイプを外囲体の溝状接続部に装着した状態の斜視図、(C)は第1タイプにて外囲体に雪止め部材を装着した状態の側面図、(D)は第1タイプにて外囲体に雪止め部材を装着した状態の斜視図である。 (A)は本発明における建築用取付具の第2実施形態の第3タイプを外囲体の溝状接続部に装着しようとする分解した斜視図、(B) は第3タイプを外囲体の溝状接続部に装着した状態の斜視図、(C)は第3タイプにて外囲体に雪止め部材を装着した状態の側面図、(D)は第3タイプにて外囲体に雪止め部材を装着した状態の斜視図である。 (A)は本発明における建築用取付具の第1実施形態において2つの係止材と1つのベース材によって外囲体に太陽光発電ユニットを装着した略示図、(B)は第1実施形態における2つの係止材と1つのベース材からなる建築用取付具の側面図である。 (A)は本発明における建築用取付具の第2実施形態において2つの係止材と1つのベース材によって外囲体に太陽光発電ユニットを装着した略示図、(B)は第2実施形態における2つの係止材と1つのベース材からなる建築用取付具の側面図である。
以下、本発明の建築用取付具を図面に基づいて、説明する。まず、本発明の建築用取付具が適用される外囲体Aから説明する。ここで、本発明において外囲体Aとは、屋根又は壁を含むものである。外囲体Aは、複数の建築用板5,5,…,吊子91及び構造材からなる下地部9にて構成される(図8等参照)。該建築用板5は長手方向に長尺として形成されたものであり、この長手方向に対して直交する方向を幅方向とする。
そして、建築用板5の構成は、図8に示すように、主板51の幅方向の一端より溝形状部52が形成され、該溝形状部52の幅方向外端の外側板部52c上端から前記溝形状部52の内方側に向かって被嵌合部53が形成され、前記主板51の幅方向他端側に嵌合部54が形成される。主板51は平坦状の面板であり、長方形状に形成されている。溝形状部52は、主板51の幅方向の一端から折り曲げ形成された部位である。
溝形状部52は、内側板部52a,底板部52b,外側板部52cからなり、外側板部52cの上端から溝形状部52の内方側に向かって被嵌合部53が形成される。内側板部52aは、前記主板51の幅方向一端側から下方向かって傾斜状又は垂下状に形成され、内側板部52aの下端から底板部52bが形成され、該底板部52bの外端から外側板部52cが形成されたものである。
被嵌合部53は、2つのタイプが存在し、第1タイプとしては、被嵌合部53が大きく形成されたもので、これは、被嵌合端片53aと水平状板片53bとからなるものである〔図1乃至図5及び図7(A)参照〕。水平状板片53bは、前記外側板部52cの上端から水平状(略水平状も含む)に形成され、水平状板片53bの内端から略傾斜板状又は垂下状の被嵌合端片53aが形成される。また、被嵌合部53には、水平状板片53bが存在せず、被嵌合端片53aのみとしたものも存在する。すなわち、被嵌合部53が小さく形成されたものである〔図6,図7(B)参照〕。
嵌合部54は、嵌合端片54aと垂下状側部54bとから構成され、該垂下状側部54bが、前記主板51の幅方向他端から傾斜状又は略直角に形成された垂下状の板状側部であり、垂下状側部54bの下端から主板51側に向かって、上向き傾斜状に形成されたものである。
そして、複数の建築用板5,5,…が母屋又は胴縁等の構造材上に並設され、吊子によって固定されると共に隣接する建築用板5,5の被嵌合部53に嵌合部54とが嵌合され、これらが全ての隣接する建築用板5,5,…の箇所で行われ、屋根又は壁等の外囲体Aが施工される。そして、該外囲体Aには、それぞれの隣接する建築用板5,5同士の溝形状部52が等間隔に配列されことになる(図1乃至図5及び図10,図12等参照)。
該溝形状部52は、屋根,壁等の構造体とした外囲体Aにおいては、溝状接続部A1と
称する(図1乃至図5,図8,図10,図12等参照)。つまり、外囲体Aには、複数の溝状接続部A1,A1,…を有するものである(図8参照)。また、外囲体Aにおいて、前記建築用板5,5,…の隣接する接続箇所において、被嵌合部53と前記嵌合部54とが嵌合された部位を嵌合突起部A2と称する。ここで、被嵌合部53に水平状板片53bが
形成されたものでは、嵌合突起部A2は大きくなり(図1乃至図5及び図10,図12等
参照)、水平状板片53bが形成されないものであれば、嵌合突起部A2は小さくなる(
図6参照)。
該嵌合突起部A2は、前記溝状接続部A1を構成する溝形状部52の外側板部52cから溝形状部52の幅方向中間箇所に向かって突出する部位となる(図1乃至図5及び図10,図12等参照)。或いは、該嵌合突起部A2は、前記溝状接続部A1を構成する溝形状部52の外側板部52cから内側板部52aに向かって突出する部位となる。嵌合突起部A2は、基本的には、その下部側は、被嵌合部53であり、上方側は嵌合部54となっている。
そして被嵌合部53において水平状板片53bが形成されたものでは、嵌合突起部A2は、溝状接続部A1の略幅方向中間位置まで到達するものであり(図1乃至図5及び図10,図12等参照)、また被嵌合部53に水平状板片53bが形成されないものでは、溝状接続部A1を構成する溝形状部52の外側板部52c上端の位置付近のみに嵌合突起部A2が存在するものである(図6参照)。
次に、本発明の建築用取付具は、複数の実施形態から構成されるものであり、いずれの実施形態においても、主に係止材1とベース材2と螺子部材3とからなる。そして、係止材1が嵌合突起部A2に係止され、ベース材2は前記嵌合突起部A2箇所部分の主板51に載置され、前記係止材1とベース材2とによって嵌合突起部A2或いは該嵌合突起部A2の周辺箇所を挟持状態にして螺子部材3によって固着するとともに装着されるものである。また、建築用取付具において、幅方向とは、前記外囲体Aの溝状接続部A1に装着した状
態で、外囲体Aを構成する建築用板5の幅方向と同一となる方向である。
本発明では、建築用取付具の係止材1とベース材2とが嵌合突起部A2に対して係止す
る位置によって、第1実施形態と、第2実施形とが存在する。第1実施形態では、係止材1とベース材2とが嵌合突起部A2の先端部分で、被嵌合部53の被嵌合端片53aと嵌
合部54の嵌合端片54aとが係止している部分と、前記嵌合部54が形成されている付近の主板51とを挟持固定するものである(図1乃至図6参照)。また、第2実施形態では、係止材1とベース材2とが嵌合突起部A2の奥側で、被嵌合部53の水平状板片53
bと、該水平状板片53bと重合する範囲の主板51とを挟持固定するものである(図10乃至図14参照)。
まず、建築用取付具の第1実施形態を図1乃至図6及び図9等に基づいて説明する。第1実施形態の建築用取付具には、複数のタイプが存在する。第1タイプの建築用取付具は、図1に示されている。建築用取付具の係止材1の基本的には、係止部11と連結部12とから構成される。係止部11と連結部12とは、金属帯板材が適宜屈曲されて一体的に形成されるものである。
係止部11は、係止側片11bの下端より係止端片11aが形成されたものである〔図1(C),(D)参照〕。該係止端片11aは、係止側片11bに対して略直角又は折返し傾斜状に形成されたものである。係止部11は、係止端片11aと係止側片11bとによって前記外囲体Aの嵌合突起部A2に係止する〔図1(B)参照〕。
連結部12は、前記係止部11の係止側片11aに対してその上端から直角となる頂板片12aが形成され、頂板片12aの端部より屈曲端片12bが形成されたものである〔図1(C)参照〕。頂板片12aには螺子孔13が形成され、該螺子孔13に螺子部材3が螺合される構成となっている〔図1(C),(D)参照〕。
前記螺子孔13は頂板片12aに貫通孔が形成され、該貫通孔に内螺子が形成されたり、或いは貫通孔の位置にナットが溶接手段等により固着されたものである。また、内周側面部21前記係止部11の係止側片11aには、遊挿孔11cが形成されており、前記ベース材2が遊挿される〔図1(C),(D)参照〕。前記遊挿孔11cは、正方形又は長方形等の方形状に形成された貫通孔である。
ベース材2は、帯板形状に形成されたり、或いは適宜に屈曲形成されたものである。最も簡単な形状のものでは、単なる帯板状に形成されたものである。そして、ベース材2は、前記係止材1の遊挿孔11cに遊挿され、該遊挿孔11c内を上下方向に移動可能な構造となる。そして、係止材1の連結部12に螺合された螺子部材3によって、前記ベース材2は、遊挿孔11cによって上下方向に規制されつつ、下方に押し付けられる構造となる。
つまり、螺子部材3の締付によって、ベース材2が下方に押圧され、該ベース材2と、係止材1の係止端片11aとの間隔が狭くなり、前記嵌合突起部A2の係止荷重を強めることで建築用取付具を嵌合突起部A2に装着することができるものである。ベース材2は
、平坦状のベース板部21と、該ベース材2に対して下向きで且つ折返し傾斜状又は垂下状に屈曲形成された当接部22とからなる。
ベース材2は、前記係止材1に対して長手方向にスライド可能な構成となっており、当接部22は、溝状接続部A1を構成する溝形状部52の内側板部52aに当接させること
ができるようになっている〔図1(B)参照〕。したがって、当接部22は、前記内側板部52aと同一勾配の傾斜面とすることが好ましいものであるが、略同一勾配の傾斜面としてもかまわない。
前記当接部22が前記内側板部52aに当接することによって、当接部22がベース材2を補助的に支え、ベース材2を溝状接続部A1箇所においてより一層安定した状態に設
置することができる。また、ベース材2には、当接部22は必ずしも形成されるものではなく、当接部22が形成されないタイプのベース材2も存在する。
次に、建築用取付具の第1実施形態における第2タイプについて説明する。第2タイプは図2に開示されている。第2タイプの建築用取付具は、第1タイプと同様に、係止材1は、係止部11と連結部12とからなり、係止部11は係止端片11aと係止側片11bとからなる。
係止側片11bの上端に水平且つ平坦状の連結部12が形成され、該連結部12には螺子孔13が形成される。該螺子孔13は、前述した第1タイプのように、貫通孔に内螺子が形成されたものや、前記貫通孔箇所にナット13aが溶接手段によって固着され、該ナット13aを螺子孔13の内螺子部として使用するものが存在する〔図2(C)参照〕。
ベース材2は、第1タイプと略同様にベース板部21と、該ベース材2に対して下向きで且つ折返し傾斜状又は垂下状に屈曲形成された当接部22とからなり、ベース板部21には、螺子部材3用の貫通孔21dが形成されている。ベース板部21には、ベース面部21a,低段差面部21b及び高段差面部21cが形成され、これらによって、ベース材2は、略階段状に形成されている〔図2(C)参照〕。
貫通孔21dは、螺子部材3が貫通する孔であり、円形状に形成されるものであるが、貫通孔21dをベース材2の幅方向に沿って長孔として形成することもある。これによって、係止材1に対してとベース材2の位置を溝状接続部A1の幅方向にそって僅かに変化させ微調整することができる。
ベース面部21aは、溝状接続部A1箇所付近の主板51に載置される部位である。ま
た、低段差面部21bは、ベース面部21aよりも低い位置に形成され、ベース材2で最も下方側の位置となる。ベース材2のベース面部21aが溝状接続部A1の主板51上に
載置されたときには、低段差面部21bは溝状接続部A1内に入り込む状態となる〔図2
(B)参照〕。
高段差面部21cは、前記ベース面部21aよりも高い位置に形成され、ベース材2で最も上方側の位置となる。ベース面部21aが溝状接続部A1の主板51上に載置された
ときには、高段差面部21cは主板51から上方に持ち上げられたが状態となる〔図2(B)参照〕。
ベース材2には、螺子部材3が貫通する貫通孔21dが形成されている。該貫通孔21dは、低段差面部21bに形成されることが多い。また、貫通孔21dは、螺子部材3が貫通する孔であり、円形状に形成されるものであるが、貫通孔21dをベース材2の幅方向に沿って長孔として形成することもある。
これによって、係止材1に対してとベース材2の位置を溝状接続部A1の幅方向にそって僅かに変化させ微調整することができる。また、低段差面部21bの幅方向で且つ前記ベース面部21aが形成されている側とは反対となる端部には、第1タイプと同様に当接部22が形成されることもある。
次に、建築用取付具の第1実施形態における第3タイプについて説明する。第3タイプは図3に開示されている。第3タイプの建築用取付具は、第1タイプと同様に、係止材1は、係止部11と連結部12とから構成される。係止部11は、係止側片11bの下端より係止端片11aが形成され、連結部12は、前記係止部11の係止側片11bに対してその上端から直角となる頂板片12aが形成されたものである。頂板片12aには、螺子孔13が形成され、該螺子孔13に螺子部材3が螺合される構成となっている。
前記螺子孔13は、頂板片12aに貫通孔が形成され、該貫通孔に内螺子が形成されたり、或いは貫通孔の位置にナットが溶接手段等により固着されたものである。ベース材2は、平坦状の帯板形状に形成されたり、或いは適宜に屈曲形成されたものであり、ベース板部21には、上方に位置する高段差面部21cが形成される。前記第3タイプでは、係止材1側に螺子部材3が螺合されたもので、該螺子部材3によってベース材2を下方に押圧するようにして、係止材1とベース材2とで嵌合突起部A2を挟持固定する構造となる
〔図3(B)参照〕。
次に、建築用取付具の第1実施形態における第4タイプについて説明する。第4タイプは図4に開示されている。第4タイプの建築用取付具は、係止部11については、第2タイプと略同様に、係止部11と連結部12とからなる。そして、係止部11は係止端片11aと係止側片11bとからなり、係止側片11bは断面略L字形状に屈曲形成されたものであり、その先端箇所から係止端片11aが形成されている。
さらに、前記連結部12には、前記係止部11が形成されている側とは反対側の端部から下方に向かって当接片11gが形成される。当接片11gは、板片状に形成される。該当接片11gは、係止材1の係止部11が嵌合突起部A2に係止された状態で溝状接続部
A1を構成する建築用板5の溝形状部52の内側板部52aに当接する部位である。当接
片11gが具備されることによって、係止材1を溝状接続部A1内で安定した状態で設置
させることができる。
次に、建築用取付具の第1実施形態における第5タイプについて説明する。第5タイプは図5に開示されている。建第5タイプの建築用取付具では、前述した第2タイプにおいて、ベース材2を左右対称形状としたものが使用される。具体的には、低段差面部21bの幅方向両側にベース面部21a,21aが形成され、両ベース面部21a,21aの外端より高段差面部21c,21cが形成されることになる。この第5タイプでは、ベース材2の幅方向両側のベース面部21a,21aが溝状接続部A1の幅方向両側の両主板5
1,51上に配置されることになる〔図5(B)参照〕。
建築用取付具の第1実施形態(第1タイプ乃至第5タイプ)を外囲体Aの溝状接続部A1に装着するには、嵌合突起部A2の先端箇所に係止材1の係止部11を係止しつつ、ベース材2のベース面部21aを溝状接続部A1付近の主板51に載置し、係止材1とベース
材2とを螺子部材3によって締め付ける。
これによって、係止材1とベース材2とで嵌合突起部A2の先端部分を上下方向に挟持
することとなり、建築用取付具を外囲体Aの溝状接続部A1箇所に強固に装着することができる〔図9(A)参照〕。そして、ベース材2を利用して、種々のジョイント部材71をボルト・ナット等の固着具を介して装着し、さらに固定部材72又は雪止め部材取付具73を介して太陽光発電ユニット8又は雪止め部材82を外囲体Aに装着する〔図9(B),(C),(D)参照〕。
次に、第2実施形態の建築用取付具について説明する。第2実施形態の建築用取付具は、外囲体Aの被嵌合部53は、水平状板片53bを有するものに適用される。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に係止材1とベース材2とから構成され、且つ複数のタイプが存在する。
まず、建築用取付具の第2実施形態における第1タイプについて説明する。第1タイプは図10に開示されている。その第2実施形態における第1タイプの建築用取付具では、係止材1は、係止部11と受け部14と支持底部15とから構成されたものである〔図10(C),(D)参照〕。
係止部11は、嵌合突起部A2の水平状板片53bに当接し、ベース材2と共に、被嵌
合部53の水平状板片53bと、該水平状板片53bに重合する範囲の主板51とを挟持する役目をなす〔図10(B)参照〕。受け部14は、ベース材2に当接することによって、該ベース材2を受け止める役目をなす部位である。このような構成とした係止材1は、帯板材から形成され、長方形状に屈曲形成されて係止部11と受け部14と支持底部15が形成される〔図10(B),(C)参照〕。
さらに、具体的には、支持底部15の幅方向の一端側から係止部11が形成され、幅方向他端側から受け部14が形成されている〔図10(C),(D)参照〕。係止部11は立上り片11d の上端に係止上片11 eが形成さている。係止上片11 eは水平状平坦面として形成され、前記被嵌合部53の水平状板片53bに当接して、該水平状板片53bを押圧する役目をなす。
また、受け部14は、支持底部15に対して略直角状に立ち上がり形成された部位である。前記支持底部15には、螺子部材3が設けられている。該螺子部材3は、具体的には、外螺子が形成された軸部材であって、支持底部15の上面側に溶接等の固着手段を介して植設されたものである。
螺子部材3は、係止材1の係止上片11 e及び受け部14よりも上方に突出するよう
に形成されており、ベース材2に形成された貫通孔21dに貫通し、螺子部材3を構成するナット33によって、係止材1とベース材2とが連結される構成となっている。係止材1とベース材2とを螺子部材3によって連結したときには、受け部14の上端がベース材2と当接することによって、係止材1の支持底部15と、ベース材2とは、略平行となり、方形状の建築用取付具を構成することになる〔図10(C)参照〕。
次に建築用取付具の第2実施形態における第2タイプについて説明する。第2タイプは図11に開示されている。その第2実施形態における第2タイプの建築用取付具では、前記支持底部15には、山形屈曲部15aが形成されたものである。該山形屈曲部15aは、前記支持底部15の幅方向における一部に、上方に向かって膨出するように屈曲形成された部位である。
つまり、山形屈曲部15aの下方側に空隙を形成したものである。該山形屈曲部15aは、方形状又は台形状の門形状に形成されたものであり、該山形屈曲部15aには貫通孔15bが形成されている。該貫通孔15bには、前記螺子部材3のボルト軸部31が貫通し、螺子部材3のボルト頭部32は前記山形屈曲部15aの下面側に収納される。これによって、螺子部材3としてボルトを使用した場合には、ボルト頭部32が係止材1の支持底部15と干渉することなく、ベース材2と連結する構造にできる。
次に建築用取付具の第2実施形態における第3タイプについて説明する。第3タイプは図12及び図13に開示されている。その第2実施形態における第3タイプの建築用取付具では、門形ブロック形状をなし、金属塊或いは合成樹脂にて形成されたものである。係止材1は、支持底部15の幅方向一方側に直立状態で上方に突出する係止部11が形成され、前記支持底部15の幅方向他方側に上方に突出する受け部14が所定間隔をおいて配置形成されたものである。
前記係止部11,受け部14及び支持底部15は、略四角柱形状に形成されたものである〔図12(D)参照〕。そして、前記係止部11,受け部14び支持底部15によって、略門形状に形成されたものである〔図12(C),(D)参照〕。前記係止部11は、その上端に水平且つ平坦面状の係止当接面11fが形成されている。該係止当接面11fは、外囲体Aの嵌合突起部A2を構成する被係止部53の水平状板片53bを下面側より押圧する部位である。また、前記受け部14は、その上端に水平且つ平坦面状の受け頂面14aが形成されている。
該受け頂面14aには、螺子孔13が形成され、螺子孔13が螺合することができるように構成されている〔図12(C),(D)参照〕。また、支持底部15に対して、受け部14は係止材1よりも僅かに高く形成されている〔図12(B),(C)参照〕。具体的には、受け部14と係止部11との高さの差は、嵌合突起部A2の被嵌合部53と主板
51との重合した部分の厚さに等しい。
これによって、係止材1とベース材2とを嵌合突起部A2に装着した場合に、係止材1
の支持底部15と、ベース材2とは、略平行状態にすることができ、建築用取付具を溝状接続部A1に安定した状態で装着することができるものである。係止材1は、横倒し状態
、つまり、係止部11と受け部14とを倒して略寝かせた状態としたときには、前記溝状接続部A1の底板部52b上を回転させることができる程度の大きさに設定されている。
この第3タイプにおける係止材1は、溝状接続部A1内に挿入配置して、ベース材2と
螺子部材3を介して連結することが極めて容易にできる(図13参照)。まず、係止材1を溝状接続部A1内に滑り込ませて横倒し状態〔図13(B)参照〕とする。そして、前
述したように、係止材1を横倒し状態で前記溝状接続部A1の底板部52bを回転可能と
する大きさに設定されているので、そのまま係止材1を底板部52b上にて回転させる〔図13(B)参照〕。
次いで、係止部11が嵌合突起部A2の下面側に位置するようにし、受け部14は嵌合
突起部A2の範囲から外れて、溝状接続部A1の開口の下方に位置するように設定する〔図13(C)参照〕。この状態で係止材1を横倒し状態から直立させると、係止部11が嵌合突起部A2の直下に位置し、受け部14は嵌合突起部A2から外れた位置で且つ溝状接続部A1の開口から突出する状態となる〔図12(D)参照〕。
そして、受け部14の受け頂面14aには、螺子孔13が形成されており、ベース材2を溝状接続部A1の幅方向両側の主板51上に載置し、ベース材2の貫通孔21dにボル
トとした螺子部材3を貫通させると共に螺子孔13に螺合し、締め付けることで建築用取付具が外囲体Aの溝状接続部A1に装着することができる。
次に建築用取付具の第2実施形態における第4タイプについて説明する。第4タイプは図14に開示されている。その第2実施形態における第4タイプの建築用取付具では、係止材1は、支持底部15の幅方向一端側より略ハット形状又は略門形状に形成された係止部11が形成されたものある。
支持底部15には螺子孔13の螺子軸が固着されている。また、外囲体Aを構成する建築用板5の被嵌合部53の一部には切除部53cが形成されている。そして、該切除部53c箇所を前記ハット形状又は門形状の係止部11が跨ぐように配置され、下地部にビス等の固着具によって固着される。そして、前記螺子部材3を介して係止材1とベース材2とが連結されるものである。
建築用取付具の第2実施形態を外囲体Aの溝状接続部A1に装着するには、該溝状接続
部A1内に係止材1を配置し、該係止材1の係止部11を嵌合突起部A2の奥側における被嵌合部53の水平状板片53bの位置に配置する。そして、ベース材2のベース面部21aを嵌合突起部A2の付け根付近の主板51に載置し、係止材1とベース材2とを螺子部
材3によって締め付ける。
これによって、係止材1とベース材2とで嵌合突起部A2の奥側部分における主板51
と水平状板片53bとを上下方向に挟持することとなり、建築用取付具を外囲体Aの溝状接続部A1箇所に強固に装着することができる。図15は、第2実施形態の第1タイプに
おける建築用取付具を外囲体Aの溝状接続部A1に装着して、太陽光発電ユニット8又は
雪止め部材82を装着した状態を示すものである。
また、図16は、第2実施形態の第3タイプにおける建築用取付具を外囲体Aの溝状接続部A1に装着して、太陽光発電ユニット8又は雪止め部材82を装着した状態を示すも
のである。そして、ベース材2を利用して、種々のジョイント部材71をボルト・ナット等の固着具を介して装着し、さらに固定部材72又は雪止め部材取付具73を介して太陽光発電ユニット8又は雪止め部材82を外囲体Aに装着する〔図15(B),(C),(D)及び図16(B),(C),(D)参照〕。
また、本発明の建築用取付具では、2個の係止材1,1と、1個のベース材2とから構成された実施形態が存在する(図17,図18参照)。図17は、第1実施形態の建築用
取付具において2個の係止材1,1は、1個のベース材2にて連結される構成としたものであり、図18は第2実施形態の建築用取付具において2個の係止材1,1は、1個のベース材2にて連結される構成としたものである。
なお、図17では、第1実施形態のベース材2は、溝状接続部A1に装着するための装
着用ベース材2Aと、両係止材1,1を連結するための連結用ベース材2Bとから構成されるものである。これによって、建築用取付具の部品点数を少なくすることができる。また、2個の係止材1,1が1個のベース材2によって連結されるので、2個の係止材1,1同士が相互に支持しあい、より一層強固な外囲体Aへの装着ができる。
さらに、前記ベース材2は、2個の係止材1,1と連結されるため、長尺部材となり〔図17(A)及び図18(B)参照〕、前記外囲体Aに太陽光発電ユニット81を装着すときに、ジョイント部材71を取り付け易くなり、太陽光発電ユニット81の施工を簡単にできる。
次に、本発明の建築用取付具の具体的な第1の使用例として、前記建築用板5,5,…によって施工された屋根,壁等の外囲体Aに太陽光発電ユニット81を装着することについて説明する。まず、建築用取付具のベース材2にジョイント部材71が装着される。該ジョイント部材71に、太陽光発電ユニット81の枠部81aが載置される。通常、1枚のジョイント部材71には幅方向に隣接する2個の太陽光発電ユニット81 ,81 の枠部81a,81aが配置される(図8参照)。
そして、隣接する太陽光発電ユニット81,81の枠部81a,81aを押さえる固定
部材72が前記螺子軸とナットによって固着される。また、前記太陽光発電ユニット81が前後方向及び幅方向に集まる部分には、一枚のジョイント部材71上に4個の太陽光発電ユニット81,81,…が配置されるものであるが、このときには、前記固定部材72によって、4個の太陽光発電ユニット81,81,…が固定される(図8参照)。
次に、本発明の建築用取付具の具体的な第2の使用例として、前記建築用板5,5,…によって施工された折板屋根に、雪止め部材82を装着することについて説明する〔図9(C),(D),図15(C),(D)及び図16(C),(D)参照〕(図9,図参照)。まず、建築用取付具の頂板部1にジョイント部材71が装着される。この場合には、長方形状のジョイント部材71が使用される。
また、雪止め部材82としては、具体的には断面L字形状のL形鋼が使用される。そして、金属帯板材から略直角三角形状に、折り曲げ形成された雪止め部材取付具73が、前記螺子軸及びナットを利用して建築用取付具に雪止め部材82が装着される。また、建築用取付具には、ジョイント部材71を利用して前記太陽光発電ユニット81又は雪止め部材82以外にも屋根を緑化屋根等の設備として施工する場合において、緑化屋根を構成するための種々の機器,器具等を設置することができる。なお、ジョイント部材71は、建築用取付具の第1実施形態及び第2実施形態さらには、それぞれの複数のタイプによって、形状が変化し、それぞれの建築用取付具に適応した形状とするものである。
11…係止部、1…係止材、11a…係止端片、11g…当接片、12…連結部、
14…受け部、15…支持底部、15a…山形屈曲部、2…ベース材、3…螺子部材、
32…ボルト頭部、A…外囲体、A1…溝状接続部、A2…嵌合突起部、5…建築用板、
51…主板、52…溝形状部、53…被嵌合部、53a…被嵌合端片、
53b…水平状板片、54…嵌合部、81…太陽光発電ユニット、82…雪止め部材。

Claims (14)

  1. 主板の幅方向の一端より溝形状部が形成され、該溝形状部の幅方向外端には被嵌合部が形成され、前記主板の幅方向他端側に嵌合部が形成されてなる建築用板が複数並設されると共に前記被嵌合部と前記嵌合部とが嵌合されて複数の溝状接続部が形成された外囲体に装着される建築用取付具であって、前記溝状接続部の幅方向一端側に形成され且つ前記嵌合部と被嵌合部が嵌合されることによって形成される嵌合突起部に係止可能な係止部を有する係止材と、前記主板上面側に配置されるベース材とからなり、前記係止材と前記ベース材とは螺子部材によって、前記溝状接続部の嵌合突起部に対して挟持固定されてなることを特徴とする建築用取付具。
  2. 請求項1において、前記係止材は係止部と連結部とからなり、該連結部と前記ベース材とが螺子部材を介して連結され、前記係止部と前記ベース材とは前記嵌合突起部に対して上下方向に挟持固定されてなることを特徴とする建築用取付具。
  3. 請求項2において、前記係止部には折返し状の係止端片が形成され、前記係止材と前記ベース材とは前記螺子部材を介して近接される構成としてなることを特徴とする建築用取付具。
  4. 請求項2又は3のいずれか1項の記載において、前記螺子部材は、前記係止材又は前記ベース材のいずれか一方に螺合される構成としてなることを特徴とする建築用取付具。
  5. 請求項2,3又は4のいずれか1項の記載において、前記係止材又は前記ベース材のいずれか一方には当接部が具備されてなることを特徴とする建築用取付具。
  6. 請求項2,3,4又は5のいずれか1項の記載において、前記係止材の前記連結部には前記係止部の形成されている側とは反対側端部から下方に向かって当接片が形成されてなることを特徴とする建築用取付具。
  7. 請求項1において、前記被嵌合部は、水平状板片と被嵌合端片とからなり、前記係止材と前記ベース材とは、前記嵌合突起部の主板と前記水平状板片とを挟持してなることを特徴とする建築用取付具。
  8. 請求項7において、前記係止材は、支持底部の幅方向一端から前記係止部が形成され、該係止部の上端と、前記ベース材とで前記嵌合突起部の水平状板片と主板とを挟持すると共に、前記螺子部材の締付により前記支持底部の幅方向他端側と前記ベース材とが当接する構成としてなることを特徴とする建築用取付具。
  9. 請求項8において、前記支持底部には、山形屈曲部が形成されると共に、該山形屈曲部にはボルトとした前記螺子部材のボルト頭部が収納される構成としてなることを特徴とする建築用取付具。
  10. 請求項8又は9において、前記支持底部には、前記係止部の形成側とは反対側に受け部が形成され、該受け部は前記ベース材に当接する構成としてなることを特徴とする建築用取付具。
  11. 請求項9において、前記係止材は、直立状態で支持底部の幅方向一端側から上方に突出する係止部と、支持底部の幅方向他端側から突出する受け部とからなり、横倒し状態で前記溝状接続部の底板部上を回転可能とし、直立状態で前記係止部は前記嵌合突起部の下面側に位置すると共に前記受け部は、前記溝状接続部の開放側に位置し、前記受け部と前記ベース材とが当接して前記係止材と前記ベース材とが前記螺子部材を介して連結されてなることを特徴とする建築用取付具。
  12. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11のいずれか1項の記載において、2個の係止材が1個のベース材とから構成されてなることを特徴とする建築用取付具。
  13. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又は12のいずれか1項の記載において、前記係止材と前記ベース材を介して前記外囲体に太陽光発電ユニットが装着されてなることを特徴とする建築用取付具。
  14. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又は12のいずれか1項の記載において、前記係止材と前記ベース材を介して前記外囲体に雪止め部材が装着されてなることを特徴とする建築用取付具。
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