JP5944161B2 - 矢板防食ブロック - Google Patents

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Description

本発明は、矢板に添設して護岸擁壁を構成する矢板防食ブロックに関する。
護岸擁壁は、海底に打ち込んだ鋼板製の矢板に、前記矢板を海水の腐食から保護する矢板防食ブロックを添設し、矢板防食ブロックの側版と矢板の側面との間にコンクリートを流し込んで両者を一体化し、構築される。矢板防食ブロックは、矢板の断面形状に倣った平面視形状の底版を設け、底版の縁部と矢板の側面との隙間を緩衝材で塞ぎ、コンクリートが下方に漏れ落ちないようにする。
矢板防食ブロックは、矢板を基準にして左右に並べられる。ところが、長尺でありながら薄い矢板は、どうしても反りや歪みが発生するほか、側面の面直交方向に傾いてしまったり、並び方向に対して捩じれてしまったりするので、前記矢板を基準にして矢板防食ブロックを順次設置していくと、既に設置した矢板防食ブロックと新たに設置する矢板防食ブロックとを奇麗に並べる、すなわち側版を面一に揃えることが難しかった。
特許文献1は、矢板防食ブロック(景観パネル)の背面から矢板に向けて延ばした支持ロッドにナットを螺着し、前記ナットの前後を挟む保持材を矢板に設けて、支持ロッドにおけるナットの位置を調整することにより、矢板に対する矢板防食ブロックの姿勢を調整できる技術を開示する(特許文献1・[請求項1]、[0011])。支持ロッドは、左右一対かつ上下に複数あることから、各支持ロッドにおいて矢板防食ブロックと矢板との位置関係を個別に調整できる結果、矢板の姿勢に関係なく、姿勢を調整して、矢板防食ブロックを奇麗に並べることができる(特許文献1・[0005])。
特開平05-009929号公報
特許文献1が開示する技術によれば、矢板の姿勢に関係なく、姿勢を調整して、矢板防食ブロックを奇麗に並べることができるとされる。しかし、各矢板防食ブロックは、それぞれ矢板に対して姿勢が調整されるのであり、隣り合う矢板防食ブロックの側版を面一に揃えることは、作業上難しいと思われる。
また、特許文献1が開示する技術は、矢板防食ブロックの姿勢を調整できるように、ナットを螺着した支持ロッドと保持部材との組み合わせを、左右一対、かつ上下に2段以上設けており、これらを細かく調整して、隣り合う矢板防食ブロックの側版を面一に揃えることは、やはり難しいと思われる。
特許文献1が開示する技術で、隣り合う矢板防食ブロックの側版を面一に揃えることが難しくなる上記問題は、隣り合う矢板防食ブロックの側版を直接面一に揃える手段がないこと、そしてナットを螺着した支持ロッドと保持部材との組み合わせを複数調整しなければならないことに起因する。
各矢板防食ブロックの姿勢は細かく調整する必要があるが、その前提として、隣り合う矢板防食ブロックの側版を面一に揃えることができればよい。そこで、隣り合う矢板防食ブロックの側版を面一に揃える手段について検討した。
検討の結果開発したものが、鉛直に降ろされる平板状の側版と、矢板の水平断面に倣った平面視形状の底版とから構成され、前記底版の縁部を矢板の側面に倣って前記矢板に添設し、側版、底版及び矢板に囲まれた空間にコンクリートを打設して護岸擁壁を構築する矢板防食ブロックにおいて、特定の位置関係でのみ掛合する受けフックと掛けフックとを組とし、矢板に沿って並べられる矢板防食ブロックの並び終えた側を並び方向上流側、新たに矢板防食ブロックを並べる側を並び方向下流側として、並び方向下流側に受けフック、並び方向上流側に掛けフックを割り当て、側版の背面の両側縁に沿って少なくとも上下2段以上の前記受けフックと掛けフックとの組を設けたことにより、並び終えた矢板防食ブロックの並び方向下流側の受けフックに、新たに並べる矢板防食ブロックの掛けフックを掛合して連結し、護岸防壁を構築することを特徴とする矢板防食ブロックである。
「並び方向下流」は、左右に並び終えた矢板防食ブロックに対して新たな矢板防食ブロックを並べる側を、また「並び方向上流」は、前記左右に並び終えた矢板防食ブロックの側を指す。例えば、矢板に向かって左から右へと矢板防食ブロックを並べる場合、右側が「並び方向下流」、左側が「並び方向上流」となる。これから、矢板防食ブロックの側版は並び方向に平行であり、矢板を後ろ、矢板防食ブロックを前とする前後方向は、並び直交方向となる。
本発明の矢板防食ブロックは、特定の位置関係でのみ掛合する受けフックと掛けフックとを組として、前記受けフックを並び方向下流側に、前記掛けフックを並び方向上流側に割り当て、それぞれ側版の背面の両側縁に沿って上下2段以上設け、前記受けフックと掛けフックとを特定の位置関係で掛合させることにより、隣り合う矢板防食ブロック同士の位置関係を特定する。各段の受けフックと掛けフックとの掛合は、隣り合う矢板防食ブロックの並び方向の姿勢を特定し、上下2段以上の受けフックと掛けフックとの掛合は、隣り合う矢板防食ブロックの前後方向の姿勢を特定する。
受けフックと掛けフックとが「特定の位置関係でのみ掛合する」とは、両者を掛合させる際のそれぞれの姿勢が一義的に決まることを意味する。これから、受けフックと掛けフックとを掛合させる隣り合う矢板防食ブロックが、前記受けフックと掛けフックとの位置関係に従って相対的な姿勢を決定することができる、隣り合う矢板防食ブロックの側版が面一に揃ったときに初めて上下2段以上の受けフックと掛けフックとがすべて特定の位置関係で掛合できるようにしておけば、すべての受けフックと掛けフックとを掛合させるだけで、隣り合う矢板防食ブロックが奇麗に並ぶ。
矢板防食ブロックは、矢板の側面に倣った縁部を有する底版を前記側面に宛てがう必要から、例えば左右方向、すなわち矢板防食ブロックの並び方向に底版が矢板に干渉して、前記並び方向から掛けフックを受けフックに接近させ、掛合させることが難しい。これから、受けフックは、上縁から受け溝を切り欠いた受け板を、側版の並び方向下流側の側縁に沿った背面から前記側版と平行に張り出し、掛けフックは、下縁から掛け溝を切り欠いた掛け板を、側版の並び方向上流側の側縁に沿った背面から前記側版に直交して突出した構成にするとよい。
これにより、底版を矢板の側面に宛てがうように、並び直交方向(正確には斜め上方)から矢板に接近させる矢板防食ブロックは、既に設置された矢板防食ブロックの並び方向下流側に側縁から突出する受けフックに対し、受け板の受け溝に掛け板の掛け溝を上方から差し込むように、掛けフックを掛合させることができる。この場合、矢板防食ブロックの側版と平行に受け板を突出させる受けフックと、前記側版に直交して掛け板を突出させる掛けフックとは、平面視直交関係でのみ掛合する。
このほか、受けフックは、側版に着脱自在であると望ましい。これにより、既に設置された矢板防食ブロックの並び方向下流側へ新たに設置しようとする矢板防食ブロックから一時的に受けフックを外しておくことができ、前記新たに設置しようとする矢板防食ブロックの設置作業をやりやすくできる。外しておいた受けフックは、新たに設置しようとする矢板防食ブロックの設置を終えた段階で、改めて側版の並び方向下流側の背面に取り付ければよい。掛けフックは、前記設置作業に際して側版の背面に固定されていればよいため、特に着脱自在にする必要はないが、例えば矢板防食ブロックの運搬や保管を考慮し、受けフック同様、着脱自在にしてもよい。
本発明により、護岸擁壁を構築するに際し、隣り合う矢板防食ブロック同士で位置関係を特定できるようになり、従来に比べて比較的に側版を面一に揃えやすくなる。本発明の矢板防食ブロックは、特許文献1が開示する技術を適用又は応用して、矢板に対して姿勢を調整できるようにしてもよい。この場合、既に設置を終えた矢板防食ブロックは、矢板に対して姿勢が調整されているので、前記矢板防食ブロックに対して側版を面一に揃えて新たに設置される矢板防止ブロックは、既に設置された矢板防食ブロックを介して、矢板に対しても姿勢が調整されることになる。このように、本発明は、矢板防食ブロックの側版を面一に揃えたり、更に矢板に対して矢板防食ブロックの姿勢を調整したりすることを、容易にする効果を有する。
本発明による矢板防食ブロックの一例を背面側から見た斜視図である。 本例の矢板防食ブロックの右側面図である。 本例の矢板防食ブロックの左側面図である。 本例の矢板防食ブロックの平面図である。 本例の矢板防食ブロックに対して着脱自在にした受けフックを背面側から見た斜視図である。 本例の受けフックの背面図である。 本例の受けフックの右側面図である。 本例の受けフックの平面図である。 本例の矢板防食ブロックに対して固定した掛けフックを背面側から見た斜視図である。 本例の掛けフックの背面図である。 本例の掛けフックの右側面図である。 本例の掛けフックの平面図である。 構築途中の護岸防壁を背面側から見た斜視図である。 少し上方に持ち上げた姿勢の矢板防食ブロックを接近させた段階の護岸防壁を背面側から見た斜視図である。 少し上方に持ち上げた姿勢の矢板防食ブロックを接近させた段階の護岸防壁を正面側から見た斜視図である。 接近させた矢板防食ブロックを上流側の矢板防食ブロックに合わせて降ろした段階の護岸防壁を背面側から見た斜視図である。 接近させた矢板防食ブロックを上流側の矢板防食ブロックに合わせて降ろした段階の護岸防壁を正面側から見た斜視図である。 新たに設置した矢板防食ブロックに受けフックを取り付けた段階の護岸防壁を背面側から見た斜視図である。 新たに設置した矢板防食ブロックに受けフックを取り付けた段階の護岸防壁を正面側から見た斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明の矢板防食ブロック1は、図1〜図4(図示の便宜上、図2中図面奥の掛けフック4を図示略、図3中図面奥の受けフック3を図示略)に見られるように、鉛直に降ろされる縦長の正面視長方形である側版11と、矢板2(後掲図13参照)の水平断面に倣った平面視略台形である底版12とから構成されるプレキャストコンクリート製である。
側版11は、背面の両側縁に沿って上下方向等間隔で4段にバックル用ナット111を埋め込み、また正面の両側縁に沿って上下方向等間隔で4段に連結板用ナット112を埋め込んでいる。受けフック3は、側版11の背面の右側縁(並び方向下流側の側縁。図1は背面側から見ているので、右側縁が左側にある)に沿って埋め込まれたバックル用ナット111の上から2段目及び3段目の中間と、同上から3段目及び4段目の中間に、4個一組ずつ埋め込まれた取付ベース用ナット113に螺合する取付ベース用ボルト313により、側版11に対して着脱自在である
また、掛けフック4は、側版11の背面の左側縁(並び方向上流側の側縁。図1は背面側から見ているので、左側縁が右側にある)に沿って埋め込まれたバックル用ナット111の上から2段目及び3段目の中間と、同上から3段目及び4段目の中間、すなわち側版11に着脱自在な上記受けフック3の左右対称位置に位置固定で取り付けられている。本例の掛けフック4は、埋め込みナットにボルトを螺合して掛け板取付けベース411を側版11の背面に固定しているが、例えば側版11に前記掛け板取付けベース411を直接埋め込んでもよい。
本例の矢板防食ブロック1は、側版11の背面の右側縁(並び方向下流側の側縁。図1は背面側から見ているので、右側縁が左側にある)に沿って埋め込まれたバックル用ナット111に螺合させたバックル用ボルト141を後方に突出させて、前後移動自在に前記バック用ボルト141に装着したバックル用接合体142を、前記バックル用ボルト141に螺着したバックル用ナット143,143で前後から挟んだバックル14を設けている。必要により、側版11の背面の左側縁(並び方向上流側の側縁。図1は背面側から見ているので、左側縁が右側にある)にもバックル14を設けてもよい。
バックル用接合体142は、コ字状のチャンネル鋼を短尺に分断して構成され、フランジの一方にバックル用ボルト141を貫通させている。バックル14は、バックル用接合体142のフランジの他方を矢板2の側面21に接面させた状態で溶接し、バックル用ナット143の螺着位置を変更してバックル用ボルト141におけるバックル用接合体142の位置を調整することにより、側版11のバックル14を設けた部位を矢板2に対して接近離反させ、矢板防食ブロック1の矢板2に対する姿勢(傾きや間隔)を調整、固定する。
また、本例の護岸擁壁は、設置作業を終えて左右に並ぶ矢板防食ブロック1,1同士の位置関係を固定するため、左右に並ぶ矢板防食ブロック1,1の各側版11の正面の右側縁及び左側縁を合わせて対称線とする線対称位置にある連結板用ナット111,111に連結板15を架け渡し、左右に並ぶ矢板防食ブロック1,1同士を連結している。バックル14が矢板防食ブロック1の矢板2に対する姿勢を調整、固定するのに対し、連結板15は矢板防食ブロック1,1相互の位置関係を固定する点で、受けフック3及び掛けフック4の掛合に類似した働きを有する。
連結板15は、コ字状のチャンネル鋼を長尺に分断し、連結板用ナット111,111に対応して、連結板用ボルト孔152,152をウェブの左右両端近傍に設けて構成される。横並びの矢板防食ブロック1,1は、前記連結板用ボルト孔152を通じて連結板用ナット111に連結板用ボルト151を螺合することにより、それぞれの各側版11,11に対して位置固定される連結板15を介して位置関係を互いに拘束する。こうして、左右に並ぶ矢板防食ブロック1,1は、連結板15を介して連結され、両者の位置関係が固定される。
このほか、本例の矢板防食ブロック1は、設置作業中に重量物である矢板防食ブロック1を仮支えするため、側版11の背面の上方中央から後方に突出させたハンガー13を、矢板2(後掲図13参照)の側面21の前面の上方中央から前方に突出させたハンガー受け22に、上方から掛合させる。こうしたハンガー13及びハンガー受け22は、従来同種の護岸擁壁にも見られる構成である。
ハンガー13は、H型鋼のフランジを水平にして上下2段に揃え、金属板で前記H型鋼の前面及び背面を塞ぎ、前後方向の中間位置に前記前面及び背面と平行な補強リブを上下2段のフランジ間に介装して、側面を開放した箱構造で、前面を塞ぐ金属板をハンガー用ボルトにより側版11の背面に固定し、前記側版11の背面から後方に突出させている。本例のハンガー13は、H型鋼の下側にしたフランジに、左右一対のハンガー用ボルト孔132を開口している。
ハンガー受け22は、H型鋼のフランジを水平にして上下2段に揃え、金属板で前記H型鋼の前面及び背面を塞ぎ、H型鋼の下側にしたフランジと背面を塞ぐ金属板を下方に延長した部分との間にガセットプレートを架け渡して、側面を開放した箱構造で、前記背面を塞ぐ金属板を矢板2の側面21の前面に溶接して固定し、前記側面21から前方に突出させている(後掲図13参照)。本例のハンガー受け22は、H型鋼の上側にしたフランジに、前後方向に延在する左右一対の調整用長孔221を開口している。
これにより、設置作業に際してハンガー受け22の上側にあるH型鋼のフランジに、ハンガー13の下側にあるH型鋼のフランジを接面させることにより、上方から前記ハンガー13を前記ハンガー受け22に掛合させ、矢板防食ブロック1を一時的に矢板2に仮支えさせることができる。そして、ハンガー用ボルト孔132と前記調製用長孔221とが連通する範囲でハンガー受け22に対するハンガー13の掛合位置を調整した後、ハンガー用ボルト131をハンガー用ボルト孔132と前記調製用長孔221とに挿通し、前記ハンガー用ボルト131にハンガー用ナット(図示略)を螺着してハンガー13及びハンガー受け22を連結する(後掲図13参照)。
本例の受けフック3は、図5〜図8に見られるように、背面側から見て横長の長方形である金属板の右端側を前方へ直角に折り曲げて受け板31及び隙間形成板312を形成し、前記隙間形成板312の前端に、受け板31と平行な正方形の金属板である受け板取付ベース311を取り付けた金属部材で、上方に開いた受け溝32を前記受け板31の上縁から下方に切り欠くように設けている。受け溝32は、後述する掛け溝42と水平面内で直交しているが、切り欠いた形状は前記掛け溝42と上下対称である。
受け板31と受け板取付ベース311とは平行で、背面側から見て、受け板取付ベース311から受け板31が左方向に突出している(図6参照)ので、受け板取付ベース311を側版11の右側縁(並び方向下流側の側縁。図1は背面側から見ているので、右側縁が左側にある)に沿って固定すると、受け板31は前記側版11(並び方向)に平行、かつ前記側版11の前記右側縁から右方向(並び方向下流側)に突出する。
受け溝32は、側版11から突出した受け板31の右半分(並び方向下流側。図5は背面側から見ているので、右半分が左側に突出している)の部分に設けられている(図6参照)。本発明の受け溝32は、受け板31の上縁から鉛直方向に延びる細長いスリットであっても構わない。しかし、本例の場合、上方から接近する掛けフック4の掛け溝42が左右方向に多少ずれていても確実に嵌まり込むように、前記掛け溝42の縁(後述する掛け溝誘導斜辺421,421)を摺接させる受け溝誘導斜辺321,321を、背面側から見て方形に切り欠いた短尺のスリットである受け溝32から左右に延ばしている。
本例の受け溝誘導斜辺321,321は、背面側から見て、右側が急傾斜、左側が緩傾斜になっている。新たに設置する矢板防食ブロック1は、並び方向下流側、すなわち背面側から見て左側から接近させることになる。これから、掛け溝42を形成する金属板の縁が摺接しやすいように、背面側から見て左側の受け溝誘導斜辺321の傾斜を緩くしている。このほか、掛けフック4の掛け溝42が圧接する受け溝32の底面(方形の下辺を含む面)は、焼き入れをして強度を高めておくとよい。
受け板取付ベース311は、隙間形成板312を挟んだ左右に上下2段、計4個の取付ベース用ボルト孔314を開口している。受けフック3は、前記取付ベース用ボルト孔314を通じて、側版11の背面に埋め込んだ取付ベース用ナット113に取付ベース用ボルト313を螺合することにより、前記側版11の背面に対して着脱自在になっている。本例では、新たに設置する矢板防食ブロック1から受けフック3を外しておき、設置作業の最終段階に受けフック3を取り付けるようにしている。
ここで、本例の受けフック3は、隙間形成板312から受け板31が折れ曲がって右側に延びている(並び方向下流側。図5は背面側から見ているので、左側に突出している)ことから、背面側から見て左側の取付ベース用ボルト孔314に受け板31が被さっている。このため、前記取付ベース用ボルト孔314に螺合する取付ベース用ボルト313に対して工具(例えばボルトレンチ等)が扱えるように、本例の受け板31は、前記取付ベース用ボルト孔314に連通する工具挿通孔315を開口している(図6参照)。
本例の掛けフック4は、図9〜図12に見られるように、背面側から後方に向けて突出する縦長の長方形である金属板を掛け板41とし、前記掛け板41の前端に、掛け板41に直交し、側版11と平行な正方形の金属板である掛け板取付ベース411を取り付けた金属部材で、下方に開いた掛け溝42を前記掛け板41の下縁から上方に切り欠くように設けている。掛け溝42は、既述した受け溝32と水平面内で直交しているが、切り欠いた形状は前記受け溝32と上下対称である。
掛け板41は、背面側から見て、掛け板取付ベース411の範囲に収まっている(図10参照)ので、前記掛け板取付ベース411を側版11の左側縁(並び方向上流側の側縁。図1は背面側から見ているので、左側縁が右側にある)に沿って固定すると、受け板31は前記側版11(並び方向)の前記左側縁から左方向(並び方向上流側。図1は背面側から見ているので、右方向になる)へ突出しない内側の範囲で、後方(並び直交方向)に向けて突出する。
本例の掛けフック4は、上述した受けフック3のように、側版11に埋め込んだ取付ベース用ナット(図示略)に取付ベース用ボルトを螺合して、掛け板取付ベース411を前記側版11に固定している。これから、本例の掛けフック4は、受けフック3同様、着脱自在もできるが、新たに設置する矢板ボウショクブロック1の設置作業の間、取り外す必要がないことから、工場出荷の段階から装着し、取り外し不能にしている。これから、既述したように、掛け板取付ベース411を側版11の背面側に埋め込んでもよい。
掛け溝42は、掛け板41の前後方向中間付近(掛け板取付ベース411の背面から、受けフック3の隙間形成版312の長さと受け板31の厚みの半分とを足した長さの位置)に設けられている(図11参照)。また、受けフック3の受け板取付ベース311と掛け板取付ベース411とは同じ板厚である。これから、既に設置された矢板防食ブロック1の側版11と、新たに設置する矢板防食ブロック1の側版11とが、それぞれの正面及び背面で面一に揃ったときのみ、受け溝32及び掛け溝42が奇麗に嵌まり合い、掛合する。
本発明の掛け溝42も、掛け板41の下縁から垂直方向に延びるスリットでも構わない。しかし、本例の場合、上述した受け溝32同様、下方から接近する受けフック3の受け溝32が前後方向に多少ずれていても確実に嵌まり込むように、掛け溝42の縁(上述した受け溝誘導斜辺321,321)を摺接させる掛け溝誘導斜辺421,421を、右方向(並び方向下流側。図1は背面側から見ているので、左方向になる)から見て方形に切り欠いた短尺のスリットである受け溝42から前後に延ばしている。
本例の掛け溝誘導斜辺421,421は、右方向(並び方向下流側。図1は背面側から見ているので、左方向になる)から見て、前側が急傾斜、後側が緩傾斜になっている。新たに設置する矢板防食ブロック1は、後方に向けて、既に設置された矢板防食ブロック1に接近させることになる。これから、受け溝32を形成する金属板の縁が摺接しやすいように、前記右方向から見て後側の掛け溝誘導斜辺421の傾斜を緩くしている。このほか、受けフック3の受け溝32が圧接する掛け溝42の上面(方形の上辺を含む面)は、焼き入れをして強度を高めておくとよい。
本例の矢板防食ブロック1に設置手順について説明する。護岸防壁は、図13に見られるように、矢板2に沿って並べられる矢板防食ブロック1,1を、並び方向上流側の矢板防食ブロック1の受けフック3に、並び方向下流側の矢板防食ブロック1の掛けフック4を上方から掛合して連結して、構築される。ここで、矢板防食ブロック1の設置作業は、従来同種の設置作業と変わらない。
各矢板防食ブロック1は、ハンガー13を矢板2のハンガー受け22に上方から掛合させてハンガー用ボルト131により固定し、またバックル14のバックル用接合体142を矢板2の側面21に当接させて溶接することにより固定して、それぞれ矢板2に対して位置固定される。受けフック3及び掛けフック4の掛合は、矢板防食ブロック1,1相互の連結及び位置関係の特定に寄与する。連結板15による矢板防食ブロック1,1同士の連結は、前記受けフック3及び掛けフック4の掛合により特定された位置関係を固定する。
新たに設置する矢板防食ブロック1は、図14及び図15に見られるように、着脱自在な受けフック3を取り外しており、既に設置された矢板防食ブロック1に比べて少し高い位置から矢板2に向けて水平移動させながら接近させる。これにより、既に設置された並び方向上流側の矢板防食ブロック1の受けフック3に対し、新たに設置する並び方向下流側の矢板防食ブロック1の掛けフック4は、少し高い位置にずれているので干渉することがなく、底版12を矢板2に十分接近させて、前記底版12の縁部を前記矢板2の側面21に添わせることができる。説明の便宜上、図示を省略するが、底版12の縁部と矢板2の側面21との間には、緩衝材を介装させる。
こうして底版12を矢板2の側面21に添わせた矢板防食ブロック1は、そのまま下降させ、図16及び図17に見られるように、ハンガー13を矢板2の側面21から突出させたハンガー受け22に下方から支持されるほか、既に設置された並び方向上流側の矢板防食ブロック1が右側縁(図14は背面側から見ているので、右側縁が左側にある)から張り出させた受けフック3に、左側縁(図14は背面側から見ているので、左側縁が右側にある)に沿って設けた掛けフック4を掛合させる。
既述したように、受けフック3に設けた受け溝32は左右に受け溝誘導斜辺321,321を有し、掛けフック4に設けた掛け溝42の前後に掛け溝誘導斜辺421,421を有しているため、仮に受け溝32と掛け溝42とが多少ずれても、受け溝誘導斜辺321と掛け溝誘導斜辺421とを摺接させて受け溝32及び掛け溝42が互いに接近するように誘導され、前記受け溝32及び掛け溝42を確実に掛合させる。背面側から見て方形の受けフック3と右方向(並び方向下流側。図16は背面側から見ているので、左方向になる)から見て方形の掛けフック4とは、互いが嵌まり合うように掛合するので、一度掛合すれば、新たに設置する矢板防食ブロック1を引き上げない限り、解除されない。
また、背面側から見て方形の受けフック3と側面側から見て方形の掛けフック4とは、互いが直交関係である場合のみ掛合する。そして、本例の受けフック3は、受け溝32を設けた受け板31を側版11と平行に張り出し、そして本例の掛けフック4は、掛け溝42を切り欠いた掛け板41を側版11に直交して突出しているので、既に設置された矢板防食ブロック1と新たに設置する矢板防食ブロック1とは、前記受けフック3及び掛けフック4を直交関係で掛合させながら、それぞれの側版11,11を平行にする。
ここで、既述したように、受け板取付ベース311と掛け板取付ベース411とは同じ板厚であり、掛け溝42は掛け板取付ベース411の背面から、受けフック3の隙間形成版312の長さと受け板31の厚みの半分とを足した長さの位置に設けられているので、矢板防食ブロック1,1の側版11,11が正面及び背面で面一に揃ったときのみ、受け溝32及び掛け溝42が奇麗に嵌まり合い、掛合する。裏返せば、受け溝32及び掛け溝42が掛合する限り、既に設置された矢板防食ブロック1の側版11と、新たに設置する矢板防食ブロック1の側版11とが面一になる。
こうして既に設置された矢板防食ブロック1の受けフック3に掛けフック4を掛合させた矢板防食ブロック1は、ハンガー受け22にハンガー13を固定したり、矢板2の側面21にバックル用接合体142を溶接、固定してバックル14のバックル用ボルト141に対するバックル用ナット143の螺着位置を調整したりして、矢板2に対する細かな姿勢及び位置を調整する。新たに設置する矢板防食ブロック1は、ハンガー13がハンガー受け22に支持され、また既に設置された矢板防食ブロック1の受けフック3に掛けフック4を掛合されているので、前記調整作業において脱落する虞がない。
そして、新たに設置する矢板防食ブロック1は、図18に見られるように、側版11の背面から取り外されていた受けフック3を前記側版11の背面に取り付けると共に、図19に見られるように、既に設置された矢板防食ブロック1と面一になった側版11,11の前面に連結板15を架け渡し、前記既に設置された矢板防食ブロック1と連結する。こうして、並び方向下流の新たな矢板防食ブロック1の設置作業が完了する。
護岸防壁は、上述までの矢板防食ブロック1の設置作業を繰り返し、最後に左右方向に並ぶ矢板防食ブロック1の側版11と矢板2の側面21との間にコンクリートを流し込んで両者が一体化されることにより、構築される(図19参照)。このとき、ハンガー13及びハンガー受け22、バックル14や受けフック3及び掛けフック4は、前記コンクリートに埋没して一種の鉄筋として働き、護岸防壁の構造を強化する。
1 矢板防食ブロック
11 側版
12 底版
13 ハンガー
14 バックル
15 連結板
2 矢板
21 側面
22 ハンガー受け
3 受けフック
31 受け板
32 受け溝
4 掛けフック
41 掛け板
42 掛け溝

Claims (3)

  1. 鉛直に降ろされる平板状の側版と、矢板の水平断面に倣った平面視形状の底版とから構成され、前記底版の縁部を矢板の側面に倣って前記矢板に添設し、側版、底版及び矢板に囲まれた空間にコンクリートを打設して護岸擁壁を構築する矢板防食ブロックにおいて、
    特定の位置関係でのみ掛合する受けフックと掛けフックとを組とし、矢板に沿って並べられる矢板防食ブロックの並び終えた側を並び方向上流側、新たに矢板防食ブロックを並べる側を並び方向下流側として、並び方向下流側に受けフック、並び方向上流側に掛けフックを割り当て、側版の背面の両側縁に沿って少なくとも上下2段以上の前記受けフックと掛けフックとの組を設けたことにより、
    並び終えた矢板防食ブロックの並び方向下流側の受けフックに、新たに並べる矢板防食ブロックの掛けフックを掛合して連結し、護岸防壁を構築することを特徴とする矢板防食ブロック。
  2. 受けフックは、上縁から受け溝を切り欠いた受け板を、側版の並び方向下流側の側縁に沿った背面から前記側版と平行に張り出し、
    掛けフックは、下縁から掛け溝を切り欠いた掛け板を、側版の並び方向上流側の側縁に沿った背面から前記側版に直交して突出した請求項1記載の矢板防食ブロック。
  3. 受けフックは、側版に着脱自在である請求項1又は2いずれか記載の矢板防食ブロック。
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