JP4097226B2 - 擁壁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、主として地形に応じて定まる施工基準線に沿って多数個の単位ブロックが平面視直線形状または曲線形状に積み上げられ、上下に連通した単位ブロックの空洞部がコンクリート等の充填物によって埋め合せられる擁壁構造に関するものである。
一般的な擁壁構造では、前壁版と後壁版が左梁版と右梁版で連結されることによって矩形中空部が形成された直方体形状の単位ブロックが構築に使用されており、施工基準線が直線状であるときには、多数個の単位ブロックは、各前壁版の左右端面同士を突き合わせるとともに、各後壁版の左右端面同士を突き合わせて左右方向に連続して並設され、法面に沿って斜め上方に向かって積み上げる。そして、上下に連通した各単位ブロックの矩形中空部にコンクリートを打設したり、砕石などを充填し、これら充填物によって擁壁自体の重量を大きくして、背面からの土圧力に抵抗するようになっている(特許文献1の図11から図13の図面、及びこれら図面に基づく従来技術の説明箇所を参照)。
この擁壁構造では、擁壁の骨格部分は左右幅方向の全長にわたって、連続配置された単位ブロックの前後の壁版及び左右の梁版によって構成されているため、擁壁の骨格部分の形成に使用するコンクリート材料の使用量が多くなる。
擁壁の骨格部分の全部が重量の重い単位ブロックそれ自体で構成されているため、施工現場への単位ブロックの搬入個数が多くなり、その運搬・設置に要する労力負担が重くなっている。
擁壁構築対象の法面が平面から見たとき湾曲している曲面の場合は、この湾曲度に近似させて単位ブロックを並設することになるが、単位ブロックの外形が直方体形状であることから、水平方向に隣接する単位ブロック同士の間に隙間が生じる。
さらにまた前記曲面は傾斜面であることから、積み上げ箇所によって上段の単位ブロックと下段の単位ブロックとでは湾曲度が異なっており、その結果、下段の単位ブロック同士の隙間の方が上段同士の隙間よりも大きくなり、大きな略台形状の隙間が生じることになる。
これらの隙間は単位ブロックの内部にコンクリートなどの充填物を充填する前に施工現場
で型枠を組んで塞ぐようにしており、各段毎に異なる大きさの隙間処理の作業は容易では
なく、多くの時間と労力を要した。
平面視曲線形状の施工においても単位ブロック同士の間に隙間が出来ないようにした擁壁構造も提案されている。この擁壁構造で使用される単位ブロックは、前壁版と後壁版とこれらを連結する中梁版とで平面略I字形に形成したものであり、前壁版と後壁版は中梁版の箇所を中心にして左右で突出方向が前後にずれるように、それぞれの先端を肉薄の段部に形成してある(特許文献1の特許請求の範囲と図1から図10の説明箇所参照。)。
この擁壁構造においては、左右の単位ブロックの前壁版の先端段部同士、及び左右の単位ブロックの後壁版の先端段部同士を重ね合わせることによって、左右の単位ブロックが並設されるため、平面視直線形状の施工と曲線形状の施工にいずれにおいても、左右の単位ブロック同士間に隙間はできないのであるが、単位ブロックは平面略I字形に形成されたものであることから、前記重ね合せ端部と中梁版間の距離、すなわち曲げモーメントの腕の長さが相当に長いものとなっており、背面土圧力によって後壁版と中梁版の付け根部に負荷される曲げ応力が大きくなり、強度面で問題がるある。
また、左右の単位ブロックの前壁版の先端段部同士を重ね合わせるものであるため、構築された擁壁の正面部分には、少なくとも前壁版の厚さ相当分の凹凸部が浮き出てしまうことになり、景観的体裁が良くないものとなった。
本特許出願人は、平面視直線形状の施工あるいは曲線形状の施工のいずれにおいても、強度低下の懸念なしに擁壁の骨格部分を形成するコンクリート材料の使用量を節減することができる擁壁構造の研究開発を行い、その成果について既に特許出願を行なっている(特願2004−136949)。
前記出願中の擁壁構造は、互いに平行に配置された前壁版および後壁版と、前壁版と後壁版の左端部に一定幅の重ね合せ部を残して前壁版と後壁版を連結する左梁版と、前壁版と後壁版の右端部に一定幅の重ね合せ部を残して前壁版と後壁版を連結する右梁版とによって、矩形中空部を有する単位ブロックを形成し、施工基準線に沿って単位ブロックを積み上げて擁壁を構築するとき、左右の単位ブロック間に残置した調整用領域の前側開口部を前位パネルによって閉塞し、該調整用領域の後側開口部を後位パネルによって閉塞し、前位パネルの左右各端部の前面を左右の単位ブロックの各前壁版の前記重ね合せ部に当接させ、左右の単位ブロックの右梁版と左梁版の各前位横孔から挿入した左右の位置決め部材を前位パネルの左右端部の後面に当接させて、前位パネルを当初位置に保持させ、後位パネルの左右各端部の後面を左右の単位ブロックの各後壁版の前記重ね合せ部に当接させ、左右の単位ブロックの右梁版と左梁版の各後位横孔から挿入した左右の位置決め部材を後位パネルの左右端部の前面に当接させて、後位パネルを当初位置に保持させ、上下に連通した各単位ブロックの前記矩形中空部と、上下に連通した単位ブロック間の前記調整用領域の全部または一部をコンクリート、残土、土砂、砕石、植生土嚢等の充填物によって埋め合わせるものである。
しかしながら、前記出願中の擁壁構造においても、左右の単位ブロック間に残置した調整用領域の前側開口部を閉塞する前位パネルは、前位パネルの左右各端部の前面を左右の単位ブロックの各前壁版の前記重ね合せ部に当接させられるものであるため、構築された擁壁の正面部分には、少なくとも前壁版の厚さ相当分の凹凸部が浮き出てしまうことになり、景観的体裁が良くないものとなった。
特許第3101761号公報
本発明の課題は、平面視直線形状の施工あるいは曲線形状の施工のいずれにおいても、強
度低下の懸念なしに擁壁の骨格部分を形成するコンクリート材料の使用量を節減すること
ができるだけでなく、構築された擁壁の正面部分に前壁版の厚さ相当分の凹凸部が浮き出ることがなく、景観的体裁の改善に資する擁壁構造を提供することである。
本発明の擁壁構造では、互いに平行に配置された前壁版および後壁版と、前壁版と後壁版の各左端部に一定幅の重ね合せ部を残して前壁版と後壁版を連結する左梁版と、前壁版と後壁版の各右端部に一定幅の重ね合せ部を残して前壁版と後壁版を連結する右梁版とによって、矩形中空部を有する単位ブロックを形成し、施工基準線に沿って単位ブロックを積み上げて擁壁を構築するとき、左右に隣り合う単位ブロック間に残置した調整用領域の前側開口部を、当該積み上げ箇所の湾曲度と傾斜角度に対応して選択された幅寸法を有する前位パネルによって閉塞し、当該調整用領域の後側開口部を、当該積み上げ箇所における湾曲度と傾斜角度に対応して選択された幅寸法を有する後位パネルによって閉塞し、前位パネルの左右各端部の前面が左右に隣り合う単位ブロックの各前壁版の前記重ね合せ部に当接した状態に前位パネルを保持部材によって保持するか、前位パネルの全体が左右に隣り合う単位ブロックの前壁版の間に嵌合した状態に保持部材によって保持する一方、後位パネルの左右各端部の後面が左右に隣り合う単位ブロックの各後壁版の前記重ね合せ部に当接した状態に後位パネルを保持部材によって保持するか、後位パネルの全体が左右に隣り合う単位ブロックの各後壁版の間に嵌合した状態に後位パネルを保持部材によって保持して、上下に連通した各単位ブロックの前記矩形中空部と、上下に連通した単位ブロック間の前記調整用領域の全部または一部をコンクリート、残土、土砂、砕石、植生土嚢等の充填物によって埋め合わせ、左右に隣り合う単位ブロックの各前壁版の左右端面間にある凹み空所を、前位パネルの正面側に前壁版の厚さ相当分突き出るように附設した補填体によって埋め合わせたものである。
前記補填体は、前位パネルと一体に成形することもできるが、前位パネルとは別体に構成し、前位パネルの装着施工の前段階または後段階において前位パネルに接着剤等で固定することもできる。
本発明では、左右の単位ブロック間に調整用領域を残置して単位ブロックを施工基準線に沿って配置し、該調整用領域の前側開口部を前位パネルによって閉塞し、調整用領域の後側開口部は後位パネルによって閉塞し、前位パネルと後位パネルを保持部材によって当初位置に保持した状態で、調整用領域と矩形中空部をコンクリート等の充填物で埋め合わせたものであり、擁壁の骨格部分はその左右幅方向の全長にわたって単にブロックが並設されているのではなくて、単位ブロック1個毎に前位パネルと後位パネルを主要骨格部材とする調整用領域が置かれているため、単位ブロックの使用個数を節減することができ、単位ブロックの積み上げ施工に要する労力負担や作業コストを軽減することができる。
また、前位パネルの左右各端部の前面が左右の単位ブロックの各前壁版の前記重ね合せ部に当接させられるか、前位パネルの全体が左右に隣り合う単位ブロックの前壁版の間に嵌合させられる一方、後位パネルの左右各端部の後面が左右の単位ブロックの各後壁版の前記重ね合せ部に当接させられるか、後位パネルの全体が左右に隣り合う単位ブロックの各後壁版の間に嵌合させられるのであるが、これら重ね合せ部に隣接して左梁版と右梁版が前壁版及び後壁版に接続されているため、前記曲げモーメントの腕の長さは極めて短く、背面土圧力によって前記付け根部に負荷される曲げ応力は十分に小さいものとなる。そのため、前位パネルと後位パネルによって画定された調整用領域の強度は十分であり、平面視直線状施工と平面視曲線状施工のいずれにおいても、強度低下の懸念なしに擁壁の骨格部分を形成するコンクリート材料の使用量を節減することができることになる。
本発明では、左右の単位ブロック間に挿入される前位パネルと後位パネルは、調整用領域の主要骨格部材としてそのまま残置使用されるものであり、前位パネルと後位パネルの解体作業は何ら想定されていないから、従来のような単位ブロック間の隙間処理用のための型枠の組立分解の作業が一切なくなり、施工コストの節減が行なえる。
また、当該積み上げ箇所の湾曲度と傾斜角度に対応して選択された幅寸法を有する前位パネルによって前記調整用領域の前側開口部を閉塞する一方、当該積み上げ箇所における湾曲度と傾斜角度に対応して選択された幅寸法を有する後位パネルによって前記調整用領域の後側開口部を閉塞するので、平面視直線状施工は勿論として、湾曲度と傾斜角度において異なる様々な平面視曲線状施工も的確に行なえる。
とりわけ、本発明では、前位パネルの正面側に前壁版の厚さ相当分突き出るように附設した補填体によって、左右に隣り合う単位ブロックの各前壁版の左右端面間に残る凹み空所を埋め合わせたので、構築された擁壁の正面部分に前壁版の厚さ相当分の凹凸部が露呈することがなく、景観的体裁が大幅に改善される。
単位ブロック10と前位パネル20と後位パネル30は、いずれも鉄筋メッシュを内在させたセメントコンクリートにより工場においてプレキャスト成形される。単位ブロック10の前壁版11と後壁版12は、上端が下端より後方に来るように後向きに傾斜している。前壁版11と後壁版12の各上端面は、左梁版13および右梁版14の各上端面と同一の水平面を形成している。また、前壁版11と後壁版12の各下端面は、左梁版13および右梁版14の各下端面と同一の水平面を形成している。
左梁版13および右梁版14の上下各端面には、積み上げたとき単位ブロック10の前後方向への移動を制止するために、互いに嵌合する制止突起15と制止凹部16を形成してある。
図示していないが、公知の手法にしたがって、擁壁構築対象の法面は所要深さ及び奥行きだけ掘削され、該掘削底部には基礎砕石層が形成され、該基礎砕石層上には基礎コンクリートが打設され、該基礎コンクリート上に設置された最下段の単位ブロック10は、差し筋として使用される位置決め鉄筋によって固定されている。施工基準線に沿って図1に示したように所定段数に積み上げられた単位ブロック10の背面空所には、割栗石や砕石、土砂などの裏込め材が充填される。必要に応じて、擁壁の最上部には高さの低い単位ブロック10が設置され、その上に天端コンクリートが打設される。
調整用領域50が形成されるように所定の間隔を置いて積み上げられた単位ブロック10,10列の相互間には、図2に示したように該調整用領域50の前側開口部を閉塞する前位パネル20が装着され、また、図示はしていないが該調整用領域50の後側開口部を閉塞する後位パネル30が装着される。通常、前位パネル20と後位パネル30の装着は、単位ブロック10を一段積み上げる毎になされ、前位ブロック20と後位ブロック30の装着後に前記裏込め材が矩形中空部17と調整用領域50に充填される。なお、積み上げ段数が比較的少ない場合には、全段を積み上げてから前位パネル20と後位パネル30の装着を行い、裏込め材を一度に充填することもできる。
図3に示したように前位パネル20には補填体40が装着される。この補填体40はセメント成形体であり、耐候性に優れた接着剤、例えば石膏系接着剤によって前位パネル20の正面に接合固着される。この補填体40は、望ましくは現場合わせによって、左右に隣り合う単位ブロック10,10の前壁版11,11間の凹み空所を隙間なく埋め合わせる形状寸法に、母材から切断されるか、あるいは、成形型枠の仕切り板を移動調節して成形される。この補填体40は耐候性に優れたプラスチック成形体で構成することもできる。
図4に示した実施例では、前位パネル20と補填体40は一体成形されているか、別体成形の後、一体物に接合されたものである。前位パネル20と補填体40の一体成形物、あるいは前位パネル20と補填体40の個別成形物は、望ましくは現場合わせによって、左右に隣り合う単位ブロック10,10の前壁版11,11間の凹み空所を隙間なく埋め合わせる形状寸法に、母材から切断されるか、各成形型枠の仕切り板枠を移動調節して成形される。
図5と図6に示した実施例では、前位パネル20の左右各端部の前面が左右に隣り合う単位ブロック10,10の各前壁版11,11の前記重ね合せ部に当接する一方、後位パネル30の左右各端部の後面が左右に隣り合う単位ブロック10,10の各後壁版12,12の前記重ね合せ部に当接している。前位パネル20と前壁版11との重ね合せ境界部、後位パネル30と後壁版12の重ね合せ境界部には、裏込め材の漏出を防ぐためにスポンジパッキン60などが挿入されている。
図5と図6に示した実施例では、前位パネル20用の保持部材21と後位パネル30用の保持部材31は、いずれも基端部を直角に曲げた鉄筋によって構成され、これら鉄筋は差し筋として使用される。左梁版13及び右梁版14の前位横孔22,23は上下各端部に水平横向きに形成されている。左梁版13及び右梁版14の後位横孔32,33は上下各端部に水平横向きに形成されている。単位ブロック10の左梁版13と右梁版14には、打設した胴込コンクリートや埋め戻した残土などの裏込め充填材が、上下左右に隣接する矩形中空部17や調整用領域50に縦横に行き渡るように連通用窓孔18を形成してある。
図7と図8に示した実施例では、前位パネル20は、その全体が左右に隣り合う単位ブロック10,10の前壁版11,11の間に嵌合されており、前位パネル20が補填体40の主体部分を兼ねている。そのため、補填体40としては、前壁版11の正面側に形成された模様部分と同じ面位置に突出形成された模様部分となっている。後位パネル30は、その全体が左右に隣り合う単位ブロック10,10の各後壁版12,12の間に嵌合されている。
図7と図8に示した実施例では、単位ブロック10の前壁版11の左右の重ね合せ端部にナット型インサート70を埋設する一方、前位パネル20の左右端部にナット型インサート71を埋設してあり、前壁版11の重ね合せ端部の裏面と前位パネル20の裏面に当接される帯板状の固定金具72の一端部には丸孔73が形成され、固定金具72の他方端部には横向き長孔74が形成され、横向き長孔74の外端部は開放されている。
丸孔73を通してボルト75をナット型インサート70に捻じ込み、横向き長孔74を通してナット型インサート71にボルト76を捻じ込むことによって、補填体を兼ねた前位パネル20が左右の前壁版11,11に装着される。すなわち、前記ナット型インサート70,71、固定金具72、及びボルト75,76が前位パネル20用の保持部材を構成している。
前壁版11と前位パネル20の合わせ目からの裏込め材の漏出を防ぐために、プラスチック板などの漏れ止め材や金網などの吸出し防止材77が前記合わせ目部にあてがわれ、前記固定金具72によって締付け固定されている。
図7と図8に示した実施例では、単位ブロック10の後壁版12の左右の重ね合せ端部にナット型インサート80を埋設する一方、後位パネル30の左右端部にナット型インサート81を埋設してあり、後壁版12の重ね合せ端部の裏面と後位パネル30の裏面に当接される帯板状の固定金具82の一端部には丸孔83が形成され、固定金具82の他方端部には横向き長孔84が形成され、横向き長孔84の外端部は開放されている。
丸孔83を通してボルト85をナット型インサート80に捻じ込み、横向き長孔84を通してナット型インサート81にボルト86を捻じ込むことによって、後位パネル30が左右の後壁版12,12に装着される。すなわち、前記ナット型インサート80,81、固定金具82、及びボルト85,86が後位パネル30用の保持部材を構成している。
後壁版12と後位パネル30の合わせ目からの裏込め材の漏出を防ぐために、前壁版におけると同様な漏れ止め材や吸出し防止材が合わせ目部にあてがわれ、固定金具82によって締付け固定される。
図9と図10に示した実施例では、前位パネル20の左右各端部の前面が左右に隣り合う単位ブロック10,10の各前壁版11,11の前記重ね合せ部に当接する一方、後位パネル30の左右各端部の後面が左右に隣り合う単位ブロック10,10の各後壁版12,12の前記重ね合せ部に当接している。
前位パネル20と一体成形されたか、前位パネル20と別体成形されたが、単位ブロック10の積み上げの前段階または単位ブロック10の積み上げの後段階で前位パネル20に接着された補填体40は、左右に隣り合う単位ブロック10の前壁版11,11の間に嵌め込まれている。
前位パネル20と補填体40の一体成形物、あるいは前位パネル20と補填体40の個別成形物は、望ましくは現場合わせによって、左右に隣り合う単位ブロック10,10の前壁版11,11間の凹み空所を隙間なく埋め合わせる形状寸法に、母材から切断されるか、各成形型枠の仕切り枠板を移動調節して成形される。望ましくは、前位パネル20と前壁版11との重ね合せ境界部、後位パネル30と後壁版12の重ね合せ境界部には、裏込め材の漏出を防ぐためにスポンジパッキンなどが挿入される。
図9と図10に示した実施例では、単位ブロック10の前壁版11の左右の重ね合せ端部にナット型インサート70を埋設する一方、前位パネル20の左右端部にナット型インサート71を埋設してあり、前壁版11の重ね合せ端部の裏面と前位パネル20の裏面に当接される固定金具72の各端部には下向き長孔73と横向き長孔が形成され、各下向き長孔73の下端部は開放されている。
下向き長孔73を通してボルト75をナット型インサート70に捻じ込み、横向き長孔74を通してナット型インサート71にボルト76を捻じ込むことによって、前位パネル20が左右の前壁版11,11に装着される。すなわち、前記ナット型インサート70,71、固定金具72、ボルト75,76は、前位パネル20用の保持部材を構成している。
本実施例では、固定金具72はアングル型材で構成され、曲げ強度を高くしてある。
前壁版11と前位パネル20の合わせ目からの裏込め材の漏出を防ぐために、プラスチック板などの漏れ止め材や金網などの吸出し防止材77が前記合わせ目部にあてがわれ、前記固定金具72によって締付け固定されている。
図9と図10に示した実施例では、単位ブロック10の後壁版12の左右の重ね合せ端部にナット型インサート80を埋設する一方、後位パネル30の左右端部にナット型インサート81を埋設してあり、後壁版12の重ね合せ端部の裏面と後位パネル30の裏面に当接されるアングル型材の固定金具82の各端部には下向き長孔83と横向き長孔84が形成され、下向き長孔83の下端部は開放されている。
下向き長孔83を通してボルト85をナット型インサート80に捻じ込み、横向き長孔84を通してナット型インサート81にボルト86を捻じ込むことによって、後位パネル30が左右の後壁版12,12に装着される。すなわち、前記ナット型インサート80,81、固定金具82、ボルト85,86は後位パネル30用の保持部材を構成している。
後壁版12と後位パネル30の合わせ目からの裏込め材の漏出を防ぐために、前壁版におけると同様な漏れ止め材や吸出し防止材が合わせ目部にあてがわれ、固定金具82によって締付け固定される。
前記各実施例において、前記横向き長孔や下向き長孔は、ボルト締め接合において接合位置の調節機能を与えるものである。
図11と図12は、目的とする幅寸法を有する前位パネル20を切り出すために使用される前位パネル用母材90を示すものであり、一定間隔を置いてナット型インサート71が埋設されている。図13は、図11と図12に示した母材90から適宜切り取られた前位パネル20を例示するものである。
前位パネル20の切り取り形状、または仕切り型板の移動調節による成形形状は、当該前位パネル20の個別具体的な使用部位によって長方形状または台形状になり、幅寸法も相違する。
図14は、前位パネル20と同様に母材から適宜幅寸法に切り取られたか、仕切り枠板の移動調節によって適宜幅寸法に成形された後位パネル30を例示するものである。後位パネル30の切り取り形状、または仕切り型板の移動調節による成形形状は、当該後位パネル30の個別具体的な使用部位によって長方形状または台形状になり、幅寸法においても互いに相違する。
補填体40の切り取り形状、または仕切り型板の移動調節による成形形状も、当該補填体40の個別具体的な使用部位によって長方形状または台形状になり、幅寸法においても互いに相違する。
本発明の一実施例に係る擁壁構造の斜視図であって、単位ブロックが列毎に積み上げられた状態を示している。 図1の状態から前位パネルが装着されたときの斜視図である。 図2の状態から補填体が装着されたときの斜視図である。 本発明の別の実施例に係る擁壁構造の斜視図であって、補填体付きの前位パネルが装着された状態を示している。 本発明の実施例に係る擁壁構造の概略的な平面図である。 図5のA−A線断面図である。 本発明の実施例に係る擁壁構造の概略的な平面図である。 図7のB−B線断面図である。 本発明の更に別の実施例に係る擁壁構造の概略的な平面図である。 図9のC−C断面図である。 本発明の実施例で使用される前位パネル用母材の正面図である。 図11の前位パネル用母材の背面図である。 図11の前位パネル用母材から切り取られた前位パネルの4例を示すものである。 本発明の実施例で使用される後位パネルの6例を示すものである。
符号の説明
10 単位ブロック
11 前壁版
12 後壁版
13 左梁版
14 右梁版
15 制止突起
16 制止凹部
17 矩形中空部
18 連通用窓孔
20 前位パネル
21 前位パネルの保持部材
22 左梁版の前位横孔
23 右梁版の前位横孔
30 後位パネル
31 後位パネルの保持部材
32 左梁版の後位横孔
33 右梁版の後位横孔
40 補填体
50 調整用領域
70 ナット型インサート
71 ナット型インサート
72 固定金具
75 ボルト
76 ボルト
80 ナット型インサート
81 ナット型インサート
82 固定金具
85 ボルト
86 ボルト

Claims (1)

  1. 互いに平行に配置された前壁版および後壁版と、前壁版と後壁版の各左端部に一定幅の重ね合せ部を残して前壁版と後壁版を連結する左梁版と、前壁版と後壁版の各右端部に一定幅の重ね合せ部を残して前壁版と後壁版を連結する右梁版とによって、矩形中空部を有する単位ブロックを形成し、施工基準線に沿って単位ブロックを積み上げて擁壁を構築するとき、左右に隣り合う単位ブロック間に残置した調整用領域の前側開口部を、当該積み上げ箇所の湾曲度と傾斜角度に対応して選択された幅寸法を有する前位パネルによって閉塞し、当該調整用領域の後側開口部を、当該積み上げ箇所における湾曲度と傾斜角度に対応して選択された幅寸法を有する後位パネルによって閉塞し、前位パネルの左右各端部の前面が左右に隣り合う単位ブロックの各前壁版の前記重ね合せ部に当接した状態に前位パネルを保持部材によって保持するか、前位パネルの全体が左右に隣り合う単位ブロックの前壁版の間に嵌合した状態に保持部材によって保持する一方、後位パネルの左右各端部の後面が左右に隣り合う単位ブロックの各後壁版の前記重ね合せ部に当接した状態に後位パネルを保持部材によって保持するか、後位パネルの全体が左右に隣り合う単位ブロックの各後壁版の間に嵌合した状態に後位パネルを保持部材によって保持して、上下に連通した各単位ブロックの前記矩形中空部と、上下に連通した単位ブロック間の前記調整用領域の全部または一部をコンクリート、残土、土砂、砕石、植生土嚢等の充填物によって埋め合わせ、左右に隣り合う単位ブロックの各前壁版の左右端面間にある凹み空所を、前位パネルの正面側に前壁版の厚さ相当分突き出るように附設した補填体によって埋め合わせた擁壁構造。
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