JP5944111B2 - 車両の牽引用フック取付け部の構造 - Google Patents
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Description
この牽引用フックを固定するための取付け部の構造として、例えば、特許文献1又は特許文献2に示される技術が知られている。
特許文献1に記載の構造は、バンパレインフォースの前壁部に本体の先端が溶接され、フランジが後壁部に固定されることにより、取付金具がバンパレインフォースに取り付けられ、その取付金具の中空の本体のメネジ部に牽引用フック(牽引固縛フック)が螺着される構造である。
一方、特許文献2に記載の構造は、サイドメンバーの蓋体にナット部材のフランジ部が溶接され、そのナット部材の段部がバンパレインフォースの前壁部の内面に当接され、その前壁部を貫通する小径部にナットを締め付けることにより、ナット部材が蓋板とバンパレインフォースとに固定されており、そのナット部材に牽引用フックが取り付けられる構造である。
一方、特許文献2の車両用牽引装置では、ナット部材がサイドメンバーとバンパレインフォースとの間に挟み込まれるように固定されているため、外力の一部をサイドメンバーにも負担させることができるが、バンパレインフォースにも作用するため、バンパレインフォースの重量の増加を回避することは難しい。
なお、車体フレームとしてはサイドメンバー等を利用することができる。また、バンパステーはクラッシュボックスを兼ねるものであってもよい。
アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形品とすることにより生産性が高まり、容易にバンパステーを大量生産することができる。この場合、バンパステーの断面形状としては、矩形の周壁からなる「口」の字、中央に1本の桟を一体に形成した「日」の字、2本の平行な桟を一体に形成した「目」の字等、種々の形状とすることができる。
図1〜図3は本発明の車両の牽引用フック取付け部の構造の第1実施形態を示している。各図において、符号1が例えばサイドメンバーからなる車体フレームを示しており、車両の両側に配置されるが、図には一方のみ示している。この車体フレーム1の左右両側の前端部にはバンパステー2がそれぞれ固定され、このバンパステー2を介してバンパレインフォース3が水平に固定されている。
バンパレインフォース3は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形により形成され、全体として矩形枠状の横断面に形成される。バンパレインフォース3の両端部には、バンパステー3の先端部4を貫通可能に挿入する貫通孔5が形成されている。なお、図示しないが、バンパレインフォース3の前方には、これを車体前方より被覆するバンパフェーシアが設けられる。
また、ブロック状の先端部4には、車体フレーム1の前後方向に沿うねじ穴15が設けられており、このねじ穴15に、アイボルトからなる牽引用フック16のおねじ部17が着脱自在に取付けられるようになっている。
この固定状態において、バンパレインフォース3の貫通孔5からバンパステー2の先端面4aが露出し、その露出した先端面4aにねじ穴15が前方に向けて開口することになる。
なお、この第1実施形態では、図3に示すようにバンパレインフォース3の前面3aと背面3bとの両方をバンパステー2にそれぞれ溶接したが、前面3aのみ、あるいは背面3bのみを溶接する構造とすることを妨げるものではない。
また、図5に示す例では、断面三角形状の係止部21に代えて、断面半円形の係止部22が一体に設けられている。この係止部22の場合も、図4に示す例と同様に、バンパステー2とバンパレインフォース3との前後方向の位置決めをすることができる。
これら係止部21,22は、バンパステー2の押出方向に沿って連続する直線状に形成される。
なお、これら図4及び図5には、係止部21,22を覆うように溶接部18が設けられているが、図1等に示すようにバンパレインフォース3の前面側でバンパステー2の先端部4が溶接されているので、バンパレインフォース3の背面側の溶接部18は省略することも可能である。また、係止部は、これら図4及び図5に示した形状以外の断面形状とすることもできる。
この第2実施形態においては、バンパステー2の先端面4aにバンパレインフォース3の背面3bが溶接によって固定され、このバンパレインフォース3に、バンパステー2の先端面4aに開口するねじ穴15を露出させるための開口穴25が形成されたものである。このため、この開口穴25を介してねじ穴15に牽引用フック16のおねじ部17を螺合させて着脱することができる。
この実施形態では、バンパステー2とバンパレインフォース3との固定部18はバンパレインフォース3の背面にのみ設けられる。また、バンパレインフォース3に形成する開口穴25はバンパステー2のねじ穴15を露出可能な形状であればよいため、第1実施形態の貫通孔5とは異なり、寸法精度等、簡易にすることができる。
この取付け部の構造としたことにより、バンバステー31に単にバンパレインフォース3を取付ければよく、牽引用フック16を挿通させる穴等を形成する必要がなく、強度上有利である。また、穴加工が不要であるので、加工費も低減できる。
このバンパステー45もアルミニウム合金の押出成形により製造されるが、押出方向が他の実施形態では各図の上下方向に沿っているのに対して、図13の左右方向に沿う押出方向となる。
この実施形態では、バンパレインフォース3は、突出部46とつば部52との間に挟まれた状態でバンパステー52に固定されるため、上下方向への移動が確実に拘束され、強固に固定される。また、上下に挟んでいるので、上下方向の曲げ剛性が高まり、操縦安定性が向上する。固定部としては溶接部、ボルト締結部のいずれも採用することができる。
このようにブラケット55を一体化することにより、押出成形では加工することが難しい箱状のバンパステー56を構築することができる。そして、バンパステー本体2の一対の脚部11に加えてブラケット55も同様に車体フレーム1にボルトにより固定される構成であり、固定箇所が増えるために強固な固定状態を確保することができる。車体フレーム1との固定構造によっては、ブラケット55を一つとしてもよく、バンパステー本体2の脚部11と合わせて3箇所で固定する構成とすることもでき、車体フレーム1との寸法関係等に応じてブラケット55の数、形状等は適宜調整することができる。
バンパステーへのバンパレインフォースの固定構造として、溶接によるものとボルト締結によるものとを別個に示したが、その固定構造は各実施形態のいずれにも適用することができる。また、バンパステーの車体フレームへの固定構造も、溶接又はボルト締結のいずれの方法としてもよい。また、バンパレインフォースも、横断面「口」の字状、「日」の字状、「目」の字状等のいずれを採用してもよく、さらに、例えば車両前方に向けて凹型あるいは凸型となる外形としてもよい。
2 バンパステー
3 バンパレインフォース
3a 前面
3b 背面
4 先端部
4a 先端面
5 貫通孔
11 脚部
12 穴
15 ねじ穴
16 牽引用フック
17 おねじ部
18 溶接部(固定部)
21,22 係止部
25 開口穴
31 バンパステー
32 先端部
32a 先端面
33 延長部
35 バンパレインフォース
36 桟
41 固定部
42 ボルト
43 バンパレインフォース
44 穴部
45 バンパステー
46 突出部
47 段部
51 バンパステー
52 つば部
55 ブラケット
56 バンパステー
Claims (2)
- 車体フレームにバンパステーを介してバンパレインフォースが固定されるとともに、前記バンパステーにおける前記バンパレインフォースの固定部を避けた位置に、牽引用フックのおねじ部を着脱自在に取付け可能なねじ穴が前記バンパレインフォースの前方に向けて設けられてなる車両の牽引用フック取付け部の構造であって、前記バンパレインフォースは、前記バンパステーの先端部を貫通状態に挿入する貫通孔を有し、該貫通孔の周縁部に前記バンパステーとの固定部を有し、前記貫通孔から前記バンパレインフォースの前面側に露出する前記バンパステーの先端面に、前記ねじ穴が開口していることを特徴とする車両の牽引用フック取付け部の構造。
- 前記バンパステーはアルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形品であることを特徴とする請求項1に記載の車両の牽引用フック取付け部の構造。
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