JP5548741B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前部において、左右のヘッドライトを取付ける部分が改良された車体前部構造に関する。
一般的な乗用車等の車両の車体前部は、左右のフロントピラーから前方へ延びた左右のアッパメンバと、該左右のアッパメンバの前端部に且つ車幅方向内側に位置するフロントバルクヘッドとを含む。該フロントバルクヘッドは、前記左右のアッパメンバの車幅方向内側に位置して上下に延びる左右のサイドメンバと、該左右のサイドメンバの上端間を繋ぐアッパクロスメンバと、該左右のサイドメンバの下端間を繋ぐロアクロスメンバとから成る。左右のアッパメンバの車幅方向外面は、左右のフロントフェンダによって覆われている。車体前部の剛性を確保するために、該アッパクロスメンバと該左右のアッパメンバとは、左右の連結部材によって連結されている。
このような車体の前部には、左右のヘッドライトが取り付けられている。該左右のヘッドライトの取付構造に関しては、特許文献1〜3によって知られている。
特許文献1で知られているヘッドライトの取付構造は、ヘッドライトがステーによって車体に取り付けられている。衝突によって所定以上の外力が該ステーに作用したときに、該ステーは車体に対して傾くことによって、ヘッドライトを変位させることが可能である。
特許文献2で知られているヘッドライトの取付構造は、ヘッドライトのボディから外方へ突出した複数のブラケットのなかの、1つのブラケットに仮止め部を備えている。該仮止め部は、車体に形成されている開口に掛け止めるための係合突起を有する。ヘッドライトを複数のブラケットによって車体に取り付ける際に、車体の開口に係合突起を掛け止めることによって、ヘッドライトを車体に仮止めすることができる。
特許文献3で知られているヘッドライトの取付構造は、ヘッドライトのハウジングの周囲に設けられた雌ブラケットと、車体に設けられた雄ブラケットとを、緩衝空間を有して組み付けるものである。該緩衝空間を有しているので、車両の衝突事故のときのヘッドライトの破損を最小化するとともに、歩行者への衝撃を少なくすることができる。
特開平9−030321号公報 特開2002−67785号公報 特開2005−112333号公報
上述のように、一般的な車体では、フロントバルクヘッドのアッパクロスメンバと左右のアッパメンバとが、左右の連結部材によって連結されている。また、車種によっては、車両のデザイン上の観点により、左右のフロントフェンダの前端部には、車幅中央側へ折れ曲がった左右の覆い部が形成されることがある。該左右のヘッドライトは、左右の覆い部の内面と、フロントバルクヘッドの左右のサイドメンバとの間の、狭い空間部に配置される。
しかしながら、特許文献1〜3で知られているヘッドライトの取付構造では、該狭い空間部に左右のヘッドライトを配置して車体に取り付けるには、改良の余地がある。例えば、左右のヘッドライトを、車体の前方から左右の空間部に挿入するときに、該左右のヘッドライトが前記左右の連結部材に干渉し得る。
本発明は、車体の前部に対して左右のヘッドライトを容易に配置して取り付けることができる技術を、提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、左右のフロントピラーから前方へ延びた左右のアッパメンバと、該左右のアッパメンバの車幅方向外面を覆う左右のフロントフェンダと、前記左右のアッパメンバの前端部に且つ車幅方向内側に位置するフロントバルクヘッドとを含み、
該フロントバルクヘッドは、前記左右のアッパメンバの車幅方向内側に位置して上下に延びる左右のサイドメンバと、該左右のサイドメンバの上端間を繋ぐアッパクロスメンバとを含む、車体前部構造において、前記左右のフロントフェンダの前端部には、車体の前部に配置される左右のヘッドライトの前面の一部を覆うことが可能に車幅中央側へ折れ曲がった左右の覆い部が形成され、前記左右の覆い部の内面と前記左右のサイドメンバとの間には、前記左右のヘッドライトが位置することが可能な、左右の空間部が形成され、前記フロントバルクヘッドの前記アッパクロスメンバと、前記左右のアッパメンバとには、前記左右のヘッドライトに位置決めされた状態の左右の連結部材が、それぞれボルトにより取り付けられ、前記左右のヘッドライトの車幅方向内側且つ上部を前記車体に固定するための左右の内側ブラケットと、前記左右のヘッドライトの車幅方向外側且つ上部を前記車体に固定するための左右の外側ブラケットと、前記左右のヘッドライトの下部を前記車体に固定するための左右の下側ブラケットとを有し、前記全てのブラケットは、前記車体の上方から作用する所定の外力に対して変形可能な脆弱部分を有していることを特徴とする。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記左右の連結部材は、前記左右のヘッドライトの各ハウジングの上部に沿って湾曲しつつ車幅方向へ延びた帯状の鋼板により構成された部材であり、該帯状の鋼板の長手方向に沿ったビードが形成されている。
請求項3に記載のごとく、より好ましくは、前記車体の前部に形成されたエンジンルームの上部を開閉するための、フードを有し、該フードの前端部を支持するための左右のフードストッパが、前記左右の連結部材に固定されている。
請求項に記載のごとく、より好ましくは、前記左右の内側ブラケットは、前記アッパクロスメンバの前部から上方へ延びた左右の前壁と、該左右の前壁の上端から後上方へ延びた左右の傾斜壁と、該左右の傾斜壁の後端から後方へ延びた左右の固定座と、該左右の固定座の後端から前記アッパクロスメンバまで下方へ延びた左右の後壁とから成り、前記脆弱部分は、前記左右の内側ブラケットの断面が、前記アッパクロスメンバの上面と、前記左右の前壁と、前記左右の傾斜壁と、前記左右の固定座と、前記左右の後壁とによって、略五角形断面に形成されることにより、構成され、前記左右の固定座は、前記左右のヘッドライトを固定する部分である。
請求項に記載のごとく、より好ましくは、前記左右の傾斜壁の傾斜長さは、車幅方向の内側から外側へ向かって漸増している。
請求項に記載のごとく、より好ましくは、前記左右の外側ブラケットは、平板によって形成された折り曲げ成形品であり、前記左右のアッパメンバの上面に重ねられ且つ接合された左右の下フランジと、該左右の下フランジから上方へ延びた縦板状の左右の脚部と、該左右の脚部の上端に形成された左右の上フランジとから成り、前記左右の脚部は、それぞれ、該左右の脚部の板面の上下端にわたって形成された縦溝と、該左右の脚部の両縁の上下端にわたって形成された一対の縦フランジと、該左右の脚部の板厚方向への段差状に形成された略水平な折れ線部と、該折れ線部の延長上に且つ縦溝の底に形成された貫通孔とを有している。
請求項1に係る発明では、フロントバルクヘッドのアッパクロスメンバと、左右のアッパメンバとに対して、左右の連結部材がボルトにより取り付けられる。さらに、左右のフロントフェンダの前端部には、左右のヘッドライトの前面の一部を覆うことが可能に車幅中央側へ折れ曲がった左右の覆い部が、形成されている。該左右の覆い部の内面と左右のサイドメンバとの間には、左右のヘッドライトを配置することが可能な、左右の空間部が形成されている。車体の前部に左右のヘッドライトを組み込むには、先ず、左右の連結部材が位置決めされた状態の該左右のヘッドライトを、車体の前方から左右の空間部に挿入する。次に、左右の連結部材を該アッパクロスメンバと該左右のアッパメンバとにボルト止めする。このため、左右のヘッドライトを車体の前方から左右の空間部に挿入する際に、車幅中央側へ折れ曲がった左右の覆い部や、左右の連結部材に対して、該左右のヘッドライトが干渉することはない。従って、容易に、該左右のヘッドライトを車体の前方から左右の空間部に配置して、車体に取り付けることができる。しかも、該アッパクロスメンバと該左右のアッパメンバとが、左右の連結部材によって連結されることにより、車体前部の剛性を十分に確保することができる。
また、請求項1に係る発明では、左右のヘッドライトは、左右の内側ブラケット、左右の外側ブラケット及び左右の下側ブラケットにより車体に固定される。これら全てのブラケットは、車体の上方から作用する所定の外力により変形可能な脆弱部分を有する。左右のヘッドライトの上部に対して、障害物(例えば歩行者)が衝突したときに、所定以上の衝突力によって脆弱部分が変形する。従って、左右のヘッドライトは下方へ変位する。左右の脆弱部分及び左右のヘッドライトが下がることにより、衝突力を吸収することができる。この結果、障害物への衝撃を十分に緩和することができる。
請求項2に係る発明では、左右の連結部材は、左右のヘッドライトの各ハウジングの上部に沿って湾曲しつつ車幅方向へ延びた帯状の鋼板により構成されている。このため、左右の連結部材を配置する際、左右のヘッドライトの各ハウジングの上部に広い空間を必要としない。左右のヘッドライトと、その上に位置している部材(フード)との間の、上下に狭い空間に左右の連結部材を配置することができる。
さらに、左右の連結部材は、帯状の鋼板の長手方向に沿ったビードが形成されている。このため、左右の連結部材は、前後、左右方向に作用する荷重を十分に受け止め、且つ、車体の他の部位に十分に伝えることができる。従って、左右の連結部材は、アッパクロスメンバと左右のアッパメンバとの間を、十分に連結することができるので、車体前部の剛性部材としての機能を果たすことができる。
請求項3に係る発明では、フードの前端部を支持するための左右のフードストッパが、左右の連結部材に固定されている。このため、左右のヘッドライトとフードとの隙間が狭くても、左右のヘッドライトの上で、フードを支持することができるので、フードの支持剛性を向上させることができる。
請求項に係る発明では、左右の内側ブラケットは、アッパクロスメンバの前部から上方へ延びた左右の前壁と、左右の前壁の上端から後上方へ延びた左右の傾斜壁と、左右の傾斜壁の後端から後方へ延びた左右の固定座と、左右の固定座の後端からアッパクロスメンバまで下方へ延びた左右の後壁とから成り、脆弱部分は、左右の内側ブラケットの断面が、アッパクロスメンバの上面と、左右の前壁と、左右の傾斜壁と、左右の固定座と、左右の後壁とによって、略五角形断面に形成されることにより、構成され、左右の固定座は、左右のヘッドライトを固定する部分である。障害物がヘッドライトの上部に衝突し固定座に上方から荷重が加わると、左右のヘッドライトの上部に対して、障害物(例えば歩行者)が衝突したときに、所定以上の衝突力が固定座に上から作用する。この結果、傾斜壁は斜めに荷重を受けるので、前壁と傾斜壁とを接続する脆弱な屈曲部から折れ曲がって内側に撓む。また、後壁は細幅の柱部で構成されるので、上方からの荷重により外側に撓む。結果、固定座は、下方に沈み込むので、障害物への衝撃を十分に緩和することができる。しかも、単に略五角形断面にしただけの簡素な構成で済む。
請求項に係る発明では、左右の傾斜壁の傾斜長さは、車幅方向の内側から外側へ向かって漸増している。このため、左右の固定座に上から衝突力が作用したときに、左右の傾斜壁は、車幅方向内側から外側へいくほど、略垂直な前壁の上端からの折れ曲がりが促進される。すなわち、左右の内側ブラケットは、車幅方向外側が先に折り曲がることができる。また、車幅方向外側の傾斜壁の傾斜長さを長くすることにより、左右の内側固定ブラケットは、車幅方向内側の閉断面が車幅方向外側の閉断面よりも断面積が大きい。このため、左右の内側ブラケットは、車幅方向外側から内側へいくほど、車体前後、左右方向の剛性が高い。左右のアッパメンバには、左右のフロントサスペンションのダンパの上端を支持するための左右のダンパハウジングが設けられている。ダンパの上端からダンパハウジングのダンパベースへ伝わった車体前後、左右方向(水平方向)の荷重は、ダンパハウジングからアッパメンバに伝わる。左右のアッパメンバに伝わった荷重は、さらに連結部材を介して、左右の内側ブラケットに伝わる。左右の内側ブラケットは、上からの荷重に対しては変形するものの、車体前後、左右方向の荷重に対しては、車幅方向内側の部分が大きい剛性を有している。このため、左右のダンパベースからの荷重をフロントバルクヘッドのアッパクロスメンバに十分に伝えて、支えることができる。従って、車体前部の剛性が向上するので、車両の操縦安定性を向上させることができる。
請求項に係る発明では、左右の外側ブラケットは、平板によって形成された折り曲げ成形品であり、左右の脚部の板面の上下端にわたって形成された縦溝と、左右の脚部の両縁の上下端にわたって形成された一対の縦フランジとを有する。このため、左右の外側ブラケットは、車体前後左右方向から作用する荷重に対して、剛性が大きい。
また、左右の外側ブラケットは、左右の脚部の板厚方向への段差状に形成された略水平な折れ線部と、折れ線部の延長上に且つ縦溝の底に形成された貫通孔とを有している。左右のヘッドライトの上部に対して、障害物(例えば歩行者)が衝突したときに、所定以上の衝突力が左右の外側ブラケットに上から作用する。この衝突力を受けた左右の外側ブラケットは、折れ線部及び貫通孔から下方へ容易に折れ曲がり可能である。この結果、障害物への衝撃を十分に緩和することができる。このように、左右の外側ブラケットは、車体前後方向からの荷重に対しては、左右のヘッドライトを十分に支えるとともに、上からの衝突力に対しては、変形して衝突力を十分に吸収することができる。
本発明に係る車体前部の斜視図である。 本発明に係る車体フレームの斜視図である。 図1示された車体の分解斜視図である。 図1の4−4線断面図である。 図2に示された車体前部の平面図である。 本発明に係る左のヘッドライト周りの平面図である。 図6に示された左のヘッドライト周りの斜視図である。 図6に示された左のヘッドライト周りの正面図である。 本発明に係る左の内側ブラケットの斜視図である。 本発明に係る左の内側ブラケットの作用図である。 本発明に係る左の外側ブラケットの斜視図である。 本発明に係る左の外側ブラケットの作用図である。 本発明に係る左の下側固定ブラケット周りの斜視図である。 本発明に係る左の連結部材を組み付ける工程を説明する図である。 本発明に係る左のヘッドライトを空間部に入れる工程を説明する図である。 本発明に係る左のヘッドライトを組み付ける工程を説明する図である。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。
実施例に係る自動車の車体側部について説明する。図1及び図2に示されるように、車両10は例えば乗用車である。車体11は、モノコックボディからなり、車両10の車幅方向中心に対し、左右対称形に形成されている。車体11の内側には、前部のエンジンルーム12と、該エンジンルーム12の後方に位置する車室13とが、形成されている。
エンジンルーム12と車室13とは、ダッシュボードロアパネル14によって仕切られている。
車体11の前部は、左右のフロントサイドフレーム21,21と、左右のアッパメンバ22,22と、左右のダンパハウジング24と、左右のホイールハウス26と、フロントバルクヘッド15とを含む。
左右のフロントサイドフレーム21,21は、車体11の前部の左右両側に位置して車両前後方向へ延びている。
左右のアッパメンバ22,22は、左右のフロントサイドフレーム21,21よりも車幅方向外側に位置し、左右のフロントピラー23,23から前方へ延び、車体10の前端部で下方に湾曲し、さらに下方へほぼ垂直に延びている。
左右のダンパハウジング24は、左右のフロントサスペンションの左右のダンパを支持するものであって、左右のフロントサイドフレーム21,21と左右のアッパメンバ22,22とに掛け渡されている。左右のダンパハウジング24の上端には、横板状の左右のダンパベース25が設けられている。左右のダンパベース25は、左右のダンパの上端部を支持する部材である。左右のダンパハウジング24の下部には、左右のホイールハウス26が連なっている。
フロントバルクヘッド15は、左右のアッパメンバ22,22の車幅方向内側に位置して上下に延びる左右のサイドメンバ16,16と、左右のサイドメンバ16,16の上端間を繋ぐアッパクロスメンバ17と、左右のサイドメンバ16,16の下端間を繋ぐロアクロスメンバ18と、から成る。左右のフロントサイドフレーム21,21の前端間にフロントバンパビーム19が掛け渡されている。
ロアクロスメンバ18は、左右のサイドメンバ16,16よりも車幅方向外方へ延びており、ロアクロスメンバ18の左右の外端は、それぞれ左右のアッパメンバ22,22の前側下端に接続されている。
左右のフロントサイドフレーム21,21の前端は、左右のアッパメンバ22,22に接合されると共に、左右のサイドメンバ16、16にも接合されている。さらに、左右のフロントサイドフレーム21,21の前端は、車幅方向に延びるフロントバンパビーム19に接合されている。
また、車体11の前部は、左右のフロントフェンダ31,31と、フロントバンパフェイス32と、フロントグリル33と、フード34と、を含む。左右のフロントフェンダ31,31は、左右のアッパメンバ22,22の車幅方向外面を覆うものである。
左右のフロントフェンダ31,31と、フロントグリル33と、フード34との間に左右のヘッドライト51,51が配置される。左右のフロントフェンダ31,31の前端部には、左右のヘッドライト51,51の一部を覆う左右の覆い部35,35が形成されている。
次に左右のフロントフェンダ31,31を外した状態について説明する。図3に示されるように、フロントバルクヘッド15のアッパクロスメンバ17と、左右のアッパメンバ22,22とには、左右のヘッドライト51,51に位置決めされた状態(詳細後述)の左右の連結部材61,61が取り付けられている。
左右のヘッドライト51,51は、左右の連結部材61,61を利用することで、アッパクロスメンバ17及び左右のアッパメンバ22,22に取り付けることができる。
また、左右のアッパメンバ22,22には、左右のヒンジ42,42によってフード34が開閉自在に取り付けられている。フード34の後端部が、左右のヒンジ42,42に取り付けられており、フード34の前端部を持ち上げることで、エンジンルーム12を開閉することができる。
フード34の前部裏面には、ストライカ43が設けられている。フロントバルクヘッド15のアッパクロスメンバ17には、フード34を閉じたときにストライカ43に対峙するようにラッチ機構44が設けられている。フード34を閉じた際、ストライカ43がラッチ機構44に施錠され、フード34が浮くことを防止することができる。
エンジンルーム12の上部には、フード34を開状態に支持するオープンステー45が収納されている。オープンステー45の基端部は、左のアッパメンバ22に揺動可能に設けられており、フード34を開けたときにオープンステー45の先端を起こし、フード34の引掛け部46に掛け止めることで、フード34を開状態に保つことができる。
なお、実施例では、オープンステー45を左のアッパメンバ22に設けたが、これに限定されず、オープンステー45を右のアッパメンバ22やアッパクロスメンバ17に揺動可能に設けてもよく、オープンステー45を起こすことでフード34を開状態に支持することができれば、オープンステー45を車体11の他の場所に設けても差し支えない。
次に左のフロントフェンダ31の左の覆い部35により左のヘッドライト51の一部を覆っている状態について説明する。図4に示されるように、左のヘッドライト51は、レンズ52と、ハウジング53とを含む。左のフロントフェンダ31は、後から前側に向けて直線的に延びる直線部36と、前端部で車幅中央部側へ折れ曲がった覆い部35とを含む。
左の覆い部35は、左のレンズ52の前面の一部を覆っている。このように、左のフロントフェンダ31の前端部を、左のレンズ52の前面の一部を覆うように車幅方向中央に折り曲げることで、車体11前部のデザイン性の向上を図ることができる。
次に左右のヘッドライト51,51の車体11への挿入について説明する。図5に示されるように、左のフロントフェンダ31の覆い部35の内面と、フロントバルクヘッド15左のサイドメンバ16との間には、左のヘッドライト51を配置するための左の空間部71が設けられている。
左のフロントフェンダ31の前端部は、車幅方向中央部側へ折れ曲がった覆い部35を有するので、左の空間部71の前端(ライト挿入口)の幅L1は、左のヘッドライト51の車幅方向の幅L2よりも小さい。このため、左のヘッドライト51を、左の空間部71に前側から後へ直線的に挿入することができない。
左のヘッドライト51を左の空間部71へ挿入するには、左のヘッドライト51を、矢印aのように、エンジンルーム12側の前から後へ斜めに挿入する。このようにして、ライト挿入口の幅L1よりも大きい幅L2の左のヘッドライト51を、左の空間部71へ挿入することができる。
次に左のヘッドライト51が車体11に組み付けられた状態について説明する。図6に示されるように、左のヘッドライト51のハウジング53は、略円筒形状を呈する。左の連結部材61は、ハウジング53の上部54に沿って湾曲する湾曲部62を有する、車幅方向へ延びた帯状の鋼板により構成された部材である。左の連結部材61は湾曲部62を有するので、ハウジング53に組み付けた状態であっても、コンパクト化を図ることができる。
左の連結部材61には、鋼板の長手方向に沿ったビード63が形成されている。左の連結部材61はビード63を有するので、剛性の向上を図ることができる。左の連結部材61は、左のヘッドライト51の上部54に沿った鋼板であるので、左のヘッドライト51とフード34(図3参照)との狭い空間に、左の連結部材61を配置することができる。
アッパクロスメンバ17の左端部に、左のヘッドライト51の車幅方向内側且つ上部を車体11に固定するための左の内側ブラケット81が設けられている。左の内側ブラケット81に、左の連結部材61の車幅方向内側部が固定される。
左のアッパメンバ22の上面22aに、左のヘッドライト51の車幅方向外側且つ上部を車体11に固定するための左の外側ブラケット91が設けられている。左の外側ブラケット91に、左の連結部材61の車幅方向外側部が固定される。
左の連結部材61は、剛性を有し、左の内側ブラケット81及び左の外側ブラケット91を介して、アッパクロスメンバ17と左のアッパメンバ22を繋ぐので、車体11前部の剛性の向上を図ることができる。
次に左のヘッドライト51の車体11への取付箇所について説明する。図7に示されるように、左のヘッドライト51のハウジング53には、上部内側取付部55と、上部外側取付部56と、下部取付部57と、を有する。
左のアッパメンバ22の下部には、左のヘッドライト51を車体に固定するための下側ブラケット101が溶接されている。アッパクロスメンバ17の左端部には、左の内側ブラケット81が溶接されている。左のアッパメンバ22の上部には、左の外側ブラケット91が溶接されている。
左のヘッドライト51の上部内側取付部55は、左の連結部材61と共に左の内側ブラケット81に、ボルト102により固定されている。上部外側取付部56は、左の連結部材61と共に左の外側ブラケット91に、ボルト103により固定されている。下部取付部57は、左の下側ブラケット101に、ボルト104により固定されている。
また、左の連結部材61の車幅方向外側部には、フード34(図3参照)の前端部を支持するための左のフードストッパ64が固定されている。左の内側ブラケット81には、フード34の前端部を支持するための左の内側フードストッパ82が固定されている。車体11の右側も同様であり、左右のフードストッパ64と、左右の内側フードストッパ82とにより、フード34を支持することができる。
ビード63(図6参照)により剛性を有する左の連結部材61に、フードストッパ64を固定するので、エンジン上方を覆うフード34前端を支持でき、フード34の支持剛性を向上させることができる。
次に各ブラケット81,91,101の位置関係について説明する。図8に示されるように、車両正面視において、左の内側ブラケット81と、左の外側ブラケット91とは、車幅方向に離れて配置されている。これにより、左のヘッドライト51を車幅方向に対して固定することができる。
左の外側ブラケット91と、左の下側ブラケット101とは、上下方向に離れて配置されている。これにより、左のヘッドライト51を上下方向に対して固定することができる。左の内側ブラケット81と、左の外側ブラケット91と、左の下側ブラケット101とは、車両正面視において、三角形を成すように配置されているので、左のヘッドライト51を3点固定により、上下左右前後方向に対して効率よく固定することができる。
また、左の内側ブラケット81と、左の外側ブラケット91と、左の下側ブラケット101との間にある三角形の範囲に、左のヘッドライト51を挿入する空間部71が形成される。
次に左の内側ブラケット81について説明する。図9に示されるように、左の内側ブラケット81は、アッパクロスメンバ17の前部17aに溶接され上方へ延びた前壁83と、該前壁83の上端から後上方に延びた傾斜壁84と、該傾斜壁84の上端から後方へ延びた固定座85と、該固定座85の後端からアッパクロスメンバ17まで延びた後壁86と、から成る。
固定座85の裏面には、ウェルドナット87が設けられている。固定座85の表面は、左のヘッドライト51(図7参照)を固定する部分である。左のヘッドライト51は、左の連結部材61(図7参照)と共に、ボルト102によりウェルドナット87に共締めされる。
傾斜壁84の傾斜長さは、車幅方向内側の傾斜長さがL3であり、車幅方向外側の傾斜長さがL4であり、車幅方向の内側から外側へ向かって、L3<L4となるように漸増している。
後壁86は、2つの細い柱部86a,86aとから成り、これらの柱部86a,86aの下端部に折れ曲がり部88,88が設けられる。折れ曲がり部88,88は、アッパクロスメンバ17に溶接されている。
次に左の内側ブラケット81の作用を説明する。図10に示されるように、左の内側ブラケット81の断面は、前壁83と、傾斜壁84と、固定座85と、後壁86と、アッパクロスメンバ17の上面17bとによって、略五角形断面に形成されている。
障害物(歩行者)により左のヘッドライト51(図7参照)の上部に、上方から固定座85に荷重が加わった際、左の内側ブラケット81は傾斜壁84を有するので、折れ曲がりを促進することができ、想像線で示す傾斜壁84のように折れ曲がり且つ内側に撓む。さらに、後壁86の柱部86a,86aは細いので、上方から固定座85に加わる荷重により、想像線で示す後壁86のように外側に撓む。障害物より上方からヘッドライト51に荷重が加わると、実線で示す固定座85は、下方に沈み込み想像線で示す固定座85の位置にくるので、障害物への衝撃を緩和することができる。
このように、上方からの荷重に対する左の内側ブラケット81の脆弱部分は、前壁83と、傾斜壁84と、固定座85と、後壁86と、アッパクロスメンバ17の上面17bとから成る、略五角形断面により構成される。
また、車幅方向外側の傾斜壁84の傾斜長さL4(図9参照)を車幅方向内側の傾斜長さL3より長くすることにより、左の内側固定ブラケット81は、車幅方向内側の閉断面が車幅方向外側の閉断面より面積が大きくなる。これにより、左の内側ブラケット81は、上述したように、上方からの荷重に対しては変形するものの、前後左右方向の荷重に対して剛性を備えることができる。
結果、図5に示す左のアッパメンバ22のダンパベース25からの前後左右方向の荷重を、左の連結部材61を介してアッパクロスメンバ17で支持するので、車体11前部の剛性が向上し、操縦安定性能が向上する。
次に左の外側ブラケット91について説明する。図11に示されるように、左の外側ブラケット91は、平板によって形成された折り曲げ成形品である。左の外側ブラケット91は、左のアッパメンバ22の上面22aに重ねられ溶接された下フランジ92と、下フランジ92から上方へ延びた縦板状の脚部93と、該脚部93の上端に形成された上フランジ94と、から成る。
脚部93は、脚部93の板面の上下端にわたって形成された縦溝95と、脚部93の両縁の上下端にわたって形成された一対の縦フランジ96,96と、脚部93の板厚方向へ段差状に形成された略水平な折れ線部97と、該折れ線部の延長上に且つ縦溝95の底に形成された横長の貫通孔98と、を有している。
左の外側ブラケット91は、上下端にわたって形成された縦溝95と、上下端にわたって形成された一対の縦フランジ96,96により、左の外側ブラケット91に作用する前後左右方向の荷重に対して、剛性を向上させることができる。
次に左の外側ブラケット91の作用を説明する。図12に示されるように、左の外側ブラケット91は、脚部93の板厚方向への段差状に形成された略水平な折れ線部97と、折れ線部97の延長上に且つ縦溝の底に形成された貫通孔98とが、上方からの荷重に対する脆弱部分になる。
障害物が左のヘッドライト51(図7参照)に当たり、上方から上フランジ94に荷重が加わった際、左の外側ブラケット91は、折れ線部97及び貫通孔98からなる脆弱部を有するので、折れ曲がりを促進することができ、想像線で示す左の外側ブラケット91のように変形する。結果、障害物から加えられる上方からの荷重に対して、障害物への反力を低減させることができる。
このように、左の外側ブラケット91は、上方からの荷重に対しては変形するものの、前後左右方向の荷重に対して剛性を備えることができる。結果、図5に示す左のアッパメンバ22に固定するダンパベース25からの前後左右方向の荷重は、左の外側ブラケット91から左の連結部材61を介してアッパクロスメンバ17により支持されるので、車体11前部の剛性が向上し、操縦安定性能が向上する。
また、上フランジ94の裏面には、ウェルドナット99が設けられている。上フランジ94の上面は、左のヘッドライト51(図7参照)を固定する部分である。左のヘッドライト51は、左の連結部材61(図7参照)と共に、ボルト103によりウェルドナット99に共締めされる。
次に左のヘッドライト51の下部の取付について説明する。図13に示されるように、左の下側ブラケット101は、断面略U字状を呈しており、裏面にウェルドナット105が設けられている。左の下側ブラケット101の表面は、ヘッドライト51(図7参照)を固定する部分である。左のヘッドライト51は、ボルト104によりウェルドナット105に締め付けられる。
左の下側ブラケット101の脆弱部分は、左の内側ブラケット81(図9参照)や左の外側ブラケット91(図11参照)の板厚よりも、左の下側ブラケット101の板厚を薄くすることで構成される。なお、左の下側ブラケット101の脆弱部分は、左の下側ブラケット101に横方向のノッチを設けることや、穴を設けることで、構成しても差し支えない。
図8に戻って、左の内側ブラケット81、左の外側ブラケット91及び左の下側ブラケット101は、上方からの荷重に対する脆弱部分を有する。障害物(歩行者)により、上方から左のヘッドライト51に荷重が加わると、全てのブラケット81,91,101が脆弱部分で変形するので、左のヘッドライト51が沈み込み、障害物への衝撃を緩和することができる。
以上に述べた車体前部構造の作用について説明する。図14(a)に示されるように、左のヘッドライト51の上部内側取付部55に、内側位置決めピン58が設けられている。上部外側取付部56に、外側位置決めピン59が設けられている。左の連結部材61の車幅方向内側端部に内側貫通孔65が設けられている。左の連結部材61の車幅方向外側端部に外側貫通孔66が設けられている。
左の連結部材61の内側貫通孔65に、上部内側取付部55の内側位置決めピン58を嵌合する。左の連結部材61の外側貫通孔66に、上部外側取付部56の外側位置決めピン59を嵌合する。これにより、左の連結部材61を、左のヘッドライト51に仮組みできる。
すると、図14(b)に示されるように、左のヘッドライト51に左の連結部材61が仮組みされた状態となる。
図15に示されるように、左の連結部材61が仮組みされた状態の左のヘッドライト51を、車体11の空間部71に、エンジンルーム12側から矢印bのように、斜めに挿入する。左のヘッドライト51を、車両10前方から斜めに挿入することで、左のヘッドライト51を、左のフロントフェンダの覆い部35及びフロントバルクヘッド15に干渉することなく、狭い空間部71へ配置することができる。
図16に示されるように、上部内側取付部55及び左の連結部材61の内側を、ボルト102により左の内側ブラケット81に固定する。上部外側取付部56及び左の連結部材61の外側を、ボルト103により左の外側ブラケット91に固定する。下部取付部57を、ボルト104により左の下側ブラケット101に固定する。
以上に述べた車体前部構造をまとめて以下に記載する。
図1,図2,図4〜図6に示されるように、フロントバルクヘッド15のアッパクロスメンバ17と、左右のアッパメンバ22とに対して、左右の連結部材61がボルト102,103により取り付けられる。さらに、左右のフロントフェンダ31の前端部には、左右のヘッドライト51の前面の一部を覆うことが可能に車幅中央側へ折れ曲がった左右の覆い部35が、形成されている。該左右の覆い部35の内面と左右のサイドメンバ16との間には、左右のヘッドライト51を配置することが可能な、左右の空間部71が形成されている。車体の前部に左右のヘッドライト51を組み込むには、先ず、左右の連結部材61が位置決めされた状態の該左右のヘッドライト51を、車体11の前方から左右の空間部71に挿入する。次に、左右の連結部材61を該アッパクロスメンバ17と該左右のアッパメンバ22とにボルト102,103止めする。このため、左右のヘッドライト51を車体の前方から左右の空間部71に挿入する際に、車幅中央側へ折れ曲がった左右の覆い部35や、左右の連結部材61に対して、該左右のヘッドライト51が干渉することはない。従って、容易に、該左右のヘッドライト51を車体11の前方から左右の空間部71に配置して、車体11に取り付けることができる。しかも、該アッパクロスメンバ17と該左右のアッパメンバ22とが、左右の連結部材61によって連結されることにより、車体11前部の剛性を十分に確保することができる。
図3,図6,図7に示されるように、左右の連結部材61は、左右のヘッドライト51の各ハウジング53の上部に沿って湾曲しつつ車幅方向へ延びた帯状の鋼板により構成されている。このため、左右の連結部材61を配置する際、左右のヘッドライト51の各ハウジング53の上部に広い空間を必要としない。左右のヘッドライト51と、その上に位置している部材34(フード34)との間の、上下に狭い空間に左右の連結部材61を配置することができる。
さらに、左右の連結部材61は、帯状の鋼板の長手方向に沿ったビード63が形成されている。このため、左右の連結部材61は、前後、左右方向に作用する荷重を十分に受け止め、且つ、車体の他の部位に十分に伝えることができる。従って、左右の連結部材61は、アッパクロスメンバ17と左右のアッパメンバ22との間を、十分に連結することができるので、車体11前部の剛性部材としての機能を果たすことができる。
図3,図6に示されるように、フード34の前端部を支持するための左右のフードストッパ64が、左右の連結部材61に固定されている。このため、左右のヘッドライト51とフード34との隙間が狭くても、左右のヘッドライト51の上で、フード34を支持することができるので、フード34の支持剛性を向上させることができる。
図8,図10,図12に示されるように、左右のヘッドライト51は、左右の内側ブラケット81、左右の外側ブラケット91及び左右の下側ブラケット101により車体11に固定される。これら全てのブラケット81,91,101は、車体11の上方から作用する所定の外力により変形可能な脆弱部分を有する。左右のヘッドライト51の上部に対して、障害物(例えば歩行者)が衝突したときに、所定以上の衝突力によって脆弱部分が変形する。従って、左右のヘッドライト51は下方へ変位する。左右の脆弱部分及び左右のヘッドライト51が下がることにより、衝突力を吸収することができる。この結果、障害物への衝撃を十分に緩和することができる。
図10,図11に示されるように、左右の内側ブラケット81は、アッパクロスメンバ17の前部から上方へ延びた左右の前壁83と、左右の前壁83の上端から後上方へ延びた左右の傾斜壁84と、左右の傾斜壁84の後端から後方へ延びた左右の固定座85と、左右の固定座85の後端からアッパクロスメンバ17まで下方へ延びた左右の後壁86とから成り、脆弱部分は、左右の内側ブラケット81の断面が、アッパクロスメンバ17の上面17bと、左右の前壁83と、左右の傾斜壁84と、左右の固定座85と、左右の後壁86とによって、略五角形断面に形成されることにより、構成され、左右の固定座85は、左右のヘッドライト51を固定する部分である。障害物がヘッドライト51の上部に衝突し固定座85に上方から荷重が加わると、左右のヘッドライト51の上部に対して、障害物(例えば歩行者)が衝突したときに、所定以上の衝突力が固定座85に上から作用する。この結果、傾斜壁84は斜めに荷重を受けるので、前壁83と傾斜壁84とを接続する脆弱な屈曲部から折れ曲がって内側に撓む。また、後壁は細幅の柱部86aで構成されるので、上方からの荷重により外側に撓む。結果、固定座85は、下方に沈み込むので、障害物への衝撃を十分に緩和することができる。しかも、単に略五角形断面にしただけの簡素な構成で済む。
図3,図9に示されるように、左右の傾斜壁84の傾斜長さは、車幅方向の内側から外側へ向かって漸増している。このため、左右の固定座85に上から衝突力が作用したときに、左右の傾斜壁84は、車幅方向内側から外側へいくほど、略垂直な前壁83の上端からの折れ曲がりが促進される。すなわち、左右の内側ブラケット81は、車幅方向外側が先に折り曲がることができる。また、車幅方向外側の傾斜壁84の傾斜長さを長くすることにより、左右の内側固定ブラケット81は、車幅方向内側の閉断面が車幅方向外側の閉断面よりも断面積が大きい。このため、左右の内側ブラケット81は、車幅方向外側から内側へいくほど、車体前後、左右方向の剛性が高い。左右のアッパメンバ22には、左右のフロントサスペンションのダンパの上端を支持するための左右のダンパハウジング24が設けられている。ダンパの上端からダンパハウジング24のダンパベース25へ伝わった車体11前後、左右方向(水平方向)の荷重は、ダンパハウジング24からアッパメンバ22に伝わる。左右のアッパメンバ22に伝わった荷重は、さらに連結部材61を介して、左右の内側ブラケット81に伝わる。左右の内側ブラケット81は、上からの荷重に対しては変形するものの、車体11前後、左右方向の荷重に対しては、車幅方向内側の部分が大きい剛性を有している。このため、左右のダンパベース25からの荷重をフロントバルクヘッド15のアッパクロスメンバ17に十分に伝えて、支えることができる。従って、車体11前部の剛性が向上するので、車両の操縦安定性を向上させることができる。
図1,図2,図5,図6に示されるように、左右の外側ブラケット91は、平板によって形成された折り曲げ成形品であり、左右の脚部の板面の上下端にわたって形成された縦溝95と、左右の脚部93の両縁の上下端にわたって形成された一対の縦フランジ96とを有する。このため、左右の外側ブラケット91は、車体11前後左右方向から作用する荷重に対して、剛性が大きい。
また、左右の外側ブラケット91は、左右の脚部93の板厚方向への段差状に形成された略水平な折れ線部97と、折れ線部97の延長上に且つ縦溝の底に形成された貫通孔98とを有している。左右のヘッドライト51の上部に対して、障害物(例えば歩行者)が衝突したときに、所定以上の衝突力が左右の外側ブラケット91に上から作用する。この衝突力を受けた左右の外側ブラケット91は、折れ線部97及び貫通孔98から下方へ容易に折れ曲がり可能である。この結果、障害物への衝撃を十分に緩和することができる。このように、左右の外側ブラケット91は、車体11前後方向からの荷重に対しては、左右のヘッドライトを十分に支えるとともに、上からの衝突力に対しては、変形して衝突力を十分に吸収することができる。
尚、実施例においては、車幅方向左側の部品について説明したが、車幅方向右側であっても同様である。
本発明の車体前部構造は、左右のヘッドライトを有する、自動車に好適である。
10…車両、11…車体、12…エンジンルーム、15…フロントバルクヘッド、16…左右のサイドメンバ、17…アッパクロスメンバ、17b…アッパクロスメンバの上面、22…左右のアッパメンバ、22a…左右のアッパメンバの上面、23…左右のフロントピラー、31…左右のフロントフェンダ、34…フード、35…左右の覆い部、51…左右のヘッドライト、53…ハウジング、54…上部、61…左右の連結部材、63…ビード、64…左右のフードストッパ、71…空間部、81…左右の内側ブラケット、83…前壁、84…傾斜壁、85…固定座、86…後壁、91…左右の外側ブラケット、92…下フランジ、93…脚部、94…上フランジ、95…縦溝、96…縦フランジ、97…折れ線部、98…貫通孔、101…左右の下側ブラケット、102,103…ボルト。

Claims (6)

  1. 左右のフロントピラーから前方へ延びた左右のアッパメンバと、該左右のアッパメンバの車幅方向外面を覆う左右のフロントフェンダと、前記左右のアッパメンバの前端部に且つ車幅方向内側に位置するフロントバルクヘッドとを含み、
    該フロントバルクヘッドは、前記左右のアッパメンバの車幅方向内側に位置して上下に延びる左右のサイドメンバと、該左右のサイドメンバの上端間を繋ぐアッパクロスメンバとを含む、車体前部構造において、
    前記左右のフロントフェンダの前端部には、車体の前部に配置される左右のヘッドライトの前面の一部を覆うことが可能に車幅中央側へ折れ曲がった左右の覆い部が形成され、
    前記左右の覆い部の内面と前記左右のサイドメンバとの間には、前記左右のヘッドライトが位置することが可能な、左右の空間部が形成され、
    前記フロントバルクヘッドの前記アッパクロスメンバと、前記左右のアッパメンバとには、前記左右のヘッドライトに位置決めされた状態の左右の連結部材が、それぞれボルトにより取り付けられ
    前記左右のヘッドライトの車幅方向内側且つ上部を前記車体に固定するための左右の内側ブラケットと、
    前記左右のヘッドライトの車幅方向外側且つ上部を前記車体に固定するための左右の外側ブラケットと、
    前記左右のヘッドライトの下部を前記車体に固定するための左右の下側ブラケットとを有し、
    前記全てのブラケットは、前記車体の上方から作用する所定の外力に対して変形可能な脆弱部分を有していることを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記左右の連結部材は、前記左右のヘッドライトの各ハウジングの上部に沿って湾曲しつつ車幅方向へ延びた帯状の鋼板により構成された部材であり、該帯状の鋼板の長手方向に沿ったビードが形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
  3. 前記車体の前部に形成されたエンジンルームの上部を開閉するための、フードを有し、
    該フードの前端部を支持するための左右のフードストッパが、前記左右の連結部材に固定されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体前部構造。
  4. 前記左右の内側ブラケットは、前記アッパクロスメンバの前部から上方へ延びた左右の前壁と、該左右の前壁の上端から後上方へ延びた左右の傾斜壁と、該左右の傾斜壁の後端から後方へ延びた左右の固定座と、該左右の固定座の後端から前記アッパクロスメンバまで下方へ延びた左右の後壁とから成り、
    前記脆弱部分は、前記左右の内側ブラケットの断面が、前記アッパクロスメンバの上面と、前記左右の前壁と、前記左右の傾斜壁と、前記左右の固定座と、前記左右の後壁とによって、略五角形断面に形成されることにより、構成され、
    前記左右の固定座は、前記左右のヘッドライトを固定する部分であることを特徴とする請求項記載の車体前部構造。
  5. 前記左右の傾斜壁の傾斜長さは、車幅方向の内側から外側へ向かって漸増していることを特徴とする請求項記載の車体前部構造。
  6. 前記左右の外側ブラケットは、平板によって形成された折り曲げ成形品であり、前記左右のアッパメンバの上面に重ねられ且つ接合された左右の下フランジと、該左右の下フランジから上方へ延びた縦板状の左右の脚部と、該左右の脚部の上端に形成された左右の上フランジとから成り、
    前記左右の脚部は、それぞれ、該左右の脚部の板面の上下端にわたって形成された縦溝と、該左右の脚部の両縁の上下端にわたって形成された一対の縦フランジと、該左右の脚部の板厚方向への段差状に形成された略水平な折れ線部と、該折れ線部の延長上に且つ縦溝の底に形成された貫通孔とを有している、ことを特徴とする請求項のいずれか1項記載の車体前部構造。
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