JP5940820B2 - 熱切断加工装置,熱切断加工方法,及び複合加工方法 - Google Patents
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Description
このような複合加工をより高精度に行うためには、各加工において、加工の基準となる原点が精度よく一致している必要がある。その一致を得る方法として、前段のパンチ加工で設けた孔を基準にして後段のレーザ加工の原点を決定する方法がある。その一例が特許文献1に記載されている。
この位置ずれの量(以下、位置ずれ量と称する)は、ワーク上の位置に応じて異なって生じ、また、加工時間によって変化する。さらに、レーザ加工の場合、位置ずれ量の異なり具合は、ワークに照射されるレーザの照射経路によって違ってくる。
詳しくは、ワーク上の加工部位が、原点となる基準孔及び基準辺から遠い程、位置ずれ量は増加し、また、加工時間が経過する程、熱の蓄積により膨張が進行して位置ずれ量は増加する。すなわち、ワークにおいて基準孔及び基準辺から遠い位置にレイアウトされた製品程、また、同一ワークにおいて後からレーザ加工される製品程、位置ずれ量が多くなる傾向がある。
また、図16に示されるように、レーザの概略照射経路がワークWの一対の対向辺WH1,WH2側で繰り返して折り返す照射経路Kの場合、折り返しのある対向辺WH1,WH2近傍の領域AR1での温度上昇が中間の領域AR2の温度上昇よりも顕著になる。このため、端部側の領域AR1における位置ずれ量が中間の領域AR2での位置ずれ量よりも大きくなる。
従って、推定された位置ずれ量を相殺する加工プログラムを作成し、その加工プログラムによって位置ずれを低減した加工を行う方法が検討されている。
しかしながら、この方法は、熱膨張に基づく位置ずれ量の推定に必要なパラメータが極めて多いため、推定精度を高めるには限界がある。また、プログラム作成にも非常に多くの工数を要する。そのため、生産数量が少ない製品それぞれについてプログラムを作成することは生産効率の観点で好ましいとは言い難く、適用できる製品が限定されてしまう。
このように、熱切断加工において、熱膨張によって生じる加工の位置ずれを抑え高精度の複合加工を行うことは、容易ではない。
この混流加工は、ワーク単位で行う場合のみならず、同一ワークに、高精度製品と通常精度製品とを混在させて行えることが無駄のない生産を行う観点から大変望まれる。
特許文献1に示された従来の複合加工は、同一ワーク内で高精度製品と通常精度製品との混在が可能ではなく、その具現化が望まれている。
1) ワークを移動可能に保持するテーブルと、
前記テーブルに保持されたワークに対し熱切断加工を行う加工ヘッドと、
前記テーブルに保持されたワークの所定範囲を撮像する撮像部と、
前記熱切断加工の動作を制御する制御部と、
を備えた熱切断加工装置において、
前記ワークには、複数の製品がレイアウトされると共に前記複数の製品それぞれに対応した基準孔が前工程で形成されており、
前記制御部は、前記複数の製品の内の一の製品の前記熱切断加工に際し、前記一の製品に対応した前記基準孔を含む画像を前記撮像部で撮像して得ると共に、得た前記画像において前記基準孔近傍での所定のマークの有無を判定し、有と判定した場合には、前記画像における前記基準孔の中心位置を利用した前記熱切断加工の原点位置の補正を実行して前記一の製品に対応した熱切断加工原点を求め、前記熱切断加工原点を基準として前記一の製品の熱切断加工を実行するよう制御することを特徴とする熱切断加工装置である。
2) ワークを移動可能に保持するテーブルと、
前記テーブルに保持されたワークに対し熱切断加工を行う加工ヘッドと、
前記テーブルに保持されたワークの所定範囲を撮像する撮像部と、
前記熱切断加工の動作を制御する制御部と、
を備えた熱切断加工装置において、
前記ワークには、複数の製品がレイアウトされると共に前記複数の製品それぞれに対応した孔が前工程で形成されており、
前記制御部は、
前記複数の製品の内の一の製品の前記熱切断加工に際し、前記一の製品に対応した前記孔を含む画像を前記撮像部で撮像して得ると共に、得た前記画像において前記孔に対応した所定のマークの有無を判定し、有と判定した場合には、前記画像に基づいて前記熱切断加工の原点位置の補正を実行して前記一の製品に対応した熱切断加工原点を求め、前記熱切断加工原点を基準として前記一の製品の熱切断加工を実行するよう制御し、
さらに、前記制御部は、前記原点位置の補正において、前記加工ヘッドに対し前記ワークに前記孔の加工プログラム上の中心座標を基準位置とした所定形状のけがき線を形成するよう指示すると共に、前記画像における前記孔の中心と形成した前記けがき線の前記基準位置との位置ずれ量を算出し、前記位置ずれ量に基づいて前記熱切断加工原点を求めることを特徴とする熱切断加工装置である。
3) 前記けがき線は、レーザにより形成することを特徴とする)に2記載の熱切断加工装置である。
4) 複数の製品がレイアウトされると共に前記複数の製品それぞれに対応した基準
孔が前工程で形成されたワークに対し、制御部からの指示により熱切断加工を行う熱切断加工方法であって、
前記複数の製品の内の一の製品の前記熱切断加工に際し、前記一の製品に対応した前記基準孔を含む画像を撮像部により得る撮像ステップと、
得た前記画像において前記基準孔近傍での所定のマークの有無を判定するマーク有無判定ステップと、
前記マーク有無判定ステップでマーク有と判定した場合に、前記撮像ステップで得た前記画像における前記基準孔の中心位置を利用した前記熱切断加工の原点位置の補正を実行して前記一の製品に対応した熱切断加工原点を求める原点取得ステップと、
前記熱切断加工原点を基準として前記一の製品の前記熱切断加工を実行する熱切断加工ステップと、
を含むことを特徴とする熱切断加工方法である。
5)複数の製品がレイアウトされると共に前記複数の製品それぞれに対応した孔が前工程で形成されたワークに対し、制御部からの指示により熱切断加工を行う熱切断加工方法であって、
前記複数の製品の内の一の製品の前記熱切断加工に際し、前記一の製品に対応した前記孔を含む画像を撮像部により得る撮像ステップと、
得た前記画像において前記孔に対応した所定のマークの有無を判定するマーク有無判定ステップと、
前記マーク有無判定ステップでマーク有と判定した場合に、前記撮像ステップで得た前記画像に基づいて前記熱切断加工の原点位置の補正を実行して前記一の製品に対応した熱切断加工原点を求める原点取得ステップと、
前記熱切断加工原点を基準として前記一の製品の前記熱切断加工を実行する熱切断加工ステップと、
を含み、
前記原点取得ステップは、
加工ヘッドによって前記ワークに前記孔の加工プログラム上の中心座標を基準位置としたけがき線を形成するけがき線形成ステップと、
前記画像に基づいて前記孔の中心と形成した前記けがき線の前記基準位置との位置ずれ量を求める位置ずれ量取得ステップと、
前記位置ずれ量に基づいて前記熱切断加工原点を求める熱切断加工原点取得ステップと、
を含むことを特徴とする熱切断加工方法である。
6) 前記けがき線は、レーザにより形成することを特徴とする5)に記載の熱切断加工方法である。
7) 一のワークから複数の製品を得る複数個取りで、前記ワークに対しパンチ加工装置によるパンチ加工の後、熱切断加工装置による熱切断加工を行う複合加工方法であって、
前記パンチ加工において、前記複数の製品それぞれに対応した基準孔を形成する基準孔形成ステップと、
前記複数の製品の内の高精度の熱切断加工をすべき製品に対応した基準孔の近傍位置に所定のマークを付与するマーク付与ステップと、
前記熱切断加工において、前記複数の製品の内の一製品を加工する前に、前記基準孔及び前記近傍位置を含む範囲の画像を得る画像取得ステップと、
前記画像取得ステップで得た画像から前記マークの有無を判定するマーク有無判定ステップと、
前記マーク有無判定ステップでマーク有と判定した場合に、前記画像取得ステップで得た前記画像に基づいて前記熱切断加工の原点位置の補正を実行して前記一製品に対応した熱切断加工原点を求める原点取得ステップと、
前記熱切断加工原点を基準として前記マーク有と判定した前記一製品の前記熱切断加工を実行する熱切断加工ステップと、
を含むことを特徴とする複合加工方法である。
各図において、上下方向(Z軸方向),左右方向(X軸方向),及び前後方向(Y軸方向)は、特に注記がない限り図2に示された方向で規定する。
本発明の複合加工方法の実施例は、図1に示されるように、ワークWに対し、パンチ加工装置PSによりパンチ加工を施してワークW1を得た後、そのワークW1に対して熱切断装置であるレーザ加工装置KSにより熱切断加工を施してワークW2を得る複合加工方法である。ワークWは複数個取りのワークとして、プログラム上で予め複数の製品Sがレイアウトされている(図6参照)。
パンチ加工装置PSは、金型であるパンチ11を着脱自在に保持するパンチホルダ12と、金型であるダイ13を着脱自在に保持するダイホルダ14と、ワークWの所定の位置にマーキングを付与するマーク付与部15と、を備えている。
マーク付与部15は、例えばインクジェット印字装置である。
パンチ加工装置PSは、タレットパンチプレスであってもよく、また、レーザ加工装置KSと一体化された複合加工機であってもよい。
コントローラ52と、本体部51及び入力装置53と、の間は、無線又は有線により相互に信号の授受が可能なように接続されている。
本体部51は、ワークWを支持すると共にクランパ1でワークWの一辺(基準辺)を突き当て保持しつつリニアガイド4に沿って左右方向に移動可能としたテーブル2と、テーブル2の上方側において前後方向に延在するビーム3と、ビーム3において前後方向に移動可能に支持され、テーブル2に向かってレーザを照射するレーザヘッド6を有するヘッド部5と、を備えて構成されている。
また、制御部SGは、後述するカメラ7により画像を取得する画像取得部SG1と、カメラ7により得られた画像を解析して所望部位の座標を求める画像解析部SG2と、その画像の中から特定の色の領域の有無及び有の場合の範囲を判定する色領域検出部SG3と、を備えている。
記憶部MRの制御情報及び加工情報は、予め固定記憶されているものに限らず、図示しないインターフェースを介して外部から供給されて追加記憶した情報若しくは書き換え記憶した情報、又は、記憶媒体を介して追加記憶若しくは書き換え記憶された情報等である。
入力装置53は、情報を表示する表示部53aと、作業者がデータや指示を入力するための入力部53bと、を有している。
図3には、本体部51の稼働部材を動かす駆動部が、駆動系KDとして一纏めに示されている。
ヘッド部5は、レーザLSを下方(テーブル2側)に向け照射するレーザヘッド6とテーブル2側の所定範囲を撮像する撮像部であるカメラ7とを有している。
レーザヘッド6から照射されるレーザLSの光軸CL6と、カメラ7の光軸CL7とは、前後方向に一定の距離Lmだけ離れて平行に設定されている。
図5は、この用途において、本体部51で加工するワークW1を説明するための図であり、ワークW1がクランパ1により把持された状態が示されている。
また、図6は、ワークW1に対してレーザにより熱切断加工を施した状態のワークW2(便宜的にワークWと称する場合もある)について説明する図である。
切断ラインLNは、例えば図6に示されるように、一枚のワークWにおいて、L字形状の二つの製品Sを、互いに180°ずれた(回転させた)姿勢で近接配置して製品対STにすると共に、その製品対STを4行4列なるマトリックスとして合計32個の製品Sが得られるようレイアウトされている。
ここでは、k行,j列にある製品対を符号STkjとして表記する。また、製品対STkjを構成する一対の製品Sを、製品Skja,Skjbとも表記する。
具体例としては、図6のワークW2に示されるように、製品S11aに対応して孔H11aが、また製品S12bに対応して孔H12bが形成されている。
ワークWに面付けされる複数の製品Sは、高精度の加工が要求される高精度製品SSと、高精度製品SSほどの精度は不要な通常製品Stjとのいずれかに分類される。すなわち、ワークWは、高精度製品SSと通常製品Stjとが混在した複数個取りとされている。
高精度製品SSに対応する基準孔Hssの近傍には、パンチ加工装置PSのマーク付与部15によって所定形状のマーク16が付与されている〔図7(a)〜(c)〕(図7参照)。
所定形状としては、図7(a)に示されるような基準孔Hssを囲むリング状、図7(b)に示されるような基準孔Hssの近傍に一箇所設けられた円形状、図7(c)に示されるような基準孔Hssの周囲に設けられた複数の円形点状、などであり、限定されない。
マーク16は、ワークW1の地色とは異なる色で付与される。例えば、赤色、青色、等である。マーク16の色は、カメラ7で撮像された画像上で、ワークW1の地色と区別できる色であればよい。また、肉眼で区別できなくても画像処理において区別できる色であればよい。
以下の説明において、ワークWにおいては、製品S11aを高精度製品SSとし、製品S11bを通常製品Stjする加工プログラムが組まれているものとする。
初期設定工程は、本体部51におけるカメラ7の光軸CL7とレーザヘッド6の光軸CL6とについてのキャリブレーション工程である。
初期設定動作の実行タイミングは、レーザ加工装置KSの電源投入後,長期停止後,又は動作中の所定期間毎など、である。
そして、レーザLSの光軸CL6が孔Hkの中心CTR6に位置するようにレーザヘッド6を移動し、その状態で、孔Hkを含む所定の範囲をカメラ7で撮像して画像GZを得る。
ここで、本体部51は、レーザLSの光軸CL6とカメラ7の光軸CL7とが平行でかつ距離Lmだけ離れた正規の状態において、得られた画像GZの中心CTR7と画像GZ上の孔Hkの中心CTR6とが一致するように設定されている。
しかしながら、実際の装置では、部品の組み立て誤差や部材の温度に応じた寸法変化に起因して、画像GZの中心CTR7と孔Hkの中心CTR6とは一致せず、ずれが生じる。
記憶部MRに以前の基本座標補正量HS1が記憶されている場合、制御部SGは、それを消去して最新のもののみを記憶させる。もちろん、履歴としてすべて記憶してもよい。履歴を残す場合、例えば、記憶している過去の値と比較して特異な値の基本座標補正量HS1が出現したら、重大な故障が発生したと判断してアラームを発するようにしてもよい。
記憶部MRに記憶した基本座標補正量HS1は、製品加工工程で利用する。
製品加工工程は、孔明け加工が施されたワークW1に対し、予め設定されたレーザの照射経路(例えば、図16に示された照射経路K)に沿ってレーザLSによって熱切断を行う工程である。
ワークW1に照射経路Kを適用する場合は、製品対ST11,ST12,ST13,ST14,ST24,ST23,・・・の順に加工する(図6及び図16参照)。この加工は、各製品Sを完全に分離しないよう所謂ミクロジョイントを有する加工であってよい。
予め加工プログラムで、図9に示されるように、製品S11aに対し、パンチ加工で基準孔としての孔H11aと、製品形状としての孔Sh1,Sh2と、レーザLSを最初に投射等するための孔H11cとを形成し、レーザ加工において製品S11aの外形及び開口部Saの開口縁部を切断するよう設定しておく。
孔H11aは、レーザ加工における原点位置の補正のための基準孔として、また、製品S11aの外形を切断する際のレーザLSの照射開始及び照射終了時に位置させる孔として設ける。
孔H11aは、製品S11aに対応して形成される。具体的には、製品S11aの外形の内側、又は外形から外側の直近位置に形成される。
ここでは、製品S11aが高精度製品SSなので、パンチ加工装置PSのマーク付与部15によって、製品S11aに対応した基準の孔H11aを囲むようにマーク16が、例えば、赤色であって図7(a)に示されるようなリング状に付与されている。
また、製品S11bは通常製品Stjなので、孔H11bに対応したマークは付与されていない。
孔H11cも、開口部Saを切断する際の、レーザLSの照射開始及び照射終了時に位置させる孔として設ける。
具体的には、図10のフロー図に示されるように、制御部SGは、加工プログラム又は外部からの指示に基づいて、次に加工する製品Sを製品S11aと設定したら(StepS1)、画像取得部SG1の指示によりカメラ7で基準孔H(H11a)を含む範囲を撮像し(StepS2)、得られた画像GZについて、色領域検出部SG3により、基準孔H(H11a)の近傍の所定の位置に所定の色(ここでは赤色)の領域が検出されるか否かでマーク16の付与の有無を判定する(StepS3)。
尚、StepS2においてカメラ7が撮像する所定の範囲は、予め設定されたマーク16が付与される場合の付与位置を含む範囲である。この範囲例は、図7(a)〜(c)に画像GZ16として示される。
所定色の領域が検出されたら、マーク付与有りとして製品S11aを高精度製品と判定する(StepS4)。
所定色の領域が検出されなかったら、マーク付与無しとして製品S11aを通常製品Stjと判定する(StepS5)。
高精度の熱切断加工に際しては、レーザ加工装置KSは、まず原点位置の補正を行う。この原点位置の補正工程については、各高精度製品SSに対応した基準孔Hssの中心位置に基づく原点位置の補正を行う工程例1と、基準孔Hssの中心位置と、その中心位置に基づいて形成したレーザによるけがき線の中心位置との差分に基づく原点位置の補正を行う工程例2と、を説明する。
まず、工程例1について、ワークW1の製品S11aの加工を代表とし図9,図11,及び図12を参照して説明する。
図9は、製品S11a,S11bの切断ラインLN等を説明する図であり、図11は、孔H11aを用いた原点合わせを説明するための平面図であり、図12は、工程例1における原点合わせ動作のフローチャートである。
制御部SGは、初期設定工程で得ている基本座標補正量HS1を記憶部MRから呼び出して取得し(StepA2)、画像解析部SG2により、画像GZの中心CTR7の座標(X7,Y7)から、呼び出した基本座標補正量HS1の成分(ΔX,ΔY)を減じて座標(X7−ΔX,Y7−ΔY)を得る(StepA3)。
そして、得た座標を、製品S11aのレーザ加工の原点となる補正原点HGAの座標として加工プログラム上に設定すると共に(StepA4)、記憶部MRに記憶させる。製品S11aの加工は、この設定された補正原点HGAを基準に行われる。
次に、工程例2について、図13〜図15を参照して説明する。工程例2による加工手順の具体例は、工程例1と同様に、製品S11aとそれに対応した孔H11aとを代表として説明する。
けがき線LC11の所定形状の例は、孔H11aを囲む円弧であり、半径は、例えば孔H11aの半径の二倍である(孔H11aの半径例:2.5mm,けがき線LC11の半径:5mm)。
そして、制御部SGは、画像解析部SG2により、孔H11aの中心CTR11とけがき線LC11の中心CTR11LとのX軸方向,Y軸方向のずれ量(ΔXL,ΔYL)を(X11L−X11,Y11L−Y11)として求める(StepB3)。更に制御部SGは、このずれ量を、製品S11aの加工における座標補正量HS11とし(StepB4)、記憶部MRに記憶させる。
そこで、レーザLSの照射位置を図14における中心CTR11の位置に移動してレーザ加工の原点をパンチ加工の原点に矢印DR11のように合致させるため、制御部SGは、加工プログラム上のレーザ加工の当初の原点(0,0)から座標補正量HS11を減じた座標(0−ΔXL,0−ΔYL)を、原点位置の補正後のレーザ加工の原点となる補正原点HGBとして設定する(StepB5)。
以上の動作手順で工程例2の原点位置の補正が実行される。
製品S11bの加工に際して、制御部SGは、製品S11aの場合と同様に製品S11bに対応して形成された孔H11bの近傍にマーク16が付与されているか否かを判定し、製品S11bが高精度製品か否かの判定を実行する。
この例では製品S11bに対応した孔H11b近傍にはマークが付与されていないので、図10のフロー図におけるStepS3の判定で、制御部SGは、領域を検出せず製品S11bを通常製品Stjと判定する(StepS5)。
通常製品と判定された製品S11bの加工においては、工程例1又は工程例2の原点位置の補正工程を行わず、直前に設定された基準原点を次加工の基準原点として、又は、加工プログラム通りの原点を基準原点として、製品S11bの加工を実行する。
以下、すべての製品Skja,Skjbについて同様に、高精度製品か否かの判定を経て加工を実行する。
また、工程例1及び工程例2では、熱切断加工を施す直前に原点合わせを実行するので、時間経過での位置ずれ量の増加をほとんど無視することができ、より高精度の熱切断加工ができる。
また、各製品Sの加工毎に高精度製品SSか否かを判定し、工程例1又は工程例2の高精度製品SSのみ原点位置の補正を実行するので、高精度製品SSが極めて高い精度で加工できると共に、通常製品Stjの加工では原点位置出しを実行しないので、その分の加工時間が短縮され、加工効率が向上する。
原点合わせを工程例1と工程例2とのいずれで行うかは適宜設定してよい。工程例2は、レーザによるけがき線加工を伴うので、工程例1よりも時間を要する反面、各高精度製品SS毎に実際のレーザの照射基準が校正されるので、より高い精度で製品を得ることができる。
複合加工における座標軸は、ワークWのクランパ1に突き当てた辺を基準辺として各加工装置間で共用化される。従って、上述の原点位置の補正を行えば座標軸合わせを不要として高精度の加工が可能となっている。座標軸合わせは、クランパへの突き当てに限らず他の方法を採用してよい。
けがき線LC11の形状は、円弧や円に限らない。例えば、楕円、長円、正方形を含む矩形、星型、等であってもよい。円弧の場合、基準位置はその中心とすることができるので、けがき線LC11の所定形状は、その形状から基準位置となる点を一つ決定できるものであればよい。
マーク16は、印刷によって付与するものに限らない。所定の色のシールを基準孔近傍に貼付するようにしてもよい。また、作業者やロボットなどにより所定の色のインキを油性ペンや刷毛等で基準孔近傍に塗布して付与してもよい。
高精度製品と通常製品との生産比率により、マーク16をどちらの製品に付与するかを決めるとよい。具体的には、高精度製品の取り数が多い場合は、マーク無しを高精度製品とし、マーク有りを通常製品にするとよい。これにより、インキの消費量が抑制される。
マーク16は、基準となる基準孔Hssの近傍に付与されているので、撮像された同一画像GZ上でマーク16の有無判定と、有判定後の原点位置の補正工程が行える。これにより、高精度製品の判定と原点位置の補正をより速く行うことができる。
2 テーブル
3 ビーム
4 リニアガイド
5 ヘッド部
6 レーザヘッド
7 カメラ
11 パンチ
12 パンチホルダ
13 ダイ
14 ダイホルダ
15 マーク付与部
16 マーク
51 (レーザ加工装置の)本体部
52 コントローラ
53 入力装置
53a 表示部
53b 入力部
CL6,CL7 光軸
CTR21,CTR6,CTR7,CTR11a,CTRk 中心
GZ,GZ11,GZ16 画像
HGA,HGB 補正原点
H,H11a〜H11c,Hk,HB,HB11〜HB33、 Hss 基準孔
HS1 基本座標補正量
HS21 座標補正量
K (レーザの)照射経路
KD 駆動系
KS レーザ加工装置
LC11 けがき線
LN 切断ライン
LS レーザ
MR 記憶部
PS パンチ加工装置
S(Skja,Skjb),S11a,S11b,SB 製品
SG 制御部、 SG1 画像取得部、 SG2 画像解析部、 SG3 色領域検出部
Sh1,Sh2 孔
SS 高精度製品、 Stj 通常製品
ST(STkj) 製品対
W,W1,W1B,W2 ワーク
WH1,WH2 対向辺
Wz 端材
Claims (7)
- ワークを移動可能に保持するテーブルと、
前記テーブルに保持されたワークに対し熱切断加工を行う加工ヘッドと、
前記テーブルに保持されたワークの所定範囲を撮像する撮像部と、
前記熱切断加工の動作を制御する制御部と、
を備えた熱切断加工装置において、
前記ワークには、複数の製品がレイアウトされると共に前記複数の製品それぞれに対応した基準孔が前工程で形成されており、
前記制御部は、前記複数の製品の内の一の製品の前記熱切断加工に際し、前記一の製品に対応した前記基準孔を含む画像を前記撮像部で撮像して得ると共に、得た前記画像において前記基準孔近傍での所定のマークの有無を判定し、有と判定した場合には、前記画像における前記基準孔の中心位置を利用した前記熱切断加工の原点位置の補正を実行して前記一の製品に対応した熱切断加工原点を求め、前記熱切断加工原点を基準として前記一の製品の熱切断加工を実行するよう制御することを特徴とする熱切断加工装置。 - ワークを移動可能に保持するテーブルと、
前記テーブルに保持されたワークに対し熱切断加工を行う加工ヘッドと、
前記テーブルに保持されたワークの所定範囲を撮像する撮像部と、
前記熱切断加工の動作を制御する制御部と、
を備えた熱切断加工装置において、
前記ワークには、複数の製品がレイアウトされると共に前記複数の製品それぞれに対応した孔が前工程で形成されており、
前記制御部は、
前記複数の製品の内の一の製品の前記熱切断加工に際し、前記一の製品に対応した前記孔を含む画像を前記撮像部で撮像して得ると共に、得た前記画像において前記孔に対応した所定のマークの有無を判定し、有と判定した場合には、前記画像に基づいて前記熱切断加工の原点位置の補正を実行して前記一の製品に対応した熱切断加工原点を求め、前記熱切断加工原点を基準として前記一の製品の熱切断加工を実行するよう制御し、
さらに、前記制御部は、前記原点位置の補正において、前記加工ヘッドに対し前記ワークに前記孔の加工プログラム上の中心座標を基準位置とした所定形状のけがき線を形成するよう指示すると共に、前記画像における前記孔の中心と形成した前記けがき線の前記基準位置との位置ずれ量を算出し、前記位置ずれ量に基づいて前記熱切断加工原点を求めることを特徴とする熱切断加工装置。 - 前記けがき線は、レーザにより形成することを特徴とする請求項2記載の熱切断加工装置。
- 複数の製品がレイアウトされると共に前記複数の製品それぞれに対応した基準
孔が前工程で形成されたワークに対し、制御部からの指示により熱切断加工を行う熱切断加工方法であって、
前記複数の製品の内の一の製品の前記熱切断加工に際し、前記一の製品に対応した前記基準孔を含む画像を撮像部により得る撮像ステップと、
得た前記画像において前記基準孔近傍での所定のマークの有無を判定するマーク有無判定ステップと、
前記マーク有無判定ステップでマーク有と判定した場合に、前記撮像ステップで得た前記画像における前記基準孔の中心位置を利用した前記熱切断加工の原点位置の補正を実行して前記一の製品に対応した熱切断加工原点を求める原点取得ステップと、
前記熱切断加工原点を基準として前記一の製品の前記熱切断加工を実行する熱切断加工ステップと、
を含むことを特徴とする熱切断加工方法。 - 複数の製品がレイアウトされると共に前記複数の製品それぞれに対応した孔が前工程で形成されたワークに対し、制御部からの指示により熱切断加工を行う熱切断加工方法であって、
前記複数の製品の内の一の製品の前記熱切断加工に際し、前記一の製品に対応した前記孔を含む画像を撮像部により得る撮像ステップと、
得た前記画像において前記孔に対応した所定のマークの有無を判定するマーク有無判定ステップと、
前記マーク有無判定ステップでマーク有と判定した場合に、前記撮像ステップで得た前記画像に基づいて前記熱切断加工の原点位置の補正を実行して前記一の製品に対応した熱切断加工原点を求める原点取得ステップと、
前記熱切断加工原点を基準として前記一の製品の前記熱切断加工を実行する熱切断加工ステップと、
を含み、
前記原点取得ステップは、
加工ヘッドによって前記ワークに前記孔の加工プログラム上の中心座標を基準位置としたけがき線を形成するけがき線形成ステップと、
前記画像に基づいて前記孔の中心と形成した前記けがき線の前記基準位置との位置ずれ量を求める位置ずれ量取得ステップと、
前記位置ずれ量に基づいて前記熱切断加工原点を求める熱切断加工原点取得ステップと、
を含むことを特徴とする熱切断加工方法。 - 前記けがき線は、レーザにより形成することを特徴とする請求項5記載の熱切断加工方法。
- 一のワークから複数の製品を得る複数個取りで、前記ワークに対しパンチ加工装置によるパンチ加工の後、熱切断加工装置による熱切断加工を行う複合加工方法であって、
前記パンチ加工において、前記複数の製品それぞれに対応した基準孔を形成する基準孔形成ステップと、
前記複数の製品の内の高精度の熱切断加工をすべき製品に対応した基準孔の近傍位置に所定のマークを付与するマーク付与ステップと、
前記熱切断加工において、前記複数の製品の内の一製品を加工する前に、前記基準孔及び前記近傍位置を含む範囲の画像を得る画像取得ステップと、
前記画像取得ステップで得た画像から前記マークの有無を判定するマーク有無判定ステップと、
前記マーク有無判定ステップでマーク有と判定した場合に、前記画像取得ステップで得た前記画像に基づいて前記熱切断加工の原点位置の補正を実行して前記一製品に対応した熱切断加工原点を求める原点取得ステップと、
前記熱切断加工原点を基準として前記マーク有と判定した前記一製品の前記熱切断加工を実行する熱切断加工ステップと、
を含むことを特徴とする複合加工方法。
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