JP5940751B1 - 脱線防止部材の位置変更装置及び位置変更方法 - Google Patents

脱線防止部材の位置変更装置及び位置変更方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な動作により脱線防止部材を回動させることが可能な脱線防止部材の位置変更装置を提供する。【解決手段】軌道81の上方において下方への荷重を支持可能な支持機構11と、支持機構11に吊り下げ支持されるチェーンブロック12と、チェーンブロック12に連結され、脱線防止部材85を保持するガードキャッチ13とを備えている。脱線防止部材85を脱線防止位置から保守作業位置に転換させる場合、チェーンブロック12が保守作業位置へ傾斜するようにチェーンブロック12の吊り下げ位置を設定する。その状態でチェーンブロック12を巻き取り駆動し、脱線防止部材85を斜め上方へ牽引して回動させる。【選択図】 図1

Description

鉄道車両の脱線を防止する脱線防止部材の位置変更装置及び位置変更方法に関する。
本線レール上を走行する鉄道車両の脱線を防止すべく、本線レールの近傍にはガードレール(脱線防止部材)が設置されている。本線レールに対しては定期的に保守作業を行う必要があるところ、脱線防止部材においては、その作業の妨げにならないことが求められる。
このため、脱線防止部材は、本線レールに沿って設定された回動軸を中心に回動可能とされ、本線レールに接近して脱線を防止する脱線防止位置と、本線レールから離間して本線レールの保守作業を可能とする保守作業位置との相互間で配置変更が可能に構成されている。
しかしながら、脱線防止部材を脱線防止位置から保守作業位置に転換させる作業や、保守作業位置から脱線防止位置に復位させる作業を人手によって行うと、脱線防止部材の重量が大きいことから作業者にとって大きな負担となる。
そこで、第1及び第2マニピュレータと、それらマニピュレータを協業させて脱線防止部材を回動させるロボットコントローラとを備え、ロボットにより脱線防止部材の回動作業を行う位置変更装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5332042号公報
しかしながら、上記従来の位置変更装置では、2つのマニピュレータを複雑に動作させて脱線防止部材を回動させるため、複雑な機構や制御処理が必要となる。このため、装置の高価格化を招いたり、装置自体の重量が嵩んで装置の搬入作業や搬出作業が大きな負担となったりするおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡単な動作により脱線防止部材を回動させることができ、低価格化や軽量化に有利な脱線防止部材の位置変更装置及び位置変更方法を提供することを目的とする。
本発明に係る脱線防止部材の位置変更装置は、軌道上に回動可能に設置された脱線防止部材を脱線防止位置及び保守作業位置の一方の位置から他方の位置に向けて回動させる脱線防止部材の位置変更装置において、前記軌道の上方において下方への荷重を支持可能な支持部材と、前記支持部材に吊り下げ支持される吊下部材と、前記吊下部材に連結され、前記脱線防止部材を保持する保持部材と、前記支持部材から前記保持部材までの間における前記吊下部材の長さを調整する調整機構と、を備えており、前記吊下部材により前記保持部材を介して前記脱線防止部材を吊った状態において、前記調整機構により前記吊下部材の前記長さを変化させることで、前記一方の位置に位置する前記脱線防止部材を前記他方の位置に向けて回動させることを特徴とする。
本発明に係る脱線防止部材の位置変更方法は、軌道上に回動可能に設置された脱線防止部材を脱線防止位置及び保守作業位置の一方の位置から他方の位置に向けて回動させる脱線防止部材の位置変更方法において、前記脱線防止部材を保持部材により保持するとともに、前記軌道の上方において吊り下げ支持される吊下部材に前記保持部材を連結し、前記脱線防止部材が前記一方の位置に位置する状態において、前記吊下部材により前記保持部材を前記他方の位置側に斜め上方へ牽引することで、前記脱線防止部材を前記他方の位置に向けて回動させることを特徴とする。
本発明に係る脱線防止部材の位置変更装置によれば、調整機構により吊下部材の長さを変化させることで、脱線防止部材を回動させるため、簡単な動作により脱線防止部材を回動させることができ、低価格化や軽量化に有利となる。
本発明に係る脱線防止部材の位置変更方法によれば、吊下部材により保持部材を他方の位置側に斜め上方へ牽引することで、脱線防止部材を回動させるため、簡単な動作により脱線防止部材を回動させることができ、低価格化や軽量化に有利となる。
脱線防止部材の位置変更装置の全体構成図。 転換操作を示す図。 転換操作を示す図。 復位操作を示す図。 復位操作を示す図。 復位操作を示す図。 支持機構の側面図。 (a)はスライド金具の正面図、(b)はC矢視断面図。 図1のA部及びB部の拡大図。 (a)はチェーンブロックの正面図、(b)は側面図。 コントロールボックスの回路図。 (a)はガードキャッチを脱線防止部材に取り付けた状態を示す正面図、(b)はガードキャッチの取り付け作業を示す正面図、(c)は第1部材の平面図、(d)は第2部材の平面図。 転換操作を示す図。 第2実施形態におけるガードキャッチの斜視図。 (a)は第3実施形態におけるスライド金具の正面図、(b)はD矢視断面図。 (a)は軌道の平面図、(b)は部分拡大正面図。
<第1実施形態>
以下、本実施形態に係る脱線防止部材の位置変更装置10について図面を参照しながら説明する。
<軌道81について>
まず、位置変更装置10が適用される軌道81について図1及び図16を参照しながら説明する。図1は位置変更装置10の全体構成図、図16(a)は軌道の平面図、(b)は部分拡大正面図である。
図16(a)に示すように、軌道81には、所定の間隔毎に複数のまくらぎ82が並設されており、各まくらぎ82の上面には、鉄道車両が走行するための一対の本線レール83が設置されている。
各本線レール83の内側には、鉄道車両の脱線を防止するための脱線防止装置84が設けられている。各脱線防止装置84には、本線レール83に対して平行にガードレール(脱線防止部材)85が設けられている。脱線防止部材85は、1本の長さが所定寸法(例えば6m)に設定されており、複数の脱線防止部材85が本線レール83に沿って縦列されている。前後に隣り合う脱線防止部材85の間には、所定の幅W1を有する隙間(遊間)86が設けられている。
脱線防止部材85は、図16(b)に示すように、縦板状の本体部87の上面に横板状のフランジ部88が一体形成された略T字状断面を有している。脱線防止部材85の本体部87には、本線レール83に対して平行な回動軸Rを中心に脱線防止部材85を回動可能とする回動機構89が連結されている。
回動機構89は、脱線防止部材85に連結される可動部91と、まくらぎ82にねじ止めされ、可動部91を回動可能に支持する固定部92とを備えている。回動機構89は、図16(a)に示すように、軌道81の長さ方向に並ぶ複数のまくらぎ82に対して1個おきに配置されている。
脱線防止装置84は、回動機構89により脱線防止部材85を回動させることで、脱線防止部材85が本線レール83に接近する脱線防止位置と、脱線防止部材85が本線レール83から離間する保守作業位置とに切換可能となっている。
<位置変更装置10について>
次に、位置変更装置10について図1〜図6を参照しながら説明する。図2及び図3は転換操作を示す図、図4〜図6は復位操作を示す図である。
図1に示すように、位置変更装置10は、本線レール83上に設置可能に構成され、軌道81の上方において下方への荷重を支持可能な支持部材としての支持機構11を備えている。支持機構11には、吊下部材としてのチェーンブロック12が吊り下げ支持されており、チェーンブロック12の先端部(下端部)には、脱線防止部材85を保持する保持部材としてのガードキャッチ13が連結されている。
脱線防止部材85を脱線防止位置から保守作業位置へ転換させる場合には、チェーンブロック12が保守作業位置側へ傾斜するようにチェーンブロック12の吊り下げ位置を設定する。その状態で、チェーンブロック12の長さL(図10参照)を変化させることで、脱線防止部材85を保守作業位置に向けて回動させる(図2,3参照)。
具体的には、チェーン14を巻き取ることで、ガードキャッチ13を保守作業位置側に斜め上方へ牽引し、脱線防止位置に位置する脱線防止部材85を回動範囲の途中位置まで起立させるように引き上げる。その後、チェーン14を繰り出すことで、脱線防止部材85を保守作業位置に向けて降下させ、回動範囲の最終位置(保守作業位置)まで回動させる。
一方、保守作業位置に位置する脱線防止部材85を脱線防止位置に向けて復位させる場合には、図4に示すように、チェーンブロック12が脱線防止位置側へ傾斜するようにチェーンブロック12の吊り下げ位置を設定する。その状態で、チェーンブロック12の長さLを変化させることで、脱線防止部材85を脱線防止位置に向けて回動させる(図5,6参照)。この場合も、チェーン14の巻き取り後に繰り出しを行って脱線防止部材85を回動させる。
チェーンブロック12及びガードキャッチ13は、左右の脱線防止部材85に対応して1個ずつ設けられており、転換及び復位操作のいずれにおいても、左右の脱線防止部材85をまとめて回動可能となっている。
<位置変更装置10の詳細構成について>
次に、位置変更装置10の詳細構成について図1〜図10を参照しながら説明する。図7は支持機構11の側面図、図8(a)はスライド金具26の正面図、(b)はC矢視断面図、図9は図1のA部及びB部の拡大図、図10(a)はチェーンブロック12の正面図、(b)は側面図である。
図1に示すように、支持機構11には、線路幅方向に延びる長尺状に形成された略角柱状の桁部16が設けられている。桁部16の長さ寸法は、線路幅寸法と略同寸に設定されている。桁部16の左右両端部には、桁部16を軌道81の上方に支持する一対の脚部17が連結されている。桁部16の左右両端部の下面に設けられた取付板18と、各脚部17の上端部に設けられた取付板19とがねじ止めされることにより、桁部16と各脚部17とが固定されている。
脚部17は、図7に示すように、金属製の角材が略三角状に接合されることで構成されており、その底部には、本線レール83上を転動可能な複数の車輪21が設けられている。これらの車輪21は、位置変更装置10が本線レール83上を走行可能とするためのものであり、平面視において対角状に位置する2つの車輪21にはブレーキ装置22が設けられている。ブレーキ装置22はハンドル23を操作することで、制動状態及び非制動状態を切換可能となっている。
各脚部17の高さ方向の途中位置には荷台24が設けられており、これら荷台24のうちの少なくとも一方には、左右のチェーンブロック12に駆動電力を供給するための発電機25を設置可能となっている。
図1に示すように、桁部16には、チェーンブロック12を吊り下げるためのスライド金具26が装着されている。スライド金具26は、桁部16の左右両側にそれぞれ1個ずつ設けられており、左右対称に構成されている。図8に示すように、スライド金具26は、桁部16を挟んで前後方向に対向する前板部27及び後板部28を備えており、各板部27,28の下端部が下板部29によって連結されている。
スライド金具26の上端部には、下板部29との間に桁部16を挟むようにして複数のローラ31が設けられている。各ローラ31は、桁部16の上面を桁部16の長さ方向へ転動可能に構成されている。これにより、スライド金具26が桁部16の長さ方向へ移動可能となっている。なお、各ローラ31を例えばウレタン製の無給油ブッシュ付ローラによって構成することで、メンテナンスの手間を軽減することが可能になる。
図1及び図9に示すように、桁部16には、桁部16を前後方向に貫通する複数の貫通孔32a〜32iが設けられている。これら貫通孔32a〜32iは、相互に間隔を空けて桁部16の長さ方向へ直線状に並んでいる。貫通孔32a〜32iは、桁部16の左右両側にそれぞれ設けられており、左右対称に配置されている。
一方、図8に示すように、スライド金具26の前板部27及び後板部28には、桁部16の貫通孔32a〜32iと高さ及び径を略一致させるようにして貫通孔33,34が設けられている。桁部16の貫通孔32a〜32iのうちの1つと、スライド金具26の各板部27,28の貫通孔33,34とを相対させた状態において、ロックピン35を挿通することにより、スライド金具26の位置決めが可能となっている。
スライド金具26の下板部29の下面にはフック部36が設けられており、このフック部36には、位置変更装置10の未使用時等にチェーンブロック12のチェーン14やガードキャッチ13を掛け置くことが可能となっている。さらに、下板部29の下面には、中央開口部が前後方向を向くようにしてリング部37が設けられている。このリング部37には、図1に示すように、チェーンブロック12の上側フック部38が掛け止めされており、これにより、チェーンブロック12が桁部16に吊り下げ支持されている。
このように、スライド金具26及びチェーンブロック12の連結がリング部37及び上側フック部38の掛け止めによりなされていることで、チェーンブロック12とスライド金具26(桁部16)とがなす角度θ1を可変とすることができる。これにより、脱線防止部材85が回動する際に、スライド金具26及びチェーンブロック12の連結箇所に無理な力が加わることが回避される。
チェーンブロック12は、図10に示すように、その上面に上側フック部38が接合された本体ケース39を備えている。なお、左右のチェーンブロック12は同一構成を有している。
本体ケース39の内部には、チェーン14を巻き取るための巻取機構40と、巻取機構40を駆動するためのモータや当該モータを駆動制御するためのドライバ等が設けられた駆動部41とが収容されている。これら巻取機構40及び駆動部41によって調整機構が構成されている。
巻取機構40に巻き掛けられたチェーン14の先端部(下端部)には下側フック部45が設けられており、下側フック部45にはガードキャッチ13を掛け止め可能となっている。なお、ガードキャッチ13の詳細については後述する。
図8(b)に示すように、巻取機構40には、チェーン14の巻き取りを制限するための制限機構42が搭載されている。制限機構42は、巻取機構40におけるチェーン14の巻き取り量が巻き取り限界に達している状態において、巻き取り操作が指示された場合に、巻取機構40をスリップ(空回り)させるように構成されている。これにより、チェーン14の巻き取りが停止され、モータに過大な負荷が加わることが防止される。
駆動部41には、モータに電力を供給するための電源ケーブル43が接続されているとともに、巻取機構40を操作(モータの正転及び反転操作)するための操作ケーブル44が接続されている。これらケーブル43,44は本体ケース39の外側に引き出されており、桁部16の中央部上面に設置された略直方体状のコントロールボックス46に接続可能となっている。なお、コントロールボックス46の詳細については後述する。
チェーンブロック12はリモコン(操作部)47を介して操作可能となっている。操作部47には、図1に示すように、チェーンブロック12を巻き取り駆動させるためのUPスイッチ48と、チェーンブロック12を繰り出し駆動させるためのDOWNスイッチ49とが設けられている。操作部47は、ケーブル50を介してコントロールボックス46に接続可能となっている。
<コントロールボックス46について>
次に、コントロールボックス46について、図1、図7及び図11を参照しながら説明する。図11はコントロールボックス46の回路図である。
コントロールボックス46の前面には、操作部47のケーブル50を接続可能なソケット51(図1参照)が設けられており、後面には、発電機25のケーブル30を接続可能なソケット52(図11参照)が設けられている。左側面には、左側チェーンブロック12のケーブル43,44を接続可能な電源ソケット53a及び操作ソケット54a(図11参照)が設けられており、右側面には、右側チェーンブロック12のケーブル43,44を接続可能な電源ソケット53b及び操作ソケット54b(図7参照)が設けられている。
さらに、コントロールボックス46の前面においてソケット51の上方には、電源スイッチ55が設けられている。その側方には、両チェーンブロック12の操作態様を連動操作及び単独操作の間で切り換える第1切換スイッチ56と、チェーンブロック12を単独操作する場合の左右切換を行う第2切換スイッチ57とが設けられている。
コントロールボックス46の内部においては、図11に示すように、リレースイッチ58a,58bを介して、操作部47用のソケット51と、左側チェーンブロック12用の操作ソケット54aとが接続されている。また、リレースイッチ58c,58dを介して、ソケット51と、右側チェーンブロック12用の操作ソケット54bとが接続されている。リレースイッチ58a〜58dを駆動するリレーコイル59a〜59dは、第1切換スイッチ56、第2切換スイッチ57及び電源スイッチ55を介して発電機25用のソケット52に接続されている。
第1切換スイッチ56を「両」側に設定した場合には、リレーコイル59a〜59dが非励磁となり、リレースイッチ58a〜58dの接続状態が図11に示す状態となる。その結果、ソケット51と操作ソケット54a,54bとが導通し、操作部47からの操作信号が両チェーンブロック12に出力可能な状態になる。また、第1切換スイッチ56を介してソケット52と電源ソケット53a,53bとが導通し、両チェーンブロック12に駆動電力が供給される。これにより、単一の操作部47を用いて両チェーンブロック12を同時に操作することが可能となる。
第1切換スイッチ56を「片」側に設定し、第2切換スイッチ57を「左」側に設定した場合には、リレーコイル59a、59bが非励磁となる一方、リレーコイル59c,59dが励磁される。このため、リレースイッチ58a、58bの接続状態が図11に示す状態になると同時に、リレースイッチ58c,58dの接続状態が図11に示す状態とは逆の状態になる。その結果、ソケット51と操作ソケット54aとが導通するとともに、両切換スイッチ56,57及びリレースイッチ58cを介してソケット52と電源ソケット53aとが導通する。これにより、左側チェーンブロック12のみを操作可能な状態になる。
第1切換スイッチ56を「片」側に設定し、第2切換スイッチ57を「右」側に設定した場合には、リレーコイル59a,59bが励磁される一方、リレーコイル59c,59dが非励磁となる。その結果、リレースイッチ58a〜58dの接続状態が第2切換スイッチ57を「左」側に設定した場合とは逆の状態になり、右側チェーンブロック12のみを操作可能な状態になる。なお、左右の単独操作は、保守作業後の本線レール83に対して左右のいずれかのみ保守作業をやり直す場合等に有効となる。
<ガードキャッチ13について>
次に、ガードキャッチ13について、図12を参照しながら説明する。図12(a)はガードキャッチ13を脱線防止部材85に取り付けた状態を示す正面図、(b)はガードキャッチ13の取り付け作業を示す正面図、(c)は第1部材61の平面図、(d)は第2部材62の平面図である。
ガードキャッチ13は、脱線防止部材85を吊支可能に保持するものであり、脱線防止部材85をその長さ方向に交差して囲むように把持可能な環状に形成されている。詳しくは、脱線防止部材85の断面形状に対応する形状を有しており、その内側に脱線防止部材85を挿通可能な大きさに形成されている。具体的には、図12(a)に示すように、脱線防止部材85の各頂点部(フランジ部88の両端部88a,88b及び本体部87の下端部87a)に対応して各角部が位置する略三角状となるように、各辺の長さ及び曲げ角度が設定されている。
脱線防止部材85の各頂点部に対応して各角部が位置することで、各角部において、脱線防止部材85の頂点部が角部を構成する二辺により両側から挟まれる。その結果、頂点部の動き代が小さく制限され、ガードキャッチ13の内側で脱線防止部材85ががたつくことが抑制される。これにより、脱線防止部材85を回動させる過程において、ガードキャッチ13の内側に脱線防止部材85を安定的に保持することが可能になる。
ガードキャッチ13は、直線状を有する金属製の第1部材61と、略L字状を有する金属製の第2部材62とを備えている。第1部材61は、図12(c)に示すように、平面視長方形状の空間部63を挟んで対向配置された前壁部64及び後壁部65を備えており、両壁部64,65の一端部には、それらを連結する円柱部66が設けられている。円柱部66には、円柱部66を第1部材61の厚さ方向に貫通する円柱状の貫通孔67が形成されている。さらに、円柱部66には、下方に開口し、第2部材62の一端部62aを収容可能な凹部68が設けられている。
一方、第2部材62の一端部62aには、図12(d)に示すように、第2部材62を厚さ方向に貫通する円柱状の貫通孔69が形成されている。貫通孔67,69には、第2部材62の一端部62aが第1部材61の凹部68に収容された状態において、円柱状の軸部材71が挿通されている。これにより、両部材61,62が回動可能に連結されている。
なお、第1部材61において、円柱部66から両壁部64,65の他端部64b,65bに至るまでの途中位置には、両壁部64,65を補強的に連結する複数の連結部70が設けられている。
両壁部64,65の他端部64b,65bには、チェーンブロック12の下側フック部45を掛け止め可能な大きさのリング部72,73が設けられている。両リング部72,73は、第1部材61の厚さ方向に見て形状、大きさ及び位置が一致するように形成されている。
一方、第2部材62の他端部62bには、第1部材61のリング部72,73と同一の形状及び大きさに形成されたリング部74が設けられている。リング部72,73の間にリング部74を位置させた状態において、それらに下側フック部45を掛け止めすることで、脱線防止部材85とガードキャッチ13とを係合しつつ、ガードキャッチ13とチェーンブロック12とを連結することができる。
このように、ガードキャッチ13及びチェーンブロック12の連結がリング部72〜74及び下側フック部45の掛け止めによりなされていることで、ガードキャッチ13とチェーンブロック12とがなす角度θ2(図1参照)を可変とすることができる。これにより、脱線防止部材85が回動する際に、ガードキャッチ13及びチェーンブロック12の連結箇所に無理な力が加わることが回避される。
ここで、リング部72〜74の位置(ガードキャッチ13におけるチェーンブロック12の連結箇所)は、図12(a)に示すように、脱線防止位置に位置する脱線防止部材85にガードキャッチ13を取り付けた状態において、脱線防止部材85と本線レール83との間に位置するものとなっている。詳しくは、フランジ部88の本線レール83側の端部88aと本線レール83の頭部との間に位置するように設定されている。この場合、リング部72〜74が作業者から脱線防止部材85の裏側(フランジ部88の下方)に隠れることが回避され、下側フック部45の掛け止めや取り外し作業が容易化される。
さらに、上記のようにリング部72〜74の位置を設定した場合には、脱線防止部材85が保守作業位置に位置する場合でも、リング部72〜74が脱線防止部材85の裏側に隠れることが回避される(図3,4参照)。したがって、保守作業位置においても下側フック部45の掛け止めや取り外し作業が容易となっている。
加えて、上記リング部72〜74の位置は、ガードキャッチ13において、回動軸Rの軸線方向に見てチェーンブロック12との連結箇所を回動軸Rから最も遠い位置に設定するものとなっている(図1参照)。このため、小さい牽引力で脱線防止部材85を回動可能となり、チェーンブロック12の小型化や軽量化に寄与し得る。
また、第2部材62の厚さW2は、脱線防止部材85の遊間86の幅W1よりも小さく設定されている(例えば6mm)。これにより、遊間86を利用してガードキャッチ13を取り付け可能となっている。すなわち、第2部材62を挿入端側としてガードキャッチ13を脱線防止部材85の遊間86に挿入し、ガードキャッチ13を横移動させることで、ガードキャッチ13の内側に脱線防止部材85を進入させることができる。
このことは、脱線防止部材85からガードキャッチ13を取り外す場合も同様であり、ガードキャッチ13を遊間86まで横移動させた後に上方へ引き抜くことで、脱線防止部材85からの取り外しが可能になる。
このように、遊間86を利用してガードキャッチ13の取り付け及び取り外し作業を行い得るため、ガードキャッチ13を閉鎖状態としたまま(換言すれば、ガードキャッチ13にチェーンブロック12を連結したまま)、ガードキャッチ13の取り付け及び取り外しが可能となっている。このため、それらの作業の都度、チェーンブロック12との連結を解除する必要がなく、作業性が向上する。
さらに、第1部材61と第2部材62との一端部が回動可能に連結されている一方、その反対側の端部は自由端となっている。このため、チェーンブロック12を連結していない状態であれば、図12(b)に示すように、ガードキャッチ13を開放することができる。これにより、脱線防止部材85の側方からガードキャッチ13を取り付けたり、側方にガードキャッチ13を取り外したりすることが可能である。
<チェーンブロック12の吊り下げ位置について>
次に、チェーンブロック12の吊り下げ位置(スライド金具26の位置)について、図1〜図6、図8、図9及び図13を参照しながら説明する。図13は転換操作を示す図である。
図9に示すように、桁部16において、複数の貫通孔32a〜32iの下方には、スライド金具26を設定すべき位置が表示された表示部75が設けられている。表示部75における各表示は、本線レール83に設定されたカント(左右レール間の高低差)に対応したものとなっている。
スライド金具26の前板部27には、前後方向に開口する矩形状の窓部76が設けられており(図8参照)、窓部76を通じて表示部75の表示を視認可能となっている。これにより、作業者がスライド金具26の位置を把握しやすくなっている。
カント0(カントが0mm)の本線レール83に位置変更装置10を設置して、脱線防止部材85を転換させる場合には、スライド金具26を「転換C0内・外」の位置に設定する。具体的には、スライド金具26の貫通孔33,34(図8参照)が桁部16の貫通孔32cと合致するように、スライド金具26を移動させ、ロックピン35によりスライド金具26を位置決めする。
この「転換C0内・外」の位置は、図1に示すように、チェーンブロック12の吊り下げ支点が、ガードキャッチ13とチェーンブロック12との連結箇所よりも保守作業位置側となる位置に設定されている。これにより、チェーンブロック12が巻き取り操作された際、脱線防止位置に位置する脱線防止部材85が保守作業位置側に斜め上方へ牽引される。
「転換C0内・外」の位置について詳しくは、図2に示すように、チェーンブロック12のチェーン14を巻き取る(チェーンブロック12の長さLを短縮させる)ことで、少なくとも、脱線防止部材85の重心Gを保守作業位置側へ移動させる回動位置まで脱線防止部材85を回動し得る吊り下げ位置に設定されている。
この場合、脱線防止部材85は、チェーン14の巻き取りにより引き上げられる過程において、重心Gがセンターライン(回動軸Rを通る仮想鉛直線)CLに到達するまでは、チェーンブロック12の牽引力により引き上げられ、起立するように回動していく。そして、重心GがセンターラインCLを通過した以後は、自重により保守作業位置側へ倒れようとする。この際、チェーン14を繰り出すことで、脱線防止部材85をチェーンブロック12により支えながら保守作業位置まで回動させることができる。
このため、作業者は、最初にチェーンブロック12の巻き取り操作を行い、その後に繰り出し操作を行うだけで、脱線防止部材85を転換させることができる。よって、高度な技能を要することなく、簡単な操作で転換作業を実行し得る。
上記構成では、チェーン14が巻き取り限界(脱線防止部材85を吊っている状態での巻き取り限界)に達している状態において、重心Gを保守作業位置側に位置させるように構成されていることが好ましい。この場合、制限機構42を活用することで回動操作をより簡単化することができる。
脱線防止部材85の重心GがセンターラインCLに到達するまではチェーンブロック12を巻き取る必要があるところ、巻き取り操作の際、重心GがセンターラインCLに到達したか否かを作業者が目視で判断するのは必ずしも容易ではない。
この点、本構成によれば、制限機構42により巻き取りが制限されるまで巻き取り操作を継続すれば、自然と重心Gを保守作業位置側に位置させることができる。このため、過負荷によるチェーンブロック12の破損を回避しながら、重心GがセンターラインCLを越えたか否かの判断を不要とすることができる。これにより、巻き取りが制限されるまで巻き取り操作を行い、巻き取りが制限されたら繰り出し操作に切り換える、という極めて簡単な操作で脱線防止部材85を転換可能になる。
この場合、チェーン14が巻き取り限界に達する直前又は同時に、重心GがセンターラインCLを通過するように構成することが好ましい。これにより、無駄な巻き取り駆動を抑制することができる。
ここで、「転換C0内・外」の位置は、重心GがセンターラインCLを通過する重心転換位置において、チェーンブロック12が鉛直姿勢となる位置に設定することが好ましい。換言すれば、重心転換位置において長さLが最短となる位置に設定することが好ましい。
例えば、図13に示すように、重心転換位置においてチェーンブロック12を大きく傾斜させると、脱線防止部材85の落下により桁部16やスライド金具26に大きな衝撃が加わるおそれがある。すなわち、重心GがセンターラインCLを通過することで、脱線防止部材85が自重により保守作業位置側へ傾倒し始めるが、同図の構成では、これに伴い、チェーン14が弛みながらチェーンブロック12が保守作業位置側へ揺動する。そして、チェーン14の張り位置まで揺動する結果、脱線防止部材85が大きく自由落下することになる。
これに対し、重心転換位置においてチェーンブロック12が鉛直姿勢となる位置(長さLが最短になる位置)に吊り下げ位置を設定した場合には、脱線防止部材85が自重による傾倒を開始しても、チェーン14の弛みやチェーンブロック12の揺動が抑制される。その結果、脱線防止部材85の自由落下量が少なく制限され、桁部16への衝撃が緩和される。これにより、装置の破損を防止しつつ、作業時の安全性を確保することが可能になる。
なお、重心転換位置においてチェーンブロック12が傾斜する場合でも、当該位置においてチェーン14の巻き取り量が最大(チェーンブロック12の仕様としての巻き取り可能な最大量)となるように、チェーンブロック12の吊り下げ位置の高さ(桁部16の高さ)を設定することで、桁部16への衝撃を緩和することができる。
この場合、チェーンブロック12において、本体ケース39(巻取機構40)と下側フック部45とが略一体化する結果、チェーン14の弛みが抑制され、脱線防止部材85の自由落下量が少なく制限される。
一方、カント0の本線レール83において脱線防止部材85を復位させる場合には、スライド金具26の位置を「復位C0内・外」の位置に設定する。「復位C0内・外」の位置は、チェーン14の巻き取りにより、脱線防止部材85の重心Gを回動軸Rに対して脱線防止位置側へ移動させることが可能な位置に設定されている。
また、カントが0よりも大きく100以下の本線レール83において、脱線防止部材85を転換させる場合には、左右のスライド金具26のうち、高い側の本線レール83に対応するものを「転換C100外」に設定し、低い側の本線レール83に対応するものを「転換C100内」に設定する。「転換C100外」は、「転換C0内・外」に対してスライド金具26の位置を外寄りに変更するものであり、「転換C100内」は内寄りに変更するものである。
さらに、カントが100よりも大きい本線レール83において、脱線防止部材85を転換させる場合には、左右のスライド金具26を「転換C200外」及び「転換C200内」に設定する。
これら「転換C100」及び「転換C200」の位置においても、チェーン14の巻き取りにより、脱線防止部材85の重心Gを回動軸Rに対して保守作業位置側へ移動させることが可能な位置に設定されている。
一方、カントが0よりも大きく100以下、又は、100よりも大きい本線レール83において、脱線防止部材85を復位させる場合には、左右のスライド金具26のうち、高い側の本線レール83に対応するものを「復位C100外」又は「復位C200外」に設定し、低い側の本線レール83に対応するものを「復位C100内」又は「復位C200内」に設定する。
これら「復位C100」及び「復位C200」の位置においても、チェーン14の巻き取りにより、脱線防止部材85の重心Gを脱線防止部材85の回動軸Rに対して脱線防止位置側へ移動させることが可能な位置に設定されている。
このように、カント対応位置及び非カント対応位置のそれぞれにスライド金具26を位置決め可能となっているため、カントの有無に応じた適正な位置にチェーンブロック12を吊り下げることが可能になる。
さらに、スライド金具26を位置決め可能なカント対応位置として「C100」及び「C200」の複数のカント対応位置を設けているため、カントの大きさに応じてチェーンブロック12の吊り下げ位置を変更することが可能になる。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
・支持機構11にチェーンブロック12を吊り下げ支持し、チェーンブロック12の長さLを変化させることで、脱線防止部材85を回動させるようにした。これにより、簡単な動作により脱線防止部材85を回動させることが可能になる。したがって、装置構成の簡略化が図られ、低価格化や軽量化に寄与することが可能になる。
・支持機構11にチェーンブロック12を吊り下げ支持し、脱線防止部材85を回動方向側に斜め上方へ牽引して脱線防止部材85を回動させるようにした。これにより、簡単な動作により脱線防止部材85を回動させることが可能になる。
・チェーンブロック12の吊り下げ位置を、チェーン14の巻き取りにより、脱線防止部材85の重心Gを回動軸Rに対して回動方向側へ移動可能な位置に設定した。これにより、巻き取り及び繰り出し操作を順に実行するだけで、脱線防止部材85の位置変更が可能になる。
・チェーン14及び巻取機構40を備えるチェーンブロック12により吊下部材及び調整機構を構成した。これにより、長さLを好適に短縮及び伸長することができる。
・制限機構42によりチェーン14の巻き取りが制限された場合に、脱線防止部材85の重心Gを保守作業位置側に位置させる回動位置に脱線防止部材85を回動可能に構成した。これにより、巻き取りが制限されるまで巻き取り操作を行い、巻き取りが制限されたら繰り出し操作に切り換えるだけで脱線防止部材85の位置変更が可能になり、操作をより簡単化することが可能になる。
・スライド金具26とチェーンブロック12との連結、及び、チェーンブロック12とガードキャッチ13との連結を、リング部及びフック部の掛け止めにより構成した。これにより、スライド金具26とチェーンブロック12とがなす角度θ1、チェーンブロック12とガードキャッチ13とがなす角度θ2が可変となり、それら連結箇所の破損が抑制される。
・ガードキャッチ13を、脱線防止部材85の各頂点部に対応して各角部が位置する略三角状に構成した。これにより、脱線防止部材85のがたつきが抑制され、ガードキャッチ13の内側に脱線防止部材85を安定的に保持することが可能となる。
・ガードキャッチ13とチェーンブロック12との連結箇所を、フランジ部88の端部88a(本線レール83側に向けて突出する突出部の先端)と本線レール83の頭部との間に設定した。これにより、チェーンブロック12の連結及びその解除作業の容易化が可能になる。
・ガードキャッチ13において、第2部材62の厚さW2を脱線防止部材85の遊間86の幅W1よりも小さくした。これにより、遊間86を利用してガードキャッチ13の取り付け及び取り外し作業を実行可能になり、利便性を向上させることが可能になる。
・ガードキャッチ13を開閉可能な構成とした。これにより、ガードキャッチ13を開放状態として脱線防止部材85の側方から取り付け及び取り外し作業を行うことが可能になる。
<第2実施形態>
本実施形態では、ガードキャッチ13の構成が第1実施形態と異なるため、その異なる点について図14を用いて説明する。図14は、ガードキャッチ101の斜視図である。
ガードキャッチ101は、第1実施形態のガードキャッチ13と略同様の構成を有するキャッチ部102を、幅方向に3個並べて複数の連結部103により連結した構成を有する。
各キャッチ部102では、第1部材104と第2部材105との端部が回動可能に連結されている。その反対側の端部は自由端とされており、貫通孔107が設けられている。
ガードキャッチ101をチェーンブロック12と連結する場合には、中央に位置するキャッチ部102の貫通孔107aにチェーンブロック12の下側フック部45を掛け止める。これにより、ガードキャッチ101をバランス良く吊り上げることが可能になるとともに、ガードキャッチ101を閉鎖状態とすることができる。この際、ガードキャッチ101をより安定的に閉鎖すべく、左右のキャッチ部102の一方又は双方の貫通孔107を留め具で留めてよい。なお、貫通孔107をねじ孔とし、固定ねじにより第1部材104と第2部材105とを固定してもよい。
ガードキャッチ101の幅W3は、脱線防止部材85の遊間86の幅W1よりも大きくなっている。このため、遊間86を挟んで前後に並ぶ2本の脱線防止部材85に対し、左右のキャッチ部102の一方を前側の脱線防止部材85に取り付け、他方のキャッチ部102を後側の脱線防止部材85に取り付けることで、それらの脱線防止部材85をまとめて回動させることができる。そして、上記操作を左右両側で行えば、計4本の脱線防止部材85を同時に回動可能となり、迅速な回動作業が可能になる。
<第3実施形態>
本実施形態では、スライド金具26の構成が第1実施形態と異なるため、その異なる点について図15を用いて説明する。図15(a)はスライド金具111の正面図、(b)はD矢視断面図である。同図において、図8と同一構成については同一符号を付す。
スライド金具111の下板部112の下面には、前後方向に3個のリング部113a〜113cが等間隔で並設されている。各リング部113a〜113cには、チェーンブロック12の上側フック部38を掛け止め可能となっている。
下板部112の上面と前板部27との間、及び、下板部112の上面と後板部28との間には、それぞれ複数のリブ114が設けられている。これらリブ114は、下板部112の上面及び各板部27,28に接合されており、これにより、下板部112の支持が補強されている。
前後の脱線防止部材85を回動させる場合には、前側及び後側のリング部113a,113cに2個のチェーンブロック12を吊り下げ、それらを各脱線防止部材85に取り付けたガードキャッチ13とそれぞれ連結する。これにより、前後の脱線防止部材85をまとめて回動させることが可能になり、この操作を左右両側で行えば、計4本の脱線防止部材85を同時に回動可能となる。
一方、1本の脱線防止部材85を回動させる場合には、中央のリング部113bに1個のチェーンブロック12を吊り下げ、第1実施形態の場合と同様にして脱線防止部材85を回動させる。
なお、リング部の数を2個とし、それらリング部の一方を、前後の脱線防止部材85を回動させる場合と、1本の脱線防止部材85を回動させる場合とで兼用してもよい。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、チェーンブロック12の吊り下げ位置(スライド金具26の位置)を固定化した状態において、チェーン14の巻き取り及び繰り出し操作を実行するが、チェーン14の巻き取り及び繰り出し操作に加えて又は代えて、チェーンブロック12の吊り下げ位置を桁部16の長さ方向へ移動させてもよい。この構成において、脱線防止部材85を転換させる場合には、上記吊り下げ位置を保守作業位置側に移動させ、復位させる場合には脱線防止位置側へ移動させるとよい。この場合でも、脱線防止部材85を回動方向側に斜め上方へ牽引して回動させることができる。
(2)上記実施形態では、吊下部材としてチェーンブロック12を用いたが、エアシリンダや油圧シリンダ等の伸縮部材を用いてもよい。この場合、桁部16及びガードキャッチ13に対する伸縮部材の連結は、回動可能な構成とすることが好ましい。
(3)上記実施形態ではチェーン14を用いたが、ワイヤやロープ等の索状部材を用いてもよい。
(4)上記実施形態では、チェーンブロック12及びガードキャッチ13を左右に設けるが、これらを1個のみ備え、片方の脱線防止部材85を回動させる構成でもよい。この場合、必ずしも支持機構11を門型形状とする必要はなく、チェーンブロック12及びガードキャッチ13を片持ち支持する構成としてもよい。
(5)上記実施形態では、脱線防止部材85の転換及び復位操作の双方を可能に構成したが、一方のみを可能な構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、脱線防止部材85に取り付けた状態において略三角状となるようにガードキャッチ13を構成したが、ガードキャッチ13の形状は円状や楕円状等の三角状以外の形状としてもよい。この場合、ガードキャッチ13の内周縁が脱線防止部材85の各頂点部と接するように構成することが好ましい。
(7)上記実施形態では、脱線防止部材85に取り付けた状態において無端の環状となるようにガードキャッチ13を構成したが、有端の環状としてもよい。この場合、少なくともフランジ部88の両端部88a,88bを把持可能に構成することが好ましい。このことは、ガードキャッチ101においても同様である。
(8)上記実施形態では、ガードキャッチ13を開閉可能に構成したが、第1部材61と第2部材62とを完全に分離可能な構成としてもよい。このことは、ガードキャッチ101においても同様である。
(9)上記実施形態では、電動式のチェーンブロック12を用いたが、手動式のチェーンブロックを用い、人手によって巻き取り及び繰り出し作業を行う構成としてもよい。
(10)上記実施形態では、巻取機構40を空回りさせることで、チェーン14の巻き取りを制限するが、巻き取り限界に達している状態において、巻き取り操作が指示された場合に、操作信号を無効化して駆動部41のモータを駆動させない構成としてもよい。
(11)上記実施形態では、チェーンブロック12の吊り下げ位置を2個のカント対応位置に位置決め可能としたが、位置決め可能なカント対応位置の数は1個であってもよいし、3個以上であってもよい。
(12)上記実施形態において、軌道81を照らす照明装置をさらに設けてもよい。これにより、夜間の作業性を向上させることが可能になる。
(13)上記実施形態では、保持部材としてガードキャッチ13を備えるが、吊りベルトや吊りワイヤ等によって保持部材を構成してもよい。
(14)上記実施形態では、操作部47にUPスイッチ48及びDOWNスイッチ49を設けるが、これらに代えて単一のスタートスイッチを設けてもよい。この場合、スタートスイッチが操作されることに応じて、巻き取り限界に達するまで巻き取り駆動を継続し、巻き取り限界に達したら繰り出し駆動に自動切り換えを行うように構成するとよい。
10…位置変更装置、11…支持機構、12…チェーンブロック、13…ガードキャッチ、14…チェーン、26…スライド金具、32a〜32i…貫通孔、40…巻取機構、41…駆動部、42…制限機構、47…操作部、81…軌道、83…本線レール、85…脱線防止部材、G…重心、R…回動軸。

Claims (7)

  1. 軌道上に回動可能に設置された脱線防止部材を脱線防止位置及び保守作業位置の一方の位置から他方の位置に向けて回動させる脱線防止部材の位置変更装置において、
    前記軌道の上方において下方への荷重を支持可能な支持部材と、
    前記支持部材に吊り下げ支持される吊下部材と、
    前記吊下部材に連結され、前記脱線防止部材を保持する保持部材と、
    前記支持部材から前記保持部材までの間における前記吊下部材の長さを調整する調整機構と、を備えており、
    前記吊下部材により前記保持部材を介して前記脱線防止部材を吊った状態において、前記調整機構により前記吊下部材の前記長さを変化させることで、前記一方の位置に位置する前記脱線防止部材を前記他方の位置に向けて回動させることを特徴とする脱線防止部材の位置変更装置。
  2. 前記調整機構により前記吊下部材の前記長さを短縮することで、少なくとも前記脱線防止部材の重心が前記脱線防止部材の回動軸に対して前記他方の位置側に移動する回動位置まで前記脱線防止部材を回動可能であることを特徴とする請求項1に記載の脱線防止部材の位置変更装置。
  3. 前記吊下部材は鎖状部材又は索状部材を備えており、
    前記調整機構は、前記鎖状部材又は索状部材を巻き取ることで前記長さを調整する巻取機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の脱線防止部材の位置変更装置。
  4. 前記調整機構は、前記巻取機構が巻き取り限界に達した場合に前記鎖状部材又は索状部材の巻き取りを制限する制限部を備えており、
    前記制限部により前記巻き取りが制限された場合に、前記脱線防止部材の重心を前記脱線防止部材の回動軸に対して前記他方の位置側に位置させる回動位置に前記脱線防止部材を回動可能であることを特徴とする請求項3に記載の脱線防止部材の位置変更装置。
  5. 前記脱線防止部材はレール状の部材であり、
    前記保持部材は、前記脱線防止部材を当該脱線防止部材の長さ方向に交差して囲むことが可能な有端又は無端の環状を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の脱線防止部材の位置変更装置。
  6. 前記支持部材における前記吊下部材の吊り下げ位置は、少なくとも線路幅方向に変更可能となっており、
    前記支持部材には、前記吊下部材の吊り下げ位置を、本線レールにカントが設定されている場合に対応するカント対応位置と、前記本線レールに前記カントが設定されていない場合に対応する非カント対応位置とに位置決め可能な位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の脱線防止部材の位置変更装置。
  7. 軌道上に回動可能に設置された脱線防止部材を脱線防止位置及び保守作業位置の一方の位置から他方の位置に向けて回動させる脱線防止部材の位置変更方法において、
    前記脱線防止部材を保持部材により保持するとともに、前記軌道の上方において吊り下げ支持される吊下部材に前記保持部材を連結し、
    前記脱線防止部材が前記一方の位置に位置する状態において、前記吊下部材により前記保持部材を前記他方の位置側に斜め上方へ牽引することで、前記脱線防止部材を前記他方の位置に向けて回動させることを特徴とする脱線防止部材の位置変更方法。
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