JP7249074B1 - 飛行移動体 - Google Patents
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Abstract
Description
各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態、変形例、若しくは実施例に分けて示す場合があるが、異なる実施形態、変形例、及び実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。後述の実施形態、変形例、及び実施例では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態、変形例、及び実施例ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
〈飛行移動体〉
図1に示すように、実施形態に係る飛行移動体1は、本体3と、本体3に取り付けられた複数の回転翼ユニット2と、を備える。複数の回転翼ユニット2はそれぞれ、回転翼20と、回転翼20を覆う筒状体10と、を有する。図5に示すように、水平飛行時において、回転翼20の回転中心軸が延在する軸方向A1と、上下方向Zとは、交差している。筒状体10は、軸方向A1に沿って延在する。なお、図5では、図面の理解を容易にするために、軸方向A1が上下方向Zに対して交差する角度を他の図面より誇張して(大きく)描いている。
飛行移動体1は、例えば、物を運ぶことができる。飛行移動体1は、人を搭乗させ有人で飛行できてもよいし、無人で飛行できてもよい。飛行移動体1は、外部電力に接続され電力供給されたまま飛行してもよいし、自機が搭載するバッテリで電力を供給されて飛行してもよい。
外部装置は、例えば、飛行移動体1の飛行を制御する制御端末である。また、外部装置は、気象情報、地図情報、緊急情報等の飛行移動体1の飛行に必要な情報を提供する情報提供装置等である。
本体3は、例えば、制御装置、信号送受信機、センサ、バッテリ、配線基板等、飛行移動体1の飛行に必要な構成要素を備える。本体3は、例えば、本体3の外形形状を画定する筐体を含む。上記の飛行移動体1の飛行に必要な構成要素は、例えば、筐体に内蔵される。
液剤散布装置51は、例えば、既知の高圧洗浄装置である。液剤散布装置51は、飛行移動体1に搭載されていてもよいし、地上に配置されていてもよい。
液剤は、例えば、純水を含む水、洗浄液等である。洗浄液は、例えば、植物性非イオン系界面活性剤を含む界面活性剤と、次亜塩素酸ナトリウムと、アルカリ剤と、を含有する。
噴霧口50は、複数設けられていてもよい。複数の噴霧口50は、例えば、平面視において、所定の一点P1を中心点とした円周上に等間隔に配置されている。
図1に示すように、回転翼ユニット2は、回転翼20と、回転翼20を覆う筒状体10と、を有する。回転翼ユニット2は、さらに、回転翼20を回転させる回転駆動体30を備えていてよい。
回転翼ユニット2は、例えば、後述する筒状体10がアーム5の外側先端に固定して取り付けられる。また、回転翼ユニット2は、アーム5に設けられたホールに差し込まれていてもよい。ホールは、アーム5に設けられた凹部であってもよいし、アーム5を貫通する孔であってもよい。
筒状体10とアーム5とは、例えば、ボルトとナット、ネジ、接着部材等で固定される。
図6に示すように、回転翼20は、例えば、軸流ファンである。軸流ファンは、回転翼の回転軸に沿って空気を流すファンである。軸流ファンは、回転翼の前方(回転翼の正面)から空気を吸い込み、回転翼の後方(回転翼の背面)へ空気を吐き出すファンである。
回転翼20は、ブレード21を含む。ブレード21の枚数は、1枚以上であればよいが、例えば、4枚以上12枚以下であり、好ましくは、4枚、8枚、若しくは12枚である。ブレード21の枚数が4枚以上12枚以下であると、回転翼20が回転することにより飛行移動体1に十分な揚力及び推力を与えることができる。また、ブレードの枚数を減らすと、よりトルクを大きくすることができ、飛行移動体1により大きい揚力及び推力を与えることができる。一方、ブレードの枚数を増やすと、回転翼20の回転により生じる音(いわゆる騒音)を抑えることができる。また、飛行移動体1に与えられる揚力及び推力は、複数のブレード21の互いの間隔に依拠し得る。例えば、複数のブレード21の互いの間隔が狭いと、飛行移動体1に与えられる揚力及び推力が減少し得る。そのため、ブレード21の枚数は、ブレード21の大きさ、形状、飛行移動体1の重量、飛行移動体1の構成等に応じて決定されてよい。
複数の回転翼ユニット2それぞれにおける軸方向A1は、例えば、上下方向Zの上方から下方に向かうにつれて、互いに離れる方向に延在する。さらに、上述したように各回転翼ユニット2の重心は、同一平面上に位置していてよく、この場合、複数の回転翼ユニット2それぞれにおける軸方向A1は、飛行移動体1の上方の一点で交差する。これは、複数の回転翼ユニット2それぞれにおける軸方向A1が、飛行移動体1の上方に頂点を有し、所定の頂角(2×α1)を有する円錐の側面上に延在するとも言える。
図1に示すように、筒状体10は、第1開口13と、第2開口14と、を含む。筒状体10は、内周面12と、外周面11と、を含む。図3から図5に示すように、筒状体10は、軸方向A1に沿って延在する。これらを言い換えると、筒状体10は、軸方向A1において互いに反対に位置する第1開口13と第2開口14とを備え、第1開口13及び第2開口14の間に延在する内周面12と外周面11とを備えるとも言える。
筒状体10は、例えば、円筒形状である。筒状体10の材料は、例えば、プラスチック、金属等である。なお、筒状体10の形状は、円筒形状に限定されるものではなく、いずれの形状の筒であってもよい。
筒状体10の内周面積は、軸方向A1に沿って一定であってよい。本明細書において、筒状体10の内周面積とは、軸方向A1に直交する断面において、内周面12によって画定される形状の面積である。
筒状体10は、例えば、内周面積が軸方向A1に沿って一定であり、内周形状が円形形状である。該円形の半径は、飛行移動体1の重量、飛行移動体1の構成等に応じて異なるが、例えば、25mm以上500mm以下、好ましくは25mm以上200mm以下である。
また、筒状体10は、軸方向A1に沿った長さは、飛行移動体1の重量、飛行移動体1の構成等に応じて異なるが、例えば、25mm以上1000mm以下であり、好ましくは25mm以上500mm以下である。
さらに、内周面積は、飛行中、軸方向A1に沿って適宜変化してもよい。
網状部材40は、例えば、接着部材、ボルトとナット、ネジ等で筒状体10に固定される。網状部材40の材料は、例えば、金属、プラスチック、ナイロン等である。
網状部材40の網目の大きさは、例えば、空中に浮遊するごみ等の浮遊物、鳥等の動物が筒状体10に入り込むことを防止できる寸法である。網状部材40の網目は、例えば、一辺が2mm以上15mm以下の矩形形状である。
貫通孔16は、例えば、回転翼ユニット2に設けられた弁により開閉される。弁は、例えば、筒状体10の内側の気圧が、筒状体10の外側の気圧よりも小さいとき、貫通孔16を開口し、筒状体10の内側の気圧が、筒状体10の外側の気圧以上のとき、貫通孔16を閉鎖する。
図1及び図8に示すように、回転駆動体30は、例えば、回転翼20より第2開口14側に配置される。回転駆動体30は、図7に示すように、第2開口14より下方に配置されていてもよい。また、回転駆動体30は、回転翼20より第1開口13側に配置されてもよい。
図7に示すように、回転駆動体30は、軸方向A1上に軸方向A1に沿って配置されるとよい。これにより、回転駆動体30が筒状体10によって整流された空気流を阻害することを抑制できる。
また、軸体31は、例えば、筒状の部材であり、回転体32は軸体31内を回転してもよい。回転駆動体30は、例えば、インナーロータ型モータである。
回転駆動体30の回転動作は、本体3が備える制御装置によって制御されてよい。
この飛行移動体1を正面から見ると、図3に示すように、第1回転翼ユニット2Aと第2回転翼ユニット2Bとが重なり、第4回転翼ユニット2Dと第3回転翼ユニット2Cとが重なる。4つの回転翼ユニット2A~2Dそれぞれの軸方向A1は、正面視において、左右方向Xと第2角度θで交差する。
同様に、この飛行移動体1を側面から見ると、図4に示すように、第1回転翼ユニット2Aと第4回転翼ユニット2Dとが重なり、第2回転翼ユニット2Bと第3回転翼ユニット2Cとが重なる。4つの回転翼ユニット2A~2Dそれぞれの軸方向A1は、側面視において、前後方向Yと第2角度θで交差する。第2角度θは、例えば、84°以上89°以下であり、好ましくは、85°以上87°以下である。第2角度θが84°以上89°以下であると、水平飛行時の飛行移動体1の揺れが抑制される。第2角度θが85°以上87°以下であると、水平飛行時の飛行移動体1の揺れがより抑制され、静止することができる。
具体例を挙げて説明すると、飛行移動体1は、ビル風による揺れを抑制できるため、ビルの上層階の外壁洗浄、ビルの上層階への荷物の運搬、災害時にビルに取り残された人の救助等に利用できる。また、飛行移動体1は、山岳波による揺れを抑制できるため、山岳地帯での事故時の人命救助等に利用できる。その他、飛行移動体1は、海上での事故時の人命救助等にも利用できる。
ソーラーパネルは、山の斜面や家の屋根に設置されている場合、一般的に、パネル表面を地上面(例えば、水平方向)に対して傾斜させている。また、通常、飛行移動体は、被散布物の洗浄目的で飛行する場合、洗浄力を高めるために、被散布物に近接して飛行しながら洗浄液を散布することが望ましい。上記の構成を有する飛行移動体1は、筒状体10を備えることで、回転翼20が被散布物と接触することを防止できる。そのため、上記の構成を有する飛行移動体1は、表面が傾斜した被散布物に近接して飛行でき、より強い洗浄力で被散布物を洗浄できる。
変形例1
上記では、複数の回転翼ユニット2それぞれにおける軸方向A1は、上下方向Zの上方から下方に向かうにつれて、互いに離れる方向に延在しているが、これに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、複数の回転翼ユニット102それぞれにおける軸方向A2は、上下方向Zの上方から下方に向かうにつれて、互いに近づく向きに延在してもよい。この場合も、複数の回転翼ユニット102それぞれにおける軸方向A2は、上下方向Zに対して第3角度α2で交差する。第3角度α2は、例えば、1.4°以上8.5°以下であり、好ましくは、4.2°以上7.1°以下である。なお、図12では、図面の理解を容易にするために、軸方向A2が上下方向Zに対して交差する角度を誇張して描いている。
上記では、回転翼ユニット2は、アーム5に固定されている例を記載したが、回転翼ユニットは、アームに対して回転してもよい。例えば、アームと筒状体とが回転機構を介して接続されていてもよい。回転機構は、例えば、ロータ、ベアリング等である。回転翼ユニットは、軸方向と上下方向との交差角度を維持したままアームに対して回転してもよい。回転翼ユニットは、軸方向と上下方向との交差角度を変化させつつアームに対して回転してもよい。回転翼ユニットは、飛行中に、アームに対して回転してもよい。さらに、複数の回転翼ユニットのうち、一部の回転翼ユニットはアームに固定されており、他の回転翼ユニットがアームに対して回転してもよい。
以下に説明する実施例1から実施例6、及び比較例1から比較例3に係る飛行移動体を作製し、各飛行移動体が水平飛行した際の機体の揺れを評価した。
比較例1の飛行移動体は、本体と、4つの回転翼ユニットと、を備えていた。本体は、中心体と、4つのアームと、を備えていた。
4つの回転翼ユニットはそれぞれの重心が、平面視において、本体3の重心と重なる点を中心点とした円周上に等間隔で配置されていた。4つの回転翼ユニットは、平面視において、正面を0°としたとき、それぞれの重心が、45°、135°、225°及び315°の位置に配置されていた。4つの回転翼ユニットそれぞれの重心は、平面視おいて、半径が250mmの円周上に配置されていた。
飛行移動体の重量は、1552gであった。
回転翼ユニットの筒状体の軸方向に沿った長さは、40mmであった。回転翼ユニットの筒状体の内周形状及び内周面積は、軸方向に沿って一定であった。筒状体の内周形状は、円形であった。回転翼ユニットを軸方向から見たとき、筒状体の内周半径は、26mmであった。
回転翼は、12枚のブレードを備えていた。筒状体の第1開口から回転翼の第1開口側の端までの距離は、18mmであった。筒状体の第2開口から回転翼の第2開口側の端までの距離は、18mmであった。
飛行移動体を正面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の角度(第2角度θ)は、90°であった。飛行移動体を側面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の角度(第2角度θ)は、90°であった。各回転翼ユニットの回転軸と上下方向との間の角度(第1角度α1)は、0°であった。すなわち、各回転翼ユニットの回転軸と上下方向とは並行であった。
実施例1の飛行移動体は、比較例1の飛行移動体において、各回転翼ユニットの回転軸方向を上下方向に対して交差させた以外は、比較例1の飛行移動体と同一の構成とした。実施例1の飛行移動体は、飛行移動体を正面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、89°であった。また、飛行移動体を側面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、89°であった。各回転翼ユニットの回転軸と上下方向との間の第1角度α1は、1.4°であった。
実施例2の飛行移動体は、比較例1の飛行移動体において、各回転翼ユニットの回転軸方向を上下方向に対して交差させた以外は、比較例1の飛行移動体と同一の構成とした。実施例2の飛行移動体は、飛行移動体を正面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、88°であった。また、飛行移動体を側面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、88°であった。各回転翼ユニットの回転軸と上下方向との間の第1角度α1は、2.8°であった。
実施例3の飛行移動体は、比較例1の飛行移動体において、各回転翼ユニットの回転軸方向を上下方向に対して交差させた以外は、比較例1の飛行移動体と同一の構成とした。実施例3の飛行移動体は、飛行移動体を正面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、87°であった。また、飛行移動体を側面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、87°であった。各回転翼ユニットの回転軸と上下方向との間の第1角度α1は、4.2°であった。
実施例4の飛行移動体は、比較例1の飛行移動体において、各回転翼ユニットの回転軸方向を上下方向に対して交差させた以外は、比較例1の飛行移動体と同一の構成とした。実施例4の飛行移動体は、飛行移動体を正面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、86°であった。また、飛行移動体を側面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、86°であった。各回転翼ユニットの回転軸と上下方向との間の第1角度α1は、5.6°であった。
実施例5の飛行移動体は、比較例1の飛行移動体において、各回転翼ユニットの回転軸方向を上下方向に対して交差させた以外は、比較例1の飛行移動体と同一の構成とした。実施例5の飛行移動体は、飛行移動体を正面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、85°であった。また、飛行移動体を側面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、85°であった。各回転翼ユニットの回転軸と上下方向との間の第1角度α1は、7.1°であった。
実施例6の飛行移動体は、比較例1の飛行移動体において、各回転翼ユニットの回転軸方向を上下方向に対して交差させた以外は、比較例1の飛行移動体と同一の構成とした。実施例6の飛行移動体は、飛行移動体を正面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、84°であった。また、飛行移動体を側面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、84°であった。各回転翼ユニットの回転軸と上下方向との間の第1角度α1は、8.5°であった。
比較例2の飛行移動体は、比較例1の飛行移動体において、各回転翼ユニットの回転軸方向を上下方向に対して交差させた以外は、比較例1の飛行移動体と同一の構成とした。比較例2の飛行移動体は、飛行移動体を正面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、83°であった。また、飛行移動体を側面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、83°であった。各回転翼ユニットの回転軸と上下方向との間の第1角度α1は、9.9°であった。
比較例3の飛行移動体は、比較例1の飛行移動体において、各回転翼ユニットの回転軸方向を上下方向に対して交差させた以外は、比較例1の飛行移動体と同一の構成とした。比較例3の飛行移動体は、飛行移動体を正面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、82°であった。また、飛行移動体を側面から見たとき、各回転翼ユニットの回転軸と左右方向との間の第2角度θは、82°であった。各回転翼ユニットの回転軸と上下方向との間の第1角度α1は、11.2°であった。
比較例1に示すように、第1角度α1が1.4°(θ=89°)より小さい場合は、飛行移動体がふらつき、機体の揺れが大きかった。第1角度α1を1.4°以上にすると、第1角度α1が1.4°以上8.5°以下(84°≦θ≦89°)の場合は、飛行移動体のふらつきが抑制された。特に、第1角度α1が4.2°以上7.1°以下(85°≦θ≦89°)の場合は、飛行移動体が静止した。これらを具体的に評価すると、第1角度α1を0°(θ=90°)としたとき、飛行移動体はふらついていたが、第1角度α1を0°から大きくしていくと(第2角度θを小さくしていくと)、第1角度α1を1.4°(θ=89°)にしたとき、飛行移動体は多少のふらつきとなり、ふらつきが抑制された。さらに第1角度α1を大きくすると、第1角度α1を4.2°(θ=87°)にしたとき、飛行移動体は静止した。引き続き第1角度α1を大きくすると、第1角度α1を7.1°(θ=85°)にしたときまでは、飛行移動体は静止していたが、第1角度α1を8.5°(θ=84°)にしたとき再び多少ふらついた。さらに第1角度α1を9.9°以上(θ≦83°)にしたとき、飛行移動体はふらついた。これは、第1角度α1を大きくしていくことは、回転翼ユニットの回転軸を水平方向に近づけることであるため、第1角度α1を大きくしすぎると、飛行移動体に対する鉛直方向(水平方向に直交する方向)の揚力が減少し、機体の安定性が欠如するためであると考えられた。
実施例7は、上記の比較例1と同一の飛行移動体であった。
実施例8は、上記の実施例1と同一の飛行移動体であった。
実施例9は、上記の実施例2と同一の飛行移動体であった。
実施例10は、上記の実施例3と同一の飛行移動体であった。
実施例11は、上記の実施例4と同一の飛行移動体であった。
実施例12は、上記の実施例5と同一の飛行移動体であった。
実施例13は、上記の実施例6と同一の飛行移動体であった。
比較例4の飛行移動体は、上記の比較例1の飛行移動体において、筒状体を備えない点以外は、比較例1の飛行移動体と同一の構成とした。
また、表2における増減程度の「大」、「中」、「中程度」、「小」は、以下のように規定した。
比較例4のペイロードと比較したときの実施例7の増加程度を100(「大」)として、「中」は、「大」の99%~85%の増加程度であり、「中程度」は、「大」の90%~85%の増加程度であり、「小」は、「大」の84%~70%の増加程度であった。
また、本開示は、以下のような構成をとることができる。
項(1)
本体と、
前記本体に取り付けられた複数の回転翼ユニットと、
を備え、
前記複数の回転翼ユニットはそれぞれ、回転翼と、前記回転翼を覆う筒状体と、を有し、
水平飛行時において、前記回転翼の回転中心軸が延在する軸方向と、上下方向と、は交差しており、
前記筒状体は、前記軸方向に沿って延在する、飛行移動体。
項(2)
前記回転翼は、軸流ファンである、項1に記載の飛行移動体。
項(3)
前記複数の回転翼ユニットそれぞれにおける前記軸方向が、前記上下方向に対して交差する第1角度は、互いに等しい、項1又は2に記載の飛行移動体。
項(4)
平面視において、前記複数の回転翼ユニットは前記本体の重心と重なる点を中心点とした円周上に等間隔に配置されている、項1から3のいずれか1項に記載の飛行移動体。
項(5)
前記複数の回転翼ユニットそれぞれにおける前記軸方向は、前記上下方向の上方から下方に向かうにつれて、互いに離れる方向に延在する、項1から4のいずれか1項に記載の飛行移動体。
項(6)
前記軸方向が前記上下方向に対して交差する第1角度は、1.4°以上8.5°以下である、項5に記載の飛行移動体。
項(7)
前記第1角度は、4.2°以上7.1°以下である、項6に記載の飛行移動体。
項(8)
4つの前記回転翼ユニットを備え、
前記4つの回転翼ユニットは、
平面視において、前記本体の重心と重なる点を中心点とした円周上に等間隔に配置されており、
平面視において、前記中心点から前記飛行移動体の正面に向かう方向を0°としたとき、前記4つの回転ユニットそれぞれの重心が、45°、135°、225°及び315°の位置に配置されており、
前記4つの回転翼ユニットそれぞれの前記軸方向は、
正面視において、左右方向と第2角度で交差し、
側面視において、上下方向と前記第2角度で交差し、
前記第2角度は、84°以上89°以下である、項5から7のいずれか1項に記載の飛行移動体。
項(9)
前記第2角度は、85°以上87°以下である、請求項8に記載の飛行移動体。
項(10)
前記複数の回転翼ユニットそれぞれにおける前記軸方向は、前記上下方向の上方から下方に向かうにつれて、互いに近づく方向に延在する、項1から4のいずれか1項に記載の飛行移動体。
項(11)
前記筒状体は、第1開口と、前記第1開口より下方に位置する第2開口と、を含み、
前記回転翼は、前記第2開口よりも前記第1開口に近い位置に配置される、項1から10のいずれか1項に記載に飛行移動体。
項(12)
前記筒状体は、第1開口と、前記第1開口より下方に位置する第2開口と、を含み、
前記第1開口における前記筒状体の内周面積は、前記第2開口における前記筒状体の内周面積よりも大きい、項1から11のいずれか1項に記載の飛行移動体。
項(13)
前記軸方向に直交する断面において、前記筒状体の内周面と前記回転翼の先端との距離は、0.03mm以上1mm以下である、項1から12のいずれか1項に記載の飛行移動体。
項(14)
前記複数の回転翼ユニットはそれぞれ、前記回転翼を回転させる回転駆動体を含み、
前記回転駆動体の回転中心軸は、前記軸方向に沿って延在する、請求項1から13のいずれか1項に記載の飛行移動体。
項(15)
前記回転駆動体は、前記筒状体に接続した軸体と、前記回転翼と接続し、前記軸体の周りを回転する回転体と、を含む、項14に記載に飛行移動体。
項(16)
前記筒状体は、第1開口と、前記第1開口より下方に位置する第2開口と、を備え、
前記第1開口と前記第2開口とのうち、少なくとも一方は網状部材で被覆されている、項1から15のいずれか1項に記載の飛行移動体。
項(17)
前記筒状体は、前記筒状体の外周面と内周面との間を貫通し、前記回転翼より上方に位置する貫通孔が設けられており、
前記回転翼ユニットは、前記貫通孔を開閉する弁を備えており、
前記弁は、
前記筒状体の内側の気圧が、前記筒状体の外側の気圧よりも小さいとき、前記貫通孔を開口し、
前記筒状体の内側の気圧が、前記筒状体の外側の気圧以上のとき、前記貫通孔を閉鎖する、項1から18のいずれか1項に記載の飛行移動体。
項(18)
前記弁は、前記筒状体に対してスイング動作する蓋である、項17に記載の飛行移動体。
項(19)
前記回転翼は、4枚以上12枚以下のブレードを備える、項1から18のいずれか1項に記載の飛行移動体。
項(20)
液剤を噴霧する噴霧口をさらに備える、項1から19のいずれか1項に記載の飛行移動体。
2、102 回転翼ユニット
2A~2D 第1回転翼ユニット~第4回転翼ユニット
3 本体
4 中心体
5 アーム
5A~5D 第1アーム~第4アーム
6 レッグ
10 筒状体
11 外周面
12 内周面
13 第1開口
14 第2開口
15 支持部材
16 貫通孔
20 回転翼
21 ブレード
30 回転駆動体
31 軸体
32 回転体
40 網状部材
50 噴霧口
51 液剤散布装置
52 ホース
A1、A2 軸方向
C1 回転体の回転中心軸
P1 所定の一点
X 左右方向
Y 前後方向
Z 上下方向
α1 第1角度
α2 第3角度
θ 第2角度
Claims (19)
- 本体と、
前記本体に取り付けられた複数の回転翼ユニットと、
を備え、
前記複数の回転翼ユニットはそれぞれ、回転翼と、前記回転翼を覆う筒状体と、を有し、
水平飛行時において、前記回転翼の回転中心軸が延在する軸方向と、上下方向と、は交差しており、
前記筒状体は、
前記軸方向に沿って延在し、
前記筒状体の外周面と内周面との間を貫通し、前記回転翼より上方に位置する貫通孔が設けられており、
前記回転翼ユニットは、前記貫通孔を開閉する弁を備えており、
前記弁は、
前記筒状体の内側の気圧が、前記筒状体の外側の気圧よりも小さいとき、前記貫通孔を開口し、
前記筒状体の内側の気圧が、前記筒状体の外側の気圧以上のとき、前記貫通孔を閉鎖する、飛行移動体。 - 前記弁は、前記筒状体に対してスイング動作する蓋である、請求項1に記載の飛行移動体。
- 前記筒状体は、第1開口と、前記第1開口より下方に位置する第2開口と、を含み、
前記回転翼は、前記第2開口よりも前記第1開口に近い位置に配置される、請求項1または2に記載に飛行移動体。 - 前記筒状体は、第1開口と、前記第1開口より下方に位置する第2開口と、を含み、
前記第1開口における前記筒状体の内周面積は、前記第2開口における前記筒状体の内周面積よりも大きい、請求項1または2に記載の飛行移動体。 - 前記回転翼は、軸流ファンである、請求項1または2に記載の飛行移動体。
- 前記複数の回転翼ユニットそれぞれにおける前記軸方向が、前記上下方向に対して交差する第1角度は、互いに等しい、請求項1または2に記載の飛行移動体。
- 平面視において、前記複数の回転翼ユニットは前記本体の重心と重なる点を中心点とした円周上に等間隔に配置されている、請求項1または2に記載の飛行移動体。
- 前記複数の回転翼ユニットそれぞれにおける前記軸方向は、前記上下方向の上方から下方に向かうにつれて、互いに離れる方向に延在する、請求項1または2に記載の飛行移動体。
- 前記軸方向が前記上下方向に対して交差する第1角度は、1.4°以上8.5°以下である、請求項8に記載の飛行移動体。
- 前記第1角度は、4.2°以上7.1°以下である、請求項9に記載の飛行移動体。
- 4つの前記回転翼ユニットを備え、
前記4つの回転翼ユニットは、
平面視において、前記本体の重心と重なる点を中心点とした円周上に等間隔に配置されており、
平面視において、前記中心点から前記飛行移動体の正面に向かう方向を0°としたとき、前記4つの回転ユニットそれぞれの重心が、45°、135°、225°及び315°の位置に配置されており、
前記4つの回転翼ユニットそれぞれの前記軸方向は、
正面視において、左右方向と第2角度で交差し、
側面視において、上下方向と前記第2角度で交差し、
前記第2角度は、84°以上89°以下である、請求項8に記載の飛行移動体。 - 前記第2角度は、85°以上87°以下である、請求項11に記載の飛行移動体。
- 前記複数の回転翼ユニットそれぞれにおける前記軸方向は、前記上下方向の上方から下方に向かうにつれて、互いに近づく方向に延在する、請求項1または2に記載の飛行移動体。
- 前記軸方向に直交する断面において、前記筒状体の内周面と前記回転翼の先端との距離は、0.03mm以上1mm以下である、請求項1または2に記載の飛行移動体。
- 前記複数の回転翼ユニットはそれぞれ、前記回転翼を回転させる回転駆動体を含み、
前記回転駆動体の回転中心軸は、前記軸方向に沿って延在する、請求項1または2に記載の飛行移動体。 - 前記回転駆動体は、前記筒状体に接続した軸体と、前記回転翼と接続し、前記軸体の周りを回転する回転体と、を含む、請求項15に記載に飛行移動体。
- 前記筒状体は、第1開口と、前記第1開口より下方に位置する第2開口と、を備え、
前記第1開口と前記第2開口とのうち、少なくとも一方は網状部材で被覆されている、請求項1または2に記載の飛行移動体。 - 前記回転翼は、4枚以上12枚以下のブレードを備える、請求項1または2に記載の飛行移動体。
- 液剤を噴霧する噴霧口が設けられた、請求項1または2に記載の飛行移動体。
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