JP3692350B2 - インセルクレーンの救援装置および救援方法 - Google Patents
インセルクレーンの救援装置および救援方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3692350B2 JP3692350B2 JP2002346257A JP2002346257A JP3692350B2 JP 3692350 B2 JP3692350 B2 JP 3692350B2 JP 2002346257 A JP2002346257 A JP 2002346257A JP 2002346257 A JP2002346257 A JP 2002346257A JP 3692350 B2 JP3692350 B2 JP 3692350B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hook
- cell
- relief
- crane
- rescue
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)
- Control And Safety Of Cranes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、インセルクレーンの救援装置および救援方法に関し、更に詳しくは、インセルクレーンが故障した際に、インセルクレーンの電動つり具をクレーン収納室の高さまで巻き上げることができ、吊荷をセル底部まで巻き下ろすことができるインセルクレーンの救援装置および救援方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放射性物質を取り扱うセル内には、この放射性物質などの吊荷の巻き上げ/巻き下ろしを行う天井走行クレーンとしてインセルクレーンが設置されている。このインセルクレーンは、放射性物質などの吊荷をセル底部から電動つり具を介して所定の位置まで運搬するものであり、作業員は遠隔操作によりインセルクレーンを操作する。なお、セル内では放射性物質を取り扱うため、このセル内は作業員が作業を行うことができる環境ではないため、インセルクレーンの保守および修理の際には、インセルクレーンが走行する走行レールの一端に遮蔽扉を介して設けられたクレーン収納室において行われる。
【0003】
ここで、吊荷の巻き上げ/巻き下ろしを行うインセルクレーンの巻き上げドラムの駆動源であるモータや減速機などが故障する場合がある。上記モータや減速機などの駆動源が故障すると、インセルクレーンの電動つり具やインセルクレーンが運搬中の吊荷がセル内で宙吊りの状態となる。上述のように、作業員はセル内でインセルクレーンの修理が行えないため、インセルクレーンの電動つり具をクレーン収納室の高さまで巻き上げる必要がある。特に、電動つり具が吊荷を掴んでいる状態で駆動源が故障した場合は、吊荷をプロセスセル底部まで巻き下ろす必要もある。
【0004】
従って、従来のインセルクレーンにおいては、インセルクレーンの巻き上げドラムの回転軸に別個の駆動源を直接的に連結または間接的に連結して、インセルクレーンの電動つり具を保守セルの高さまで巻き上げたり、吊荷をプロセスセル底部まで巻き下ろしたりする技術が提案されている(例えば、特許文献1)。これは、インセルクレーン(特許文献1では、2)とは、別個に走行レール(特許文献1では、1)上を走行できる救援装置(特許文献1では、3)を設け、インセルクレーンの巻き上げドラム(特許文献1では、14)の駆動源(特許文献1では、7)が故障した際には、救援装置をインセルクレーンの近傍まで走行レール上を移動させる。そして、救援装置の駆動軸結合装置(特許文献1では23)とインセルクレーンの駆動軸結合装置(特許文献1では、6)とを結合し、救援装置の駆動源(特許文献1では、24)により、インセルクレーンの巻き上げドラムを駆動させる。これにより、インセルクレーンの駆動源が故障した場合においても、インセルクレーンの電動つり具をクレーン収納室の高さまで巻き上げたり、吊荷をプロセスセル底部まで巻き下ろしたりすることができる。
【0005】
【特許文献1】
実公平1−41754号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インセルクレーンの故障の原因としては、インセルクレーンの駆動源の故障以外にも考えられる。例えば、インセルクレーンの巻上ドラムが何らかの原因で回転できなくなる場合がある。この場合は、上記の従来例の救援装置では、インセルクレーンの電動つり具をクレーン収納室の高さまで巻き上げたり、吊荷をプロセスセル底部まで巻き下ろしたりすることができない。これは、インセルクレーンの電動つり具の巻き上げ/巻き下げを行う巻上ドラムが回転できなければ、救援装置の駆動源からこの巻上げドラムに駆動力を供給しても、電動つり具や吊荷を巻き上げたり、巻き下げたりすることができないからである。
【0007】
これにより、上記従来例の救援装置では、インセルクレーンの駆動源の故障の以外の故障、例えば減速機や巻上ドラムなどの故障には対応することができないという問題がある。ここで、セル内では放射性物質を取り扱うため、セルの外部や作業員に対して高い安全性を要求される。つまり、セル内に設置された機器に起こりうる故障などの事象に対して、極力作業員の安全性を確保するため、遠隔操作による対応が必要となる。従って、インセルクレーンの電動つり具や吊荷を巻き上げたり、巻き下げたりすることができない場合に、その故障の原因の如何にかかわらず、遠隔操作により、インセルクレーンの電動つり具をクレーン収納室の高さまで巻き上げたり、吊荷をプロセスセル底部まで巻き下ろしたりすることができる救援装置が必要である。
【0008】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、インセルクレーンの故障により、インセルクレーンの電動つり具の巻き上げ、巻き下げができない場合において、遠隔操作により、電動つり具と吊荷を巻き上げ、巻き下げすることができるインセルクレーンの救援装置および救援方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明では、セル内に設置されたインセルクレーンに設けられた救援装置において、故障したインセルクレーンの電動つり具に設けられたハンガー本体を掴む救援用フックと、救援用フックを巻き上げ、巻き下げるチェーンブロックと、巻き下げられた救援用フックが当該救援用フックの吊中心から前記ハンガー本体の中心近傍に位置するようにガイドする救援用フックガイド機構と備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、救援装置の救援用フックガイド機構によりハンガー本体の中心近傍にチェーンブロックにより巻き下げられた救援用フックが、自動でハンガー本体を掴むので、遠隔操作により、ハンガー本体が設けられた電動つり具と吊荷を巻き上げることができる。これにより、インセルクレーンをクレーン収納室に移動することができ、インセルクレーンの修理を行うことができる。
【0011】
また、この発明では、請求項1に記載のインセルクレーンにおいて、救援用フックがハンガー本体を掴み、当該救援用フックにより電動つり具が巻き上げられる際に、当該ハンガー本体の中心が電動つり具の中心まで移動するリンク機構を設けたことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、救援用フックがハンガー本体を介して電動つり具を巻き上げる際に、リンク機構によりハンガー本体の中心が電動つり具の中心まで移動するので、救援用フックでの電動つり具と吊荷を安定した状態で巻き上げることができる。
【0013】
また、この発明では、請求項1または2に記載のインセルクレーンの救援装置において、救援用フックの救援用チェーンが挿通するとともに当該救援用フックが巻き下げられる際に連動して所定の長さまで巻き下げられ、且つ電動つり具の電動つり具本体から分離可能なシーブ機構に設けられたシーブ側シーブハンガーと接続部材を介して接続するフック側シーブハンガーを設けたことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、インセルクレーンの電動つり具が電動つり具本体とシーブ機構とに分離可能であるため、電動つり具を電動つり具本体とシーブ機構に分離し、インセルクレーンが故障したことにより宙吊りとなった電動つり具本体と吊荷をこの宙吊りとなった位置よりもさらに下方に救援用フックで巻き下げることができ、シーブ機構に設けられたシーブ側シーブハンガーとフック側シーブハンガーとを接続部材を介して接続するので、分離されたシーブ機構が落下を防止することができる。これにより、遠隔操作により、ハンガー本体が設けられた電動つり具に掴まれた吊荷をセルの底部に載置することができ、インセルクレーンのみをクレーン収納室に移動することができ、インセルクレーンの修理を行うことができる。
【0015】
また、この発明では、セル内で故障したインセルクレーンの救援方法において、インセルクレーンに設けられた救援装置の救援用フックを救援用フックガイド機構により救援用フックの吊中心から宙吊りとなっているインセルクレーンの電動つり具に設けられたハンガー本体の中心近傍までチェーンブロックで巻き下げる工程と、救援用フックをさらに巻き下げた後、巻き上げることで、当該救援用フックにより前記ハンガー本体を掴む工程と、電動つり具を救援用フックにより、救援用フックの吊中心でセル内に設けられたマスタースレーブマニプレータ近傍まで巻き上げる工程と、マスタースレーブマニプレータにより、インセルクレーン用ワイヤロープを処理する工程と、セル内に設けられたクレーン収納室内にインセルクレーンを格納する工程とを含むことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、救援装置の救援用フックガイド機構によりハンガー本体の中心近傍にチェーンブロックにより巻き下げられた救援用フックが、自動でハンガー本体を掴むので、遠隔操作により、ハンガー本体が設けられた電動つり具と吊荷を巻き上げることができる。これにより、インセルクレーンをクレーン収納室に移動することができ、インセルクレーンの修理を行うことができる。
【0017】
また、この発明では、セル内で故障したインセルクレーンの救援方法において、インセルクレーンに設けられた救援装置の救援用フックを救援用フックガイド機構により救援用フックの吊中心から宙吊りとなっているインセルクレーンの電動つり具に設けられたハンガー本体の中心近傍までチェーンブロックで巻き下げる工程と、救援用フックをさらに巻き下げた後、巻き上げることで、当該救援用フックによりハンガー本体を掴む工程と、電動つり具を救援用フックにより、救援用フックの吊中心でセル内に設けられたマスタースレーブマニプレータ近傍まで巻き上げる工程と、救援用フックとともに所定の長さまで巻き下げられたフック側シーブハンガーとシーブ機構のシーブ側シーブハンガーとを接続部材を介して接続する工程と、電動つり具を構成する電動つり具本体とシーブ機構を分離する工程と、救援用フックにより、電動つり具本体に吊下げられている吊荷を前記セルの底部に巻き下ろす工程と、吊荷をセルの底部に載置する工程と、電動つり具本体を救援用フックにより、マスタースレーブマニプレータ近傍まで巻き上げる工程と、マスタースレーブマニプレータにより、インセルクレーン用ワイヤロープを処理する工程と、セル内に設けられたクレーン収納室内にインセルクレーンを格納する工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
また、この発明によれば、インセルクレーンの電動つり具が電動つり具本体とシーブ機構とに分離可能であるため、電動つり具を電動つり具本体とシーブ機構に分離し、インセルクレーンが故障したことにより宙吊りとなった電動つり具本体と吊荷をこの宙吊りとなった位置よりもさらに下方に救援用フックにより巻き下げることができ、シーブ機構に設けられたシーブ側シーブハンガーとフック側シーブハンガーとを接続部材を介して接続するので、分離されたシーブ機構の落下を防止することができる。これにより、遠隔操作により、ハンガー本体が設けられた電動つり具に掴まれた吊荷をセルの底部に載置することができ、インセルクレーンのみをクレーン収納室に移動することができ、インセルクレーンの修理を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものが含まれるものとする。
【0020】
図1は、この発明にかかるインセルクレーンの救援装置が用いられるセルの概略構成例を示す図である。同図に示すように、インセルクレーン20の救援装置1が用いられるセル100は、インセルハッチ101を挟んでプロセスセル102と保守セル103とから構成されている。プロセスセル102には、その底部104にインセルクレーン20が運搬を行う吊荷Wを載置する載置台105が設けられている。また、インセルハッチ101は、プロセスセル102と保守セル103とを遮蔽するものであり、図示しない複数ハッチで構成されている。なお、インセルハッチ101の一部101´をインセルクレーン20により取り外すことで、後述するインセルクレーン20の電動つり具21を吊荷Wまで巻き下ろすことができる。
【0021】
保守セル103には、所定の位置にセル100の外部から作業員が遠隔操作を行うことができるマスタースレーブマニプレータ(以下、「MSM」と称する)106が設けられている。MSM106は、図示は省略するがその先端にメカニカルハンドを備え、保守セル103内に位置するインセルクレーン20の電動つり具21や保守セル103までインセルクレーン20により巻き上げられた吊荷Wに対して種々の作業を行うことができる。保守セル103の上部には、インセルクレーン20の走行レール107が設けられており、この走行レール107上をインセルクレーン20が矢印Aのいずれかの方向に移動することができる。また、保守セル103の上方の一端には、遮蔽扉108を介してクレーン収納室109が設けられている。このクレーン収納室109は、上記遮蔽扉108により、保守セル103から隔離することができ、作業員がこのクレーン収納室109内で作業が行える環境とすることができる。また、走行レール107は、このクレーン収納室109まで延在しており、インセルクレーン20は、このクレーン収納室109まで移動することができる。
【0022】
次に、インセルクレーンについて説明する。図2は、インセルクレーンの電動つり具の詳細構成図であり、同図(a)は電動つり具の正面図、同図(b)は電動つり具の側面図である。インセルクレーン20は、少なくとも電動つり具21と、走行台車22と、巻上ドラム23とにより構成されている。このインセルクレーン20は、図1に示すように、走行レール107上に配置され、図示しない走行用駆動源によりこの走行レール107上を矢印A方向に移動することができる。電動つり具21は、図2に示すように、電動つり具本体24と、シーブ機構25とにより構成されている。電動つり具本体24は、吊荷Wを掴むチャック24aとこのチャック24aを駆動するモータなどを収納するプーリケース24bとから構成されている。なお、プーリケース24b内のモータなどに供給する電源は、インセルクレーン20の走行台車22から図示しない電源ケーブルにより供給される。
【0023】
プーリケース24bの上部には、プーリケースハンガー26が設けられている。このプーリケースハンガー26は後述する救援装置1の救援用フック2により掴まれるハンガー本体26aとプーリケースハンガー26の上部に取り付けられているリンク機構26bとにより構成されている。ハンガー本体26aは、その中央部が上方に突出したアーチ形状であり、その両端部が2つのリンク機構26bに取り付けられている。リンク機構26bは、図示は省略するが複数の平板をピンにより回転自在に連結したものである。ここで、このリンク機構26bは、図示しないばねなどの弾性手段により、同図(a)に示すようにハンガー本体26aの中心Y1が常にインセルクレーン20の電動つり具21の吊中心Y2から所定距離離れた位置となるように付勢されている。また、リンク機構26bは、同図(a)に示すような状態から矢印B方向にしか回転できないようになっている。
【0024】
シーブ機構25は、2本のインセルクレーン用ワイヤロープC1とC2とを巻きかける2つのシーブ25aと、シーブ軸受台25bとにより構成されている。シーブ25aは、シーブ回転軸25cを介してシーブ軸受台25bに回転自在に支持されている。シーブ軸受台25bの上部には、後述するシーブ側シーブハンガーである吊耳25dが設けられている。ここで、電動つり具本体24は、プーリ−ケース24bの上部に設けられた図示しないピン穴とシーブ軸受台25bの下部に設けられた図示しないピン穴とに接続ピン27を挿入することで、シーブ機構25に分離可能に取り付けられている。
【0025】
次に、救援装置1について説明する。図3は、本発明にかかる救援装置の詳細構成図であり、同図(a)は救援装置の正面図、同図(b)は救援装置の側面図である。救援装置1は、少なくとも救援用フック2と、チェーンブロック3と、フック側シーブハンガー4と、フック側シーブハンガーロック機構5と、救援用フックガイド機構6と、により構成されている。救援装置1は、図1および図3に示すように、インセルクレーン20の走行台車22の下部に取り付けられている。ここで、救援装置1はインセルクレーン20の電動つり具21に対して左側に設けられているが、右側に設けても良い。この場合、救援装置1とインセルクレーン20の電動つり具21の向きは左右が逆となる。
【0026】
救援用フック2は、同図に示すように、フック本体2aと、フックブロック2bとから構成されている。フック本体2aには、後述するハンガー26aを掴んだ際に、このハンガー本体26aがフック本体2aからはずれることを防止するはずれ止め金具2cが取り付けられている。フックブロック2bは、その内部に後述するチェーンブロック3からの救援用チェーンC3を巻き掛けるスプロケット2dが回動自在に支持されている。
【0027】
チェーンブロック3は、同図に示すように、駆動スプロケット3aと、モータや減速機などからなる救援用駆動源3bとにより構成されている。駆動スプロケット3aには予め救援用チェーンC3が巻かれており、この救援用チェーンC3は2つのスプロケット3c、3dを介して、救援用フック2のスプロケット2dに巻き掛けられている。なお、救援用チェーンC3の先端C3´は、同図(b)に示すように、インセルクレーン20の走行台車22に接続されている。救援用駆動源3bは、その図示しない軸が駆動スプロケット3aの軸と連結されており、この救援用駆動源3bを駆動することにより、駆動スプロケット3aが回転し、救援用チェーンC3が巻上げあるいは巻き下げられ、これに伴って救援用フック2が巻き上げあるいは巻き下げられる。なお、Y3は、救援用フック2の吊中心を示すものである。
【0028】
フック側シーブハンガー4は、その内部に上記救援用チェーンC3が挿通することができる2つの開口部4aが設けられており、その外周部の所定の個所には吊耳4bが設けられている。また、フック側シーブハンガー4は、その上部にワイヤ固定部材4cが設けられおり、後述するフック側シーブハンガーロック機構5からのワイヤC4の先端が取り付けられている。
【0029】
フック側シーブハンガーロック機構5は、ワイヤC4が巻き取られているワイヤ巻取ドラム5aとプーリ5bとにより構成されている。ワイヤ巻取ドラム5aは、インセルクレーン20の走行台車22に固定されており、上記ワイヤC4がプーリ5bを介して、所定の長さ送り出されるとワイヤC4の送り出しを停止するものである。ここで、所定の長さとは、フック側シーブハンガー4が救援用フック2とともにセル100内に送り出された際に、セル100の保守セル103に設けられたMSM106がフック側シーブハンガー4に対して作業を行うことができる長さをいう。
【0030】
救援用フックガイド機構6は、チェーンブロック3の下方にチェーンバケット7を介して取り付けられており、脚部6aと、ガイドローラ6bと、弾性部材6cと、案内板6dとから構成されている。2つの脚部6aは、その中央部においてチェーンバケット7の両側面に回転自在に支持されている。この脚部6aの一端には、回転軸6eを介して2つのガイドローラ6bが回転自在に取り付けられている。ここで、2つのガイドローラ6bは、その中央部を救援用フック2が通過するように回転軸6eに取り付けられている。一方、脚部6aの他端にはコイルばねなどの弾性部材6cの一端が取り付けられている。なお、弾性部材6cの他端は、チェーンバケット7に取り付けられている。なお、弾性部材6cは、脚部6aが矢印Cに示すいずれの方向に回転しても、ガイドローラ6bを同図(a)に示す位置に復帰できる弾性力を有する。案内板6dは、2つの脚部6aの下部に取り付けられており、救援用フック2をセル100内に円滑に送り出すためものである。また、チェーンバケット7は、救援用チェーンC3を保管するものである。
【0031】
ここで、8は、救援用フック格納ケースであり、チェーンバケット7に取り付けられている。この救援用フック格納ケース8は、インセルクレーン20が故障していない通常運転時において、救援用フック2が電動つり具21やインセルクレーン用ワイヤロープC1、C2に干渉することを防止するためのものである。なお、救援用フック格納ケース8は、その中央部に上方から下方まで連通する開口部8aが設けられている。これは、救援用フック格納ケース8とフック側シーブハンガー4の吊耳4bとが干渉することを防止するためのものである。
【0032】
走行台車22は、その上部にインセルクレーン20に用いられる巻上ドラム23が設置されている。ここで、走行台車22は、図1に示すように矢印A方向、すなわち左右方向にのみ移動するものではなく、前後方向(図1では、紙面鉛直方向)にも移動することができる。巻上ドラム23は、図示は省略するがモータや減速機などからなるインセルクレーン用駆動源に連結されている。巻上ドラム23には予めインセルクレーン用ワイヤロープC1、C2が巻かれており、このインセルクレーン用ワイヤロープC1、C2は、それぞれ電動つり具21のシーブ機構25の2つのシーブ25aに巻き掛けられている。なお、インセルクレーン用ワイヤロープC1、C2の先端は、インセルクレーン20の走行台車22に接続されている。
【0033】
次に、インセルクレーン20の救援方法について説明する。図4は、インセルクレーンが故障し、電動つり具および吊荷がプロセスセル内で宙吊りとなった状態を示すものである。同図に示すように、インセルクレーン20の巻上ドラム23や図示しない減速機が故障すると、電動つり具21および吊荷Wはプロセスセル102内で宙吊りとなる。
【0034】
まず、救援装置1の救援用フック2を巻き下げる工程について説明する。図5は、救援用フック格納ケース内から救援用フックを巻き下げる動作説明図であり、同図(a)は救援用フックが救援用フック格納ケース内にある状態、同図(b)はガイド機構を介して救援用フックが巻き下げられる状態を示す図である。同図(a)に示すように、インセルクレーン20の通常運転時には、救援用フック2は救援用フック格納ケース8内に格納されている。インセルクレーン20の電動つり具21および吊荷Wが、図4に示すように、プロセスセル102内で宙吊りとなった場合は、救援装置1のチェーンブロック3の救援用駆動源3bを駆動することにより、駆動スプロケット3aを回転させ、スプロケット3c,3dを介して、同図(b)に示すように、救援用フック2をフック側シーブハンガー4とともに、セル100内への巻き下げを開始する。このとき、救援用フック2のフック本体2aは、救援用フックガイド機構6の案内板6dおよびガイドローラ6bに案内されながら巻き下げられる。救援用フックガイド機構6のガイドローラ6bの下まで巻き下げられた救援用フック2は、図3(a)に示すように、ハンガー本体26aの中心Y1の近傍にフック本体2aが位置できるように、ガイドローラ6bが救援用チェーンC3およびワイヤC4を案内しながら、さらに巻き下げられる。
【0035】
図6は、宙吊りとなった電動つり具および吊荷の近傍に救援装置の救援用フックが巻き下げられた状態を示す図である。図7は、宙吊りとなった電動つり具および吊荷の近傍に救援装置の救援用フックが巻き下げられた状態の詳細図であり、同図(a)は電動つり具と救援用フックの正面図、同図(b)は電動つり具と救援用フックの側面図である。図6および図7に示すように、救援用フック2が電動つり具21および吊荷Wの近傍に巻き下げられた場合、この救援用フック2とともに救援用フック格納ケース8から巻き下げられたフック側シーブハンガー4は、保守セル103のMSM106の付近で巻き下げが終了する。これは、フック側シーブハンガーロック機構5のワイヤ巻取ドラム5aに予め巻き取られているワイヤC4の長さが、MSM106がフック側シーブハンガー4に対して作業を行うことができる長さであるためである。なお、救援用フック2は、救援用チェーンC3がフック側シーブハンガー4の開口部4a内を挿通するので(図3参照)、引き続き電動つり具21および吊荷Wの近傍に巻き下げることができる。
【0036】
次に、救援用フック2が電動つり具21のハンガー本体26aを掴む工程について説明する。図8は、救援用フックのフック本体が電動つり具のハンガー本体を掴んだ状態を示す図であり、同図(a)は電動つり具と救援用フックの正面図、同図(b)は電動つり具と救援用フックの側面図である。電動つり具21および吊荷Wの近傍に巻き下げられた救援用フック2を図7に示すように、矢印D方向にさらに巻き下げると、図示は省略するが救援用フック2のフック本体2aはプーリケースハンガー26のハンガー本体26aより下に位置し、且つフック本体2aがハンガー本体26aを引っ掛けることができる位置となる。次に、救援用フック2を図8に示すように矢印E方向に巻き上げることにより、フック本体2aは、はずれ止め金具2cがハンガー本体26aに押し退けられ、このハンガー本体26aを掴む。このとき、図7(b)に示すように、救援用フック2がハンガー本体26aの中心Y1からずれてハンガー本体26aを掴んでも、ハンガー本体26aの中央部が上方に突出したアーチ形状となっているため、救援用フック2を図8に示すように矢印E方向に巻き上げる際に、救援用フック2がハンガー本体26aを掴んでいる個所がハンガー本体26aの中心Y1上に修正される。これにより、救援用フック2は安定した状態で電動つり具21や吊荷Wを巻き上げ、巻き下げすることができる。
【0037】
図9は、救援用フックに掴まれたハンガー本体が電動つり具の中心に移動した状態を示す図であり、同図(a)は電動つり具と救援用フックの正面図、同図(b)は電動つり具と救援用フックの側面図である。また、図10は、ハンガー本体を掴んだ救援用フックが、救援用フックガイド機構により救援用フックの吊り中心に移動した状態を示す図である。救援用フック2を図9に示すようにさらに矢印E方向に巻き上げると、プーリケースハンガー26は、リンク機構26bによりハンガー本体26aの中心Y1から電動つり具21の中心Y4に移動する。このとき、救援用フック2が、電動つり具21、すなわち電動つり具本体24とシーブ機構25の荷重を受け、図10に示すように、救援用フックガイド機構6が回転し、この救援用フック2が救援用フック2の吊中心Y3に移動する。つまり、ガイドローラ6bに当接する救援用チェーンC3は、電動つり具21と救援用フック2の荷重を受けることとなり、ガイドローラ6bを救援用フック2の吊中心Y3側に向かって押す力が作用する。この力は救援用フックガイド機構6の弾性部材6cの弾性力よりも大きいため、救援用フックガイド機構6は二点鎖線で示す位置から救援用チェーンC3が救援用フック2の吊中心Y3となる位置まで回転する。なお、ハンガー本体26aを掴んだ救援用フック2を矢印E方向に巻き上げることにより、インセルクレーン用ワイヤロープC1、C2は、図9(b)に示すように、シーブ機構25から垂れ下がって上昇する。
【0038】
次に、電動つり具21を救援用フック2によりMSM近傍まで巻き上げる工程について説明する。図11は、ハンガー本体を掴んだ救援用フックをMSM近傍まで巻き上げた状態を示す図である。救援用フック2がハンガー本体26aを掴んだ状態からさらに巻き上げると(図9の矢印E方向)、図11に示すように救援用フック2により電動つり具21がMSM106の近傍まで巻き上げられる。
【0039】
次に、フック側シーブハンガー4とシーブ側シーブハンガーである吊耳25dとを接続部材を介して接続する工程について説明する。図12は、フック側シーブハンガーとシーブ側シーブハンガーとを接続部材を介して接続した状態を示す図であり、同図(a)は接続部材を取り付けた状態、同図(b)は接続ピンを抜いて電動つり具本体とシーブ機構を分離した状態を示す図である。図示しないフック側シーブハンガーロック機構によりMSM106の近傍まで巻き下げられたフック側シーブハンガー4の吊耳4bと、救援用フック2によりMSM106の近傍まで巻き上げられたシーブ機構25のシーブ側シーブハンガーである吊耳25dとを、MSM106を作業員が遠隔操作することで接続部材であるワイヤC5により接続する。なお、接続部材はワイヤC5に限られるものではなく、チェーンなどであっても良い。
【0040】
次に、電動つり具本体24とシーブ機構25を分離する工程について説明する。上記のように、フック側シーブハンガー4とシーブ側シーブハンガーである吊耳25dとがワイヤC5を介して接続された後、接続ピン27をMSM106で引き抜くことで電動つり具本体24とシーブ機構25とを分離する。これにより、同図(b)に示すように、シーブ機構25はワイヤC5を介してフック側シーブハンガー4により宙吊りの状態となる。
【0041】
次に、救援用フック2により、電動つり具本体24に吊下げられている吊荷Wをセル100の底部104に巻き下ろす工程および吊荷Wをセル100の底部、すなわちプロセスセル102の底部104に載置する工程について説明する。図13は、吊荷をプロセスセルの底部に巻き下ろした状態を示す図である。図12(b)に示すように、電動つり具本体24とシーブ機構25とを分離した状態から、救援用フック2を矢印F方向に巻き下げる。このとき、シーブ機構25は、フック側シーブハンガー4に接続されているので、電動つり具本体フック24とともに巻き下がることがなく、シーブ機構25の落下を防止することができる。図13に示すように、吊荷Wをプロセスセル102の底部104の載置台105まで、救援用フックにより巻き下げた後、プーリケース24b内のモータに電源を供給することで、吊荷Wをチャック24aから解放し、載置台105上に載置する。
【0042】
次に、救援用フック2により、電動つり具本体24をMSM106近傍まで巻き上げる工程と、MSM106により、インセルクレーン用ワイヤロープC1,C2を処理する工程について説明する。図14は、吊荷を載置台に載置した電動つり具本体を救援用フックによりMSM近傍まで巻き上げた状態を示す図である。同図に示すように、吊荷Wを載置台105上に載置した後、電動つり具本体24を救援用フック2によりMSM106の近傍まで巻き上げる。ここで、シーブ機構25から垂れ下がったインセルクレーン用ワイヤロープC1、C2をMSM106により束ねるなどの処理を行う。これは、救援用フック2を救援装置1まで巻き上げた際に、垂れ下がったインセルクレーン用ワイヤロープC1、C2により、インセルクレーン20が保守セル103のクレーン収納室109内に移動できなくなることを防止するためである。
【0043】
次に、セル100内に設けられたクレーン収納室109内にインセルクレーン20を格納する工程について説明する。図15は、インセルクレーンがクレーン収納室に格納された状態を示す図である。図14に示すように、インセルクレーン用ワイヤロープC1,C2の処理が終了した後、救援用フック2により電動つり具本体24をさらに巻き上げ、電動つり具本体24をクレーン収納室109の高さまで巻き上げる。電動つり具本体24が巻き上げられたインセルクレーン20は、走行台車22により、走行レール107上をクレーン収納室109まで移動する。このとき、インセルクレーン20がクレーン収納室109内に移動した後、遮蔽扉108を閉じることで、図15に示すように、インセルクレーン20をクレーン収納室に格納する。格納されたインセルクレーン20は、放射性物質である吊荷Wがないので、作業員が近づくことができる。これにより、故障したインセルクレーン20の修理を作業員が安全な環境下で行うことができる。
【0044】
以上により、インセルクレーン20の故障原因を問わず、宙吊りとなった電動つり具本体24と吊荷Wをこの宙吊りとなった位置よりもさらに下方に救援用フック2により巻き下げることができるので、遠隔操作により、ハンガー本体26aが設けられた電動つり具本体24に掴まれた吊荷Wをプロセスセル102の底部104に載置することができ、インセルクレーン20のみをクレーン収納室109に移動することができ、インセルクレーン20の修理を行うことができる。
【0045】
なお、本実施形態では、電動つり具本体24が吊荷Wを掴んでいる状態で、故障したインセルクレーンを救援する救援装置1および救援方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電動つり具本体24が吊荷Wを掴んでいない状態においても、上記救援装置1および救援方法を用いることができる。
【0046】
また、上記本実施形態では、救援用フック2の吊中心Y3、ハンガー本体26aの中心Y1、電動つり具21の吊中心Y2がそれぞれ異なる位置にある場合に、救援装置1によりインセルクレーン20を救援する方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、救援用フック2の吊中心Y3、ハンガー本体26aの中心Y1、電動つり具21の吊中心Y2が同一線上にあっても良い。この場合は、インセルクレーン20の通常運転時において、このインセルクレーンの電動つり具21やインセルクレーン用ワイヤロープC1,C2に救援装置1の救援用フック2が干渉しないように救援用フック格納ケース8に格納する。また、救援用チェーンC3も、救援用チェーンガイド機構により、電動つり具21やインセルクレーン用ワイヤロープC1,C2にと干渉しないようにする。
【0047】
インセルクレーン20が故障した際には、チェーンブロック3の駆動スプロケット3aを回転させることにより、救援用フック2をセル100内に送り出す。このとき、救援用チェーンガイド機構から救援用チェーンC3が外れ、救援用フック2は、その救援用フック2の吊中心Y3に移動するが、この救援用フック2の吊中心Y3は、ハンガー本体26aの中心Y1および電動つり具21の吊中心Y2と同一線上にあるので、上述のように、救援用フック2のフック本体2aが自動でハンガー本体26aを掴むことができる。また、ハンガー本体26aを掴んだ救援用フック2を巻き上げる際には、上記のように救援用フック2の吊中心Y3、ハンガー本体26aの中心Y1、電動つり具21の吊中心Y2と同一線上にあるので、電動つり具21および吊荷Wの荷重を受けた救援用フック2は、前後左右に移動する量が少ないため、安定した巻き上げを行うことができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または4に記載の発明によれば、救援装置の救援用フックガイド機構によりハンガー本体の中心近傍にチェーンブロックにより巻き下げられた救援用フックが、自動でハンガー本体を掴むので、遠隔操作により、ハンガー本体が設けられた電動つり具と吊荷を巻き上げることができる。これにより、インセルクレーンをクレーン収納室に移動することができ、インセルクレーンの修理を行うことができる。
【0049】
また、請求項2に記載の発明によれば、救援用フックがハンガー本体を介して電動つり具を巻き上げる際に、リンク機構によりハンガー本体の中心が電動つり具の中心まで移動するので、救援用フックでの電動つり具と吊荷を安定した状態で巻き上げることができる。
【0050】
また、請求項3または5に記載の発明によれば、インセルクレーンの電動つり具が電動つり具本体とシーブ機構とに分離可能であるため、電動つり具を電動つり具本体とシーブ機構に分離し、インセルクレーンが故障したことにより宙吊りとなった電動つり具本体と吊荷をこの宙吊りとなった位置よりもさらに下方に救援用フックにより巻き下げることができ、シーブ機構に設けられたシーブ側シーブハンガーとフック側シーブハンガーとを接続部材を介して接続するので、分離されたシーブ機構の落下を防止することができる。これにより、遠隔操作により、ハンガー本体が設けられた電動つり具に掴まれた吊荷をプロセスセルの底部に載置することができ、インセルクレーンのみをクレーン収納室に移動することができ、インセルクレーンの修理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるインセルクレーンの救援装置が用いられるセルの概略構成例を示す図である。
【図2】図2は、インセルクレーンの電動つり具の詳細構成図であり、同図(a)は電動つり具の正面図、同図(b)は電動つり具の側面図である。
【図3】本発明にかかる救援装置の詳細構成図であり、同図(a)は救援装置の正面図、同図(b)は救援装置の側面図である。
【図4】インセルクレーンが故障し、電動つり具および吊荷がプロセスセル内で宙吊りとなった状態を示すものである。
【図5】救援用フック格納ケース内から救援用フックを巻き下げる動作説明図であり、同図(a)は救援用フックが救援用フック格納ケース内にある状態、同図(b)はガイド機構を介して救援用フックが巻き下げられる状態を示す図である。
【図6】宙吊りとなった電動つり具および吊荷の近傍に救援装置の救援用フックが巻き下げられた状態を示す図である。
【図7】宙吊りとなった電動つり具および吊荷の近傍に救援装置の救援用フックが巻き下げられた状態の詳細図であり、同図(a)は電動つり具と救援用フックの正面図、同図(b)は電動つり具と救援用フックの側面図である。
【図8】救援用フックのフック本体が電動つり具のハンガー本体を掴んだ状態を示す図であり、同図(a)は電動つり具と救援用フックの正面図、同図(b)は電動つり具と救援用フックの側面図である。
【図9】救援用フックに掴まれたハンガー本体が電動つり具の中心に移動した状態を示す図であり、同図(a)は電動つり具と救援用フックの正面図、同図(b)は電動つり具と救援用フックの側面図である。
【図10】ハンガー本体を掴んだ救援用フックが、救援用フックガイド機構により救援用フックの吊り中心に移動した状態を示す図である。
【図11】ハンガー本体を掴んだ救援用フックをMSM近傍まで巻き上げた状態を示す図である。
【図12】フック側シーブハンガーとシーブ側シーブハンガーとを接続部材を介して接続した状態を示す図であり、同図(a)は接続部材を取り付けた状態、同図(b)は接続ピンを抜いて電動つり具本体とシーブ機構を分離した状態を示す図である。
【図13】吊荷をプロセスセルの底部に巻き下ろした状態を示す図である。
【図14】吊荷を載置台に載置した電動つり具本体を救援用フックによりMSM近傍まで巻き上げた状態を示す図である。
【図15】インセルクレーンがクレーン収納室に格納された状態を示す図である。
【符号の説明】
1 救援装置
2 救援用フック
2a フック本体
2b フックブロック
2c はずれ止め金具
2d スプロケット
3 チェーンブロック
3a 駆動スプロケット
3b 救援用駆動源
3c,3d スプロケット
4 フック側シーブハンガー
4a 開口部
4b 吊耳
4c ワイヤ固定部材
5 フック側シーブハンガーロック機構
5a ワイヤ巻取ドラム
5b プーリ
6 救援用フックガイド機構
6a 脚部
6b ガイドローラ
6c 弾性部材
6d 案内板
7 チェーンバケット
8 救援用フック格納ケース
8a 開口部
20 インセルクレーン
21 電動つり具
22 走行台車
23 巻上ドラム
24 電動つり具本体
24a チャック
24b プーリケース
25 シーブ機構
25a シーブ
25b シーブ軸受台
25c シーブ回転軸
25d 吊耳
26 プーリケースハンガー
26a ハンガー本体
26b リンク機構
27 接続ピン
100 セル
101 インセルハッチ
102 プロセスセル
103 保守セル
104 底部
105 載置台
106 マスタースレーブマニプレータ(MSM)
107 走行レール
108 遮蔽扉
109 クレーン収納室
C1,C2 インセルクレーン用ワイヤロープ
C3 救援用チェーン
C4 ワイヤ
C5 ワイヤ
Y1 ハンガー本体26aの中心
Y2 電動つり具21の吊中心
Y3 救援用フック2の吊中心
Y4 電動つり具21の中心
W 吊荷
Claims (5)
- セル内に設置されたインセルクレーンに設けられた救援装置において、
故障した前記インセルクレーンの電動つり具に設けられたハンガー本体を掴む救援用フックと、
前記救援用フックを巻き上げ、巻き下げるチェーンブロックと、
前記巻き下げられた救援用フックが当該救援用フックの吊中心から前記ハンガー本体の中心近傍に位置するようにガイドする救援用フックガイド機構と、
を備えたことを特徴とするインセルクレーンの救援装置。 - 前記救援用フックが前記ハンガー本体を掴み、当該救援用フックにより電動つり具が巻き上げられる際に、当該ハンガー本体の中心が電動つり具の中心まで移動するリンク機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載のインセルクレーンの救援装置。
- 前記救援用フックの救援用チェーンが挿通するとともに当該救援用フックが巻き下げられる際に連動して所定の長さまで巻き下げられ、
且つ前記電動つり具の電動つり具本体から分離可能なシーブ機構に設けられたシーブ側シーブハンガーと接続部材を介して接続するフック側シーブハンガーを設けたことを特徴とする請求項1また2に記載のインセルクレーンの救援装置。 - セル内で故障したインセルクレーンの救援方法において、
前記インセルクレーンに設けられた救援装置の救援用フックを救援用フックガイド機構により救援用フックの吊中心から宙吊りとなっている前記インセルクレーンの電動つり具に設けられたハンガー本体の中心近傍までチェーンブロックで巻き下げる工程と、
前記救援用フックをさらに巻き下げた後、巻き上げることで、当該救援用フックにより前記ハンガー本体を掴む工程と、
前記電動つり具を救援用フックにより、救援用フックの吊中心でセル内に設けられたマスタースレーブマニプレータ近傍まで巻き上げる工程と、
前記マスタースレーブマニプレータにより、インセルクレーン用ワイヤロープを処理する工程と、
前記セル内に設けられたクレーン収納室内にインセルクレーンを格納する工程と、
を含むことを特徴とするインセルクレーンの救援方法。 - セル内で故障したインセルクレーンの救援方法において、
前記インセルクレーンに設けられた救援装置の救援用フックを救援用フックガイド機構により救援用フックの吊中心から宙吊りとなっている前記インセルクレーンの電動つり具に設けられたハンガー本体の中心近傍までチェーンブロックで巻き下げる工程と、
前記救援用フックをさらに巻き下げた後、巻き上げることで、当該救援用フックにより前記ハンガー本体を掴む工程と、
前記電動つり具を救援用フックにより、救援用フックの吊中心でセル内に設けられたマスタースレーブマニプレータ近傍まで巻き上げる工程と、
前記救援用フックとともに所定の長さまで巻き下げられたフック側シーブハンガーと前記シーブ機構のシーブ側シーブハンガーとを接続部材を介して接続する工程と、
前記電動つり具を構成する電動つり具本体とシーブ機構を分離する工程と、
前記救援用フックにより、前記電動つり具本体に吊下げられている吊荷を前記セルの底部に巻き下ろす工程と、
前記吊荷を前記セルの底部に載置する工程と、
前記電動つり具本体を救援用フックにより、前記マスタースレーブマニプレータ近傍まで巻き上げる工程と、
前記マスタースレーブマニプレータにより、インセルクレーン用ワイヤロープを処理する工程と、
前記セル内に設けられたクレーン収納室内にインセルクレーンを格納する工程と、
を含むことを特徴とするインセルクレーンの救援方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002346257A JP3692350B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | インセルクレーンの救援装置および救援方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002346257A JP3692350B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | インセルクレーンの救援装置および救援方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004175543A JP2004175543A (ja) | 2004-06-24 |
JP3692350B2 true JP3692350B2 (ja) | 2005-09-07 |
Family
ID=32707222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002346257A Expired - Lifetime JP3692350B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | インセルクレーンの救援装置および救援方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3692350B2 (ja) |
-
2002
- 2002-11-28 JP JP2002346257A patent/JP3692350B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004175543A (ja) | 2004-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6675225B2 (ja) | 巻上げ装置 | |
JP5940751B1 (ja) | 脱線防止部材の位置変更装置及び位置変更方法 | |
WO2020035930A1 (ja) | 工事用エレベーターの揚程延長方法およびエレベーター用のロープおろし治具 | |
JP2005138917A (ja) | 搬送機の主ロープ交換方法及びその主ロープ交換装置 | |
KR20130053486A (ko) | 체인 호이스트 승강장치 | |
JP2010143706A (ja) | 吊り具装置 | |
JP3692350B2 (ja) | インセルクレーンの救援装置および救援方法 | |
JP2008222382A (ja) | 据付用昇降装置移動方法 | |
CN106476872B (zh) | 带电梯用控制电缆送出功能的运输台车 | |
JP6825774B2 (ja) | アンローダ及びそのグラブバケットの交換方法 | |
JP3277486B2 (ja) | 昇降機の既設主索巻取り装置 | |
JPH0361276A (ja) | 主ロープ交換補助装置 | |
JP2842780B2 (ja) | 円筒形重量物の吊具 | |
JP6602923B1 (ja) | エレベータの重量物運搬方法およびエレベータ装置 | |
JP2599179B2 (ja) | クレーンの吊り具駆動装置 | |
JPH0818774B2 (ja) | エレベータの主ロープ交換方法 | |
JPH10203751A (ja) | 2:1ローピングエレベータの主索交換方法及びその装置 | |
JPH01181689A (ja) | エレベータ用ロープの取替え方法 | |
CN212832481U (zh) | 一种便于维护检修的船用克令吊 | |
JPH10157969A (ja) | 吊り具 | |
JP2005298121A (ja) | エレベーターの主ロープ交換方法及び主ロープ繰り出し兼巻き取り装置 | |
JP2005008289A (ja) | エレベータの主ロープ交換方法および交換装置 | |
JPH0818773B2 (ja) | エレベータの主ロープ交換方法 | |
JP2909402B2 (ja) | シーブユニット | |
JP2023177370A (ja) | エレベータ巻上機の据付補助装置及び据付方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050519 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050524 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050620 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3692350 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090624 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100624 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100624 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110624 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110624 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120624 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130624 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |