JP5935296B2 - 基準電圧回路 - Google Patents

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本発明は、電源電位が接地電位に対して変動するハイサイド回路中又はローサイド回路中において、安定した基準電圧を確保するための基準電圧回路及び半導体基板に関する。
従来から、スイッチング電源としてハイサイドNMOSのゲートを駆動するための電子回路等では、その高電位側電源電位と低電位側電源電位が接地電位に対して変動する。
図4はこのような一般的なゲート駆動回路を示し、図4(A)はハイサイド回路の場合のゲート駆動回路の説明図、図4(B)はローサイド回路の場合のゲート駆動回路の説明図である。
図4(A)に示すように、ハイサイドのNMOSトランジスタM1は、ハイサイド駆動信号IN1によってオン/オフする。ローサイドのNMOSトランジスタM2はローサイド駆動信号IN2によってオン/オフする。
各トランジスタM1,M2は、交互にオンする。例えば、NMOSトランジスタM1がオフでNMOSトランジスタM2がオンの場合、ハイサイドの低電位側電源電圧VS2は接地電位になる。また、逆にNMOSトランジスタM1がオンで、NMOSトランジスタM2がオフの場合、低電位側電源電圧VS2はNMOSトランジスタM1のドレイン電圧VIとなる。このように、各トランジスタM1,M2のスイッチング動作に応じてハイサイド回路の電源電位が変動する。
また、図4(B)に示すように、PMOSトランジスタM1とPMOSトランジスタM2のスイッチング動作に応じてローサイド回路の電源電位がVI電位に対して変動する。
一般に、電子回路においては、その動作の安定性を確保するために、例えば、電源電圧を監視する低電圧検出回路等を搭載している。
ハイサイド回路では、電源電圧が接地電位に対して変動するため、接地電位で動作するローサイド用の回路の場合とは別に、VS1−VS2間で動作する専用の回路が必要となる。この場合、動作の基準となる基準電圧が必要となるが、一般に基準電圧は接地電位を基準として生成される。
このため、トランジスタのゲート電圧を制御する保護回路(例えば、特許文献1参照)等が考えられる。
図5は、ハイサイド用の基準電圧回路の説明図である。図5に示した基準電圧回路90では、接地電位基準で基準電流Irefを生成し、ハイサイド側に設けた抵抗Rに基準電流Irefを流し、基準電圧Vref=R・Irefを生成している。
また、図5の回路を有する半導体基板の断面構造の例を図6に示す。
P型半導体基板20にNウェル層21を形成し、そのNウェル層内に、低電圧検出回路12、レベルシフト回路13、ロジック回路14、ゲート駆動回路15を形成することができる。なお、基準電圧回路90のうち、抵抗Rは、Nウェル層内に形成することができるが、基準電流Irefは、Nウェル層外に形成することになる。
特開平11−068531号公報
しかしながら、このような回路構成では、基準電流Irefの出力端子と接地電位との間の寄生容量Cpの影響により、VS1,VS2が過渡的に変化してしまうと基準電圧Vrefも変動してしまうため、ハイサイド回路の誤動作を招くという問題が生じていた。
本発明は、上述のかかる事情に鑑みてなされたものであり、電源電位が接地電位に対して変動するハイサイド回路又はローサイド回路において、電源電位の変動の影響を回避し、安定した基準電圧を出力することができる基準電圧回路及び半導体基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の基準電圧回路は、P型半導体基板上のNウェル内に形成したハイサイド回路中において、前記Nウェルをコレクタとし、前記Nウェル中に形成したP領域をベースとし、前記ベースの上層に形成したN領域をエミッタとし、前記ハイサイド回路を構成する基板を、前記コレクタとしての前記Nウェルとで共通化したNPNトランジスタを用いて構成したことを特徴とする。
このような構成によれば、電源電位が接地電位に対して変動するハイサイド回路又はローサイド回路において、電源電位の変動の影響を回避し、安定した基準電圧を出力するP型半導体基板の基準電圧回路とすることができる。
また、本発明の基準電圧回路は、N型半導体基板上のPウェル内に形成したローサイド回路中において、前記Pウェルをコレクタとし、前記Pウェル中に形成したN領域をベースとし、前記ベースの上層に形成したP領域をエミッタとし、前記ローサイド回路を構成する基板を、前記コレクタとしての前記Pウェルとで共通化したPNPトランジスタを用いて構成したことを特徴とする。
このような構成によれば、電源電位が接地電位に対して変動するハイサイド回路又はローサイド回路において、電源電位の変動の影響を回避し、安定した基準電圧を出力するN型半導体基板の基準電圧回路とすることができる
さらに、本発明の半導体基板は、P型の半導体基板上に形成されたコレクタとしてのNウェル層と、該Nウェル層内に形成されたベースとしてのP領域層と、該P領域層の上層に形成されたエミッタとしてのN領域層と、を備え、ハイサイド回路を構成する基板を前記コレクタとしての前記Nウェル層で共通化したNPNトランジスタを備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、電源電位が接地電位に対して変動するハイサイド回路又はローサイド回路において、電源電位の変動の影響を回避し、安定した基準電圧を出力するP型の半導体基板とすることができる。
さらに、本発明の半導体基板は、N型の半導体基板上に形成されたコレクタとしてのPウェル層と、該Pウェル層内に形成されたベースとしてのN領域層と、該N領域層の上層に形成されたエミッタとしてのP領域層と、を備え、ローサイド回路を構成する基板を前記コレクタとしての前記Pウェル層で共通化したPNPトランジスタを備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、電源電位が接地電位に対して変動するハイサイド回路又はローサイド回路において、電源電位の変動の影響を回避し、安定した基準電圧を出力するN型の半導体基板とすることができる。
本発明の基準電圧回路及び半導体基板は、電源電位が接地電位に対して変動するハイサイド回路又はローサイド回路において、電源電位の変動の影響を回避し、安定した基準電圧を出力することができる。
本発明の一実施形態に係る基準電圧回路の説明図である。 本発明の一実施形態に係る半導体基板の要部の断面図である。 図1のハイサイド回路を有する半導体基板の断面図である。 従来のゲート駆動回路を示し、(A)はハイサイド回路の場合のゲート駆動回路の説明図、(B)はローサイド回路の場合のゲート駆動回路の説明図である。 従来のハイサイド用の基準電圧回路の説明図である。 図5のハイサイド回路を有する半導体基板の断面図である。
次に、本発明の一実施形態に係る基準電圧回路及び半導体基板について、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施例は本発明の基準電圧回路及び半導体基板における好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
図1は本発明の一実施形態に係る基準電圧回路の説明図、図2は本発明の一実施形態に係る半導体基板の要部の断面図である。
図1は、基準電圧Vrefを低電圧検出回路に使用する場合を例として示している。具体的には、基準電圧回路11、低電圧検出回路12、レベルシフト回路13、ロジック回路14、ゲート駆動回路15が高電位側電源電圧VS1及び低電位側電源電圧VS2との間に並列に配置されている。
基準電圧回路11は、高電位側電源電圧VS1にベース及びコレクタが接続されたNPNトランジスタQ1,Q2,Q3が並列に接続されている。また、NPNトランジスタQ1のエミッタは電流源回路I1に接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタは抵抗R1及び電流源回路I2に直列接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタは抵抗R2及び電流源回路I3に直列接続されている。さらに、オペアンプOP1の2つの入力端は、NPNトランジスタQ1と電流源回路I1との間と、抵抗R1と電流源回路I2との間にそれぞれ接続されている。
低電圧検出回路12は、高電位側電源電圧VS1と低電位側電源電圧VS2との間に直列に接続された抵抗R3,R4と、抵抗R3,R4の間及び抵抗R2と電流源回路I3との間にそれぞれ接続される二つの入力端子を有するコンパレータ(比較器)COMP1を備えている。また、このコンパレータCOMP1の出力はロジック回路14に出力される。
ロジック回路14には、レベルシフト回路13からの出力が入力され、コンパレータCOMP1からの出力とで論理制御された出力によりゲート駆動回路15がNMOSトランジスタM1のゲート電圧を制御する。
図2は、P型半導体基板20にNウェル層21を形成し、そのNウェル層21内にハイサイド回路素子22を形成する場合を示している。本発明では、バンドギャップ基準電圧回路を構成するバイポーラトランジスタにNPNトランジスタQ1、Q2、Q3を使用し、このトランジスタのコレクタ(図2中の端子C)をハイサイド回路素子22の基板であるNウェル層21とする。
さらに、Nウェル層21中に、Pベース(図2中の端子B)23を形成し、そのPベース23の上層にNエミッタ(図2中の端子E)24を形成する。ここで、ベースとコレクタとは図1に示すように短絡して高電位側電源電圧VS1に接続している。
図2中のハイサイド回路素子22のNPNトランジスタは、図1中のQ1、Q2、Q3に対応する。NPNトランジスタQ1、Q2、Q3により、図1に示すように高電位側電源電圧VS1を基準として動作するバンドギャップ基準電圧回路を構成できる。NPNトランジスタQ1、Q2、Q3のコレクタとハイサイド回路素子22のNウェル層21とが共通となるが、Nウェル層21を最も高電位で低インピーダンスの高電位側電源電圧VS1に接続するため、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3に電流が流れてもNウェル層21を介して生じる他の素子への影響を回避することができる。
また、図2中のハイサイド回路素子22のPチャネルMOSFET25及びNチャネルMOSFET26は、図1中の基準電圧回路11内の電流源回路I1,I2,I3やオペアンプOP1、低電圧検出回路12、レベルシフト回路13、ロジック回路14、ゲート駆動回路15の構成に使用する。
また、図2中のローサイド回路素子27のPチャネルMOSFET28及びNチャネルMOSFET29は、図4中のローサイドのゲート駆動回路15aの構成に使用する。さらに、図2中のローサイド回路素子27のPチャネルMOSFET28及びNチャネルMOSFET29で、レベルシフト回路やローサイド用ゲート駆動回路に信号を入力するための前段回路を構成しても良い。
このように、ハイサイド回路の基板でありかつ、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3のコレクタであるNウェル層21は、最も高電位である高電位側電源電圧VS1に接続されるので、スイッチ素子のスイッチ動作に伴って高電位側電源電圧VS1が変動しても、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3のバイアス電位も高電位側電源電圧VS1と共に変動するため、接地電位に対する影響を回避することができる。
図1のハイサイド回路を有する半導体基板の断面構造の例を図3に示す。
P型半導体基板にNウェル層を形成し、そのNウェル層内に、基準電圧回路11、低電圧検出回路12、レベルシフト回路13、ロジック回路14、ゲート駆動回路15をすべて形成することができる。したがって、図6に示す従来の半導体基板に比べて電源電位の変動の影響を回避し、安定した基準電圧を出力することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、P型半導体基板にNウェルを形成し、そのNウェル内にハイサイド回路を形成する場合について説明したが、N型半導体基板にPウェルを形成し、そのPウェル内にローサイド回路を形成する場合においても、上述した説明のPMOSをNMOSに、NMOSをPMOSに、PNPをNPNに、P基板をN基板に、PウェルをNウェルに、それぞれ入れ替えることで同様の効果を奏することができる。
以上説明したように、本発明によれば、電源電位が接地電位に対して変動するハイサイド回路またはローサイド回路において、電源電位の変動の影響を回避し、安定した基準電圧を出力することが可能となる。
11…基準電圧回路
12…低電圧検出回路
13,13a…レベルシフト回路
14…ロジック回路
15,15a…ゲート駆動回路
20…P型半導体基板
21…Nウェル層(コレクタ)
22…ハイサイド回路素子
23…Pベース(P領域)
24…Nエミッタ(N領域)
27…ローサイド回路素子
90…従来の基準電圧回路

Claims (2)

  1. P型半導体基板上のNウェル内に形成したハイサイド回路中において、前記Nウェルをコレクタとし、前記Nウェル中に形成したP領域をベースとし、前記ベースの上層に形成したN領域をエミッタとし、前記ハイサイド回路を構成する基板を、前記コレクタとしての前記Nウェルとで共通化したNPNトランジスタを用いて構成したことを特徴とする基準電圧回路。
  2. N型半導体基板上のPウェル内に形成したローサイド回路中において、前記Pウェルをコレクタとし、前記Pウェル中に形成したN領域をベースとし、前記ベースの上層に形成したP領域をエミッタとし、前記ローサイド回路を構成する基板を、前記コレクタとしての前記Pウェルとで共通化したPNPトランジスタを用いて構成したことを特徴とする基準電圧回路。
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