以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、本実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に保持される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,精算表示装置59が設けられている。
なお、図1の49は、前枠52及び前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠49に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
また、図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって左横には、普図ゲート22が設置されている。普図ゲート22を遊技球が通過すると、普通図柄(普図とも記載)の当否判定に用いられる複数種類の乱数が抽出され、該乱数に基づく当否判定(普図抽選)が行われる。
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1始動口11及び第2始動口12が、上下に並んで配設されている。本パチンコ機50は、第1始動口11への入球により変動する第1特別図柄(第1特図)と、第2始動口12への入球により変動する第2特別図柄(第2特図)との2種類の特別図柄を備える。第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普図抽選での当選により開放される普通電動役物(普通電役とも記載)として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。
第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶として記憶されると共に、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。
普通電動役物として構成された第2始動口12は、普図抽選での当選時に、後述する開放パターンに従い開放される。
また、センターケース5の下方であって、第1,第2始動口11,12に向かって右側には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる第1,第2大入賞口20,21が配置されている。なお、第2大入賞口21は、第1大入賞口20の上側に配置されている。
また、第1,第2始動口11,12の下側には、大当り遊技中に第1大入賞口20に入球した遊技球が誘導され、大当り遊技終了後に確変状態(大当り抽選で当る確率が上昇した状態)となることを決定するための確変決定装置13が配置されている。
確変決定装置13は、第1大入賞口20に入球した遊技球が排出される排出口と、確変状態への移行を決定するための確変突入口15と、確変突入口15を閉鎖或いは開放する振分羽根を備える。
大当り遊技中に第1大入賞口20に入球した遊技球は、遊技盤の背部に配された経路を流下して確変決定装置13に誘導され、排出口から排出される。確変突入口15が開放されているときに排出口から遊技球が排出されると、該遊技球は確変突入口15に入球し、大当り遊技終了後に、遊技状態が確変状態及び開放延長状態(詳細は後述する)となることが決定される。一方、確変突入口15が閉鎖されているときに排出口から遊技球が排出されると、該遊技球は振分羽根によりはずれ口に誘導される。
また、遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置23及び第2特図保留数表示装置24と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。
また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
また、遊技領域3における向かって左側のセンターケース5の下方には、3つの一般入賞口25が横方向に並んで配されている。また、第1,第2大入賞口20,21の右側には、1つの一般入賞口25が配されている。
また、遊技領域3の中央部にセンターケース5が設けられているため、遊技領域3には、センターケース5の左側を通ってアウト口に向かう遊技球の流下経路(左側流下経路)と、センターケース5の右側を通ってアウト口に向かう遊技球の流下経路(右側流下経路)の2つが形成される。
そして、普図ゲート22,第1,第2始動口11,12には、左側流下経路を流下する遊技球が主に入球する。また、第1,第2大入賞口20,21は、右側流下経路を流下する遊技球が主に入球する。
また、図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(図3に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71、タンクレール72、払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、本実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83,発射制御装置,電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、図3では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83のいずれもCPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84、電源基板にはCPU,ROM,RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU,ROM,RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普図ゲート22に進入した遊技球を検出する普図ゲートSW22a、一般入賞口25に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW25a等からの検出信号が入力される。
また、このほかにも、第1大入賞口20に入球した遊技球を計数するための第1カウントSW20a、第2大入賞口21に入球した遊技球を計数するための第2カウントSW21a等からの検出信号が入力される。さらに、確変決定装置13に設けられた確変突入口15に入球した遊技球を検出する確変突入口SW15a等からの検出信号が入力される。
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特図表示装置9,第2特図表示装置10,第1特図保留数表示装置23,第2特図保留数表示装置24,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
さらに、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド(第1大入賞口SOL)20bを制御することで第1大入賞口20の開閉を制御すると共に、第2大入賞口ソレノイド(第2大入賞口SOL)21bを制御することで第2大入賞口21の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
また、振分羽根ソレノイド(図示無し)を制御することで、振分羽根を制御し、確変決定装置13に設けられた確変突入口15の開閉状態を切り替える。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ30を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW31の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW31の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81は、ガラス枠閉鎖SW45,内枠閉鎖SW46,球切れSW33,払出SW31,満杯SW32からの信号が入力され、満杯SW32により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW33により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ30を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW32,球切れSW33も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ30の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板34を介してCRユニット56と交信することで払出モータ30を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW31に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板34は、精算表示装置59とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置59には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は、発射モータ40を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW38からのタッチ信号、発射停止SW39から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW39を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ28を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67,ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67,ジョグダイヤル68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄の変動表示(図柄演出)等の演出画面を表示させる。
[動作の説明]
(1)概要について
次に、本実施形態のパチンコ機50の動作について説明する。
パチンコ機50では、第1,第2始動口11,12への入球に起因して特別図柄の当否判定が行われ、当否判定で大当りになると、第1,第2大入賞口20,21を開放し、多くの賞球が獲得可能となる大当り遊技が行われる。
また、上述したように、パチンコ機50では、普図ゲート22の通過に起因して普図抽選が行われ、普図抽選で当りになると、第2始動口12(普通電動役物)を開放する普図遊技が行われる。
そして、普図抽選が行われると、普通図柄表示装置7にて普通図柄の変動表示が行われた後、確定表示時間にわたり普図抽選の結果に応じた確定図柄が停止表示される。また、普図抽選で当選した場合には、遊技状態に応じた開放パターンで第2始動口12(普通電動役物)を開放する普図遊技が開始される。
なお、確定表示時間は任意に定めることができるが、例えば、0.3〜0.6秒程度とするのが妥当と考えられ、本実施形態では、一例として0.5秒とする。
ここで、パチンコ機50は、大当り遊技中における確変突入口15への入球等に起因して、普図遊技中の第2始動口12の開放時間が長くなる開放延長状態に移行する。
開放延長状態である場合には、普図抽選での当選確率が上昇すると共に、普通図柄の変動時間が短縮される。また、普図抽選で当選すると、確定表示時間にわたる当り図柄(確定図柄)の停止表示がなされた時点で普図遊技が開始され、普図遊技では、第2始動口12が一例として3.6秒間にわたり開放される(図5(a)参照)。なお、このような第2始動口12の開放パターンを、長時間開放と記載する。
一方、開放延長状態でない場合には、普図抽選で当選すると、当り図柄の停止表示開始から所定の待ち時間(確定表示時間よりも短い時間、一例として0.1秒)が経過した時点で普図遊技が開始され、普図遊技では、第2始動口12が一例として0.1秒間にわたり開放される(図5(b)参照)。なお、このような第2始動口12の開放パターンを、短時間開放と記載する。
無論、短時間開放における第2始動口12の開放時間は、0.1秒に限定されることは無く、任意に定めることができるが、0.07〜2.5秒程度とすることが好適であると考えられる。
また、3.0秒間よりも長い開放時間、又は、3.0秒間未満の開放時間にわたり第2始動口12が開放される開放パターンを長時間開放とすると共に、該開放時間よりも短い時間にわたり第2始動口12が開放される開放パターンを短時間開放としても良い。
また、長時間開放の際には、高い頻度で入球可能となる程度の期間(換言すれば、入球が容易となる程度の期間)にわたり第2始動口12が開放されても良い。一方、短時間開放の際には、普通図柄の変動表示中から継続的に遊技球が発射されていた場合に辛うじて入球が可能となる程度の期間(換言すれば、入球が困難となる程度の期間)にわたり第2始動口12が開放されても良い。
また、所定の期間内に第2始動口12を開閉し、該期間の第2始動口12の総開放時間が所定時間以上になるようにする(高い頻度で第2始動口12に入球可能とする)開放パターンを長時間開放とすると共に、該所定時間未満の時間にわたり第2始動口12を開放し、第2始動口12への入球を困難とする開放パターンを短時間開放としても良い。
また、大当り抽選が行われた場合には、第1,第2特図表示装置9,10では、特別図柄の変動表示が行われた後、確定表示時間にわたり大当り抽選の結果に応じた確定図柄が停止表示される。そして、当りの場合には、確定図柄(当り図柄)の停止表示が完了した後のいずれかの時点から、大当り遊技が開始され、各ラウンドにつき最大で28秒程度にわたり第1,第2大入賞口20,21が開放される(図5(c)参照)。
なお、普通図柄の変動表示における確定表示時間と、特別図柄の変動表示における確定表示時間は、同一の時間であっても良いし、異なった時間であっても良い。
電動役物の短時間開放の時間T1は、発射位置から発射された遊技球が当該電動役物に至るまでの最短時間T2よりも短い時間とするのが好適であり、この場合、確定表示時間が経過するまで開放を待つ必要がない。待ってから遊技球を発射しても入賞させる時間が少なく、待ってから遊技球の到達位置を変更するハンドル操作をしても間に合わないからである。従って、時間T1は、最短時間T2を考慮して定めれば良い。
一方、電動役物の長時間開放の時間T3は、最短時間T2よりも長く、遊技球を複数個以上入賞させることが可能な時間であり、最短時間T2及び入賞させたい遊技球の最大の個数を考慮して定めれば良い。1回の開放で最大10個の遊技球を入賞させるための特別電動役物、役物の中に大当たり発生口や確変口等の特定領域を有する電動役物、等の開放時間が相当する。
確定表示時間は、変動していた図柄の停止が確定したことを遊技者が認識できる時間であれば良く、長く停止していることを妨げるものではない。
以下では、本実施形態のパチンコ機50の動作について説明する。
(2)メインルーチンについて
次に、パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンについて、図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S80に処理を移行する。
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数や普図当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50)、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、大当り抽選で当選した際に、遊技者に所定の遊技価値を付与する大当り遊技を行うための大当り遊技処理(S60)を行う。また、遊技球の普図ゲート22の通過に起因して普図抽選等を行う普図当否判定処理と(S65)、普通電動役物(第2始動口12)を開放することで普図遊技を行う普図遊技処理と(S67)、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S70)、サブ統合制御装置83等にデータ及びコマンドを送信し、また、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S75)を行う。
また、S80では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
(3)始動入賞確認処理について
次に、第1,第2始動口11,12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶等を行う始動入賞確認処理について、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。
S100では、主制御装置80は、第1始動口SW11aの検出信号と、第2始動口SW12aの検出信号とに基づき、第1始動口11或いは第2始動口12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、本処理を終了する。
S105では、主制御装置80は、入賞が生じた始動口に対応する特図についての保留記憶の数が、最大値(一例として4)未満か否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S105:Yes)、S110に処理を移行し、否定判定の場合は(S105:No)、本処理を終了する。
S110では、主制御装置80は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、図柄演出でリーチとなるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を、入賞が生じた始動口に対応する特図についての保留記憶として記憶し、S115に処理を移行する。
S115では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数が特定値(大当り抽選で当りとなる値)であるか否かと、該保留記憶に係るリーチ判定用乱数等が特定値(図柄演出でリーチとなる値)であるか否かを判定する先読み判定を行う。そして、先読み判定の結果と、先読み判定が行われた保留記憶に対応する特図の種類(第1特図であるか第2特図であるか)を示す先読みコマンドを生成し、サブ統合制御装置83に送信する(S120)。
なお、先読みコマンドを受信したサブ統合制御装置83は、該先読みコマンドに対応する保留記憶が消化されるまで、該先読みコマンドが示す先読み判定結果を保存する。
続くS125では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に対応する特図について、何個の保留記憶が生じているかを示す保留数コマンドを生成し、サブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
なお、各特図に対応する保留記憶の数と、該保留記憶についての先読み判定の結果とを示す一つのコマンドを生成し、該コマンドを、先読みコマンドや保留数コマンドに替えて用いても良い。
(4)普図ゲート通過確認処理について
次に、遊技球の普図ゲート22の通過を検出し、該通過に応じて普図抽選のための保留記憶等を行う普図ゲート通過確認処理について、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。
S150では、主制御装置80は、普図ゲートSW22aの検出信号に基づき、遊技球が普図ゲート22を通過したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S155に処理を移行し、否定判定の場合は(S150:No)、本処理を終了する。
S155では、主制御装置80は、普図抽選についての保留記憶の数が、最大値(一例として4)未満か否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S155:Yes)、S160に処理を移行し、否定判定の場合は(S155:No)、本処理を終了する。
S160では、主制御装置80は、普図抽選に用いられる普図当り決定用乱数等を抽出して保留記憶として記憶し、S165に処理を移行する。
S165では、主制御装置80は、普図抽選に対応する保留記憶数等を示すコマンドをサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
(5)当否判定処理について
次に、保留記憶に係る大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、図9〜12のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。
まず、図9に関して、S200では、主制御装置80は、特別電動役物の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に処理を移行する。
S205では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、図11のS285に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S210に処理を移行する。
S210では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の確定図柄の停止表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S210:Yes)、図12のS295に処理を移行し、否定判定の場合には(S210:No)、図10のS215に処理を移行する。
続いて図10に関して、S215では、主制御装置80は、第2保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S215:No)、S225に処理を移行する。
S220では、主制御装置80は、第2保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第2保留記憶を選択し、S235に処理を移行する。
S225では、主制御装置80は、第1保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S225:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S225:No)、本処理を終了する。
S230では、主制御装置80は、第1保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第1保留記憶を選択し、S235に処理を移行する。
S235では、主制御装置80は、確変状態であることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S235:Yes)、S240に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S235:No)、S245に処理を移行する。
S240では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態に対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S250に処理を移行する。
一方、S245では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態でない場合に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S250に処理を移行する。
S250では、主制御装置80は、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S250:Yes)、S255に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S250:No)、S270に処理を移行する。
S255では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき当り図柄を決定する。そして、S260に処理を移行する。
S260では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S265に処理を移行する。
S265では、主制御装置80は、当り図柄に応じて、大当り遊技のラウンド数や、大当り遊技後に確変状態や開放延長状態となるか否かを設定し、S280に処理を移行する。
一方、S250で否定判定が得られた場合に移行する(すなわち、大当り抽選で外れた際に移行する)S270では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S275に処理を移行する。なお、この特別図柄の変動時間に応じて、大当り抽選で外れる場合の図柄演出の態様(リーチとなるかノーマル外れ(リーチとなることなく外れる図柄演出)となるか)が決定される。
S275では、主制御装置80は、確変状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)や、開放延長状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(開放延長回数)を示すカウンタの更新等を行い、S280に処理を移行する。
S280では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り抽選後の第1保留記憶及び第2保留記憶の数を示す保留数コマンドを送信する。
また、主制御装置80は、対応する特図表示装置にて消化した保留記憶に対応する特図の変動表示を開始すると共に、サブ統合制御装置83に対し特別図柄の変動時間等を示す(換言すれば、演出図柄の変動時間を示す)変動開始コマンドを送信することで図柄演出を開始させる。さらに、サブ統合制御装置83に対し、停止表示させる演出図柄を指定する(大当りになる場合であれば、S255で決定された当り図柄に対応する演出図柄が指定される)図柄指定コマンドを送信し、本処理を終了する。
なお、図柄指定コマンドは、換言すれば、大当り抽選の結果を示すと共に、大当りとなった場合には、大当りの種類(確変状態や開放延長状態への移行を伴うかや、何ラウンドの大当り遊技が行われるか)を示すコマンドであることを付言しておく。
続いて図11に関して、第1特図或いは第2特図の変動表示中に移行するS285では、主制御装置80は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S285:Yes)、S290に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S285:No)、本処理を終了する。
S290では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、少なくとも確定表示時間にわたる特図の確定図柄の停止表示を開始すると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の停止表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
続いて図12に関して、特図の確定図柄の停止表示中に移行するS295では、主制御装置80は、確定表示時間にわたり確定図柄の停止表示が行われたか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S295:Yes)、S300に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S295:No)、本処理を終了する。
S300では、主制御装置80は、特図の確定図柄の停止表示を終了し、第1,第2特図表示装置9,10に表示された確定図柄を消去してS305に処理を移行する。なお、保留記憶が存在しない場合等には、新たに保留記憶が発生して次の大当り抽選が行われるまで、確定図柄の停止表示を継続しても良い。
S305では、主制御装置80は、停止表示されていた特図が大当り時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には(S305:Yes)、S315に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S305:No)、S350に処理を移行する。
S315では、主制御装置80は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグが1である場合には確変フラグをクリアし(S320)、その後、S325に処理を移行する。
S325では、主制御装置80は、遊技状態が開放延長状態であることを示す開放延長フラグを参照すると共に、開放延長フラグが1である場合には開放延長フラグをクリアし(S330)、その後、S335に処理を移行する。
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S335),役物連続作動装置作動開始処理(S340),大当り開始演出処理(S345)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、本処理を終了する。
一方、S305にて否定判定が得られた場合に移行するS350では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S350:Yes)、確変状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S355)。そして、該残り回数が0である場合には(S355:Yes)、確変フラグをクリアし(S360)、S365に処理を移行する。
S365では、主制御装置80は、開放延長フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S365:Yes)、開放延長状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(開放延長回数)を参照する(S370)。そして、該残り回数が0である場合には(S370:Yes)、開放延長フラグをクリアし(S375)、S380に処理を移行する。
S380では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、現在の遊技状態を通知する状態指定コマンドを送信する状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
(6)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技のラウンドに応じて第1,第2大入賞口20,21のうちの一方を開放し、大当り遊技の進行を制御する大当り遊技処理について、図13〜15のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。
S400では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S400:Yes)、S405に処理を移行し、否定判定の場合には(S400:No)、本処理を終了する。
S405では、主制御装置80は、第1,第2大入賞口20,21の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S405:Yes)、図14のS450に処理を移行
すると共に、否定判定の場合には(S405:No)、S410に処理を移行する。
S410では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S410:Yes)、図14のS470に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S410:No)、S415に処理を移行する。
S415では、主制御装置80は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S415:Yes)、図15のS500に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S415:No)、S420に処理を移行する。
S420では、主制御装置80は、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S420:Yes)、S425に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S420:No)、本処理を終了する。
S425では、主制御装置80は、第1,第2大入賞口20,21のうちの一方を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。なお、当該ステップは、確定表示時間にわたり特図の確定図柄の停止表示がなされた時点で実行される。
続いて図14に関して、大入賞口の開放中に移行するS450では、主制御装置80は、開放中の大入賞口に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S450:Yes)、S460に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S450:No)、S455に処理を移行する。
S455では、主制御装置80は、大入賞口の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S455:Yes)、S460に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S455:No)、本処理を終了する。
S460では、主制御装置80は、開放中の大入賞口を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S465に処理を移行する。
S465では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
一方、各ラウンドのインターバル中に移行するS470では、主制御装置80は、大当り遊技の最終ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S470:Yes)、S475に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S470:No)、S480に処理を移行する。
S475では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、本処理を終了する。
S480では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S480:Yes)、S485に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S480:No)、本処理を終了する。
S485では、主制御装置80は、現在のラウンドに対応する大入賞口を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。なお、第1大入賞口20を開放する際には、確変決定装置13に設けられた確変突入口15を開放状態とし、第1大入賞口20に入球した遊技球が確変突入口15に入球するようにする。
続いて図15に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS500では、主制御装置
80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S500:No)、本処理を終了する。
続くS505,S510では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S515に処理を移行する。
S515では、主制御装置80は、大当り遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否か(大当り遊技中に確変突入口15への入球が生じたか否か)を判定し、肯定判定の場合には(S515:Yes)、確変状態中に実行可能な大当り抽選の回数(確変回数)を設定すると共に(S520)、確変フラグをセットし(S525)、S530に処理を移行する。
S530では、主制御装置80は、大当り遊技後に遊技状態を開放延長状態に移行させるか否か(大当り遊技中に確変突入口15への入球が生じたか否か)を判定し、肯定判定の場合には(S530:Yes)、開放延長状態中に実行可能な大当り抽選の回数(開放延長回数)を設定すると共に(S535)、開放延長フラグをセットし(S540)、S545に処理を移行する。
S545,S550では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、大当り遊技終了後の遊技状態を通知する状態指定コマンドを送信する状態指定コマンド送信処理とを実行し、本処理を終了する。
(7)普図当否判定処理について
次に、保留記憶に係る普図当り決定用乱数により普図抽選を行う普図当否判定処理について、図16,17のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。
まず、図16に関して、S600では、主制御装置80は、普通電動役物(第2始動口12)の作動中、すなわち、普図遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S600:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S600:No)、S605に処理を移行する。
S605では、主制御装置80は、普通図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S605:Yes)、図17(a)のS660に処理を移行し、否定判定の場合には(S605:No)、S610に処理を移行する。
S610では、主制御装置80は、普通図柄の確定図柄の停止表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S610:Yes)、図17(b)のS670に処理を移行し、否定判定の場合には(S610:No)、S615に処理を移行する。
S615では、主制御装置80は、普図抽選の保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S615:Yes)、S620に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S615:No)、本処理を終了する。
S620では、主制御装置80は、普図抽選の保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い保留記憶を選択し、S625に処理を移行する。
S625では、主制御装置80は、開放延長状態であることを示す開放延長フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S625:Yes)、S630に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S625:No)、S635に処理を移行する。
S630では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る普図当り判定用乱数と、普図抽選での当選確率が相対的に高くなる当否判定用テーブル(開放延長状態用テーブル)に基づき普図抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S640に処理を移行する。
一方、S635では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る普図当り判定用乱数と、普図抽選での当選確率が相対的に低くなる当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、普図抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S640に処理を移行する。
S640では、主制御装置80は、普図抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S640:Yes)、S645に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S640:No)、S650に処理を移行する。
S645では、主制御装置80は、遊技状態や、消化した保留記憶に係る普図当り決定用乱数等に基づき、普通図柄の当り図柄や変動時間等を決定し、S655に処理を移行する。
一方、S650では、主制御装置80は、遊技状態や、消化した保留記憶に係る普図当り決定用乱数等に基づき、普通図柄のハズレ図柄や変動時間等を決定し、S655に処理を移行する。
なお、開放延長状態である場合には、時短機能が作動し、開放延長状態でない場合に比べて普通図柄の変動時間が短くなる。
S655では、主制御装置80は、普通図柄表示装置7により、消化した保留記憶に対応する普通図柄の変動表示を開始する。また、サブ統合制御装置83に対し、普図抽選後の保留記憶数や、普通図柄の変動時間等を示すコマンドを送信し、本処理を終了する。
続いて図17(a)に関して、普通図柄の変動表示中に移行するS660では、主制御装置80は、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S660:Yes)、S665に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S660:No)、本処理を終了する。
S665では、主制御装置80は、普通図柄表示装置7による普通図柄の変動表示を終了させると共に、少なくとも確定表示時間にわたる、普図抽選の結果に応じた普通図柄の確定図柄の停止表示を開始させる。また、サブ統合制御装置83に対し、普通図柄の変動表示が終了した旨や、確定図柄の停止表示が開始された旨を示すコマンドを送信し、本処理を終了する。
続いて図17(b)に関して、普通図柄の確定図柄の停止表示中に移行するS670では、主制御装置80は、開放延長状態か否かを判定し、肯定判定の場合には(S670:Yes)、S675に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S670:No)、S680に処理を移行する。
S675では、主制御装置80は、確定図柄の停止表示の継続時間が確定表示時間(一例として0.5秒)に達したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S675:Yes)、S685に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S675:No)、本処理を終了する。
一方、S680では、主制御装置80は、確定図柄の停止表示の継続時間が待ち時間(一例として0.1秒)に達したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S680:Yes)、S685に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S680:No)、本処理を終了する。
S685では、主制御装置80は、普図抽選で当ったかどうか(確定図柄が当り図柄か否か)を判定し、肯定判定の場合には(S685:Yes)、S690に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S685:No)、本処理を終了する。
S690では、主制御装置80は、遊技状態に応じて普図遊技にける第2始動口12の開放パターンを設定し、S695に処理を移行する。なお、遊技状態が開放延長状態である場合には、開放パターンとして長時間開放が設定され、開放延長状態でない場合には、開放パターンとして短時間開放が設定される。
S695では、主制御装置80は、普電役物ソレノイド12bを制御し、設定した開放パターンに従って第2始動口12を開放する普図遊技を開始し、本処理を終了する。
なお、主制御装置80は、保留記憶が存在する場合には、普通図柄の確定図柄の停止表示を開始した後、確定表示時間が経過した時点で確定図柄の停止表示を終了し、普通図柄表示装置7に停止表示された確定図柄を消去しても良い。一方、保留記憶が存在しない場合には、確定図柄の停止表示の開始後、確定表示時間が経過した後も確定図柄の停止表示を継続し、新たな保留記憶が生じた時点で、確定図柄の停止表示を終了すると共に、新たに変動表示を開始しても良い。
(8)普図遊技処理
次に、普図遊技を制御する大当り遊技処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。
S750では、主制御装置80は、普図遊技中(第2始動口12の開放動作中)か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S750:Yes)、S755に処理を移行し、否定判定の場合には(S750:No)、本処理を終了する。
S755では、主制御装置80は、普電役物ソレノイド12bを制御して開放パターンに従い第2始動口12を開閉し、S760に処理を移行する。
S760では、主制御装置80は、第2始動口12の開放パターンにより定められる普図遊技の継続期間が経過したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S760:Yes)、S765に処理を移行し、否定判定の場合には(S760:No)、本処理を終了する。
S765では、主制御装置80は、普図遊技を終了すると共に、第2始動口12を閉鎖された状態とし、本処理を終了する。
(9)演出について
サブ統合制御装置83では、主制御装置80からのコマンドに応じて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面や、各種LED、ランプ28や、スピーカ66を介して各種演出を行う。
具体的には、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から変動開始コマンドを受信すると、演出図柄制御装置82を制御し、演出図柄表示装置6の画面上で図柄演出(演出図柄の変動表示)等を行う。その後、主制御装置80から図柄確定コマンドを受信すると、演出図柄表示装置6の画面上に先に受信した図柄指定コマンドに応じた演出図柄を停止表示させ、大当り抽選の結果を報知する。
また、サブ統合制御装置83は、主制御装置80にて普通図柄の変動表示が開始されると、主制御装置80からのコマンドに応じて、演出図柄表示装置6の画面上で普図抽選に対応する図柄演出を行う。その後、主制御装置80での変動表示が終了し、確定図柄の停止表示が開始されると、主制御装置80からのコマンドに基づき、演出図柄表示装置6の画面上に普図抽選の結果に応じた演出図柄を停止表示させる。
なお、サブ統合制御装置83は、上述したように、主制御装置80での特別図柄や普通図柄の変動表示及び確定図柄の停止表示と同期した状態で、演出図柄の変動表示や確定図柄の停止表示を行っても良いし、同期しない状態で、演出図柄の変動表示や確定図柄の停止表示を行っても良い。
また、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から大当り抽選や普図抽選についての保留記憶数を示すコマンドを受信すると、演出図柄制御装置82を制御し、例えば、演出図柄表示装置6の画面上で保留図柄を表示することで、保留記憶数を表示する。
[効果]
本実施形態のパチンコ機50によれば、開放延長状態中(普図遊技にて第2始動口12が長時間開放される場合)には、普図抽選で当選すると、普通図柄の停止表示開始後、確定表示時間の経過後に第2始動口12が開放される。このため、停止表示された普通図柄により普図抽選での当選を確認したとしても、第2始動口12が開放される前に第2始動口12の狙い打ちを開始することができ、遊技者は当選による利益を確実に享受することができる。
また、大当り抽選での当選により第1,第2大入賞口20,21が開放される場合には、特別図柄の停止表示の開始後、確定表示時間の経過後に第1,第2大入賞口20,21が開放される。このため、停止表示された特別図柄により大当り抽選での当選を確認したとしても、第1,第2大入賞口20,21が開放される前に第1,第2大入賞口20,21の狙い打ちを開始することができ、遊技者は当選による利益を確実に享受することができる。
これに対し、開放延長状態でない場合(普図遊技にて第2始動口12が短時間開放される場合)には、普通図柄の停止表示の開始後、確定表示時間の経過前に(待ち時間が経過した時点で)第2始動口12が開放される。これにより、図柄の変動表示の終了後、直ちに第2始動口12が開放されるようになり、普図抽選での当選により遊技の進行が妨げられることが無く、遊技の流れを良好にすることができる。
[他の実施形態]
(1)本実施形態のパチンコ機50は、大当り抽選で当選すると、第1,第2特図表示装置9,10にて確定表示時間にわたり当り図柄が停止表示された後のいずれかの時点から大当り遊技が開始され、第1,第2大入賞口20,21が開放される。
しかしながら、例えば、大当り抽選により突確や突時や転落等といった、賞球を付与することなく遊技状態を変化させる大当り(大当り遊技で第1,第2大入賞口20,21が短時間しか開放されない大当り)に当選した場合には、当り図柄の停止表示開始後、確定表示時間よりも短い待ち時間(一例として0.1秒)が経過した時点で第1,第2大入賞口20,21の開放を開始しても良い。
また、例えば、大当り抽選に小当り(役物連続作動装置の作動を伴うことなく短時間にわたり第1,第2大入賞口20,21が開放される当り)に当選した場合においても、当り図柄の停止表示開始後、上記待ち時間が経過した時点で第1,第2大入賞口20,21の開放を開始しても良い。
なお、突確,突時,転落,小当りに当選した場合には、一例として、0.6秒間の第1,第2大入賞口20,21の開放動作が2回行われても良い。
一方、大当り抽選により賞球が付与される大当り(大当り遊技で第1,第2大入賞口20,21が長時間にわたり開放される大当り)に当選した場合には、第1,第2特図表示装置9,10にて確定表示時間にわたり当り図柄が停止表示された後のいずれかの時点から第1,第2大入賞口20,21の開放を開始しても良い。
こうすることにより、突確,突時,転落,小当りに当選した場合には、直ちに第1,第2大入賞口20,21が開放されるようになり、遊技の流れを良好にすることができる。
なお、これらに当選した場合には、第1,第2大入賞口20,21は短時間しか開放されないため、第1,第2大入賞口20,21を狙い打ちしても賞球を得るのは困難である。このため、当り図柄の停止表示後、直ちに第1,第2大入賞口20,21を開放しても、遊技者に不利益を与えることは無い。
(2)また、本実施形態のパチンコ機50は、開放延長状態中に普図抽選で当選すると、確定表示時間(一例として0.5秒)にわたる普通図柄の当り図柄の停止表示が完了した時点から普図遊技が開始され、第2始動口12が開放される。また、開放延長状態でない場合には、普図抽選で当選すると、当り図柄の停止表示の開始後、待ち時間(一例として0.1秒)が経過した時点から普図遊技が開始され、第2始動口12が開放される。
しかしながら、開放延長状態か否かに関わらず、普図抽選で当った場合には、当り図柄の停止表示の開始後、待ち時間が経過した時点で普図遊技を開始しても良い。
こうすることにより、普図抽選に当選した場合には、直ちに第2始動口12が開放されるようになり、普図抽選での当選により遊技の進行が妨げられることが無く、遊技の流れを良好にすることができる。
また、仮に、普図遊技による第2始動口12の開放時間が短い場合や、第2始動口12の賞球が少ない場合であれば、開放された第2始動口12を狙い打つ必要性は低く、このような構成としても遊技者に不利益を与えることは無い。
(3)また、本実施形態のパチンコ機50は、第2大入賞口21と、確変決定装置13が設けられた第1大入賞口20の2つの大入賞口を備える構成となっているが、本発明は、1つの大入賞口を備えるパチンコ機50にも適用することができる。
また、本実施形態のパチンコ機50は、所謂デジパチとして構成されているが、本発明は、普通電役機や権利モノと呼ばれる機種のパチンコ機にも適用することができる。
本発明を普通電役機に適用する場合、一例として、左側流下経路(又は右側流下領域)に第1普図ゲートと、第1普図ゲートの通過に起因して行われる普図抽選での当選により開放される第1普通電役を配することが考えられる。また、遊技領域における左側流下経路に第2普図ゲートを配すると共に、右側流下領域に、第2普図ゲートの通過に起因して行われる普図抽選での当選により開放される第2普通電役を配することが考えられる。
そして、第1普図ゲートの通過に起因して行われる第1普図抽選で当選した場合には、普通図柄の当り図柄の停止表示の開始後、上述した待ち時間が経過した時点で普図遊技を開始し、第1普図電役を開放することが考えられる。なお、この時、第1普図電役は、上述した短時間開放により開放されても良い。
一方、第2普図ゲートの通過に起因して行われる第2普図抽選で当選した場合には、普通図柄の当り図柄が上述した確定表示時間にわたり停止表示された後に、普図遊技を開始し、第2普図電役を開放することが考えられる。なお、この時、第2普図電役は、上述した長時間開放により開放されても良い。
また、本発明を権利モノに適用する場合も、本発明を普通電役機に適用する場合と同様にして第1,第2普図ゲートと第1,第2普通電役を配置すると共に、第1,第2普図抽選で当選した際には、同様のタイミングで普図遊技を開始することが考えられる。
さらに、第2普通電役(又は第1普通電役)の内部に権利発生口を設け、第2普通電役(又は第1普通電役)が開放された際に遊技球が権利発生口に入球可能としても良い。そして、権利発生口への進入に起因して遊技者に特典を付与しても良い。
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(4)また、本実施形態のパチンコ機50では、第1,第2大入賞口20,21は、右側流下経路を流下する遊技球が主に入球する位置に配置されている。しかしながら、これに限らず、例えば、センターケース5の左側や下側等、左側流下経路を流下する遊技球が主に入球する位置に配置されていても良い。
本実施形態のパチンコ機50では、普図ゲート22及び第2始動口12は、左側流下経路を流下する遊技球が主に入球する位置に配置されている。
しかしながら、普図ゲート22を左側流下経路を流下する遊技球が主に入球する位置に配置すると共に、第2始動口12を右側流下経路を流下する遊技球が主に入球する位置に配置しても良い。無論、これとは反対に、普図ゲート22を右側流下経路を流下する遊技球が主に入球する位置に配置すると共に、第2始動口12を左側流下経路を流下する遊技球が主に入球する位置に配置しても良い。
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
第1,第2始動口11,12が第2判定領域の一例に、第2始動口12が電動役物,第1電動役物の一例に、第1,第2大入賞口20,21が第2電動役物の一例に、普図ゲート22が判定領域,第1判定領域の一例に相当する。
また、当否判定処理のS280,S290が特別図柄変動手段,第2図柄変動手段の一例に相当し、大当り遊技処理のS425が特別図柄開放手段,第2図柄開放手段の一例に相当する。
また、普図当否判定処理のS655,S665が変動手段,普通図柄変動手段,第1図柄変動手段の一例に、S690,S695が開放手段,普通図柄開放手段,第1図柄開放手段の一例に相当する。