以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第一実施形態]
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、第一実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に構成される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,残高表示器59が設けられている。
なお、図1の39は、前枠52及び前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠39に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
また、図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって左横には、普通図柄作動ゲート17が設置されている。普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行なわれる。
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1始動口11及び第2始動口12が、上下に並んで配設されている。第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、普通図柄抽選での当選時のみ入球可能となっている。
第1,第2始動口11,12に遊技球が入球すると、当該入球に起因して、複数種類の乱数(数値データ)が抽出され、保留記憶として記憶される。
普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定の回数にわたり、所定時間の開放が行われる。具体的には、通常の遊技状態であれば、1回の当選により約2.6秒の開放が2回行なわれる。
第2始動口12の下方には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3における向かって左下の領域には、複数の普通入賞口31〜34が配設されている。
遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの特図表示装置9と、4個のLEDからなる特図保留数表示装置18と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで大当り抽選の結果を報知する大当り演出が行われる。
また、本発明の保留記憶に係る表示も行われる。
また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
また、図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(図3に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53(図1参照)に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71、タンクレール72、払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、第一実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置、電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、図3では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントSW14a、一般入賞口31〜34に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW31a等からの検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている特図表示装置9,特図保留数表示装置18,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
さらに、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81は、ガラス枠開放SW35,内枠開放SW36,球切れSW23,払出SW21,満杯SW22からの信号が入力され、満杯SW22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW23により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW22,球切れSW23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板24は精算表示装置25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は、発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW28からのタッチ信号、発射停止SW29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67,ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67,ジョグダイヤル68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄や本発明の保留記憶に係る表示等の演出画像を表示させる。
[動作の説明]
次に、第一実施形態のパチンコ機50の動作について説明する。
第一実施形態のパチンコ機50は、常時入賞が可能な第1始動口11と、上述した普通図柄抽選での当選により一定期間にわたり開放され、入賞が可能となる第2始動口12が設けられており、第1,第2始動口11,12への入賞に起因して抽出された乱数(数値データ)による大当り抽選が行われる。また、パチンコ機50では、第1,第2始動口11,12への入賞により抽出された乱数が上限数として最大4個まで保留記憶として記憶され、各保留記憶に対応する保留図柄(保留記憶表示)が表示されると共に、大当り抽選で当たると、所定ラウンド数の大当り遊技が行われる。
そして、大当り遊技の終了後は、一定期間(所定数の大当り抽選が行われるまでの期間)にわたり、大当り抽選で当る確率が上昇する確変モードとなり、また、これと同時に、普通図柄抽選での当選確率が上昇すると共に、普通図柄抽選での当選時の第2始動口12の開放時間が延長され、さらに普通図柄の変動時間が短縮される時短モード(開放延長モード)となる。
また、パチンコ機50では、保留記憶についての大当り抽選の結果を予告する先読み演出が行われる。パチンコ機50では、先読み演出を行うことが決定されると、保留記憶に対応する保留図柄(保留記憶表示)を当りの期待度に応じて変化させることで、大当り抽選の結果が予告される。
なお、言うまでも無く、先読み演出は、大当り抽選の結果を常に正確に予告するというものではなく、予告が外れる場合もあり、無論、先読み演出が行われていない保留記憶による大当り抽選で当ることもある。
以下では、第一実施形態のパチンコ機50の動作について詳細に説明すると共に、先読み演出及び本発明の要部としての保留表示処理について説明する。
(1)メインルーチンについて
まず、パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンについて、図5に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S75に処理を移行する。
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50),始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、大当り抽選で当った際に行われる大当り遊技を制御する大当り遊技処理と(S60)を行う。また、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S65)、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S70)を実行する。
また、S75では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
尚、本実施形態の主制御装置80は、上述した入賞確認処理(S50)及び当否判定処理(S55)において、各々個別にコマンド送信処理を備えている。
すなわち、入賞確認処理(S50)の1モジュールとしてのコマンド送信処理は、例えば始動口への入賞に係る検出結果(保留記憶の増加)に基づいて作成された表示すべき保留記憶の数を示唆する保留記憶数指示コマンド等を、サブ統合制御装置83に送信する処理である。
本実施形態では、前回の割り込み処理における入賞確認処理の終了後から、当該入賞確認処理までの期間に発生した始動口への入賞に基づいて、保留記憶数指示コマンドを送信するように構成されている。
また、当否判定処理(S55)の1モジュールとしてのコマンド送信処理は、例えば大当り抽選の実行(保留記憶の消化)に基づいて作成された表示すべき保留記憶の数を示唆する保留記憶数指示コマンド等を、サブ統合制御装置83に送信する処理である。
本実施形態では、前回の割り込み処理における当否判定処理の終了後から、当該当否判定処理までの期間に当否判定を実行する条件が成立したことに基づいて、保留記憶数指示コマンドを送信するように構成されている。
このように、本実施形態では、1回の割り込み処理中に、入賞確認処理(S50)と当否判定処理(S55)で其々保留記憶数指示コマンドの送信処理を実行可能な構成となっている。これにより、始動口への入賞と当否判定の実行条件の成立が、極めて近い時期に発生したとしても、各々に対応した保留記憶数指示コマンドの送信を可能としている。
ここで、図16(b)を参照して、上述した保留記憶数指示コマンドについて説明する。
本実施形態の主制御装置80は、始動口(第1始動口11及び第2始動口12)への入賞や、大当り抽選(当否抽選)の実行によって増減変化する保留記憶の表示数をサブ統合制御装置83に指示するための、複数種類の保留記憶数指示コマンドを具備してなる保留記憶数指示コマンドテーブルを備える。当該保留記憶数指示コマンドテーブルは、動作番号をA6Hとして、識別番号が00H乃至04Hとなる5種類のコマンドで構成されている。
各コマンドが示唆する内容(保留個数情報)を詳述すると、A6H00Hは、保留記憶を表示しない旨のコマンド、A6H01Hは、保留記憶を1個表示する旨のコマンド、A6H02Hは、保留記憶を2個表示する旨のコマンド、A6H03Hは、保留記憶を3個表示する旨のコマンド、A6H04Hは、保留記憶を4個表示する旨のコマンド、である。
(2)始動入賞確認処理について
次に、第1,第2始動口11,12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶の生成等を行う始動入賞確認処理について、図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理(S50)からコールされるサブルーチンとして構成されている。
S100では、主制御装置80は、第1,第2始動口SW11a,12aの検出信号に基づき、第1,第2始動口11,12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、本処理を終了する。
S105では、主制御装置80は、保留記憶の数が上限値(一例として4個)か否かを判定する。そして、否定判定の場合は(S105:No)、S110に処理を移行し、肯定判定の場合は(S105:Yes)、すなわち、保留個数が上限値に到達している場合には当該入賞に起因した数値データの記憶を行わず、本処理を終了する。
S110では、主制御装置80は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、大当り演出において、リーチ状態となった後に外れを示す演出図柄を停止表示させる演出(リーチ外れ)を行うか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等の数値データを抽出し、これらの乱数を保留記憶として記憶する。そして、消化(当該保留記憶に基づく当否抽選の実行)されていない保留記憶の表示するべき数を示す保留記憶数指示コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する、上述したコマンド送信処理を実行し、S115に処理を移行する。このとき保留記憶数指示コマンドが示唆する内容は、現在表示されている保留記憶の個数から増加した個数の表示を促す内容となる。
本実施形態では、S115が上述したコマンド送信処理の機能も担っている。図5の入賞確認処理(S50)内で当該始動入賞確認処理の終了後に別途、コマンド送信処理を設けても良い。
S115では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値について判定する先読み判定処理を実行し、本処理を終了する。
(3)先読み判定処理について
次に、新たに発生した保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値について判定する先読み判定処理について、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、始動入賞確認処理からコールされる。
S150では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が特定値(大当り抽選で当りとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S150:Yes)、S155に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S150:No)、S160に処理を移行する。
S155では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド1を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
一方、S160では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数の値が特定値(大当り演出でリーチ外れとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S160:Yes)、S165に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S160:No)、S170に処理を移行する。
S165では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド2を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
また、S170では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数,リーチ判定用乱数が上記特定値ではないことを示す先読みコマンド3を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
ここで、図16(a)を参照して、先読み演出の内容について説明する。
図16(a)に記載の表は、大当り演出でノーマル外れ(大当り抽選で外れとなる場合に大当り演出でリーチ外れとならないこと),リーチ外れとなる確率と、大当り抽選で大当りとなる確率を示すと共に、ノーマル外れ,リーチ外れ,大当りとなる各保留記憶において、それぞれ、先読み演出が行われる確率(先読み出現率)を示している。
(4)当否判定処理について
次に、保留記憶として記憶された大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、図8〜11のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
まず、図8に関して、S200では、主制御装置80は、特別電動役物の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に処理を移行する。
S205では、主制御装置80は、特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、図10のS280に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S210に処理を移行する。
S210では、主制御装置80は、特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S210:Yes)、図11のS290に処理を移行し、否定判定の場合には(S210:No)、図9のS215に処理を移行する。
続いて図9に関して、S215では、主制御装置80は、保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S215:No)、本処理を終了する。
S220では、主制御装置80は、保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い保留記憶を選択し、後述するS230、S235、S245、S250、S255、S260、及びS265等にて参照するために、該保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動処理して、S225に処理を移行する。
S225では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S225:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S225:No)、S235に処理を移行する。
S230では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
一方、S235では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、通常遊技状態に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
S240では、主制御装置80は、S230又はS235の判定結果を参照して、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S240:Yes)、S245に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S240:No)、S260に処理を移行する。
S245では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定することで、当該大当り図柄に対応して予め定められた大当り遊技のラウンド数等を決定する。そして、S250に処理を移行する。
S250では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、大当り演出における特別図柄の変動時間等を決定し、S255に処理を移行する。
S255では、主制御装置80は、大当り遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、大当り遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び大当り遊技の演出態様等を設定すると共に、大当り遊技後に確変モード或いは時短モードになるように、確変フラグや時短フラグの設定状況を大当り遊技が終了するまで一旦モードバッファに退避するよう設定し、S270に処理を移行する。
一方、S240で否定判定が得られた場合に移行する(すなわち、大当り抽選で外れた際に移行する)S260では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、大当り演出における特別図柄の変動時間等を決定し、S265に処理を移行する。
S265では、主制御装置80は、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタや、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタの更新等を行い、S270に処理を移行する。
S270では、主制御装置80は、上述したS220においてデクリメントした保留記憶の数を示す保留記憶数指示コマンド等をサブ統合制御装置83に送信し、S275に処理を移行する。当該S270は、上述したコマンド送信処理に相当する。
このとき保留記憶数指示コマンドが示唆する内容は、現在表示されている保留記憶の個数から減少(消化)した個数の表示を促す内容となる。
S275では、主制御装置80は、特図の変動表示を開始すると共に、サブ統合制御装置83に対し、特別図柄に対応して変動表示する演出図柄の変動時間等を示す変動開始コマンドを送信することで大当り演出を開始させ、本処理を終了する。
続いて図10に関して、特図の変動表示中に移行するS280では、主制御装置80は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S280:Yes)、S285に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S280:No)、本処理を終了する。
S285では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
続いて図11に関して、特図の確定表示中に移行するS290では、主制御装置80は、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S290:Yes)、S295に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S290:No)、本処理を終了する。
S295では、主制御装置80は、特図の確定表示を終了し、S300に処理を移行する。
S300では、主制御装置80は、確定表示されていた特図が大当り時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S300:No)、S340に処理を移行する。
S305では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグが1である場合には確変フラグをクリアし(S310)、その後、S315に処理を移行する。
S315では、主制御装置80は、時短モードであることを示す時短フラグを参照すると共に、時短フラグが1である場合には時短フラグをクリアし(S320)、その後、S325に処理を移行する。
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S325),役物連続作動装置作動開始処理(S330),大当り開始演出処理(S335)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、本処理を終了する。
一方、S300にて否定判定が得られた場合に移行するS340では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S340:Yes)、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S345)。そして、確変回数が0である場合には(S345:Yes)、確変フラグをクリアし(S350)、S355に処理を移行する。
S355では、主制御装置80は、時短フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S355:Yes)、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を参照する(S360)。そして、時短回数が0である場合には(S360:Yes)、時短フラグをクリアし(S365)、S370に処理を移行する。
S370では、主制御装置80は、状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
(5)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技の進行を制御する大当り遊技処理について、図12〜14のフローチャートを用いて説明する。本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
S400では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S400:Yes)、S405に処理を移行し、否定判定の場合には(S400:No)、本処理を終了する。
S405では、主制御装置80は、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S405:Yes)、図13のS430に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S405:No)、S410に処理を移行する。
S410では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S410:Yes)、図13のS450に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S410:No)、S415に処理を移行する。
S415では、主制御装置80は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S415:Yes)、図14のS470に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S415:No)、S420に処理を移行する。
S420では、主制御装置80は、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S420:Yes)、S425に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S420:No)、本処理を終了する。
S425では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図13に関して、大入賞口14の開放中に移行するS430では、主制御装置80は、大入賞口14に入賞した遊技球の数が予め定められた上限入賞個数としての10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S430:Yes)、S440に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S430:No)、S435に処理を移行する。
S435では、主制御装置80は、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S435:Yes)、S440に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S435:No)、本処理を終了する。
S440では、主制御装置80は、大入賞口14を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S445に処理を移行する。
S445では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
一方、各ラウンドのインターバル中に移行するS450では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S450:Yes)、S455に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S450:No)、本処理を終了する。
S455では、主制御装置80は、大当り遊技の最終ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S455:Yes)、S460に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S455:No)、S465に処理を移行する。
S460では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S465では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図14に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS470では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S470:Yes)、S475に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S470:No)、本処理を終了する。
続くS475,S480では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S485に処理を移行する。
S485では、主制御装置80は、大当り遊技後の遊技状態に係る情報を記憶したモードバッファの設定内容を確認して大当り遊技後に確変モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S485:Yes)、確変モード中に実行可能な大当り抽選の回数(確変回数)を設定すると共に(S490)、確変フラグをセットし(S495)、S500に処理を移行する。
S500では、主制御装置80は、上記S485と同様に、大当り遊技後に時短モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S500:Yes)、時短モード中に実行可能な大当り抽選の回数(時短回数)を設定すると共に(S505)、時短フラグをセットし(S510)、S515に処理を移行する。
S515,S520では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、本処理を終了する。
(6)保留表示処理について
次に、保留記憶に対応する保留図柄を演出図柄表示装置6に表示する保留表示処理について、図15に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理である。
S600で、サブ統合制御装置83は、遅延タイマカウンタのカウンタ値を1減算する処理を実行し、S605の処理に移行する。遅延タイマカウンタは、本実施形態の保留記憶数の表示を遅延する遅延時間(例えば300ms)の計時を行うための手段である。また、遅延タイマカウンタのカウンタ値が既に0になっている場合すなわち前回の遅延時間(遅延期間)が終了して、新たな遅延時間(遅延期間)の設定が行われていない場合には当該処理をスキップしてS605の処理に即時移行する。
S605で、サブ統合制御装置83は、上記S600でカウンタ値の減算処理を行った遅延タイマカウンタのカウンタ値が、0であるか否か、すなわち遅延時間が終了したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S605:Yes)、S660に処理を移行して遅延フラグを0にセットすると共に、否定判定が得られた場合すなわち遅延時間中である場合には(S605:No)、S610に処理を移行する。S660の処理後もS610に処理を移行する。
S610で、サブ統合制御装置83は、上述した入賞確認処理(S50)或いは当否判定処理(S55)のコマンド送信処理による保留記憶数指示コマンドを受信したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S610:Yes)、S615に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S610:No)、S670に処理を移行する。
S615で、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から所定の先読みコマンド(先読み情報)を受信したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S615:Yes)、S620に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S615:No)、S640に処理を移行する。
S620では、サブ統合制御装置83は、先読みコマンドの種別(換言すれば、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数,リーチ判定用乱数の値が特定値であるか否か)と、先読み演出の実行可否抽選に係る乱数に基づく抽選結果とに基づき、新たに発生した保留記憶について先読み演出を行うか否かを決定する。そして、先読み演出を行う場合には(S625:Yes)、S630に処理を移行し、先読み演出を行わない場合には(S625:No)、S640に処理を移行する。
S630では、サブ統合制御装置83は、先読みコマンドの種別と、抽出した乱数に基づく抽選結果とに基づき、先読み演出の信頼度(先読み演出を行う保留記憶に基づき行われる大当り抽選で当る確率、換言すれば、該保留記憶により当りとなることへの期待度)を決定する。そして、先読み演出において表示される図柄(図20には、星形状の図柄のみを例示)を、決定した信頼度に応じて選択する。その後、S635に処理を移行する。
S635では、サブ統合制御装置83は、先読み演出を行うことが決定されたことを示す先読みフラグに1をセットし、S640に処理を移行する。
S640で、サブ統合制御装置83は、遅延フラグが0であるか否か、すなわち以前に受信した保留記憶数指示コマンドの受信時期から遅延時間が経過したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S640:Yes)、S645に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合すなわち遅延時間中である場合には(S640:No)、S665に処理を移行する。
S645で、サブ統合制御装置83は、遅延タイマカウンタを設定、すなわち遅延時間に相当するカウンタ値を設定し、S650に処理を移行する。
S650で、サブ統合制御装置83は、遅延フラグに1を設定し、S655に処理を移行する。
S655で、サブ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82に対し、今回受信した或いは後述するS680で読みだした保留記憶数指示コマンドで示唆される個数の保留記憶数を表示させると共に、該保留記憶について先読み演出を行うことが決定されている場合には、該保留記憶に対応して、先読み演出が行われない場合の保留図柄(通常保留図柄)とは異なる先読み示唆保留図柄を表示させ、本処理を終了する。
S640で否定判定(S640:No)すなわち、遅延時間が経過していない状態において保留記憶数指示コマンドを受信した場合、S665で、サブ統合制御装置83は、受信した保留記憶数指示コマンドの内容及びS630で選択決定した先読み演出の内容等を、保留表示記憶として設定して保持する処理を実行して、本処理を終了する。
尚、本実施形態のS665では、遅延時間が経過していない状態において受信した保留記憶数指示コマンドは、1個に限定せず複数個が設定保持可能となる構成であり、設定保持された時系列に従って個別に設定保持される。これにより、後述するS680において、最古の情報から読み出すことが可能となっている。
S610で否定判定(S610:No)すなわち、当該割り込みで保留記憶数指示コマンドを受信していない場合、S670で、サブ統合制御装置83は、遅延フラグが0であるか否か、すなわち以前に受信した保留記憶数指示コマンドの受信時期から遅延時間が経過したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S670:Yes)、S675に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合すなわち遅延時間中である場合には(S670:No)、本処理を終了する。
S670で肯定判定(S610:Yes)すなわち、すなわち以前に受信した保留記憶数指示コマンドの受信時期から遅延時間が経過したと判定された場合、S675で、サブ統合制御装置83は、保留表示記憶にS665で記憶保持した情報があるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S675:Yes)、S680に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S675:No)、本処理を終了する。
S680で、サブ統合制御装置83は、保留表示記憶に設定された保留個数指示コマンド及び先読み演出に係る情報の内、最も古い情報を抽出する処理を実行して、S685に処理を移行する。
S685で、サブ統合制御装置83は、遅延タイマカウンタを設定、すなわち遅延時間に相当するカウンタ値を設定し、S690に処理を移行する。
S690で、サブ統合制御装置83は、遅延フラグに1を設定し、S655に処理を移行する。
(7)制御動作について
以上説明したように制御処理される本実施形態のパチンコ機50の動作について、更に図17及び図18を参照して説明する。
図17及び図18は、本実施形態のパチンコ機50において、保留記憶数に増減変化が生じた場合の制御動作を説明するタイムチャートである。
図17及び図18には、上から主制御装置80の保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信するコマンド送信処理の実行態様、サブ統合制御装置83が演出図柄表示装置6を表示制御するための表示制御コマンドを送信する処理の実行態様、遅延フラグの設定態様、及び演出図柄表示装置6にて表示される保留記憶表示数の変化態様、を示す。
先ず、図17を参照すると、当初、演出図柄表示装置6には1個の保留記憶が表示されている状態であり、且つ遅延フラグが0すなわち遅延時間中ではない状態が示されている。
この状態から、主制御装置80が実行する2ms毎の割り込み処理中に、コマンド送信処理が1回実行されると、サブ統合制御装置83は、当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づいて、遅延フラグに1を設定し且つ遅延時間として、遅延タイマカウンタを設定することで、t1(図示しないが例えば、300ms)の計時を開始する。
加えてサブ統合制御装置83は、当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づいて演出図柄表示装置6に表示制御コマンドの送信処理を遅滞無く実行する。
尚、主制御装置80のコマンド送信処理において、図示した「入賞」は、図5の入賞確認処理(S50)におけるコマンド送信処理、つまり保留個数の増加の起因となる処理であることを示唆している。また、図示した「消化」は、図5の当否判定処理(S55)におけるコマンド送信処理、つまり保留個数の減少の起因となる処理であることを示唆している。
図17に戻って、サブ統合制御装置83が演出図柄表示装置6へ表示制御コマンドの送信処理を実行すると、この場合、演出図柄表示装置6は2個の保留記憶表示数で表示を実行する。
上述したように、計時が開始された遅延時間t1中に、主制御装置80による保留記憶数指示コマンドのコマンド送信処理が実行されず、遅延時間t1が経過すると、遅延フラグが1から0に設定変更される。
本実施形態では、遅延時間t1が経過することにより、次に保留記憶表示数の変化が発生しても、上述した「入賞」による保留記憶表示数の変化との先後が明確に視認可能な時間差となるように、前記遅延時間t1が設定されている。
遅延時間t1が経過して遅延フラグが0に設定されている状態で、再度、主制御装置80による保留記憶数指示コマンドのコマンド送信処理(図示「消化」)が実行されると、前回と同様に、サブ統合制御装置83は、当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づいて、遅延フラグに1を設定し且つ遅延時間t1の計時を開始し、加えて、当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づいて演出図柄表示装置6に表示制御コマンドの送信処理を遅滞無く実行する。そして、演出図柄表示装置6は2個から1個減算した1個の保留記憶表示数で表示を実行する。
このように、本実施形態では、先の保留記憶数指示コマンドの受信から遅延時間t1が経過した後に、後の保留記憶数指示コマンドの受信が発生すると、(換言すれば、先の保留記憶数指示コマンドの受信に基づいて計時される遅延時間t1中に後の保留記憶数指示コマンドの受信が発生しなければ、)各々遅延することなく対応した表示を演出図柄表示装置6が実行する。
尚、図17で例示した「入賞」及び「消化」で示唆する保留記憶数指示コマンドは、入れ替わっていても、また「入賞」と「入賞」や、「消化」と「消化」の組み合わせであっても、同様の作用を為すようになっている。
次に、図18を参照して他の場合を説明する。つまり、図17では、遅延時間t1中に、主制御装置80による新たな保留記憶数指示コマンドのコマンド送信処理が実行されなかった場合を示したが、図18では主制御装置80による新たな保留記憶数指示コマンドのコマンド送信処理が実行される場合を例示して説明する。
当初、演出図柄表示装置6には1個の保留記憶が表示されている状態であり、且つ遅延フラグが0すなわち遅延時間中ではない状態から、主制御装置80が実行する2ms毎の割り込み処理中に、コマンド送信処理が1回実行されると、サブ統合制御装置83は、当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づいて、遅延フラグに1を設定し且つ遅延時間として、遅延タイマカウンタを設定することで、t1の計時を開始し、更に当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づいて演出図柄表示装置6に表示制御コマンドの送信処理を遅滞無く実行する。この際、演出図柄表示装置6は2個の保留記憶表示数で表示を実行する。ここまでの状態は、上述した図17と同様である。
計時が開始された遅延時間t1中に、主制御装置80による入賞確認処理(S50)で、保留記憶数指示コマンドのコマンド送信処理(図示「入賞」)が実行されると(換言すれば、遅延時間t1が未だ経過しておらず遅延フラグが1に設定されている状態で、再度、主制御装置80による保留記憶数指示コマンドのコマンド送信処理が実行されても)、サブ統合制御装置83は、当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づく演出図柄表示装置6への表示制御コマンドの送信処理を即時実行しない。
つまり、サブ統合制御装置83は、遅延時間t1の満了及び遅延フラグが1から0に設定変更されるのを待って、表示制御コマンドの送信処理を実行する。また、サブ統合制御装置83は、当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づいて、再び遅延フラグに1を設定し且つ遅延時間t1の計時を開始する。
そして、演出図柄表示装置6は2個から1個増加した3個の保留記憶表示数で表示を実行する。
このように、本実施形態では、遅延時間t1中に、主制御装置80による新たな保留記憶数指示コマンドのコマンド送信処理が実行されて、すなわち遊技者をして複数のコマンド送信処理の発生について、何れが先で何れが後かが判別不能な状態(始動入賞と当否抽選による変動開始が略同時に発生して先後の関係が不明な状態)となっても、サブ統合制御装置83は、遅延時間t1中に受信した新たな保留記憶数指示コマンドに対応して、演出図柄表示装置6への表示制御コマンドの送信処理の実行時期を、遅延時間t1の終了まで遅延する。
また、上述したコマンド送信処理(図示「入賞」)に続いて、同じく遅延時間t1中に、主制御装置80による当否判定処理(S50)で、他のコマンド送信処理(図示「消化」)が発生すると、この場合もサブ統合制御装置83は、当該保留記憶数指示コマンド(「消化」)の受信に基づく演出図柄表示装置6への表示制御コマンドの送信処理を即時実行しない。
つまり、サブ統合制御装置83は、直前に発生したコマンド送信処理(図示「入賞」)に基づいて設定された遅延時間t1の満了及び遅延フラグが1から0に設定変更されるのを待って、表示制御コマンドの送信処理を実行する。また、サブ統合制御装置83は、当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づいて、再び遅延フラグに1を設定し且つ遅延時間t1の計時を開始する。
そして、演出図柄表示装置6は3個から1個減少した2個の保留記憶表示数で表示を実行する。
このように本実施形態では、同一の遅延時間t1中に発生した複数のコマンド送信処理に関して、これらに対応する表示制御コマンドの送信処理を、早くとも当該遅延時間t1の終了までは遅延する。
更に、遅延時間t1中に発生したコマンド送信処理に対応する表示制御コマンドの送信処理は、直前のコマンド送信処理に基づく遅延時間t1の満了まで遅延するように構成されている。
これにより、略同時に複数のコマンド送信処理が実行されたとしても、後発の保留記憶数指示コマンドに対応した保留記憶表示数の変化は、直前のコマンド送信処理に基づいて設定された遅延時間t1終了後に発生することで、遊技者は視覚的に後発の保留記憶数指示コマンドの内容を認識でき、ひいては複数の保留記憶数指示コマンドの先後関係を容易に把握可能となる。
(8)表示動作について
次に、本実施形態における保留記憶数に増減変化が生じた場合の、演出図柄表示装置6における表示動作について、図20を参照して説明する。
なお図20では、先ず第1始動口11或いは第2始動口12への入賞が発生し、続いて、該入賞に基づく遅延時間t1中に、変動表示の開始(当否抽選による消化)が発生したが、2つの時期が略同時で遊技者にはその先後関係が不明な状態を前提として説明する。
図20(a)には、保留記憶表示(保留図柄)として、保留図柄100、保留図柄101、の合計2個の保留図柄を表示し、且つ演出図柄表示装置6が疑似図柄(344)を確定表示した瞬間、すなわち保留図柄100に対応した保留記憶に基づく変動表示の開始直前の状態が図示されている。
この際、上述したように、遊技者には先後関係が判別不能な略同時のタイミングで、始動入賞に続いて保留図柄100に対応した保留記憶に基づく変動表示が開始され、該保留図柄100に対応した遅延時間t1中の表示態様が、図20(b)に示されている。
保留記憶表示(保留図柄)として、保留図柄100、保留図柄101、保留図柄102、の合計3個の保留図柄を表示している。つまり、図20(a)の状態と比較して、保留記憶数表示の増加を実行する。
尚、始動入賞により新たに発生した保留図柄102は、本実施形態の先読み演出が実行されたことによる星形状の先読み演出図柄でもある。
図20(c)には、上述した遅延時間t1が終了した状態を示す。
遅延時間t1の終了に基づき、保留記憶表示(保留図柄)として、保留図柄101、保留図柄102、の合計2個の保留図柄を表示する。つまり、遅延時間t1の終了を待ってから、保留記憶数表示の減少を実行する。
したがって、遅延時間t1が終了して図20(c)で3個から2個に減少する状態を視認することで、遊技者は変動表示開始(当否判定)の発生が後発であることを認識出来る。また、当該変動表示が保留記憶数が3個の時に開始されたことも認識可能となる。
このように、始動入賞と変動表示開始が略同時に発生しても、演出図柄表示装置6における保留記憶表示(保留図柄)として、先発の保留記憶数表示の増減変化は即時実行し、後発の保留記憶数表示の増減変化は遅延時間t1が終了してから実行するので、遊技者をしてその先後関係を明確に視認可能とすることが出来る。
また、図20では、始動入賞に続いて、遅延時間t1中に、変動表示の開始(当否抽選による消化)が発生した場合を説明したが、発生順位が逆の場合には、保留記憶数表示は次のように変化する。
つまり、図20(a)では2個の保留図柄を表示し、図20(b)では1個、続く図20(c)では2個と、増減変化する。遅延時間t1が終了して図20(c)で1個から2個に増加する状態を視認することで、遊技者は始動入賞の発生が後発であることを認識出来る。また、保留記憶数が1個の時に、当該変動表示が開始されたことも認識可能となる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態のパチンコ機50について説明する。第二実施形態のパチンコ機50も、第一実施形態のパチンコ機50と同様に構成されているが、受信した保留記憶数指示コマンドの内容に基づいて、サブ制御手段が演出図柄表示装置6での保留記憶数の遅延の実行可否を決定する点において異なっている。第二実施形態のパチンコ機50の構成及び動作について、図19のタイムチャートを参照しつつ、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
尚、第二実施形態では第一実施形態と同様に、第1始動口11と第2始動口12を個別に設けており、該第1始動口11と第2始動口12への入賞が略同時、換言すれば遅延時間t1中に双方が発生した場合に、本実施形態は有効に機能するよう構成されている。
図19には、上述した図17及び図18と同様に、上から主制御装置80の保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信するコマンド送信処理の実行態様、サブ統合制御装置83が演出図柄表示装置6を表示制御するための表示制御コマンドを送信する処理の実行態様、遅延フラグの設定態様、及び演出図柄表示装置6にて表示される保留記憶表示数の変化態様、を示す。
先ず、図19を参照すると、当初、演出図柄表示装置6には保留記憶が表示されていない状態であり、且つ遅延フラグが0すなわち遅延時間中ではない状態が示されている。
この状態から、主制御装置80が実行する2ms毎の割り込み処理中に、コマンド送信処理が1回実行されると、サブ統合制御装置83は、当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づいて、遅延フラグに1を設定し且つ遅延時間として、遅延タイマカウンタを設定することで、t1(図示しないが例えば、300ms)の計時を開始する。
加えてサブ統合制御装置83は、当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づいて演出図柄表示装置6に表示制御コマンドの送信処理を遅滞無く実行する。
尚、本実施形態のサブ統合制御装置83が実行する「保留表示処理」は、主制御装置80から受信した保留記憶数指示コマンドの種別すなわち、入賞確認処理(S50)のコマンド送信処理によって送信されたコマンドであるか否かを判定するコマンド種別判定手段と、該コマンド種別判定手段によって遅延時間t1中に受信した保留記憶数指示コマンドが入賞確認処理(S50)のコマンド送信処理によって送信されたコマンドであると判定されたときには、遅延時間t1の終了を待たずに演出図柄表示装置6を表示制御するための表示制御コマンドを送信する表示制御遅延解消手段とを備えている。
図19に戻って、サブ統合制御装置83が演出図柄表示装置6へ表示制御コマンドの送信処理を実行すると、この場合、演出図柄表示装置6は1個の保留記憶表示数で表示を実行する。
計時が開始された遅延時間t1中に、主制御装置80による入賞確認処理(S50)で、保留記憶数指示コマンドのコマンド送信処理(図示「入賞」)が実行されると(換言すれば、遅延時間t1が未だ経過しておらず遅延フラグが1に設定されている状態で、再度、主制御装置80による保留記憶数指示コマンドのコマンド送信処理が実行されると)、上述したコマンド種別判定手段によって当該保留記憶数指示コマンドが入賞確認処理(S50)のコマンド送信処理によって送信されたコマンドであると判定し、遅延時間t1中であることから、表示制御遅延解消手段によって、サブ統合制御装置83は、当該保留記憶数指示コマンドの受信に基づく演出図柄表示装置6への表示制御コマンドの送信処理を即時実行する。
つまり、演出図柄表示装置6は1個から1個増加した2個の保留記憶表示数で表示を実行する。
このように、本実施形態では、遅延時間t1中に、図示「入賞」に続いて「入賞」が発生すると、保留記憶数の表示を即時変更することで、保留記憶数指示コマンドの種別に応じて表示制御遅延手段の機能に制限を設けている。
このように構成することで、表示制御遅延手段を、「入賞」と「消化」が先後不明に発生した場合にのみ機能させ、「入賞」と「入賞」が連続したような場合には遅延することなく速やかに保留記憶数を表示して遊技者に知らしめることが可能となる。これにより「入賞」と「消化」の先後関係を明確に知らしめつつ、保留記憶数の増加を速やかに認識させて、保留上限個数を超えた入賞を遊技者に回避させ易くなる。
図19に戻って、続いて主制御装置80による入賞確認処理(S50)で、保留記憶数指示コマンドのコマンド送信処理(図示「入賞」)が実行される。この場合、主制御装置80による1割込中に、より詳述すると前回の割り込み中のコマンド送信処理後から今回のコマンド送信処理までの期間において、第1始動口11及び第2始動口12に共に入賞した場合を示す。コマンド送信処理では、当該複数の入賞を合算する処理を実行して、その結果に基づいて保留記憶数指示コマンドを生成して送信する。したがって、当該保留記憶数指示コマンドを受信したことにより、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6への表示制御コマンドの送信処理を行い、演出図柄表示装置6は、2個から2個増加した、4個の保留記憶表示数で表示を実行する。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態のパチンコ機50について説明する。第三実施形態のパチンコ機50も、第一実施形態のパチンコ機50と同様に構成されているが、保留記憶数指示コマンドを送信するコマンド送信処理について異なっている。第三実施形態のパチンコ機50の構成及び動作について、図21乃至図23のフローチャートを参照しつつ、第一実施形態との相違点を中心に説明し、同様の構成については説明を割愛する。
図21は、第三実施形態の主制御装置80が実行するメインルーチンについてのフローチャートである。
第一実施形態では、入賞確認処理(S50)及び当否判定処理(S55)において、各々個別にコマンド送信処理を備えていたが、本実施形態の入賞確認処理(S1050)及び当否判定処理(S1055)は、コマンド送信処理を備えず、図示しないが各出力処理(S1070)にてコマンド送信処理を備えるよう構成されている。
各出力処理(S1070)に備えられたコマンド送信処理では、後述する保留増加フラグ及び保留減少フラグに1が設定されているか否かを判定する保留増減フラグ判定処理と、該保留増減フラグ判定処理の判定結果に基づいて、保留記憶数指示コマンドを生成するコマンド生成処理と、を備え、該コマンド生成処理が生成したコマンドを送信する。また、生成したコマンドを送信したことに基づいて、保留増加フラグ及び保留減少フラグに0を設定する処理を実行する。
コマンド生成処理では、前回送信した保留記憶数指示コマンドの内容に基づいて、保留増加フラグに1がセットされていれば1個増加した個数に対応する内容とし、保留減少フラグに1がセットされていれば1個減少した個数に対応する内容とし、保留増加フラグ及び保留減少フラグに共に1がセットされていれば前回と同じ個数に対応する内容として、コマンドを生成する。
サブ統合制御装置83は、保留表示処理において、受信した保留記憶数指示コマンドの内容に基づいて演出図柄表示装置6を表示制御するための表示制御コマンドを生成して送信する。
本実施形態の保留表示処理では、前回送信した表示制御コマンドが示唆する保留個数と、受信した保留記憶数指示コマンドの内容とを比較する比較処理を備える。そして、該比較結果が同数である場合、すなわち受信した保留記憶数指示コマンドが保留増加フラグ及び保留減少フラグに共に1がセットされていたときのコマンドである場合は、1回の割り込み中に、始動入賞に続いて変動表示の開始(当否判定)が共に発生したと判断し、先ずは前回の個数に対して増加した個数の保留記憶数表示を実行すると共に遅延時間t1の計時を開始する。遅延時間t1の終了により減少した個数の保留記憶数表示を実行する。
図22は、第三実施形態の始動入賞確認処理のフローチャートである。
本実施形態では、始動入賞が発生して保留可能であった場合には、S1112で、保留増加フラグに1を設定する処理を実行する。保留増加フラグに1が設定されていることに基づいて、上述したように、S1070の各出力処理にて前回より増加した保留記憶数指示コマンドを生成する。当該保留記憶数指示コマンドが送信されたことに基づいて、保留増加フラグは0に設定される。
図23は、第三実施形態の当否判定処理のフローチャートである。
本実施形態では、当否判定及び変動開始に先立って、保留記憶数から1減算されると、S1222で、保留減少フラグに1を設定する処理を実行する。保留減少フラグに1が設定されていることに基づいて、上述したように、S1070の各出力処理にて前回より減少した保留記憶数指示コマンドを生成する。当該保留記憶数指示コマンドが送信されたことに基づいて、保留減少フラグは0に設定される。
以上、本発明の実施形態として、本発明のサブ制御手段としてのサブ統合制御装置83が実行する保留表示処理によって、表示制御遅延手段を構成する例を示したが、これに限定する必要はない。本発明の他のサブ制御手段である演出図柄制御装置82が遅延処理を実行するようにしても良い。この場合、サブ統合制御装置83は主制御装置80から保留数指示コマンドを受信したら即時演出図柄制御装置82に対応する表示制御コマンドを送信し、該コマンドを受信した演出図柄制御装置82が、演出図柄表示装置6の表示制御を遅延して実行するようにしても良い。
このようにすることにより、演出表示に係る制御内容が増大する傾向にあるサブ統合制御装置83の、制御負担を軽減することが出来る。
また、第三実施形態において、S1070の各出力処理では、前回送信した保留記憶数指示コマンドの示唆する個数に基づいて、保留増加フラグ及び保留減少フラグの設定状態に応じて加減算して算出した個数を内容とするコマンドを1回送信する構成として例示したが、これに限定することはない。例えば、各出力処理で保留増加フラグに対応して生成したコマンドを1回、そして保留減少フラグに対応して生成したコマンドを1回、の計2回送信するように構成しても良い。
このようにすることにより、制御上、上述した加減算処理が省略され簡素となる。また、保留増加フラグ又は保留減少フラグの何れかに、設定状態や設定機能に異常があった場合でも、正常なフラグに係る処理は問題が発生しないため、異常状態の拡大を防止出来、加えて異常箇所を調査する上で容易に問題箇所への到達が可能となる。
また、保留記憶数指示コマンドに対応して演出図柄制御装置82で表示される保留記憶数を示唆する表示として、保留図柄(保留記憶表示)100乃至102を、個々の保留記憶に対応して表示する方法を例示したが、これに限らず、保留記憶数が視認可能な表示態様であれば他の方法を採用しても良い。例えば、保留記憶数に対応した数字(例えば、「0」乃至「4」)を表示して、該数字を保留記憶数の増減に対応して増減変化させるようにしても良い。図20を参照すれば、図20(a)では「2」、遅延時間t1中である図20(b)では「3」、そして、遅延時間t1が終了した図20(c)では「2」を表示するようにしても良い。加えて、先読み演出を実行する場合は、図20では保留図柄102を星形状で表示したが、他の数字の表示態様とは異なる数字表示としても良い。
このようにすることにより、保留記憶の個数を遊技者が視覚的に認識する上で、保留図柄を計数する手間が無く、容易に個数の把握が可能となる。
また、遅延時間t1中に保留記憶数指示コマンドを受信した場合に、該コマンドに対応した保留記憶の増減変化に係る表示を、前記遅延時間t1の終了まで遅延する構成を例示した。しかし、これに限定せず、遅延時間t1よりも長時間に設定された遅延時間t2を備え、遅延時間t1中に保留記憶数指示コマンドを受信した場合に、該コマンドに対応した保留記憶の増減変化に係る表示を、前記遅延時間t2の終了まで遅延する構成としても良い。
これにより、始動入賞と変動開始の何れが先で後かを視認不能な期間として遅延時間t1を設定して、更に増減変化の表示タイミングを遅延させて充分に視認可能な時間として、遅延時間t1よりも長い遅延時間t2を設定することで、遊技者が視覚的に確実に先後関係を把握可能となる。
このような遅延時間t2は、そもそも個々の遊技者ごとに異なる視覚能力に応じて設定されるべき性質の時間(期間)である。したがって、遅延時間t2を構成要素とする場合には、その時間(期間)を任意に設定可能な設定手段を備えることが望ましい。更に言えば、遊技者が個々に設定可能な設定手段であると、なお好適である。このように構成することで、視覚能力に関して多様な遊技者にも柔軟に対応でき、遊技者にとっては自分固有の設定に調整出来る興趣も提供可能となる。
また、保留記憶の個数の増加を示す保留数指示コマンドの受信に係る遅延時間t1中に、さらに保留記憶の個数の増加を示す保留数指示コマンドを受信した場合に、該コマンドに対応した保留記憶の増加変化に係る表示を、第一実施形態では遅延時間t1の終了まで表示を遅延する構成を、第二実施形態では遅延することなく表示する構成を、それぞれ例示したが、これらの構成を併用しても何ら支障はない。
すなわち、遅延時間t1よりも短時間に設定された遅延時間t3を備え、保留記憶の個数の増加を示す保留数指示コマンドの受信に係る遅延時間t1と遅延時間t3の重複期間中に、保留記憶の個数の増加を示す保留記憶数指示コマンドを受信した場合には遅延時間t3の終了まで表示を遅延し、保留記憶の個数の減少を示す保留記憶数指示コマンドを受信した場合には遅延時間t3の終了まで表示を遅延するようにし、保留記憶の個数の増加を示す保留数指示コマンドの受信に係る遅延時間t3の経過後で、且つ遅延時間t1中に、保留記憶の個数の増加を示す保留記憶数指示コマンドを受信した場合には遅延することなく表示し、保留記憶の個数の減少を示す保留記憶数指示コマンドを受信した場合には遅延時間t1の終了まで表示を遅延するようにしても良い。
更に、遅延時間t1として、300msを例示したが、適宜調整可能であることは言うまでもない。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
パチンコ機50が弾球遊技機に、パチンコ機50における主制御装置80が主制御手段に、またサブ統合制御装置83,演出図柄制御装置82,演出図柄表示装置6が、サブ制御手段に相当する。
また、第一実施形態における始動入賞確認処理のS110が保留記憶手段に相当する。
また、当否判定処理におけるS230,S235が当否抽選手段に相当する。
また、演出図柄表示装置6が表示装置に相当する。
また、保留表示処理におけるS655が保留数表示手段に、S645,S685、及びS600が計時手段に、S610、S640、及びS665が表示制御遅延手段に、そして遅延時間t1が所定時間に相当する。