JP5931548B2 - 鉄道車両 - Google Patents

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Description

本発明は鉄道車両に関し、特に車端部に作用する圧縮荷重に対応した鉄道車両に関する。
一般に、鉄道車両においては、端梁、側梁、中梁、枕梁及び横梁から構成される台枠の上にキーストンプレートを配置した構造が知られている。台枠の車端部には大きな圧縮荷重が作用するため、台枠の剛性及び強度を増大させた構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された台枠は、枕梁間に配設された中梁に、繊維強化型複合材料で形成した長手骨組部材を設けることにより、大きな車端荷重に対して有利な構造になるとしている。
特開平7−17398号公報
特許文献1に記載の鉄道車両は、中梁の座屈強度を向上させることができるが、車体全長に亘ってキーストンプレートが配置されているため、車端圧縮荷重が作用すると、キーストンプレートが他の部材よりも先に座屈したり、永久変形したりする場合がある。
このようなキーストンプレートの座屈または永久変形を防止するためには、キーストンプレートの板厚を大きくしたり、あるいはキーストンプレートの凸部の高さ(以下、波高ともいう)を大きくしたりすることが考えられる。しかしながら、波高を大きくすると床面の位置が上昇し車内空間が圧迫されてしまうという問題がある。また、板厚を大きくすると、シリーズスポット溶接によりキーストンプレートの固定が難しくなり製造作業の効率が低下するという問題がある。本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、大きな車端圧縮荷重に耐えることができる鉄道車両を提供することを目的としている。
本発明のある形態に係る鉄道車両は、車両長手方向に延在する一対の側梁と、各側梁の車両長手方向端部において、車両幅方向に延在する端梁と、端梁よりも車両長手方向内方に位置し、車両幅方向に延在するとともに、台車に載置される枕梁と、端梁と枕梁の間に位置し、車両長手方向に延在する中梁と、枕梁よりも車両長手方向内方に位置し、車両幅方向に延在する複数の横梁と、横梁の上面に固定され、枕梁に対して車両長手方向に変位可能な波板とを備える。
かかる構成によれば、波板は枕梁に対して変位可能に設けられているため、台枠に波板に作用する車端圧縮荷重を低減することができ、波板が座屈したり永久変形したりすることを防ぐことができる。
上述した鉄道車両によれば、大きな車端圧縮荷重に耐えることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る鉄道車両の概略側面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る波板を載せた台枠の平面図である。 図3は、図2の一部拡大図である。 図4は、図3のIV−IV矢視断面図である。 図5は、図3のV−V矢視断面図である。 図6は、図1に示す鉄道車両の床部分(台枠)の断面斜視図である。 図7は、図6に示す床部分(台枠)の部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
[全体構成の概略]
図1は、本実施形態に係る鉄道車両100の概略側面図である。図1の紙面左右方向が鉄道車両100の長手方向であり、紙面に向かう方向が、鉄道車両100の幅方向である。以下では、鉄道車両100の長手方向を単に「車両長手方向」と称し、鉄道車両100の幅方向を単に「車両幅方向」と称して説明する。
図1に示すように、鉄道車両100は、台車102と、台車102上に設けられた車体103とを備えている。車体103は、例えばステンレス製であり、妻面にあたる妻構体104と、側面にあたる側構体105と、屋根にあたる屋根構体106と、床部分にあたる台枠(床構体)107と、を有している。このうち台枠107は、台車102が取り付けられる部分であり、その上面には後述する波板60(例えば、キーストンプレートやコルゲートプレート)が固定される(図2参照)。
図2は波板60及びフロアパン70が配置された台枠107の平面図である。また、図3は図2に示す台枠107のうち車両長手方向の一方側の端部付近を拡大して示す拡大図である。図2及び図3に示すように、台枠107は、側梁10と、端梁20と、枕梁30と、中梁40と、横梁50と、を有している。さらに、鉄道車両100は、この台枠107に、波板60が配置される波板部80と、フロアパン(floorpan)70が配置されるフロアパン部90と、を備えている。以下、これらの各構成要素について順に説明する。
[台枠構成の概略]
側梁10は、台枠107のうち車両幅方向の端部に位置する部材である。図2に示すように、側梁10は車両幅方向の両端部に位置して対をなすとともに、車両長手方向に延在している。ここで図4は、図3のIV−IV矢視断面図である。なお、図4では台枠107のうち車両幅方向の一方側の端部付近のみを示している。図4に示すように、側梁10は、車両幅方向の内側に開口する形状を有しており、上方に位置する上面部11と、上面部11に連結された側面部12と、側面部12に連結されて上面部11に対向する下面部13と、によって主に構成されている。このうち上面部11は、幅方向外側に位置する上段部14と、上段部14よりも下方でかつ車幅方向内側に位置する下段部15とを有している。なお、本実施形態では、上段部14の一部、側面部12、及び下面部13が切れ目なく一体に成形され、これとは別部材として上段部14と下段部15とが設けられているが、側面部12、下面部13、上段部14及び下段部15とが一体に成形されていてもよい。なお、図4では車両幅方向他方側の側梁10については図示していないが、上述した構成と同じように構成されている。
端梁20は、台枠107のうち車両長手方向の端部に位置するとともに、車端圧縮荷重を直接受ける部材である。端梁20は、図3に示すように、車両幅方向両側の側梁10を架け渡すように配置されている。ここで図5は、図3のV−V矢視断面図である。図5に示すように、本実施形態の端梁20は箱形の形状を有している。より具体的には、端梁20は、車両長手方向の最も外側に位置し車幅方向に湾曲して延びる断面C字状の端部材21と、この端部材21よりも車両長手方向内側に位置する直線状で断面C字状の溝形鋼部材22と、端部材21及び溝形鋼部材22の上面を架け渡すように配置された上面板23と、端部材21及び溝形鋼部材22の下面側に位置し上面板23に対向する下面板24と、によって主に構成されている。ただし、端梁20の構成はこのようなものに限られず、例えば端梁20が単に棒状の部材によって構成されていてもよいし、その他、種々の構成が適用可能である。
枕梁30は、端梁20よりも車両長手方向内側に位置し、台車102が固定される部材である。つまり、台車102はこの枕梁30の下方に位置している。また、枕梁30は、図3に示すように、車両幅方向に延在し、車両幅方向両側の側梁10を架け渡すように配置されている。さらに図5に示すように、本実施形態の枕梁30は、箱形の形状を有している。より具体的には、枕梁30は、断面C字状のチャンネル部材31と平板32とが接合された部材である。なお、枕梁30の構成はこのようなものに限られず、他の構成を採用してもよい。
中梁40は、端梁20と枕梁30の間を架け渡すように配置された部材である。本実施形態における中梁40は、端梁20と枕梁30の間のうち車両幅方向中央寄りの2箇所に設けられ、いずれも車両長手方向に延在している。このように、端梁20と枕梁30は中梁40を介して連結されているため、端梁20に車端圧縮荷重が加わると、その荷重は中梁40を介して枕梁30に伝わる。つまり、端梁20、枕梁30、及び中梁40は、外力がかかっても互いの相対位置はほとんど変化せず、全体として1つの剛体とみなすことができる。なお、図2及び図3においては、両中梁40の間、および中梁40と側梁10の間には、特に部材を図示していないが、この部分には板材や後述するフロアパンを配置してもよい。
横梁50は、枕梁30よりも車両長手方向内方に位置する部材である。図2に示すように、横梁50は、台枠107のうち車両長手方向の前後の枕梁30の間において、間隔を置いて複数箇所に配置されている。横梁50は、車両幅方向両側の側梁10を架け渡すように車両幅方向に延在している。図5に示すように、本実施形態の横梁50は、断面C字状の形状を有し、波板60と接合される上面部と、上面部から離間し、その端部にリップ51を含む下面部とを有する(図6も参照)。上面部の車両長手方向の長さは、下面部の車両長手方向の長さよりも大きい。また、図4に示すように、横梁50の車両幅方向の端部は、側梁10の内側に挿入されている。そして、横梁50の下面と側梁10の下面部13の上面とが接触して互いに固定され、横梁50の上面と側梁10の下段部15の下面が接触して互いに固定されている。また、横梁50と側梁10は、平板を曲げたような平面視でL字状の連結部材52によっても連結されている。具体的には、連結部材52の一方側が横梁50に固定され、他方側が側梁10に固定され、これにより横梁50と側梁10は連結されている。なお、上述した各部材同士は、例えばスポット溶接やプラグ溶接により接合される。
[波板部の構成の概略]
次に、波板部80の構成の概略について説明する。ここで図6は、本実施形態に係る鉄道車両100の床部分(台枠)の断面斜視図である。また、図7は、図6に示す床部分(台枠)の部分断面図である。図6及び図7に示すように、波板部80は、波板60と、吸熱層81と、熱分散層82と、床パネル85(床板83及び表面シート84)と、受部材86を備えている。
波板60は、台枠107の上面に固定される板材である。波板60は、例えばステンレス製であり、図4に示すように、底面部61と凸部62が車両幅方向において交互に連続して並ぶコルゲート構造(corrugated structure)を有している。また、底面部61と凸部62は、互いに平行であって、それぞれ車両長手方向に延びている。なお、波板には、図4で示す形状のものの他、隣接する凸部62の間の距離が下方に向かうに従って広くなるキーストン構造(keystone structure)を有するいわゆるキーストンプレートも含まれる。波板60は上記のように構成されているため、同じ板厚の平板に比べて高い強度を有している。
また、波板60は次のように配置されている。つまり、図2及び図3に示すように、波板60は、その車両長手方向端部が複数ある横梁50のうち長手方向外側から2つ目の横梁50の上面に位置し、車両幅方向端部が側梁10の上面に位置するように配置されている。このように波板60を配置することにより、波板60は枕梁30と接触することがない。このような構成によれば、台枠107に大きな車端圧縮荷重が作用しても、波板60には枕梁30から直接的に車両長手方向の荷重が加わることはない。また、車端圧縮荷重は、車両幅方向両端の側梁10に伝わるが、当該荷重は図示しない側構体にも分散して伝わるため、波板60に伝わる車端圧縮荷重を低減することができる。以上のような構成により、波板60が座屈又は永久変形するのを防止することができる。なお、本実施形態では、波板60は枕梁30と接触しないように配置されているが、仮に波板60と枕梁30が接触していたとしても波板60が枕梁30に対して変位可能に設けられていれば、同様の効果を得ることができる。例えば、波板60が枕梁30の上面に載っているだけであって、波板60と枕梁30が互いに固定されていないような場合には、車端圧縮荷重による荷重が枕梁30から直接波板60に伝わることはない。
また、波板60は次のようにして台枠107に固定されている。つまり、図4に示すように、波板60の底面部61と横梁50の上面は接触して互いに固定されている。また、波板60の車両幅方向端部の底面部61と側梁10の下段部15の上面は接触して互いに固定されている。ここで、各部材はシリーズスポット溶接により接合される。上記のように、本実施形態に係る鉄道車両100は、波板60が座屈及び永久変化しにくい構成であるため、波板60の厚みをシリーズスポット溶接可能な程度の厚み(例えば、0.8mm)にすることができる。その結果、波板60と台枠107とはシリーズスポット溶接により接合できるので、作業性が向上する。また、本実施形態に係る鉄道車両100は、波板60が座屈及び永久変化しにくい構成であるため、波板60の波高を小さく抑えることもできる(例えば、13mm程度)。
ところで、鉄道車両100をジャッキアップした際には、車体103には、ねじれ荷重が作用する。本実施の形態において、図2に示すように、波板60は車体全長には設けられていないものの、台枠107の大部分に固定されているため、上記ねじれ荷重に対する強度を向上させることができる。なお、波板60は1枚の継ぎ目のない板材によって形成されていてもよく、また車両幅方向に分割された複数の波板をつなぎ合わせるようにして形成されていてもよい。
吸熱層81は、熱を吸収するための層である。図7に示すように、吸熱層81は、波板60の上面に積層されている。吸熱層81は、セラミックウールの内部に吸熱材を散点させたものである。本実施形態では、吸熱材として熱膨張材であるバーミキュライトを使用している。本実施形態の吸熱層81は、吸熱材(バーミキュライト)が熱膨張するのに伴って全体も膨張する。また、吸熱層81に使用する吸熱材は、バーミキュライト以外の材料でもよいが、吸熱の開始温度が350〜550°Cであることが望ましい。あまり低い温度で吸熱し始めると、吸熱材としての機能を十分に発揮できないからである。吸熱層81としては、例えば住友スリーエム株式会社の耐熱・断熱材料M20Aなどが使用可能である。
熱分散層82は、面方向に熱を分散させるための層である。図7に示すように、熱分散層82は、吸熱層81の上面に積層されている。熱分散層82は、断熱材によって構成されている。熱分散層82を構成する断熱材は、特に限定されないが、グラスウール又はセラミックウールなどを用いることができる。上記のとおり熱分散層82は、断熱材によって構成されているため、熱を分散させる効果だけでなく、断熱効果も有している。なお、吸熱層81に含まれる「吸熱材」と熱分散層82を形成する「断熱材」の違いを簡単に説明すると、吸熱材は熱を吸収する吸熱反応を行う材料であるのに対し、断熱材は熱を吸収することはなく単に熱が伝わりにくい材料であるという点で両者は相違する。
床板83は、床部分の剛性を確保するための部材であり、いわゆる基材である。本実施形態に係る床板83は、合成樹脂の発泡材によって形成されている。床板83は、熱分散層82の上方に位置しており、波板60に積層された部材のうち最も大きな厚みを有している。なお、床板83を形成する材料は、合成樹脂の発泡材に限られず、これに代えて木材や、軽合金製ハニカム材など、床板に使用されている周知の材料を適用しても良い。また、床板83の車両幅方向端部は、側梁10の上段部14に載せられている。そして、床板83のうち車両幅方向端部以外の部分が受部材86により支持されている。このように床板83は受部材86で支持されるので、床板83は安定して保持される。すなわち、受部材86を用いずに、柔らかい(小さい弾性率を有する)吸熱層81及び熱分散層82の上にそのまま床板83を載せた場合、床板83が不安定になり、床パネル85の平面度を維持することができなくしまうおそれがあるが、受部材86を用いることでこれを防ぐことができる。
表面シート84は、床板83の上面に敷かれる敷材である。表面シート84は、例えばゴム製のシートであり、乗客が歩くことなどにより生じる衝撃を和らげることができる。また、表面シート84は、床下に配置された機器から発せられる騒音や振動が客室側に伝わりにくくする役割を果たす。なお、表面シート84は、ゴム製のシートに限られず、これに代えて塩化ビニル樹脂製シート、オレフィン系樹脂製シート、カーペット等、鉄道車両において一般的に用いられる敷材を適用することができる。
受部材86は、車両幅方向に延在し、床パネル85を支持する部材である。この受部材86は、例えばステンレス製である。また、受部材86は、横梁50の位置に対応して(すなわち横梁50の上方に)配置されている。さらに、受部材86は、その上面部分に相当する床板接触面87を有している。さらに、受部材86は、床板接触面87の車両長手方向の前端から波板60の各底面部61へ延びる脚部を有する。脚部は、第1脚部に相当する前脚部88と、床板接触面の車両長手方向の後端から波板60の各底面部61へ延びる、第2脚部に相当する後脚部89(図6参照)とをそれぞれ複数有している。このように、前脚部88及び後脚部89は底面部61に対応して設けられているが、全ての底面部61に対応しているわけではなく、軽量化のため車両幅方向で一つおきの底面部61に対応して設けられている。なお、受部材86が設置される箇所においては、受部材86と波板60の凸部62とは離間しているので、乗客荷重等の力は、各脚部から底面部61を介して横梁50へ伝わり、波板60に作用する荷重を小さくすることができる。
[フロアパン部の構成の概略]
フロアパン部90は、フロアパン70を有している。フロアパン70は、図3に示すように、側梁10、枕梁30、横梁50の間に配置される部材である。特に、本実施の形態では、波板60が配置されていない枕梁30−横梁50間に第1のフロアパン70と、横梁50−横梁50間に第2のフロアパン70とが配置される。
図5に示すように、フロアパン70は、いわゆるバスタブ構造を有する、例えばステンレス製の部材である。具体的には、フロアパン70は、矩形板状の底部71と、底部71の外縁から上方に延びる筒状の側壁部72と、側壁部72の上端部分から外方に延びる環状のフランジ部73と、によって主に構成されている。フランジ部73は、枕梁30、横梁50の上面に固定される。
フロアパン70の内部には、防音材(遮音材、吸音材、制振材、耐熱材を含む)が設けられる。上述のように、フロアパン70は枕梁30の近傍に配置されるので、台車102から社内に伝わる騒音や振動等を効率よく低減することができる。また、台枠107に大きな車端圧縮荷重が作用した場合であっても、フロアパン70自体は剛性が低いため、上記荷重が枕梁30に伝わっても、実質的に、そこからさらにフロアパン70を介して横梁50及び波板60へと伝わることはない。
台枠107に波板60及びフロアパン70が配置されたあと、これらの上面には吸熱層や断熱層が配設され、さらにその上には例えば合成樹脂からなる床板、さらに床板の上面に例えばゴム製の表面シート(敷材)が積層される。
[各構成の効果]
以上のように、本実施の形態に係る鉄道車両は、車両長手方向に延在する一対の側梁と、各側梁の車両長手方向端部において、車両幅方向に延在する端梁と、端梁よりも車両長手方向内方に位置し、車両幅方向に延在するとともに、台車に載置される枕梁と、端梁と枕梁の間に位置し、車両長手方向に延在する中梁と、枕梁よりも車両長手方向内方に位置し、車両幅方向に延在する複数の横梁と、横梁の上面に固定され、枕梁に対して車両長手方向に変位可能な波板とを備える。
かかる構成によれば、波板は枕梁に対して変位可能に設けられているため、台枠から波板に作用する車端圧縮荷重を低減することができ、波板が座屈したり永久変形したりすることを防ぐことができる。また、本実施形態に係る鉄道車両は、車端圧縮荷重による力が波板にかかりにくい構造であるため、波板の板厚や波高を大きくする必要がない。そのため、波板の板厚をスポット溶接可能な程度にまで薄く形成することができ、また波高も小さく抑えて車内空間を広くすることができる。さらに、本実施形態に係る鉄道車両は、台枠に波板が固定されているため、車体に作用するねじり荷重に対しても十分な剛性を確保することができる。
また、上記構成に加えて、本実施の形態に係る鉄道車両において、横梁は、波板と接合される上面部と、上面部と離間する下面部とを有し、上面部の車両長手方向の長さが、下面部の車両長手方向の長さよりも大きくてもよい。この構成により、横梁の上面部と波板との接合を、各横梁において車両長手方向に少なくとも2点でスポット溶接できるので、波板部の強度を向上させることができる。
また、上記構成に加えて、本実施の形態に係る鉄道車両において、波板は、横梁の上面に固定され、かつ枕梁と非接触であってもよい。この構成により、大きな車端圧縮荷重が作用しても、枕梁から波板に作用する当該荷重を防止することができる。
また、上記構成に加えて、本実施の形態に係る鉄道車両において、波板は、その車両長手方向端部が、各枕梁よりも車両長手方向内方となる位置に配置されてもよい。この構成により、波板は枕梁より車両長手方向内方に配置されるので、枕梁に伝わった車端圧縮荷重が波板に作用することを防止することができる。また、台枠に作用した車端圧縮荷重は、両端に配置された側梁に振り分けられ、さらに側構体に分散されるので、波板に作用する車端圧縮荷重を大幅に低減することができる。
また、上記構成に加えて、本実施の形態に係る鉄道車両は、枕梁と波板の車両長手方向端部との間にフロアパンをさらに備えてもよい。また、本実施の形態に係る鉄道車両は、枕梁から車両長手方向内方に向けて、第1のフロアパンと、横梁と、第2のフロアパンとが順に配置されてもよい。この構成により、台車からの騒音が最も車内に伝わりやすい位置に配置されたフロアパンに防音材等を敷き詰めることができるため、効率よく騒音を低減させることができる。なお、このフロアパンは剛性が低いため、車端圧縮荷重が枕梁からフロアパンを介して波板に伝わることはほとんどない。特に、枕梁から車両長手方向に沿って順に、第1のフロアパンと横梁と第2のフロアパンと波板とが配置されるので、枕梁からの距離を確保することができる。これにより、波板に作用する車端圧縮荷重を防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について図を参照して説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明に係る鉄道車両は、大きな車端圧縮荷重に耐えることができるため、鉄道車両の技術分野において有益である。
10 側梁
20 端梁
30 枕梁
40 中梁
50 横梁
60 波板
70 フロアパン
80 波板部
90 フロアパン部
100 鉄道車両
102 台車
103 車両本体

Claims (8)

  1. 車両長手方向に延在する一対の側梁と、
    各前記側梁の車両長手方向端部において、車両幅方向に延在する端梁と、
    前記端梁よりも車両長手方向内方に位置し、車両幅方向に延在するとともに、台車に載置される枕梁と、
    前記端梁と前記枕梁の間に位置し、車両長手方向に延在する中梁と、
    前記枕梁よりも車両長手方向内方に位置し、車両幅方向に延在する複数の横梁と、
    前記横梁の上面に固定され、前記枕梁に対して車両長手方向に変位可能な波板と、を備える、鉄道車両。
  2. フロアパンを有するフロアパン部をさらに備え、
    前記フロアパン部は、前記枕梁よりも車両長手方向内方に位置して前記枕梁に接続されており、
    前記複数の横梁の全部又は一部は、前記フロアパン部よりも車両長手方向内方に位置し、
    前記複数の横梁の全部又は一部の最も車両長手方向外方に位置する横梁は、前記フロアパン部に接続されている、請求項1に記載の鉄道車両。
  3. 前記横梁は、前記波板と接合される上面部と、前記上面部と離間する下面部とを有し、
    前記上面部の車両長手方向の長さが、前記下面部の車両長手方向の長さよりも大きい、請求項1又は2に記載の鉄道車両。
  4. 前記波板は、前記横梁の上面に固定され、かつ前記枕梁と非接触である、請求項1−にいずれか記載の鉄道車両。
  5. 前記波板は、その車両長手方向端部が、各前記枕梁よりも車両長手方向内方となる位置に配置される、請求項1−にいずれか記載の鉄道車両。
  6. 前記波板は、その車両長手方向端部が、各前記枕梁よりも車両長手方向内方となる位置に配置されており、前記フロアパン部は、前記枕梁と前記波板の車両長手方向端部との間に配置されている、請求項2に記載の鉄道車両。
  7. 前記枕梁から車両長手方向内方に向けて、第1のフロアパンと、前記横梁と、第2のフロアパンとが順に配置される、請求項6に記載の鉄道車両。
  8. 第1のフロアパンと第2のフロアパンとをさらに備え、
    前記複数の横梁は、少なくとも第1の横梁と第2の横梁とを含み、
    前記第1のフロアパンは、前記枕梁に接続され、
    前記第1の横梁は、前記第1のフロアパンに接続され、
    前記第2のフロアパンは、前記第1の横梁に接続され、
    前記第2の横梁は、前記第2のフロアパンに接続され、
    前記波板は、前記第2の横梁の上面に固定され、前記枕梁に対して車両長手方向に変位可能である、請求項1に記載の鉄道車両。
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