JP5931069B2 - 酸素還元触媒の製造方法ならびにその用途 - Google Patents

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Description

本発明は酸素還元触媒の製造方法ならびにその用途に関する。更に詳しくは、金属として鉄およびコバルトの少なくともいずれか一方を含有し、実用上十分な触媒能を有する酸素還元触媒の製造方法に関する。
固体高分子形燃料電池は、固体高分子電解質をアノードとカソードとで挟み、アノードに燃料を供給し、カソードに酸素または空気を供給して、カソードで酸素が還元されて電気を取り出す形式を有する燃料電池である。燃料には水素またはメタノールなどが主として用いられる。
従来、燃料電池の反応速度を高め、燃料電池のエネルギー変換効率を高めるために、燃料電池のカソード(空気極)表面やアノード(燃料極)表面には、触媒を含む層(以下「燃料電池用触媒層」とも記す。)が設けられていた。
この触媒として、一般的に貴金属が用いられており、貴金属の中でも高い電位で安定であり、活性が高い白金などが主として用いられてきた。しかし、これらの貴金属は価格が高く、また資源量が限られていることから、代替可能な触媒の開発が求められていた。
このような事情の下、貴金属代替触媒として、鉄を含む触媒の研究が進められている。
鉄は白金などの貴金属材料に比べて、安価であり、資源量が豊富である。
特許文献1には、活性炭と鉄タンパク質を熱処理して得られる鉄を含有する活性炭の製造方法が開示され、これを含有する燃料電池用触媒が記載されている。
特許文献2には、鉄塩、窒素含有化合物および炭水化物を混合し、これを不活性雰囲気で熱処理する工程を含む鉄含有炭素原料の製造方法が開示され、これを含む燃料電池用触媒が記載されている。
非特許文献1には、鉄たんぱく質のヘモグロビンを主成分として含む赤血球を熱処理して得られた鉄を含む炭素化物からなる触媒が開示されている。
非特許文献2には、鉄の大環状錯体を炭素材料に担持した後、不活性雰囲気中で熱処理することにより得られた、鉄原子が炭素材料に結合した触媒が開示されている。
非特許文献3には、鉄をアセチルアセトナト錯体またはフタロシアニン錯体として炭素原料有機物に混合し、これを炭素化して得られた金属アロイ炭素からなる燃料電池用触媒が開示されている。
しかし、上記従来の鉄を含む触媒などの貴金属代替触媒は、一定レベルの性能は有するが、酸素還元能が不十分であり、実用上満足できる性能を有していないのが実情であった。
特許第4555897号公報 特開2008−21638号公報
丸山純、阿部郁夫、炭素218、149(2005) 丸山純、阿部郁夫、炭素218、163(2005) 尾崎純一、炭素218、178(2005)
本発明はこのような従来技術における問題点の解決を課題とする。すなわち本発明の目的は、実用上十分な酸素還元能を有する貴金属代替触媒の製造方法を提供することである。
前記目的を達成する本発明は、たとえば以下の(1)〜(23)に関する。
(1)非酸化性雰囲気中での加熱により炭素および窒素の各元素を供給する化合物(i)、ならびに、
鉄及びコバルトの少なくとも一方の元素を含有する化合物(ii)、
を含む触媒前駆体を、
非酸化性雰囲気中で熱処理する工程を含むことを特徴とする酸素還元触媒の製造方法。
(2)前記化合物(ii)が、チタンを含まない化合物である前記(1)に記載の酸素還元触媒の製造方法。
(3)前記酸素還元触媒に含有される鉄及びコバルトの原子数の合計に対する前記触媒に含有される炭素の原子数の比率が、前記金属元素の原子数の合計を1とした場合、10以上、65以下である前記(1)または(2)に記載の酸素還元触媒の製造方法。
(4)前記化合物(i)及び化合物(ii)の少なくとも一方が、非酸化性雰囲気中での加熱により酸素原子を供給する化合物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
(5)前記化合物(ii)が、有機酸塩、無機酸塩、有機錯体、無機錯体、アルコキシドおよびその他の有機金属化合物から選ばれる少なくとも一種である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
(6)前記化合物(i)が、α-窒素カルボン酸である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
(7)前記α-窒素カルボン酸が、グリシン、グリシルグリシン、アラニン、アラニルアラニンおよびノルバリンから選ばれる少なくとも一種である前記(6)に記載の酸素還元触媒の製造方法。
(8)さらに、前記化合物(i)、前記化合物(ii)及び溶媒を混合して触媒前駆体溶液を調製した後、該触媒前駆体溶液から溶媒を除去して前記触媒前駆体を調製する工程を含む前記(1)〜(7)のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
(9)有機酸を用いて、前記触媒前駆体溶液のpHを4以下に調節する前記(8)に記載の酸素還元触媒の製造方法。
(10)前記有機酸が酢酸である前記(9)に記載の酸素還元触媒の製造方法。
(11)前記触媒前駆体溶液が、ケトン、アルコールまたはエーテルを1〜20質量%含む前記(8)〜(10)のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
(12)前記触媒前駆体溶液がケトンを含み、該ケトンが1,3−ジケトンであることを特徴とする前記(11)に記載の酸素還元触媒の製造方法。
(13)前記非酸化性雰囲気が、
窒素、アルゴン、アンモニアおよびシアン化水素から選ばれる少なくとも一種のガス雰囲気、または、
窒素、アルゴン、アンモニアおよびシアン化水素から選ばれる少なくとも一種のガスと水素、メタン、プロパン、ブタンおよび一酸化炭素から選ばれる少なくとも一種のガスとの混合ガス雰囲気である前記(1)〜(12)のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
(14)熱処理温度が800〜1100℃である前記(1)〜(13)のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
(15)熱処理の際の昇温速度が10〜40℃/minである前記(1)〜(14)のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
(16)前記(1)〜(15)のいずれかに記載の製造方法により得られることを特徴とする酸素還元触媒。
(17)酸素還元触媒に含まれる元素の内、鉄、コバルト、炭素、窒素および酸素の各原数の比を(鉄およびコバルトの原子数の合計):炭素の原子数:窒素の原子数:酸素の原数=1:x:y:zと表したとき、10≦x≦65、0<y≦2、0<z≦20である前記(16)に記載の酸素還元触媒。
(18)燃料電池用電極触媒である前記(16)または(17)に記載の酸素還元触媒。
(19)前記(18)に記載の酸素還元触媒を含むことを特徴とする燃料電池用触媒層。
(20)前記(19)に記載の燃料電池用触媒層とガス拡散層とを有することを特徴とする電極。
(21)カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードおよび/または前記アノードが前記(20)に記載の電極であることを特徴とする膜電極接合体。
(22)前記(21)に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池。
(23)前記(21)に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
本発明の酸素還元触媒の製造方法は、実用上十分な酸化還元能を有する、金属として鉄およびコバルトの少なくともいずれか一方を含有する酸素還元触媒を製造することができる。
図1は、触媒(1)の粉末X線回折スペクトルである。 図2は、燃料電池用電極(1)の酸素還元能を評価した電流−電位曲線を示す。 図3は、燃料電池用電極(1)、燃料電池用電極(34)および燃料電池用電極(35)の酸素還元能を評価した電流−電位曲線を示す。 図4は、燃料電池用電極(36)の酸素還元能を評価した電流−電位曲線を示す。
本発明の酸素還元触媒の製造方法は、非酸化性雰囲気中での加熱により炭素および窒素の各元素を供給する化合物(以下「炭素および窒素を供給する化合物」ともいう。)ならびに鉄およびコバルトの少なくとも一方の元素を含有する化合物(以下「鉄および/またはコバルトを含有する化合物」ともいう。)を含む触媒前駆体を、非酸化性雰囲気中で熱処理する工程を含むことを特徴とする。
本発明の酸素還元触媒の製造方法は、好ましくは、炭素および窒素を供給する化合物ならびに鉄および/またはコバルトを含有する化合物を混合して触媒前駆体を調製する工程1と、該工程1で得られた触媒前駆体を、非酸化性雰囲気中で熱処理する工程2とを含む。
工程1
工程1は、炭素および窒素を供給する化合物ならびに鉄および/またはコバルトを含有する化合物を混合して触媒前駆体を調製する工程であり、好ましくは、炭素および窒素を供給する化合物、鉄および/またはコバルトを含有する化合物並びに溶媒を混合して溶液(以下「触媒前駆体溶液」とも記す。)を調製する工程(I)、および前記触媒前駆体溶液から溶媒を除去して触媒前駆体を調製する工程(II)を含む。
工程1においては、鉄およびコバルト以外の金属元素を含有する化合物を用いてもよく、工程(I)において、炭素および窒素を供給する化合物、鉄および/またはコバルトを含有する化合物、鉄およびコバルト以外の金属元素を含有する化合物並びに溶媒を混合して触媒前駆体溶液を調製してもよい。
<炭素および窒素を供給する化合物>
炭素および窒素を供給する化合物とは、非酸化性雰囲気中で加熱されることにより、前記酸素還元触媒に、該触媒の構成元素である炭素および該触媒の構成元素である窒素を、触媒前駆体を介して供給する化合物、すなわち前記酸素還元触媒の炭素源および窒素源となる化合物である。
前記非酸化性雰囲気とは、被熱処理物を酸化させることがない雰囲気、すなわち、不活性または還元性雰囲気であり、具体的には後述の熱処理雰囲気が挙げられる。
前記加熱とは、好ましくは、管理された雰囲気下でヒーター等により所定の温度まで、所定の速度で昇温し、また所定の温度で保持することであり、具体的には後述の熱処理が挙げられる。
前記炭素および窒素を供給する化合物は、分子中に少なくとも炭素原子および窒素原子を含む化合物であり、たとえば、アミノ基、ニトリル基、イミド基、イミン基、ニトロ基、アミド基、アジド基、アジリジン基、アゾ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、オキシム基、ジアゾ基、ニトロソ基などの官能基、またはピロール環、ポルフィリン環、ピロリジン環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピペリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、プリン環等の環(これらの官能基および環をまとめて「含窒素分子団」ともいう。)を有する有機化合物である。このような有機化合物としては、たとえば、メラミン、エチレンジアミン、トリアゾール、アセトニトリル、アクリロニトリル、エチレンイミン、アニリン、ピロール、及びそれらの塩などが挙げられる。また、炭素および窒素を供給する化合物は、前記化合物のポリマーであっても良く、たとえば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
前記炭素および窒素を供給する化合物は、非酸化性雰囲気中での加熱により、前記酸素還元触媒の構成元素である酸素を供給する化合物でもあることが好ましい。これらの化合物は酸素還元触媒の構成元素である炭素、窒素および酸素を同一化合物から得ることができるという利点がある。そのような化合物は分子中に少なくとも炭素、窒素および酸素の各元素を含む化合物であり、窒素含有官能基を有するカルボン酸が好ましい。
窒素含有官能基を有するカルボン酸としてはα―窒素カルボン酸がより好ましく、アミノ基およびカルボキシル基を有するα−アミノ酸およびにその誘導体がさらに好ましい。
アミノ酸およびその誘導体として、特に好ましくはグリシン、グリシルグリシン、アラニン、アラニルアラニン、ノルバリンが挙げられる。α−窒素カルボン酸とは、カルボキシル基が結合した炭素原子に、窒素含有官能基の窒素原子が結合した構造を有する化合物である。
前記炭素および窒素を供給する化合物としては、前記鉄および/またはコバルトを含有する化合物中の鉄および/またはコバルトに配位可能な配位子となり得る化合物が好ましく、単核の錯体を形成し得る化合物がより好ましい。さらには、多座配位子となり得る化合物、つまりキレートを形成し得る化合物が好ましく、その中でも、2座配位子または3座配位子となり得る化合物がさらに好ましい。前記炭素および窒素を供給する化合物が、キレートを形成し得る化合物であると、キレート効果により安定な金属(Fe,Co)−(O、N)結合を生成できるという利点がある。このようなキレートを形成し得る化合物としては、前述したアミノ酸の他にエチレンジアミン等が挙げられる。
<鉄および/またはコバルトを含有する化合物>
前記鉄および/またはコバルトを含有する化合物は、酸素還元触媒に、該触媒を構成する金属元素(すなわち鉄およびコバルトの少なくとも一方の元素)を供給する化合物である。前記鉄および/またはコバルトを含有する化合物は、鉄およびコバルト以外の金属元素を含んでいてもよい。ただし、触媒前駆体がチタンを含まないように、前記鉄および/またはコバルトを含有する化合物はチタンを含まない化合物であることが好ましい。チタンを含まない触媒前駆体からは、非チタン系の触媒を得ることができる。
前記鉄および/またはコバルトを含有する化合物は、金属元素として鉄を含有していると活性の高い酸素還元触媒が得られるので好ましく、金属元素として鉄元素のみを含有しているとより活性の高い酸素還元触媒が得られるのでさらに好ましい。
前記鉄および/またはコバルトを含有する化合物が、前記炭素および窒素を供給する化合物と同一の化合物であってもよい。この場合には触媒前駆体は、前記炭素および窒素を供給する化合物ならびに鉄および/またはコバルトを含有する化合物として、その化合物のみを含んでいればよい。
触媒前駆体に鉄およびコバルトを含ませる場合には、鉄および/またはコバルトを含有する化合物として、同一分子中に鉄およびコバルトを含有する化合物を用いても良いし、鉄を含有する化合物とコバルトを含有する化合物の2種を用いてもよい。
前記鉄および/またはコバルトを含有する化合物は、鉄およびコバルトの少なくとも一方の元素を含有する有機酸塩、無機酸塩、有機錯体、無機錯体、アルコキシドおよびその他の有機金属化合物から選ばれる一種以上を含むことが好ましい。
前記有機酸塩としては、酢酸塩、グルコン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩等が挙げられ、これらの中でも酢酸塩が、水への溶解度が高いという点で好ましい。
前記無機酸塩としては、塩化物塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が挙げられ、これらの中でも塩化物塩が、水への溶解度が高いという点で好ましい。
前記有機錯体としては、アセチルアセトナト錯体、1,10-フェナントロリン錯体、テトラフェニルポルフィリン錯体、エチレンジアミン四酢酸錯体等が挙げられ、これらの中でもアセチルアセトナト錯体が、水系、有機系いずれも溶けやすいという点で好ましい。
前記無機錯体としては、シアノ錯体、アンミン錯体、ニトロシル錯体、チオシアン錯体等が挙げられ、これらの中でもシアノ錯体が、水への溶解度が高いという点で好ましい。
前記アルコシドとしては、エトキシド、メトキシド、プロポキシド等が挙げられ、これらの中でもエトキシドが、比較的安価で入手しやすいという点で好ましい。
前記その他の有機金属化合物としては、シクロペンタジニエル化合物、シクロペンタジニエル化合物の誘導体等が挙げられ、これらの中でもシクロペンタジニエル化合物およびその誘導体が好ましい。
前記鉄および/またはコバルトを含有する化合物は、非酸化性雰囲気中での加熱により、前記酸素還元触媒の構成元素である酸素を供給する化合物であることが好ましい。
なお、酸素を供給する化合物とは、前記酸素還元触媒に、該触媒の構成元素である酸素を、触媒前駆体を介して供給する化合物であり、すなわち、前記酸素還元触媒の酸素源となる化合物である。
本発明の酸素還元触媒の製造方法においては、前記炭素および窒素を供給する化合物ならびに前記鉄および/またはコバルトを含有する化合物の少なくとも一方の化合物が、前記酸素を供給する化合物であることが好ましい。
<溶媒>
前記溶媒としては、たとえば水、アルコール類および酢酸が挙げられる。アルコール類としては、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよびエトキシエタノールが好ましく、エタノールおよびメタノールさらに好ましい。溶解性を増すために、前記溶媒に酸を含有させることが好ましく、酸としては、酢酸、硝酸、塩酸、リン酸およびクエン酸が好ましく、溶媒も兼ねる酢酸がさらに好ましい。これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<触媒前駆体の調製>
工程(I)において、触媒前駆体溶液を調製する手順としては、たとえば、下記手順 (i)および手順 (ii) が挙げられる。
手順(i):すべての必要な化合物を1つの溶媒と混合する。
手順(ii):必要な化合物ごとにそれぞれを溶媒に混合し原料化合物溶液を得て、それらの原料化合物溶液を混合する。この際に使用する溶媒は、すべて異なる種類であってもよいし、同一の溶媒であっても良い。
ここで示した必要な化合物とは、炭素および窒素を供給する化合物、鉄および/またはコバルトを含有する化合物、必要に応じて添加する鉄およびコバルト以外の金属を含有する化合物、必要に応じて添加するその他の化合物である。
触媒前駆体溶液は、好ましくは沈殿物や分散質を含まないが、これらを少量(たとえば溶液全量の10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下。)含んでいてもよい。
手順(ii)において、2種以上の原料化合物溶液を混合したときに沈殿物や分散質が生成する場合がある。これらには鉄および/またはコバルトを含有する化合物と、炭素および窒素を供給する化合物との反応生成物が含まれると考えられるので、触媒前駆体溶液の中に沈殿物や分散質が含まれていてもかまわない。
手順(ii)において、原料化合物溶液混合中に沈殿物や分散質を生じる場合には、原料化合物溶液に沈殿物や分散質を含まない溶液を用い、少量ずつ添加するなどして、沈殿物や分散質が急速に発生しないように混合することが好ましい。
工程(I)は、オートクレーブ等の加圧可能な容器を用いて、常圧以上の圧力をかけながら、混合を行ってもよい。
工程(I)は、操作に悪影響が現れない範囲で加温または冷却をして行ってもかまわない。工程(I)を行う温度範囲は、たとえば、0〜90℃である。工程(I) の温度が低すぎる場合には、鉄および/またはコバルトを含有する化合物と炭素および窒素を供給する化合物との錯体形成が不十分になったり、混合が不十分になったりする懸念がある。
また、温度が高すぎる場合には、鉄および/またはコバルトが水酸化物として析出してしまう懸念がある。
工程(I)において、前記炭素および窒素を供給する化合物と鉄および/またはコバルトを含有する化合物との混合比率は、両化合物に含まれる鉄の物質量とコバルトの物質量との合計Mモルと、両化合物に含まれる炭素原子の物質量Aモルとの比(A/M)が、好ましくは500以下、より好ましくは400以下、特に好ましくは300以下となるように決定され、良好な活性の触媒を得るという観点から、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、特に好ましくは30以上となるように決定される。
また、工程(I)において、前記炭素原子および窒素原子を供給する化合物と鉄および/またはコバルトを含有する化合物との混合比率は、両化合物に含まれる鉄の物質量とコバルトの物質量との合計Mモルと、両化合物に含まれる窒素の物質量Bモルとの比(B/M)が、好ましくは200以下、より好ましくは150以下、特に好ましくは120以下となるように決定され、良好な活性の触媒を得るという観点から、好ましくは20以上、より好ましくは30以上、特に好ましくは40以上となるように決定される。
工程(I)における溶媒の量としては、原料を混和あるいは溶解させるに充分な量とすればよい。
触媒前駆体溶液を調製するときに、触媒前駆体溶液中の沈殿抑制剤の濃度が1〜20質量%、好適には1〜10質量%となるように、沈殿抑制剤を用いることが好ましい。この場合の沈殿抑制剤としては、ケトン、アルコールまたはエーテルが好ましい。特に、ジケトン構造を有する化合物が好ましく、1,3−ジケトンであるアセチルアセトンおよびジメドン等が特に好ましい。このような沈殿抑制剤を用いると、鉄および/またはコバルトを含有する化合物に由来する沈殿の発生を抑制できる。また、鉄および/またはコバルトを含有する化合物と炭素および窒素を供給する化合物との反応生成物を安定的に合成することができる。
沈殿抑制剤は溶媒として用いてもよいし、単独で添加してもよい。手順(ii)において沈殿抑制剤を用いる場合の好ましい方法は、沈殿抑制剤を、鉄および/またはコバルトを含有する化合物を含む原料化合物溶液に添加するか、溶媒として用いる方法である。
工程(I)における混合操作は、溶媒への各成分の溶解速度を高めるために、撹拌しながら行うことが好ましい。さらに、全量を一度に混合しないことも好ましい。混合する方法としては、これらの化合物を均一に混合できる方法であれば特に制限はない。たとえば、回転せん断流による方法または超音波による方法等が挙げられる。
触媒前駆体溶液を調製するとき、酸を用いて触媒前駆体溶液のpHを4以下に調節することが好ましく、3.5以下に調節することがより好ましい。触媒前駆体溶液のpHをこのように調節すると、加水分解の抑止および沈殿の抑止をより効率的に図ることができる。なお、本発明におけるpH値は25℃での値で表す。
使用する酸としては前述した酸が挙げられる。好ましくは有機酸であり、具体的には酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸等を挙げることができ、これらの中でも特に酢酸が、後述する工程(II)で溶媒として除去が可能である点、および取り扱いが簡便である点で特に好ましい。
工程(II)では、工程(I)で得られた触媒前駆体溶液から溶媒を除去して触媒前駆体を調製する。
溶媒の除去は大気下で行ってもよく、溶媒除去の温度下での不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスまたはヘリウムガス等)雰囲気下で行ってもよい。不活性ガスとしては、コストの観点から、窒素ガスおよびアルゴンガスが好ましく、窒素ガスがより好ましい。
溶媒除去の際の温度は、次に述べる下限温度から上限温度の範囲であることが好ましい。前記下限温度は、溶媒の蒸気圧が大きい場合には常温であってもよいが、触媒の量産性の観点から、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上である。また、前記上限温度は、工程1で得られる溶液中に含まれる、金属錯体であると推定される触媒前駆体を分解させないという観点から、好ましくは250℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは110℃以下である。
溶媒の除去は、溶媒の蒸気圧が大きい場合には大気圧下で行ってもよいが、より短時間で溶媒を除去するため、減圧(たとえば、0.1Pa〜0.1MPa)下で行ってもよい。また、触媒前駆体溶液を静置した状態で溶媒の除去を行ってもよいが、より均一な固形分残渣を得るためには、触媒前駆体溶液を撹拌しながら溶媒を除去することが好ましい。
撹拌しながら溶媒を除去する方法としては、たとえば、ロータリーバキュームエバポレーターを用いた方法やスプレードライ法を挙げることができる。
溶媒の除去の方法、あるいは前記化合物の性状によっては、工程1で得られた触媒前駆体の組成または凝集状態が不均一であることがある。このような場合であっても、触媒前駆体を、混合し、解砕して、より均一、微細な粉末としたものを工程2に用いると、粒径がより均一な触媒を得ることができる。触媒前駆体の混合および解砕には、たとえば、ボールミル、乳鉢、自動混練乳鉢等を用いることができる。
触媒前駆体は単一の化合物であってもかまわないし、複数の化合物の混合物であってもかまわない。また、粉体として取り扱えるのであれば、溶媒類が残存していても構わない。
工程2
工程2においては工程1で得られた触媒前駆体を非酸化性雰囲気中で熱処理する。
非酸化性雰囲気としては、窒素、アルゴン、アンモニアおよびシアン化水素から選ばれる一種以上のガス雰囲気、または、窒素、アルゴン、アンモニアおよびシアン化水素から選ばれる一種以上のガスと水素、メタン、プロパン、ブタンおよび一酸化炭素から選ばれる一種以上のガスとの混合ガス雰囲気であることが好ましい。雰囲気が、窒素、アルゴン、アンモニアおよびシアン化水素から選ばれる一種以上のガス雰囲気からなると、触媒への必要以上の酸化を抑制することや組成の安定化が図れて好ましい。雰囲気が、窒素、アルゴン、アンモニアおよびシアン化水素から選ばれる一種以上のガスと、水素、メタン、プロパン、ブタンおよび一酸化炭素から選ばれる一種以上のガスとの混合ガス雰囲気からなると、触媒への必要以上の酸化をより効率的に抑制することが出来て好ましい。これらの中でも、活性の高い触媒が得られることから、アルゴンガス雰囲気が特に好ましい。
前記混合ガスを使用する場合、その混合ガスに占める、水素、メタン、プロパン、ブタンおよび一酸化炭素から選ばれる一種以上のガスの混合割合としては、1〜5体積%がよい。
ガス雰囲気の圧力は特に限定されず、製造の安定性とコストなどを考慮して大気圧下で熱処理を行ってもよい。この条件でも好ましい酸素還元触媒を得ることができる。
前記熱処理の方法としては、たとえば、静置法(例えば電気炉を用いる方法)、攪拌法(例えばロータリーキルンを用いる方法)、落下法、粉末捕捉法が挙げられる。触媒活性の特に高い触媒を得たい場合には、熱処理には、厳密な温度制御が可能な、電気ヒーター類を熱源とした電気炉を用いることが望ましい。
熱処理温度や昇温速度は熱処理方法によって異なる。
静置法や攪拌法を用いる場合、触媒前駆体の熱処理温度は、好ましくは800〜1100℃の範囲であり、より好ましくは850〜1100℃の範囲である。熱処理温度が前記範囲内であると、触媒活性点の生成に十分であり、また触媒が焼結を起こさない点で好ましい。
前記熱処理温度まで昇温するときの昇温速度は、好ましくは10〜40℃/minであり、さらに好ましくは15〜25℃/minである。昇温速度が前記範囲内であると、得られる酸素還元触媒のBET比表面積を最大化できるという利点がある。
昇温後の保持時間については、保持時間が長すぎると粒子成長および焼結などにより触媒能の低下を招き、さらにコスト的にも不利になるので、10分間〜5時間が好ましく、さらに好ましくは15〜120分間である。
前記熱処理の後には、熱処理物を解砕してもよい。解砕を行うと、得られた触媒を用いて電極を製造する際の加工性、および得られる電極の特性を改善できることがある。この解砕には、たとえば、ボールミル、小径ボールミル、乳鉢、自動混練乳鉢、またはジェトミルを用いることができる。
<酸素還元触媒>
本発明の酸素還元触媒は、上述した本発明の酸素還元触媒の製造方法により製造されることを特徴としている。
上記製造方法で得られる酸素還元触媒は、金属元素として鉄およびコバルトの少なくともいずれか一方を含有する。本酸素還元触媒は、鉄およびコバルト以外の金属元素を含んでいてもよいが、貴金属を含ませずに貴金属代替触媒として、また、チタンを含ませずに非チタン系の触媒としても十分機能する。
本発明の酸素還元触媒は、金属元素として鉄を含有していると、特に高活性となるので好ましい。
前記酸素還元触媒を構成する鉄およびコバルトの原子数の合計、炭素の原子数、窒素の原子数および酸素の原子数の比を、(鉄およびコバルト):炭素:窒素:酸素=1:x:y:zと表すと、好ましくは、10≦x≦65、0<y≦2、0<z≦20である。
酸素還元触媒の活性が高いことから、xの範囲は、より好ましくは20≦x≦50、特に好ましくは35≦x≦45であり、yの範囲は、より好ましくは0.1≦y≦1.5、特に好ましくは0.3≦y≦1.2であり、zの範囲は、より好ましくは0.3≦z≦8であり、特に好ましくは1≦z≦7である。
前記x、yおよびzの値は、後述する実施例で採用した方法により測定した場合の値である。
本発明の酸素還元触媒が含有しうる鉄およびコバルト以外の金属元素としては、ニッケル等が挙げられる。
本発明の酸素還元触媒は、好ましくは、鉄およびコバルトの少なくともいずれか一方、炭素、窒素および酸素の各原子を有し、鉄およびコバルトの少なくともいずれか一方の酸化物、炭化物または窒化物単独あるいはこれらのうちの複数の結晶構造を有する。前記触媒に対するX線回折分析による結晶構造解析の結果と、元素分析の結果とから判断すると、前記触媒は、鉄およびコバルトの少なくともいずれか一方の酸化物構造を有したまま、酸化物構造の酸素原子のサイトを炭素原子または窒素原子で置換した構造、あるいは鉄およびコバルトの少なくともいずれか一方の炭化物、窒化物または炭窒化物の構造を有したまま、炭素原子または窒素原子のサイトを酸素原子で置換した構造を有するか、あるいはこれらの構造を含む混合物ではないかと推測される。
本発明の酸素還元触媒の製造方法によれば、熱処理後に遊星ボールミル等の強い解砕処理を行わなくても比表面積の大きな酸素還元触媒が製造される。本発明の触媒のBET法で算出される比表面積は、好ましくは150m2/g以上、より好ましくは150〜700m2/g、さらに好ましくは200〜700m2/gである。
前記酸素還元触媒を燃料電池用電極触媒とした場合の、下記電極を用いた触媒の酸素還元能の評価に従って測定される酸素還元開始電位は、可逆水素電極を基準として好ましくは0.5V(vs.RHE)以上である。
電極を用いた触媒の酸素還元能の評価:
(電極の作成)
触媒を30mg及びカーボン7.5mgを溶媒1.2ml中に入れ、超音波で攪拌し懸濁液を得る。なお、前記カーボンとしては、カーボンブラック(比表面積:100〜900m2/g)(例えばライオン社製 KetjenBlack(登録商標)EC−600JD)を用いる。また、前記溶剤としては、イソプロピルアルコール:水(質量比)=1:1を用いる。
前記懸濁液に5%NAFION(登録商標)溶液(デュポン社製 DE521)を37.5μl添加し混合する。この懸濁液を混合しながら10μLを採取し、すばやくグラッシーカーボン電極(直径:5.2mm)上に滴下し、120℃で5分間乾燥させる。乾燥することにより触媒を含む燃料電池用触媒層が、グラッシーカーボン電極上に形成される。この滴下及び乾燥操作を、カーボン電極表面に1.0mgの燃料電池触媒層が形成されるまで行う。
(電流−電位曲線の測定と酸素還元電流密度の算出方法)
前述したようにして得られた電極を用いて、酸素雰囲気及び窒素雰囲気で、0.5mol/Lの硫酸水溶液中、30℃の温度で、同濃度の硫酸水溶液中での可逆水素電極を参照電極とし、5mV/秒の電位走査速度で分極することにより電流−電位曲線を測定する。
本発明において、酸素還元電流密度は、以下のとおり求めることができる。
まず、上記触媒の単極評価でえられた酸素雰囲気での電流−電位曲線および窒素雰囲気での電流−電位曲線から、特定の電位(たとえば0.75V(vsRHE))における、酸素雰囲気での還元電流と窒素雰囲気での還元電流との差を算出する。算出した値を、さらに電極面積で除した値を酸素還元電流密度(mA/cm2)とする。
<用途>
本発明の酸素還元触媒は、白金触媒の代替触媒として使用することができる。したがって、本発明の酸素還元触媒は燃料電池用電極触媒や空気電池用電極触媒として使用することができる。
また本発明の燃料電池は、固体高分子型(PEFC)の燃料電池であり、後述する膜電極接合体を備えることを特徴としている。燃料としては水素並びに、メタノールおよびエタノールなどのアルコールを用いることができる。水素は常圧でもよいし加圧しても良い。アルコールはそのまま用いても良いし、水溶液で用いても良い。酸素源は酸素でも良いし空気でも良く、常圧でも加圧しても良い。また、空気は、酸素富化膜などを用いて酸素濃度を高くしても良い。
本発明の触媒を用いた燃料電池は、白金を触媒として用いた燃料電池と比較してきわめて安価であるという特徴を持つ。本発明の燃料電池は、発電機能、発光機能、発熱機能、音響発生機能、運動機能、表示機能および充電機能からなる群より選ばれる少なくとも一つの機能を有し、燃料電池を備える物品の性能を向上させることができる。前記燃料電池は、好ましくは物品の表面または内部に備えられる。
前記触媒は、耐久性に優れ、酸素還元能が大きいので、カソード触媒層に用いることが好ましい。本発明の燃料電池用触媒層は前記触媒を含むことを特徴としている。
本発明の燃料電池用触媒層は、高い酸素還元能を有し、酸性電解質中において高電位であっても腐蝕しにくい触媒を含むため、燃料電池のカソードに設けられる触媒層(カソード用触媒層)として有用である。特に固体高分子型燃料電池が備える膜電極接合体のカソードに設けられる触媒層に好適に用いられる。
本発明の燃料電池用触媒層は、好ましくは、電子伝導性粒子をさらに含む。前記触媒を含む燃料電池用触媒層がさらに電子伝導性粒子を含む場合には、還元電流をより高めることができる。電子伝導性粒子は、前記触媒に、電気化学的反応を誘起させるための電気的接点を生じさせるため、還元電流を高めると考えられる。
電子伝導性粒子の材質としては、炭素、導電性高分子、導電性セラミックス、金属または酸化タングステンもしくは酸化イリジウムなどの導電性無機酸化物が挙げられ、それらを1種単独または組み合わせて用いることができる。特に、炭素からなる電子伝導性粒子は、比表面積が大きく、安価に粉末として小粒径のものを入手しやすく、また、耐薬品性、耐高電位性に優れる。そのため、電子伝導性粒子として、炭素単独、複数種類の炭素の混合物または炭素とその他の電子伝導性粒子との混合物が好ましい。すなわち燃料電池用触媒層としては、前記触媒と炭素とを含むことが好ましい。
炭素としては、カーボンブラック、グラファイト、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、多孔体カーボン、グラフェンなどが挙げられる。炭素からなる電子伝導性粒子の粒径は、小さすぎると電子伝導パスが形成されにくくなり、また大きすぎると燃料電池用触媒層のガス拡散性の低下や触媒の利用率の低下が起こる傾向があるため、好ましくは10〜1000nmであり、より好ましくは10〜100nmである。
電子伝導性粒子が炭素からなる場合、前記触媒と電子伝導性粒子との質量比(触媒:電子伝導性粒子)は、好ましくは1:1〜1:0.01である。
前記導電性高分子としては特に限定は無いが、例えばポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリアニリン、ポリアルキルアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリインドール、ポリ−1,5−ジアミノアントラキノン、ポリアミノジフェニル、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(キノリニウム)塩、ポリピリジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン、及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンが好ましく、ポリピロールがより好ましい。これら導電性高分子には高い導電性を得るためのドーパントが含まれていてもよい。
前記燃料電池用電極触媒層は、好ましくは高分子電解質をさらに含む。前記高分子電解質としては、燃料電池用触媒層において一般的に用いられているものであれば特に限定されない。具体的には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(例えば、ナフィオン(NAFION(登録商標)))、スルホン酸基を有する炭化水素系高分子化合物、リン酸などの無機酸をドープさせた高分子化合物、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン伝導体などが挙げられる。これらの中でも、tetrafluoroethyleneとperfluoro[2-(fluorosulfonylethoxy)propylvinyl ether]との共重合体が好ましい。前記燃料電池用触媒層を形成する際の該共重合体の供給源としては、5%ナフィオン(NAFION(登録商標))溶液(DE521、デュポン社)などが挙げられる。
本発明の燃料電池用触媒層は、アノード触媒層またはカソード触媒層のいずれにも用いることができる。
燃料電池用触媒層の形成方法としては、特に制限はないが、たとえば、前記触媒と電子伝導性粒子と電解質とを含む懸濁液を、後述する電解質膜またはガス拡散層に塗布する方法が挙げられる。前記塗布する方法としては、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法、バーコート法などが挙げられる。また、前記触媒と電子伝導性粒子と電解質とを含む懸濁液を、塗布法またはろ過法により基材に燃料電池用触媒層を形成した後、転写法で電解質膜に燃料電池用触媒層を形成する方法が挙げられる。
本発明の電極は、前記燃料電池用触媒層と多孔質支持層とを有することを特徴としている。
本発明の電極は、耐久性に優れ、触媒能が大きいので、カソードに用いるとより産業上の優位性が高い。
多孔質支持層とは、ガスを拡散する層(以下「ガス拡散層」とも記す。)である。ガス拡散層としては、電子伝導性を有し、ガスの拡散性が高く、耐食性の高いものであれば何であっても構わないが、一般的にはカーボンペーパー、カーボンクロスなどの炭素系多孔質材料や、軽量化のためにステンレス、耐食材を被覆したアルミニウム箔が用いられる。
本発明の膜電極接合体は、カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードおよび/または前記アノードが、前記電極であることを特徴としている。
電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系を用いた電解質膜または炭化水素系電解質膜などが一般的に用いられるが、高分子微多孔膜に液体電解質を含浸させた膜または多孔質体に高分子電解質を充填させた膜などを用いてもよい。
<本発明の燃料電池を備えた物品の具体例>
本発明の燃料電池を備えることができる前記物品の具体例としては、ビル、家屋、テント等の建築物、蛍光灯、LED等、有機EL、街灯、屋内照明、信号機等の照明器具、機械、車両そのものを含む自動車用機器、家電製品、農業機器、電子機器、携帯電話等を含む携帯情報端末、美容機材、可搬式工具、風呂用品トイレ用品等の衛生機材、家具、玩具、装飾品、掲示板、クーラーボックス、屋外発電機などのアウトドア用品、教材、造花、オブジェ、心臓ペースメーカー用電源、ペルチェ素子を備えた加熱および冷却器用の電源が挙げられる。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
また、実施例および比較例における評価は、下記の方法により行った。
[分析方法]
1.元素分析
炭素:試料約0.1gを量り取り、堀場製作所 EMIA−110で測定を行った。
窒素・酸素:試料約0.1gを量り取り、Ni−Cupに封入後、ON分析装置で測定を行った。
遷移金属元素:試料約0.1gを白金皿に量り取り、酸を加えて加熱分解した。この加熱分解物を定容後、希釈し、ICP−MSで定量を行った。
2.粉末X線回折
理学電機株式会社製ロータフレックスを用いて、試料の粉末X線回折を行った。
3.BET比表面積
試料を0.15g採取し、全自動BET比表面積測定装置 マックソーブ((株)マウンテック製)で比表面積測定を行った。前処理時間、前処理温度は、それぞれ30分、200℃に設定した。
4.電極を用いた触媒の酸素還元能の評価
(1)電極の作製
得られた触媒30mgとカーボンブラック7.5mg(ライオン社製 KetjenBlack EC−600JD)とを、イソプロピルアルコールと純水とを1:1の質量比で混合した溶液1.2mlに入れ、超音波を照射し分散させ、混合した。この懸濁液に5%NAFION(登録商標)溶液(デュポン社製 DE521)を37.5μl添加しさらに混合した。
この懸濁液を混合しながら10μLを採取し、すばやくグラッシーカーボン電極(直径:5.2mm)上に滴下し、120℃で5分間乾燥させた。乾燥することにより触媒を含む燃料電池用触媒層が、グラッシーカーボン電極上に形成される。この滴下及び乾燥操作を、カーボン電極表面に1.0mgの燃料電池触媒層が形成されるまで行った。
(2)酸素還元能の評価
上記(1)にて作製した電極を、酸素雰囲気および窒素雰囲気で、0.5mol/Lの硫酸水溶液中、30℃、5mV/秒の電位走査速度で分極し、電流−電位曲線を測定した。その際、同濃度の硫酸水溶液中での可逆水素電極を参照電極とした。
上記電流−電位曲線の測定結果において、0.75V(vsRHE)における、酸素雰囲気での還元電流と窒素雰囲気での還元電流との差を算出し、その値をさらに電極面積で除した値を酸素還元電流密度(mA/cm2)とした。この酸素還元電流密度により、作製した燃料電池用電極の触媒能を評価した。
すなわち、酸素還元電流密度が大きいほど、燃料電池用電極における触媒の触媒能が高いことを示す。
[実施例1]
グリシン10.043gおよび酢酸鉄0.582gを秤採り、水120mlに溶解して、水溶液を得た。アセチルアセトン5.118mlに酢酸32mlを加えて得られた混合液を前記水溶液に加えて、よく撹拌した。得られた溶液のpHは3.3であった。得られた溶液を、エバポレーターを用いて水浴上60℃で処理し、乾固させた。得られた固形物を乳鉢で粉砕した。この粉砕物を石英管状炉に入れ、炉内を、水素ガスを4体積%含む水素ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気とした。炉内温度を昇温速度20℃/minで900℃まで昇温し、60分間保持して、前記粉砕物を熱処理した。その後、自然冷却し、鉄炭窒酸化物を得た。得られた鉄炭窒酸化物を乳鉢で粉砕して試料粉末(以下「触媒(1)」とも記す。)とした。
触媒(1)の粉末X線回折スペクトルを図1に示す。
触媒(1)の元素分析結果を表1に示す。鉄の原子数、炭素の原子数、窒素の原子数および酸素の原子数の比を、鉄:炭素:窒素:酸素=1:x:y:zと表した場合のx、yおよびzを表1に示した。
図2に、酸素還元能の評価により得られた電流−電位曲線を示す。
酸素還元能の評価により得られた触媒(1)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表1に示す。この酸素還元電流密度から触媒(1)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(1)とする。
[実施例2]
グリシン10.043gに替えてアラニン11.919gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(2)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.2であった。
触媒(2)の元素分析結果を表1に示す。鉄の原子数、炭素の原子数、窒素の原子数および酸素の原子数の比を、鉄:炭素:窒素:酸素=1:x:y:zと表した場合のx、yおよびzを表1に示した。
酸素還元能の評価により得られた触媒(2)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表1に示す。この酸素還元電流密度から触媒(2)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(2)とする。
[実施例3]
グリシン10.043gに替えてグリシルグリシン8.838gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(3)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.3であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(3)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表1に示す。この酸素還元電流密度から触媒(3)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(3)とする。
[実施例4]
グリシン10.043gに替えてポリビニルピロリドン14.869gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(4)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.4であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(4)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表1に示す。この酸素還元電流密度から触媒(4)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(4)とする。
[実施例5]
グリシン10.043gに替えてエチレンジアミン8.93mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(5)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.3であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(5)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表1に示す。この酸素還元電流密度から触媒(5)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(5)とする。
[実施例6]
酢酸鉄0.582gに替えてヘキサシアノ鉄(II)アンモニウムn水和物(和光純薬工業社製)1.039gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(6)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.7であった。
触媒(6)の元素分析結果を表2に示す。鉄の原子数、炭素の原子数、窒素の原子数および酸素の原子数の比を、鉄:炭素:窒素:酸素=1:x:y:zと表した場合のx、yおよびzを表2に示した。
酸素還元能の評価により得られた触媒(6)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表2に示す。この酸素還元電流密度から触媒(6)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(6)とする。
[実施例7]
酢酸鉄0.582gに替えてフェロセン0.621gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(7)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは4.8であった。
触媒(7)の元素分析結果を表2に示す。鉄の原子数、炭素の原子数、窒素の原子数および酸素の原子数の比を、鉄:炭素:窒素:酸素=1:x:y:zと表した場合のx、yおよびzを表2に示した。
酸素還元能の評価により得られた触媒(7)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表2に示す。この酸素還元電流密度から触媒(7)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(7)とする。
また、実施例1の結果も表2に示す。
[実施例8]
酢酸鉄0.582gに替えて酢酸コバルト4水塩0.832gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(8)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.4であった。
また、触媒(8)の元素分析結果を表3に示す。
なお、表3では、実施例8〜10及び比較例1について、鉄の原子数、コバルトの原子数、鉄およびコバルト以外の金属元素の原子数、炭素の原子数、窒素の原子数および酸素の原子数の比を、鉄:コバルト:鉄およびコバルト以外の金属元素の原子数:炭素:窒素:酸素=a:b:c:x:y:z
(a+b=1、ただし、a,bともに0のときはc=1)
と表した場合のa、b、c、x、yおよびzを表3に示した。
また、酸素還元能の評価により得られた触媒(8)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表3に示す。この酸素還元電流密度から触媒(8)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(8)とする。
[実施例9]
酢酸鉄0.582gに替えて酢酸鉄0.290gおよび酢酸コバルト4水塩0.416gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(9)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.4であった。
また、触媒(9)の元素分析結果、酸素還元電流密度およびBET比表面積を表3に示す。
この酸素還元電流密度から触媒(9)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(9)とする。
[実施例10]
酢酸鉄0.582gに替えて酢酸鉄0.290gおよびおよび酢酸ニッケル4水和物0.416gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(10)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.4であった。
また、触媒(10)の元素分析結果、酸素還元電流密度およびBET比表面積を表3に示す。
この酸素還元電流密度から触媒(10)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(10)とする。
[比較例1]
酢酸鉄0.582gに替えて酢酸ニッケル4水和物0.831gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(11)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.4であった。
また、触媒(11)の元素分析結果、酸素還元電流密度およびBET比表面積を表3に示す。
酸素還元能の評価により得られた触媒(11)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表3に示す。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(11)とする。
また、実施例1の結果も表3に示す。
[実施例11]
酢酸32mlに替えて酢酸128mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(12)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは2.6であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(12)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表4に示す。この酸素還元電流密度から触媒(12)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(12)とする。
[実施例12]
酢酸32mlに替えて酢酸96mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(13)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは2.8であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(13)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表4に示す。この酸素還元電流密度から触媒(13)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(13)とする。
[実施例13]
酢酸32mlに替えて酢酸64mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(14)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.1であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(14)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表4に示す。この酸素還元電流密度から触媒(14)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(14)とする。
[実施例14]
酢酸32mlに替えて酢酸16mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(15)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.6であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(15)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表4に示す。この酸素還元電流密度から触媒(15)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(15)とする。
[実施例15]
酢酸を用いない以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(16)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは5.0であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(16)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表4に示す。この酸素還元電流密度から触媒(16)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(16)とする。
また、実施例1の結果も表4に示す。
[実施例16]
酢酸32mlに替えてメタンスルホン酸32mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(17)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.3であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(17)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表5に示す。この酸素還元電流密度から触媒(17)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(17)とする。
また、実施例1の結果も表5に示す。
[実施例17]
アセチルアセトンを用いない以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(18)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.3であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(18)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表6に示す。この酸素還元電流密度から触媒(18)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(18)とする。
[実施例18]
アセチルアセトン5.118mlに替えてアセチルアセトン3.4mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(19)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.3であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(19)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表6に示す。この酸素還元電流密度から触媒(19)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(19)とする。
[実施例19]
アセチルアセトン5.118mlに替えてアセチルアセトン6.8mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(20)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.3であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(20)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表6に示す。この酸素還元電流密度から触媒(20)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(20)とする。
[実施例20]
アセチルアセトン5.118mlに替えてアセチルアセトン8.5mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(21)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.3であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(21)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表6に示す。この酸素還元電流密度から触媒(21)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(21)とする。
[実施例21]
アセチルアセトン5.118mlに替えてアセチルアセトン10.2mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(22)」とも記す。)を得た。
尚、触媒前駆体溶液のpHは3.3であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(22)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表6に示す。この酸素還元電流密度から触媒(22)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(22)とする。
[実施例22]
アセチルアセトン5.118mlに替えてアセチルアセトン13.7mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(23)」とも記す。)を得た。尚、触媒前駆体溶液のpHは3.3であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(23)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表6に示す。この酸素還元電流密度から触媒(23)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(23)とする。
[実施例23]
アセチルアセトン5.118mlに替えてアセチルアセトン20.5mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(24)」とも記す。)を得た。
尚、触媒前駆体溶液のpHは3.3であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(24)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表6に示す。この酸素還元電流密度から触媒(24)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(24)とする。
[実施例24]
アセチルアセトン5.118mlに替えてアセチルアセトン30.7mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(25)」とも記す。)を得た。
尚、触媒前駆体溶液のpHは3.3であった。
酸素還元能の評価により得られた触媒(25)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表6に示す。この酸素還元電流密度から触媒(25)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(25)とする。
また、実施例1の結果も表6に示す。
[実施例25]
炉内をアルゴンガス雰囲気としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(26)」とも記す。)を得た。
酸素還元能の評価により得られた触媒(26)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表7に示す。この酸素還元電流密度から触媒(26)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(26)とする。
また、実施例1の結果も表7に示す。
[実施例26]
炉内温度を700℃まで昇温したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(27)」とも記す。)を得た。
酸素還元能の評価により得られた触媒(27)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表8に示す。この酸素還元電流密度から触媒(27)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(27)とする。
[実施例27]
炉内温度を800℃まで昇温したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(28)」とも記す。)を得た。
酸素還元能の評価により得られた触媒(28)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表8に示す。この酸素還元電流密度から触媒(28)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(28)とする。
[実施例28]
炉内温度を1000℃まで昇温したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(29)」とも記す。)を得た。
酸素還元能の評価により得られた触媒(29)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表8に示す。この酸素還元電流密度から触媒(29)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(29)とする。
[実施例29]
炉内温度を1100℃まで昇温したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(30)」とも記す。)を得た。
酸素還元能の評価により得られた触媒(30)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表8に示す。この酸素還元電流密度から触媒(30)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(30)とする。
また、実施例1の結果も表8に示す。
[実施例30]
昇温速度を5℃/minとしたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(31)」とも記す。)を得た。
酸素還元能の評価により得られた触媒(31)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表9に示す。この酸素還元電流密度から触媒(31)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(31)とする。
[実施例31]
昇温速度を40℃/minとしたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(32)」とも記す。)を得た。
酸素還元能の評価により得られた触媒(32)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表9に示す。この酸素還元電流密度から触媒(32)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(32)とする。
[実施例32]
昇温速度を60℃/minとしたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、試料粉末(以下「触媒(33)」とも記す。)を得た。
酸素還元能の評価により得られた触媒(33)の酸素還元電流密度およびBET比表面積を表9に示す。この酸素還元電流密度から触媒(33)は高い触媒能を有することがわかった。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(33)とする。
また、実施例1の結果も表9に示す。
[比較例2]
グリシン10.043gを秤採り水120mlを加えて溶解して水溶液を得た。アセチルアセトン5.118mlにチタニウム(IV)イソプロポキシド10mlを加え、さらに酢酸32mlを加えて得られた混合液を前記水溶液に加えて、よく撹拌した。得られた溶液のpHは3.3であった。得られた溶液を、エバポレーターを用いて水浴上60℃で処理し、乾固させた。得られた固形物を乳鉢で粉砕した。この粉砕物を石英管状炉に入れ、炉内を、水素ガスを4体積%含む水素ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気とした。炉内温度を昇温速度20℃/minで900℃まで昇温し、60分間保持して、前記粉砕物を熱処理した。その後、自然冷却し、鉄炭窒酸化物を得た。得られた鉄炭窒酸化物を乳鉢で粉砕して試料粉末(以下「触媒(34)」とも記す。)とした。
図3に、酸素還元能の評価により得られた電流−電位曲線を示す。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(34)とする。
[比較例3]
カーボンに白金を64.7%担持した市販の触媒を用いて酸素還元能の評価を行い、電流−電位曲線を得た。得られた電流−電位曲線を図3に示す。尚、この評価に用いた電極を燃料電池用電極(35)とする。
また、実施例1で得られた電流−電位曲線を図3に示す。
[比較例4]炭素-窒素主成分の触媒
フェノール樹脂(群栄化学製)10gをアセトン50mlに攪拌溶解した。得られた溶液にクロロ酢酸(東京化成製)50mg、フタロシアニン鉄(東京化成製)300mgを加えて、超音波洗浄機に入れ1時間振とうした。液の色が紫から青緑になった後、この溶液をエバポレーターで濃縮し、窒素気流中で、80℃で24時間乾燥することにより、前駆体8.23gが合成された。
この前駆体4.8gを石英管状炉に入れ、窒素気流中、炉内温度を150℃/hrの昇温速度で昇温し、さらに600℃で1時間保持することにより、炭素化した焼成体が2.44g得られた。この焼成体2.00gを濃塩酸500mlで24時間攪拌洗浄し、ろ過後、ろ液が中性になるまで蒸留水で洗浄することにより、酸洗浄品1.95gが得られた。この酸洗浄品1.00gを石英管状炉に入れ、アンモニアガス気流中、炉内温度を100℃/hrの昇温速度で昇温し、800℃で80分保持して熱処理した。その後自然冷却し炭素及び窒素が主成分のカーボンアロイ0.56gを得た。得られたカーボンアロイを乳鉢で粉砕して試料粉末(以下「触媒(36)」とも記す。)とした。
触媒(36)のBET比表面積は462m2/gであった。酸素還元能の評価により得られた触媒(36)の酸素還元電流密度は0.10mA/cm2 at 0.75V Vs. RHEであった。触媒(36)においては、BET比表面積は実施例に比べ大きいものの、酸素還元能は低かった。
得られた電流−電位曲線を図4に示す。
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Claims (13)

  1. 非酸化性雰囲気中での加熱により炭素および窒素の各元素を供給する化合物(i)、鉄及びコバルトの少なくとも一方の元素を含有する化合物(ii)及び溶媒を混合して触媒前駆体溶液を調製し、有機酸を用いて前記触媒前駆体溶液のpHを4以下に調節した後、前記触媒前駆体溶液から溶媒を除去して触媒前駆体を調製する工程、ならびに前記触媒前駆体を非酸化性雰囲気中で熱処理する工程を含むことを特徴とする酸素還元触媒の製造方法。
  2. 前記化合物(ii)が、チタンを含まない化合物である請求項1に記載の酸素還元触媒の製造方法。
  3. 前記酸素還元触媒に含有される鉄及びコバルトの原子数の合計に対する前記触媒に含有される炭素の原子数の比率が、前記金属元素の原子数の合計を1とした場合、10以上、65以下である請求項1または2に記載の酸素還元触媒の製造方法。
  4. 前記化合物(i)及び化合物(ii)の少なくとも一方が、非酸化性雰囲気中での加熱により酸素原子を供給する化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
  5. 前記化合物(ii)が、有機酸塩、無機酸塩、有機錯体、無機錯体、アルコキシドおよびその他の有機金属化合物から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
  6. 前記化合物(i)が、α-窒素カルボン酸である請求項1〜5のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
  7. 前記α-窒素カルボン酸が、グリシン、グリシルグリシン、アラニン、アラニルアラニンおよびノルバリンから選ばれる少なくとも一種である請求項6に記載の酸素還元触媒の製造方法。
  8. 前記有機酸が酢酸である請求項1〜7のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
  9. 前記触媒前駆体溶液が、ケトン、アルコールまたはエーテルを1〜20質量%含む請求項1〜8のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
  10. 前記触媒前駆体溶液がケトンを含み、該ケトンが1,3−ジケトンであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
  11. 前記非酸化性雰囲気が、
    窒素、アルゴン、アンモニアおよびシアン化水素から選ばれる少なくとも一種のガス雰囲気、または、
    窒素、アルゴン、アンモニアおよびシアン化水素から選ばれる少なくとも一種のガスと水素、メタン、プロパン、ブタンおよび一酸化炭素から選ばれる少なくとも一種のガスとの混合ガス雰囲気である請求項1〜10のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
  12. 熱処理温度が800〜1100℃である請求項1〜11のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。
  13. 熱処理の際の昇温速度が10〜40℃/minである請求項1〜12のいずれかに記載の酸素還元触媒の製造方法。

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