JP5927299B2 - 樹脂組成物およびそれからの成形品 - Google Patents
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Description
一般的にポリカーボネートは石油資源から得られる原料を用いて製造されるが、石油資源の枯渇が懸念されており、生物起源物質の糖質から製造されるエーテルジオールを用いたポリカーボネートが検討されている。
例えば特許文献1には、溶融エステル交換法を用いて製造された203℃の融点を持つホモポリカーボネートが提案されている。特許文献2には、スズ触媒を用いて製造されたガラス転移温度が170℃以上のポリカーボネートが提案されている。特許文献3には、イソソルビドと直鎖脂肪族ジオールとの共重合ポリカーボネートが提案されている。
一般的に耐衝撃性は樹脂の分子量(=比粘度)に大きく依存するため、耐衝撃性を改良しようとした場合、樹脂の分子量を増大させる必要がある。先に述べた特許文献1、2に記載のイソソルビドポリカーボネートは、分子量を増大させると樹脂の溶融粘度が高くなりすぎて成形が困難になるという問題がある。特許文献3に記載のポリカーボネートも、例えば実施例6相当の還元粘度が0.9程度のポリカーボネートのISO179によるノッチ付シャルピー衝撃強度は、約7kJ/m2である。工業用途においてこの値は不充分なものであり改良が必要である。
特許文献5には、イソソルビドなどのエーテルジオール由来のポリカーボネートにゴム質重合体を添加することにより、耐衝撃性が向上し、さらに溶融粘度が低く、耐熱性および熱安定性に優れ、成型加工性に優れた樹脂組成物が提案されているが、透明性に関する記載は開示されていない。
本発明者らは、イソソルビドなどのエーテルジオール由来のポリカーボネートおよび特定の凝集構造を形成する耐衝撃改質剤を含有する組成物が、透明性、表面硬度が高く、低温での耐衝撃性に優れることを見出し、本発明を完成した。本発明によれば、上記課題は下記発明により解決される。
ポリカーボネート(A成分)のマトリックス中に耐衝撃改質剤(B成分)のドメインが分散した凝集構造であり、耐衝撃改質剤(B成分)ドメインの平均サイズが5〜200nm、規格化分散が17%以下であり、
(a)コアシェル型重合体であり、
(b)コア部は、ビニル系単量体のゴム状重合体、またはジエン系単量体とビニル系単量体とのゴム状重合体であり、ビニル系単量体が(メタ)アクリル酸単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体から選ばれる少なくとも1種であり、
(c)シェル部は、少なくとも一種のビニル系単量体の重合体であり、
(d)コアシェル型重合体の平均粒径が50〜200nmであり、
耐衝撃改質剤(B成分)の屈折率が1.490以上1.510以下であり、
厚み3mmの成形板にて測定した全光線透過率が88%以上である、
ことを特徴とする樹脂組成物。
2. 耐衝撃改質剤(B成分)の屈折率が1.490以上1.510以下であって、ポリカーボネート(A成分)との屈折率の差が0.010以下である前項1に記載の樹脂組成物。
3. 耐衝撃改質剤(B成分)のコア部のガラス転移温度が0℃以下である前項1に記載の樹脂組成物。
5. 厚み3mmの成形板にて測定したHazeが10%以下である前項1に記載の樹脂組成物。
6. 前項1に記載の樹脂組成物から形成された成形品。
(a)コアシェル型重合体であり、
(b)コア部は、ビニル系単量体のゴム状重合体、またはジエン系単量体とビニル系単量体とのゴム状重合体であり、ビニル系単量体が(メタ)アクリル酸単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体から選ばれる少なくとも1種であり、
(c)シェル部は、少なくとも一種のビニル系単量体の重合体であり、
(d)コアシェル型重合体の平均粒径が50〜200nmである。
ポリカーボネート(A成分)は、主として式(1)で表される繰り返し単位を含有する。式(1)で表される繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位中、30モル%以上であり、好ましくは40モル%以上、より好ましくは45モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上である。式(1)で表される繰り返し単位の含有量の上限は、好ましくは100モル%、より好ましくは80モル%である。
ポリカーボネート(A成分)は、式(1)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を含有していてもよい。他の繰り返し単位として、脂肪族ジオール残基、脂環式ジオール残基、オキシレングリコール残基、および、環状エーテル構造を有するジオール残基よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジオール残基より構成される単位やビスフェノール残基より構成される単位が挙げられる。
また、他の繰り返し単位を構成する脂肪族ジオール、脂環式ジオール、オキシレングリコール、および、環状エーテル構造を有するジオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のジオールは、常圧(100kPa)下での沸点が190℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、210℃以上であることがさらに好ましい。沸点が190℃より低いと、重合反応後期に、未反応ジオールが系外へと留去されやすく、共重合ポリカーボネートの組成比を精密に制御できない。
上記繰り返し単位を構成する脂肪族ジオール残基は、エチレンジオール残基、1,3−プロパンジオール残基、1,4−ブタンジオール残基、1,5−ペンタンジオール残基、1,6−ヘキサンジオール残基、1,8−オクタンジオール残基、1,9−ノナンジオール残基、および、1,10−デカンジオール残基なる群から選ばれる少なくとも1種の脂肪族ジオール残基であることがさらに好ましい。
脂肪族ジオールの沸点が低すぎると、重合時に留去し易く、ポリカーボネート共重合体のモル比の制御が難しい。また、脂肪族ジオールが長鎖になると、原料の入手が困難で高価なものとなる。そのため、他の繰り返し単位としては、1,3−プロパンジオール残基、1,4−ブタンジオール残基、1,5−ペンタンジオール残基、1,6−ヘキサンジオール残基であることが特に好ましい。
これらの脂肪族ジオールは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
上記繰り返し単位を構成する脂環式ジオールとしては、特に限定はされないが、通常、5員環構造または6員環構造を含む化合物を用いる。また、6員環構造は共有結合によって椅子形もしくは舟形に固定されていてもよい。
−OCH2−R1−CH2O− (2−1)
−O−R2−O− (2−2)
(式(2−1)、(2−2)中、R1、R2は、炭素数4〜20のシクロアルキル基、または炭素数6〜20のシクロアルコキシル基を表す。)
上記一般式(2−1)で表される繰り返し単位は、具体的には、1,2−シクロヘキサンジメタノール残基、1,3−シクロヘキサンジメタノール残基、1,4−シクロヘキサンジメタノール残基、トリシクロデカンジメタノール残基、ペンタシクロデカンペンタジメタノール残基、2,6−デカリンジメタノール残基、1,5‐デカリンジメタノール残基、2,3−デカリンジメタノール残基、2,3−ノルボルナンジメタノール残基、2,5‐ノルボルナンジメタノール残基、1,3−アダマンタンジメタノール残基が挙げられる。
さらに、上記繰り返し単位は、少量で流動性を付与できることから、上記一般式(2−1)で表される脂環式ジオール残基であることが好ましい。
これらの脂環族ジオールは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
繰り返し単位を構成するオキシアルキレングリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
繰り返し単位を構成する環状エーテル構造を有するジオールとしては、例えば、スピログリコール、ジオキサングリコールなどが挙げられる。
他の繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位中、70モル%以下、好ましくは60モル%以下、より好ましくは55モル%以下、さらに好ましくは50モル%以下である。
ポリカーボネート(A成分)は、下記式(3)または(4)で表される末端基を含有していてもよい。
R1のアルキル基の炭素原子数は、好ましくは4〜22、より好ましくは8〜22である。アルキル基として、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
R1のアラルキル基の炭素原子数は、好ましくは8〜20、より好ましくは10〜20である。アラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。
R1のパーフルオロアルキル基の炭素原子数は好ましくは2〜20である。パーフルオロアルキル基として4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプチル基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノニル基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロウンデシル基などが挙げられる。
式(5)中の炭素原子数1〜10のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基等が挙げられる。炭素原子数6〜20のシクロアルキル基として、シクロへキシル基、シクロオクチル基、シクロへキシル基、シクロデシル基等が挙げられる。炭素原子数2〜10のアルケニル基として、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基等が挙げられる。炭素原子数6〜10のアリール基として、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素原子数7〜20のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。
bは、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは1〜3の整数、さらに好ましくは2〜3の整数である。cは、好ましくは4〜100の整数、より好ましくは4〜50の整数、さらに好ましくは8〜50の整数である。
aは、好ましくは1〜5の整数、より好ましくは1〜3の整数、さらに好ましくは1である。
上記式(3)または(4)で表される末端基は、生物起源物質由来であることが好ましい。生物起源物質として、炭素原子数14以上の長鎖アルキルアルコール、例えばセタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられる。
式(3)または(4)で表される末端基の含有量は、ポリマー主鎖に対して好ましくは0.3〜9重量%、より好ましくは0.3〜7.5重量%、さらに好ましくは0.5〜6重量%である。
ポリカーボネート(A成分)の末端に式(3)または(4)で表される末端基を含有させることにより、樹脂組成物の成形加工性(離型性)、耐吸湿性が向上する。
ポリカーボネート(A成分)0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度の下限は、好ましくは0.14、より好ましくは0.20、さらに好ましくは0.22である。また上限は、好ましくは0.45、より好ましくは0.40、さらに好ましくは0.34である。比粘度が0.14より低くなると本発明の樹脂組成物より得られた成形品に充分な機械強度を持たせることが困難となる。また比粘度が0.45より高くなると溶融流動性が高くなりすぎて、成形に必要な流動性を有する溶融温度が分解温度より高くなり好ましくない。
ポリカーボネート(A成分)のガラス転移温度(Tg)の下限は、好ましくは60℃、より好ましくは80℃、さらに好ましくは90℃である。またガラス転移温度(Tg)の上限は、好ましくは165℃である。従って、ポリカーボネート(A成分)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは60〜165℃である。
Tgが60℃未満であると耐熱性に劣り、165℃を超えると本発明の樹脂組成物を用いて成形する際の溶融流動性に劣る。TgはTA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定する。
ポリカーボネート(A成分)の5%重量減少温度の下限は、好ましくは280℃、より好ましくは300℃である。また5%重量減少温度の上限は、好ましくは400℃、より好ましくは390℃、さらに好ましくは380℃である。従って、ポリカーボネート(A成分)の5%重量減少温度(Td)は好ましくは280〜400℃である。5%重量減少温度が上記範囲内であると、本発明の樹脂組成物を用いて成形する際の樹脂の分解がほとんど無く好ましい。5%重量減少温度はTA Instruments社製 TGA (型式 TGA2950)により測定する。
ポリカーボネート(A成分)は、240℃におけるキャピラリーレオメータで測定した溶融粘度が、シェアレート6080sec−1の条件下で0.01×103〜1.10×103Pa・sの範囲にあることが好ましく、0.05×103〜1.0×103Pa・sの範囲にあることがより好ましく、0.1×103〜0.8×103Pa・sのであることがさらに好ましい。溶融粘度がこの範囲であると機械的強度を十分に有する上、流動性が良好であるため射出成形等2次加工が低温で可能となり、色相悪化や重合度の低下など樹脂の熱による劣化が低減され、本発明の樹脂組成物を用いて成形する際、不良率の低減ができ好適である。
共重合ポリカーボネートは、下記式(a)で表されるエーテルジオール、ビスフェノール類、脂肪族ジオールまたは脂環式ジオール、および炭酸ジエステルを溶融重合して製造することができる。
ジフェニルカーボネートの使用量は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、好ましくは0.97〜1.10モル、より好ましくは0.99〜1.05モルである。
また溶融重合法においては重合速度を速めるために、重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物、金属化合物等が挙げられる。
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、二酢酸マグネシウム、二酢酸カルシウム、二酢酸ストロンチウム、二酢酸バリウム等が挙げられる。
アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を重合触媒として用いる場合には、これらの重合触媒の使用量は、ジオール成分1モルに対し、好ましくは1×10−9〜1×10−3当量、好ましくは1×10−8〜1×10−4当量、より好ましくは1×10−7〜1×10−5当量の範囲で選ばれる。
溶融重縮合反応は、従来知られているように、不活性ガス雰囲気下および減圧下で加熱しながら攪拌して生成するモノヒドロキシ化合物を留出させることで行われ、溶融重縮合反応の形式は、バッチ式、連続式、あるいは、それらを組み合わせた形式のいずれの方法でもよい。また、2段階以上の多段工程で溶融重合を実施してもよい。ただし、例えば、3成分以上のモノマーを用いて、所定の組成比となるように共重合を行うには、反応温度・圧力の精密な制御が必要となる。下記に溶融重縮合反応の一例を説明する。なお、製造方法はこの方法に限定されるものではない。
EI反応工程は、最終真空度が40kPa以下8kPa以上の範囲で、最終樹脂温度が160℃以上220℃以下の範囲であり、副反応物として生じるモノヒドロキシ化合物を理論量の70%以上85%以下留去させる工程である。モノヒドロキシ化合物の理論量は、仕込んだ炭酸ジエステルのモル数の2倍当量である。最終真空度は、35kPa以下10kPa以上の範囲がより好ましい。また、減圧速度は、20kPa/min以下0.5kPa/min以上が好ましく、15kPa/min以下1kPa/min以上がさらに好ましい。最終樹脂温度は、180℃以上210℃以下の範囲がより好ましい。160℃以上では、反応活性が高く反応時間が短縮されるため生産性が良好である。また、220℃以下では未反応のエーテルジオールが劣化されにくく、得られるポリマーの色相が良好である。
また、反応後期に触媒失活剤を添加することもできる。使用する触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましい。更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の塩類、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の塩類が好ましい。
またスルホン酸のエステルとして、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられる。その中でも、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた少なくとも1種の重合触媒を用いた場合、その触媒1モル当たり好ましくは0.1〜10モルの割合で、より好ましくは0.3〜5モルの割合で、更に好ましくは0.5〜3モルの割合で使用することができる。
また、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合することができる。
ポリカーボネート(A成分)においては、押出・成形時の分子量低下や色相の悪化を抑制するために、とくに熱安定剤を含有することが好ましい。単位(1)のエーテルジオール残基が熱と酸素により劣化し、着色しやすいため、熱安定剤としてはリン系安定剤を含有することが好ましい。リン系安定剤として、ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物、または、二価フェノール類と反応し環状構造を有するホスファイト化合物を配合することがより好ましい。
上記のペンタエリスリトール型ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられ、中でも好適には、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。
他のリン系安定剤としては、前記以外の各種ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物、およびホスフェート化合物が挙げられる。
ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができ、好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
上記のリン系熱安定剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても用いても良い。
上記のリン系安定剤は、単独でまたは2種以上を併用して使用することができ、少なくともペンタエリスリトール型ホスファイト化合物、または、環状構造を有するホスファイト化合物を有効量配合することが好ましい。リン系安定剤はポリカーボネート(A成分)100重量部当たり、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.3重量部配合される。
ポリカーボネート(A成分)においては、押出・成形時の分子量低下や色相の悪化を抑制することを目的に、熱安定剤として、ヒンダードフェノール系熱安定剤を、リン系熱安定剤と組み合わせて添加することもできる。
これらのヒンダードフェノール系安定剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても用いても良い。
ヒンダードフェノール系安定剤はポリカーボネート(A成分)100重量部当たり、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.3重量部配合される。
ポリカーボネート(A成分)には、溶融成形時の金型からの離型性をより向上させるために、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤を配合することも可能である。
かかる離型剤としては、一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸、パラフィンワックス、蜜蝋、オレフィン系ワックス、カルボキシ基および/またはカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸モノグリセリド、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられる。
なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ベヘニン酸ベヘニルが好ましく用いられる。
これらの離型剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。かかる離型剤の配合量は、ポリカーボネート(A成分)を100重量部とした場合、0.01〜5重量部が好ましい。
また本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤や光安定剤を配合することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどに代表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤を挙げることができる。また紫外線吸収剤としては例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物に代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができる。更に紫外線吸収剤としては例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールなどのヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を挙げることができる。またビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、ポリメチルプロピル3−オキシ−[4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル]シロキサンなどに代表されるヒンダードアミン系の光安定剤も含むことができ、かかる光安定剤は上記紫外線吸収剤や各種酸化防止剤との併用において、耐候性などの点においてより良好な性能を発揮する。
これらの紫外線吸収剤および光安定剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。紫外線吸収剤および光安定剤の配合量は、ポリカーボネートを100重量部とした場合、0.01〜2重量部が好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、重合体や紫外線吸収剤に基づくレンズの黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を配合することができる。ブルーイング剤としては、ポリカーボネートに使用されるものであれば、特に支障なく使用することができる。一般的にはアンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。
具体的なブルーイング剤としては、例えば、一般名Solvent Violet13[CA.No(カラーインデックスNo)60725]、一般名Solvent Violet31[CA.No 68210、一般名Solvent Violet33[CA.No 60725]、一般名Solvent Blue94[CA.No 61500]、一般名Solvent Violet36[CA.No 68210]、一般名Solvent Blue97[バイエル社製「マクロレックスバイオレットRR」]および一般名Solvent Blue45[CA.No61110]が代表例として挙げられる。
これらのブルーイング剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。これらブルーイング剤は、通常、ポリカーボネート(A成分)を100重量部とした場合、0.1×10−4〜2×10−4重量部の割合で配合することが好ましい。
また本発明の樹脂組成物は、透明性を損なわない範囲で蛍光染料や染料を配合し、透明カラー成形品用途に用いることができる。
かかる蛍光染料としては、熱可塑性樹脂に使用できるものであれば特に制限はないが、例えば、キサンテン系、チアゾール系、チアジン系、ペリレン系、クマリン系、ジアミノスチルベン系等が挙げられる。特に、ペリレン系、クマリン系が好ましく、例えば、BASF製のルモゲンカラー、有本化学工業製のFluoresent、Baycr製のマクロレックスが市販品として容易に入手でき好ましく使用できる。
かかる蛍光染料の割合はポリカーボネート(A成分)との合計100重量部に対し、好ましくは0.001〜5重量部であり、より好ましくは0.01〜2重量部である。0.001重量部未満では蛍光性が得られ難くなり、5重量%を超えると透明性が低下したり、変色が激しくなったりして、目的とする蛍光性を発揮できなくなる。
本発明の樹脂組成物は耐衝撃改良剤(B成分)を含有する。耐衝撃改良剤(B成分)は、ゴム状重合体であるコアと、ゴム状重合体へグラフト重合することにより得られるシェルからなる、コアシェル型重合体である。コアシェル型重合体とすることにより、ポリカーボネートへの分散性が良好となり、高い衝撃強度が得られる傾向にある。
耐衝撃改良剤(B成分)の平均粒子径は、50〜200nm、好ましくは50〜180nmである。平均粒子径が50nm未満では十分な衝撃強度が得られない傾向にある。一方、平均粒子径が200nmを超えると得られる樹脂組成物の透明性が低下する傾向にある。なお、平均粒子径はゴム状重合体、およびグラフト共重合体のラテックス状態で測定する。測定装置として、日機装株式会社製のMICROTRAC UPA150を用いて体積平均粒子径を測定した。
耐衝撃改良剤(B成分)のコアに相当するゴム状重合体としては、ビニル系単量体のゴム状重合体、またはジエン系単量体とビニル系単量体との重合体であり、ビニル系単量体が(メタ)アクリル酸単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体から選ばれる少なくとも1種であることが、本発明の樹脂組成物の透明性および耐衝撃強度を両立できること、さらには原料コストの観点から好ましい。
ジエン系単量体の具体例としては1,3−ブタジエンが挙げられる。また、(メタ)アクリル酸単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジルが挙げられる。このような単量体から得られる重合体として、例えばブタジエン−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
ゴム状重合体のガラス転移温度(Tg)は0℃以下であることが耐衝撃改良の点から好ましい。より好ましくは−20℃以下であり、さらに好ましくは−40℃以下である。
ビニル系単量体としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸エステルなどが挙げられる。芳香族ビニル化合物の中では、スチレン、α−メチルスチレンなどが好ましく、シアン化ビニル化合物の中では、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが好ましく、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステルの中では、アクリル酸、メタクリル酸、炭素数1〜12のアルキルエステルを有するアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルなどが好ましい。ポリカーボネート(A成分)への分散性が優れ、さらに得られる樹脂組成物の透明性が優れることから、グラフト重合に用いるビニル系単量体としては不飽和カルボン酸エステル、あるいは不飽和カルボン酸エステルと芳香族ビニル化合物の混合物であることが好ましい。
耐衝撃改質剤(B成分)の屈折率は1.490以上1.510以下であり、ポリカーボネート(A成分)との屈折率の差が0.010以下であることが好ましい。
耐衝撃改良剤(B成分)の製造方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合のいずれを採用してもよいが、乳化重合、すなわち、乳化グラフト重合が好ましい。具体的には、攪拌機を備えた反応容器に、ラテックスを加え、さらにビニル系単量体、重合開始剤、水を加え、必要に応じて連鎖移動剤や酸化還元剤を仕込み、加熱攪拌すればよい。
ここで使用する重合開始剤、連鎖移動剤、酸化還元剤の種類には特に制限がなく、公知のものが使用できる。また、各原料の反応容器への添加方法についても特に制限がなく、重合開始前の一括添加の他、分割添加してもよい。また、グラフト重合は、一段または二段以上で行われ、各段の単量体組成が同一であっても異なっていてもよく、また、単量体を一括添加しても、連続的に添加しても、あるいはこれらを組み合わせてもよい。
レドックス型重合開始剤系を用いた場合には、前記過酸化物が実質的に熱分解しない低い温度でも重合を行うことができることから、重合温度を広い範囲で設定できるようになり好ましい。中でもクメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の芳香族環含有過酸化物をレドックス型重合開始剤として用いることが好ましい。前記重合開始剤の使用量、またレドックス型重合開始剤を用いる場合の前記還元剤・遷移金属塩・キレート剤等の使用量は、公知の範囲で用いることができる。
乳化重合により耐衝撃改良剤(B成分)を得た場合には、例えば、衝撃改良剤(B成分)のラテックスと塩酸等の酸、あるいは塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、酢酸カルシウムなどの二価以上の金属塩を混合することにより凝固した後に、公知の方法に従って、熱処理・脱水・洗浄・乾燥することにより、耐衝撃改良剤を水性媒体から分離することができる(凝固法ともいう)。または、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、アセトン等の水溶性有機溶剤をラテックスに添加して耐衝撃改良剤を析出させ、遠心、または濾過等により溶剤と分離した後、乾燥させ、単離することもできる。別の方法として、本発明に用いる耐衝撃改良剤を含むラテックスにメチルエチルケトン等の若干の水溶性を有する有機溶剤を加えてラテックス中の耐衝撃改良剤成分を有機溶剤層に抽出し、有機溶剤層を分離した後、水などと混合して耐衝撃改良剤成分を析出させる方法等を挙げることができる。また、ラテックスを噴霧乾燥法により直接粉体化することもできる。
本発明の樹脂組成物中の耐衝撃改質剤(B成分)の含有量は、ポリカーボネート(A成分)100重量部に対して2〜20重量部、好ましくは3〜15重量部、より好ましくは5〜10重量部である。耐衝撃改質剤(B成分)の含有量が2重量部より少ない場合には衝撃強度の発現が不十分になりやすく、20重量部より多い場合には、耐熱性または剛性が低下する。
本発明の樹脂組成物において、耐衝撃改質剤ドメインの平均サイズは、5〜200nmの範囲である。かかる平均サイズの下限は好ましくは10nmであり、より好ましくは50nmである。かかる平均サイズの上限は、好ましくは180nm、より好ましくは150nmである。かかる範囲の下限未満では、耐衝撃性が十分に発揮されず、かかる範囲の上限を超えると透明性が安定して発揮されない。
さらに、耐衝撃改質剤ドメインの平均サイズが好適な範囲であっても、その規格化分散が17%を超えると良好かつ安定した透明性が発揮されない。かかる耐衝撃改質剤ドメインのサイズの規格化分散は17%以下であり、好ましくは16.5%以下である。かかる規格化分散の下限は実用上5%以上が好ましく、7%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましい。かかる適切な耐衝撃改質剤ドメインの平均サイズと、その規格化分散を有することにより、透明性と耐衝撃性の両立に優れたポリカーボネート組成物およびその成形品が提供される。
ポリカーボネートポリマーのマトリックス中に耐衝撃改質剤ドメインが分散した凝集構造となる樹脂組成物の場合、ポリカーボネートマトリックスと耐衝撃改質剤ドメインの電子密度差により、エックス線の散漫散乱が生じる。散乱角(2θ)が10°未満の範囲の各散乱角(2θ)における散乱強度Iを測定して、小角エックス線散乱プロファイルを測定し、耐衝撃改質剤ドメインが球状ドメインであり、粒径分布のばらつきが存在すると仮定して、仮の粒径と仮の粒径分布モデルから、市販の解析ソフトウェアを用いてシミュレーションを行い、耐衝撃改質剤ドメインの平均サイズと粒径分布(規格化分散)を求める。
平均ドメインサイズとは個々のドメインサイズの数平均を意味する。規格化分散とは、粒径分布の広がりを平均サイズで規格化したパラメータを意味する。具体的には、耐衝撃改質剤ドメインサイズの分散を平均ドメインサイズで規格化した値であり、下記式(2)で表される。
本発明に関連して用いる用語「平均ドメインサイズ」、「規格化分散」は、射出成形により形成される厚み1.0mmの成形品を用いて、小角エックス線散乱法により測定することにより得られる測定値を示す。具体的には、射出成形により成形した3段型プレート(幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3.0mm(長さ20mm)、2.0mm(長さ45mm)、1.0mm(長さ25mm)、表面の算術平均粗さ(Ra)が0.03μm)を用いて、厚み1.0mm部の端部より5mm、側部より5mmの交点における耐衝撃改質剤ドメインの平均サイズと粒径分布(規格化分散)を小角エックス線散乱法により測定したものである。
本発明の樹脂組成物は、射出成形により形成される厚み3.0mmの成形品において、その全光線透過率が88%以上である。かかる全光線透過率は好ましくは88.5%以上、さらに好ましくは89%以上である。一方、その上限は好ましくは95%、より好ましくは94%、さらに好ましくは93%である。また、本発明の樹脂組成物からなる厚み3.0mmの成形品において、そのHazeは0.3〜20%が好ましい。かかるHazeは、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは0.5〜10%、さらにより好ましくは0.6〜5%、特に好ましくは0.7〜3%である。
本発明に関連して用いる用語「全光線透過率」は、透明性のレベルを表示するもので、ASTM−D1003−61の方法E308による、入射光に対する透過光の比を意味する。本発明に関連して用いる用語「Haze」は、透明性のレベルを表示するもので、試験片を通過する際に前方散乱により入射光束から逸れる透過光の割合(%)を意味する(ASTM−D1003−61)。すなわち、全光線透過率が高く、Hazeが低いほど透明性に優れる。
本発明の樹脂組成物は、例えば各成分および任意成分を予備混合し、その後、溶融混練しペレット化して製造することができる。予備混合の手段としては、ナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機などを挙げることができる。予備混合においては、押出造粒器やブリケッティングマシーンなどにより造粒を行うこともできる。予備混合後、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練し、ペレタイザー等の機器によりペレット化する。溶融混練機としては他にバンバリーミキサー、混練ロール、恒熱撹拌容器などを挙げることができるが、ベント式二軸押出機が好ましい。他に、各成分および任意成分を予備混合することなく、それぞれ独立に二軸押出機に代表される溶融混練機に供給する方法も取ることもできる。溶融混練する際のシリンダー温度は、好ましくは180〜270℃、より好ましくは190〜260℃、さらに好ましくは200〜250℃である。シリンダー温度が270℃を超えると、ポリカーボネートの熱分解の進行が大きくなる。
また、押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
(i)添加剤をA成分の樹脂とは独立して押出機中に供給する方法。
(ii)添加剤とA成分の樹脂粉末とをスーパーミキサーなどの混合機を用いて予備混合した後、押出機に供給する方法。
(iii)添加剤とA成分の樹脂とを予め溶融混練してマスターペレット化する方法。
(iv)他の予備混合の方法として、樹脂と添加剤を溶媒中に均一分散させた溶液とした後、該溶媒を除去する方法。
ペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。円柱の直径は、好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.3mmである。一方、円柱の長さは、好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜3.5mmである。
本発明は、上記樹脂組成物から形成された成形品を包含する。成形品は、射出成形、押出成形などにより製造することができる。
射出成形は、シリンダー温度180〜270℃の範囲で行うことが好ましい。ポリマーの分解による着色や分子量低下を抑制するために、シリンダー温度は180〜270℃の範囲がより好ましく、190〜260℃の範囲が更に好ましい。シリンダー温度が270℃を超えると、ポリマーの分解が大きく促進されてしまう。金型温度は40〜140℃の範囲で行うことができるが、成形サイクルを短縮し、樹脂の溶融滞留時間を短くするため、40〜120℃が好ましく、更に好ましくは40〜100℃の範囲である。
射出成形は、通常のコールドランナー方式の成形法だけでなく、ホットランナー方式の成形法も可能である。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。
本発明は、下記(a)〜(d)の条件を満たし、屈折率が1.490以上1.510以下の耐衝撃改質剤を上記式(1)で表される繰り返し単位を30モル%以上含有するポリカーボネートに用いる方法を包含する。
(a)コアシェル型重合体であり、
(b)コア部は、ビニル系単量体のゴム状重合体、またはジエン系単量体とビニル系単量体とのゴム状重合体であり、ビニル系単量体が(メタ)アクリル酸単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体から選ばれる少なくとも1種であり、
(c)シェル部は、少なくとも一種のビニル系単量体の重合体であり、
(d)コアシェル型重合体の平均粒径が50〜200nmである。
ペレットを塩化メチレンに溶解、濃度を約0.7g/dLとして、温度20℃にて、オストワルド粘度計(装置名:RIGO AUTO VISCOSIMETER TYPE VMR−0525・PC)を使用して測定した。なお、比粘度ηspは下記式から求めた。
ηsp=t/to−1
t:試料溶液のフロータイム
to:溶媒のみのフロータイム
(2)ガラス転移温度(Tg)
ペレットを用いてTA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定した。
(3)溶融粘度
(株)東洋精機製キャピラリーレオメータ(キャピログラフ 型式1D)を用い、キャピラリー長10.0mm、キャピラリー径1.0mm、測定温度240℃にて測定速度を任意に変更し測定した結果得られたShear Rate/Viscosityカーブより6080secー1での溶融粘度を読み取った。
(4)ノッチ付シャルピー衝撃強度
ペレットを80〜110℃で12時間乾燥した後、日本製鋼所(株)製 JSWJ−75EIIIを用いてシリンダー温度225℃、金型温度90℃にて曲げ試験片と引張試験片を成形した。ノッチ付シャルピー衝撃試験をISO179に従って行った。
上記(4)にて作成した引張試験片を用いて、引張り試験をISO527に従って行った。
(6)曲げ強さ、曲げ弾性率
上記(4)にて作成した曲げ試験片を用いて、曲げ試験をISO178に従って行った。
(7)荷重たわみ温度(0.45MPa)
上記(4)にて作成した曲げ試験片を用いてISO75で規定される低荷重下(0.45MPa)の荷重たわみ温度を測定した。
(8)鉛筆硬度
ペレットを日本製綱所製射出成形機J85−ELIIIを用いてシリンダー温度250℃、金型温度80℃、1分サイクルにて2mm厚角板を成形し、その成型試験片を用いて、JIS K5600の基図板試験方法によって測定した。
屈折率はプレス成形により300〜600μmのフィルムを成形しJIS K7142に従い(株)アタゴ製多波長アッベ屈折計DR−M2を用いて25℃波長589nmにおける屈折率を測定した。
(10)全光線透過率
樹脂組成物のペレットを120℃で5時間熱風乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所(株)製,JSW J−75EIII)を用いて、成形温度240℃、金型温度80℃、成形サイクル50秒にて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3.0mm(長さ20mm)、2.0mm(長さ45mm)、1.0mm(長さ25mm)であり、算術平均粗さ(Ra)が0.03μmである3段型プレートを成形した。
かかる3段型プレートの厚み3.0mm部における全光線透過率を日本電色工業(株)製 Haze Meter NDH 2000を用い、ISO13468に準じて測定した。
(11)Haze
(10)で作成した3段型プレートを用いて、厚み3.0mm部におけるHazeを日本電色工業(株)製 Haze Meter NDH 2000を用い、ISO17482に準じて測定した。
(10)で作成した3段型プレートの2mmの部分を50mm×45mmの大きさに切り出し、23℃×50%RHの環境下で1週間放置して試験片の状態調節を行った後、高速面衝撃試験を行った。試験機は高速面衝撃試験機 ハイドロショットHTM−1(島津製作所(株)製)を使用し、試験には撃芯の先端が半球状で直径12.7mmの撃芯および受台穴径25.4mmの受台を使用した。撃芯の衝突速度は5m/秒、測定温度−30℃で行なった。−30℃における測定は次のように行った。ステンレス容器を準備し、そこにポリエチレンビーズを充填した。更に試験片をかかるビーズ中に埋めた。これは熱伝導の偏りによる影響を低減するためである。このステンレス容器を−30℃の冷凍庫に保管し、試験片を−30℃とした。試験時には冷凍庫から試験片をすばやく取出し、衝撃試験機に装着し、試験を実施した。試験片の温度がほぼ−30℃の状態で試験されていることはサーモグラフィーにより確認した。各水準において5点の試験片を測定し、破壊形態を観察した。評価結果は、5点の成形片のうち、延性破壊が3点以上の場合を○、それ以外を×とした。
(10)で作成した3段型プレートを用いて、厚み1.0mm部の端部より5mm、側部より5mmの交点における耐衝撃改質剤ドメインの平均サイズと粒径分布(規格化分散)を、X線回折装置((株)リガク社製 RINT−TTRIII)を用いて測定した。X線源として、CuKα特性エックス線(波長0.1541841nm)、管電圧50kV、管電流300mAで行った。小角散乱光学系は、Slit:1st 0.03mm、HS 10mm、SS 0.2mm、RS 0.1mmとした。測定は、非対称走査法(2θスキャン)により、FT 0.01°ステップ、4sec/step、走査範囲 0.06−3°として実施した。カーブフィッティングの解析には、(株)リガク社製 小角散乱解析ソフトウェア NANO−Solver(Ver.3.3)を使用した。解析はポリカーボネートポリマーのマトリックス中に耐衝撃改質剤の球状ドメインが分散した凝集構造であり、粒径分布のばらつきが存在すると仮定して、ポリカーボネートマトリックスの密度を1.2g/cm3、耐衝撃改質剤ドメインの密度を1.1g/cm3とし、粒子間相互作用(粒子間干渉)を考慮しない孤立粒子モデルにて実施した。
イソソルビド(以下ISSと略す)375.99部、1,6−ヘキサンジオール(以下HDと略す)101.40部,ジフェニルカーボネート(以下DPCと略す)749.70部、および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド3.0×10−2部と水酸化ナトリウム1.0×10−4部を窒素雰囲気下170℃に加熱し溶融させた。溶融したことを確認した後、EI反応工程を開始した。減圧開始後、70分かけて最終減圧度が13.4kPaになるように調整しながら減圧し、13.4kPa到達後はその減圧度を保持した。減圧開始と同時に、10℃/hrの速度で、最終樹脂温度が190℃になるまで昇温した。190℃到達後は、減圧度13.4kPa、樹脂温度190℃の状態で、フェノールが理論量の80%留去するまで10分間保持した。80%留去したことを確認した後、PA反応工程(前期工程)を開始した。最終樹脂温度が220℃になるように、0.5℃/minの速度で昇温させた。また、昇温と併行して、最終減圧度が3kPaとなるように60分かけて減圧させた。引き続いて、PA反応工程(後期工程)を開始した。後期工程では、最終樹脂温度が240℃になるように、1℃/minの速度で昇温させた。また、昇温と併行して、最終減圧度が134Paとなるまで20分かけて減圧させた。所定の攪拌電力値に到達したところで反応を終了し、触媒量の2倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度は0.34、ガラス転移温度97℃、溶融粘度は347Pa・sであった。
次に、(株)テクノベル製15φ二軸押出混練機に幅150mm、リップ幅500μmのTダイとフィルム引取り装置を取り付け、得られたポリカーボネートを240℃でフィルム成形することにより透明な押出フィルムを得た。得られたフィルムより50mm×10mmサイズのサンプルを切り出し、そのサンプルの屈折率は1.499であった。
ISS340.90部、シクロヘキサンジメタノール(以下CHDMと略す)158.34部、DPC749.70部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、比粘度が0.28のペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。参考例1と同様にフィルム作成し、屈折率を測定し、表1に記載した。
ISS401.06部、ビスフェノールA(以下、BPAと略す)171.57部、HD60.84部、DPC749.70部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。参考例1と同様にフィルム作成し、屈折率を測定し、表1に記載した。
表2に記載の樹脂組成物を以下の要領で作成した。表2の割合の各成分を計量して、均一に混合し、かかる混合物を押出機に投入して樹脂組成物の作成を行った。押出機としては径15mmφのベント式二軸押出機((株)テクノベル社製KZW15−25MG)を使用した。押出条件は吐出量8.4kg/h、スクリュー回転数250rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第1供給口からダイス部分まで220℃とし、ペレットを得た。得られたペレットを90℃で12時間乾燥した後、各物性評価を行った。
また、表2に記載の使用した原材料等は以下の通りである。
A−1:参考例1にて製造した共重合ポリカーボネートペレット
A−2:参考例2にて製造した共重合ポリカーボネートペレット
A−3:参考例3にて製造した共重合ポリカーボネートペレット
(B成分)
B−1:コアがブタジエンおよびアクリル酸ブチルからなるゴム重合体であり、シェルがメチルメタクリレートであるコアシェルゴム重合体であり、平均粒径が140nm、コア部のガラス転移温度が−65℃、屈折率が1.499である耐衝撃改良剤。
B−2:コアがブタジエンからなるゴム重合体であり、シェルがメチルメタクリレートであるコアシェルゴム重合体であり、平均粒径が200nm、コア部のガラス転移温度が−78℃、屈折率が1.513である耐衝撃改良剤。
B−3:コアがアクリル酸ブチルからなるゴム重合体であり、シェルがメチルメタクリレートであるコアシェルゴム重合体であり、平均粒径が300nm、コア部のガラス転移温度が0℃、屈折率が1.488である耐衝撃改良剤。
B−4:コアがアクリル酸ブチルからなるゴム重合体であり、シェルがメチルメタクリレートであるコアシェルゴム重合体であり、平均粒径が200nm、コア部のガラス転移温度が0℃、屈折率が1.499である耐衝撃改良剤。
(離型剤)
L−1:グリセリンモノステアレート(理研ビタミン(株)リケマールS−100A)
(安定剤)
S−1:ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト((株)アデカ製 アデカスタブPEP−36)
Claims (7)
- 下記式(1)で表される繰り返し単位を30モル%以上含有するポリカーボネート(A成分)100重量部に対して、2〜20重量部の耐衝撃改質剤(B成分)を含む樹脂組成物であって、
ポリカーボネート(A成分)のマトリックス中に耐衝撃改質剤(B成分)のドメインが分散した凝集構造であり、耐衝撃改質剤(B成分)ドメインの平均サイズが5〜200nm、規格化分散が17%以下であり、
(a)コアシェル型重合体であり、
(b)コア部は、ビニル系単量体のゴム状重合体、またはジエン系単量体とビニル系単量体とのゴム状重合体であり、ビニル系単量体が(メタ)アクリル酸単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体から選ばれる少なくとも1種であり、
(c)シェル部は、少なくとも一種のビニル系単量体の重合体であり、
(d)コアシェル型重合体の平均粒径が50〜200nmであり、
耐衝撃改質剤(B成分)の屈折率が1.490以上1.510以下であり、
厚み3mmの成形板にて測定した全光線透過率が88%以上である、
ことを特徴とする樹脂組成物。 - 耐衝撃改質剤(B成分)の屈折率が1.490以上1.510以下であって、ポリカーボネート(A成分)との屈折率の差が0.010以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 耐衝撃改質剤(B成分)のコア部のガラス転移温度が0℃以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
- ポリカーボネート(A成分)は脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含み、240℃におけるキャピラリーレオメータで測定した溶融粘度が、シェアレート6080sec−1の条件下で0.01×103Pa・s〜1.10×103Pa・sであって、ガラス転移温度(Tg)が60〜165℃である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 厚み3mmの成形板にて測定したHazeが10%以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 請求項1に記載の樹脂組成物から形成された成形品。
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