JP5926046B2 - 漂流物捕捉機能付き防波柵 - Google Patents

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Description

本発明は、高波、高潮、津波などの高潮位波が襲来する非常時において、大量の海水が衝突する際には、それを堰き止めつつ浸水を低減させて、漂流物を堰き止めて捕捉することができる防波柵に関するものである。
防波柵には、海側から陸側へ飛散する波飛沫を遮るものが提案されている。例えば、特開2006−207130号公報には、波飛沫を捕捉する防潮用フェンスについて記載されている。この防潮用フェンスは、支柱に防潮板を固定したものであり、その防潮板は、金属製又は硬質合成樹脂製の有孔板と、不織布状のフィルタと、格子状の金網のメッシュパネルとを積層して形成されている。
ところで、高潮位波が陸地へ襲来した場合、漂流物が海上から陸上へ流入し、かかる漂流物の衝突により陸上にある資産が破壊され、甚大な被害が発生する。また、陸上の資産の流失による甚大な被害も発生する。さらに、人命が漂流物の衝突という危険に曝されてしまう。このため、このような高潮位波の発生時にあっては、漂流物を捕捉することが、陸上資産の保全や人命救助の観点から、極めて重要であると言える。
特開2006−207130号公報
しかしながら、高潮位波の襲来に際し、上記防潮用フェンスでは、その防潮板が極めて脆弱な構造であるため、漂流物が衝突することで破壊した防潮板が押し流されて流失することが懸念される。防潮板が流失してしまえば、支柱が残存するのみとなり、かかる支柱に引っ掛かることができない漂流物は、海上から陸上へ流れ込んだり、逆に、陸上から海上へと流失してしまうことが危惧される。
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するため、高波、高潮、津波などの高潮位波が襲来する非常時において、大量の海水が衝突する際には、それを堰き止めつつ浸水を低減させて、漂流物を堰き止めて捕捉することができる防波柵を提供することを、第一の目的としている。
さらに、上記防潮用フェンスは、波飛沫のような少量の海水を遮る遮水性と、防潮板における有孔板の通気孔、フィルタの繊維間の隙間及びメッシュパネルの網目を介して風を通す通気性とが確保されている。
ところが、上記防潮用フェンスによれば、防潮板にフィルタが存在することが却って水の通過を阻害しており、仮に防潮板に大量の海水が衝突した場合に、その海水を下流側へ受け流すことが困難となる。しかも、フィルタが海水に含まれるゴミで目詰まりを起こし易くもあり、高潮位波の襲来による大量の海水の衝突に際して、その衝撃をより強く受けて、防潮板が破損し易い状況にあるものと考えられる。
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するため、高波、高潮、津波などの高潮位波が襲来する非常時において、大量の海水が衝突する際には、それを堰き止めつつも受け流すことで浸水を低減させて、漂流物を堰き止めて捕捉することができ、なおかつ、それ以外の平常時には、風を通過させつつ波飛沫を遮ることのできる防波柵を提供することを、第二の目的としている。
この目的を達成するために請求項1の漂流物捕捉機能付き防波柵は、基礎構造体に間隔を隔てて立設された支柱と、前記支柱間に架設及び支持した状態で前記基礎構造体上に立設された防波板と、前記防波板の架設方向に沿って添設されると共に、前記支柱により張設支持された伸縮性を有するワイヤロープと、前記ワイヤロープを前記防波板に繋ぎ付ける連結部材とで構成されている。
なお、連結部材は、例えば、ワイヤロープと防波板とを溶接により固定した溶接ビード等であっても良く、また、ワイヤロープの伸縮性とは、弾性伸びにより伸張及び収縮する性質と、永久伸びにより伸張する性質との双方を含む概念である。
この請求項1の漂流物捕捉機能付き防波柵によれば、波が押し寄せる場合、防波板は、波を堰き止めることで、波を減勢させて陸地の浸水被害を低減させる。また、この防波板には、その架設方向に沿って支柱間に張設されたワイヤロープが添設され、このワイヤロープに連結部材を介して繋ぎ付けられている。
このワイヤロープは、支柱による支えもなく機械的強度が比較的脆弱となる防波板の架空部分について、その補強手段となる。よって、防波板に作用する波や漂流物の荷重は、支柱ばかりでなく、ワイヤロープによっても受け止められ支持される。
また、ワイヤロープには伸縮性があるため、波や漂流物の荷重を受けたワイヤロープが弾性的に伸び縮みすることで、防波板に作用する荷重が吸収緩和されるので、波力の減勢作用が得られるとともに、漂流物を捕捉する際の衝突に伴う衝撃が吸収緩和される。
さらに、波や漂流物の荷重が過大であって防波板や支柱が塑性変形する場合には、この塑性変形により波や漂流物の荷重が吸収緩和されるので、更なる、波力の減勢作用や、漂流物の捕捉時の緩衝作用が得られるものと考えられる。
このように防波柵は、ワイヤーロープの伸縮性によるエネルギー吸収性能と、支柱や防波板の塑性変形に伴うエネルギー吸収機能とによって、波や漂流物の荷重を吸収緩和するという柔構造を採用するので、大型の剛構造とならず、そのサイズが小さなものとなる。
なお、請求項1の漂流物捕捉機能付き防波柵は、請求項2の漂流物捕捉機能付き防波柵との関係で言うならば、その防波板は無孔状のもの又は有孔状のもののいずれであっても良い。
請求項2の漂流物捕捉機能付き防波柵は、請求項1の漂流物捕捉機能付き防波柵において、前記防波板には、多数の小孔が部分的に又は全体的に穿設されている。
この請求項2の漂流物捕捉機能付き防波柵によれば、請求項1の漂流物捕捉機能付き防波柵と同様に作用する上、波が押し寄せる場合、防波板は、その多数の小孔を通じて波を通過させるが、各小孔同士の間にある無孔状の板面によって波を堰き止める。防波板は、多数の小孔を通じて波を通過させることで波の衝突に伴う衝撃又は荷重を緩和又は低減させる一方で、その無孔状の板面による波の遮断によって、波を減勢させて陸地の浸水被害を低減させる。
また、平常の気象状態において、防波板は、その無孔状の板面によって波飛沫や越波を遮断して、海側から陸側への浸入する海水を低減させる。また、防波板は、海側から吹く風を遮り、特に、当該防波板近傍における風下側での風力を弱める。
このとき、防波板に衝突した風は、防波板によってその上方へ吹き上げられもするが、その一部が防波板の有孔部における多数の小孔を通過して防波板より風下へ流される。これによって、強風を受ける防波板の負荷は低減されもする。
さらに、防波板には多数の小孔が穿設されるので、かかる小孔を通じて光透過性が確保されており、防波板越しでも防波板の向こう側の景色を透視でき、コンクリート製の防潮堤のように全面が遮蔽されることもないので、圧迫感も低減され、かつ、景観が損なわれることも抑制される。
請求項3の漂流物捕捉機能付き防波柵は、請求項1又は2の漂流物捕捉機能付き防波柵において、前記防波板は架設方向に亘って形成された山部及び谷部を備え、当該山部と谷部とが前記防波板の縦方向において交互に連設された波板状に形成されている。
この請求項3の漂流物捕捉機能付き防波柵によれば、請求項1又は2の漂流物捕捉機能付き防波柵と同様に作用する上、上記波板状の防波板を支柱間に架設することによって、当該防波板の支柱間における架空部分は、単なる平板状のものに比べて、その機械的強度、特に、当該防波板の板面を押す力に対する曲げ強さが向上される。よって、断面積が比較的小さな板状の防波板であっても、想定する波や漂流物の荷重に対する耐久性を確保できるという効果がある。
請求項4の漂流物捕捉機能付き防波柵は、請求項3の漂流物捕捉機能付き防波柵において、前記ワイヤロープは、前記防波板の谷部内に収容された状態で、前記谷部に沿って防波板の架設方向に添設されてなるものである。
この請求項4の漂流物捕捉機能付き防波柵は、請求項3の漂流物捕捉機能付き防波柵と同様に作用する上、ワイヤロープは、防波板の谷部に収容された状態で防波板の架設方向に添設されるので、この谷部の凹みより大きな漂流物が防波板に衝突する場合には、かかる漂流物が当該谷部の両側の山部に阻まれて、ワイヤロープに衝突することが防止される。これによって、ワイヤロープは、防波板に漂流物が衝突しても、その伸縮機能が害されることなく、波や漂流物の荷重を吸収緩和させることができるのである。
請求項5の漂流物捕捉機能付き防波柵は、請求項1から4のいずれかの漂流物捕捉機能付き防波柵において、前記防波板は、前記支柱の縦方向において、複数に分割された板部材を並設してなるものである。
請求項6の漂流物捕捉機能付き防波柵は、請求項1から5のいずれかの漂流物捕捉機能付き防波柵において、前記防波板は、その架設方向において、前記支柱の間隔おきに複数に分割された板部材を並設してなるものである。
これらの請求項5又は6の漂流物捕捉機能付き防波柵によれば請求項1から4のいずれかの漂流物捕捉機能付き防波柵と、請求項5を引用した請求項6の漂流物捕捉機能付き防波柵によれば請求項5の漂流物捕捉機能付き防波柵と、同様に作用する上、防波板が複数の板部材に分割されているので、漂流物の衝突により防波板が破損するにしても、その衝突した部分の板部材のみが損傷又は破壊されるに止まり、他の板部材に関しては、依然として波の減勢機能や漂流物の捕捉機能を維持し続けることができる。つまり、防波板の局部的な破損が防波板全体の破損に進展することを防止できる。
なお、防波板に多数の小孔を部分的に穿設する場合には、複数の板部材のうち、その一部に無孔状の板部材を使用し、その残りに多数の小孔が穿設された有孔状の板部材を使用するようにしても良い。また、多数の小孔が全体的に穿設された防波板を採用する場合には、複数の板部材の全てを多数の小孔が穿設された有孔状の板部材としても良く、無孔状の防波板を採用する場合には、複数の板部材の全てを無孔状の板部材としても良い。
請求項7の漂流物捕捉機能付き防波柵は、請求項1から6のいずれかの漂流物捕捉機能付き防波柵において、前記連結部材は、前記防波板に固着される固定部と、前記ワイヤロープが貫通する張設方向に往来自在な係合孔を有する係合部とを備えている。
この請求項7の漂流物捕捉機能付き防波柵によれば、請求項1から6のいずれかの漂流物捕捉機能付き防波柵と同様に作用する上、ワイヤロープは、連結部材を介して防波板に繋がれる場合、連結部材の係合部に係合される。このワイヤロープと連結部材の係合部との係合状態は、ワイヤロープがその張設方向に往来自在に係合孔へ貫通されることで形成される。
このため、防波板が波や漂流物の荷重を受けてワイヤロープが伸縮すると、ワイヤロープは、防波板に対して相対的に横方向(ワイヤロープの張設方向及び防波板の架設方向を含む。以下同じ。)へズレ動けるため、ワイヤロープを防波板に対して固定的に連結する場合のように、防波板や連結部材の固定によりワイヤロープの伸縮が阻害されることが抑制され、逆に、ワイヤロープが伸縮することで防波板や連結部材が余計な負荷を受けて破損することも抑制される。
以下に、本発明の変形例を示す。
第1変形例の漂流物捕捉機能付き防波柵は、請求項1から7のいずれかに記載の防波柵において、前記支柱は、その根元部に設けられ当該支柱を折曲させる関節部と、その支柱をその関節部で折曲させて押し倒す外力に対抗する弾性復元力を発生して当該支柱を傾倒状態から起立状態へ復帰させる付勢手段とを備えている。
この第1変形例の漂流物捕捉機能付き防波柵によれば、請求項1から7のいずれかに記載の防波柵と同様に作用する上、防波板によって波が受け止められる場合、その波の荷重が過大なときは、波に押されて支柱が関節部で折れ曲り、支柱全体が傾倒又は転倒させられる。このように支柱が関節部で折れ曲って傾倒又は転倒することによって、波の過大な荷重を受け流すことができる。
また、支柱が関節部で折れ曲って傾倒又は転倒されることによって、波は減勢されるため、陸地の浸水被害も軽減される。しかも、関節部で折れ曲って一旦は傾倒又は転倒した支柱も、付勢手段により付与される弾性復元力によって、折り曲がっていた関節部が伸ばされて、倒立状態へ復帰させられる。
このように支柱は、過大な波の荷重を受け流すことで支柱自体が大きく塑性変形することが防止されるとともに、傾倒又は転倒しても付勢手段によって倒立状態に復帰させられることから、塑性変形による損傷で機能不全となることが低減されるため、波の荷重が何度となく繰り返し作用しても、防波柵による波に対する減勢作用を働かせ続けることができる。
第2変形例の漂流物捕捉機能付き防波柵は、第1変形例の防波柵において、前記支柱における前記関節部は、それ自体が可撓性を有する弾性部材で形成された付勢手段である。よって、支柱の関節部が折れ曲れば、その折れ曲り変形によって関節部内に弾性復元力が蓄積され、この弾性復元力によって支柱が傾倒又は転倒した状態から倒立状態へと復帰させられる。
第3変形例の漂流物捕捉機能付き防波柵は、第1若しくは第2変形例の防波柵、又は、請求項1から6のいずれかに記載の防波柵において、前記基礎構造体は防潮堤であって、前記支柱は、その防潮堤上に立設されている。よって、防潮堤の高さが既に確保されている分、防波柵の高さを低くできるので、その設置コストを低減できる。
本発明の漂流物捕捉機能付き防波柵によれば、高波、高潮、津波などの高潮位波が襲来するような異常な気象状態において、波が押し寄せる場合には、その波を、防波板全体としては堰き止めることで減勢させることで、陸地の浸水被害を低減させるという効果がある。特に、請求項2又は請求項2を引用する請求項3から7のいずれかの漂流物捕捉機能付き防波柵にあっては、敢えて、防波板の多数の小孔を通じて海水を陸側へ受け流すことで、防波板に作用する波力を軽減して当該防波柵の倒壊を回避しつつ、陸地の浸水被害を低減させるという効果がある。
また、防波板は、支柱を介して張設支持された伸縮性を有するワイヤロープによって補強されるので、このワイヤロープの伸縮によって波や漂流物の荷重を吸収緩和でき、波力の減勢作用や、漂流物の衝突時に緩衝作用が得られる。すると、波力の減勢作用によって、陸地へ向かう波の勢いを弱め、陸上の被害を低減でき、漂流物の衝突時の緩衝作用によって、漂流物の衝突荷重で倒壊せずに漂流物の捕捉率を向上できるという効果がある。
さらに、特に、請求項2又は請求項2を引用する請求項3から7のいずれかの漂流物捕捉機能付き防波柵にあっては、平常の気象状態において、防波板は、その無孔状の板面によって波飛沫や越波を遮断して、海側から陸側への浸入する海水を低減させることができ、なおかつ、防波板は、海側から吹く風を遮り、特に、当該防波板近傍における風下側での風力を弱めることができるという効果がある。
図1は、本発明の一実施例である防波柵を海側から正面視した図である。 (a)は、図1のII−II線における縦断面図であり、(b)は、(a)の上端部を部分的に拡大視した拡大縦断面図である。 (a)は、図1のIII−III線における縦断面図であり、(b)は、(a)の上端部を部分的に拡大視した拡大縦断面図である。 (a)は、防波板の一部を部分的に拡大視した拡大正面図であり、(b)は、(a)のB−B線における横断面図である。 本実施例の防波柵の設置状態の一例を示した側面図であり、基礎構造体が道路構造物である場合のものである。 本実施例の防波柵の設置状態の一例を示した側面図であり、基礎構造体が防潮堤である場合のものである。 第2実施例の防波柵の設置状態を示す側面図である。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本発明の一実施例である防波柵1は、高潮位波の水流を堰き止めることで陸地浸水に伴う被害を低減させる防波機能と、高潮位波で流される漂流物、例えば、船舶、車両、コンテナ、木材、家屋の廃材等を捕捉して、漂流物の衝突から人命や財産を守り、陸地侵入及び海上流出の双方の低減させる捕捉機能とを備えている。
図1は、本発明の一実施例である防波柵1を海側から正面視した図であり、横方向(図1左右方向)の一部を中間省略して図示しており、さらに、防波板3の一部図示を省略し、複数の小孔6aを一部省略して図示している。
図1に示すように、防波柵1は、基礎構造体50の上に設置され、海岸線に沿って横方向に連なるように設けられるものであり、主に、複数本の支柱2と、防波板3と、複数本のワイヤロープ4と、4本の斜設サポート5とを備えている。
複数本の支柱2は、防波板3を支持して基礎構造体50上に立設させるための支柱2であり、2本の端末支柱2Aと、複数本の中間支柱2Bとを備えている。端末支柱2Aは、防波柵1の横方向(図1左右方向)の両端端部に一本ずつ立設されており、例えば、角形鋼管材で形成されている。複数本の中間支柱2Bのそれぞれは、一対の端末支柱2A,2A間に立設されており、例えば、H形鋼などの形鋼材で形成されている。
複数本の支柱2は、いずれも基礎構造体50の上端面50aから垂直上方へ向けて立設され、基礎構造体50の横方向に所定の間隔を隔てて並設されており、なおかつ、その下端部が基礎構造体50の上端面50aからその内部に埋設されている。
防波板3は、複数枚の有孔折板6が集合して形成された壁体であり、各支柱2の間に架設され且つ各支柱2により支持されることで、基礎構造体50上において横方向に連なるように立設されている。この防波板3を形成する各有孔折板6は、例えば、鋼板等の金属板やFRP等の強化樹脂板などの高剛性の薄板材で形成されている。
また、防波板3は、各支柱2の最上端から基礎構造体50の上端面50aまで縦方向(図1上下方向)に連設されている。しかも、防波板3の下側縁辺は、基礎構造体50の上端面50aに当接又は極近接しており、防波板3と基礎構造体50との境目からの高潮位時の海水を低減している。
さらに、防波板3は、支柱2の縦方向及び支柱2,2間の横方向に所定の縦幅及び横幅をもった複数枚の有孔折板6に分割して形成されている。つまり、防波板3は、これらの複数枚の有孔折板6が垂直面上に縦方向及び横方向に並設されることで一つの壁体となっている。
具体的に、複数枚の有孔折板6は、防波板3の縦方向において隣り合う有孔折板6同士が互いの縁辺を当接させた状態で並設されている。また、各有孔折板6は、その横方向両端部が支柱2に対して締結固定され、防波板3の横方向において隣り合う有孔折板6,6同士の間には、中間支柱2Bの横幅に比べて幅狭の間隔が設けられ、この間隔の背後に中間支柱2Bの正面部2B1が配置されている(図4(b)参照。)。
複数本のワイヤロープ4は、その両端部が端末支柱2Aにより係止固定された状態で支持され、その長手方向(図1左右方向)における中間部が複数本の中間支柱2Bにより支持されている。各ワイヤロープ4は、その長手方向両端部が索端金具7を介して端末支柱2Aに係止されており、防波板3の架設方向(図1左右方向)に沿うように支柱2,2間に張設されている。
この複数本のワイヤロープ4は、防波板3の縦方向(図1上下方向)において所定の間隔を隔てて並設されており、防波板3の縦方向に並設される縦並びの複数の有孔折板6の背後(陸側壁面3b側)に添設されている。また、各ワイヤロープ4は、その長手方向に弾性的に伸縮する性質を有しており、当該ロープ4の長さに対して数%(例えば1〜2%)程度の伸び率を有するものである。
斜設サポート5は、各端末支柱2Aに作用する複数本のワイヤロープ4による引張荷重を支持するため、端末支柱2Aを補強する部材であり、例えば、H形鋼などの形鋼材で形成されている。各斜設サポート5は、その上端部が端末支柱2Aに締結固定されており、その下端部が基礎構造体50の上端面50aからその内部に埋設されている。
なお、斜設サポート5は、防波板3の正面側(海側)及び防波板3の背面側(陸側)の双方に配設されているが、防波板3の背面側のものは、防波板3の正面側のものと同一形態であって当該防波板3の正面側のものの背後に隠れた状態となっている。
図2(a)は、図1のII−II線における縦断面図であり、図2(b)は、図2(a)の上端部を部分的に拡大視した拡大縦断面図であり、図1との関係上、図中左側が海側となり、図中右側が陸側となる。
図2に示すように、防波板3は、その縦方向に断面視等脚台形状の海側山部M1(海側(図2左側)に隆起した部分)及び海側谷部V1(陸側(図2右側)に沈降した部分)がそれぞれ交互に繰り返して連設される波板状に形成されている。
個々の有孔折板6は、海側山部M1の山頂部MTと、その山頂部MTの両脇に連設される各傾斜部SLと、各傾斜部SLの先端に連設される谷底部VFとを形作るように折れ曲った波板状の折板である。このような有孔折板6が縦方向に複数並設され、隣り合わせになった有孔折板6の谷底部VF同士が繋がることで、防波板3の海側谷部V1の谷底部VFは、形作られている。
なお、防波板3における海側壁面3a(図2左側)の裏面(図2右側)は、防波板3における陸側壁面3bとなり、なおかつ、各有孔折板6が波板状の薄板であることから、防波板3の海側山部M1の裏面は、陸側から海側に沈降した陸側谷部V2となるとともに、防波板3の海側谷部V1の裏面は、陸側に隆起した陸側山部M2となっている。
また、上記したように、斜設サポート5は、端末支柱2Aの海側の正面と陸側の背面との両側に設けられている。
図2(b)に示すように、端末支柱2Aにより支持される有孔折板6は、その海側谷部V1の谷底部VFが端末支柱2Aに溶接固定された固定ブラケット2A1に対し、ボルト及びナットを用いた締結具(以下単に「締結具」という。)BNを介して締結固定されている。
また、各ワイヤロープ4は、防波板3の陸側壁面3bに添設されている。具体的に、ワイヤロープ4は、防波板3の縦方向に並んだ有孔折板6の個々に添設される訳ではなく、縦方向の最上段にある2枚の有孔折板6,6に添設されるとともに、それらより下段に並んだ有孔折板6に一枚置きに添設されている。なお、縦方向に並んだ全ての有孔折板6に対してワイヤロープ4を添設するようにしても良い。
また、各ワイヤロープ4は、それが添設される有孔折板6の陸側谷部V2(海側山部M1の裏側部分)内に収容されており、その有孔折板6の陸側山部M2の山頂部MTの端面に比べて海側(図2左側)寄りの位置にて架空されている。
このように架空されたワイヤロープ4は、それが添設される有孔折板6の陸側谷部V2から延設される連結具8を介して、防波板3(有孔折板6)に繋ぎ付けられている。
連結具8は、アイボルトEB及びナットNTを用いたものであり、アイボルトEBの雄ねじ部及びナットNTの雌ねじ部が螺合することで有孔折板6に締結固定される固定部8aとなっており、アイボルトEBの頭部が円環状をした係合部8bとなっている。この連結具8の係合部8bは、その内周部が係合孔8cとなっており、この係合孔8c内にワイヤロープ4が貫通されることで、ワイヤロープ4が防波板3に連結係合されている。
図3(a)は、図1のIII−III線における縦断面図であり、図3(b)は、図3(a)の上端部を部分的に拡大視した拡大縦断面図であり、図1との関係上、図中左側が海側となり、図中右側が陸側となる。
図3に示すように、ワイヤロープ4は、中間支柱2Bの正面部2B1に締結固定される留具9を介して中間支柱2Bに支持されている。このワイヤロープ4の留具9は、側面視U字状をしたU字ボルトUB及びナットNTを用いたものであり、U字ボルトUBの両端部にある雄ねじ部とナットNTの雌ねじ部とが螺合することで中間支柱2Bの正面部2B1に締結固定される固定部9aとなっている。
この留具9によれば、そのU字ボルトUBと中間支柱2Bとにより囲繞された側面視D字状の環状部9bが形成されており、この環状部9bの内周部が係合孔9cとなって、この係合孔9c内にワイヤロープ4が貫通されることで、ワイヤロープ4が中間支柱2Bに係合支持されている。
図4(a)は、防波板3の一部を部分的に拡大視した拡大正面図であり、図4(b)は、図4(a)のB−B線における横断面図である。なお、図4では、横方向の一部を中間省略して図示している。
図4に示すように、防波板3は、その各有孔折板6の海側山部M1及び海側谷部V1が当該防波板3の架設方向(図4左右方向)に向かって連続して形成されている。また、各有孔折板6は、その横方向両端部が締結具BNを介して各支柱2に締結固定されており、この横方向(図中左右方向)両端部を除いた残りの部分に多数の小孔6aが全面的に穿設(貫設)されている。
防波板3(有孔折板6)の多数の小孔6aは、平常時は風を通す通気孔として機能する一方で、高潮位波が押し寄せる非常時は海水を通過させる通水孔として機能するものである。なお、有孔折板6の海側山部M1にある小孔6aは、連結具8の固定部8aの固定孔としても用いられる。
具体的に、本実施例の有孔折板6は、その傾斜部SLの板面に複数の円形状の小孔6aが千鳥状に穿設されており、海側山部M1の山頂部MT及び底板部材に横長小判状の小孔6aが直線状に穿設されている。本実施例では、防波板3の開口率(空隙率)が約30〜40%程度(好適には30%程度)となっている。
このように防波板3は、その各有孔折板6に穿設される多数の小孔6aを通じて、その厚み方向(図2及び図3の左右方向)へ海水を通過させることができるとともに、かかる各小孔6a間にある無孔状の板面6bで波の荷重を受け止めて、波を減勢させる。
連結具8は、防波板3の架設方向(図4左右方向)において、有孔折板6の横幅方向中央部に1箇所のみ配設されている。なお、連結具8の配設個数は、必ずしも1箇所に限定されるものではなく、一枚の有孔折板6の横幅方向に複数箇所に配設するようにしても良い。
また、連結具8及び留具9の係合孔8c,9cは、その内径がワイヤロープ4の外径に比べて僅かに大きく形成されており、係合孔8c,9cを通じてワイヤロープ4が張設方向(図4左右方向)に往来自在となっている。
さらに、ワイヤロープ4は、陸側谷部V2内に収容された状態のまま有孔折板6の架設方向に沿って張設されており、ワイヤロープ4の索端金具7は、このワイヤロープ4の張設に必要となる引張力が調節可能に形成されている。
なお、本実施例の防護柵では、各ワイヤロープ4の両端部に固定される索端金具7はそれぞれ同種のものであるので、図4では、そのうち一方の索端金具7(図1左側)についてのみ説明し、他方の索端金具7(図1右側)の説明を省略する。
索端金具7は、ワイヤロープ4の両端部を張設状態で端末支柱2Aに係止固定するものであり、本実施例では、索端金具7の一種であるロープテンショナーが用いられている。この索端金具7は、直線丸棒状のターミナルボルトTBを備えており、このターミナルボルトTBの基端部(図4右側)がワイヤロープ4の端部に連結固定され、その先端部がダブルナットDNTを介して端末支柱2Aに係止固定されている。
この索端金具7のターミナルボルトTBは、端末支柱2Aの内側面(図4右側)から外側面(図4左側)まで貫通しており、端末支柱2Aを貫いて横方向に往来自在となっている。このように端末支柱2Aを貫通したターミナルボルトTBの先端部には、ダブルナットDNTが螺着されており、このダブルナットDNTが端末支柱2Aの外側面に当接衝合することで、ワイヤロープ4が端末支柱2Aに係止されている。
この索端金具7によれば、ターミナルボルトTBの先端部とダブルナットDNTとの螺合位置を変更することで、即ち、ターミナルボルトTBをダブルナットDNTに対して横方向に進退させることで、ワイヤロープ4の張力を調整することができる。
なお、本実施例では、ワイヤロープ4は防波板3に連結具8を介して繋ぎ付けられたが、防波板3及びワイヤロープ4の連結部材は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、ワイヤロープ4と防波板3とを溶接により接合する溶接継手であっても良い。
また、防波板3の海側壁面3aには、縦方向に並んだ有孔折板6,6の縁辺部同士(図中の海側谷部V1の谷底部VF,VF)に連結板10が跨設され、この連結板10が締結具BNを介して各有孔折板6に締結固定されることで、縦方向に隣り合った有孔折板6,6同士が連結固定されている。この連結板10は、防波板3の海側壁面3aにある連結板10の真裏にもあり、表裏二枚の連結板10,10が締結具BNを介して共締めされている(図2(b)参照。)。
図5及び図6は、本実施例の防波柵1の設置状態の一例を示した側面図であり、図5は、基礎構造体50が道路構造物である場合のものであり、図6は、基礎構造体50が防潮堤である場合のものである。図5及び図6に示すように、防波柵1は、その基礎構造体50として道路や防潮堤などが用いられる。
図5及び図6に示すように、高潮位波60が海側(図中左側)から陸地に襲来した場合、その波は防波柵1の防波板3に衝突することによって減勢される。そして、この衝突に伴う荷重は、防波板3を支持する複数本の支柱2と、その支柱2,2間に張設されている複数本のワイヤロープ4とによって受け止められて支えられる。
もっとも、防波板3には多数の小孔6aが穿設されるため、高潮位波60に伴う大量の海水は、かかる多数の小孔6aを通過して陸地側へ浸水するが、波が減勢されている分、海水の流れによる陸地の家屋などの不動産や自動車などの動産が損壊する被害は低減されるものと期待される。
また、防波板3は、多数の小孔6aから海水を陸地側へ受け流すことによって、波の衝突荷重が低減又は軽減されることが期待されることから、その防波板3自体の損壊を低減又は軽減でき、高潮位波60が繰り返し押し寄せる場合でも、防波柵1による波の減勢作用を保ち続けることができる。
しかも、防波柵1によれば、押し波時には海上からの船舶70等の漂流物が捕捉される一方で、引き波時には陸上から流出する家屋や自動車80等の漂流物や人や動物が捕捉され、これらが海上に流出することを防止する働きもあり、陸上資産の消失や人命救助に資するものとなる。
特に、本実施例の防波柵1は、波や漂流物の過大な衝突荷重により防波柵1自体が受ける衝撃を軽減することで、その機能不全の原因となる防波柵1自体の損壊を可能な限り回避し、できるだけ長い時間、波の減勢と漂流物の捕捉という防波柵1の機能存続を図り、高潮位波60による被害拡大を抑制しようとするものである。
このため、本実施例の防波柵1とっては、波や漂流物の過大な衝突荷重により防波柵1自体が受ける衝撃を軽減すること、即ち、支柱2や防波板3の損壊を可能な限り抑制して、防波板3に及ぶ衝突エネルギーを吸収緩和させることが必要となる。
この点、各支柱2,2間には、防波板3が全面的に架設されるのみならず、かかる防波板3に連結させて複数本のワイヤロープ4が横方向に張設されかつ縦方向に並設されているので、これらワイヤロープ4の支えによって、波や漂流物の衝突荷重で防波板3の横方向中間部が撓曲することが抑制され、防波板3の機能保全が図られる。
また、波や漂流物の衝突荷重でワイヤロープ4が伸張することで、かかる伸張に伴うエネルギー消費が行われ、波や漂流物の衝突エネルギーが吸収緩和されるので、防波柵1の倒壊を回避しつつ、波の減勢及び漂流物の捕捉を行い続けることができる。
さらに、波や漂流物の衝突によって支柱2や防波板3が塑性変形するような場合にあっては、防波板3や支柱2がある程度損傷しはするが、かかる塑性変形がワイヤロープ4の伸縮変形と相俟って、衝突エネルギーの吸収緩和が図られる。
また、仮に、一部の支柱2が傾倒しかかっても、この支柱2を完全倒壊させぬようにワイヤロープ4を介して他の支柱2により引っ張られ支えられる。さらに、波や漂流物の衝突でワイヤーロープが弾性限界を超えて永久伸びを生ずれば、これによっても衝突エネルギーが吸収緩和される。
そのうえ、ワイヤロープ4は、防波板3の陸側谷部V2内に収容され、陸側山部M2の山頂部MTよりも内側にあるので、防波板3の陸側から漂流物が衝突しても、ワイヤロープ4の上下にある防波板3の陸側山部M2に阻まれ、かかる漂流物がワイヤロープ4に接触することが防止される。これによって、漂流物の衝突によりワイヤロープ4が破断する危険性が低減される。
また、ワイヤロープ4は、その張設方向(図中では横方向に一致する方向)に移動可能な状態で、連結具8を介して防波板3に連結され、かつ、留具9を介して中間支柱2Bに支持されているので、かかる連結具8及び留具9で拘束されることによってワイヤロープ4の伸張が阻害されることもない。
さらに、陸側からの引き波が防波板3に衝突しても、連結具8を介して防波板3にワイヤロープ4が連結されることで、防波板3が波に押し流されることをワイヤロープ4により引き止めることができる。
また、波が防波板3の多数の小孔6aを素通りすることで、防波板3に加わる波の荷重を低減でき、その分、防波板3に及ぶ波の衝突エネルギーが軽減される。とは言え、防波板3の各小孔6a間に存在する無孔状の板面6bに海水が衝突することで、波を減勢させる機能も同時に働かせることができる。
また、図6に示すように、防潮堤が基礎構造体50である場合には、この防潮堤の上端部に防波柵1を立設することで、防潮堤の高さ分だけ、防波柵1の高さを小さくできる。しかも、防潮堤が既設のものであれば、その分、防波柵1の高さを低減して建設コストの削減も図られる。
次に、図7を参照して、上記実施例の変形例について説明する。図7は、第2実施例の防波柵20の設置状態を示す側面図である。第2実施例の防波柵20は、上記した第1実施例の防波柵1に対し、支柱の根元部の構造を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
図7に示すように、第2実施例の防波柵1は、各支柱2の根元部に当該支柱2を折曲させる関節部21が設けられている。また、各支柱2には、その関節部21で支柱2が折曲して傾倒した場合に、かかる傾倒状態から倒立状態へ復帰させる弾性復元力を発揮する付勢手段が備わっている。
第2実施例の防波柵1では、支柱2の関節部21が、支柱2に比べて大きな弾性を有する硬質ゴムなどの弾性材料を用いた弾性部材で形成されており、当該支柱2の付勢手段としての機能も有している。このため、防波板3によって波が受け止められる場合、その波の荷重が過大なときは、波に押されて支柱2が関節部21で折れ曲り、支柱2全体が傾倒又は転倒させられる。このように支柱2が関節部21で折れ曲って傾倒又は転倒することによって、波の過大な荷重を受け流すことができる。
また、支柱2が関節部21で折れ曲って傾倒又は転倒されることによって、波は減勢されるのため、陸地の浸水被害も軽減される。しかも、関節部21で折れ曲って一旦は傾倒又は転倒した支柱2は、関節部21の弾性変形に伴って弾性復元力が蓄積されているので、かかる弾性復元力によって倒立状態へ復帰させられる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施例では、ワイヤロープ4が防波板3の陸側壁面3bに張設されたが、かかるワイヤロープ4は必ずしも防波板3の陸側壁面3bにのみ張設される必要はなく、ワイヤロープ4を防波板3の海側壁面3a(図2及び図3の左側)に張設するようにしても良い。
また、防波板3の開口率やワイヤロープ4の伸び率は、上記した数値に必ずしも限定されるものではなく、本発明の防波板及びワイヤロープの機能を確保することができるものであれば良い。
また、上記各実施例では、有孔折板6として一山分の凹凸を有する縦幅(図4上下方向の幅)が比較的短い折板を用いて説明したが、かかる有孔折板の形態は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、有孔折板は二山以上の凹凸が縦方向に連なった折板であっても良い。
また、上記各実施例では、防波板3を有孔状の折板6を用いて形成したが、防波板を形成する板部材は必ずしも折板である必要はなく、例えば、平板状その他の形態をした板部材であっても良い。また、防波板3を形成する板部材は、必ずしも多数の小孔が穿設された有孔状である必要はなく、無孔状のものであっても良い。
特に、上記各実施例では、防波板3の全体を複数枚の有孔折板6を用いて形成したが、防波板の形態は必ずしもこれに限定されるものではなく、防波板の全体を無孔板によって形成するようにしても良く、或いは、防波板の一部を無孔折板で形成し、その残りを有孔折板で形成するようにしても良い。
また、上記各実施例では、ワイヤロープ4を防波板3の陸側谷部V2内に収容させるように連結具8を介して防波板3の陸側谷部V2の谷底部VFに連結したが、かかるワイヤロープの連結箇所は、必ずしもこれに限定されるものではなく、谷部V1,V2内に収容するような格好であれば、谷部V1,V2内の谷底部VFや傾斜部SLの何れであっても良い。
さらに、ワイヤロープ4を谷部V1,V2内に収容するような格好で防波板3に連結させるのではなく、山部M1,M2の山頂部M1,M2や傾斜部SLに対し、連結具8を介して連結するようにしても良く、かかる場合、ワイヤロープ4が谷部V1,V2からはみ出すようになっても良い。
1,20 防波柵(漂流物捕捉機能付き防波柵)
2 支柱
3 防波板
4 ワイヤロープ
6 有孔折板(防波板の板部材)
6a 小孔
8 連結具(連結部材)
8a 固定部(連結部材の固定部)
8b 係合部(連結部材の係合部)
8c 係合孔
21 関節部(支柱の根元部の関節部、付勢手段)
50 基礎構造体
M1 海側山部(山部)
M2 陸側山部(山部)
V1 海側谷部(谷部)
V2 陸側谷部(谷部)

Claims (7)

  1. 基礎構造体に間隔を隔てて立設された支柱と、前記支柱間に架設及び支持した状態で前記基礎構造体上に立設された防波板と、前記防波板の架設方向に沿って添設されると共に、前記支柱により張設支持された伸縮性を有するワイヤロープと、前記ワイヤロープを前記防波板に繋ぎ付ける連結部材とで構成してなることを特徴とする漂流物捕捉機能付き防波柵。
  2. 前記防波板には、多数の小孔が部分的に又は全体的に穿設されていることを特徴とする請求項1記載の漂流物捕捉機能付き防波柵。
  3. 前記防波板は架設方向に亘って形成された山部及び谷部を備え、当該山部と谷部とが前記防波板の縦方向において交互に連設された波板状に形成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の漂流物捕捉機能付き防波柵。
  4. 前記ワイヤロープは、前記防波板の谷部内に収容された状態で、前記谷部に沿って防波板の架設方向に添設されてなることを特徴とする請求項3記載の漂流物捕捉機能付き防波柵。
  5. 前記防波板は、前記支柱の縦方向において、複数に分割された板部材を並設してなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の漂流物捕捉機能付き防波柵。
  6. 前記防波板は、その架設方向において、前記支柱の間隔おきに複数に分割された板部材を並設してなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の漂流物捕捉機能付き防波柵。
  7. 前記連結部材は、前記防波板に固着される固定部と、前記ワイヤロープが貫通する張設方向に往来自在な係合孔を有する係合部とを備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の漂流物捕捉機能付き防波柵。
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