JP5925591B2 - 制振装置及び同装置が配置されたラック式自動倉庫 - Google Patents

制振装置及び同装置が配置されたラック式自動倉庫 Download PDF

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Description

本発明は、構造物の制振装置、及び、同装置が配置されたラック式自動倉庫に関する。
2011年3月11日に発生した東日本大震災の甚大な被害は記憶に新しいところである。地震と津波の破壊力、そのエネルギーの巨大さをまざまざと見せつけられ、その痛ましい被害には言語を絶するものがあった。ところで、地震と津波の被害は、東北地方以外にもさまざまな形で表れている。その1つが、昨今の流通網において重要な役割を果たしているラック式自動倉庫への影響である。例えば、ラック式自動倉庫の建屋自体に被害がなくとも、ラックに格納された格納物(荷)がラックから落下する被害があちらこちらで報告されている。
ラック式自動倉庫とは、物流の効率化、円滑化を一層推進する手段の一つとして広く普及してきているものであり、規格化されたパレットPLにさまざまな格納物を載置し、スタッカークレーンによって縦横に格納物をラックに格納するものである。最近は、とみに大型化や、危険物を格納するものまで、種々のタイプのものが設置されている。
このようなラック式自動倉庫に対し、新設されるものについては、耐震構造としたり免震構造としたりすることができ、幾つかの手段が提案されている。例えば、倉庫内のラック構造体を免震床の上に構築し、倉庫建屋の建屋床との間にアイソレータを設けて免震する構造が提案されている。しかしながら、この手段は既設の倉庫に施すことは至難の業であり、技術的にもまた費用の面でも実施可能なものということはできない。
そこで、既設のラック式自動倉庫に制振装置を設ける手段も幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、図7に示すように、既設ラック倉庫においても容易に改造施工が行えるラック倉庫の耐震化構造および方法として、ラック構造体2の最上部に設けられて、ラック列並び方向のラック構造体2同士を固定する固定梁部材6に上下から上固定部材12a、下固定部材12bを取り付けた固定手段を設け、その間にアーム10aを架設し、アーム10aから下方に吊り下げ部10bを設け、そこに制震手段9を固定し、制震手段9は、少なくともラック列並び方向に質量を可動としたチューンド・マス・ダンパーからなり、ラック最上段7に収まるように構成する技術が開示されている。なお、本段落の各事項に付されている符号は当該段落限りのものである。
さらに、特許文献2には、図8に示すように、地震を受けた際に効果的に制振作用を発揮しうる立体自動倉庫およびその制振方法として、立体自動倉庫は、多列・多段に構成された複数のラック棚2を備えたラック1と、該ラックに沿い配設されたレール上を走行し、主柱に沿って荷台を昇降させると共に、該荷台上の荷aを前記ラック棚内に格納し、或いは前記ラック棚内の荷を取り出すスタッカークレーンとを備え、最上段のラック棚のうち所定のラック棚には制振装置10が設置され、制振装置は、前記ラック棚に装着される取付け枠と、該取付け枠に基端で揺動自在に連結されたバーと、該バーの先端に取り付けられたマスと、前記マスおよび取付け枠間に挿設されたダンパーおよびバネとを含み、制振装置は、スタッカークレーンを使用し、荷の格納状況に応じて任意のラック棚に移動しうる技術が開示されている。なお、本段落の各事項に付されている符号は当該段落限りのものである。
特開2002−293314号公報 特開2008−290432号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載された手段は、いずれも制振装置をラック式自動倉庫の最上段に配置するものである。これは、ラックの最上段には格納物を格納するスペースに加えて、ラックとスタッカークレーンの構成上、プラスアルファのスペースが設けられていることが多く、特許文献1及び2では、そのスペースを利用してマスダンパーなどの制振装置を配置するものである。そして、この最上段に制振装置を配置する手段では、1次モードによる振動すなわち頂部の揺れを抑制することには役立つものの、高次モードによる中間部での揺れを抑制する効果は発揮しにくいという問題があった。また、既設のラック式自動倉庫に容易に脱着でき、しかも格納物の格納状況に応じて保護が重点的に求められる荷室に自在に制振装置を配置しにくいという問題があった。
本発明は以上のような問題に鑑みなされたもので、既存のラック式自動倉庫などの構造物に脱着可能かつ容易に取付けられる制振装置を提供し、さらに、その制振装置が荷室の中の格納物の有無にかかわらず所望の荷室に水平方向及び/又は垂直方向に自在に配置されたラック式自動倉庫を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)構造物に脱着可能に取付けられる架台と、前記架台上に支持され、水平方向に移動可能なマスとを備え、前記架台が、前記構造物の柱間に架橋されるフレームと、前記フレーム間に設けられ、前記マスを移動可能に支持するガイドと、第1の端部において前記ガイドに、第2の端部において前記マスにそれぞれ回動可能に取付けられるダンパーと、第1の端部において前記ガイドに、第2の端部において前記マスにそれぞれ取付けられる復元部材と、前記フレームと前記ガイドの接合部近傍の外側に展開可能に設けられ、フレームに沿って配置された展開前の状態からフレームより外側へ突出し前記構造物の柱を把持する固定部材と、備えることを特徴とする制振装置を提供する。
上記(1)の制振装置によれば、架台が展開可能な固定部材を備えていることから、架台を構造物に脱着可能に取付けることができる。
(2)固定部材が、第1の端部がガイドの側面の所定の位置に回動可能に取付けられる少なくとも1本のアームと、アームの第2の端部にわたって形成されたクランプとを備え、アーム及びクランプが展開し、構造物の柱を把持することを特徴とする上記(1)に記載の制振装置を提供する。上記(2)の制振装置によれば、固定部材が少なくとも1本のアームとその端部に形成されたクランプを備えていることから、構造物の柱を加工することなく把持することができる。
(3)納物が格納された荷室に生じるデッドスペースに取付けられことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の制振装置を提供する。
上記(3)の制振装置によれば、格納物が格納された荷室に取付けられるため、ラックの上部だけでなく中間部や下部にも必要な箇所に制振装置を配置することにより、中間部などにも制振効果を発揮させることができる。
(4)架台が、所定の範囲を超える外力に対し、マスの移動を防止するロック機構をさらに備えることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の制振装置を提供する。上記(4)の制振装置によれば、所定の範囲を超えるマスの移動をロック機構が抑制することから、マス自体の落下や構造物との衝突を防止することができる。
(5)マスが金属、コンクリート、液体封入容器及び格納物からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の制振装置を提供する。上記(5)の制振装置によれば、専用の金属製やコンクリート製以外にも、例えば非常用水を兼ね備えた液体封入容器やその構造物に格納された格納物自体をマスとして利用することができる。
(6)多列かつ多段の複数の荷室を有するラックと、荷室へ格納物を搬送するスタッカークレーンと、荷室の内部に取付けられる上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の制振装置とを備えることを特徴とするラック式自動倉庫を提供する。上記(6)のラック式自動倉庫によれば、脱着可能な製振装置を荷室の位置にかかわらずその内部に配置することから、荷室の格納状況に応じて自在に制振装置の設置場所を変化させうるとともに、既設のラック式自動倉庫を容易に改良できる。
(7)制振装置がスタッカークレーンによって揚重され、格納物を載置するパレットと同程度又はパレットよりも小さい架台を有することを特徴とする上記(6)に記載のラック式自動倉庫を提供する。上記(7)のラック式自動倉庫によれば、制振装置が格納物用のスタッカークレーンを用いて揚重されることから、制振装置を配置するための特別な設備を有さず、既設のラック式自動倉庫に容易に導入することができる。
(8)制振装置が取付けられていない荷室に水平方向のブレースをさらに備えることを特徴とする上記(6)又は(7)に記載のラック式自動倉庫を提供する。上記(8)のラック式自動倉庫によれば、他の制振手段であるブレースを組合わせることにより、制振装置の配置数を少なくして制振効果を得ることができる。
(9)制振装置が、格納物の格納状況に応じて変化する固有周期に対し、制振効果が最適化されるように水平方向及び/又は垂直方向に荷室を選択して取付けられ、1次モードに加えて高次モードの振動にも対応することを特徴とする上記(6)〜(8)のいずれか1つに記載のラック式自動倉庫を提供する。上記(9)のラック式自動倉庫によれば、制振装置を保護の必要な格納物に近接して配置することにより、高い保護の効果を得ることができる。
本発明は、既存のラック式自動倉庫などの構造物に脱着可能かつ容易に取付けられる制振装置を提供し、さらに、その制振装置が荷室の中の格納物の有無にかかわらず所望の荷室に水平方向及び/又は垂直方向に自在に配置されたラック式自動倉庫を提供する。
本発明の第1の実施形態に係る制振装置の荷室内への配置状態の一例を示す概略図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図を示す。 本発明の第1の実施形態に係る制振装置の架台を示す概略図であって、(a)は固定部材の展開前の平面図、(b)は固定部材の展開後の平面図を示す。 本発明の第1の実施形態に係る制振装置の荷室内への配置状態の他の例を示す概略図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図を示す。 本発明の第2の実施形態に係るラック式自動倉庫を模式的に示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るラック式自動倉庫への制振装置の配置状態の一例を示す概略図であって、(a)は制振装置が水平方向に配置された平面図、(b)は制振装置及びブレースが水平方向に配置された平面図である。 本発明の第2の実施形態に係るラック式自動倉庫への制振装置の配置状態の他の例を示す概略図であって、制振装置が垂直方向に配置された側面図である。 従来の制振装置を配置したラック式自動倉庫の一例を示す概略図である。 従来の制振装置を配置したラック式自動倉庫の他の例を示す概略図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、図1〜6において、同一符号は同一又は対応する部分を示す。また、本発明は、以下の説明からも明らかなように、発明の要旨の範囲内においてこの実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば種々の変形が可能である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る制振装置20を示す概略図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図である。正面手前がスタッカークレーン12の通路であり、ラック11によって形成された荷室に制振装置20が配置された状態を示している。図1は、荷室内に格納物Cが格納されておらず、制振装置20のみが配置されている例を図示している。制振装置20は、構造物Sに脱着可能に取付けられる架台1と、架台1上に支持され、水平方向に移動可能なマス2とを備え、架台1は、構造物Sの柱P間に架橋されるフレーム3と、フレーム3間に設けられ、マス2を移動可能に支持するガイド4とを備えている。マス2は、スタッカークレーン12の通路を正面として、正面と背面の所定の範囲内を摺動可能なようにガイド4に支持されている。
図2は、第1の実施形態に係る制振装置20の架台1の構成を示しており、(a)はフレーム3とガイド4の接合部近傍の外側に設けられた固定部材7が展開する前の状態を、(b)は固定部材7が展開し、構造物Sの柱Pをクランプ8によって把持している状態を示している。ここで、ダンパー5は、マス2の動きを減衰するための部材であり、第1の端部においてガイド4に、第2の端部においてマス2にそれぞれ回動可能に取付けられている。復元部材6は、マス2をもとの位置に復元するための部材であり、第1の端部においてガイド4に、第2の端部においてマス2にそれぞれ取付けられている。復元部材6は例えばバネなどによって構成されている。
この実施形態では、図2に示すように、架台1の中央部分にはダンパー5や復元部材6をマス2にまとめて取付けるための取付板10が設けられている。ここでは、ダンパー5は対角線上に計4本、復元部材6は左右に計2本を設けているが、もちろん、取付け位置や取付け本数などはこれに限定されない。例えば、マス2の重量やサイズ、ダンパー5の性能などを考慮して、例えば、ダンパー5を1本だけガイド4のマス2の移動方向の一方端に取付けてもよいし、その際は、復元部材6を中央ではなくガイド4のマス2の移動方向の他方端に取付けてもよい。
架台1は、さらに想定以上の外力がマス2に働き、その移動が許容範囲を超えようとした場合に、強制的にマス2の動きを停止させるロック機構9を備えている。これは、想定以上の外力により、マス2そのものが架台1から外れ、荷室から下方へ落下したり、隣接する構造物Sや格納物Cに衝突することを防止するためのものである。
図2では、固定部材7は、2本のアームを有する場合が図示されている。スタッカークレーン12によって所望の荷室内へ搬送された制振装置20は、スタッカークレーン12の操作部(図示せず)に設けられた制御に基づき、固定部材7の展開機能をオンにすることにより、第1のアーム7a及び第2のアーム7bがガイド4及びフレーム3から外側へ突出し、第1のアームと第2のアームの端部にわたって形成されているクランプ8が構造物Sの柱Pに当接し、その後、柱Pを取り囲むように把持する。図2に示すように、ここでは2本のアーム7a,7bとそれらの交接する端部にわたって形成されたクランプ8によって柱Pを把持しているが、構造物Sの種類、その柱Pの形状や材質、マス2の重量など様々な条件を加味して、アームを1本としても、あるいは3本以上としてもよい。
ここで、架台1は格納物Cを載置するためのパレットPLと同程度又はそれよりも若干下回るサイズで構成されている。図2(a)に表された架台1を取り巻く最も外側の破線は架台1よりも大きい場合のパレットPLのサイズを表している。スタッカークレーン12のオペレータは格納物Cを荷室内へ格納するときとまったく同じ操作を制振装置20の架台1に施したうえで、手動により簡易に、又は遠隔操作によって固定部材7を展開させることができるので、安全かつ効率的に制振装置20を所望の荷室に取付けることができる。例えば、制振装置20を取付ける荷室の近傍まで人が赴いて架台1を柱Pに把持させるための作業をする必要はない。もちろん、さらに一層安全性や確実性を確保するため、スタッカークレーン12の格納物Cを搬送する先端にカメラを設置し、映し出された映像をオペレータが目視しつつ作業してもよい。
図3は、荷室に格納物Cを格納した状態において、本発明に係る制振装置20を荷室のデッドスペースに配置した例を示す概略図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図である。制振装置20は、図3に示すように、荷室内に格納物Cが格納されており荷室の全スペースを占有することができない場合であっても、荷室と格納物Cの高さ寸法の差分によって形成されたデッドスペースに配置することができる。そして、架台1が展開可能な固定部材7を備えていることによって、限られた狭いスペースであっても制振装置20を挿入し、容易に取り付けることができる。この場合、格納物Cによって占められる高さ寸法を確保するため、制振装置20の高さ寸法は格納物Cの高さ寸法よりも小さく設定されている。
このようにして、本願発明に係る制振装置20は、格納物Cとともに同じ荷室内に制振装置20を取り付けることができるため、格納物Cの重要度を考慮して、制振による保護効果が最も得られ易い位置に制振装置20を配置することが可能となる。すなわち、ラック11の最上段に限られることなく、また、荷室内の格納物Cの有無に左右されることなく、1次モードに加えて高次モードの揺れにも対処できるように水平方向及び/又は垂直方向の所望の位置に制振装置20を配置することができる。ラック11への格納物Cの格納状況の変化に応じて、常に最適な制振効果を発揮できるようにすることができる。
マス2は、様々な条件を勘案して、金属、コンクリート、液体封入容器及び格納物からなる群から少なくとも1つを選択できる。もちろん、それらを組合わせることもできる。マス2の重量を所望のものとするためには、例えば、金属やコンクリートであれば、1つのブロックとしてもよいし、あるいは、一定の塊のものを所望の重量になるように必要数量分だけ架台1へ載置することとしてもよい。液体封入容器の場合には、封入する液体の注入量を自在に調節できることはもちろんである。液体が水である場合、例えば地震がおさまったあとの非常用水として利用することも考慮して、注入量を調節することができる。さらに、格納物Cをマス2として利用する場合は、搬入された際のデータに基づき、マス2として適した重量の格納物Cを選択すればよい。なお、本願発明に係る制振装置20はチューンドマスダンパー(TMD)の一種であるが、格納物Cをマス2として利用する場合は、例えば床を可動ならしめその自重をマスに利用するセルフマスダンパー(SMD)の考え方にも親和するものである。
図1〜3では、マス2をレール状のガイド4で摺動可能に支持する方式を図示しているが、マス2の支持構造はこれに限定される必要はなく、他の構造を採用してもよい。例えば、マス2の下にコロを設けたコロ方式やゴムを積層したゴム支持方式などでもよい。さらに、図示されたパッシブ型の制振装置に限定される必要はなく、セミアクティブ型又はアクティブ型であっても差し支えない。ただし、セミアクティブ型又はアクティブ型とした場合の留意事項としては、外部からエネルギーを入力するための電源を確保する必要があること、その電源は停電時であっても動作を確保するように無停電電源装置が望ましいこと、制振装置20をラック11の所望の荷室に取り付けできるよう電源ケーブルの配線を用意すること、制振装置20のマス2が不必要なときに誤作動しないようにすることなどが挙げられる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係るラック式自動倉庫を模式的に示す斜視図である。すなわち、上述した制振装置20を所望の荷室に配置したラック式自動倉庫30である。同図では、斜線を施した部分が制振装置20を取付けた荷室を、点を施した部分が格納物を格納している荷室を、空白の部分は制振装置20も格納物Cもない空き状態の荷室を表している。斜線を施した荷室には、格納物Cを格納して生じたデッドスペースに制振装置20を配置した状態の荷室を含んでいる。
スタッカークレーン12は、直立したガイドフレーム12aに沿って上下するフォーク等を装備しており、格納物Cを載置したパレットPLへのフォーキングすなわちフォークの出し入れによって格納物Cをラック11に形成された個々の荷室へ出し入れするために使用される。スタッカークレーン12は、運転台又は運転室が格納物の昇降と共に昇降する人荷昇降式の普通型スタッカークレーン、運転台が昇降しない方式、運転台を備えていない荷昇降式スタッカークレーンなどがある。人荷昇降式及び荷昇降式には、天井クレーン型、懸垂型、床上型があり、天井クレーン型は、ランウェイ上のガーダにトロリを設け、そのトロリに荷台が昇降するガイドフレームを備えている。懸垂型は、ラック上部等に備えられた走行レールに懸垂されて走行し、床上型は、床上の走行レール上を走行する。
第2の実施形態に係るラック式自動倉庫30においては、上述した各種のスタッカークレーン12を採用することができるが、制振装置20の重量及び寸法がスタッカークレーン12によって揚重できるように設定されており、制振装置20の取付け、取外し、ある荷室から他の荷室への移動など、その搬送はスタッカークレーン12によって行われる。従って、制振装置20は、その搬送を行うための特別な設備を要することはない。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るラック式自動倉庫において、(a)は制振装置20のみが水平方向に配置された状態の一例を示す平面を、(b)は制振装置20に加えて及びブレース13が水平方向に配置された平面の一例を示している。また、図6は、同様に、制振装置20が垂直方向に配置された側面の一例を示している。これらの場合、言うまでもなく、制振装置20の設置数,水平方向及び/又は垂直方向の配置間隔は、ラック11全体における格納物Cの格納状況等に応じて適宜設定することができる。
例えば、地震による外力が加わると、ラック11全体が振動し、1次モードの揺れの最も大きい最上段の荷室に設置した制振装置20のマス2はラック11と連動して振動し、これによってラック11の振動が抑制され、減衰される。そして、中間部にある制振装置20のマス2は高次モードの揺れに対応して、ラック11の振動が抑制される。これにより、ラック11の各荷室に格納された格納物Cは、水平方向及び/又は垂直方向のどの荷室に格納されていても、揺れから保護され、落下などの被害を免れることができる。
図5の(a)と(b)を対比すると、制振装置20のみを設けた(a)に示す例では水平方向に14台の制振装置20を配置している。これに対し、水平方向にブレース13を組合わせた(b)に示す例では、制振装置20の数量は10台に抑制することが可能となる。このように両者を組合わせれば、制振装置20に要するコストを逓減できるとともに、ラック式自動倉庫30に格納されている格納物Cの種別によって一定程度予測される格納状況やその出し入れの頻度に応じて、予めラック11を格納物Cの特性に適合したものとすることができる。
今までの説明においては、ラック式自動倉庫30に加わる外力が地震の場合を想定して説明をしたが、本願発明は地震の場合に限定されるものではない。例えば、台風などの風力による振動の外に、いわゆる環境振動と呼ばれる、自動車、鉄道、工場、生産機器などに起因する各種の振動に対し、対応できるものである。この点、従来の技術が相対的に大きな制振装置をラック11の最上段のみに配置するのとは異なり、本願発明では、荷室内に配置可能な制振装置20を随所に分散配置することができるため、各種の振動を想定して、機目細やかな制振効果を得るように対応することができる。
本発明に係る制振装置は、既設の構造物、特に、ラック式自動倉庫のようなスケルトンタイプの構造物に容易に脱着可能に取付けることができ、そのような制振装置が配置されたラック式自動倉庫は、格納物の格納状況に臨機に対応した制振効果を得ることができる。
1 架台
2 マス
3 フレーム
4 ガイド
5 ダンパー
6 復元部材
7 固定部材
7a 第1のアーム
7b 第2のアーム
8 クランプ
9 ロック機構
10 取付板
11 ラック
12 スタッカークレーン
13 ブレース
20 制振装置
30 ラック式自動倉庫
S 構造物
P 柱
C 格納物(荷)
PL パレット

Claims (9)

  1. 構造物に脱着可能に取付けられる架台と、
    前記架台上に支持され、水平方向に移動可能なマスとを備え、
    前記架台が、
    前記構造物の柱間に架橋されるフレームと、
    前記フレーム間に設けられ、前記マスを移動可能に支持するガイドと、
    第1の端部において前記ガイドに、第2の端部において前記マスにそれぞれ回動可能に取付けられるダンパーと、
    第1の端部において前記ガイドに、第2の端部において前記マスにそれぞれ取付けられる復元部材と、
    前記フレームと前記ガイドの接合部近傍の外側に展開可能に設けられ、フレームに沿って配置された展開前の状態からフレームより外側へ突出し前記構造物の柱を把持する固定部材と、
    備えることを特徴とする制振装置。
  2. 前記固定部材が、
    第1の端部が前記ガイドの側面の所定の位置に回動可能に取付けられる少なくとも1本のアームと、
    前記アームの第2の端部にわたって形成されたクランプとを備え、
    前記アーム及び前記クランプが展開し、前記構造物の柱を把持することを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  3. 納物が格納された荷室に生じるデッドスペースに取付けられことを特徴とする請求項1又は2に記載の制振装置
  4. 前記架台が、所定の範囲を超える外力に対し、前記マスの移動を防止するロック機構をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制振装置。
  5. 前記マスが金属、コンクリート、液体封入容器及び格納物からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制振装置。
  6. 多列かつ多段の複数の荷室を有するラックと、
    前記荷室へ格納物を搬送するスタッカークレーンと、
    前記荷室の内部に取付けられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の制振装置とを備えることを特徴とするラック式自動倉庫。
  7. 前記制振装置が前記スタッカークレーンによって揚重され、前記格納物を載置するパレットと同程度又はパレットよりも小さい架台を有することを特徴とする請求項6に記載のラック式自動倉庫。
  8. 前記制振装置が取付けられていない前記荷室に水平方向のブレースをさらに備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のラック式自動倉庫。
  9. 前記制振装置が、前記格納物の格納状況に応じて変化する固有周期に対し、制振効果が最適化されるように水平方向及び/又は垂直方向に前記荷室を選択して取付けられ、1次モードに加えて高次モードの振動にも対応することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のラック式自動倉庫。
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