JP3810386B2 - トグル機構を用いた振動制御装置 - Google Patents

トグル機構を用いた振動制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の揺れを抑えるトグル機構を用いた振動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図47に示すように、建物18は、地震や風等の外力によって振動し、梁14と柱12とで囲まれた架構16に力と変形が生じる。この力と変形を抑えるために、架構16内にエネルギーを吸収する制振用ダンパー装置70(図48参照)を設置したものがある(特開平5−256045号公報参照)。
【0003】
図48及び図49に示すように、この制振用ダンパー装置70は、架構16が振動してピン80が変位(δ1)した場合、ロッド72の折曲部(ピン74)で変位を拡大して抽出し(δ2となる)、このピン74に連結されたダンパー76によって振動吸収を行い、振動に対する建物の減衰性を向上させるものである。
【0004】
ところで、上記の制振用ダンパー装置70では、減衰性能を備えたダンパー76が必要となるため、構成部品が多くなる。
【0005】
また、ピン80で柱12に連結された一対のロッド72の長さが等しいため(ピン74とピン80との距離が等しくL1となっている)、図50に示すように、梁14の長い架構16に設置した場合、架構16が左方向へ変形すると、ピン74が梁14に当たり、制振効果を発揮できないことが予想される。
【0006】
また、ロッド72を、架構16の対角線上に連結するようになっているため、制振機構を効率良く構築できない。また、ロッド72の軸線と柱12の軸線とがなす角度θ1、θ2が大きいため、柱12に曲げ応力が発生する。このため、極限状態に至ると、図47に示すように、柱12が先に崩壊してしまう可能性があり、建物18の崩壊形態としては好ましいものと言えない。
【0007】
また、上記の制振用ダンパー装置70は、小地震や風による揺れを対象としており、想定している建物18の変形量が小さいので、大地震等によって建物18が大きく揺れた場合、装置自体が破壊される可能性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は係る事実を考慮し、簡単な機構で、構造物の大きさに左右されずに効率良く配置でき、また、取付部位に曲げ応力を発生させることなく、大地震時にも制振効果を発揮できるトグル機構を用いた振動制御装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、柱と梁で構築された架構内に配置され構造物の振動を抑えるトグル機構を用いた振動制御装置において、前記架構の上階梁に一端が回転可能に取付けられた短ブレース材と、前記架構の下階梁に一端が回転可能に取付けられた長ブレース材と、前記短ブレース材と前記長ブレース材の自由端を回転可能に連結する回転支承と、構造物にエネルギーが入力されていない状態で、短ブレース材の前記一端と長ブレース材の前記一端を結ぶ線より前記下階梁側に位置する前記回転支承へ一端が回転可能に連結され、他端が上階梁又は下階梁に回転可能に取付けられた減衰装置と、を有することを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明は、柱と梁で構築された架構内に配置され、構造物に作用する外力によって相対変形する上階梁と下階梁に取付けられている。
【0011】
上階梁には、短ブレース材の一端が回転可能に取付けられており、下階梁には、長ブレース材の一端が回転可能に取付けられている。そして、回転支承により、短ブレース材と長ブレース材の自由端が回転可能に連結されて、トグル機構を構成している。
【0012】
ここで、回転支承は、構造物にエネルギーが入力されていない状態において、短ブレース材の一端と長ブレース材の一端を結ぶ線より下階梁側に位置しており、すなわち、トグル機構が、下階梁側に折れ曲がった形態を呈している。
【0013】
このトグル機構によって、地震等により上階梁と下階梁が、小さく水平方向或いは鉛直方向へ相対変形しても、大きな変形に増幅され、上階梁又は下階梁に回転可能に取付けられた減衰装置は大きく移動する。
【0014】
このため、小さい変形×大きな力=大きな変形×小さな力という関係が成立し、減衰装置が小さな力によって、構造物の振動を抑制する。また、上階梁と下階梁の小さな相対変形が、減衰装置の大きな変形に増幅されて構造物が制振されるので、中小の地震や風による小さな振動も効果的に制振することができ、さらに、耐震補強に活用することもできる。
【0015】
また、短ブレース材及び長ブレース材の長さ或いは自由端の交角度を変えることにより、増幅倍率を任意に設定することができる。さらに、相対変形を生じる所であれば、取付場所は限定されず、短ブレース材と長ブレース材の長さを調整することでトグル機構を効率よく構築できる。
【0016】
また、短ブレース材と長ブレース材が、下階梁側に折れ曲がった形態を呈しているので、トグル機構の特性上、上階梁が変形し難くなり、上階梁の剛性が見掛け上硬くなる。
【0017】
さらに、高層ビル等において、せん断変形より曲げ変形が卓越するような場合でも、トグル機構を用いた振動制御装置は、水平変形だけでなく鉛直変形にも追従できるので、任意方向の振動を制振することができる。
【0018】
なお、短ブレース材と長ブレース材を梁に連結することで、柱が崩壊する前に梁が崩壊して地震等のエネルギーを吸収するので、もし仮に、想定以上の外力が建物に作用し終局状態に至ったとしても、崩壊して倒壊に至るような大きな被害を受けることがない。
【0019】
また、減衰装置としては、油圧ダンパー、粘性ダンパー、粘弾性ダンパー、及びワイヤダンパー等が使用できる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、柱と梁で構築された架構内に配置され構造物の振動を抑えるトグル機構を用いた振動制御装置において、前記架構の上階梁に一端が回転可能に取付けられた長ブレース材と、前記架構の下階梁に一端が回転可能に取付けられた短ブレース材と、前記短ブレース材と前記長ブレース材の自由端回転可能に連結する回転支承と、構造物にエネルギーが入力されていない状態で、短ブレース材の前記一端と長ブレース材の前記一端を結ぶ線より前記上階梁側に位置する前記回転支承へ一端が回転可能に連結され、他端が上階梁又は下階梁に回転可能に取付けられた減衰装置と、を有することを特徴としている。
【0021】
請求項2に記載の発明は、トグルの形状が上階梁側へ折れ曲がっているか、下階梁側へ折れ曲がっているかの違いだけで、請求項1と同様に作用効果を奏する。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のトグル機構を用いた振動制御装置の1つの実施の形態として、図3及び図4に示す第1形態に係る制振装置10を説明する。
【0023】
第1形態に係る制振装置10は、柱12と梁14と構成された架構16内に上下に連層され、また、平面的に見て、建物18の角部に制振方向が直交するように配設されている。なお、本形態では、制振装置10を建物18の角部に取付けたが、建物の形状を考慮して、スパン部分に取付けてもよく、取付位置が限定されるものではない。
【0024】
図1及び図2に示すように、制振装置10は、上階梁14Aに取付けられた回転支承20に一端が固定された第1ブレースとしての短ブレース材23と、下階梁14Bに取付けられた回転支承24に一端が固定された第2ブレースとしての長ブレース材27とを備えている。
【0025】
短ブレース材23は長ブレース材27より短く、それぞれの自由端は回転摩擦ダンパー28で回動可能に所定の角度を持って連結され、トグル機構を構成している。ここで、短ブレース材23の長さは、柱12の長さより短くされており、架構16が左側へ大きく変形しても(図6参照)、回転摩擦ダンパー28が下階梁14Bと接触しないようになっている。このため、架構16の設計上の最大変形状態まで制振機能を発揮することができる。
【0026】
次に、制振装置10の機能を、図5〜図7に示す模式図を参照して説明する。
【0027】
地震等によって、図5に示すように、架構16が右方向へδ1水平変形したとし、便宜上、柱12の伸縮を無視して、上階梁14Aもδ1水平変形したとする。このとき、架構16内において、トグル機構を構成する短ブレース材23及び長ブレース材27が回転支承20、24を中心に回転運動を行うため、上階梁14Aの回転支承20の水平変位量δ1より、回転摩擦ダンパー28の変位量δ2が増幅されて大きくなる。
【0028】
このように、回転支承20の小さな変位が回転摩擦ダンパー28の大きな回転変位に増幅され、小さい変位×大きな力=大きな変位×小さな力という関係が成立する。そして、回転摩擦ダンパー28での小さな回転摩擦力によって、架構16の振動が減衰され、中小の地震や風による建物18の小さな振動が効果的に制振される。
【0029】
また、図5に示すように、長ブレース材27と下階梁14Bのなす角度θ1が小さくなるように、短ブレース材23と長ブレース材27の交角度θ2を設定することで、長ブレース材27の軸力によって、下階梁14Bに余分な曲げ応力を発生させない。
【0030】
なお、短ブレース材23と上階梁14Aとのなす角度θ3が大きくなっているが、図3に示すように、上下階の回転支承24と回転支承20の位置が鉛直線上に位置するように制振装置10を建物18に連層することで、短ブレース材23の軸力が梁14の上下面で互いに打ち消され、梁14に余分な曲げ応力が発生しない。
【0031】
次に、図6に示すように、架構16が左方向へδ4水平変形したとすると、短ブレース材23の長さは、柱12の長さより短いので、回転摩擦ダンパー28が下階梁14Bと接触しない。このとき、トグル機構の特性上、架構16が右方向へ変形した場合と比較すると、回転摩擦ダンパー28の変位量δ3は、上階梁14Aの回転支承20の水平変位量δ4より若干大きくなる程度で、変形の増幅倍率が余り大きくない。
【0032】
しかし、図3及び図4に示すように、建物18内に制振装置10を左右対称に配置することで、揺れ方向に関係なく制振効果を発揮できる。また、図8に示すように、架構16内に左右対称に制振装置10を配置してもよい。
【0033】
また、上階梁14Aの回転支承20の水平変位方向と、回転摩擦ダンパー28の変位方向が逆になっているため、架構16の動きを抑制する作用が働くことになる。このため、架構16の見掛け上の剛性が大きくなる。すなわち、トグル機構を上下組み変えることで、架構16の剛性を見掛け上、硬したり軟らかくしたりすることができる。
【0034】
一方、図7に示すように、架構16が、水平変形(δ5)及び鉛直変形(δ6)しても、回転可能に連結された短ブレース材23及び長ブレース材27はこの動きに追従する。このため、高層ビルにおいて顕著に見られる曲げ変形を制御することができる。
【0035】
また、例えば、図5に示すように、短ブレース材23と長ブレース材27が伸び切って、架構16が最大変形状態に到っても、ブレース材は梁14に取付けられているので、柱12が崩壊する前に梁14が崩壊して地震等のエネルギーを吸収し、建物全体が崩壊して倒壊に至るような大きな被害を受けることがない。
【0036】
なお、本形態では、短ブレース材23と長ブレース材27との長さを相違させたが、同じ長さでも、本発明の効果を奏することができる。
【0037】
また、図9に示すように、短ブレース材23及び長ブレース材27の自由端側に補助質量52を取付けてもよい。このように、変形が増幅される部位に入力低減手段としての補助質量52を設けることで、制振効果がさらに向上する。
【0038】
さらに、図10に示すように、回転摩擦ダンパー28へ入力低減手段としての付加質量54を直接取付けることによって、入力されるエネルギーを低減するようにしてもよい。また、付加質量54を回転摩擦ダンパー28に直接取付けることによって、短ブレース材23及び長ブレース材27に曲げ応力が作用しないので、軸力を受ける部材としてブレース材を設計することができる。なお、回転摩擦ダンパー28を回転支承に替え、入力低減手段としての付加質量54を取付けることで、入力されるエネルギーを低減することができる。
【0039】
また、回転支承20、24を回転摩擦ダンパーに替えることによって、回転摩擦ダンパー28との間で、エネルギーを分散して吸収することができ、大きな制振効果を発揮できる。さらに、短ブレース材23及び長ブレース材27を重量性のある材質で成形すれば、ブレース材全体が付加質量となり入力低減効果を発揮する。
【0040】
また、図11に示す制振装置では、上階梁14Aと下階梁14Bに弾塑性ダンパー56が取付けられており、この弾塑性ダンパー56に短ブレース材23と長ブレース材27が連結される回転支承20、24が取付けられている。
【0041】
この弾塑性ダンパー56は、極低降伏点を有する鉄、鉛等で成形されており、スリット56Aの大きさや数によって、降伏点の値を調整できるようになっている。
【0042】
このように、弾塑性ダンパー56を配置することで、大地震時等に架構16が想定以上に変形した場合、例えば、短ブレース材23と長ブレース材27とが伸び切った状態において、弾塑性ダンパー56の履歴減衰により、建物18の振動が抑えられ、かつ、フェイルセーフとして機能する。
【0043】
なお、上述した制振装置では、回転支承を設けて、短ブレース材23、長ブレース材27を回転可能としたが、図12に示すように、板ばね62の弾性変位量又は弾性域を利用して回動させてもよい。このように、板ばね62を設けることによって、この部分でもエネルギーを吸収することができる。また、板ばね62の撓み動作が阻害されないように、弾塑性ダンパー56のテーパー面56Bに板ばね62が連結されている。
【0044】
さらに、この制振装置では、短ブレース材23、長ブレース材27の自由端が、板ばね57を介して付加質量55に回転可能に連結されており、この付加質量55で入力されるエネルギーを低減させるようになっている。
【0045】
また、図13に示す制振装置では、長ブレース材27の自由端側に付加質量59が取付けられており、板ばね61で短ブレース材23と長ブレース材27とが連結されている。このため、使用する板ばねの点数を削減することができる。
【0046】
なお、上述した図9及び図10において、回転支承20、24に換えて板ばねを使用することも無論可能である。
【0047】
次に、第2形態に係る制振装置を説明する。
【0048】
図14に示すように、長ブレース材22は短ブレース材26より長く、それぞれの自由端は回転摩擦ダンパー28で回動可能に所定の角度を持って連結され、トグル機構を構成している。ここで、短ブレース材26の長さは、柱12の長さより短くされており、架構16が左側へ大きく変形しても(図16参照)、回転摩擦ダンパー28が上階梁14Aと接触しないようになっている。このため、架構16の設計上の最大変形状態まで制振機能を発揮することができる。
【0049】
次に、制振装置11の機能を、図15〜図17に示す模式図を参照して説明する。
【0050】
地震等によって、図15に示すように、架構16が右方向へδ7水平変形したとし、便宜上、柱12の伸縮を無視して、上階梁14Aもδ7水平変形したとする。このとき、架構16内において、トグル機構を構成する長ブレース材22及び短ブレース材26が回転支承20、24を中心に回転運動を行うため、上階梁14Aの回転支承20の水平変位量δ7より、回転摩擦ダンパー28の変位量δ8が増幅されて大きくなる。
【0051】
このように、回転支承20の小さな変位が回転摩擦ダンパー28の大きな回転変位に増幅され、小さい変位×大きな力=大きな変位×小さな力という関係が成立する。そして、回転摩擦ダンパー28での小さな回転摩擦力によって、架構16の振動が減衰され、大地震は元より中小の地震や風による建物18の小さな振動が効果的に制振される。
【0052】
また、図15に示すように、長ブレース材22と上階梁14Aとのなす角度θ4が短ブレース材26と下階梁14Bのなす角度θ6より小さくなるように、長ブレース材22と短ブレース材26の交角度θ5を設定することで、長ブレース材22の軸力によって、上階梁14Aに余分な曲げ応力を発生させない。
【0053】
なお、短ブレース材26と下階梁14Bとのなす角度θ6が長ブレース材22と上階梁14Aのなす角度θ4より大きくなっているが、上下階の回転支承24と回転支承20の位置が鉛直線上に位置するように制振装置11を建物18に連層することで、短ブレース材26の軸力が梁14の上下面で互いに打ち消され、梁14に余分な曲げ応力が発生しない。
【0054】
次に、図16に示すように、架構16が左方向へ変形したとすると、短ブレース材26の長さは、柱12の長さより短いので、回転摩擦ダンパー28が上階梁14Aと接触しない。このとき、トグル機構の特性上、架構16が右方向へ変形した場合と比較すると、回転摩擦ダンパー28の変位量δ10は、上階梁14Aの回転支承20の水平変位量δ9より若干大きくなる程度で、変形の増幅倍率が余り大きくない。
【0055】
しかし、建物18内に制振装置11を左右対称に配置することで、揺れ方向に関係なく制振効果を発揮できる。また、架構16内に左右対称に制振装置11を配置してもよい。
【0056】
また、第1形態の制振装置10と比較すると、第2形態では、架構16が左右どちらの方向へ変形しても、回転摩擦ダンパー28の部分が同方向に変位する。すなわち、上階梁14Aの見掛け上の剛性が軟らかくなっていることを示している。
【0057】
一方、図17に示すように、架構16が、水平変形(δ11)及び鉛直変形(δ12)しても、回転可能に連結された長ブレース材22及び短ブレース材26はこの動きに追従する。このため、高層ビルにおいて顕著に見られる曲げ変形を制御することができる。
【0058】
次に、第3形態に係る制振装置13を説明する。
【0059】
図18に示すように、第1形態で説明された、短ブレース材23と長ブレース材27が、回転摩擦ダンパー28に替えて回転支承33で連結され、トグル機構を構成している。回転支承33には、油圧ダンパー30のロッド32が連結され、シリンダー部34が、上階梁14Aに取付けられた回転支承36に固定されている。この油圧ダンパー30は、一例として速度依存型のダンパーで、ロッド32の移動速度が速い程(単位時間当たりの移動量が大きい程)、減衰効果を発揮する。なお、減衰装置としてのダンパーは、油圧ダンパーに限られず、粘性ダンパー、粘弾性ダンパー、及びワイヤダンパー等でもよい。
【0060】
次に、制振装置13の機能を、図19〜図22に示す模式図を参照して説明する。
【0061】
地震等によって、架構16が右方向へδ13水平変形したとし、便宜上、柱12の伸縮を無視して、上階梁14Aもδ13水平変形したとする。このとき、架構16内において、トグル機構を構成する短ブレース材23及び長ブレース材27が回転支承20、24を中心に回転運動を行うため、上階梁14Aの回転支承20の水平変位量δ13より、回転支承33の変位量δ14が増幅されて大きくなる。
【0062】
このように、回転支承20の小さな水平変位が回転支承33の大きな回転変位に増幅され、小さい変位×大きな力=大きな変位×小さな力という関係が成立する。そして、回転支承33に連結された油圧ダンパー30によって、架構16の振動が減衰され、大地震は元より中小の地震や風による建物18の小さな振動が効果的に制振される。
【0063】
また、油圧ダンパー30のシリンダー部34は、上階梁14Aに回転支承36を介して回転可能に取付けられているので、回転支承33のどのような挙動に対しても追従して、減衰効果を発揮することができるが、図22に示すように、回転支承33の移動軌跡が描く円Mの接線上を、ロッド32が伸縮するように油圧ダンパー30を配置することで、減衰性能をさらに向上させることができる。
【0064】
次に、図20に示すように、架構16が左方向へδ15水平変形したとすると、短ブレース材23の長さは、柱12の長さより短いので、回転支承33が上階梁14Aと接触しない。このとき、トグル機構の特性上、架構16が右方向へ変形した場合と比較すると、回転支承33の変位量δ16は、上階梁14Aの回転支承20の水平変位量δ15より若干大きくなる程度で、変形の増幅倍率が余り大きくない。
【0065】
しかし、建物18内に制振装置13を左右対称に配置することで、揺れ方向に関係なく制振効果を発揮できる。
【0066】
また、図21に示すように、架構16が、水平変形(δ17)及び鉛直変形(δ18)しても、回転可能に連結された短ブレース材23及び長ブレース材27はこの動きに追従する。このため、高層ビルの上層部において顕著に見られる曲げ変形を制御することができる。
また、本発明の振動制御装置は、免震構造の基礎免震にも適用できる。ここでは、図23に示すように、第3形態の制振装置で説明するが、今までに説明した他の制振装置でも同様に、免震構造の基礎免震に適用できる。
【0067】
すなわち、制振装置13を配置することで、建物18の振動を減衰することができ、並びに、入力低減効果が期待でき、また、免震装置40(高減衰積層ゴム、鉛プラグ入り積層ゴム等で構成されている)のねじれ振動等を止めることができる。また、トグル機構を用いた振動制御装置13は、上下動の制御もできるので、建物18のロッキング(傾倒する方向へ振れる現象)を抑えることもできる。
【0068】
さらに、新耐震設計法(昭和56年施行)前の設計基準で施工された建物及び耐震補強を必要とする建物に取付ければ、減衰機能によって地震力の低減を図ることができるので、耐震壁等を設けなくても耐震補強が可能となる。制振装置13は、免震構造の基礎免震だけでなく、図24に示す中間層の免震や、レトロフィットへの適応が可能である。
【0069】
さらに、図25に示すように、上下の基礎部92と基礎部94との間に免震部材90を配置した基礎免震構造において、上側の基礎部94に回転支承24を、下側の基礎部92に回転支承20、36を固定し、第ブレース材23及び長ブレース材27で平面内にトグル機構を構成して、回転支承33と回転支承36の間に油圧ダンパー30を配置するようにしてもよい。
【0070】
このとき、制振装置13は、平面的に見て建物の対角状に左右対称となる大きなトグル機構を構成しており、建物の平面内における捻じれを効率良く抑えることができる。なお、建物が平面的及び立面的に不整形な場合、制振装置13は、最も効果的な位置に配設される。
【0071】
一方、図26では、制振装置13が、架構16内に設けられた耐震壁42に左右対称に一対配設されている。耐震壁42には、長ブレース材27が回転支承24を介して回転可能に連結され、また、上階梁14Aには、短ブレース材23及び油圧ダンパー30が、回転支承20、36を介して回転可能に連結されている。
【0072】
このように、耐震壁42を設けることによって、架構16が大きい場合でも、短ブレース材23及び長ブレース材27を長くすることなく、トグル機構をコンパクトに構築することができる。なお、図27に示すように、耐震壁に替えて、K型ブレース41を適用してもよい。
【0073】
また、図28に示すように、油圧ダンパー30が連結された回転支承33の対角線上の下階梁14Bに回転支承44を設け、ガイドシリンダー46を連結し、ガイドロッド48を回転支承33に連結するようにしてもよい。これによって、短ブレース材23及び長ブレース材27が、振れることなく安定した状態で回転するので、減衰効果が向上する。なお、ガイドシリンダー46に替えて、補助用の油圧ダンパーを取付けることで、減衰効果を増大させることができる。このとき、油圧ダンパー30は必ずしも必要でない。
【0074】
さらに、図29に示すように、油圧ダンパーに換えてガイドシリンダー50を設け、短ブレース材23及び長ブレース材27の自由端側に補助質量52を取付けることもできる。このように、変形が増幅される部位に補助質量52を設けることで、入力低減手段として機能し、制振効果がさらに向上する。なお、無論、ガイドシリンダー50に換えて油圧ダンパーであっても構わない。
【0075】
また、図30に示すように、回転支承33へ付加質量54を直接取付けることによって、短ブレース材23及び長ブレース材27に曲げ応力が作用しないので、軸力を受ける部材としてブレース材を設計することができる。
【0076】
なお、短ブレース材23及び長ブレース材27を重量性のある材質で成形すれば、ブレース材全体が動吸振機として機能する。
【0077】
また、図31に示すように、上階梁14Aと下階梁14Bに弾塑性ダンパー56を取付け、この弾塑性ダンパー56に短ブレース材23と長ブレース材27が連結される回転支承20、24を取付けてもよい。弾塑性ダンパー56は、極低降伏点を有する鉄や鉛で成形されており、スリット56Aの大きさや数によって、降伏点の値を調整できるようになっている。
【0078】
このように、弾塑性ダンパー56を配置することで、大地震時等に架構16が想定以上に変形した場合、例えば、短ブレース材23と長ブレース材27とが伸び切った状態において、弾塑性ダンパー56の履歴減衰により、建物18の振動が抑えられ、かつ、フェイルセーフとして機能する。また、図32に示すように、油圧ダンパー30と対向する位置に、補助油圧ダンパー60を取付けてもよい。
【0079】
さらに、図33に示すように、板ばね62の弾性変位量又は弾性域を利用して、付加質量64へ短ブレース材23及び長ブレース材27を回転可能に連結させてもよい。このように、板ばね62を設けることによって、この部分でも入力低減効果を発揮させることができる。また、板ばね62の撓み動作が阻害されないように、弾塑性ダンパー56のテーパー面56Bに板ばね62が連結されている。
【0080】
また、図34に示すように、油圧ダンパー30のロッド32を板ばね62を介して、長ブレース材27へ直接連結することも可能である。さらに、図35に示すように、長ブレース材27の自由端に付加質量63を付けることで、入力低減効果を発揮させることができる。
【0081】
次に、第4形態に係る制振装置15を説明する。
【0082】
図36に示すように、短ブレース材26と長ブレース材22が、回転支承29で連結され、トグル機構を構成している。回転支承29には、油圧ダンパー30のロッド32が連結され、シリンダー部34が、下階梁14Bに取付けられた回転支承36に固定されている。
【0083】
次に、制振装置15の機能を、図37〜図40に示す模式図を参照して説明する。
【0084】
地震等によって、架構16が右方向へδ19水平変形したとし、便宜上、柱12の伸縮を無視して、上階梁14Aもδ19水平変形したとする。このとき、架構16内において、トグル機構を構成する短ブレース材26及び長ブレース材22が回転支承24、20を中心に回転運動を行うため、上階梁14Aの回転支承20の水平変位量δ19より、回転支承29の変位量δ20が増幅されて大きくなる。
【0085】
このように、回転支承20の小さな水平変位が回転支承29の大きな変位に増幅され、小さい変位×大きな力=大きな変位×小さな力という関係が成立する。そして、回転支承29に連結された油圧ダンパー30によって、架構16の振動が減衰され、大地震は元より中小の地震や風による建物18の小さな振動が効果的に制振される。
【0086】
また、油圧ダンパー30のシリンダー部34は、下階梁14Bに回転支承36を介して回転可能に取付けられているので、回転支承29のどのような挙動に対しても追従して、減衰効果を発揮することができるが、図40に示すように、回転支承29の移動軌跡が描く円Mの接線上を、ロッド32が伸縮するように油圧ダンパー30を配置することで、減衰性能をさらに向上させることができる。
【0087】
次に、図38に示すように、架構16が左方向へδ21水平変形したとすると、短ブレース材26の長さは、柱12の長さより短いので、回転支承29が上階梁14Aと接触しない。このとき、トグル機構の特性上、架構16が右方向へ変形した場合と比較すると、回転支承29の変位量δ22は、上階梁14Aの回転支承20の水平変位量δ21より若干大きくなる程度で、変形の増幅倍率が余り大きくない。
【0088】
しかし、建物18内に制振装置15を左右対称に配置することで、揺れ方向に関係なく制振効果を発揮できる。
【0089】
また、図39に示すように、架構16が、水平変形(δ23)及び鉛直変形(δ24)しても、回転可能に連結された短ブレース材26及び長ブレース材22はこの動きに追従する。このため、高層ビルの上層部において顕著に見られる曲げ変形を制御することができる。
次に、第4形態に係る制振装置15が、建物65の外側に取付けられた例を説明する。この建物65は、高さが約20M程度あり、屋上部65Aには、剛体67が設置されている。剛体67には、建物65から外側に張り出すようにして回転支承69が2つ取付けられている。
【0090】
回転支承69には、左右対称となるように、短ブレース材71が連結されている。この短ブレース材71の自由端は、長ブレース材73と回転支承75で連結され、長ブレース材73の下端は、地上に設けられた基礎77へ回転支承79を介して連結され、地上と建物65との間にトグル機構を構成している。
【0091】
また、回転支承75には、油圧ダンパー81のロッド83が連結され、シリンダー部85が、基礎77に取付けられた回転支承87に固定されている。
【0092】
このように、建物全体を対象として、左右一対のトグル機構を構築することによって、地上部と屋上部との相対変形が大きくなるため、小さな揺れでも、制振効果が発揮でき、また、外付けタイプであるので、既存の建物でも容易に取付けることができる。
【0093】
なお、第3形態において、図23〜図35を参照して、制振装置の使用例、変形例を説明したが、このような、実施態様は、トグル機構の挙動が異なるだけで、第4形態の制振装置においてもそのまま適用できるので説明は割愛する。
【0094】
次に、第5形態に係る制振装置を説明する。
【0095】
図42に示すように、第5形態の制振装置17は、上階梁14Aに取付けられた回転支承20に平行で長さの等しい一対の短ブレース材90の一端が固定され、下階梁14Bに取付けられた回転支承24に平行で長さの等しい一対の長ブレース材92の一端が固定されている。短ブレース材90は長ブレース材92より短く、それぞれの自由端は回転摩擦ダンパー28で回動可能に所定の角度を持って連結され、トグル機構を構成している。
【0096】
この制振装置17の基本的な機能は、第1形態の制振装置10と同じであるが、ブレース材をシングルでなくダブルで構成することにより、回転摩擦ダンパー28が安定した状態でブレース材に支持される。また、これによって、回動変位がし易くなるので、制振効果が向上する。
【0097】
なお、制振装置17の実施態様として、図43に示すように、付加質量94をブレース材の連結部に付けたもの、図44に示すように、油圧ダンパー96を取付けたもの、図45に示すように、油圧ダンパー96と付加質量94で構成したもの、図46に示すように、回転支承を板ばね98に替え、付加質量100に連結したもの等があるが、他の制振装置と作用は同様なので、説明は割愛する。
【0098】
なお、第2形態〜第4形態の制振装置を構成するブレース材をダブルにしてもよいことは言うまでもない。
【0099】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、簡単な機構で、構造物の大きさに左右されずに効率良く配置でき、また、取付部位に曲げ応力を発生させることなく、大地震時にも制振効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置を示す斜視図である。
【図2】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の立面図である。
【図3】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置が配置された建物の立面図である。
【図4】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置が配置された建物の平断面図である。
【図5】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図6】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図7】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図8】トグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置が架構内へ左右対称に配置された状態を示す斜視図である。
【図9】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図10】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図11】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図12】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図13】第1形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図14】第2形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の立面図である。
【図15】第2形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図16】第2形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図17】第2形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図18】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の立面図である。
【図19】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図20】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図21】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図22】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図23】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置が基礎免震に利用された状態を示す立面図である。
【図24】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置が中間層免震に利用された状態を示す立面図である。
【図25】(A)は第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置が架構の平面内に配置された状態を示す平面図であり、(B)はその立面図である。
【図26】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置が耐震壁に配置された状態を示す立面図である。
【図27】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置がK型ブレースに配置された状態を示す立面図である。
【図28】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図29】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図30】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図31】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図32】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図33】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図34】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図35】第3形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図36】第4形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の立面図である。
【図37】第4形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図38】第4形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図39】第4形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図40】第4形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の動きを示した模式図である。
【図41】第4形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図42】第5形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の立面図である。
【図43】第5形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図44】第5形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図45】第5形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図46】第5形態に係るトグル機構を用いた振動制御装置を利用した制振装置の変形例を示す立面図である。
【図47】建物の崩壊形態を示した概念図である。
【図48】従来の制振装置を示した模式図である。
【図49】従来の制振装置の取付状態を示した模式図である。
【図50】従来の制振装置を大きな架構に取付けた状態を示した模式図である。
【符号の説明】
14A 上階梁
14B 下階梁
20 回転支承
22 短ブレース材
23 短ブレース材
24 回転支承
26 長ブレース材
27 長ブレース材
28 回転摩擦ダンパー(回転型減衰装置、エネルギー低減吸収手
段)
30 油圧ダンパー(エネルギー低減吸収手段、減衰装置)
33 回転支承(エネルギー低減吸収手段)
36 回転支承
41 K型ブレース
42 耐震壁
46 ガイドシリンダー(ガイド手段)
52 付加質量(補助質量)
54 付加質量(補助質量)
56 弾塑性ダンパー
90 短ブレース材
92 長ブレース材

Claims (2)

  1. 柱と梁で構築された架構内に配置され構造物の振動を抑えるトグル機構を用いた振動制御装置において、
    前記架構の上階梁に一端が回転可能に取付けられた短ブレース材と、前記架構の下階梁に一端が回転可能に取付けられた長ブレース材と、前記短ブレース材と前記長ブレース材の自由端を回転可能に連結する回転支承と、構造物にエネルギーが入力されていない状態で、短ブレース材の前記一端と長ブレース材の前記一端を結ぶ線より前記下階梁側に位置する前記回転支承へ一端が回転可能に連結され、他端が上階梁又は下階梁に回転可能に取付けられた減衰装置と、を有することを特徴とするトグル機構を用いた振動制御装置。
  2. 柱と梁で構築された架構内に配置され構造物の振動を抑えるトグル機構を用いた振動制御装置において、
    前記架構の上階梁に一端が回転可能に取付けられた長ブレース材と、前記架構の下階梁に一端が回転可能に取付けられた短ブレース材と、前記短ブレース材と前記長ブレース材の自由端回転可能に連結する回転支承と、構造物にエネルギーが入力されていない状態で、短ブレース材の前記一端と長ブレース材の前記一端を結ぶ線より前記上階梁側に位置する前記回転支承へ一端が回転可能に連結され、他端が上階梁又は下階梁に回転可能に取付けられた減衰装置と、を有することを特徴とするトグル機構を用いた振動制御装置。
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