JP5925538B2 - 充填材およびその製造方法と充填工法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物の補修・補強等に用いる永久型枠とコンクリート構造物の隙間への充填、または山岳トンネルの背面空洞充填、土木構造物の空洞充填等の裏込め、軽量盛土、埋め立て等に用いる充填材、およびそれを用いてなる充填工法に関する。
コンクリート構造物への補修・補強は、既設コンクリート表面を削り落すか、コンクリート内部の鉄筋までコンクリートをハツリした後に、モルタルを吹付けて補修するか、繊維シートを張った後に樹脂コーティングを行っていた(特許文献1参照)。
また、山岳トンネル工法で施工された鉄道、道路、水路トンネルには、背面空洞が存在する場合があり、この背面空洞は、トンネルが塑性圧や偏圧を受けた場合、覆工背面より十分な地盤反力が期待できないため構造的に不利な状態となることがある(特許文献2参照)。
このようなコンクリート構造物への補修・補強は、従来から種々研究され実用に供されている。
永久型枠を用いた充填材としては、一般的にコンクリートやモルタルを投入し、その側圧に対応するため、永久型枠の強度が必要となり、鋼板やコンクリート板で作製し運搬や設置に多大な動力を必要としていた、また、FRPを使用した永久型枠は、側圧等の圧力に弱く、使用が限定されていた。
そのため、一般的には、側圧の掛らない充填方法が提案されている(特許文献3参照)。
従来、可塑性を有する充填材は、従来から種々研究され実用に供されている。また、流動性モルタルにアタパルジャイトを混入した流動性の膨潤液を加えることにより非流動性の可塑状のグラウト材を得ることが提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、これらは、可塑化材を使用した場合、空隙内部までの完全浸透は不可能で、圧入した場合に、FRPに掛る側圧により、充填中にFRPに変形が生じてしまう。
特開2011−190141号 特許第3435122号公報 特開平11−256836号 特開2003−082653号公報
本発明は、充填材の充填時の硬化時間を任意にコントロールし、コンクリート構造物と永久型枠の空洞や隙間の充填部に確実に充填することができ、さらに、硬化時間を短くすることで永久型枠、特にFRP型枠への側圧を低減し、鋼板やコンクリート板の永久型枠の補強材や厚みを減じることができる、充填材およびその製造方法と充填工法を提供する。
すなわち、本発明は、(1)セメントを主成分とするセメントミルクA液、カルシウムアルミネートと石膏、凝結調整剤を含有する急硬材スラリーB液、及び凝結遅延剤を含有するC液を混合してなる、A液が水/セメント比で50〜120%であり、B液が水/急硬材比で50〜150%であり、C液が水100部に凝結調整剤1〜25部であり、A液とB液とC液の配合割合が、A液100部に対して、B液が5.5〜50部、C液が0.01〜10部である、流動性がJAロート値で8〜15秒で、硬化時間が1〜20分、2時間の圧縮強度が0.57(N/mm )以上で1日の圧縮強度が2.85(N/mm )以上の充填材、(2)さらに、B液が酸性物質を含有してなる(1)の充填材、(3)酸性物質が硫酸アルミニウムである(2)の充填材、(4)B液とC液を混合した後にA液を充填直前に混合してなる(1)〜(3)のいずれかの充填材の製造方法、(5)A液とC液を混合した後にB液を充填直前に混合してなる(1)〜(3)のいずれかの充填材の製造方法、(6)(4)または(5)の製造方法で作製した充填材の輸送距離が30m以内である充填工法、である。
本発明により、充填時の硬化時間を任意にコントロールし、コンクリート構造物と永久型枠の空洞や隙間の充填部に確実に充填することが可能で、硬化時間を短くすることで永久型枠、特にFRP型枠への側圧を低減するばかりか、鋼板やコンクリート板の永久型枠の補強材や厚みを減じることができるため、安価な永久型枠を提供することができ経済的である。さらに、山岳トンネルの背面空洞充填、土木構造物の空洞や隙間の充填部に確実に注入し、周辺の隙間等への漏れがなく、硬化時間を短くした充填材が地下水や流水に希釈されるのを防ぐなどの効果を奏する。
本発明で使用する部や%は、特に規定のない限り質量基準である。
本発明は、セメントを主成分とするセメントミルクA液、カルシウムアルミネートと石膏、凝結遅延剤からなる急硬材スラリーB液、及び凝結遅延剤のC液を充填直前に混合することにより、任意の硬化時間のコントロールが可能とする充填材であり、土木構造物等の空洞や隙間の充填部に確実に注入することなどを目的とするものである。
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、及び中庸熱などの各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグやフライアッシュなどを混合した各種混合セメント、並びに、通常市販されている各種微粒子セメントやエコセメントなどが挙げられる。これらの中では、経済性や作業性が良く、スランプロスが少ない面で、普通ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
セメント(C)に対する水(W)の配合割合は、W/Cで50〜120%、好ましくは70〜100%で、120%以上では、短・長期強度の発現が不良の可能性が有り、50%以下では、セメントミルク(A液)の粘度が高く、圧送性に問題が生じ、急硬材スラリーとの混合性に問題が生ずる可能性があり経済的で無い。
本発明で使用するカルシウムアルミネート(以下、CAという)は、CaO、Al、及びSiOを含有するものであり、石膏との併用により主として短期強度の発現に寄与するものである。CAの組成は、CaO含有率20〜60%、Al含有率20〜70%の範囲のものが好ましく、CaO含有率30〜55%、Al含有率30〜60%、及びSiO含有率0〜20%の範囲のものがより好ましい。この範囲外では短期強度が小さくなる場合がある。
CAは、石灰石等のカルシア原料、アルミナ、ボーキサイト、長石、及び粘土などのアルミナ原料に、ケイ石、ケイ砂、石英、及びケイ藻土などのシリカ原料などを配合した後、ロータリーキルンなどで焼成、または、電気炉や高周波炉などで溶融することにより製造される。
CAとしては、12CaO・7Al、CaO・Al、3CaO・Al、2CaO・Al・SiOやCaO・Al・2SiOなどの結晶性化合物を使用することも可能であるが、短期強度が大きい点で、溶融物を急冷して得られるガラス質のものが好ましい。
CAのガラス化率は、CAを1400℃で2時間加熱後、5℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピークの面積S0を求め、CAの結晶のメインピークSから、X(%)=100×(1−S/S0)として求められるもので、短期強度の点から50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が最も好ましい。50%未満では短期強度が小さい場合がある。
使用するCAの粉末度は、ブレーン比表面積(以下、ブレーン値という)で3000cm/g以上、好ましくは4000〜7000cm/g で、3000cm/g未満では、初期の強度発現性の向上を十分示さないので好ましくない。
本発明で使用する石膏は、無水石膏、半水石膏、及び二水石膏が挙げられ、さらに、天然石膏や、リン酸副生石膏、排脱石膏、及びフッ酸副生石膏などの化学石膏、または、これらを熱処理して得られる石膏などが含まれる。これらの中で強度発現性が大きい点で無水石膏が好ましい。
使用する石膏の粉末度は、ブレーン値で3000cm/g以上、好ましくは4000〜7000m/gであり、3000cm/g未満では、初期の強度発現性の向上が十分ではない場合が多い。
CAと石膏の使用量は、CA100部に対して、50〜200部が好ましく、70〜150部がより好ましい。50部未満では短期強度が小さい場合があり、200部を超えても短期強度が小さい場合がある。
CAと石膏の混合品(以下、急硬材という)の使用量は、セメント100部に対して、8〜30部が好ましく、10〜25部がより好ましい。8部未満では短期強度が小さい場合があり、30部を超えても強度増進効果が小さく経済的でない。
凝結調整剤としては、有機酸類やアルカリ金属炭酸塩類などが挙げられる。これらの中では、硬化時間をコントロールでき、ホースなどの閉塞がなく、硬化後の強度発現性が良好な点で、有機酸類とアルカリ金属炭酸塩類を併用することが好ましい。
有機酸類としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、及びグルコン酸などのオキシカルボン酸又はこれらの塩(ナトリウム塩やカリウム塩など)などが挙げられる。これらの中では、硬化時間をコントロールでき、ホースなどの閉塞がない点で、オキシカルボン酸及び/又はこれらの塩が好ましく、クエン酸ナトリウムがより好ましい。
アルカリ金属炭酸塩類としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムなどの炭酸塩や、炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウムなどの重炭酸塩が挙げられる。これらの中では、硬化後の強度発現性が良好な点で、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。
有機酸類とアルカリ金属炭酸塩類を併用した場合の両者の混合割合は、アルカリ金属炭酸塩類100部に対して、有機酸類5〜200部が好ましく、10〜100部がより好ましい。5部未満だと硬化時間をコントロールできず、ホースなどの閉塞が発生する場合があり、200部を越えると初期強度発現性が低下する場合がある。
凝結調整剤の使用量は、温度と練置き時間に応じて調整するため特に限定されるものではないが、急硬材100部に対して0.1〜5部が好ましく、0.3〜3部がより好ましい。0.1部未満では、練置き時間が確保しにくい場合があり、5部を超えると硬化時間が異常に長くなり、不均一な固化状態となる場合がある。また、C液として凝結調整剤を添加するため、急硬材スラリー中の凝結調整剤は、目標とする硬化時間維持に必要な凝結調整剤量より若干少なめが好ましい。
なお、C液の凝結調整剤としては、B液の凝結調整剤と同成分で良いが、硬化時間の調整のし易さからから有機酸類である、クエン酸、酒石酸、グルコン酸などのオキシカルボン酸又はこれらの塩(ナトリウム塩やカリウム塩など)を単独で使用するのが好ましい。
急硬材スラリー(B液)における水(W)の配合割合は、W/急硬材で50〜150%、好ましくは70〜120%で、150%を超えると、スラリー中の急硬材成分の沈降が発生し、短・長期強度発現が不良の原因となり、50%未満では、急硬材スラリーの粘度が高く、圧送性に問題が生じ、セメントミルクとの混合性に問題が生ずる可能性があり、その後の強度発現のバラツキの原因となる。
本発明で使用する酸性物質は、温度変化による硬化時間の変化を緩やかにし、強度発現性を良好にし、急硬材スラリーの特性を保持するために使用するものである。急硬材と水を混合して急硬材スラリーを調製した後、急硬材スラリーとセメントミルクを混合するまで急硬材スラリーを練り置く必要がある。この急硬材スラリーの練り置き時間が長いと、当初設定していた硬化時間が短くなり、強度発現性が低下する場合がある。特に高温時にはその傾向が顕著となり、ホースが閉塞し、型枠内へ急硬性セメントミルクが十分に充填できない場合があるという課題があった。この課題を解決するために酸性物質を使用するものである。
酸性物質としては、リン酸一ナトリウムやリン酸一カリウムなどのリン酸塩、硫酸アルミニウムや硫酸アンモニウムなどの硫酸塩、並びに硫酸水素ナトリウムや硫酸水素カリウムなどの重硫酸塩などが挙げられる。これらの中では、流動性が良好で、安全な点で、硫酸塩が好ましく、硫酸アルミニウムがより好ましい。また、硫酸、塩酸、及び硝酸などの強酸やリン酸も使用できる。
酸性物質の使用量は、急硬成分と石膏の合計100部に対して、10部以下が好ましく、5部以下がより好ましい。10部を超えると強度発現性が低下する場合がある。
本発明で使用するC液は、凝結調整剤を水に溶解して得られるもので、必要に応じてセメントミルクや急硬材スラリーに両者が混合する前にどちらかにC液を添加することにより、急硬性セメントミルクの硬化時間を作業中に任意に変動させることが可能となる。
C液の濃度は、水100部に凝結調整剤1〜25部、好ましくは5〜15部で、1部未満だと硬化時間のコントロールが難しく、追加添加により強度低下の原因となり、25部を超えると添加量の変動による硬化時間の変化が大きくなり、施工性が悪くなる場合がある。
C液のセメントミルク(A液)や急硬材スラリー(B液)への混合は、圧送されているセメントミルクまたは急硬材スラリー圧送管中の枝管(Y字管又はシャワーリング)へC液用ポンプ等により圧入される。
セメントミルク(A液)と急硬材スラリー(B液)の混合は、圧送されているセメントミルク圧送管中の枝管(Y字管又はシャワーリング)へ急硬材スラリー用ポンプなどにより圧入され、無駆動ミキサ(スタッティックミキサ)により混合し、注入する方法が好ましい。
セメントミルク(A液)と急硬材スラリー(B液)の混合後の硬化時間は、永久型枠に掛る側圧の低減を考慮し、急硬性セメントミルクの打設速度(高さ0.5m/min以上)が早い場合は1〜5分、打設速度(高さ0.1m/min程度)が遅い場合は3〜20分が好ましい。
セメントミルクと急硬材スラリーの混合から充填までのホースの長さは、30m以下であり、好ましくは1〜10mで、30mを超えると、特に高温時にホース内の蓄熱や圧送による摩擦熱等により、硬化時間が短くなりホースを固める場合がある。
本発明の充填材の流動性は、JAロート値で8〜15秒であり、優れた充填性能を有し、細い空隙充填にも適しているものである。
本発明の充填材の充填方法は、充填材におけるセメントミルク(A液)と急硬材スラリー(B液)と凝結遅延剤を含有するC液を、施工現場で、または施工現場とは異なる場所で予め製造し、現場で混合するものである。これらの液の製造装置については、従来と同様でよく、グラウトミキサ、モルタルミキサ、ハンドミキサなど、通常の充填材用のセメントミルクや急硬材スラリーを作製する際に使用されているミキサを用いることができる。混練時間は特に材料分離が生じなければ限定されるものではなく、例えばハンドミキサで1分程度が好適である。
A液とB液とC液の配合割合は、使用条件により変動するが、通常、A液100部に対して、B液が5.5〜50部、C液が0.01〜10部程度である。
以下、実験例に基づき詳細に説明する。
実験例1
表1に示すセメントミルクと急硬材スラリーを別々にハンドミキサで混練りして調製した。別途凝結調整剤10%水溶液C液を作り別添加した、但し、C液は急硬材スラリーに添加した。
調製したセメントミルク(A液)とC液を混合した急硬材スラリー(B液)をハンドミキサで10秒均一混合し充填材(A液+B液+C液)とし、硬化時間、圧縮強度を測定した。
尚、セメント100部に対する急硬材の配合割合(部)と、急硬材100部に対する凝結調整剤10%水溶液C液の配合割合(部)を表2に示す。また、測定結果を表2に併記する。
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品、密度3.15g/cm
急硬材:CA(12CaO・7Al 組成)、ガラス化率99%以上、ブレーン値6050cm /g、市販無水セッコウの粉砕品、ブレーン値5900cm/gを等量で混合。
凝結調整剤(1):クエン酸と炭酸カリウムの質量比1:3の混合品
凝結調整剤(2):クエン酸ナトリウム
<測定方法>
硬化時間測定方法:充填材(A液+B液+C液)をカップに入れ、横にして動かなくなった時点。
流動性試験:JAロートで測定。JSCE−F531のPCグラウトの流動性試験方法による。
圧縮強度:JSCE−F56及びJIS R 5201に準ずる(4cm×4cm×16cm供試体使用)。
表2より、本発明の充填材を使用することにより、充填材の硬化時間のコントロールが容易で強度発現性が良好なことが判る。
実験例2
硫酸アルミニウムを急硬材100部に対して表3に示す割合で混和し、急硬材スラリーの練置き時間別で試験を実施したこと以外は実験例1と同様に行った。硫酸アルミニウムの配合割合および凝結調整剤10%水溶液C液を変えた結果を表3に併記する。
<使用材料>
硫酸アルミニウム:市販品、含水物(16水塩)
表3より、硫酸アルミニウムを使用することにより、急硬材スラリー(B液)を練置いても硬化時間はあまり変わらないことが判る。また、強度発現性は良好であることが判る。
実験例3
表面を塩ビ板で側面、裏面は合板で高さ2m、幅1m、厚み10cmで上面解放の空洞充填用型枠を作製し、上部より、表1、表2に準じ、充填材(A液+B液+C液)を流し込み、塩ビ板最下部中央に圧力計を取付、急硬性セメントミルクが型枠に掛る圧力と塩ビ板の膨れを測定した。結果を表4に併記する。
セメントミルク(A液)、急硬材スラリー(B液)はハンドミキサで混練りし、各スクイズポンプのホッパーに入れ、セメントミルク8.25リットル/min、急硬材スラリー1.75リットル/minで吐出し、途中でセメントミルク(A液)、急硬材スラリー(B液)を混合管で混合し、急硬性セメントミルク(A液+B液)として、型枠上部より充填した。C液は、急硬材スラリー(B液)中の急硬材100部に対し表4で示す割合を二股管で急硬材スラリー(B液)側に流し込んだ。
<測定方法>
最大圧力:バルコム社製デジタル圧力計(VPC−A5−S−A−100.0kPa−1)で測定。
塩ビ板の膨れ:塩ビ板の最大膨れを注入前と後のノギスの差で測定。
硬化時間:圧力計の圧力上昇が無くなった時点。
表4より、本発明の充填材を使用することにより、硬化時間が取れ、充填後の型枠に掛る圧力が低く、塩ビ板の膨れが極端に少ない事が判る。
実験例4
実験例3の試験方法に準じて、C液を、セメントミルク(A液)中のセメント100部に対し表5で示す割合を二股管でセメントミルク(A液)側に流し込んだ。結果を表5に併記する。
表5より、C液をセメントミルク(A液)側に入れることにより、急硬材スラリー(B液)側への使用より硬化時間が長くなるが(C液が減らせる)、充填後の型枠に掛る圧力、塩ビ板の膨れが等が殆ど変わらないばかりか、圧縮強度発現も変わらないことが判る。
本発明により、充填時の硬化時間を任意にコントロールし、コンクリート構造物と永久型枠の空洞や隙間の充填部に確実に充填することが可能で、硬化時間を短くすることで永久型枠、特にFRP型枠への側圧を低減するばかりか、鋼板やコンクリート板の永久型枠の補強材や厚みを減じることができるため、安価な永久型枠を提供することができ経済的である。さらに、山岳トンネルの背面空洞充填、土木構造物の空洞や隙間の充填部に確実に注入し、周辺の隙間等への漏れがなく、硬化時間を短くした充填材が地下水や流水に希釈されるのを防ぐなどの効果を奏するので、土木分野などで広範に使用することが出来る。

Claims (6)

  1. セメントを主成分とするセメントミルクA液、カルシウムアルミネートと石膏、凝結調整剤を含有する急硬材スラリーB液、及び凝結調整剤を含有するC液を混合してなる、A液が水/セメント比で50〜120%であり、B液が水/急硬材比で50〜150%であり、C液が水100部に凝結調整剤1〜25部であり、A液とB液とC液の配合割合が、A液100部に対して、B液が5.5〜50部、C液が0.01〜10部である、流動性がJAロート値で8〜15秒で、硬化時間が1〜20分、2時間の圧縮強度が0.57(N/mm )以上で1日の圧縮強度が2.85(N/mm )以上の充填材の製造方法
  2. さらに、B液が酸性物質を含有してなる請求項1に記載の充填材の製造方法
  3. 酸性物質が硫酸アルミニウムである請求項2項に記載の充填材の製造方法
  4. B液とC液を混合した後にA液を充填直前に混合してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の充填材の製造方法。
  5. A液とC液を混合した後にB液を充填直前に混合してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の充填材の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の製造方法で作製した充填材の輸送距離が30m以内であることを特徴とする充填工法。
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