JP5924945B2 - ペースト組成物 - Google Patents

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Description

この発明は、一般的にはペースト組成物に関し、特定的には、シリコン基板上にパッシベーション膜が形成され、そのパッシベーション膜に形成された孔を通じてシリコン基板に電気的に接触する太陽電池用裏面電極を形成するためのペースト組成物に関するものである。
近年、高い変換効率の結晶系太陽電池として、たとえば、特開2005‐150609号公報(特許文献1)、特開2011‐159783号公報(特許文献2)に開示されているように、PERC(Passivated emitter and rear cell)と呼ばれる構造の太陽電池の開発が盛んに行われている。通常の太陽電池では、太陽電池の受光面と反対側の裏面全体にアルミニウム電極層が形成される。これに対して、PERC構造の太陽電池では、シリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜、または、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜を組み合わせた膜等の絶縁膜からなる反射防止膜が、太陽電池素子の受光面と反対側の裏面に形成されている。この反射防止膜にレーザー光で孔を形成し、この孔を通じてシリコン基板と電気的に接触するようにアルミニウム電極層が形成されている。このようなPERC構造においては、上記のアルミニウム電極層からのアルミニウム原子の拡散によって形成されたp+層の存在により生成キャリアの収集効率を向上させるBSF(Back Surface Field)効果が得られるとともに、上記の反射防止膜がパッシベーション膜として作用するので、シリコン基板表面での電子の再結合を抑制することにより、発生したキャリアの再結合率を減らすことが可能となる。その結果、高い電圧を得ることができ、変換効率を高めることができる。
上述したようにPERC構造の太陽電池においてアルミニウム電極層を裏面の一部に形成する(すなわち、ローカルBSF層(p+層)を形成する)ために、通常の太陽電池においてアルミニウム電極層を裏面全体に形成するために用いられているペーストを適用した場合、シリコン基板の表面が露出した開口部に対して塗布されるペーストの量の割合が大きすぎる。このため、ペースト中のアルミニウムとシリコン基板中のシリコンとの反応が局在化することにより、シリコン基板中のシリコンがアルミニウム電極層のマトリックス中に取り込まれてしまう。この結果として、シリコン基板とアルミニウム電極層との界面に空洞(cavity)が生成するためにフィルファクターが悪化することが、エリアス・ウレジョラ(Elias Urrejola)他3名、「裏面不動態化太陽電池のためのAl-Si合金の微細組織における重力の効果(Effect of gravity on the microstructure of Al-Si alloy for rear-passivated solar cells)」、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics)、アメリカン・インスティチュート・オブ・フィジックス(American Institute of Physics)、2011年9月6日、第110巻、第5号、56104頁(非特許文献1)で報告されている。実際に、通常の太陽電池において裏面電極を形成するためのペーストを、PERC構造の太陽電池の裏面電極を形成するために用いた場合、シリコン基板とアルミニウム電極層との界面に空洞が形成されるために、BSF効果をもたらすp+層が形成されないという問題がある。このため、裏面電極としてアルミニウム電極層が形成されたPERC構造の太陽電池が実用化されていない。
なお、通常の太陽電池において裏面電極を形成するためのペーストとして、シリコン基板中のシリコンがアルミニウム電極層のマトリックス中に拡散するのを最小限にするために、アルミニウム粉末と、アルミニウムに対するシリコンの重量比が5%以上50%以下であるAl−Si合金粉末とを含む太陽電池用ペースト材が、特開2010‐123999号公報(特許文献3)で提案されている。
また、シリコン基板の反りによる製造歩留まりの低下を防止するために、アルミニウム粉末と、このアルミニウム粉末100重量部に対して0.5〜50重量部のシリコン粉末とを含む太陽電池用ペースト材料が、特開2001‐313402号公報(特許文献4)で提案されている。
特開2005‐150609号公報 特開2011‐159783号公報 特開2010‐123999号公報 特開2001‐313402号公報
エリアス・ウレジョラ(Elias Urrejola)他3名、「裏面不動態化太陽電池のためのAl-Si合金の微細組織における重力の効果(Effect of gravity on the microstructure of Al-Si alloy for rear-passivated solar cells)」、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics)、アメリカン・インスティチュート・オブ・フィジックス(American Institute of Physics)、2011年9月6日、第110巻、第5号、56104頁
しかしながら、本発明者らは、上記の特許文献3で提案されたペーストを実際に検証したところ、アルミニウム電極層とシリコン基板との界面における空洞の生成を十分に抑制することができなかった。また、空洞の生成を抑制するためにAl−Si合金中のシリコン含有量を増加させると、融点が1000℃以上になり、アルミニウム電極層を形成するための焼成温度よりも高くなるので、十分なBSF効果が得られないという問題が生じる。
一方、上記の特許文献4で提案されたペーストを用いて、アルミニウム電極層とシリコン基板との界面における空洞の生成を抑制するためには、シリコン粉末の含有割合を相当高くしなければならない。また、ペースト中のシリコン粉末の含有割合を高くすると、形成されるアルミニウム電極層の導電性が低下するという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、PERC構造の太陽電池において、太陽電池用裏面電極とシリコン基板との界面における空洞の生成を抑制し、かつ、良好なBSF効果を得ることが可能なペースト組成物を提供することである。
本発明者らは、PERC構造の太陽電池において、アルミニウム電極層とシリコン基板との界面における空洞の生成を抑制するためのペーストの組成を種々検討した。その結果、アルミニウム粉末に加えて、アルミニウム‐シリコン合金粉末とシリコン粉末をペーストに含ませることによって、ペースト中のアルミニウムとシリコン基板中のシリコンとの過剰な反応を制御し、アルミニウム電極層とシリコン基板との界面における空洞の生成を抑制することができるとともに、良好なBSF効果をもたらすp+層を形成することができることを見出した。この知見に基づいて、本発明に従ったペースト組成物は、次のような特徴を備えている。
本発明に従ったペースト組成物は、シリコン基板上にパッシベーション膜が形成され、そのパッシベーション膜に形成された孔を通じてシリコン基板に電気的に接触する太陽電池用裏面電極を形成するためのペースト組成物であって、アルミニウム粉末と、アルミニウム‐シリコン合金粉末と、シリコン粉末と、ガラス粉末と、有機ビヒクルとを含む。
本発明のペースト組成物において、アルミニウム‐シリコン合金粉末が、シリコンを5質量%以上40質量%以下含むことが好ましい。
また、本発明のペースト組成物において、アルミニウム粉末、アルミニウム‐シリコン合金粉末、および、シリコン粉末の合計質量に対する、アルミニウム‐シリコン合金粉末とシリコン粉末とに含まれるシリコンの合計質量の比率が、0.10以上0.40以下であることが好ましい。
さらに、本発明のペースト組成物において、アルミニウム‐シリコン合金粉末に含まれるシリコンの質量と、シリコン粉末に含まれるシリコンの質量との比率が、100:1〜1:2であることが好ましい。
なお、本発明のペースト組成物は、アルミニウム粉末100質量部に対して、アルミニウム‐シリコン合金粉末を100質量部以上500質量部以下、シリコン粉末を1質量部以上300質量部以下、ガラス粉末を0.5質量部以上40質量部以下、有機ビヒクルを70質量部以上500質量部以下、含むことが好ましい。
以上のように、本発明のペースト組成物を用いることにより、太陽電池用裏面電極とシリコン基板との界面における空洞の生成を抑制し、かつ、良好なBSF効果を得ることができるので、太陽電池の変換効率をさらに高めることができる。
一つの実施の形態として本発明が適用される太陽電池素子の一般的な断面構造を模式的に示す図である。 本発明の実施例と比較例において作製された電極構造の断面を模式的に示す図である。
<太陽電池素子>
図1に示すように、太陽電池素子は、たとえば、厚みが180〜250μmのp型シリコン半導体基板1を用いて構成される。シリコン半導体基板1の受光面側には、厚みが0.3〜0.6μmのn型不純物層2と、その上に、たとえば、窒化シリコン膜からなる反射防止膜(パッシベーション膜)3と、グリッド電極4とが形成されている。
また、シリコン半導体基板1の受光面と反対側の裏面には、たとえば、窒化シリコン膜からなる反射防止膜(パッシベーション膜)3が形成され、反射防止膜3を貫通してシリコン半導体基板1の表面に到達するコンタクト孔が形成され、このコンタクト孔を通じてシリコン半導体基板1の表面に接触するように所定のパターン形状に従ったアルミニウム電極層5が形成されている。アルミニウム電極層5は、アルミニウム粉末と、アルミニウム‐シリコン合金粉末と、シリコン粉末と、ガラス粉末と、有機ビヒクルを含むペースト組成物をスクリーン印刷等によって塗布し、乾燥させた後、660℃(アルミニウムの融点)を超える温度にて短時間焼成することによって形成されている。この焼成の際にアルミニウムがシリコン半導体基板1の内部に拡散することにより、アルミニウム電極層5とシリコン半導体基板1との間にアルミニウム‐シリコン(Al−Si)合金層6が形成されると同時に、アルミニウム原子の拡散による不純物層としてp+層(BSF層)7が形成される。このp+層7の存在により、電子の再結合を防止し、生成キャリアの収集効率を向上させるBSF効果が得られる。このようにして、シリコン半導体基板1の裏面側には、アルミニウム電極層5とアルミニウム‐シリコン合金層6とから構成される裏面電極8が形成されている。このようにして、PERC構造のセルを備えたバックコンタクト型の太陽電池が構成されている。上記の組成を有するペースト組成物が、PERC構造のセルを備えたバックコンタクト型の太陽電池において裏面電極8を形成するために用いられることにより、アルミニウム電極層5とシリコン半導体基板1との界面における空洞の生成を抑制することができるとともに、良好なBSF層を形成することができる。
<ペースト組成物>
ペースト組成物は、上記の裏面電極8を形成するために、反射防止膜(パッシベーション膜)3の上に塗工され、かつ、反射防止膜3に形成されたコンタクト孔を通じてシリコン半導体基板1の表面に接触するように塗工される導電性のペースト組成物であり、アルミニウム粉末、アルミニウム‐シリコン合金粉末、シリコン粉末、ならびに、バインダーとしてガラス粉末および有機ビヒクルを含有する。
<アルミニウム粉末>
ペースト組成物に含まれるアルミニウム粉末は、ペースト組成物を焼成することによって形成されたアルミニウム電極層において導電性を発揮する。また、アルミニウム粉末は、ペースト組成物を焼成した際にシリコン半導体基板1との間にアルミニウム‐シリコン合金層6とp+層7を形成するので、上述のBSF効果が得られる。
アルミニウム粉末を構成するアルミニウム粒子の形状は特に限定されない。特にアルミニウム粒子の形状が球状であれば、アルミニウム電極層5におけるアルミニウム粒子の充填性が増大することにより、電極としての電気抵抗を効果的に低下させることができる。また、アルミニウム粒子の形状が球状であれば、シリコン半導体基板1とアルミニウム粒子との接点が増え、良好なBSF層を形成することができる。
アルミニウム粉末を構成するアルミニウム粒子の平均粒子径は1μm以上10μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μm未満では、アルミニウム粒子同士が凝集するおそれがあるので、ペースト中での分散性が悪化する。平均粒子径が10μmを越えると、反応性が低下してしまう。
<アルミニウム‐シリコン合金粉末>
ペースト組成物に含まれるアルミニウム‐シリコン合金粉末も、ペースト組成物を焼成することによって形成されたアルミニウム電極層において導電性を発揮する。また、シリコン粉末に加えて、アルミニウム‐シリコン合金粉末をペースト組成物に含ませることにより、シリコン粉末中のシリコンとアルミニウム‐シリコン合金粉末中のシリコンとによって、ペースト中のアルミニウムとシリコン半導体基板1中のシリコンとの過剰な反応を制御し、アルミニウム電極層5とシリコン半導体基板1との界面における空洞の生成を抑制することができる。
アルミニウム‐シリコン合金粉末を構成するアルミニウム‐シリコン合金粒子の形状は特に限定されない。アルミニウム‐シリコン合金粉末を構成するアルミニウム‐シリコン合金粒子の平均粒子径は1μm以上10μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μm未満では、アルミニウム‐シリコン合金粒子同士が凝集するおそれがあるので、ペースト中での分散性が悪化する。平均粒子径が10μmを越えると、反応性が低下してしまう。
また、アルミニウム‐シリコン合金粉末が、シリコンを5質量%以上40質量%以下含むことが好ましい。
なお、本発明のペースト組成物中に含まれるアルミニウム‐シリコン合金粉末の含有比率は、特に限定されないが、アルミニウム粉末100質量部に対して、100質量部以上500質量部以下であることが好ましい。この場合、ペースト中のアルミニウムとシリコン半導体基板1中のシリコンとの過剰な反応をより効果的に制御することができる。
<シリコン粉末>
アルミニウム‐シリコン合金粉末に加えて、シリコン粉末をペースト組成物に含ませることにより、アルミニウム‐シリコン合金粉末中のシリコンとシリコン粉末中のシリコンとによって、ペースト中のアルミニウムとシリコン半導体基板1中のシリコンとの過剰な反応を制御し、アルミニウム電極層5とシリコン半導体基板1との界面における空洞の生成を抑制することができる。
シリコン粉末を構成するシリコン粒子の形状は特に限定されない。シリコン粉末を構成するシリコン粒子の平均粒子径は1μm以上10μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μm未満では、シリコン粒子同士が凝集するおそれがあるので、ペースト中での分散性が悪化する。平均粒子径が10μmを越えると、反応性が低下してしまう。
また、本発明のペースト組成物中に含まれるシリコン粉末の含有比率は、特に限定されないが、アルミニウム粉末100質量部に対して、1質量部以上300質量部以下であることが好ましい。この場合、ペースト組成物を焼成することによって形成されるアルミニウム電極層5の導電性を損なうことなく、ペースト中のアルミニウムとシリコン半導体基板1中のシリコンとの過剰な反応を制御し、アルミニウム電極層5とシリコン半導体基板1との界面における空洞の生成を抑制することができる。
なお、ペースト組成物中のシリコンの質量比率は特に限定されないが、アルミニウム粉末、アルミニウム‐シリコン合金粉末、および、シリコン粉末の合計質量に対する、アルミニウム‐シリコン合金粉末とシリコン粉末とに含まれるシリコンの合計質量の比率が、0.10以上0.40以下であることが好ましい。
さらに、ペースト組成物において、アルミニウム‐シリコン合金粉末に含まれるシリコンの質量と、シリコン粉末に含まれるシリコンの質量との比率が、100:1〜1:2であることが好ましい。
<ガラス粉末>
ガラス粉末は、アルミニウム粉末とシリコンとの反応と、アルミニウム粉末自身の焼結とを助ける作用があるとされている。
ガラス粉末としては、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、バナジウム(V)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、スズ(Sn)、リン(P)、および、亜鉛(Zn)からなる群より選ばれた1種、または2種以上を含有してもよい。また、鉛を含むガラス粉末、または、ビスマス系、バナジウム系、スズ‐リン系、ホウケイ酸亜鉛系、アルカリホウケイ酸系等の無鉛のガラス粉末を用いることができる。特に人体への影響を考慮すると、無鉛のガラス粉末を用いることが望ましい。
また、ガラス粉末の軟化点は750℃以下であることが好ましい。
さらに、ガラス粉末を構成するガラス粒子の平均粒子径は、1μm以上3μm以下であることが好ましい。
なお、本発明のペースト組成物中に含まれるガラス粉末の含有比率は、特に限定されないが、アルミニウム粉末100質量部に対して、0.5質量部以上40質量部以下であることが好ましい。ガラス粉末の含有比率がアルミニウム粉末100質量部に対して、0.5質量部未満ではシリコン半導体基板1および反射防止膜(パッシベーション膜)3との密着性が低下し、40質量部を越えるとアルミニウム電極層5の電気抵抗が増加してしまう。
<有機ビヒクル>
有機ビヒクルとしては、溶剤に、必要に応じて各種添加剤および樹脂を溶解したものが使用される。溶剤としては公知のものが使用可能であり、具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。各種添加剤としては、たとえば、酸化防止剤、腐食抑制剤、消泡剤、増粘剤、タックファイヤー、カップリング剤、静電付与剤、重合禁止剤、チキソトロピー剤、沈降防止剤等を使用することができる。具体的には、たとえば、ポリエチレングリコールエステル化合物、ポリエチレングリコールエーテル化合物、ポリオキシエチレンソルビタンエステル化合物、ソルビタンアルキルエステル化合物、脂肪族多価カルボン酸化合物、燐酸エステル化合物、ポリエステル酸のアマイドアミン塩、酸化ポリエチレン系化合物、脂肪酸アマイドワックス等を使用することができる。樹脂としては公知のものが使用可能であり、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニールブチラール、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート化合物、シアネート化合物等の熱硬化樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ4フッ化エチレン、シリコン樹脂等の二種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のペースト組成物に含められる有機ビヒクルとして、溶剤に溶解させないで樹脂を用いてもよい。
なお、本発明のペースト組成物中に含まれる有機ビヒクルの含有比率は、特に限定されないが、アルミニウム粉末100質量部に対して、70質量部以上500質量部以下であることが好ましい。有機ビヒクルの含有比率がアルミニウム粉末100質量部に対して、70質量部未満、または、500質量部を越えると、ペースト組成物の印刷性が低下するおそれがある。
以下、本発明の実施例と比較例について説明する。
(ペースト組成物の準備)
実施例1〜3と比較例1、2のペースト組成物を次のようにして準備した。
(実施例1)
アルミニウム粉末100質量部に対して、アルミニウム‐20質量%シリコン合金粉末を400質量部、シリコン粉末を100質量部、ガラス粉末を7質量部、および、有機ビヒクルを140質量部加えて、周知の混合機にて混合した。
(実施例2)
アルミニウム粉末100質量部に対して、アルミニウム‐20質量%シリコン合金粉末を400質量部、シリコン粉末を60質量部、ガラス粉末を7質量部、および、有機ビヒクルを140質量部加えて、周知の混合機にて混合した。
(実施例3)
アルミニウム粉末100質量部に対して、アルミニウム‐25質量%シリコン合金粉末を400質量部、シリコン粉末を33質量部、ガラス粉末を7質量部、および、有機ビヒクルを140質量部加えて、周知の混合機にて混合した。
(比較例1)
アルミニウム‐25質量%シリコン合金粉末500質量部に対して、ガラス粉末を7質量部、および、有機ビヒクルを140質量部加えて、周知の混合機にて混合した。
(比較例2)
アルミニウム粉末500質量部に対して、シリコン粉末を215質量部、ガラス粉末を7質量部、および、有機ビヒクルを140質量部加えて、周知の混合機にて混合した。
(アルミニウム電極層の形成)
図2の(A)に示すように、まず、厚みが180μmのシリコン半導体基板1を準備した。そして、図2の(B)に示すように、レーザー発振器として波長が532nmのYAGレーザーを用いて、直径Dが100μm、深さが1μmのコンタクト孔9をシリコン半導体基板1の表面に形成した。
次に、図2の(C)に示すように、コンタクト孔9を覆うように、上記で得られた実施例1〜3と比較例1、2の各ペース組成物10を、シリコン半導体基板1の表面上に、スクリーン印刷機を用いて、厚みが20μm、幅が500μmの線状に塗布した。そして、ペースト組成物10が塗布されたシリコン半導体基板1を、100℃の温度で10分間乾燥させた後、ベルト炉にてピーク温度を900℃に設定して焼成した。この焼成により、図2の(D)に示すように、アルミニウム電極層5が形成されるとともに、この焼成の際にアルミニウムがシリコン半導体基板1の内部に拡散することにより、アルミニウム電極層5とシリコン半導体基板1との間にAl−Si合金層6が形成されると同時に、アルミニウム原子の拡散による不純物層としてp+層(BSF層)7が形成された。
以上のようにして実施例1〜3と比較例1、2の焼成基板の試料を作製した。
(空洞の有無の評価)
得られた焼成基板の各試料の断面を光学顕微鏡(200倍)で観察し、シリコン半導体基板1とアルミニウム電極層5との界面における空洞の有無を評価した。空洞が形成されていなかったものを「○」、深さが3μm未満の比較的小さい空洞が形成されていたものを「△」、深さが3μm以上の巨大な空洞が形成されていたものを「×」と評価した。
(コンタクト抵抗の評価)
日置電機株式会社製の抵抗測定器(製品名:HiTESTER 3540)を用いて、得られた焼成基板の各試料の電気抵抗を測定し、TLM(Transmission line method)法により、アルミニウム電極層5とシリコン半導体基板1とのコンタクト抵抗を算出した。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 0005924945
表1から、アルミニウム粉末に、アルミニウム‐シリコン合金粉末とシリコン粉末を加えて調製された実施例1〜3のペースト組成物を用いてアルミニウム電極層5を形成すると、シリコン半導体基板1とアルミニウム電極層5との界面に空洞が生成することを抑制することができ、コンタクト抵抗を低くすることができ、すなわち、良好なBSF層(p+層7)が形成されたことがわかる。
以上に開示された実施の形態や実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態や実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
1:p型シリコン半導体基板、2:n型不純物層、3:反射防止膜(パッシベーション膜)、4:グリッド電極、5:アルミニウム電極層、6:アルミニウム‐シリコン合金層、7:p+層、8:裏面電極、9:コンタクト孔、10:ペースト組成物。

Claims (5)

  1. シリコン基板上にパッシベーション膜が形成され、そのパッシベーション膜に形成された孔を通じてシリコン基板に電気的に接触する太陽電池用裏面電極を形成するためのペースト組成物であって、
    アルミニウム粉末と、アルミニウム‐シリコン合金粉末と、シリコン粉末と、ガラス粉末と、有機ビヒクルとを含み、前記アルミニウム粉末100質量部に対して、前記アルミニウム‐シリコン合金粉末を100質量部以上500質量部以下、前記シリコン粉末を33質量部以上100質量部以下、含む、ペースト組成物。
  2. 前記アルミニウム‐シリコン合金粉末が、シリコンを5質量%以上40質量%以下含む、請求項1に記載のペースト組成物。
  3. 前記アルミニウム粉末、前記アルミニウム‐シリコン合金粉末、および、前記シリコン粉末の合計質量に対する、前記アルミニウム‐シリコン合金粉末と前記シリコン粉末とに含まれるシリコンの合計質量の比率が、0.10以上0.40以下である、請求項1または請求項2に記載のペースト組成物。
  4. 前記アルミニウム‐シリコン合金粉末に含まれるシリコンの質量と、前記シリコン粉末に含まれるシリコンの質量との比率が、100:1〜1:2である、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のペースト組成物。
  5. 前記アルミニウム粉末100質量部に対して、前記ガラス粉末を0.5質量部以上40質量部以下、前記有機ビヒクルを70質量部以上500質量部以下、含む、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のペースト組成物。
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