JP5924257B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射装置に関する。
従来、エンジン停止後に燃料噴射を行い、インジェクタの先端部に設けられた噴孔に燃料を付着させることが知られている。このように噴孔に燃料を付着させる提案は、例えば、特許文献1に開示されている。エンジン停止後の燃料噴射は、噴孔の周辺に凝縮水が付着することに起因する噴孔周辺での凝縮水の氷結や、腐食の発生を回避する目的で行われる。
特開平9−32616号公報
ところで、噴孔の腐食は、筒内に残存する酸成分が水分とともに凝縮し、噴孔周辺に付着することによって生じると考えられる。上記特許文献1に開示されたように噴孔周辺に燃料を付着させることにより噴孔周辺の腐食を抑制することができる。
しかしながら、酸成分は、時間の経過とともに噴孔周辺に付着した燃料を通過して噴孔が設けられたノズルの基材に到達し、噴孔の周辺を腐食させる可能性がある。
そこで、本明細書開示の燃料噴射装置は、凝縮水中の酸成分が噴孔周辺に付着した燃料を通過してノズルの基材に到達することを抑制することを課題とする。
かかる課題を解決するために、本明細書に開示された燃料噴射装置は、インジェクタのノズル温度に関する情報に基づき、エンジン停止後の燃料噴射を実施するか否かを判断する制御部を備え、前記制御部は、前記エンジン停止後の燃料噴射を実施する場合に、前記インジェクタのノズル部における結露開始時期と結露終了時期とを推定すると共に、前記結露開始時期に周期燃料噴射を開始し、前記結露終了時期に前記周期燃料噴射を終了する。
結露発生期間を推定することにより、腐食の原因となる酸成分が筒内に残存し、凝縮水が発生する期間中に燃料噴射を行うことできる。また、その燃料噴射を周期噴射とすることにより、先行して噴射されて噴孔の周辺に付着している燃料を酸成分が通過する前に新たな燃料噴射がされる。これにより、酸成分が浸入した状態の燃料に代わって新たな燃料が噴孔周辺に付着するため、酸成分のノズル部の基材への到達が抑制され、噴孔周辺の腐食が回避される。
前記制御部は、前記ノズル温度に関する情報とEGR量に関する情報とに基づいてエンジン停止後の燃料噴射を実施するか否かを判断することができる。EGR量に関する情報を参酌することにより、エンジン停止後の燃料噴射を実施するか否かをより適切に判断することができる。
前記制御部は、前記結露発生期間における結露開始時期からの経過時間が長くなるほど前記周期燃料噴射における噴射間隔を長く設定することができる。結露発生期間の始期に近いほど、すなわち、結露開始時期からの経過時間が短いほど、筒内のガス濃度は高く、酸成分も多い。その一方、結露開始時期からの経過時間が長くなれば、結露が発生しやすい筒内の環境条件が緩和される。例えば、筒内の酸成分が減少したり、ノズル温度と周辺の温度との差がなくなったりしてノズル周辺に結露しにくい状態となる。ノズルに結露がしにくい状態のときに燃料の噴射間隔を長くすることで、不要な燃料の噴射を抑制することができる。
前記制御部は、前記結露発生期間の結露開始時期における前記ノズル温度と燃焼室の壁面温度との差が大きい場合ほど前記周期燃料噴射における噴射間隔を短く設定することができる。筒内において、どの箇所に結露するかは、筒内各部の温度の分布に関係する。すなわち、露点温度以下に早く到達する箇所で結露が生じやすい。そのため、ノズル温度と燃焼室の壁面温度との差が大きいほど、ノズルにおいて結露が生じやすくなる。したがって、ノズルで結露が生じやすい条件のときに噴射間隔を短く設定することにより凝縮水中の酸成分が燃料を通過してノズルの基材に到達することを回避し、効果的に噴孔周辺の腐食を抑制することができる。
本明細書開示の燃料噴射装置によれば、酸成分が噴孔周辺に付着した燃料を通過してノズルの基材に到達することを抑制する
図1は第1実施形態の燃料噴射装置が組み込まれたエンジンの概略構成を示す説明図である。 図2は第1実施形態の燃料噴射装置の制御の一例を示すフロー図である。 図3はEGR率γEGRを算出マップの一例である。 図4は結露判定マップの一例である。 図5は第1実施形態における燃料噴射期間を示す説明図である。 図6は温度低下の傾きkの説明図である。 図7はノズル温度と冷却水温度の差から傾きkを求めるマップの一例である。 図8は結露終了時期t0の算出例を示す表である。 図9はノズル温度の推移を示すグラフである。 図10は算出した結露終了時期t0の精度検証の結果を示すグラフである。 図11は第2実施形態の燃料噴射装置の制御の一例を示すフロー図である。 図12は空気量Ga、燃料噴射量Q、EGR率γEGRとの関係を示すグラフである。 図13は第2実施形態における燃料噴射期間を示す説明図である。 図14は算出したkを用いた場合の結露開始時期の遅延を示す説明図である。 図15は傾きkの補正係数αと露点温度の関係を示す説明図である。 図16は傾きkの補正係数αと露点温度の関係を示す説明図である。 図17は第3実施形態の燃料噴射装置の制御の一例を示すフロー図である。 図18は周期噴射における燃料噴射間隔の説明図である。 図19は周期噴射における燃料噴射間隔の説明図である。 図20(A)は酸成分が少ない条件における酸成分の燃料への侵入の様子を示す模式図であり、図20(B)は酸成分が多い条件における酸成分の燃料への侵入の様子を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
(第1実施形態)
図1は実施形態の燃料噴射装置1が組み込まれたエンジン100の概略構成を示す説明図である。
エンジン100は、筒内噴射を行うエンジン、より具体的にはディーゼルエンジンである。エンジン100は4気筒である。エンジン100は、エンジン本体101を備え、そのエンジン本体101に♯1気筒〜♯4気筒を備える。燃料噴射装置1は、このエンジン100に組み込まれている。燃料噴射装置1は、♯1気筒〜♯4気筒に対応して、♯1インジェクタ107−1〜♯4インジェクタ107−4を備える。具体的に、♯1気筒には、♯1インジェクタ107−1が装着され、♯2気筒には♯2インジェクタ107−2が装着されている。♯3気筒には♯3インジェクタ107−3が装着され、♯4気筒には♯4インジェクタ107−4が装着されている。♯1インジェクタ107−1〜♯4インジェクタ107−4はそれぞれコモンレール120に接続され、コモンレール120から高圧の燃料が供給される。
エンジン100は、エンジン本体101に取り付けられたインテークマニホールド102、エキゾーストマニホールド103を備える。インテークマニホールド102には、吸気管104が接続されている。エキゾーストマニホールド103には排気管105が接続されると共に、EGR通路108の一端が接続されている。EGR通路108の他端は、吸気管104に接続されている。EGR通路108には、EGRクーラ109が設けられている。また、EGR通路108には、排気ガスの流通状態を制御するEGRバルブ110が設けられている。吸気管104には、エアフロメータ106が接続されている。エアフロメータ106は、ECU111に電気的に接続されている。ECU111には、インジェクタ107−i(iは気筒番号を示す)、具体的に、♯1インジェクタ107−1〜♯4インジェクタ107−4が電気的に接続されている。ECU111は、制御部に相当し、♯1インジェクタ107−1〜♯4インジェクタ107−4に対し、別個にエンジン停止後燃料噴射を指示する。
ECU111には、エンジンの回転数を測定するNEセンサ112、冷却水の水温を測定する水温センサ113及び燃料の温度を測定する燃温センサ114が電気的に接続されている。また、ECE11には、EGR率マップ、結露判定マップ、その他のマップ類が格納されている。ECU111は、エンジン周辺の種々の制御を行う。
インジェクタ107は、先端部にノズルボディを備えている。ノズルボディには、噴孔が設けられている。このようなノズルボディの先端部に酸成分を含んだ凝縮水が付着すると腐食が発生する可能性がある。噴孔の周辺が腐食すると、噴孔の噴孔径が変化する可能性がある。噴孔径が変化すると、適切な燃料噴射に影響を与えることになる。そこで、燃料噴射装置1は、エンジン停止後燃料噴射を行って凝縮水の付着を抑制し、ひいては、腐食を抑制する。
以下、燃料噴射装置1の制御の一例について、図2乃至図10を参照して説明する。図2は第1実施形態の燃料噴射装置1の制御の一例を示すフロー図である。図3はEGR率γEGRを算出マップの一例である。図4は結露判定マップの一例である。図5は第1実施形態における燃料噴射期間を示す説明図である。図6は温度低下の傾きkの説明図である。図7はノズル温度と冷却水温度の差から傾きkを求めるマップの一例である。図8は結露終了時期t0の算出例を示す表である。図9はノズル温度の推移を示すグラフである。図10は算出した結露終了時期t0の精度検証の結果を示すグラフである。燃料噴射装置1の制御はECU111によって主体的に行われる。
まず、ステップS1では、イグニション(IG)がOFFとされたことを確認する。そして、ステップS1に引き続き行われるステップS2において、燃料の噴射量Q、エンジンの回転数NE、水温Tw、燃料噴射時期ITを取得する。噴射量Q及び燃料噴射時期ITは、ECU自身が保有している情報が利用される。回転数NEはNEセンサ112より取得される。水温Twは水温センサ113より取得される。
ステップS2に引き続き行われるステップS3では、ノズル温度Tnzlを算出する。ここで、ノズル温度Tnzl−iにおける添字iは気筒番号を示している。すなわち、ノズル温度Tnzlは、気筒毎の推定値であるTnzl−1〜Tnzl−4として算出される。
具体的に、ノズル温度Tnzl−iは、インジェクタ107−iの先端部の受熱量から放熱量を引いた値として算出される。ノズル温度Tnzl−iは、その一例として、以下の式1により算出される。
Tnzl−i
=ki×(a・NE+b・IT+c・Q+d・Tw+e・Tf+g) 式1

NE:エンジン回転数 IT:噴射時期 Q:噴射量
Tw:水温 Tf:燃温
ki:気筒間補正係数
a、b、c、d(<0)、e(<0)、g:適合係数
ここで、気筒間係数kiは、直列に配置された♯1気筒〜♯4気筒間の温度のバラツキを補正し、インジェクタ107−1〜107−4の先端温度を精度良く推定するためのものである。気筒間係数kiの導入により、端部に位置する♯1インジェクタ107−1と♯4インジェクタ107−4の先端部温度の推定値が、中央寄りに位置する♯2インジェクタ107−2と♯3インジェクタ107−3の先端部温度の推定値より低くなる。具体的に、♯1インジェクタ107−1の先端部温度を推定する際に、k1=0.95とする。♯2インジェクタ107−2の先端部温度を推定する際に、k2=1.1とする。♯3インジェクタ107−3の先端部温度を推定する際に、k3=1.1とする。♯4インジェクタ107−4の先端部温度を推定する際に、k4=0.9とする。このように、kiを設定することにより、端部に位置する気筒の先端部温度の推定値が中央寄りに位置する気筒の先端部温度の推定値よりも低くなるように補正され、実際の温度状態を反映した精度良い推定値を得ることができる。なお、一の気筒に対するノズル温度Tnzlを代表させて全気筒のノズル温度Tnzlとすることもできる。
式1中、(a・NE+b・IT+c・Q)は、受熱量を示す値として筒内ガス温度を算出するものである。また、d・Twは放熱量を示す値として冷却水温を算出するものである。さらに、e・Tfは放熱量を示す値として燃温を算出するものである。ここで、適合係数d及びeはいずれも<0であり、ノズル温度Tnzl−iを低下させる方向に作用する。なお、燃温と水温との間に相関性を見いだし、燃温Tfの変化分を含めた適合係数dを設定することにより、e・Tfの項を省略してもよい。適合係数a、b、c、d、e、gは、エンジン100の仕様や個体差を考慮し、実験結果やシミュレーション等を反映させて適宜決定される。
つぎに、ステップS4において、EGR率γEGRを算出する。EGR率γEGRは図3に一例を示すマップにより決定される。ECU111は、自らEGR率γEGRを決定するため、エンジン停止直前のEGR率γEGRの値を保持している。なお、ステップS3とステップS4の処理は、同じタイミングで行ってもよいし、順番が入れ替わってもよい。要は、次工程であるステップS5に移行する以前に双方の値が取得されていればよい。
ステップS3、4に引き続き行われるステップS5では、噴孔腐食有無判定を行う。噴孔腐食有無判定は、ノズル温度Tnzl−iとEGR率γEGRとに基づいて行われる。図4は、インジェクタ107−iのノズル温度とEGR率γEGRとの関係に基づき、結露の発生状況を判定するマップの一例である。図4を参照すると、ECU111は、EGR率γEGRが低いほど、結露が発生し難いと判定する。EGR率γEGRが低ければ、高温のEGRガスの筒内への導入が少ないこととなり、噴孔周辺での腐食が発生しにくいことを考慮したものである。具体的にノズル温度Tnzl−iが同じであっても、EGR率γEGRが低いほど、結露が発生しにくくなっている。また、ノズル温度Tnzlが低いほど、ノズルにおいて結露は発生し易くなる。ノズル先端に実際に結露が発生するか否かは、図5に実線で示すノズル温度Tnzlが、破線で示す燃焼室の壁面温度よりも低くなっているか否かも判断の対象となる。結露は、露点温度を下回った箇所で生じるため、ノズルで結露が発生するのは、ノズル温度Tnzlが露点Tdを下回ると共に、壁面温度よりも低いことが条件となる。仮に、壁面温度が露点温度以下となれば、ノズル部よりも面積が大きい燃焼室の壁面で結露が生じる。なお、燃焼室の壁面温度は、ノズル以外の他の部分の温度を参照する意図で採用されており、壁面温度と相関性を有するさらに他の温度を参照するようにしてもよい。噴孔腐食判定は、インジェクタ毎に行われる。
ステップS6では、ステップS5行った噴孔腐食判定の結果に基づき、噴孔腐食の有無を判断する。ステップS6でNo、すなわち、噴孔腐食が発生していないと判断したときは、ステップS7へ進む。ステップS7では、エンジン(ENG)を停止、処理は終了となる(エンド)。一方、ステップS6でYes、すなわち、噴孔腐食が発生していると判断したときは、ステップS8へ進む。ステップS8では、ノズル温度Tnzl低下の傾きkを算出する。傾きkの算出は、結露発生期間の終期、すなわち、結露終了時期t0を算出するための準備として行われる。図6を参照すると、実際のノズル温度Tnzlの低下を示す線分は、破線で示すような曲線を描くが、燃料噴射装置1では、演算処理の都合上、ENG停止時から結露終了時までの単位時間当たりの温度低下量としてその傾きkを算出している。なお、本実施形態では、図5に明らかであるように、結露終了時期t0は、ノズル温度Tnzlが水温Twと同値となった時点としている。ノズル温度Tnzlが水温Twと同値となれば、通常、ノズル以外の他の部分の温度、例えば、上述した壁面温度も同値となっていると考えられる。ノズル温度Tnzlと壁面温度とが同値となっていれば、ノズル部分よりも面積が大きい壁面において結露が発生し、凝縮水が付着すると考えられるためである。
本実施形態における傾きkは、ノズル温度Tnzlと水温Twとの温度差ΔT(Tnzl−Tw)との関係により算出される。具体的に、ステップS8で傾きkを算出するために用いられるマップの一例を図7に示す。図7を参照すると、差ΔT(Tnzl−Tw)の値が大きいほど、傾きkの絶対値が大きくなる、すなわち、ノズル温度Tnzlと水温Twとの温度差が大きいほど、温度低下の傾きが大きくなることがわかる。
ステップS8に引き続き行われるステップS9では、結露終了時期t0を算出する。結露終了時期t0は、ノズル温度Tnzlと水温Tw、さらに、ステップS8で求めた傾きkにより算出される。ここで、図7乃至図9を参照し、結露終了時期t0の算出について具体例に基づいて説明する。図8に示す表中、(1)の例では、Tnzlが71℃、水温Twが37である。従って、ΔT(Tnzl−Tw)は、34℃となる。このΔT(Tnzl−Tw)を図7に示すマップに当て嵌めると、傾きkは、−0.52[℃/s]となる。結露終了時期t0は、図9に示すようにノズル温度Tnzlが水温Twと同値になるまでの時間(期間)であるから、Tw=k・t0+Tnzlの式を解くことにより求められる。具体的に、t0=66[s]が求められる。また、図8に示す表中、(2)の例では、Tnzlが117℃、水温Twが37である。従って、ΔT(Tnzl−Tw)は、80℃となる。このΔT(Tnzl−Tw)を図7に示すマップに当て嵌めると、傾きkは、−0.88[℃/s]となる。結露終了時期t0は、上述のようにTw=k・t0+Tnzlの式を解くことにより求められる。具体的に、t0=91[s]が求められる。このようにして算出された結露終了時期t0を実測により得た値t0と比較した精度検証結果を図10に示す。図10を参照すると、演算による結露終了時期t0が実測の値t0を精度良く再現していることがわかる。
ステップS9の処理の後は、ステップS10へ進む。ステップS10では、エンジン(ENG)を停止する。そして、ステップS11へ進み、エンジン停止後燃料噴射として周期燃料噴射を行う。図5を参照すると、第1実施形態では、エンジン停止後燃料噴射の燃料噴射期間の始期は、エンジン停止時としている。そして、終期を結露終了時期t0としている。このように、結露発生期間をカバーするように周期燃料噴射を行うことにより、結露によって生じた凝縮水中の酸成分が噴孔周辺に付着した燃料を通過してノズルの基材に到達することを抑制することができる。ここで、燃料噴射の周期、すなわち、燃料噴射の間隔は、酸成分が燃料を通過することを回避することができる間隔に設定されている。この間隔は、予め実機試験を行うことにより求めておくことができる。
ステップS11において周期燃料噴射を開始した後は、ステップS12へ進み、結露終了時期t0の経過判定を行う。そして、ステップS13で現在時刻tがt0となったか否かを判断し、Yesと判断したときはステップS14へ進み、燃料噴射を停止する。これにより、一連の制御が終了する(エンド)。一方、ステップS13でNoと判断したときは、ステップS11〜ステップS13の処理を繰り返す。
以上のように、結露発生期間を推定すると共に、推定した結露発生期間中に周期燃料噴射を行うことにより、結露によって生じた凝縮水中の酸成分が噴孔周辺に付着した燃料を通過してノズルの基材に到達することを抑制することができる。
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態につき、図11乃至図16を参照しつつ説明する。図11は第2実施形態の燃料噴射装置1の制御の一例を示すフロー図である。図12は空気量Ga、燃料噴射量Q、EGR率γEGRとの関係を示すグラフである。図13は第2実施形態における燃料噴射期間を示す説明図である。図14は算出したkを用いた場合の結露開始時期の遅延を示す説明図である。図15は傾きkの補正係数αと露点温度の関係を示す説明図である。図16は傾きkの補正係数αと露点温度の関係を示す説明図である。第2実施形態の燃料噴射装置1のハード構成は、第1実施形態と同様であるのでその詳細な説明は省略する。また、図11は、上述の如く、第2実施形態の燃料噴射装置1の制御の一例を示すフロー図であるが、ステップS8までは、第1実施形態と同様であるので、主要な処理のみフロー図内に示している。また、他の処理においても第1実施形態と共通する処理については、その詳細な説明は省略する。
燃料噴射装置1は、ステップS8において傾きkを算出した後、ステップS81へ進む。ステップS81では、吸入空気量Gaを取得する、吸入空気量Gaは、エアフロメータ106により取得される。ステップS81に引き続き行われるステップS82では、露点温度Tdを算出する。露点温度Tdは、吸入空気量Ga、噴射量Q及びEGR率γEGRとに基づいて算出される。図12を参照すると、露点温度Tdは、吸入空気量Ga、噴射量Q及びEGR率γEGRと相関性を有することがわかる。これは、露点温度Tdは、ガス中に含まれる酸及び水の割合が増加すると高くなる関係にあるためである。
図13に示すようにノズルにおいて生じる結露は、ノズル温度Tnzlが露点温度Tdよりも低くなったときに生じる。このため、露点温度Tdは結露発生時期に影響を与える。従って、結露発生期間をより正確に把握するためには、露点温度Tdを把握することが重要である。また、第1実施形態で説明した傾きkは、ノズル温度Tnzl低下の出発点としたエンジン停止時のノズル温度Tnzlと、結露終了時期t0のノズル温度Tnzlを直線で結んだときの傾きである。このため、図14に示すように露点温度Tdに到達するタイミング、すなわち、結露開始時期が遅延した状態として算出されてしまう。そこで、傾きkを補正する補正係数αが必要となる。この補正係数αの算出に露点温度Tdが反映される。
ステップS82に引き続き行われるステップS83では、傾きkの補正係数αを算出する。この補正係数αについて図15、図16を参照して説明する。補正係数αは、露点温度Tdが大きいほど、傾きkを大きくするように設定される。図15を参照すると、露点温度Td1<露点温度Td2である。従って、露点温度Td2のときの補正係数α2は、露点温度Td1のときの補正係数α1よりも大きく設定される。図16は、傾きkの補正係数αと露点温度の関係を示すグラフであり、露点温度Tdが高いほど、補正係数αの値が大きくなっている。補正係数αは、図16に示すグラフ(マップ)に基づいて求められる。
ステップS83に引き続き行われるステップS84では、結露開始時期tdを算出する。結露開始時期tdは、傾きk、その補正係数α、ノズル温度Tnzl及び露点温度Tdに基づいて算出される。具体的に、ノズル温度Tnzlが露点温度Tdとなる時点が結露開始時期tdとして算出される。
ステップS84に引き続き行われるステップS9では、第1実施形態と同様に結露終了時期t0が求められる。なお、ステップS84の処理とステップS9の処理はその順番は問われない。ステップS9に引き続き行われるステップS10では、エンジンが停止される。
ステップS10の処理が行われると直ちにステップS101の処理として結露開始時期tdが経過したか否かの判定が開始される。そしてステップS102において、現在時刻tがtdとなったか否かを判断し、Yesと判断したときはステップS11へ進む。以後、第1実施形態と同様の処理がされる。すなわち、図13に示すように結露開始時期tdと結露終了時期t0との間を燃料噴射期間として周期燃料噴射を行う。一方、ステップS102でNoと判断したときは、ステップS101、ステップS102の処理を繰り返す。
(第3実施形態)
つぎに、第3実施形態につき、図17乃至図20を参照しつつ説明する。図17は第3実施形態の燃料噴射装置1の制御の一例を示すフロー図である。図18は周期噴射における燃料噴射間隔の説明図である。図19は周期噴射における燃料噴射間隔の説明図である。図20(A)は酸成分が少ない条件における酸成分の燃料への侵入の様子を示す模式図であり、図20(B)は酸成分が多い条件における酸成分の燃料への侵入の様子を示す模式図である。第3実施形態の燃料噴射装置1のハード構成は、第1実施形態と同様であるのでその詳細な説明は省略する。また、図17は、上述の如く、第3実施形態の燃料噴射装置1の制御の一例を示すフロー図であるが、ステップS9までは、第2実施形態と同様であるので、主要な処理のみフロー図内に示している。また、他の処理においても第2実施形態と共通する処理については、その詳細な説明は省略する。
ステップS9に引き続き行われるステップS91では、結露開始時期tdにおけるノズル温度Tnzlと燃焼室の壁面温度との差を算出する。ここで、壁面温度は、水温Twと相関性を有し、両者はほぼ同値を示すことから、壁面温度として水温Twを採用している。壁面温度は、ノズル以外の他の部位で結露発生の可能性がある箇所の温度とノズル温度Tnzlとを比較する趣旨であるので、壁面温度と相関性を有する他所の温度を参酌することができる。例えば、シリンダヘッドの温度であってもよい。温度差ΔTaは、図4に示したマップを参照することによって求めることができる。すなわち、結露が多くなる領域ほど、温度差ΔTaが大きい値になると推定する。従って、ノズル温度Tnzlが低く、EGR率γEGRが高いほど、温度差ΔTaとして大きい値が推定される。
ステップS91に引き続き行われるステップS92では、周期燃料噴射における噴射間隔Δtを算出する。図18を参照すると、噴射間隔Δtは、ノズル温度Tnzlと燃焼室の壁面温度(水温Tw)との差ΔTaが大きい場合ほど短くなっている。図18を参照すると、符号Xで示した時間帯、すなわち、結露が発生した直後の時間帯がもっとも温度差ΔTaが大きく、このため、噴射間隔Δtが最も短く、密になっている。これは、温度差ΔTaが大きい領域は、結露しやすい状態であり、図20(B)で示すように、大量の酸が燃料を通過しようとしており、酸がノズルの基材に到達する可能性が高い状態であることを考慮したものである。噴射間隔Δtを短く設定することにより、酸がノズルの基材に到達する前に噴射された燃料により、酸を吹き飛ばすことができる。
図18を参照すると、周期燃料噴射の噴射間隔Δtは、結露開始時期からの経過時間が長くなるほど長く設定されている結露開始時期から時間が経過し、結露終了時期t0までの時間(t0−t)が短くなると、温度差ΔTaも小さくなる。この結果、ノズル以外の部位で結露が発生し易くなる。また、図20(A)で示すように筒内の酸の濃度自体も低下する。このため、ノズルにおける噴孔腐食対策としての燃料噴射の頻度を減らすことができる。燃料噴射の頻度を減らすことができれば、余分な燃料消費を抑制することができる。なお、図19は、温度差ΔTaと噴射間隔Δtとの関係を示すグラフである。温度差ΔTaが小さくなるほど、噴射間隔Δtは短くなる。温度差ΔTaは、エンジン停止後の経過時間の増大に伴って減少するため、図18に示した時間と噴射間隔Δtとの関係とも合致している。
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
1 燃料噴射装置 100 エンジン
101 エンジン本体 102 インテークマニホールド
103 エキゾーストマニホールド 104 吸気管
105 排気管 107 インジェクタ
111 ECU 115 圧力計

Claims (4)

  1. インジェクタのノズル温度に関する情報に基づき、エンジン停止後の燃料噴射を実施するか否かを判断する制御部を備え、
    前記制御部は、前記エンジン停止後の燃料噴射を実施する場合に、前記インジェクタのノズル部における結露開始時期と結露終了時期とを推定すると共に、
    前記結露開始時期に周期燃料噴射を開始し、前記結露終了時期に前記周期燃料噴射を終了する燃料噴射装置。
  2. インジェクタのノズル温度に関する情報に基づき、エンジン停止後の燃料噴射を実施するか否かを判断する制御部を備え、
    前記制御部は、前記エンジン停止後の燃料噴射を実施する場合に、前記インジェクタのノズル部における結露発生期間を推定し、前記結露発生期間中に周期燃料噴射を行うと共に、前記結露発生期間における結露開始時期からの経過時間が長くなるほど前記周期燃料噴射における噴射間隔を長く設定する燃料噴射装置。
  3. インジェクタのノズル温度に関する情報に基づき、エンジン停止後の燃料噴射を実施するか否かを判断する制御部を備え、
    前記制御部は、前記エンジン停止後の燃料噴射を実施する場合に、前記インジェクタのノズル部における結露発生期間を推定し、前記結露発生期間中に周期燃料噴射を行うと共に、前記制御部は、前記結露発生期間の結露開始時期における前記ノズル温度と燃焼室の壁面温度との差が大きい場合ほど前記周期燃料噴射における噴射間隔を短く設定する燃料噴射装置。
  4. 前記制御部は、前記ノズル温度に関する情報とEGR量に関する情報とに基づいてエンジン停止後の燃料噴射を実施するか否かを判断する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
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