JP2009191713A - 吸気圧推定装置及び吸気圧推定システム - Google Patents

吸気圧推定装置及び吸気圧推定システム Download PDF

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金千代 寺田
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Abstract

【課題】吸気行程におけるピストン下死点近傍時点での吸気圧(ボトム圧)を精度良く推定する吸気圧推定装置を提供する。
【解決手段】下死点近傍時点よりも前のボトム直前時点での吸気圧であるボトム直前圧の検出値PB16に基づき、下死点近傍時点での吸気圧であるボトム圧PB18’を推定する(S30:ボトム圧推定手段)。また、吸気行程のうちボトム直前時点より前の所定期間(クランクNO.15からNO.16の30℃A分)における吸気圧変化量DPB1を算出する(S31)。そして、吸気圧変化量DPB1に基づき、推定されたボトム圧である推定値PB18’を補正し(S33:補正手段)、この補正により得られたボトム圧の推定値を最終的な推定ボトム圧PB18とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関の吸気行程における吸気圧のうち、ピストン下死点近傍時点での吸気圧であるボトム圧を推定する吸気圧推定装置に関するものであり、特に、推定したボトム圧を燃料噴射量の算出に用いて好適なものである。
内燃機関の吸気行程で燃焼室に吸入された空気の量(供給空気量)に対し、適正な空燃比となるよう燃料の噴射制御を実施するにあたり、供給空気量に相関のある吸気圧に基づき噴射量を算出する技術が特許文献1等に開示されている。図10は吸気行程中の吸気圧PBの変化を示す図であり、吸気圧センサから取得される吸気圧PB15〜PB23のうち、最大負圧発生時点の吸気圧PB18(以下、ボトム圧と呼ぶ)が供給空気量に最も相関がある。したがって、ボトム圧に基づき燃料噴射量を算出すれば、適正な空燃比にするための最適噴射量を精度良く算出できる。
しかしながら、ボトム圧を検出した時点で燃料を噴射しても、その後直ぐに吸気バルブが閉じてしまうので、その噴射燃料を今回の吸気行程で燃焼室に吸入させることができない。そこで、特許文献1記載の制御では、今回の吸気行程における吸気圧PB15〜PB18のうち、最大負圧発生時点よりも前の時点(ボトム直前時点)での吸気圧PB16(以下、ボトム直前圧と呼ぶ)に基づいて、その後のボトム圧を推定している。これによれば、推定したボトム圧に基づき燃料噴射量を算出するとともに、このように算出した量の燃料をボトム直前時点で噴射して、今回の吸気行程で燃焼室に吸入させることができる。
特開2005−69045号公報
しかしながら、内燃機関の個体差やエンジンの運転条件変化等に起因して、上述の如く推定したボトム圧が実際のボトム圧からずれることがあり、従来のボトム圧推定には推定精度向上を図る余地がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、吸気行程におけるピストン下死点近傍時点での吸気圧(ボトム圧)を精度良く推定する吸気圧推定装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、
内燃機関の吸入空気量を吸気圧にて推定するもので、ピストン下死点近傍時点での吸気圧であるボトム圧を推定する吸気圧推定装置において、
前記吸気行程における吸気圧のうち、前記下死点近傍時点よりも前のボトム直前時点での吸気圧であるボトム直前圧の検出値を取得するボトム直前圧取得手段と、
前記ボトム直前圧の検出値に基づき前記ボトム圧を推定するボトム圧推定手段と、
前記吸気行程のうち前記ボトム直前時点より前の所定期間における吸気圧変化量に基づき、前記ボトム圧推定手段により推定されたボトム圧の推定値を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする。
これによれば、ボトム直前時点より前の所定期間における吸気圧変化量に応じてボトム圧の推定値を補正するので、ボトム圧を高精度に推定できる。例えば、吸気に伴い下降する吸気圧の変化量が大きいほど推定値を下げるように補正することが望ましい。
なお、本発明に係る補正手段の具体的態様として、ボトム圧推定手段によりボトム圧を推定した後、その推定値を吸気圧変化量に基づき補正するようにしてもよいし、ボトム圧推定手段に、吸気圧変化量を加味してボトム圧を推定させることで、実質的に推定値を補正するようにしてもよい。
請求項2記載の発明では、前記補正手段は、補正時点でのエンジン回転速度(内燃機関のクランク軸の回転速度)が速いほど、前記ボトム圧推定手段により推定された前記推定値に対する補正量を小さくすることを特徴とする。これによれば、補正手段による補正後の推定値が実際のボトム圧に近づくよう精度良く補正できる。
ここで、ボトム直前圧を検出するタイミングであるボトム直前時点を、下死点近傍時点に近づけすぎると、ボトム圧推定手段による推定値を取得してから今回の吸気行程が終了するまでの期間が短いので、得られた補正後の推定値に応じた量の燃料を噴射する時間を十分に確保できない。一方、下死点近傍時点から前すぎると、供給空気量に対する相関度合いの低いボトム直前圧に基づきボトム圧を推定することとなるので、その推定精度を十分に高めることができない。これらの点を鑑み請求項3記載の発明では、前記ボトム直前時点を、前記下死点近傍時点よりもクランク角度60℃A〜120℃Aだけ前の時点とすることで、噴射時間確保及び推定精度向上の両立を図っている。
請求項4記載の発明では、
前記補正手段を第1補正手段とし、
前記ボトム圧の検出値を取得するボトム圧取得手段と、
前回の吸気行程において推定されたボトム圧である前回推定値と、前回の吸気行程において取得されたボトム圧である前回検出値との偏差に基づき、今回の吸気行程において推定されたボトム圧である今回推定値を補正する第2補正手段と、
を備え、
前記第1補正手段及び前記第2補正手段の両手段により前記推定値を補正することを特徴とする。
この第2補正手段によれば、前回推定値と前回検出値との偏差である推定誤差に基づき、今回の吸気行程において推定された今回推定値を補正するので、今回の吸気行程におけるボトム圧を補正後の今回推定値として高精度に推定できる。例えば、推定誤差をゼロに近づけるよう、推定誤差が大きいほど補正量を大きくすることが望ましい。そして、両補正手段により推定値を補正するのでボトム圧をより一層高精度に推定できる。
なお、本発明に係る第2補正手段の具体的態様として、ボトム圧推定手段により今回推定値を推定した後、その今回推定値を前回の推定誤差に基づき補正する態様や、ボトム圧推定手段に、前回の推定誤差を加味して今回推定値を推定させることで、実質的に今回推定値を補正させる態様が挙げられる。
請求項5記載の発明では、
前回の吸気行程において前記ボトム圧推定手段により推定されたボトム圧を前回推定値と称し、今回の吸気行程において前記ボトム圧推定手段により推定されたボトム圧を今回推定値と称した場合において、
前記補正手段の補正により得られたボトム圧推定値に応じた適正量の燃料を、主噴射及び追加噴射の2回に分けて噴射させる噴射制御手段を備え、
前記噴射制御手段は、前回の吸気行程終了後から今回の吸気行程開始前までの所定タイミングで前記主噴射を行い、前記適正量に対する前記主噴射の不足分を今回の吸気行程で追加噴射することを特徴とする。
この特徴に反し、前記適正量の燃料をボトム直前時点で一度に噴射しようとすると、ボトム直前時点で噴射する量が多くなるため、今回の吸気行程中に適正量の燃料を噴射できなくなることが懸念される。一方、ボトム直前時点を早めるよう設定して燃料噴射時間を確保しようとすると、先述したようにボトム圧推定手段による推定精度悪化が懸念される。これらの懸念に対し、上記請求項5記載の発明によれば、前回の吸気行程終了後から今回の吸気行程開始前までに主噴射を済ませておき、今回の吸気行程中に追加噴射を実施するので、ボトム直前時点を早めることなく、今回の吸気行程中において追加噴射に係る量の燃料が噴射できなくなるとの懸念を解消できる。
なお、主噴射については、ボトム圧推定手段の推定結果に基づき算出された噴射量を噴射し、追加噴射については、補正手段による補正後の推定値に基づき算出された噴射量を噴射することが具体例として挙げられる。
請求項6記載の発明では、前記内燃機関は、単気筒内燃機関又は独立吸気式の多気筒内燃機関であることを特徴とする。これら単気筒又は独立吸気式多気筒の内燃機関では、複数の吸気管の吸気圧が互いに干渉することなく独立しているため、1燃焼サイクル中に現れる吸気圧変化が顕著に現れる。よって、ボトム圧推定手段による推定精度及び補正手段による補正精度を十分に高めることができる。
請求項7記載の発明は、吸気圧を検出する吸気圧センサ、及び上記吸気圧推定装置を備えることを特徴とする吸気圧推定システムである。この吸気圧推定システムによれば、上述の各種効果を同様に発揮することができる。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本実施形態は、単気筒内燃機関である二輪車用4サイクルガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものとしており、当該制御システムにおいては電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射制御を実施することとしている。先ずは、図1を参照しながら、エンジン制御システム全体の概略構成について説明する。
図1に示すエンジン10において、吸気管11の最上流部にはエアクリーナ12が設けられ、その下流側にはスロットルバルブ14が設けられている。エアクリーナ12には吸気温を検出するための吸気温センサ13が設けられている。スロットルバルブ14の下流側には吸気管11内の圧力(以下「吸気圧」という)を検出するための吸気圧センサ16が設けられている。さらに、吸気管11の吸気ポート近傍には、燃料噴射弁としての電磁駆動式のインジェクタ17が取り付けられている。この吸気管11にはサージタンクが設けられていない。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートにはそれぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられており、吸気バルブ21の開弁により空気と燃料との混合気が燃焼室23に導入され、排気バルブ22の開弁により燃焼後の排気が排気管24に排出される。エンジン10のシリンダヘッドには点火プラグ25が取り付けられており、点火プラグ25には、点火コイル等からなる点火装置26を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ25の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室23に導入された混合気が着火され燃焼に供される。
排気管24には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒31が設けられている。また、エンジン10には、同エンジン10の所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状の検出信号を出力するクランク角センサ34が設けられている。また、燃料系において、燃料タンク41内にはインタンク式の燃料ポンプモジュール42が設けられており、燃料タンク41内の燃料が燃料配管43を介してインジェクタ17に供給されるようになっている。
ECU50(吸気圧推定装置、噴射制御手段)は、CPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成されている。ECU50には、上述した吸気圧センサ16及びクランク角センサ34に加え、エンジン10の冷却水温や油温などのエンジン温度を検出する温度センサ35が接続されている。ECU50は、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することにより、エンジン10の各部を制御する。例えば、ECU50はインジェクタ17を操作してエンジン10の燃料噴射制御を実施する。
次に、図2(a)〜(c)を参照しながら、吸気圧の変化と、吸気管11内から燃焼室23へ単位時間当たりに流れる空気量(以下「吸入空気量」という)の変化とについて説明する。図2はクランク角度位置に対する各物理量の推移を示す図であり、(a)はアクセル操作量の推移、(b)は吸気圧の推移、(c)は吸入空気量の推移を示すグラフである。なお、図2では、クランク角度位置θ19においてアクセル操作量が増加すること、具体的にはアクセルグリップが加速側に操作されることを想定している。
図2に示すクランク角度位置θ15において吸気行程が開始されると、吸気管11内の空気が燃焼室23へ吸い込まれ(図2(c)参照)、結果として吸気圧が負圧となる(図2(b)参照)。クランク角度位置θ15以降では、吸入空気量が、ピストン27の降下に伴って吸気行程開始(θ15参照)からピストン27の吸気下死点近傍(θ17参照)にかけて増大する(図2(c)参照)。その結果、吸気圧が吸気行程開始から吸気下死点近傍にかけて低下する(図2(b)参照)。
その後、クランク角度位置θ18において吸気行程が終了すると、吸入空気量がゼロとなる(図2(c)参照)。その結果、吸気行程終了(θ18参照)から次回の吸気行程開始(θ21参照)にかけて、吸気圧が大気圧近傍の圧力まで上昇する(図2(b)参照)。
クランク角度位置θ19においてアクセル操作量が増加すると、スロットルバルブ14の開度が大きくなる。その結果、クランク角度位置θ21〜θ24の吸気行程において燃焼室23に供給される空気量(以下「供給空気量」という)は、クランク角度位置θ15〜θ18の吸気行程における供給空気量よりも多くなる。一方、クランク角度位置θ21〜θ24の吸気行程における吸気圧は、クランク角度位置θ15〜θ18の吸気行程における吸気圧よりも大きくなる。
このように、吸気行程の吸気圧は、その吸気行程の吸入空気量に相関し、その吸気行程における供給空気量(吸入空気量の積分値:図2に示す斜線部の面積に相当)と相関する。特にエンジン10は、2輪車用の単気筒内燃機関であり、吸気管11にサージタンクを備えていないため、吸気管11の容積が小さくなっている。すなわち、2輪車用のエンジン10では吸気管11の長さが四輪車用の内燃機関よりも短くなっている。また、単気筒のエンジン10では1つの気筒が1つの吸気管11に接続されている。さらに、エンジン10は吸気管11にサージタンクを備えていない。その結果として、吸気管11の容積が小さくなっている。これにより、エンジン10では、吸気圧の変化がなまされず、吸気行程の吸気圧が供給空気量と良好に相関する。
ところで、集合吸気式の多気筒内燃機関では、複数気筒が1つの吸気管に接続されている。また、複数気筒のうち一の気筒に着目した場合において、一の気筒の吸気行程以外の行程に他の気筒の吸気行程が割り当てられている。そのため、一の気筒に関しその燃焼サイクルの吸気行程の吸気圧に加え、他の行程の吸気圧も供給空気量に相関する。特に4気筒以上の集合吸気式の多気筒内燃機関では、都度のサイクルの全行程の吸気圧が供給空気量に相関することとなる。そのため、前回の吸気行程終了後から今回の吸気行程開始前までに実施する主噴射の噴射量は、その噴射直前の吸気圧に基づいて算出することができる。これにより、前回の吸気行程終了後から主噴射までの間にエンジン負荷が増大し、供給空気量が増加したとしても、その供給空気量の増加に対して主噴射による燃料噴射量(以下「主噴射量」という)を増量することで、内燃機関の空燃比を適正に保つことができる。
これに対して、単気筒のエンジン10では、1つの気筒が1つの吸気管11に接続されていることから、燃焼室23の吸気行程でのみ吸気圧が供給空気量に相関し、吸気行程以外の行程では吸気圧が供給空気量に相関しない。そのため、上述の如く前回の吸気行程終了後から今回の吸気行程開始前までに実施する主噴射の噴射量は、前回の吸気行程の吸気圧に基づいて算出する必要がある。そのため、前回の吸気行程終了後から主噴射までの間にエンジン負荷が増大し、供給空気量が増加した場合には、供給空気量に対して主噴射量が不足することとなる。
そこで、本実施形態では、都度の燃焼サイクル毎に主噴射及び追加噴射の2種類の燃料噴射を実施するようにしている。ここで、主噴射とは前回の吸気行程の吸気圧に応じた噴射量の燃料噴射である。この主噴射は、前回の吸気行程終了から今回の吸気行程開始前までの所定タイミングにて実施される。一方、追加噴射とは今回の吸気行程の吸気圧に応じた噴射量の燃料噴射である。この追加噴射は、供給空気量に対する主噴射量の不足分を補うべく、今回の吸気行程中の所定タイミングにて実施される。
次に、図3,4を参照しながら、主噴射制御及び追加噴射制御について詳説する。図3は主噴射制御プログラムの流れを示すフローチャートであり、図4は追加噴射制御プログラムの流れを示すフローチャートである。これらのプログラムは、ECU50が有するマイコンにより所定周期(所定クランク角ごとに又は所定時間周期)で繰り返し実行される。
(主噴射制御)
図3に示すステップS10では、ECU50は、クランク角センサ34の検出信号に基づいてクランク角度位置を算出し、そのクランク角度位置の算出値が主噴射用の吸気圧取得位置であるか否かを判定する。ここで、吸気圧取得位置とは、吸気行程中の所定タイミングとして予め設定されたクランク角度位置である。この主噴射用の吸気圧取得位置は、吸気行程の吸気圧とその吸気行程における供給空気量とが最も良好に相関するクランク角度位置(例えば、吸気下死点に最も近いクランク角度位置)に設定することが望ましい。
ECU50は、ステップS10においてクランク角度位置が吸気圧取得位置であると判定すると、ステップS11の処理に進み、ステップS10においてクランク角度位置が吸気圧取得位置でないと判定すると、ステップS13の処理に進む。
ステップS11では、ECU50は、吸気圧センサ16の検出値に基づいて吸気圧を算出する。続くステップS12では、ECU50は、ステップS11において算出した吸気圧に基づいて主噴射量を算出する。例えばECU50は、エンジン回転速度及び吸気圧をパラメータとする空気量マップを参照して、供給空気量を算出する。そしてECU50は、算出した供給空気量を目標空燃比で除算した結果を主噴射量とする。なお、この場合エンジン回転速度は、例えばクランク角センサ34の検出値から算出することができる。
ステップS13では、ECU50は、クランク角度位置が主噴射実施位置であるか否かを判定する。ここで主噴射実施位置とは、吸気行程終了後から吸気行程開始までの所定タイミングとして予め設定されたクランク角度位置である。そしてECU50は、クランク角度位置が主噴射実施位置であると判定するとステップS14の処理に進み、クランク角度位置が主噴射実施位置でないと判定すると今回の主噴射制御プログラムの実行を終了する。
ステップS14では、ECU50は、インジェクタ17を操作して、ステップS12において算出された主噴射量の主噴射を実施する。詳しくは、ECU50は、主噴射量に応じた噴射時間だけインジェクタ17を開弁させる。そして、ECU50は、今回の主噴射制御プログラムの実行を終了する。
(追加噴射制御)
図4に示すステップS20では、ECU50は、クランク角センサの検出値に基づいてクランク角度位置を算出し、そのクランク角度位置の算出値が追加噴射用の吸気圧取得位置であるか否かを判定する。ここで吸気圧取得位置とは、吸気行程中の所定タイミングとして予め設定されたクランク角度位置である。この追加噴射用の吸気圧取得位置は、追加噴射による燃料噴射量(以下「追加噴射量」という)の最大値を考慮して設定される。追加噴射の噴射時間が吸気圧取得位置から吸気行程終了位置までのクランク角度範囲に制限されるからである。
ECU50は、ステップS20においてクランク角度位置が吸気圧取得位置であると判定すると、ステップS21の処理に進み、ステップS20においてクランク角度位置が吸気圧取得位置でないと判定すると、今回の主噴射制御プログラムの実行を終了する。
ステップS21では、ECU50は、吸気圧センサ16の検出値に基づいて吸気圧を算出する。続くステップS22では、ECU50は、ステップS21において算出した吸気圧に基づいて吸気下死点における吸気圧(以下「ボトム圧」という)を推定する。この吸気圧推定処理については図5を用いて後に詳述する。
続くステップS23では、ECU50は、ステップS22において推定した吸気下死点における吸気圧に基づいて、目標空燃比を実現するために要する燃料噴射量を算出する。例えばECU50は、上述した空気量マップを参照して、エンジン回転速度及び吸気下死点における吸気圧から目標空燃比を実現するために要する燃料噴射量を算出する。
続くステップS24では、ECU50は、ステップS23において算出した燃料噴射量と、前回の吸気行程終了後から今回の吸気行程開始前までの所定タイミングにて実施された主噴射の主噴射量とに基づいて追加噴射量を算出する。詳しくは、ECU50は、例えばステップS23において算出した燃料噴射量から主噴射量を差し引いた結果を追加噴射量とする。
続くステップS25では、ECU50は、ステップS24において算出した追加噴射量が所定量以上か否かを判定する。そして、ECU50は、追加噴射量が所定量以上と判定すると、ステップS24において算出した追加噴射量の追加噴射を実施し、今回の追加噴射制御プログラムの実行を終了する。一方、ECU50は、追加噴射量が所定量よりも少ないと判定すると、そのまま今回の追加噴射制御プログラムの実行を終了する。
次に、先述の図2(a)〜(c)に加え図2(d)(e)を参照しながら、本実施形態の燃料噴射制御について詳説する。なお、(d)は主噴射による噴射率の推移、(e)は追加噴射による噴射率の推移を示す。
クランク角度位置が主噴射用の吸気圧取得位置となるクランク角度位置θ12では、そのクランク角度位置θ12における吸気圧が算出される。そして、算出された吸気圧から主噴射量が算出される。その後、クランク角度位置が主噴射実施位置となるクランク角度位置θ14において、クランク角度位置θ12において算出された噴射量の主噴射が実施される。
クランク角度位置が追加噴射用の吸気圧取得位置となるクランク角度位置θ16では、そのクランク角度位置θ16における吸気圧が算出される。そして、算出された吸気圧から先の主噴射(θ14参照)による噴射量の不足分が算出される。
ここで、クランク角度位置θ14において実施された主噴射の噴射量は、クランク角度位置θ11からθ13の吸気行程における供給空気量に基づいて算出されている。また、クランク角度位置θ15からθ18の吸気行程における供給空気量は、クランク角度位置θ11からθ13の吸気行程における供給空気量に対して殆ど変化していない。そのため、上記主噴射による噴射量の不足分は略ゼロとなる。その結果、クランク角度位置θ16において追加噴射は実施されない。
クランク角度位置が主噴射用の吸気圧取得位置となるクランク角度位置θ17では、上述したクランク角度位置θ12の場合と同様の処理が実行され、結果として主噴射量が算出される。そして、クランク角度位置が主噴射実施位置となるクランク角度位置θ20において、クランク角度位置θ17の吸気圧に基づいて算出された噴射量の主噴射が実施される。
クランク角度位置が追加噴射用の吸気圧取得位置となるクランク角度位置θ22では、クランク角度位置θ16の場合と同様の処理が実行され、結果としてクランク角度位置θ21からθ24までの吸気行程における供給空気量が算出される。そして、算出された供給空気量に対する先の主噴射(θ20参照)による噴射量の不足分が算出される。
ここで、クランク角度位置θ20において実施された主噴射の噴射量は、クランク角度位置θ15からθ18の吸気行程における供給空気量に基づいて算出されている。また、クランク角度位置θ21からθ24までの吸気行程における供給空気量は、クランク角度位置θ15からθ18までの吸気行程における供給空気量に対して増加している。そのため、クランク角度位置θ20において実施された主噴射による噴射量の不足分は大きくなる。その結果、上記噴射量の不足分の算出後(θ23参照)において、その噴射量の不足分に相当する噴射量の追加噴射が実施される。
次に、図4のステップS22における吸気圧推定処理の詳細について、図5〜図7を参照しつつ説明する。図5は、ステップS22のサブルーチン処理を示すフローチャートであり、ECU50が有するマイコンにより所定周期(所定クランク角ごとに又は所定時間周期)で繰り返し実行される。また、図6(c)は図2(b)の拡大図であり、図6(b)は、クランク角センサ34の検出信号にてパルス波形(以下「クランク信号」という)が現れるタイミングを示し、図6(a)は、吸気行程が開始する時点でのクランク信号番号をゼロとした場合のクランク番号を示す。なお、クランク信号は30℃A毎に現れる。
以下の説明では、吸気行程が終了する時点であるクランクNO.18時点を下死点近傍時点と呼び、下死点近傍時点よりも前のクランクNO.16時点をボトム直前時点と呼ぶ。そして、吸気行程における吸気圧PBのうち、下死点近傍時点での吸気圧をボトム圧PB18と呼び、ボトム直前時点での吸気圧をボトム直前圧PB16と呼ぶ。ボトム直前時点は、下死点近傍時点よりもクランク角度60℃A〜120℃Aだけ前の時点であることが望ましい。本実施形態では、下死点近傍時点よりもクランク角度60℃Aだけ前の時点にボトム直前時点を設定している。
先ず、図5のステップS30(ボトム直前圧取得手段)では、吸気圧センサ16により検出されたボトム直前圧PB16と、クランク角センサ34の検出値から算出されたエンジン回転速度NEとを取得する。エンジン回転速度NEは、クランク角センサ34の信号間隔時間、例えば1燃焼サイクル期間以上の所定期間に取得した複数の信号間隔時間から演算して求められた値や、所定クランク角度の時間から演算して求められた瞬時回転速度などである。ECU50には、ボトム圧を推定した値であるボトム圧推定マップ値PB18’と、ボトム直前圧PB16及びエンジン回転速度NEとの関係が予め記憶されたボトム圧推定マップが記憶されている。ステップS30では、取得したボトム直前圧PB16及びエンジン回転速度NEを用いて、ボトム圧推定マップによりボトム圧推定マップ値PB18’を算出する。
続くステップS31では、吸気行程のうちボトム直前時点より前の所定期間における吸気圧変化量DPB1(図6参照)を算出する。本実施形態での所定期間は、クランクNO.15からNO.16の30℃A分に設定されている。具体的には、吸気圧センサ16の検出値のうちボトム直前時点よりも前の吸気圧PB15と、ボトム直前時点での吸気圧PB16とを取得し、取得した吸気圧PB15から吸気圧PB16を減算することで吸気圧変化量DPB1を算出する。したがって、所定期間において吸気圧が下降している場合には吸気圧変化量DPB1の値はプラスとなる。一方、スロットルバルブ14を全開にしている場合等、所定期間において吸気圧が上昇している場合には吸気圧変化量DPB1の値はマイナスとなる。
ECU50には、ボトム圧推定マップ値PB18’を補正するための補正値HDPB1と、吸気圧変化量DPB1及びエンジン回転速度NEとの関係が予め記憶された補正値算出マップM1(図7参照)が記憶されている。
エンジン回転速度NEが高い領域であるほどボトム圧補正値HDPB1の絶対値(補正量)が小さくなるよう設定されている。そしてステップS32では、ステップS31で算出した吸気圧変化量DPB1及びエンジン回転速度NEを用いて、補正値算出マップM1により補正値HDPB1を算出する。
ステップS31にて取得した吸気圧変化量DPB1及びエンジン回転速度NEの値と、補正値算出マップM1に記憶されている吸気圧変化量DPB1及びエンジン回転速度NEとが一致しない場合には、線形補間により補正値HDPB1を算出する。したがって、例えばステップS31にて取得した吸気圧変化量DPB1及びエンジン回転速度NEの値がDPB1=30kPa、NE=9000rpmの場合には、図7中のDPB1=30kPa、NE=9000rpmに該当する−7kPaと、DPB1=40kPa、NE=9000rpmに該当する−12kPaとの平均値である−9.5kPaを補正値HDPB1として算出する。
続くステップS33(第1補正手段)では、ステップS30により推定されたボトム圧推定マップ値PB18’(推定値)を、ステップS32で算出した補正値HDPB1で補正して推定ボトム圧を算出する。具体的には、
推定ボトム圧=ボトム圧推定マップ値PB18’+補正値HDPB1
との算出式により最終的な推定ボトム圧を算出する。
補正値算出マップM1では、吸気圧変化量DPB1がプラスの値であり吸気圧変化が大きく下降する場合であるほど、補正値HDPB1を大きくマイナスさせた値とするよう設定されている。そのため、ボトム直前時点より前の所定期間において吸気圧が大きく下降するほど、ボトム圧推定マップ値PB18’の値を大きく下げるよう補正されることとなる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)吸気行程のうちボトム直前時点より前の所定期間における吸気圧変化量DPB1を算出する。そして、この吸気圧変化量DPB1に基づき算出された補正値HDPB1に基づき、ボトム圧推定マップ値PB18’(推定値)を補正し、この補正により得られたボトム圧の推定値を最終的な推定ボトム圧とする。したがって、ボトム直前時点に至るまでの吸気圧変化に応じて推定値PB18’を補正するので、最終的に得られるボトム圧PB18の推定精度を向上できる。よって、精度の高いボトム圧PB18に基づき追加噴射量を算出できるので、内燃機関の空燃比を精度よく適正値(理論空燃比)に保つことができる。
(2)補正値算出マップM1において、エンジン回転速度NEが高い領域であるほどボトム圧補正値HDPB1の絶対値(補正量)が小さくなるよう設定されている。これによれば、ボトム圧推定マップ値PB18’をボトム圧補正値HDPB1により補正して得られたボトム圧PB18の最終的な推定値が、実際のボトム圧PB18に近づくよう精度良く補正できる。
(3)下死点近傍時点(NO.18)よりもクランク角度60℃Aだけ前の時点(NO.16)にボトム直前時点を設定している。これにより、追加噴射の噴射時間としてNO.16からNO.18までの60℃Aに相当する時間を十分に確保できるとともに、ボトム直前圧PB16を用いてボトム圧推定マップにより推定するボトム圧推定マップ値PB18’の推定精度を十分に確保できる。
(第2実施形態)
図8に示す本実施形態では、ボトム圧推定マップ値PB18’を補正して最終的な推定ボトム圧PB18をステップS43にて算出するにあたり、補正値HDPB1に加え、以下に説明する補正値HDPB2に基づきボトム圧推定マップ値PB18’を補正する。
図8は、本実施形態に係る補正値HDPB2を算出するための、ステップS22のサブルーチン処理を示すフローチャートであり、ECU50が有するマイコンにより所定周期(所定クランク角ごとに又は所定時間周期)で繰り返し実行される。先ず、図8のステップS40では、図5のステップS30と同様にして、取得したボトム直前圧PB16及びエンジン回転速度NEを用いて、ボトム圧推定マップによりボトム圧推定マップ値PB18’を算出する。
続くステップS41(ボトム圧取得手段、推定誤差算出手段)では、前回の吸気行程において推定されたボトム圧推定マップ値PB18’(前回推定値)と、前回の吸気行程において吸気圧センサ16により検出された実際のボトム圧PB18(前回検出値)との偏差DPB2を、前回推定されたボトム圧推定マップ値PB18’の推定誤差として算出する。
ECU50には、ボトム圧推定マップ値PB18’を補正するための補正値HDPB2と、偏差DPB2及びエンジン回転速度NEとの関係が予め記憶された補正値算出マップM2(図9参照)が記憶されている。補正値算出マップM2では、補正値HDPB2が偏差DPB2に対して小さい値となるよう、なまして設定されている。
前回推定値が前回検出値よりも高い値であった場合(図6に示す状態の場合)には偏差DPB2の値をマイナスとし、前回推定値が前回検出値よりも低い値であった場合には偏差DPB2の値をプラスとする。また、エンジン回転速度NEが高い領域であるほどボトム圧補正値HDPB2の絶対値(補正量)が小さくなるよう設定されている。そしてステップS42では、ステップS41で算出した偏差DPB2及びエンジン回転速度NEを用いて、補正値算出マップM2により補正値HDPB2を算出する。
ステップS41にて取得した偏差DPB2及びエンジン回転速度NEの値と、補正値算出マップM2に記憶されている偏差DPB2及びエンジン回転速度NEとが一致しない場合には、線形補間により補正値HDPB2を算出する。したがって、例えばステップS41にて取得した偏差DPB2及びエンジン回転速度NEの値がDPB2=35kPa、NE=9000rpmの場合には、図9中のDPB2=30kPa、NE=9000rpmに該当する17kPaと、DPB2=40kPa、NE=9000rpmに該当する32kPaとの平均値である24.5kPaを補正値HDPB2として算出する。
続くステップS43(第1補正手段、第2補正手段)では、今回の吸気行程においてステップS40により推定されたボトム圧推定マップ値PB18’(今回推定値)を、ステップS42で算出した補正値HDPB2、及び上記第1実施形態と同様にして算出された補正値HDPB1の両補正値で補正して、推定ボトム圧を算出する。具体的には、
推定ボトム圧=ボトム圧推定マップ値PB18’+補正値HDPB1+補正値HDPB2
との算出式により最終的な推定ボトム圧を算出する。
以上により、本実施形態によれば、吸気圧変化量DPB1に基づく第1実施形態の補正に加え、前回の吸気行程において推定されたボトム圧である前回推定値PB18’と、前回の吸気行程において取得された実際のボトム圧である前回検出値PB18との偏差DPB1に基づきボトム圧PB18の推定値を補正するので、ボトム圧PB18を高精度に推定できる。
(他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。また、本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、各実施形態の特徴的構造をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・ここで、エンジンが加速状態の場合には、前回ボトム圧よりも今回ボトム圧の方が大気圧に近い値となることが予想される。よって、吸気圧変化量DPB1が同じ場合であっても、加速状態の場合には、加減速していない状態に比べて大気圧側(図2(b)の上側)に補正することが望ましい。逆に、減速状態の場合には、加減速していない状態に比べて負圧側(図2(b)の下側)に補正することが望ましい。
これらの点を鑑み、上記補正値HDPB1に加え、エンジンの加減速に応じてボトム圧推定マップ値PB18’を補正する補正値HDPB3を追加することが望ましい。例えば、前々回のボトム圧と前回のボトム圧との偏差からエンジンの加減速状態を推定すればよい。具体的には、前記偏差及びエンジン回転速度NEと補正値HDPB3との関係を示すマップを用いて、前記偏差及びエンジン回転速度NEに基づき補正値HDPB3を算出する。
・上記各実施形態では、ボトム圧推定値に応じた適正量の燃料を、主噴射及び追加噴射の2回に分けて噴射させているが、本発明の実施にあたり、前記適正量の燃料を1回で噴射させるようにしてもよい。具体的には、前回の吸気行程終了後から今回の吸気行程開始前までの所定タイミングで噴射(主噴射)することを廃止して、今回の吸気行程のうちボトム圧PB18の推定及び補正がなされた後に、適正量の燃料を1度に噴射させる。
・ボトム圧推定値に応じた適正量よりも一定量分だけ少なくした量を主噴射量とし、その一定量分を追加噴射量として設定する。そして、各種補正値HDPB1,HDPB2,HDPB3に相当する噴射量(補正噴射量)に基づき、追加噴射量を減量補正させる。これによれば、補正噴射量が増量側の値であっても、減量側の値である場合に比べて追加噴射量に対する減量補正量を小さくすることで対応できる。つまり、想定される増量側の補正噴射量よりも前記一定量分を十分に大きく設定しておけば、上記対応が可能となる。
・上記各実施形態では、ステップS30又はステップS40でボトム圧推定マップ値PB18’を推定した後、その推定値を吸気圧変化量DPB1に基づき補正しているが、本発明に係る補正手段はこのような補正に限られるものではなく、例えば、ステップS30又はステップS40でボトム圧推定マップ値PB18’を推定するにあたり、吸気圧変化量DPB1を加味してボトム圧PB18を推定させることで、実質的に推定値PB18’を補正させるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、追加噴射用の吸気圧取得時期を予め設定された時期(クランクNO.16に相当する時期)で固定して設定している。しかしながら、これに限られず、追加噴射用の吸気圧取得時期は、吸気行程の吸気圧などに応じて可変設定してもよい。
・上記各実施形態では、吸気管にサージタンクを備えない二輪車用の単気筒内燃機関であるエンジン10を対象とした。しかしながら、これに限られず、本発明は二輪車以外の車両に搭載される単気筒内燃機関にも適用可能である。また、吸気管にサージタンクを備える単気筒内燃機関にも適用可能である。
・上記各実施形態では、単気筒内燃機関であるエンジン10を対象としたが、本発明は独立吸気式の多気筒内燃機関にも適用可能である。ここで、独立吸気式の多気筒内燃機関とは、複数気筒が互いに異なる吸気管に接続されている内燃機関のことである。
・上記各実施形態では、吸気行程にて取得された1つの吸気圧(主噴射用の吸気圧取得時期における吸気圧:図2に示すθ17参照)に基づいて主噴射量を算出した。しかしながら、これに限られず、吸気行程にて複数回、吸気圧を取得し、これら複数の吸気圧の推移に基づいて主噴射量を算出してもよい。
本発明の第1実施形態に係るエンジンシステム全体の概略構成を示す図。 図1のエンジンシステムにおいて、アクセル操作量、吸気圧、及び吸入空気量の各物理量の推移を示す図。 図1のECUにより実行される、主噴射制御プログラムの流れを示すフローチャート。 図1のECUにより実行される、追加噴射制御プログラムの流れを示すフローチャート。 図4のサブルーチン処理である吸気圧推定処理を示すフローチャート。 図4の吸気圧推定処理による推定及び補正の一態様を示す図。 図4の処理で用いるマップ。 本発明の第2実施形態に係る吸気圧推定処理を示すフローチャート。 図8の処理で用いるマップ。 従来の吸気圧推定処理の手法を説明する図。
符号の説明
10…二輪車用4サイクルガソリンエンジン(内燃機関)、16…吸気圧センサ、50…吸気圧推定装置、噴射制御手段、S30…ボトム直前圧取得手段、ボトム圧推定手段、S33…第1補正手段、S43…第1補正手段、第2補正手段。

Claims (7)

  1. 内燃機関の吸入空気量を吸気圧にて推定するもので、ピストン下死点近傍時点での吸気圧であるボトム圧を推定する吸気圧推定装置において、
    前記吸気行程における吸気圧のうち、前記下死点近傍時点よりも前のボトム直前時点での吸気圧であるボトム直前圧の検出値を取得するボトム直前圧取得手段と、
    前記ボトム直前圧の検出値に基づき前記ボトム圧を推定するボトム圧推定手段と、
    前記吸気行程のうち前記ボトム直前時点より前の所定期間における吸気圧変化量に基づき、前記ボトム圧推定手段により推定されたボトム圧の推定値を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする吸気圧推定装置。
  2. 前記補正手段は、補正時点でのエンジン回転速度が速いほど、前記ボトム圧推定手段により推定された前記推定値に対する補正量を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の吸気圧推定装置。
  3. 前記ボトム直前時点を、前記下死点近傍時点よりもクランク角度60℃A〜120℃Aだけ前の時点とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸気圧推定装置。
  4. 前記補正手段を第1補正手段とし、
    前記ボトム圧の検出値を取得するボトム圧取得手段と、
    前回の吸気行程において推定されたボトム圧である前回推定値と、前回の吸気行程において取得されたボトム圧である前回検出値との偏差に基づき、今回の吸気行程において推定されたボトム圧である今回推定値を補正する第2補正手段と、
    を備え、
    前記第1補正手段及び前記第2補正手段の両手段により前記推定値を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の吸気圧推定装置。
  5. 前回の吸気行程において前記ボトム圧推定手段により推定されたボトム圧を前回推定値と称し、今回の吸気行程において前記ボトム圧推定手段により推定されたボトム圧を今回推定値と称した場合において、
    前記補正手段の補正により得られたボトム圧推定値に応じた適正量の燃料を、主噴射及び追加噴射の2回に分けて噴射させる噴射制御手段を備え、
    前記噴射制御手段は、前回の吸気行程終了後から今回の吸気行程開始前までの所定タイミングで前記主噴射を行い、前記適正量に対する前記主噴射の不足分を今回の吸気行程で追加噴射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の吸気圧推定装置。
  6. 前記内燃機関は、単気筒内燃機関又は独立吸気式の多気筒内燃機関であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の吸気圧推定装置。
  7. 吸気圧を検出する吸気圧センサ、及び請求項1〜6のいずれか1つに記載の吸気圧推定装置を備えることを特徴とする吸気圧推定システム。
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