JP2010285886A - 筒内圧力センサの校正方法、吸入空気量センサの校正方法、内燃機関の制御装置及び内燃機関 - Google Patents

筒内圧力センサの校正方法、吸入空気量センサの校正方法、内燃機関の制御装置及び内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の運転中で燃料噴射量がゼロでEGR弁を全閉したときの内燃機関の筒内圧力と吸入空気量とを関連付けることにより、比較的簡便なアルゴリズムで精度良く校正することができる筒内圧センサ又は吸入空気量センサの校正を行う筒内圧力センサの校正方法、吸入空気量センサの校正方法、内燃機関の制御装置及び内燃機関を提供する。
【解決手段】内燃機関1の運転中で燃料噴射量QfがゼロでEGR弁33を全閉したときに、吸入空気量センサ14の測定値Mamで筒内圧力センサ18の測定値Pcmの校正を行う筒内圧力センサの校正方法であって、吸入空気量センサ14の測定値Mamに対応する吸入空気量と、筒内圧力センサ18の測定値Pcmに対応する筒内圧力とを、筒内のガス量に関する気体の状態方程式を用いて関連付けて、この関連付けを基に、吸入空気量センサ14の測定値Mamで筒内圧力センサ18の測定値Pcmの校正を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の筒内の圧力と吸入空気量とを関連付けて筒内圧力センサ又は吸入空気量センサの校正を行う筒内圧力センサの校正方法、吸入空気量センサの校正方法、内燃機関の制御装置及び内燃機関に関する。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関では、筒内(シリンダ内)の圧力を測定する筒内圧力センサを搭載し、燃料噴射の着火時期制御、トルク制御、筒内圧力の最大値制御を行っている。しかしながら、筒内圧力の絶対値を基準にして内燃機関の運転制御を行う場合に、筒内圧力センサの出力に、個体差による測定値のばらつきや、経年変化による測定精度の悪化が生じて、正確な筒内圧力を検出することができない場合が生じるという問題がある。
また、一方、内燃機関では、吸入空気量を測定する吸入空気量センサ(Mass Air Flow センサ:質量空気流量センサ)を用いて、吸入空気量センサの測定値が目標の吸入空気量と一致するようにEGR弁や吸気弁(インテークスロットルバルブ)を制御してEGR量と吸入空気量を調整しながらEGR制御と吸気量制御を行っている。
この吸入空気量センサにおいても、個体差による測定値のばらつき、あるいは、ダクトなどの搭載場所の形状のばらつき等に起因する測定値のばらつき、経年変化による測定精度の悪化が生じて、正確な吸入空気量の測定ができなくなるという問題がある。この測定精度の悪い測定値を基にEGR制御を行うと実際のEGRガスの流量が目標EGR量と異なってしまうため、排気ガスの性状が悪化したり、燃費が悪化したりすることになる。
これに関連して、吸気量センサ(MAFセンサ)の劣化補正方法に関して、EGRを実施しない状態で複数の測定点で過給圧とエンジン回転数と吸気温度から算出した吸気量と吸気量センサのセンサ出力電圧との関係についての新たな検定線を作成し、この新たな検定線に基づいてエンジン制御コンピュータ内の流量校正マップを更新する吸気量センサの劣化補正方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この劣化補正方法では、エンジン一回転当たりで吸気を取り込める総容積が決まっていることを利用して、EGR停止時では、比較的簡単な数値モデルにより高い精度で吸気量を算出できるとしている。しかしながら、この数値モデルについては記載がない。
特開2004−270462公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の運転中で燃料噴射量がゼロでEGR弁を全閉したときの、筒内のガスに関係するガスの状態方程式を用いて内燃機関の筒内圧力と吸入空気量とを関連付けることにより、比較的簡便なアルゴリズムで精度良く校正することができる筒内圧センサ又は吸入空気量センサの校正を行う筒内圧力センサの校正方法、吸入空気量センサの校正方法、内燃機関の制御装置及び内燃機関を提供することにある。
上記の目的を達成するための筒内圧力センサの校正方法は、内燃機関の運転中で燃料噴射量がゼロでEGR弁を全閉したときに、吸入空気量センサの測定値で筒内圧力センサの測定値の校正を行う筒内圧力センサの校正方法であって、吸入空気量センサの測定値に対応する吸入空気量と、筒内圧力センサの測定値に対応する筒内圧力とを、筒内のガス量に関する気体の状態方程式を用いて関連付けて、この関連付けを基に、吸入空気量センサの測定値で筒内圧力センサの測定値の校正を行うことを特徴とする方法である。
上記の筒内圧力センサの校正方法において、内燃機関の運転中で燃料噴射量がゼロでEGR弁を全閉したときに、吸入空気量センサの測定値Mamで筒内圧力センサの測定値Pcmの校正を行う筒内圧力センサの校正方法であって、筒内容積のVc、隙間容積のVs、筒内総ガス量算出値の補正係数のK1、筒内残留ガス量算出値の補正係数のK2を予め設定しておき、燃料噴射量がゼロで、かつ、EGR弁が全閉の内燃機関の運転時に、吸入ガス量のMam、筒内圧力のPcm、筒内温度のTcm、残留ガス圧力のPrm、残留ガス温度のTrmを測定し、筒内吸入ガス量算出値をMcc、筒内総ガス量算出値をMtc、筒内残留ガス量算出値をMrc、吸入空気量算出値をMac、筒内圧力算出値をPccとし、空気のガス定数をRaとした場合に、次の筒内のガス量に関する気体の状態方程式を含む(式1)〜(式6)と、筒内圧力の算出値Pccと測定値Pcmとの関係を示す(式7)とから、
Mcc=Mtc−Mrc ・・・・(式1)
Mtc=〔(Pcc×Vc)/(Ra×Tcm)〕/K1 ・・・・(式2)
Mrc=〔(Prm×Vs)/(Ra×Trm)〕×K2 ・・・・(式3)
Mcc=Mac ・・・・(式4)
Mac=Mam ・・・・(式5)
Pcc=(Mam+Mrc)×(K1×Ra×Tcm)/Vc ・・・・(式6)
Pcc=α×Pcm ・・・・(式7)
筒内圧力センサの測定値Pcmの校正係数αを求めて、筒内圧力センサの校正を行う。
上記の目的を達成するための吸入空気量センサの校正方法は、内燃機関の運転中で燃料噴射量がゼロでEGR弁を全閉したときに、筒内圧力センサの測定値で吸入空気量センサの測定値の校正を行う吸入空気量センサの校正方法であって、筒内圧力センサの測定値に対応する筒内圧力と、吸入空気量センサの測定値に対応する吸入空気量とを、筒内のガス量に関する気体の状態方程式を用いて関連付けて、この関連付けを基に、筒内圧力センサの測定値で吸入空気量センサの測定値の校正を行うことを特徴とする方法である。
上記の吸入空気量センサの校正方法において、内燃機関の運転中で燃料噴射量がゼロでEGR弁を全閉したときに、筒内圧力センサの測定値Pcmで吸入空気量センサの測定値Mamの校正を行う吸入空気量センサの校正方法であって、筒内容積のVc、隙間容積のVs、筒内総ガス量算出値の補正係数のK1、筒内残留ガス量算出値の補正係数のK2を予め設定しておき、燃料噴射量がゼロで、かつ、EGR弁が全閉の内燃機関の運転時に、吸入空気量のMam、筒内圧力のPcm、筒内温度のTcm、残留ガス圧力のPrm、残留ガス温度のTrmを測定し、筒内吸入ガス量算出値をMcc、筒内総ガス量算出値をMtc、筒内残留ガス量算出値をMrc、吸入空気量算出値をMac、筒内圧力算出値をPccとし、空気のガス定数をRaとした場合に、次の筒内のガス量に関する気体の状態方程式を含む(式8)〜(式11)と、吸入空気量の計算値Macと測定値Mamとの関係を示す(式12)とから、
Mtc=〔(Pcm×Vc)/(Ra×Tcm)〕/K1 ・・・・(式8)
Mrc=〔(Prm×Vs)/(Ra×Trm)〕×K2 ・・・・(式9)
Mcc=Mtc−Mrc ・・・・(式10)
Mac=Mcc ・・・・(式11)
Mac=β×Mam ・・・・(式12)
吸入空気量センサの測定値Mamの校正係数βを求めて、吸入空気量センサの校正を行う。
上記の目的を達成するための内燃機関の制御装置は、上記の筒内圧力センサの校正方法、又は、上記の吸入空気量センサの校正方法を実施する。また、上記の目的を達成するための内燃機関は、この内燃機関の制御装置を備えて構成される。
本発明に係る筒内圧力センサの校正方法、吸入空気量センサの校正方法、内燃機関の制御装置及び内燃機関によれば、筒内のガス量に関するガスの状態方程式を用いて内燃機関の筒内圧力と吸入空気量とを関連付けることにより、比較的簡便なアルゴリズムで精度良く校正することができる。
そして、この筒内圧力センサの校正方法を用いることにより、量産されている吸入空気量センサを用いて、筒内圧力センサの測定値の個体差による誤差や経年変化による誤差を補正することで、エンジンの制御の精度を向上することができる。
また、この吸入空気量センサの校正方法を用いることにより、内燃機関において、吸入空気量の測定精度を向上させることができるので、精度よくEGR制御を行うことができ、内燃機関毎の排気ガスの性状や燃費のばらつきや経年変化を防ぐことができる。
本発明の実施の形態のエンジンの構成を示す図である。 本発明の実施の形態における筒内圧力センサの校正用の制御フローの一例を示す図である。 筒内圧力の算出値と測定値と補正値の関係を示す図である。 本発明の実施の形態における吸入空気量センサの校正用の制御フローの一例を示す図である。 吸入空気量の算出値と測定値と補正値の関係を示す図である。 燃料噴射量をゼロとした場合のエンジン回転数と吸入空気量と測定のタイミングを示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態のエンジンについて、図面を参照しながら説明する。なお、本発明を用いて、エンジン搭載の吸入空気量センサを用いて筒内圧力センサ出力の校正を行う場合には、エンジン搭載の吸入空気センサ出力は、予め専用の校正設備で校正され、流量検出精度基準を満たすものであることが前提条件となる。また、エンジン搭載の筒内圧力センサを用いて吸入空気量センサ出力の校正を行う場合には、エンジン搭載の筒内圧力センサ出力は、予め専用の校正設備で校正され、圧力検出精度基準を満たすものであることが前提となる。つまり、エンジン搭載の筒内圧力センサ又は吸入空気量センサを用いてもう一方を校正する場合、校正に使用するセンサ出力の精度は、必ず保障されたものである必要がある。
図1に、本発明の実施の形態のエンジン(内燃機関)1の構成を示す。このエンジン1には、吸気通路2と排気通路3が設けられており、エンジン1の燃料噴射機構4には、燃料噴射ノズル5とコモンレール6とが備えられ、筒内(シリンダ内)7の燃料噴射を行っている。また、ターボチャージャ8を備え、そのタービン9が排気通路3に配置され、タービン9に駆動されるコンプレッサ10が吸気通路2に配置されている。
更に、排気スロットル弁11が排気通路3に、吸気スロットル弁12が吸気通路2に配置されている。また、排気ガス処理装置13がタービン9の下流側の排気通路3に、吸入空気量センサ(エアクリーナー)14がコンプレッサ10の上流側の吸気通路2に配置されている。そして、EGRシステム31が、排気通路3と吸気通路2とを接続するEGR通路32とEGR弁33とEGRクーラー34で構成されている。このエンジン1を制御するために、ECU(エンジンコントロールユニット)と呼ばれる制御装置15が設けられている。
そして、本発明においては、内燃機関で燃料噴射量をゼロとし、EGR弁33を全閉したときに、吸入空気量センサ14の測定値Mamで筒内圧力センサ18の測定値Pcmの校正を行い、または、逆に、筒内圧力センサ18の測定値Pcmで吸入空気量センサの測定値Mamの校正を行う。
この筒内圧力センサ18は、例えば、エンジン1の気筒(例えば4気筒)に最低一つ搭載される。この筒内圧力センサ18の測定値を吸入空気量センサ14の測定値で校正する場合には、搭載されている筒内圧力センサ18が一つの場合はそれについて校正し、複数の気筒又は全気筒に筒内圧力センサが搭載されている場合は個別に校正する。なお、各気筒で吸入ガス量が異なる可能性が考えられるが、ここでは、各気筒の吸入ガス量は等しいとして、全気筒の平均値を使用する。
次に、筒内圧力センサの校正方法について説明する。本発明の筒内圧力センサの校正方法では、エンジン1の燃料噴射量Qfをゼロとし、EGR弁33を全閉したときに、吸入空気量センサ14の測定値Mamに対応する吸入空気量Macと、筒内圧力センサ18の測定値Pcmに対応する筒内圧力Pccとを、筒内のガス量に関する気体の状態方程式を用いて関連付けて、この関連付けを基に、吸入空気量センサ14の測定値Mamで筒内圧力センサ18の測定値Pcmの校正を行う。
この筒内圧力センサ18の測定値Pcmから吸入空気量Macを算出する場合、筒内総ガス量Mtと筒内残留ガス量Mrの差と考える。これの筒内総ガス量Mtと筒内残留ガス量Mrをそれぞれ気体の状態方程式より算出する。
この筒内圧力センサの校正方法は、制御装置15内で、図2に示すような筒内圧力センサの補正制御のフローチャートに従って行う。この図2の補正制御ルーチンは、気筒のサイクル毎に、例えば、4気筒エンジンなら、クランク角度で180度毎に呼び出される。
この図2のステップS11で、エンジン1が運転状態(モータリング状態)であり、かつ、燃料噴射量Qf=0の状態か否かを判定する。この判定で燃料噴射量Qfがゼロでない場合(NO)はゼロになるまで待つ。燃料噴射量Qfがゼロの場合(YES)では、次のステップS12で、EGR弁33を全閉にする。次のステップS13でエンジンの運転状態が安定するまで予め設定した一定時間待つ。
図6に、の燃料噴射量Qfをゼロとした後の、即ち、減速条件中の燃料噴射量Qf、エンジン回転数Ne、吸入空気流量Maの状態を模式的に示す。燃料噴射量Qfがゼロとなった後、エンジン回転数Neは徐々に減少し、それに伴い吸入空気流量Maも減少する。
次のステップS14で吸入空気量センサ14の測定値Mamから筒内圧力Pccを算出する。次のステップS15で吸入空気量センサ14から算出された筒内圧力Pccと、筒内圧力センサ18の測定値Pcmから、筒内圧力センサ18の補正係数αを算出して校正を行う。
この校正は、次のように、筒内容積のVc、隙間容積のVs、シリンダ壁面からの熱損失による筒内総ガス量算出値の補正係数のK1、筒内残留ガス量算出値の補正係数のK2を予め設定しておき、制御装置15内に記憶しておく。
そして、ステップS14で、燃料噴射量Qfがゼロで、かつ、EGR弁33が全閉の状態でかつ安定した状態のときに、即ち、図5に示すような、燃料噴射量Qfがゼロになってから予め設定した一定時間t1経過後で、燃料噴射量Qfがゼロでなくなるまでの間の期間t2に、例えば、時点tm(i)で、吸入ガス量のMam、筒内圧力のPcm、筒内温度のTcm、残留ガス圧力のPrm、残留ガス温度のTrmを測定する。これらの測定値Pcm、Tcm、Prm、Trmは、クランク角度ごとの算出値を用いる。
空気のガス定数をRaとした場合の筒内のガス量に関する気体の状態方程式の(式1)と(式2)と、筒内吸入ガス量、筒内総ガス量、筒内残留ガス量、吸入空気量の相互間の関係(式3)(式4)(式5)を基に、筒内吸入ガス量算出値のMcc、筒内総ガス量算出値のMtc、筒内残留ガス量算出値のMrc、吸入空気量算出値のMac、筒内圧力算出値のPccを算出し、(式6)で筒式内圧力算出値のPccを算出する。更に、(式7)の筒内圧力の算出値Pccと測定値Pcmとの関係を示す(式6)とから、校正係数(補正係数)αを算出する。
Mcc=Mtc−Mrc ・・・・(式1)
Mtc=〔(Pcc×Vc)/(Ra×Tcm)〕/K1 ・・・・(式2)
Mrc=〔(Prm×Vs)/(Ra×Trm)〕×K2 ・・・・(式3)
Mcc=Mac ・・・・(式4)
Mac=Mam ・・・・(式5)
Pcc=(Mam+Mrc)×(K1×Ra×Tcm)/Vc ・・・・(式6)
Pcc=α×Pcm ・・・・(式7)
つまり、(式7)から筒内圧力センサ18の測定値Pcmの校正係数(補正係数)αを求めて、筒内圧力センサ18の校正を行う。この吸入空気量センサ14の測定値Mamを基にして算出された筒内圧力Pccを実際の筒内圧力であるとして、筒内圧力センサ18の測定値Pcmを補正する。
この補正では、図3に示すように、校正対象の筒内圧力センサ18の測定値Pcmを横軸、吸入空気量センサ14の測定値Mamから算出した筒内圧力Pccを縦軸とする。このPcm1がPcc1と一致するように校正係数αを決定する。つまり、α=Pcc1/Pcm1とする。補正後の筒内圧力Pcは筒内圧力の測定値Pcmにこのαを乗じて求める。この補正後のPcをこれ以後のエンジン1の制御に利用する。なお、図3の例では、筒内圧力の測定点Pcmが1点の場合を示す。
次に、吸入空気量センサの校正方法について説明する。本発明の吸入空気量センサの校正方法では、エンジン1の燃料噴射量をゼロとし、EGR弁33を全閉したときに、吸入空気量センサ14の測定値Mamに対応する吸入空気量Macと、筒内圧力センサ18の測定値Pcmに対応する筒内圧力Pccとを、筒内のガス量に関する気体の状態方程式を用いて関連付けて、この関連付けを基に、筒内圧力センサ18の測定値Pcmで吸入空気量センサの測定値Mamの校正を行う。
この吸入空気量センサの校正方法は、制御装置15内で、図4に示すような吸入空気量センサの補正制御のフローチャートに従って行う。この図4の補正制御ルーチンは、気筒のサイクル毎に、例えば、4気筒エンジンなら、クランク角度で180度毎に呼び出される。
この図4のステップS21で、エンジン1が運転状態であり、かつ、燃料噴射量Qf=0の状態か否かを判定する。この判定で燃料噴射量Qfがゼロでない場合(NO)はゼロになるまで待つ。燃料噴射量Qfがゼロの場合(YES)では、次のステップS22で、EGR弁33を全閉にする。次のステップS23でエンジンの運転状態が安定するまで予め設定した一定時間待つ。
次のステップS24で、燃料噴射量Qfがゼロで、かつ、EGR弁33が全閉の状態でかつ安定した状態のときに、即ち、図5に示すような、燃料噴射量Qfがゼロになってから予め設定した一定時間t1経過後で、燃料噴射量Qfがゼロでなくなるまでの間の期間t2に、例えば、時点tm(i)で、筒内圧力センサ18の測定値Pcmから吸入空気量Macを算出する。次のステップS25で筒内圧力センサ18から算出された吸入空気量Macと、吸入空気量センサの測定値Mcmから、吸入空気量センサの補正係数βを算出して校正を行う。
この校正は、次のように、筒内容積のVc、隙間容積のVs、シリンダ壁面からの熱損失による筒内総ガス量算出値の補正係数のK1、筒内残留ガス量算出値の補正係数のK2を予め設定しておき、制御装置15内に記憶しておく。
そして、ステップS24で、燃料噴射量Qfがゼロで、かつ、EGR弁33が全閉の状態でかつ安定した状態のときに、吸入ガス量のMam、筒内圧力のPcm、筒内温度のTcm、残留ガス圧力のPrm、残留ガス温度のTrmを測定する。これらの測定値Pcm、Tcm、Prm、Trmは、クランク角度ごとの算出値を用いる。
空気のガス定数をRaとした場合の筒内のガス量に関する気体の状態方程式を含む(式8)(式9)と、筒内吸入ガス量、筒内総ガス量、筒内残留ガス量、吸入空気量との関係を示す(式10)と(式11)とから、筒内総ガス量算出値のMtc、筒内残留ガス量算出値のMrc、筒内吸入ガス量算出値のMcc、吸入空気量算出値のMacを算出する。
更に、(式12)の吸入空気量の計算値Macと測定値Mamとの関係から、校正係数(補正係数)βを算出する。
Mtc=〔(Pcm×Vc)/(Ra×Tcm)〕/K1 ・・・・(式8)
Mrc=〔(Prm×Vs)/(Ra×Trm)〕×K2 ・・・・(式9)
Mcc=Mtc−Mrc ・・・・(式10)
Mac=Mcc ・・・・(式11)
Mac=β×Mam ・・・・(式12)
つまり、この(式12)から吸入空気量センサの測定値Mcmの校正係数(補正係数)βを求めて、筒内圧力センサ18の校正を行う。この筒内圧力センサ18の測定値Pcmを基にして算出された吸入空気量Macを実際の吸入空気量であるとして、吸入空気量センサの測定値Mamを補正する。
この校正対象の吸入空気量センサの測定値Mamを横軸、筒内圧力センサ18の測定値Pcmから算出した吸入空気量Macを縦軸とする。このMam1、Mam2がMac1、Mam2との一致度合いが最大になるように校正係数βを決定する。つまり、β≒Mac1/Mam1、β≒Mac2/Mam2とする。補正後の吸入空気量Maは吸入空気量センサの測定値Mamにこのβを乗じて求める。この補正後のMaをこれ以後のエンジンの制御に利用する。なお、図5の例では、吸入空気量の測定点が2点の場合を示す。
この図5においては、図6の区間t2の最初と区間の最後の2点のデータを利用し、線形補間式により吸入空気量センサを校正した場合の例を示す。この2点tm(1)、tm(2)での筒内圧力センサ18の測定値Pcmから算出した吸入空気量Mac1、Mac2と吸入空気量センサ14の測定値Mam1,Mam2を制御装置15のメモリに記憶する。減速条件が終了した後は、メモリに記憶されたMac1,Mac2,Mam1,Mam2から吸入空気量センサ14の算出値Macと測定値Mamとの関係が、Ma=(Mc1−Mc2)/(Ms1−Ms2)×Mam=β×Mamとなる。この補正後のMaを制御に利用する。
この図5の例では2点のデータを利用したが、t2区間で得られた各時点tm(i)の全てのデータを取得し、そのデータを基に最小二乗法により線形補間式を作っても補正するのが好ましい。また線形補間ではセンサのばらつき特性を精度良く表せない場合には、吸入空気量Maの区間に幾つかに区切って多点のテーブルを作成して補間してもよい。この補正は減速の度に行い、そのときの補正値を逐次平均して補正値として制御装置15に保存するのが好ましいが、減速の度に行わなくても、減速状態の一定回数毎に行うようにしてもよい。
上記の筒内圧力センサの校正方法、吸入空気量センサの校正方法、内燃機関の制御装置及び内燃機関によれば、筒内のガス量に関するガスの状態方程式を用いてエンジン1の筒内圧力と吸入空気量とを関連付けることにより、比較的簡便なアルゴリズムで精度良く校正することができる。
そして、この筒内圧力センサの校正方法を用いることにより、量産されている吸入空気量センサ14を用いて、筒内圧力センサの測定値の個体差による誤差や経年変化による誤差を補正することで、エンジンの制御の精度を向上することができる。
また、この吸入空気量センサの校正方法を用いることにより、エンジン1において、吸入空気量の測定精度を向上させることができるので、精度よくEGR制御を行うことができ、エンジン毎の排気ガスの性状や燃費のばらつきや経年変化を防ぐことができる。
本発明の筒内圧力センサの校正方法、吸入空気量センサの校正方法、内燃機関の制御装置及び内燃機関は、筒内のガス量に関するガスの状態方程式を用いて内燃機関の筒内圧力と吸入空気量とを関連付けることにより、比較的簡便なアルゴリズムで精度良く校正することができ、この筒内圧力センサの校正方法を用いることにより、量産されている吸入空気量センサを用いて、筒内圧力センサの測定値の個体差による誤差や経年変化による誤差を補正することで、エンジンの制御の精度を向上することができ、更に、この吸入空気量センサの校正方法を用いることにより、内燃機関において、吸入空気量の測定精度を向上させることができるので、精度よくEGR制御を行うことができ、内燃機関毎の排気ガスの性状や燃費のばらつきや経年変化を防ぐことができる。
そのため、乗用車やトラックやバス等に搭載されるガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関に関連した、筒内圧力センサの校正方法、吸入空気量センサの校正方法、内燃機関の制御装置及び内燃機関として利用できる。
1 エンジン
14 吸入空気量センサ
18 筒内圧力センサ
33 EGR弁

Claims (6)

  1. 内燃機関の運転中で燃料噴射量がゼロでEGR弁を全閉したときに、吸入空気量センサの測定値で筒内圧力センサの測定値の校正を行う筒内圧力センサの校正方法であって、吸入空気量センサの測定値に対応する吸入空気量と、筒内圧力センサの測定値に対応する筒内圧力とを、筒内のガス量に関する気体の状態方程式を用いて関連付けて、この関連付けを基に、吸入空気量センサの測定値で筒内圧力センサの測定値の校正を行うことを特徴とする筒内圧力センサの校正方法。
  2. 内燃機関の運転中で燃料噴射量がゼロでEGR弁を全閉したときに、吸入空気量センサの測定値Mamで筒内圧力センサの測定値Pcmの校正を行う筒内圧力センサの校正方法であって、
    筒内容積のVc、隙間容積のVs、筒内総ガス量算出値の補正係数のK1、筒内残留ガス量算出値の補正係数のK2を予め設定しておき、
    燃料噴射量がゼロで、かつ、EGR弁が全閉の内燃機関の運転時に、吸入ガス量のMam、筒内圧力のPcm、筒内温度のTcm、残留ガス圧力のPrm、残留ガス温度のTrmを測定し、
    筒内吸入ガス量算出値をMcc、筒内総ガス量算出値をMtc、筒内残留ガス量算出値をMrc、吸入空気量算出値をMac、筒内圧力算出値をPccとし、空気のガス定数をRaとした場合に、
    次の筒内のガス量に関する気体の状態方程式を含む(式1)〜(式6)と、筒内圧力の算出値Pccと測定値Pcmとの関係を示す(式7)とから、
    Mcc=Mtc−Mrc ・・・・(式1)
    Mtc=〔(Pcc×Vc)/(Ra×Tcm)〕/K1 ・・・・(式2)
    Mrc=〔(Prm×Vs)/(Ra×Trm)〕×K2 ・・・・(式3)
    Mcc=Mac ・・・・(式4)
    Mac=Mam ・・・・(式5)
    Pcc=(Mam+Mrc)×(K1×Ra×Tcm)/Vc ・・・・(式6)
    Pcc=α×Pcm ・・・・(式7)
    筒内圧力センサの測定値Pcmの校正係数αを求めて、筒内圧力センサの校正を行うことを特徴とする筒内圧力センサの校正方法。
  3. 内燃機関の運転中で燃料噴射量がゼロでEGR弁を全閉したときに、筒内圧力センサの測定値で吸入空気量センサの測定値の校正を行う吸入空気量センサの校正方法であって、筒内圧力センサの測定値に対応する筒内圧力と、吸入空気量センサの測定値に対応する吸入空気量とを、筒内のガス量に関する気体の状態方程式を用いて関連付けて、この関連付けを基に、筒内圧力センサの測定値で吸入空気量センサの測定値の校正を行うことを特徴とする吸入空気量センサの校正方法。
  4. 内燃機関の運転中で燃料噴射量がゼロでEGR弁を全閉したときに、筒内圧力センサの測定値Pcmで吸入空気量センサの測定値Mamの校正を行う吸入空気量センサの校正方法であって、
    筒内容積のVc、隙間容積のVs、筒内総ガス量算出値の補正係数のK1、筒内残留ガス量算出値の補正係数のK2を予め設定しておき、
    燃料噴射量がゼロで、かつ、EGR弁が全閉の内燃機関の運転時に、吸入空気量のMam、筒内圧力のPcm、筒内温度のTcm、残留ガス圧力のPrm、残留ガス温度のTrmを測定し、
    筒内吸入ガス量算出値をMcc、筒内総ガス量算出値をMtc、筒内残留ガス量算出値をMrc、吸入空気量算出値をMac、筒内圧力算出値をPccとし、空気のガス定数をRaとした場合に、
    次の筒内のガス量に関する気体の状態方程式を含む(式8)〜(式11)と、吸入空気量の計算値Macと測定値Mamとの関係を示す(式12)とから、
    Mtc=〔(Pcm×Vc)/(Ra×Tcm)〕/K1 ・・・・(式8)
    Mrc=〔(Prm×Vs)/(Ra×Trm)〕×K2 ・・・・(式9)
    Mcc=Mtc−Mrc ・・・・(式10)
    Mac=Mcc ・・・・(式11)
    Mac=β×Mam ・・・・(式12)
    吸入空気量センサの測定値Mamの校正係数βを求めて、吸入空気量センサの校正を行うことを特徴とする吸入空気量センサの校正方法。
  5. 請求項1若しくは2に記載の筒内圧力センサの校正方法、又は、請求項3若しくは4に記載の吸入空気量センサの校正方法を実施することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項5記載の内燃機関の制御装置を備えたことを特徴とする内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013148057A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Isuzu Motors Ltd 筒内残留ガス量の推定装置及び、推定方法
CN114810447A (zh) * 2022-04-11 2022-07-29 哈尔滨工程大学 一种有相变的氨燃料瞬态喷射过程中气液两相占比测试装置及测试方法

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