JP5921818B2 - エアゾール組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、エアゾール組成物に関する。
従来、エアゾール組成物は、利便性などの観点から種々の分野において利用されており、その目的や用途に応じた種々の成分を含有する原液と、噴射剤とにより構成され、霧状または泡沫状などの形態の吐出物を形成するものが知られている。
エアゾール組成物の或る種のものは、噴射剤として、極めて高い可燃性を有する液化石油ガス(LPG)などが用いられており、また原液には、エタノール等のアルコール類などの引火性を有する引火性成分が含有されており、例えば帯電防止剤用のエアゾール組成物においては、静電気による着火が生じるおそれがあるなど、その使用環境によっては危険を伴う場合がある。
一方、エアゾール組成物においては、噴射剤として、例えばトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンなどの着火危険性の小さいヒドロフルオロカーボンを用いることが提案されているが(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)、原液の構成成分との関係からのエアゾール組成物の安全性については十分な検討がなされていない。
特表2010−525114号公報 特開2009−227662号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、原液が引火性成分を含有するものであっても、使用環境によらずに高い安全性をもって適用することのできるエアゾール組成物を提供することにある。
本発明のエアゾール組成物は、液状油脂類よりなる引火性成分を15.00〜99.50質量%含有する原液と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含有する噴射剤とよりなり、
エアゾール組成物100質量%における前記トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有割合が6〜20質量%であることを特徴とする。
本発明のエアゾール組成物によれば、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンが特定の含有割合で用いられており、このトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンが着火危険性が極めて小さいものであることから、原液が引火性成分を含有するものであっても、使用環境によらずに高い安全性をもって適用することができる。
また、本発明のエアゾール組成物においては、引火性成分の種類および含有割合、あるいは使用環境などに応じ、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの噴射剤における含有割合および噴射剤のエアゾール組成物における含有割合を適宜に調整することにより、適用に際してより一層高い安全性を得ることができる。
更に、本発明のエアゾール組成物においては、噴射剤としてジメチルエーテル、液化石油ガスなどの可燃性ガスを併用する場合であっても、可燃性ガスを単独で用いる場合に比して高い完全性を得ることができる。
本発明のエアゾール組成物は、原液と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンをエアゾール組成物全体100質量%において5〜95質量%の割合で含有する噴射剤とにより構成されており、噴射バルブを備えた耐圧容器よりなるエアゾール容器に充填されることによってエアゾール製品とされるものである。
本発明のエアゾール組成物を構成する原液は、引火性成分を必須成分として含有するものである。
ここに、本明細書中において、「引火性成分」とは、第4類引火性液体である。
また、本発明のエアゾール組成物において、引火性成分は、当該エアゾール組成物においていかなる作用を有するものであってもよく、例えば使用目的あるいは使用用途との関係における有効成分、主たる有効成分に対する助剤、副次的な成分、または溶剤などとして作用するものであってもよい。
引火性成分の具体例としては、例えば液状油脂類および1価の低級アルコール類などが挙げられる。
本発明のエアゾール組成物を構成する原液において、引火性成分は、1種類が単独で用いられてなる構成のものであってもよく、また2種類以上が組み合わされて用いられてなる構成のものであってもよい。
引火性成分を構成する液状油脂類としては、例えば鉱物油(具体的には、例えばケロシン、軽油、流動パラフィン、流動イソパラフィン、琥珀油、クレオソート油等)、植物油(具体的には、例えばひまし油、亜麻仁油、サラダ油、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、ベニバナ油、ひまわり油、米油、パーム油、ヤシ油、葡萄油、小麦胚芽油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、グレープシードオイル、ホホバオイル、ローズヒップオイル、白樺油、アボカドオイル、ヘーゼルナッツオイル、オレンジ油等)、動物油(具体的には、例えば魚油、ラノリンオイル、スクワラン、卵黄油、肝油、馬油、ミンクオイル等)、合成油(具体的には、例えばエステル油等)などが挙げられ、好適な具体例としては、ケロシン、流動パラフィン、流動イソパラフィンなどが挙げられる。
また、引火性成分を構成する1価の低級アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノールなどが挙げられる。
また、引火性成分としては、液状油脂類および1価の低級アルコール類の他、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、ブチルセロソルブ、トルエン、キシレン、フェノキシエタノール、サリチル酸メチルなどを用いることができる。
原液における引火性成分の含有割合は、引火性成分の種類、引火性成分のエアゾール組成物中における使用目的などによっても異なるが、通常、1〜100質量%とされる。
特に、引火性成分が1価の低級アルコール類である場合においては、1価の低級アルコール類の含有割合は原液100質量%において30〜100質量%であることが好ましく、更に好ましくは50〜90質量%である。
1価の低級アルコール類よりなる引火性成分の含有割合が過大である場合には、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを用いることによっても着火危険性を十分に低減させることができないおそれがある。一方、1価の低級アルコール類よりなる引火性成分の含有割合が過小である場合には、1価の低級アルコール類の作用による十分な効果、例えば有効成分としての効果、あるいは他の構成成分の溶解性向上効果が得られなくなるおそれがある。
また、特に1価の低級アルコール類よりなる引火性成分の含有割合が50質量%以上であって90質量%以下である場合には、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを用いることによる安全性向上効果が大きくなる。
原液には、必須成分としての引火性成分の他、エアゾール組成物の使用目的や用途に応じて種々の任意成分が含有されていてもよい。その具体例としては、例えば殺虫剤、消臭剤、帯電防止剤、撥水剤、紫外線吸収剤、整髪剤(セット剤)、エモリエント剤などのエアゾール組成物の使用目的あるいは使用用途との関係における有効成分、水、界面活性剤、粉末(具体的には、例えばタルクパウダー、シリカパウダー、ナイロンパウダー、コーンスターチ、ゼオライトパウダー等)、その他が挙げられる。
以上のような成分が含有されてなる原液の含有割合は、後述する噴射剤との関係から、エアゾール組成物全体100質量%において、通常、10〜95質量%とされる。
本発明のエアゾール組成物を構成する噴射剤としては、必須成分として、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンが用いられており、このトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンは、その含有割合が、エアゾール組成物全体100質量%において5〜95質量%とされる。
本発明のエアゾール組成物においては、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを上記の特定の含有割合で用いることにより、原液が引火性成分を含有するものであるにも拘わらず、当該トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン自体の有する特性によって着火危険性を低減させることができる。
噴射剤としては、適用する際の安全性の観点から、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを単独で用いることが好ましいが、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと共に、例えば、ジメチルエーテル、液化石油ガス、および、窒素ガス、二酸化炭素ガス、亜酸化窒素ガス、圧縮空気等の圧縮ガスなどのその他のガスを組み合わせて用いることもできる。
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと組み合わせて用いるその他のガスとしては、得られるエアゾール組成物における機能性の観点から、ジメチルエーテルおよび圧縮ガスが好ましい。
噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと共にその他のガスを選択的に組み合わせて用いることにより、適用する際の噴射形態(吐出物の形態)を、霧状または泡沫状などの適宜なものとすることができ、また、噴射形態以外にも、例えば噴射力(噴射圧)などの噴射特性を制御すること、および噴射剤の原液に対する溶解性を制御することなどができる。
具体的には、本発明のエアゾール組成物において、噴射形態を泡沫状とする場合には、その他のガスとして、主として液化石油ガスが用いられる。
また、噴射力(噴射圧)を制御する場合には、その他のガスとして、主として液化石油ガスおよび圧縮ガスが用いられる。
また、噴射剤の原液に対する溶解性を制御する場合には、その他のガスとして主としてジメチルエーテルが用いられる。
噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと共にその他のガスを組み合わせて用いる場合には、噴射剤において、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有割合が10〜99.9質量%であることが好ましい。
具体的に、その他のガスとして液化石油ガスおよび/またはジメチルエーテルを用いる場合、すなわち噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと液化石油ガスおよび/またはジメチルエーテルとを組み合わせて用いる場合には、噴射剤において、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有割合が10〜70質量%であることが好ましい。
また、その他のガスとして圧縮ガスを用いる場合、すなわち噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと圧縮ガスとを組み合わせて用いる場合には、噴射剤において、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有割合が95.0〜99.9質量%であることが好ましい。
噴射剤におけるトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有割合が過小、すなわちその他のガスの含有割合が過大である場合には、エアゾール組成物全体におけるトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有割合を所期の割合とすることができなくなるおそれがある。一方、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有割合が過大である場合、すなわちその他のガスの含有割合が過小である場合には、その他のガスの作用による十分な効果が得られなくなるおそれがある。
噴射剤の含有割合は、当該噴射剤の組成、原液における引火性成分の種類および必要とされる噴射特性などによっても異なるが、エアゾール組成物全体100質量%において、通常、5〜95質量%とされる。
具体的には、原液が液状油脂類よりなる引火性成分を含有し、噴射剤がトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンよりなる場合においては、当該噴射剤の含有割合は、エアゾール組成物全体100質量%において、5〜40質量%であることが好ましい。
また、原液が液状油脂類よりなる引火性成分を含有し、噴射剤がトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン10〜70質量%とジメチルエーテル30〜90質量%とよりなる場合においては、当該噴射剤の含有割合は、エアゾール組成物全体100質量%において、30〜95質量%であることが好ましい。
また、原液が1価の低級アルコール類よりなる引火性成分30〜100質量%を含有し、噴射剤がトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンよりなる場合においては、当該噴射剤の含有割合は、エアゾール組成物全体100質量%において、5〜70質量%であることが好ましい。
原液が1価の低級アルコール類よりなる引火性成分30〜100質量%を含有し、噴射剤の含有割合が5〜70質量%である場合には、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを用いることによる安全性向上効果を十分に得ることができる。
上記のような構成の本発明のエアゾール組成物によれば、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンが特定の含有割合で用いられており、このトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンが着火危険性が極めて小さいものであることから、原液が引火性成分を含有するものであっても、使用環境によらずに高い安全性をもって適用することができる。また、引火性成分がエアゾール組成物全体において大きな割合で含有されている場合、具体的には、引火性成分としての1価の低級アルコールのエアゾール組成物全体における含有割合が25質量%を超える場合、あるいは引火性成分としての液状油脂類のエアゾール組成物全体における含有割合が10質量%を超える場合であっても、適用する際の安全性を得ることができる。
また、本発明のエアゾール組成物においては、後述の実験例からも明らかなように、引火性成分として液状油脂類を含有する場合においては、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを用いることによる安全性向上効果が大きくなることから、極めて高い安全性を得ることができる。
また、本発明のエアゾール組成物においては、引火性成分の種類および含有割合、あるいは使用環境などに応じ、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの噴射剤における含有割合および噴射剤のエアゾール組成物における含有割合を適宜に調整することにより、適用に際してより一層高い安全性を得ることができる。
更に、本発明のエアゾール組成物においては、噴射剤としてジメチルエーテル、液化石油ガスなどの可燃性ガスを併用する場合であっても、可燃性ガスを単独で用いる場合に比して高い完全性を得ることができる。
本発明のエアゾール組成物は、例えば生活害虫駆除剤用、ハエ,蚊,ダニおよびノミ用殺虫剤用、消臭剤用、帯電防止剤用などして好適に用いることができ、その他にも、例えばヘアースプレー用、ボディフレグランス用、日焼け止め剤用、筋肉消炎剤用、ヘアスタイリング剤用、ヘアトリートメント剤用、クレンジング剤用などとしても用いることもできる。
以下、本発明の実験例について説明する。
<実験例1>
先ず、下記の(処方1)〜(処方10)に係る原液処方に従って原液を調製した。
次いで、噴射剤として、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(ハネウェルジャパン(株)製)と共に、ジメチルエーテル(住友精化社製)および窒素ガス(東京高圧山崎(株)製)を用意し、(処方1)〜(処方10)に係る原液処方によって得られた原液と、表1に示す組成の噴射剤とを、当該(処方1)〜(処方10)に係る原液と噴射剤との充填割合に従って噴射バルブ装置を備えた耐圧容器よりなるエアゾール容器内に充填することにより、本発明に係るエアゾール製品を作製した。
得られた本発明に係るエアゾール製品のうちの(処方1)〜(処方6)、(処方8)および(処方10)に係る原液処方によって得られた原液を含有する本発明に係るエアゾール製品は、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)のみを用いたものであり、(処方7)によって得られた原液を含有する本発明に係るエアゾール製品は、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)98質量%と窒素ガス2質量%とを用いたものであり、(処方9)によって得られた原液を含有する本発明に係るエアゾール製品は、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)40質量%とジメチルエーテル(DME)60質量%とを用いたものである。
一方、比較用のエアゾール組成物の噴射剤として、液化石油ガス、窒素ガス(東京高圧山崎(株)製)およびジメチルエーテル(住友精化社製)を用意し、(処方1)〜(処方10)に係る原液処方によって得られた原液と、表1に示す組成の噴射剤とを、当該(処方1)〜(処方10)に係る原液と噴射剤との充填割合に従って噴射バルブ装置を備えた耐圧容器よりなるエアゾール容器内に充填することにより、比較用エアゾール製品を作製した。
得られた比較用エアゾール製品のうちの(処方1)〜(処方6)、(処方8)および(処方9)に係る原液処方によって得られた原液を含有する比較用エアゾール製品は、噴射剤として液化石油ガス(LPG)のみを用いたものであり、(処方7)によって得られた原液を含有する比較用エアゾール製品は、噴射剤として液化石油ガス(LPG)98質量%と窒素ガス2質量%とを用いたものであり、(処方10)によって得られた原液を含有する比較用エアゾール製品は、噴射剤として液化石油ガス(LPG)70質量%とジメチルエーテル(DME)30質量%とを用いたものである。
ここに、(処方1)〜(処方10)に係る原液は、各々、(処方1)〜(処方4)、(処方8)および(処方10)に係る原液が引火性成分として1価の低級アルコールを含有するものであり、(処方5)〜(処方7)および(処方9)に係る原液が引火性成分として液状油脂類を含有するものである。また、これらのうちの(処方4)に係る原液には引火性成分として1価の低級アルコールとしてのエタノールと共にサリチル酸メチルが含有されており、(処方5)に係る原液には引火性成分として液状油脂類としての流動イソパラフィンと共にフェノキシエタノールが含有されており、(処方6)に係る原液には引火性成分として液状油脂類としての流動パラフィンと共にフェノキシエタノールが含有されている。
(爆発性試験)
試料としてのエアゾール製品および比較用エアゾール製品を25℃に設定した恒温槽に30分間浸漬し、その質量を測定した後、当該試料を爆発試験器に装着し、点火用プラグのスイッチを入れた状態において、1秒間噴射、2秒間噴射停止を繰り返して行い、爆発が生じた後の試料の質量を測定し、爆発試験器に装着する前の質量と、爆発が生じた後の質量とに基づいて爆発下限濃度〔g/l〕を測定する。
(処方1)へアスプレー用エアゾール組成物
(原液処方)
・エタノール(「99%合成無変性エタノール」(日本アルコール販売(株)製)):79.95質量%
・(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP(「プラスサイズL−9909B」(互応化学工業(株)製)):20.00質量%
・フェニルトリメチコン(「KF−56」(信越化学工業(株)):0.05質量%
(原液と噴射剤との充填割合)
・質量比(原液/噴射剤):50/50
(処方2)ボディーフレグランススプレー用組成物
(原液処方)
・エタノール(「99%合成無変性エタノール」(日本アルコール販売(株)製))95.00質量%
・ミリスチン酸イソプロピル(日光ケミカルズ(株)製)2.00質量%
・香料(小川香料(株)製)3.00質量%
(原液と噴射剤との充填割合)
・質量比(原液/噴射剤):30/70
(処方3)日焼け止めスプレー用組成物
・エタノール(「99%合成無変性エタノール」(日本アルコール販売(株)製))59.00質量%
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(「Uvinul MC80」(BASFジャパン(株)製))20.00質量%
・シクロペンタシロキサン(「SH−245」(東レ・ダウコーニング(株)製)20.00質量%
・香料(小川香料(株)製)1.00質量%
(原液と噴射剤との充填割合)
・質量比(原液/噴射剤):40/60
(処方4)筋肉消炎剤用エアゾール組成物
(原液処方)
・エタノール(「99%合成無変性エタノール」(日本アルコール販売(株)製))95.50質量%
・L−メントール(高砂香料(株)製)2.00質量%
・サリチル酸メチル(エーピーアイコーポレーション(株)製)2.00質量%
・酢酸トコフェロール(「ビタミンEアセテート」(BASFジャパン(株)製))0.50質量%
(原液と噴射剤との充填割合)
・質量比(原液/噴射剤):40/60
(処方5)ヘアートリートメントフォーム用エアゾール組成物
(原液処方)
・流動イソパラフィン(「パールリーム4」(日油(株)製)15.0質量%
・ジメチコン(「SH200 20cs」(東レ・ダウコーニング(株)製)5.00質量%
・トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル(「TGI−20」日光ケミカルズ(株)製)3.00質量%
・ポリソルベート80(「TO−10V」(日光ケミカルズ(株))1.00質量%
・フェノキシエタノール(防腐剤)(四日市合成(株)製)0.5質量%
・精製水(東洋エアゾール工業(株))75.50質量%
(原液と噴射剤との充填割合)
・質量比(原液/噴射剤):94/6
(処方6)クレンジングフォーム用エアゾール組成物
(原液処方)
・流動パラフィン(「CARNATION」(島貿易(株)製)50.00質量%
・トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル(「TGI−20」日光ケミカルズ(株)製)4.00質量%
・ポリソルベート80(「TO−10V」(日光ケミカルズ(株))2.00質量%
・フェノキシエタノール(防腐剤)(四日市合成(株)製)0.5質量%
・精製水43.50質量%
(原液と噴射剤との充填割合)
・質量比(原液/噴射剤):94/6
(処方7)生活害虫駆除用エアゾール組成物
(原液処方)
・ケロシン99.00質量%
・生活害虫駆除剤1.00質量%
(原液と噴射剤との充填割合)
・質量比(原液/噴射剤):80/20
(処方8)消臭剤用エアゾール組成物
(原液処方)
・エタノール(「99%合成無変性エタノール」(日本アルコール販売(株)製))99.50質量%
・消臭剤0.50質量%
(原液と噴射剤との充填割合)
・質量比(原液/噴射剤):30/70
(処方9)ハエ,蚊,ダニおよびノミ用殺虫剤用エアゾール組成物
(原液処方)
・ケロシン99.50質量%
・ハエ,蚊,ダニおよびノミ用殺虫剤0.50質量%
(原液と噴射剤との充填割合)
・質量比(原液/噴射剤):50/50
(処方10)帯電防止剤用エアゾール組成物
(原液処方)
・エタノール(「99%合成無変性エタノール」(日本アルコール販売(株)製))84.00質量%
・カチオン性界面活性剤(帯電防止剤)(日光ケミカルズ(株)製)1.00質量%
・精製水15.00質量%
(原液と噴射剤との充填割合)
・質量比(原液/噴射剤):70/30
表1において、「エアゾール製品中のHFO−1234ze含有割合(質量%)」の欄は、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)を用いた本発明に係るエアゾール製品における、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンのエアゾール組成物全体100質量%における含有割合を示す。また、「爆発下限濃度〔g/l〕」に係る「比較用エアゾール製品」の欄は、噴射剤として液化石油ガス(LPG)、あるいは液化石油ガス(LPG)と窒素ガスまたはジメチルエーテル(DME)とを用いた比較用エアゾール製品における爆発下限濃度を示し、当該「爆発下限濃度〔g/l〕」に係る「エアゾール製品」の欄は、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)を用いた本発明に係るエアゾール製品における爆発下限濃度を示す。更に、「爆発下限濃度比」の欄には、噴射剤として液化石油ガス(LPG)、あるいは液化石油ガス(LPG)と窒素ガスまたはジメチルエーテル(DME)とを用いた場合の爆発下限濃度に対する、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)を用いた場合の爆発下限濃度の比、すなわち爆発下限濃度比(本発明に係るエアゾール製品の爆発下限濃度/比較用エアゾール製品の爆発下限濃度)を示す。なお、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)を用いた本発明に係るエアゾール製品において、(処方7)では窒素ガスを併用し、また(処方9)ではジメチルエーテル(DME)を併用した。
また、同表において、爆発性試験において爆発が生じなかった場合を「−」の符号を付した。すなわち、(処方5)、(処方6)および(処方7)においては、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)を用いた場合、すなわち本発明に係るエアゾール製品には爆発が生じなかった。
表1の結果から、原液に引火性成分が含有されている場合においては、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを特定の含有割合で用いることにより、引火性成分がエアゾール組成物全体において大きな割合で含有されている場合であっても、爆発が生じなくなる、あるいは爆発下限濃度が大きくなり、適用する際の安全性が大きくなることが確認された。具体的に、本発明に係るエアゾール製品における引火性成分のエアゾール組成物全体に対する割合は、各々、処方1に係る引火性成分としてのエタノールの含有割合は39.975質量%、処方2に係る引火性成分としてのエタノールの含有割合は28.5質量%、処方3に係る引火性成分としてのエタノールの含有割合は23.6質量%、処方4に係る引火性成分としてのエタノールの含有割合は38質量%(引火性成分のエアゾール組成物全体における含有割合は38.8質量%)、処方5に係る引火性成分としての流動イソパラフィンの含有割合は14.1質量%(引火性成分のエアゾール組成物全体における含有割合は14.57質量%)、処方6に係る引火性成分としての流動パラフィンの含有割合は47質量%、処方7に係る引火性成分としてのケロシンの含有割合は79.2質量%、処方8に係る引火性成分としてのエタノールの含有割合は29.85質量%、処方9に係る引火性成分としてのケロシンの含有割合は49.75質量%、処方10に係る引火性成分としてのエタノールの含有割合は58.8質量%である。
ここに、爆発下限濃度比(本発明に係るエアゾール製品の爆発下限濃度/比較用エアゾール製品の爆発下限濃度)によっては、その値が大きくなるに従って適用する際の安全性が大きくなることが示される。具体的には、例えば処方1においては、本発明に係るエアゾール製品は、爆発下限濃度に達するまでに要する噴射量が比較用エアゾール製品の噴射量の3.2倍に相当するものであり、すなわち、本発明に係るエアゾール製品は、比較用エアゾール製品に比して爆発限界濃度に至るまでの噴射量が大きく、よって安全性を有するものであることが理解される。
また、特に引火性成分として液状油脂類を含有する場合においては、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを特定の含有割合で用いることによって極めて大きな安全性が得られることが確認された。
更に、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと共に窒素ガスあるいはジメチルエーテル(DME)を用いた場合であっても、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを用いることによる安全性向上効果が得られることが確認された。

Claims (1)

  1. 液状油脂類よりなる引火性成分を15.00〜99.50質量%含有する原液と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含有する噴射剤とよりなり、
    エアゾール組成物100質量%における前記トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有割合が6〜20質量%であることを特徴とするエアゾール組成物。
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