JP5920210B2 - 前部車体構造 - Google Patents

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本発明は、車両の前部車体構造に関する。
車両においては、その前突時に車体の前部構造体を所定の態様で変形させることによって衝撃の吸収が図られている。この前突時の衝撃吸収では、衝突初期に車体の減速度(車体が受ける荷重)のピークが現れ、その後は比較的低い一定の減速度となるよう前部構造体を変形させていくのが望ましいとされている。初期ピークによって、乗員に対し前方への慣性力を生じさせ、それによってシートベルトのテンションを高めることができるとともに、エアバッグと乗員との距離を短くすることができる(エアバッグの展開量の設定が小さくて済み、エアバッグの乗員に対する加害性が低減される)ためである。
従来は、上記減速度特性を得るアプローチとして、例えば、特許文献1に記載されているフロントサイドフレームの形状を工夫することが行なわれている。また、このような形状の工夫に加え、フロントサイドフレームに局部的にレインフォースメントを配置したり、車幅方向に延びる折れビードを設けたりすることにより、フロントサイドフレームの前後方向の剛性を部分的に変化させることも行なわれている。
特開2005−271811号公報
ところで、車両の走行時の挙動や燃費の向上というニーズに対しては、車体の軽量化を図ることが一つの重要な対応策となる。しかし、上述の如き、フロントサイドフレームを主体として衝撃吸収対策をとる考え方では、フロントサイドフレームの構造が複雑となり、例えば、湾曲形状形成によるフレーム自体の重量増加やレインフォースメント追加分の重量増が避けられない。
この点に関し、本発明者は、フロントサイドフレームとその下方に配置したサスペンションサブフレームから前方に延びる延長フレームとの協働によって所期の衝撃吸収特性を得ることを検討した。つまり、延長フレームを上記初期ピークの立上りに利用すれば、フロントサイドフレームには軸圧縮による衝撃吸収の役割を与えることで足り、このフロントサイドフレームを複雑形状にする必要がないから、その軽量化に有利になる。
なお、上記特許文献1には、フロントサイドフレーム下方のサスペンションサブフレームに車両前方に延びるサイドフレームを設け、このサイドフレームを変形させて車両前突時の衝撃吸収を図ることが記載されているが、これは、フロントサイドフレームでは対応することができない低位置の障害物との衝突に対策するものであり、所期の衝撃吸収特性を得るべくフロントサイドフレームとその下方のサイドフレームとを協働させるものではない。
しかし、上述の如くフロントサイドフレームと延長フレームとの協働で衝撃吸収を図る場合、延長フレームが初期ピークの立上りに有効に寄与すること、そして、フロントサイドフレームが延長フレームに影響されずに確実に軸圧縮することが必要になる。
すなわち、本発明の課題は、フロントサイドフレームと延長フレームとの協働によって所期の衝撃吸収特性を得るようにして車両の軽量化を容易にすること、その協働のために、延長フレームによって初期ピークが確実に立上るようにすること、フロントサイドフレームを確実に軸圧縮させることにある。
本発明は、上記課題を解決するために、車両前突時におけるフロントサイドフレームと延長フレームの変形開始タイミングを一致させるとともに、左右の延長フレームが車幅方向に座屈するようにした。
すなわち、ここに提示する車両の前部車体構造は、車両前部の左右両側に設けられたフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームよりも下方に配置されたサスペンションサブフレームとを備えている。上記左右のフロントサイドフレームはキャビン前方に略直線状に突出し、その前端にクラッシュカンが設けられている。この左右のクラッシュカンにバンパービームの両端部が連結されている。上記サスペンションサブフレームには、上記左右のフロントサイドフレーム各々の下方をキャビン前方に突出し当該車両の前突時に車幅方向に座屈する延長フレームが設けられている。この延長フレームの前端にクラッシュカンが設けられている。上記フロントサイドフレームと上記延長フレームとは、当該車両の前突時に各々の前端のクラッシュカンが潰れた後に同期して変形し始めるように、各々の前端位置が設定されている。上記延長フレームは、その車幅方向断面中心の位置が車両前後方向と直交する方向に変化しており、該延長フレームの長手方向全長における該断面中心の車幅方向の変位量が、該断面中心の上下方向の変位量よりも大きい。
かかる車両の前部車体構造であれば、車両の前突時にはフロントサイドフレーム前端のクラッシュカン及び延長フレーム前端のクラッシュカンが潰れた後、フロントサイドフレームと延長フレームとが同期して変形し始める。すなわち、フロントサイドフレームと延長フレームとが協働して衝突荷重を受ける。当初は延長フレームが衝突荷重に対して突っ張るため、その座屈を生ずるまでは延長フレームが受ける荷重が高くなっていき、その後に座屈を生ずることに伴ってその荷重が低下する。このため、謂わば、フロントサイドフレームが受ける荷重に延長フレームが受ける荷重が上乗せされた形になり、車体の減速度に初期ピークが現れる。
このように、延長フレームが初期ピークの立上りに有効に働くことから、フロントサイドフレーム自体で初期ピークを現出させる必要がない。フロントサイドフレームは車体に対して例えば略一定の減速度が働くように変形することで足りる。すなわち、フロントサイドフレームはキャビン前方に略直線状に延ばして軸圧縮変形させることで足りる。よって、フロントサイドフレームを複雑形状にする必要がないから、車両の軽量化に有利になる。
しかも、左右の延長フレームは衝突荷重を受けると車幅方向に座屈するから、この延長フレームの座屈に伴ってフロントサイドフレームに上下方向のモーメントが発生することが避けられる。よって、フロントサイドフレームを確実に軸圧縮変形させて所期の衝撃吸収特性を得る上で有利になる。
さらに、上記延長フレームは、その車幅方向断面中心の位置が車両前後方向と直交する方向に変化しており、該延長フレームの長手方向全長における該断面中心の車幅方向の変位量が、該断面中心の上下方向の変位量よりも大きいから、延長フレームの断面形状等を局部的に変化させずとも、延長フレームを車幅方向に座屈させ易くなり、延長フレームの設計が容易になる。
本発明の好ましい態様では、左右の延長フレームが、衝突荷重を受けたときに共に車幅方向の内側に座屈するように、又は共に車幅方向の外側に座屈するように設けられていることを特徴とする。これにより、延長フレームの座屈に伴ってフロントサイドフレームに上下方向のモーメント及び車幅方向のモーメントが発生することを避ける上で有利になり、従って、フロントサイドフレームを確実に軸圧縮変形させて所期の衝撃吸収特性を得る上で有利になる
発明の好ましい態様では、上記フロントサイドフレームと上記延長フレームとは、該延長フレームの前端と後端の2箇所のみで連結されていることを特徴とする。これにより、車両の前突時にフロントサイドフレームと延長フレームとが中間部において互いに拘束し合うことが避けられる。よって、両者の協働によって所期の衝撃吸収特性を得る上で有利になる。
本発明の好ましい態様では、上記フロントサイドフレームの前端と上記延長フレームの前端の各々に水平部を有するプレート部材が設けられていて、この両プレート部材の水平部同士が上下に接続されていることを特徴とする。これにより、サスペンションが組み付けられたサスペンションサブフレームをフロントサイドフレームに対して下方から組み付ける際に、上記両プレート部材の水平部同士を上下に合わせることでサスペンションサブフレームの高さの位置決めをすることができ、そして、両プレート部材の水平部同士を上下方向において締結することができるから、組み付け作業性が良くなる。
本発明によれば、フロントサイドフレームとサスペンションサブフレームの延長フレームとが、車両の前突時において各々の前端のクラッシュカンが潰れた後、同期して変形し始め協働して衝突荷重を受けるようにしたから、延長フレームが初期ピークの立上りに有効に働く。そのため、フロントサイドフレームは、軸圧縮変形することで足り、複雑形状にする必要がないから、車両の軽量化に有利になる。しかも、左右の延長フレームは衝突荷重を受けると車幅方向に座屈するから、フロントサイドフレームに上下方向のモーメントが発生することが避けられる。よって、フロントサイドフレームを確実に軸圧縮変形させて所期の衝撃吸収特性を得る上で有利になる。さらに、上記延長フレームは、その車幅方向断面中心の位置が車両前後方向と直交する方向に変化しており、該延長フレームの長手方向全長における該断面中心の車幅方向の変位量が、該断面中心の上下方向の変位量よりも大きいから、延長フレームの断面形状等を局部的に変化させずとも、延長フレームを車幅方向に座屈させ易くなり、延長フレームの設計が容易になる。
車両前部車体構造(サスペンション等が組み付けられていない状態)を示す斜視図である。 車両前部車体構造をサスペンション等が組み付けられた状態で且つ一部省略して示す斜視図である。 車両前部車体構造を示す平面図である。 車両前部車体構造を示す底面図である。 車両前部車体構造の要部を示す側面図である。 車両前部車体構造の要部を示す底面図である。 フロントサイドフレームの前端と延長フレームの前端との連結部を示す斜視図である。 同連結部を示す側面図である。 前突初期の状態を示す側面図である。 前突初期の状態を示す底面図である。 本発明に係る前突時の荷重−変位特性を模式的に示すグラフ図である。 前突によって車両前部車体の変形が進んだ状態を示す側面図である。 前突によって車両前部車体の変形が進んだ状態を示す底面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<車両前部車体構造の概略構成>
図1に示す車両の前部車体構造において、1は車両前部の左右両側に設けられたフロントサイドフレーム、2はフロントサイドフレーム1よりも下方に配置されたサスペンションサブフレームである。サスペンションサブフレーム2には、左右のフロントサイドフレーム1各々の下方をキャビン(図示省略)前方に突出する延長フレーム4が設けられている。
図2に示すように、本実施形態では、アッパーアーム5とロアアーム6とでタイヤを支持するダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用している。アッパーアーム5は、フロントサイドフレーム1とサスペンションサブフレーム2とを連結する後述の連結部材7に枢支されている。ロアアーム6はサスペンションサブフレーム2と連結部材7とに枢支されている。図2において、8はナックル9とサスペンションタワー10とを連結するスプリング一体型ダンパー、11はスタビライザ、12はパワーステアリングのギヤユニット、13はフロントサイドフレーム1の後端に接続されたフロアフレーム、14はフロントサイドフレーム1と車体フロアのセンタートンネル部を結ぶフレーム、15はブレース、16は左右のフロントサイドフレーム1を結ぶクロスメンバーである。
サスペンションサブフレーム2は、図3(平面図)及び図4(底面図)に示すように、車幅方向に延びる横部21と、横部21の両端部に続いて車体後方に延びる縦部22とを備えた馬蹄形に形成されている。
図1に戻って、連結部材7は、フロントサイドフレーム1の下面に結合された車体前後方向に延びる上部材23と、この上部材23の中央部より下方に延び下端部がサスペンションサブフレーム2の側面に結合された下部材24とによって構成されている。上部材23の前後両端部にアッパーアーム5を枢支する枢支部23aが形成されている。また、サスペンションサブフレーム2の縦部22の後端部と下部材24の下端部とにロアアーム6を枢支する枢支部22a,24aが形成されている。
<前突時の衝撃吸収のための構成>
−フロントサイドフレーム1−
図1に示すように、左右のフロントサイドフレーム1はキャビン前方に略直線状に突出し、その前端にクラッシュカン25が設けられている。すなわち、フロントサイドフレーム1の前端にセットプレート26が設けられており、このセットプレート26にクラッシュカン25の後端のフランジ27が結合されている。左右のクラッシュカン25には前方に若干湾曲したバンパービーム28の両端部が連結されている。
フロントサイドフレーム1の直線状に延びる前端から後端部近傍に至る間は、車幅方向断面の形状が略十字状の凹多角形に形成され、この凹多角形部分より後側部分は断面矩形に形成されている。クラッシュカン25も同じく断面略十字状の凹多角形に形成されている。
連結部材7は、フロントサイドフレーム1の断面凹多角形部分の後端部から断面矩形部分にわたる部位と、サスペンションサブフレーム2の縦部22の前端部とを上下に連結している。
本実施形態では、フロントサイドフレーム1における連結部材7よりも前方の断面凹多角形部分が、車両の前突時に軸圧縮変形をすることによって衝突荷重を吸収する軸圧縮変形部を構成している。クラッシュカン25も上述の如く断面形状が略十字状の凹多角形に形成されているから、車両の前突時に軸圧縮変形をすることによって衝突荷重を吸収する。
−延長フレーム4−
延長フレーム4は、フロントサイドフレーム1に沿って前後方向に延び、その後端が連結部材7の下部材24の前面側に結合されている。この延長フレーム4の前端にはクラッシュカン29が設けられている。すなわち、左右の延長フレーム4はその前端同士が車幅方向に延びる連結プレート31によって連結されており、この連結プレート31の両端部前面にクラッシュカン29の後端のフランジ32が結合されている。
図5及び図6に示すように、延長フレーム4は、その車幅方向断面中心(以下、「軸心」という。)が車体前後方向に直線状には延びておらず、車両前後方向と直交する方向に変化している。具体的には、延長フレーム4は、その前端から後方へ行くに従って軸心が下方へ緩やかに変位し、さらに後端部で下方へやや大きく変位し、また、途中で車幅方向内側に変位している。そうして、延長フレーム4の長手方向全長における軸心の車幅方向の変位量Eは、該軸心の上下方向の変位量Eよりも大きくなっている。このような軸心の変位量の設定E>Eにより、延長フレーム4は前突時に車幅方向に座屈(車幅方向に折れ曲がる)し易くなっている。
また、延長フレーム4は、前端部を除いてその後側(全長の9割以上の長さ)が縦長断面形状に形成されており、このような縦長断面形状により、延長フレーム4が車幅方向に確実に折れ曲がるようになっている。
本実施形態では、上述の如く、左右の延長フレーム4は共に車幅方向内側に湾曲しているから、前突時には共に車幅方向内側に座屈することになる。
延長フレーム4の前端のクラッシュカン29は断面八角形になっており、車両の前突時に軸圧縮変形をすることによって衝突荷重を吸収する。
図5に示すように、連結部材7の下部材24の上部後面とサスペンションサブフレーム2の縦部22の上面とがなす隅部には、前突時に延長フレーム4の突っ張りによって下部材24に加わる後方への倒れ荷重をサスペンションサブフレーム2で支えるべく、ガセット33が設けられている。下部材24の上部は上下に延びる閉断面構造になっており、その内部には、ガセット33に衝突荷重が伝わり易くなるように、延長フレーム4とガセット33とを橋渡しする形で補強材34が設けられている。
−フロントサイドフレーム1と延長フレーム4との関係−
図7及び図8に示すように、フロントサイドフレーム1と延長フレーム4とは、フロントサイドフレーム1の前端のセットプレート26と延長フレーム4の前端の連結プレート31とを介して互いの前端同士が連結されている。具体的には、セットプレート26には、その下端から前方へ張り出した水平部26aが設けられている。一方、連結プレート31には、その上端から後方へ張り出した水平部31aが設けられている。このセットプレート26の下端水平部26aと連結プレート31の上端水平部31aとが上下に合わされてねじ部材によって上下に締結されている。
フロントサイドフレーム1の前端のセットプレート26から前方へ張り出した水平部6aと、延長フレーム4の前端の連結プレート31から後方へ張り出した水平部31aとが連結されているということは、フロントサイドフレーム1の前端と延長フレーム4の前端とが前後にずれていることを意味する。この前端の前後のずれ量は、概ねバンパービーム28の厚さに相当する大きさに設定されている。すなわち、車両前突時に、クラッシュカン25,29が潰れた後、フロントサイドフレーム1と延長フレーム4とが当該衝突荷重によって同期して変形し始めるように、フロントサイドフレーム1の前端位置と延長フレーム4の前端位置とが前後にずらされている。
ここに、フロントサイドフレーム1と延長フレーム4との連結箇所は、延長フレーム4の前端(セットプレート26と連結プレート31とによる連結)と後端(連結部材7による連結)の2箇所のみであり、他の部分では連結されていない。
−車両前突時の衝撃吸収−
図5及び図6は車両前部車体構造の前突前の状態を示す。車両が例えば壁等に前面から衝突すると、図9及び図10に示すように、まず、クラッシュカン25,29が潰れる。バンパービーム28は剛性が高いため潰れることは殆どないが、例えば、図10に示すように平坦になる。
軽い衝突であれば、クラッシュカン25,29が潰れることによって衝撃が吸収され、フロントサイドフレーム1及び延長フレーム4は変形するに至らない。この軽衝突時には延長フレーム4が突っ張ることによって、衝突荷重が延長フレーム4を介して連結部材7に伝わる。しかし、その衝突荷重は、連結部材7からフロントサイドフレーム1とサスペンションサブフレーム2とに分かれて伝わる。つまり、フロントサイドフレーム1及びサスペンションサブフレーム2のうちの一方のみに衝撃荷重が集中することがない。よって、サスペンションサブフレーム等に剛性向上のための厚肉化や、レインフォースメントの追加等の厳重な衝撃対策を施す必要がなくなり、車両の軽量化に有利になる。
車両が壁等に比較的強く衝突すると、クラッシュカン25,29が潰れるだけでなく、フロントサイドフレーム1及び延長フレーム4が変形する。先に説明したように、フロントサイドフレーム1と延長フレーム4とは、各々の前端位置を前後にずらしていることにより、クラッシュカン25,29が潰れた後、同期して変形し始める。すなわち、フロントサイドフレーム1と延長フレーム4とが協働して衝突荷重を受ける。
フロントサイドフレーム1は、上述の如く、その前端から後方に向かって直線状に延びる断面形状が略十字状の凹多角形部を有する。このため、図11に荷重−変位特性を模式的に示すように、フロントサイドフレーム1は前突時の衝突荷重を大きな荷重変動を招くことなく軸圧縮変形によって吸収していく。
一方、延長フレーム4は、上述の如く、衝突荷重を受けて座屈するように構成されている。このため、図11に荷重−変位特性を模式的に示すように、延長フレーム4は衝突荷重を受けた当初は該衝突荷重に対して突っ張るため、最初の座屈を生ずるまでは吸収する荷重が高くなっていき、その後に座屈を生ずることに伴って荷重が急激に低下する。
従って、衝突荷重によってフロントサイドフレーム1と延長フレーム4とが同期して変形し始めたとき、トータルでは、フロントサイドフレーム1が受ける荷重に延長フレーム4が受ける荷重が上乗せされた形になり、初期ピークが現れる。延長フレーム4が座屈した後は、フロントサイドフレーム1の軸圧縮変形によって衝突荷重の吸収が進むため、車体の減速度は略一定になる。但し、後半ではフェンダー、その他の部材の変形によって衝突荷重が吸収されるから、吸収荷重が少し高くなる。
上述の如く、フロントサイドフレーム1と延長フレーム4とは、延長フレーム4の前端と後端の2箇所のみで連結されているだけである。よって、フロントサイドフレーム1の軸圧縮変形が延長フレーム4によって妨げられたり、或いは延長フレーム4の座屈がフロントサイドフレーム1によって妨げられたりすることが避けられる。そうして、図12及び図13に示すように、左右の延長フレーム4は互いに車幅方向内側に座屈するから、座屈によってフロントサイドフレーム1に上下方向或いは車幅方向のモーメントが発生することが避けられる。このため、フロントサイドフレーム1は確実に軸圧縮変形することになる。
また、車両の組立においては、サスペンション及び連結部材7をサスペンションサブフレーム2に組み付けた状態で、これを車体下方から持ち上げてフロントサイドフレーム1に組み付ける。このとき、フロントサイドフレーム1側のセットプレート26の水平部26aと延長フレーム4側の連結プレート31の水平部31aとを上下に合わせることでサスペンションサブフレーム2の高さの位置決めをすることができ、さらにセットプレート26の水平部26aと連結プレート31の水平部31aとを上下方向において締結することができるから、組み付け作業性が良くなる。
なお、延長フレーム4の座屈方向に関し、左右の延長フレーム4が共に車幅方向外側に座屈するようにしてもよい。また、フロントサイドフレーム1やクラッシュカン25,29の断面形状、サスペンションサブフレーム2の形状などは上記実施形態に限られるものではない。
1 フロントサイドフレーム
2 サスペンションサブフレーム
4 延長フレーム
7 連結部材
25,29 クラッシュカン
26 セットプレート
26a 水平部
28 バンパービーム
31 連結プレート
31a 水平部

Claims (3)

  1. 車両前部の左右両側に設けられたフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームよりも下方に配置されたサスペンションサブフレームとを備えた車両の前部車体構造において、
    上記左右のフロントサイドフレームはキャビン前方に略直線状に突出し、その前端にクラッシュカンが設けられ、この左右のクラッシュカンにバンパービームの両端部が連結されており、
    上記サスペンションサブフレームには、上記左右のフロントサイドフレーム各々の下方をキャビン前方に突出し当該車両の前突時に車幅方向に座屈する延長フレームが設けられ、該延長フレームの前端にクラッシュカンが設けられており、
    上記フロントサイドフレームと上記延長フレームとは、当該車両の前突時に各々の前端のクラッシュカンが潰れた後に同期して変形し始めるように、各々の前端位置が設定され、 上記延長フレームは、その車幅方向断面中心の位置が車両前後方向と直交する方向に変化しており、該延長フレームの長手方向全長における該断面中心の車幅方向の変位量が、該断面中心の上下方向の変位量よりも大きいことを特徴とする車両の前部車体構造。
  2. 請求項1において、
    上記フロントサイドフレームと上記延長フレームとは、該延長フレームの前端と後端の2箇所のみで連結されていることを特徴とする車両の前部車体構造。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記フロントサイドフレームの前端と上記延長フレームの前端の各々に水平部を有するプレート部材が設けられていて、この両プレート部材の水平部同士が上下に接続されていることを特徴とする車両の前部車体構造。
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