JP2016078542A - 車両の後部車体構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前後方向に延びる左右1対のリヤサイドフレーム1と、1対のリヤサイドフレーム1の後端部に配設されたリヤエンドパネル2と、1対のリヤサイドフレーム1にリヤエンドパネル2を介して連結され且つ略十字状の車幅方向縦断面を有する左右1対のクラッシュカン3と、1対のクラッシュカン3に架着された車幅方向に延びるバンパレイン4とを備え、クラッシュカン3の前後方向中央部よりも後側に配設された第1,第2穴部3y,3zによって脆弱部を形成し、車体後方からバンパレイン4に対して衝突荷重が作用したとき、脆弱部を介してバンパレイン4の回転を促進してバンパレイン4のアウタパネル4bをリヤエンドパネル2に面接触させるように構成された。
【選択図】 図3
Description
これにより、車両の後突時、リヤバンパを補強するバンパレインから伝達された衝突荷重によりクラッシュカンが軸方向に潰れ変形されることにより衝突エネルギを吸収している。このクラッシュカンの潰れ変形に加え、リヤサイドフレームの圧縮変形や折れ変形によって衝突エネルギを更に吸収し、車室に作用する衝撃を緩和している。
これにより、簡単な構成で連結部材を車幅方向に延びる回転軸回りに回転変形させることができる。
この構成により、バンパレインフォースメントの後端面をリヤエンドパネルに確実に面接触させることができ、衝突荷重をリヤエンドパネルを介して広範囲に分散することができる。
これにより、略十字状の車幅方向縦断面を有するクラッシュカンの衝突エネルギ吸収性能を一層向上することができる。
以下の説明は、本発明を車両に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。また、図中、矢印F方向を、前方とし、矢印L方向を、左方とし、矢印U方向を、上方として説明する。
図1〜図4に示すように、車両Vは、前後方向に延びる左右1対のリヤサイドフレーム1と、これら1対のリヤサイドフレーム1の後端部に配設されたリヤエンドパネル2と、1対のリヤサイドフレーム1にリヤエンドパネル2を介して連結された左右1対のクラッシュカン3(連結部材)と、これら1対のクラッシュカン3に架着された車幅方向に延びるバンパレインフォースメント(以下、バンパレインと省略する)4等を備えている。
車両Vの車体後部には、リフトゲート(図示略)によって開閉される開口部5が形成されている。この開口部5内には車体後部の荷室空間が形成され、リフトゲートの開閉により外部から荷室空間内にアクセス可能に構成されている。開口部5は、ルーフパネル6と、このルーフパネル6を支持する左右1対の閉断面状のリヤピラー7と、リヤクロスメンバ11とによって略方形状に形成されている。リヤピラー7の側部には、サイドアウタパネル8が連結されている。
リヤフロアパネル9の側部はホイールハウスインナ10に即して切り欠かれ、ホイールハウスインナ10の下端部に連結されている。このリヤフロアパネル9には、スペアタイヤ(図示略)を収納可能な凹部9aが形成されている。
図2〜図4に示すように、リヤフロアパネル9の車幅方向外側端部寄り部分の下面側に、前後方向に延びる左右1対のリヤサイドフレーム1が配設されている。
これら1対のリヤサイドフレーム1は、高張力鋼板で形成され、リヤフロアパネル9と協働して前後方向に延びる閉断面を構成している。
リヤエンドメンバ12の上端フランジ部がリヤエンドパネル2の上端フランジ部に接合され、リヤエンドメンバ12の下端フランジ部がリヤエンドパネル2の中段部前面に接合されている。また、リヤエンドパネル2の下端部前面がリヤサイドフレーム1の後端部上端に接合されている。
図2〜図4に示すように、左右1対のクラッシュカン3は、左右1対のリヤサイドフレーム1の後端部に同軸状に配置されるようにリヤエンドパネル2を介して夫々連結されている。これら1対のクラッシュカン3は、後突時にバンパレイン4の上下方向中間部分から作用する衝突荷重により前後方向に軸圧縮変形して潰れることで衝突エネルギを吸収し、所期のエネルギ吸収性能を達成し得るサイズ、鋼材で夫々構成されている。
尚、1対のクラッシュカン3は、左右対称の構造であるため、以下、左側のクラッシュカン3について主に説明する。
クラッシュカン3の前端部は、平板状のセットプレート13に溶接により接合され、このセットプレート13が複数のボルト14によってリヤエンドパネル2に設けられた取付部に締結固定されている。クラッシュカン3の後端部には、バンバレイン4のインナパネル4aが接合されている。
突出部3sの上端部と突出部3tの下端部は、それ以外の部分に比べて後方に張り出してバンバレイン4のインナパネル4aの取付部を形成している。
突出部3uと突出部3vの後端近傍部分には、鉛直方向に凹状に延びる溝部3xが夫々形成されている。これにより、後突時、クラッシュカン3の軸方向の潰れ変形(座屈変形)を促進することができ、衝突エネルギ吸収性能を高めている。
これにより、突出部3sの剛性よりも突出部3tの剛性を弱くすることができ、後突時、バンパレイン4に衝突荷重が作用した際に、クラッシュカン3の後端部を車幅方向に延びる回転軸回りに前側下方に向けて90度以上大きく回転変形させることができる。また、第1穴部3yの前後方向位置と溝部3xの前後方向位置を揃えたため、クラッシュカン3の回転変形を促進することができる。
図7(a)に示すように、バンパレイン4の後方に設置された障害物Bが所定速度で前進してアウタパネル4bに衝突する。衝突初期、衝突荷重はクラッシュカン3の上半部よりも下半部に多く作用し、溝部3xや第1穴部3yを含めてクラッシュカン3の下半部を前後方向に潰れ変形させながら車幅方向に延びる回転軸回りに前側下方に向かう回転変形を開始する。
これにより、クラッシュカン3の回転変形を利用して大きな衝突荷重を吸収することができる。また、アウタパネル4bとリヤエンドパネル2が当接しても、面接触状態になるため、衝突荷重をリヤエンドパネル2を介して広範囲に分散することができる。
しかも、リヤサイドフレーム1は、衝突エネルギ吸収機構の作動により途中部から後半部が上方に折れ変形されるため、車室に対する衝突荷重の影響を最小限に抑えることができる。
車両Vの後部車体構造によれば、1対のクラッシュカン3の下端側部分の剛性を上端側部分の剛性よりも低く形成したため、バンパレイン4に衝突荷重が作用した場合、バンパレイン4が車幅方向に延びる回転軸回りに前側下方に向けて大きく曲げ変形されることにより衝突エネルギを吸収できる。また、バンパレイン4が車幅方向に延びる回転軸回りに前側下方に向けて90度以上回転するため、バンパレイン4のアウタパネル4bをリヤエンドパネル2に面接触させることができる。
1〕前記実施形態においては、脆弱部をクラッシュカンの突出部の角部に設けた4つの第1,第2穴部で構成した例を説明したが、少なくとも下端側部分の剛性を上端側部分の剛性よりも低くできれば良く、単一の穴部でも良く、要求仕様に応じて穴部の個数を任意に設定できる。また、穴部に代えて切欠き部やビード部であっても良い。
更に、クラッシュカンを上下の分割体で構成し、上部分割体と下部分割体の材質や板厚に差を設けることで、下端側部分の剛性を上端側部分の剛性よりも低くすることも可能である。
1 リヤサイドフレーム
2 リヤエンドパネル
3 クラッシュカン
3y 第1穴部
3z 第2穴部
4 バンパレイン
4b アウタパネル
Claims (4)
- 前後方向に延びる左右1対のリヤサイドフレームと、前記1対のリヤサイドフレームの後端部に配設されたリヤエンドパネルと、前記1対のリヤサイドフレームに前記リヤエンドパネルを介して連結された左右1対の連結部材と、前記1対の連結部材に架着された車幅方向に延びるバンパレインフォースメントとを備えた車両の後部車体構造において、
前記1対の連結部材の下端側部分の剛性を上端側部分の剛性よりも低く形成したことを特徴とする車両の後部車体構造。 - 前記1対の連結部材の下端側部分に脆弱部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両の後部車体構造。
- 前記脆弱部は、車体後方から前記バンパレインフォースメントに対して衝突荷重が作用したとき、前記バンパレインフォースメントの車幅方向に延びる回転軸回りに前側下方に向けた回転を促進して、バンパレインフォースメントの後端面を前記リヤエンドパネルに面接触させるように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両の後部車体構造。
- 前記連結部材が略十字状の車幅方向縦断面を有するクラッシュカンによって形成され、
前記脆弱部が前記クラッシュカンの前後方向中央部よりも後側に形成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両の後部車体構造。
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