JP5919969B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents
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Description
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネルを設け、前記剛性部を前記ダッシュパネルに前記突出部と同方向に突出して前記突出部とフロアトンネルとを連結するように形成し、前記剛性部の車幅方向端部が前記平面部の車幅方向端部に連なるように構成されたことを特徴としている。
請求項5の発明は、車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造において、前記ダッシュパネルは、基本面部を備えた本体パネル部と、前記基本面部から車体前方または車体後方に突出して車幅方向に延びる突出部とを有し、前記突出部に前記基本面部と略面一で且つこの突出部を車幅方向に分断する少なくとも1つの平面部を設け、前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネルを設け、前記ダッシュパネルに前記突出部と同方向に突出して前記突出部とフロアトンネルとを連結する第2突出部を構成したことを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項1,2,5の何れか1項の発明において、前記ダッシュアッパパネルと、このダッシュアッパパネルの後端に連結され且つフロントウインドシールドの下端を支持するカウルパネルと、前記ダッシュアッパパネルの前端に連結されたカウルフロントパネルとを備えたカウルボックスを構成し、前記突出部を前記カウルボックスの下側近傍位置に配置したことを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項6又は7の発明において、前記突出部の上端部が前記ダッシュアッパパネルの前端とカウルフロントパネルの後端との連結部に接合されたことを特徴としている。
また、平面部を基本面部以外の部位に連続させるため、振動し易い基本面部への平面部の付加による面積増加を防止でき、平面部によって開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
請求項3の発明によれば、剛性部と平面部とを同時成形できるため、生産性を高くでき、平面部の剛性を高くできるため、開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
請求項5の発明によれば、ダッシュパネルに一体形成された突出部で車幅方向に延びる開断面を構成することにより、ダッシュパネルの軽量化と剛性とを確保でき、突出部が形成する開断面の上下端を突出部の一部を用いて連結することにより、開断面の上下端による離隔・接近動作を抑制することができる。それ故、ダッシュパネルの重量を増加させることなく、室内の振動騒音を低減することができ、乗員の室内快適性を向上できる。
また、ダッシュパネルに上下方向に伝播される上下モードの振動をフロアトンネルによって低減し、開断面の上下端による離隔・接近動作を一層抑制できる。
また、補機取付部等のレイアウト性に影響を与えることなく、突出部の配置スペースを確保することができる。
請求項7の発明によれば、補機取付部等のレイアウト性に影響を与えることなく、突出部の配置スペースを確保することができる。
請求項8の発明によれば、ダッシュパネルをダッシュアッパパネルとカウルフロントパネルとに3重接合できるため、ダッシュパネルの剛性を高くでき、突出部が形成する開断面の上端を高強度の連結部に接合するため、開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
図1〜図3に示すように、本実施例の車両Vの車体前部には、エンジンルーム(図示略)とその後方の車室とを前後に仕切る鋼板製のダッシュロアパネル1(ダッシュパネル)が設けられ、このダッシュロアパネル1の上端にダッシュアッパパネル2が連結され、ダッシュロアパネル1の下端に後方に延びるフロアパネル3が連結されている。ダッシュロアパネル1の前部には、前後方向に延びる左右1対のフロントサイドフレーム4が連結されている。
図1〜図3に示すように、ダッシュロアパネル1は、車室前部において略上下方向に拡がる本体パネル部11と、この本体パネル部11の下端から後方下がり傾斜状に延びる傾斜部12等によって一体的な車室前壁部に構成している。このダッシュロアパネル1の上端は、カウルボックス5に連結され、ダッシュロアパネル1の左右端は、左右1対のヒンジピラー8に連結されている。
図2〜図4,図7に示すように、第1突出部14は、基本面部11aから車体後方に突出すると共に左右1対のヒンジピラー8の間に形成されている。
第1突出部14は、前方に開口する開断面を形成するように断面略コ字状に構成され、開口の上端に相当する上側基端部から後方に延びる上端部14aと、開口の下端に相当する下側基端部から後方に延びる下端部14bと、上端部14aの後端と下端部14bの後端とを連結するように上下方向に延びる縦壁部14cを備えている。上端部14aは、ダッシュアッパパネル2の前端とカウルフロントパネル5bの後端とが重合連結された連結部に重合され、スポット溶接によって3重接合されている。本実施例では、第1突出部14の上下方向幅が前後方向幅に対して3〜5倍の長さに設定され、より好ましくは4〜5倍に設定される。
中央平面部16bは、第2突出部15の上側近傍位置且つ正面視にて右側端部が第2突出部15の左側基端部に同一直線状に連なるように形成されているため、中央平面部16bの下端が基本面部11aに連なる配置であっても、中央平面部16bの剛性を高くでき、中央平面部16bに連なった基本面部11aの振動の増長を防止している。
図8に示すように、右側平面部16cは、空調ユニット取付部13bの上側近傍位置且つ正面視にて車幅方向に重なる位置に形成されているため、基本面部11aと略面一であるにも拘わらず、空調ユニット取付部13b以外の基本面部11aと連ならないように配置されている。
図2,図3,図6に示すように、第2突出部15は、車幅方向中央部において基本面部11aから車体後方に突出すると共に第1突出部14とフロアトンネル3aとの間に亙って形成され、基本面部11aよりも剛性が高くなるように構成されている。
第2突出部15は、前方に開口する開断面を形成するように断面略コ字状に構成され、開口の左端に相当する左側基端部から後方に延びる左端部15aと、開口の右端に相当する右側基端部から後方に延びる右端部15bと、左端部15aの後端と左端部15bの後端とを連結するように上下方向に延びる縦壁部15cを備えている。第2突出部15の前後方向幅は、第1突出部14の前後方向幅と同じ幅に設定され、縦壁部15cが第1突出部14の縦壁部14cに面一状に連なっている。
この検証実験では、図9に示すように、ダッシュロアパネル構造のみを変更し、その他の構造を共通にした車両モデルA1〜A4を準備し、これら車両モデルA1〜A4のフロントサスペンション取付部Bを加振機によって矢印方向に所定の周波数で加振したときのダッシュロアパネルの振動レベル(dB)を評価した。
比較例に相当するモデルA1は、図10に示すように、後方に突出して車幅方向に延びる第1突出部14と後方に突出して上下方向に延びる第2突出部15とを備えた構造、所謂本実施例の各平面部を省略したダッシュロアパネル構造を備える。
モデルA2は、本実施例に相当し、図3に示すように、第1突出部14及び第2突出部15と、ブレーキユニット取付部13aに連なる左側平面部16aと、第2突出部15に右側稜線で連なる中央平面部16bと、空調ユニット取付部13bに連なる右側平面部16cを備えたダッシュロアパネル構造を備える。
本実施例の変形例に相当するモデルA3は、図11に示すように、第1突出部14及び第2突出部15と、中央平面部16bと、右側平面部16cを備えた構造、所謂本実施例の左側平面部を省略したダッシュロアパネル構造を備える。
本実施例の別の変形例に相当するモデルA4は、図12に示すように、第1突出部14及び第2突出部15と、基本面部11aに連なる左側平面部16dと、中央平面部16bと、右側平面部16cを備えた構造、所謂本実施例の左側平面部16aをオフセットしてブレーキユニット取付部13aの左側の基本面部11aに連結させたダッシュロアパネル構造を備える。
50〜200Hzの周波数帯域の中から車室に発生し易い低い周波数αと高い周波数β(α<β)を設定し、加振機によって夫々の周波数α,βの振動をモデルA1〜A4のフロントサスペンション取付部Bに入力し、モデルA1の振動レベルを基準値(0.00dB)としたときのモデルA2〜A4のダッシュロアパネルの振動レベル(dB)を検出した。
即ち、モデルA3は、第1突出部14の右側領域において開断面の上下端(第1突出部の上側基端部と下側基端部)による離隔・接近動作を抑制するが、左側領域において開断面の上下端による離隔・接近動作が発生するため、モデルA2に比べて振動抑制効果が低下していると推測される。モデルA4は、左右及び中央の平面部16b,16c,16dが開断面の上下端による離隔・接近動作を抑制するが、左側平面部16dがブレーキユニット取付部13aの左側の基本面部11aに連なり、この基本面部11aの面積が増加したため、開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制効果が基本面部11aの面積増加による振動増長により相殺されたものと推測される。
第2突出部15がカウルボックス5からフロアトンネル3aに亙って途切れることなく、連なるため、ダッシュロアパネル1を左右に分割して基本面部11aを細分化でき、基本面部11aの振動を一層抑制できる。
ダッシュロアパネル1をダッシュアッパパネル2とカウルフロントパネル5bとに3重接合できるめ、ダッシュロアパネル1の剛性を高くでき、第1突出部14が形成する開断面の上端を高強度の連結部に接合するため、開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
1〕前記実施例においては、第1突出部が車体後方へ突出した例を説明したが、車体前方へ突出した第1突出部を形成することも可能である。また、突出部を断面略コ字状に形成した例を説明したが、少なくともダッシュロアパネルの剛性を増加できればよく、C字状、くさび状等断面形状を任意に設定することができる。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
2 ダッシュアッパパネル
3a フロアトンネル
5 カウルボックス
5a カウルパネル
5b カウルフロントパネル
11 本体パネル部
11a 基本面部
13a ブレーキユニット取付部
13b 空調ユニット取付部
14 第1突出部
15 第2突出部
16a 左側平面部
16b 中央平面部
16c 右側平面部
V 車両
Claims (8)
- 車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造において、
前記ダッシュパネルは、基本面部を備えた本体パネル部と、前記基本面部から車体前方または車体後方に突出して車幅方向に延びる突出部とを有し、
前記突出部に前記基本面部と略面一で且つこの突出部を車幅方向に分断する少なくとも1つの平面部を設け、
前記本体パネル部は補機取付部または前記基本面部よりも剛性の高い剛性部を有し、
前記平面部が、前記補機取付部または剛性部の近傍部位に形成されたことを特徴とする車両の前部車体構造。 - 前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネルを設け、
前記ダッシュパネルに前記突出部と同方向に突出して前記突出部とフロアトンネルとを連結する第2突出部を構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両の前部車体構造。 - 前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネルを設け、
前記剛性部を前記ダッシュパネルに前記突出部と同方向に突出して前記突出部とフロアトンネルとを連結するように形成し、
前記剛性部の車幅方向端部が前記平面部の車幅方向端部に連なるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の前部車体構造。 - 前記補機取付部が前記ダッシュパネルに装着された空調ユニットまたはブレーキユニットを取り付ける取付部であることを特徴とする請求項1又は3に記載の車両の前部車体構造。
- 車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造において、
前記ダッシュパネルは、基本面部を備えた本体パネル部と、前記基本面部から車体前方または車体後方に突出して車幅方向に延びる突出部とを有し、
前記突出部に前記基本面部と略面一で且つこの突出部を車幅方向に分断する少なくとも1つの平面部を設け、
前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネルを設け、
前記ダッシュパネルに前記突出部と同方向に突出して前記突出部とフロアトンネルとを連結する第2突出部を構成したことを特徴とする車両の前部車体構造。 - 車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造において、
前記ダッシュパネルは、基本面部を備えた本体パネル部と、前記基本面部から車体前方または車体後方に突出して車幅方向に延びる突出部とを有し、
前記突出部に前記基本面部と略面一で且つこの突出部を車幅方向に分断する少なくとも1つの平面部を設け、
前記ダッシュアッパパネルと、このダッシュアッパパネルの後端に連結され且つフロントウインドシールドの下端を支持するカウルパネルと、前記ダッシュアッパパネルの前端に連結されたカウルフロントパネルとを備えたカウルボックスを構成し、
前記突出部を前記カウルボックスの下側近傍位置に配置したことを特徴とする車両の前部車体構造。 - 前記ダッシュアッパパネルと、このダッシュアッパパネルの後端に連結され且つフロントウインドシールドの下端を支持するカウルパネルと、前記ダッシュアッパパネルの前端に連結されたカウルフロントパネルとを備えたカウルボックスを構成し、
前記突出部を前記カウルボックスの下側近傍位置に配置したことを特徴とする請求項1,2,5の何れか1項に記載の車両の前部車体構造。 - 前記突出部の上端部が前記ダッシュアッパパネルの前端とカウルフロントパネルの後端との連結部に接合されたことを特徴とする請求項6又は7に記載の車両の前部車体構造。
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