JP5919969B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の前部車体構造に関し、特に車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造に関する。
従来より、車両走行時、エンジンのこもり音やロードノイズ等によって室内騒音が発生することが知られている。特に、室内騒音に対して大きな割合を占めるロードノイズは、路面の凹凸によってタイヤやサスペンションリンク等が上下振動し、この上下振動が車室を構成する面部材を振動させることによって生じる固体伝播音が主な要因となっている。
車室構成部材のうち、エンジンルームと車室とを前後に仕切るダッシュパネルは本体パネル部に広い基本面部を備えるため、この基本面部がサスペンションリンク等の上下振動に加振されて所定周波数帯域の前後振動を生じ易く、更に、ダッシュパネルの前後振動に伴ってダッシュパネルの上端に連なるカウルボックスに上下首振り振動を発生させる。そこで、ロードノイズに対して影響の大きなダッシュパネルの剛性を高め、基本面部の前後振動を抑制することにより室内騒音を低減する技術が提案されている。
特許文献1の車両のカウル部構造は、ダッシュロアパネル(ダッシュパネル)と、このダッシュロアパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備え、ダッシュロアパネルの上部後面側に車幅方向に延びる断面ハット状のダッシュクロスメンバを接合し、このダッシュクロスメンバとダッシュロアパネルとの間に車幅方向に延びるダッシュクロス閉断面を構成している。
特開2011−37288号公報
特許文献1の車両のカウル部構造は、ダッシュロアパネルの後側に車幅方向に延びるダッシュクロスメンバを接合しているため、ダッシュロアパネルの基本面部をダッシュクロスメンバで補強でき、車室内に発生する騒音対策を図ることができる。しかし、特許文献1の技術では、ダッシュロアパネルの総面積が増加するため、ダッシュロアパネルの重量がダッシュクロスメンバによって増加し、結果的に車体重量の増加を招く。
そこで、ダッシュクロスメンバを省略しつつ、ダッシュパネルの基本面部の剛性を増加することができる構造を検討した結果、ダッシュクロスメンバの追加による閉断面に代えて車幅方向に延びる開断面を構成したダッシュパネル構造に想到した。この構造は、ダッシュパネルの本体パネル部の基本面部から車体前後方向に突出して車幅方向に延びる突出部をダッシュパネルと一体的に形成することにより、ダッシュクロスメンバを省略することができる。しかし、このダッシュパネル構造の性能を検証した結果、特許文献1の技術に比べてダッシュパネルの軽量化と剛性とを確保することができるものの、以下のように新たな課題を招くことが判明した。
ダッシュパネルの本体パネル部の基本面部に車幅方向に延びる開断面が形成されるため、開断面の開口の上下端、所謂突出部の上下基端部がサスペンションリンク等の上下振動に起因して離隔(拡開)・接近(収縮)動作を周期的に繰り返し、その結果、新たな周波数帯域の振動と、この振動に起因した振動騒音とが発生し、乗員の室内快適性を阻害する虞がある。また、離隔・接近動作を抑制するために突出部が形成する開断面の開口の上下端を部分的に連結する補強部材を設けることも可能であるが、補強部材の追加により当初の狙いである軽量化の効果を減少させるため、望ましい解決策とは言えない。
本発明の目的は、ダッシュパネルの重量を増加させることなく、室内の振動騒音を低減することができる車両の前部車体構造を提供することである。
請求項1の車両の前部車体構造は、車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造において、前記ダッシュパネルは、基本面部を備えた本体パネル部と、前記基本面部から車体前方または車体後方に突出して車幅方向に延びる突出部とを有し、前記突出部に前記基本面部と略面一で且つこの突出部を車幅方向に分断する少なくとも1つの平面部を設け、前記本体パネル部は補機取付部または前記基本面部よりも剛性の高い剛性部を有し、前記平面部が、前記補機取付部または剛性部の近傍部位に形成されたことを特徴としている。
この車両の前部車体構造では、ダッシュパネルが基本面部から車体前方または車体後方に突出して車幅方向に延びる突出部を有しているため、ダッシュパネル自体を利用して車幅方向に延びる開断面を構成でき、ダッシュクロスメンバを設けることなく、ダッシュパネルの軽量化と剛性とを確保することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネルを設け、前記ダッシュパネルに前記突出部と同方向に突出して前記突出部とフロアトンネルとを連結する第2突出部を構成したことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネルを設け、前記剛性部を前記ダッシュパネルに前記突出部と同方向に突出して前記突出部とフロアトンネルとを連結するように形成し、前記剛性部の車幅方向端部が前記平面部の車幅方向端部に連なるように構成されたことを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1又はの発明において、前記補機取付部が前記ダッシュパネルに装着された空調ユニットまたはブレーキユニットを取り付ける取付部であることを特徴としている。
請求項5の発明は、車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造において、前記ダッシュパネルは、基本面部を備えた本体パネル部と、前記基本面部から車体前方または車体後方に突出して車幅方向に延びる突出部とを有し、前記突出部に前記基本面部と略面一で且つこの突出部を車幅方向に分断する少なくとも1つの平面部を設け、前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネルを設け、前記ダッシュパネルに前記突出部と同方向に突出して前記突出部とフロアトンネルとを連結する第2突出部を構成したことを特徴としている。
請求項6の発明は、車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造において、前記ダッシュパネルは、基本面部を備えた本体パネル部と、前記基本面部から車体前方または車体後方に突出して車幅方向に延びる突出部とを有し、前記突出部に前記基本面部と略面一で且つこの突出部を車幅方向に分断する少なくとも1つの平面部を設け、前記ダッシュアッパパネルと、このダッシュアッパパネルの後端に連結され且つフロントウインドシールドの下端を支持するカウルパネルと、前記ダッシュアッパパネルの前端に連結されたカウルフロントパネルとを備えたカウルボックスを構成し、前記突出部を前記カウルボックスの下側近傍位置に配置したことを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項1,2,5の何れか1項の発明において、前記ダッシュアッパパネルと、このダッシュアッパパネルの後端に連結され且つフロントウインドシールドの下端を支持するカウルパネルと、前記ダッシュアッパパネルの前端に連結されたカウルフロントパネルとを備えたカウルボックスを構成し、前記突出部を前記カウルボックスの下側近傍位置に配置したことを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項6又は7の発明において、前記突出部の上端部が前記ダッシュアッパパネルの前端とカウルフロントパネルの後端との連結部に接合されたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、ダッシュパネルに一体形成された突出部で車幅方向に延びる開断面を構成することにより、ダッシュパネルの軽量化と剛性とを確保でき、突出部が形成する開断面の上下端を突出部の一部を用いて連結することにより、開断面の上下端による離隔・接近動作を抑制することができる。それ故、ダッシュパネルの重量を増加させることなく、室内の振動騒音を低減することができ、乗員の室内快適性を向上できる。
また、平面部を基本面部以外の部位に連続させるため、振動し易い基本面部への平面部の付加による面積増加を防止でき、平面部によって開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
請求項2の発明によれば、ダッシュパネルに上下方向に伝播される上下モードの振動をフロアトンネルによって低減し、開断面の上下端による離隔・接近動作を一層抑制できる。
請求項3の発明によれば、剛性部と平面部とを同時成形できるため、生産性を高くでき、平面部の剛性を高くできるため、開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
請求項4の発明によれば、空調ユニットまたはブレーキユニットを取り付ける取付部によって開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
請求項5の発明によれば、ダッシュパネルに一体形成された突出部で車幅方向に延びる開断面を構成することにより、ダッシュパネルの軽量化と剛性とを確保でき、突出部が形成する開断面の上下端を突出部の一部を用いて連結することにより、開断面の上下端による離隔・接近動作を抑制することができる。それ故、ダッシュパネルの重量を増加させることなく、室内の振動騒音を低減することができ、乗員の室内快適性を向上できる。
また、ダッシュパネルに上下方向に伝播される上下モードの振動をフロアトンネルによって低減し、開断面の上下端による離隔・接近動作を一層抑制できる。
請求項6の発明によれば、ダッシュパネルに一体形成された突出部で車幅方向に延びる開断面を構成することにより、ダッシュパネルの軽量化と剛性とを確保でき、突出部が形成する開断面の上下端を突出部の一部を用いて連結することにより、開断面の上下端による離隔・接近動作を抑制することができる。それ故、ダッシュパネルの重量を増加させることなく、室内の振動騒音を低減することができ、乗員の室内快適性を向上できる。
また、補機取付部等のレイアウト性に影響を与えることなく、突出部の配置スペースを確保することができる。
請求項7の発明によれば、補機取付部等のレイアウト性に影響を与えることなく、突出部の配置スペースを確保することができる。
請求項8の発明によれば、ダッシュパネルをダッシュアッパパネルとカウルフロントパネルとに3重接合できるため、ダッシュパネルの剛性を高くでき、突出部が形成する開断面の上端を高強度の連結部に接合するため、開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
本発明の実施例1に係る車両の前部車体構造を車室後方から視た斜視図である。 補機及びステアリングメンバ等を省略した状態の図1相当図である。 補機及びステアリングメンバ等を省略した状態の前部車体構造を車室後方から視た正面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図3のV−V線断面図である。 図3のVI−VI線断面図である。 図3のVII−VII線断面図である。 図3のVIII−VIII線断面図である。 検証実験の車両モデルの斜視図である。 比較例に相当する車両モデルの図3相当図である。 変形例に相当する車両モデルの図3相当図である。 別の変形例に相当する車両モデルの図3相当図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。尚、図において、矢印F方向を車体前方、矢印L方向を車体左方として説明する。
以下、本発明の実施例1について図1〜図8に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、本実施例の車両Vの車体前部には、エンジンルーム(図示略)とその後方の車室とを前後に仕切る鋼板製のダッシュロアパネル1(ダッシュパネル)が設けられ、このダッシュロアパネル1の上端にダッシュアッパパネル2が連結され、ダッシュロアパネル1の下端に後方に延びるフロアパネル3が連結されている。ダッシュロアパネル1の前部には、前後方向に延びる左右1対のフロントサイドフレーム4が連結されている。
図1〜図3,図5〜図8に示すように、ダッシュロアパネル1の上部には、車幅方向に延びるカウルボックス5が配置されている。このカウルボックス5は、ダッシュアッパパネル2と、このダッシュアッパパネル2の後端に連結され且つフロントウインドシールド(図示略)の下端を支持するカウルパネル5aと、ダッシュアッパパネル2の前端に連結されたカウルフロントパネル5bによって車幅方向に延びる閉断面を構成している。
フロアパネル3は、ダッシュロアパネル1の下端から後方へ略水平状に拡がるように構成されている。フロアパネル3の車幅方向略中央位置には、車室内側に膨出するフロアトンネル3aが車体前後方向に延びるように形成され、その前端がダッシュロアパネル1の車幅方向中央下部に接続されている。フロアトンネル3aの左右両側には、前後方向に延びる左右1対のフロアフレーム7が設けられ、フロアパネル3の左右端部には、前後方向に延びる左右1対のサイドシル6が設けられている。これら左右1対のサイドシル6の前端には、上方に延びるヒンジピラー8が夫々配置され、これら左右1対のヒンジピラー8の間にステアリング(図示略)を支持するステアリングメンバ9が車幅方向に懸架される。
次に、ダッシュロアパネル1について詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、ダッシュロアパネル1は、車室前部において略上下方向に拡がる本体パネル部11と、この本体パネル部11の下端から後方下がり傾斜状に延びる傾斜部12等によって一体的な車室前壁部に構成している。このダッシュロアパネル1の上端は、カウルボックス5に連結され、ダッシュロアパネル1の左右端は、左右1対のヒンジピラー8に連結されている。
図3に示すように、本体パネル部11は、ダッシュロアパネル1の成形上の基準面を構成する平板状の基本面部11aを有し、ブレーキユニット取付部13aと、空調ユニット取付部13bと、車幅方向に延びる第1突出部14(突出部)と、上下方向に延びる第2突出部15(剛性部)等が基本面部11aと一体形成されている。これらブレーキユニット取付部13、空調ユニット取付部13b、第1突出部14、第2突出部15は、機械加工、例えばプレス加工によって同時形成される。
ブレーキユニット取付部13aは、本体パネル部11の片側(例えば左側)部分に形成されたロッド挿通用開口11bの外周近傍部位に設けられている。このブレーキユニット取付部13aは、ブレーキユニット21のマスタバック及びマスタシリンダ(図示略)と、ブレーキペダル22を揺動可能に軸支する取付けブラケット(図示略)等を締結ボルトによって取り付け可能に構成されている。空調ユニット取付部13bは、本体パネル部11の他側(例えば右側)部分に形成されたダクト挿通用開口11cの外周近傍部位に設けられ、ブロアやヒータ(図示略)等を備えた空調ユニット23を締結ボルトによって取り付け可能に構成されている。
次に、第1突出部14について説明する。
図2〜図4,図7に示すように、第1突出部14は、基本面部11aから車体後方に突出すると共に左右1対のヒンジピラー8の間に形成されている。
第1突出部14は、前方に開口する開断面を形成するように断面略コ字状に構成され、開口の上端に相当する上側基端部から後方に延びる上端部14aと、開口の下端に相当する下側基端部から後方に延びる下端部14bと、上端部14aの後端と下端部14bの後端とを連結するように上下方向に延びる縦壁部14cを備えている。上端部14aは、ダッシュアッパパネル2の前端とカウルフロントパネル5bの後端とが重合連結された連結部に重合され、スポット溶接によって3重接合されている。本実施例では、第1突出部14の上下方向幅が前後方向幅に対して3〜5倍の長さに設定され、より好ましくは4〜5倍に設定される。
図3に示すように、第1突出部14に、少なくとも1箇所以上、本実施例では3つの平面部16a,16b,16cが縦壁部14cから前方へ段差げ状に形成されている。図5,図8に示すように、これら平面部16a,16b,16cは、基本面部11aと略面一且つ第1突出部14の上端部14aと下端部14bとを最短距離に結ぶように平面状に連結し、これら平面部16a,16b,16cによって第1突出部14を車幅方向に分断するように構成している。
左側平面部16aは、ブレーキユニット取付部13aの上側近傍位置且つ正面視にて車幅方向に重なる位置に形成されているため、基本面部11aと略面一であるにも拘わらず、ブレーキユニット取付部13a以外の基本面部11aと連ならないように配置されている。
中央平面部16bは、第2突出部15の上側近傍位置且つ正面視にて右側端部が第2突出部15の左側基端部に同一直線状に連なるように形成されているため、中央平面部16bの下端が基本面部11aに連なる配置であっても、中央平面部16bの剛性を高くでき、中央平面部16bに連なった基本面部11aの振動の増長を防止している。
図8に示すように、右側平面部16cは、空調ユニット取付部13bの上側近傍位置且つ正面視にて車幅方向に重なる位置に形成されているため、基本面部11aと略面一であるにも拘わらず、空調ユニット取付部13b以外の基本面部11aと連ならないように配置されている。
次に、第2突出部15について説明する。
図2,図3,図6に示すように、第2突出部15は、車幅方向中央部において基本面部11aから車体後方に突出すると共に第1突出部14とフロアトンネル3aとの間に亙って形成され、基本面部11aよりも剛性が高くなるように構成されている。
第2突出部15は、前方に開口する開断面を形成するように断面略コ字状に構成され、開口の左端に相当する左側基端部から後方に延びる左端部15aと、開口の右端に相当する右側基端部から後方に延びる右端部15bと、左端部15aの後端と左端部15bの後端とを連結するように上下方向に延びる縦壁部15cを備えている。第2突出部15の前後方向幅は、第1突出部14の前後方向幅と同じ幅に設定され、縦壁部15cが第1突出部14の縦壁部14cに面一状に連なっている。
次に、検証実験により実証された本前部車体構造の作用・効果について、図9〜図12に基づいて説明する。
この検証実験では、図9に示すように、ダッシュロアパネル構造のみを変更し、その他の構造を共通にした車両モデルA1〜A4を準備し、これら車両モデルA1〜A4のフロントサスペンション取付部Bを加振機によって矢印方向に所定の周波数で加振したときのダッシュロアパネルの振動レベル(dB)を評価した。
車両モデルA1〜A4の仕様は以下のように設定した。
比較例に相当するモデルA1は、図10に示すように、後方に突出して車幅方向に延びる第1突出部14と後方に突出して上下方向に延びる第2突出部15とを備えた構造、所謂本実施例の各平面部を省略したダッシュロアパネル構造を備える。
モデルA2は、本実施例に相当し、図3に示すように、第1突出部14及び第2突出部15と、ブレーキユニット取付部13aに連なる左側平面部16aと、第2突出部15に右側稜線で連なる中央平面部16bと、空調ユニット取付部13bに連なる右側平面部16cを備えたダッシュロアパネル構造を備える。
本実施例の変形例に相当するモデルA3は、図11に示すように、第1突出部14及び第2突出部15と、中央平面部16bと、右側平面部16cを備えた構造、所謂本実施例の左側平面部を省略したダッシュロアパネル構造を備える。
本実施例の別の変形例に相当するモデルA4は、図12に示すように、第1突出部14及び第2突出部15と、基本面部11aに連なる左側平面部16dと、中央平面部16bと、右側平面部16cを備えた構造、所謂本実施例の左側平面部16aをオフセットしてブレーキユニット取付部13aの左側の基本面部11aに連結させたダッシュロアパネル構造を備える。
本検証実験の実験条件を説明する。
50〜200Hzの周波数帯域の中から車室に発生し易い低い周波数αと高い周波数β(α<β)を設定し、加振機によって夫々の周波数α,βの振動をモデルA1〜A4のフロントサスペンション取付部Bに入力し、モデルA1の振動レベルを基準値(0.00dB)としたときのモデルA2〜A4のダッシュロアパネルの振動レベル(dB)を検出した。
以下、検証結果を示す。
本実施例及び各変形例のモデルA2〜A4は、比較基準としてのモデルA1に比べて何れもダッシュロアパネルの振動レベルが低減している。
モデルA2〜A4の検証結果のうち、モデルA2が最も高い振動抑制効果を示している。
即ち、モデルA3は、第1突出部14の右側領域において開断面の上下端(第1突出部の上側基端部と下側基端部)による離隔・接近動作を抑制するが、左側領域において開断面の上下端による離隔・接近動作が発生するため、モデルA2に比べて振動抑制効果が低下していると推測される。モデルA4は、左右及び中央の平面部16b,16c,16dが開断面の上下端による離隔・接近動作を抑制するが、左側平面部16dがブレーキユニット取付部13aの左側の基本面部11aに連なり、この基本面部11aの面積が増加したため、開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制効果が基本面部11aの面積増加による振動増長により相殺されたものと推測される。
以上のように、この車両の前部車体構造によれば、ダッシュロアパネル1に一体形成された第1突出部14で車幅方向に延びる開断面を構成することにより、ダッシュロアパネル1の軽量化と剛性とを確保でき、第1突出部14が形成する開断面の上下端を第1突出部14の一部を用いて連結することにより、第1突出部14が形成する開断面の上下端による離隔・接近動作を抑制することができる。それ故、ダッシュロアパネル1の重量を増加させることなく、室内の振動騒音を低減することができ、乗員の室内快適性を向上できる。
本体パネル部11は補機取付部(ブレーキユニット取付部13a、空調ユニット取付部連13b)または基本面部11aよりも剛性の高い第2突出部15を有し、各平面部16a,16b,16cが、補機取付部または第2突出部15の近傍部位に形成されている。 これにより、平面部16a,16b,16cを基本面部11a以外の部位に連続させるため、振動し易い基本面部11aへの平面部16a,16b,16cの付加による面積増加を防止でき、平面部16a,16b,16cによって開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
ダッシュロアパネル1の車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネル3aを設け、ダッシュロアパネル1に第1突出部14と同方向に突出して第1突出部14とフロアトンネル3aとを連結する第2突出部15を構成したから、ダッシュロアパネル1に上下方向に伝播される上下モードの振動をフロアトンネル3aによって低減し、開断面の上下端による離隔・接近動作を一層抑制できる。
第2突出部15がカウルボックス5からフロアトンネル3aに亙って途切れることなく、連なるため、ダッシュロアパネル1を左右に分割して基本面部11aを細分化でき、基本面部11aの振動を一層抑制できる。
ダッシュアッパパネル2と、このダッシュアッパパネル2の後端に連結され且つフロントウインドシールドの下端を支持するカウルパネル5aと、ダッシュアッパパネル2の前端に連結されたカウルフロントパネル5bとを備えたカウルボックス5を構成し、第1突出部14をカウルボックス5の下側近傍位置に配置したから、補機取付部等のレイアウト性に影響を与えることなく、第1突出部14の配置スペースを確保することができる。
ダッシュロアパネル1をダッシュアッパパネル2とカウルフロントパネル5bとに3重接合できるめ、ダッシュロアパネル1の剛性を高くでき、第1突出部14が形成する開断面の上端を高強度の連結部に接合するため、開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
ダッシュロアパネル1の車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネル3aを設け、第2突出部15をダッシュロアパネル1に第1突出部14と同方向に突出して第1突出部14とフロアトンネル3aとを連結するように形成し、第2突出部15の車幅方向端部が中央平面部16bの車幅方向端部に連なるように構成されている。これにより、第2突出部15と中央平面部16bとを同時成形できるため、生産性を高くでき、中央平面部16bの剛性を高くできるため、開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
補機取付部がダッシュロアパネル1に装着されたブレーキユニット13aまたは空調ユニット13bを取り付ける取付部であるため、ブレーキユニット13aまたは空調ユニット13bを取り付ける取付部によって開断面の上下端による離隔・接近動作の抑制能率を高くできる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、第1突出部が車体後方へ突出した例を説明したが、車体前方へ突出した第1突出部を形成することも可能である。また、突出部を断面略コ字状に形成した例を説明したが、少なくともダッシュロアパネルの剛性を増加できればよく、C字状、くさび状等断面形状を任意に設定することができる。
2〕前記実施例においては、剛性部を第2突出部で構成した例を説明したが、少なくとも剛性部は基本面部よりも高剛性であれば良く、板厚増加やレインフォースメントの追加によって構成することも可能である。また、補機取付部に別途補強板を設け、補機取付部と剛性部とを兼ねても良い。
3〕前記実施例においては、ブレーキユニット取付部と空調ユニット取付部を補機取付部の例として説明したが、これらに限ることなく何れの補機取付部であっても同様の効果を奏することができる。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造において、ダッシュパネルに車幅方向に延びる突出部を一体的に形成し、この突出部の一部を用いて開口の上下端を連結することにより、ダッシュパネルの重量を増加させることなく、室内の振動騒音を低減することができる。
1 ダッシュロアパネル
2 ダッシュアッパパネル
3a フロアトンネル
5 カウルボックス
5a カウルパネル
5b カウルフロントパネル
11 本体パネル部
11a 基本面部
13a ブレーキユニット取付部
13b 空調ユニット取付部
14 第1突出部
15 第2突出部
16a 左側平面部
16b 中央平面部
16c 右側平面部
V 車両

Claims (8)

  1. 車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造において、
    前記ダッシュパネルは、基本面部を備えた本体パネル部と、前記基本面部から車体前方または車体後方に突出して車幅方向に延びる突出部とを有し、
    前記突出部に前記基本面部と略面一で且つこの突出部を車幅方向に分断する少なくとも1つの平面部を設け
    前記本体パネル部は補機取付部または前記基本面部よりも剛性の高い剛性部を有し、
    前記平面部が、前記補機取付部または剛性部の近傍部位に形成されたことを特徴とする車両の前部車体構造。
  2. 前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネルを設け、
    前記ダッシュパネルに前記突出部と同方向に突出して前記突出部とフロアトンネルとを連結する第2突出部を構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両の前部車体構造。
  3. 前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネルを設け、
    前記剛性部を前記ダッシュパネルに前記突出部と同方向に突出して前記突出部とフロアトンネルとを連結するように形成し、
    前記剛性部の車幅方向端部が前記平面部の車幅方向端部に連なるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の前部車体構造。
  4. 前記補機取付部が前記ダッシュパネルに装着された空調ユニットまたはブレーキユニットを取り付ける取付部であることを特徴とする請求項1又は3に記載の車両の前部車体構造。
  5. 車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造において、
    前記ダッシュパネルは、基本面部を備えた本体パネル部と、前記基本面部から車体前方または車体後方に突出して車幅方向に延びる突出部とを有し、
    前記突出部に前記基本面部と略面一で且つこの突出部を車幅方向に分断する少なくとも1つの平面部を設け、
    前記ダッシュパネルの車幅方向中央下部から後方へ延びるフロアトンネルを設け、
    前記ダッシュパネルに前記突出部と同方向に突出して前記突出部とフロアトンネルとを連結する第2突出部を構成したことを特徴とする車両の前部車体構造。
  6. 車室の前壁部を構成するダッシュパネルと、このダッシュパネルの上端に連なるダッシュアッパパネルとを備えた車両の前部車体構造において、
    前記ダッシュパネルは、基本面部を備えた本体パネル部と、前記基本面部から車体前方または車体後方に突出して車幅方向に延びる突出部とを有し、
    前記突出部に前記基本面部と略面一で且つこの突出部を車幅方向に分断する少なくとも1つの平面部を設け、
    前記ダッシュアッパパネルと、このダッシュアッパパネルの後端に連結され且つフロントウインドシールドの下端を支持するカウルパネルと、前記ダッシュアッパパネルの前端に連結されたカウルフロントパネルとを備えたカウルボックスを構成し、
    前記突出部を前記カウルボックスの下側近傍位置に配置したことを特徴とする車両の前部車体構造。
  7. 前記ダッシュアッパパネルと、このダッシュアッパパネルの後端に連結され且つフロントウインドシールドの下端を支持するカウルパネルと、前記ダッシュアッパパネルの前端に連結されたカウルフロントパネルとを備えたカウルボックスを構成し、
    前記突出部を前記カウルボックスの下側近傍位置に配置したことを特徴とする請求項1,2,5の何れか1項に記載の車両の前部車体構造。
  8. 前記突出部の上端部が前記ダッシュアッパパネルの前端とカウルフロントパネルの後端との連結部に接合されたことを特徴とする請求項6又は7に記載の車両の前部車体構造。
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